JP3814930B2 - 回転機械及び電動モータのステータ組付方法 - Google Patents
回転機械及び電動モータのステータ組付方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのジャーナル気体軸受により回転可能に支承された回転軸をその両軸受間において電動モータにより回転駆動する回転機械に関し、特に電動モータのステータの組付構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、回転軸が電動モータにより高速度で回転駆動される回転機械では、高い軸心精度が要求されることから、図7に示すように、電動モータ(a)の軸方向の両側(同図の上下方向の両側)に、ヘリングボーンジャーナル気体軸受のような動圧型のジャーナル軸受(b)を配置し、これら両ジャーナル軸受(b),(b)により回転軸(c)を回転可能に支承する両持ち構造とすることが考えられる。その際には、上記電動モータ(a)のステータ(d)は、両ジャーナル軸受(b),(b)の軸受ハウジング(e)の内部に組み付けられることになる。また、電動モータ(a)のロータ(f)は、上記ステータ(d)と相対向するように上記回転軸(c)に一体に設けられる。一方、上記軸受ハウジング(e)の軸方向の両端部には、上記両ジャーナル軸受(b),(b)の各軸受孔(g)が形成され、これら両軸受孔(g),(g)に回転軸(c)が回転可能に嵌挿される。そして、例えば回転軸(c)の側にヘリングボーン状の溝部(h)を設けておき、上記軸受孔(g)と回転軸(c)との間に該回転軸(c)の回転に伴って気体膜を生成させるようにし、この気体膜を介して回転軸(c)を回転可能に支承することになる。
【0003】
ところで、上述のように、軸受ハウジング(e)の内部に電動モータ(a)のステータ(d)を組み付けて回転軸(c)を両持ち支持させようとする場合には、上記軸受孔(g)の孔径よりもステータ(d)の外径の方が大きいことから、その軸受ハウジング(e)の内部にステータ(d)を組み付けることは困難である。
【0004】
上記のような場合には、従来では、上記軸受ハウジング(e)を、ステータ(d)の組付時に複数のハウジング構成部材(i),(i),…により組み立てるようにすることが一般的である。すなわち、例えば2つのハウジング構成部材(i),(i)により軸受ハウジング(e)を組み立てるようにする場合には、各ハウジング構成部材(i)にそれぞれ軸受孔(g)を形成した後、一方のハウジング構成部材(i)にステータ(d)及び他方のハウジング構成部材(i)を軸方向に順に組み付けるようになされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の場合では、軸受ハウジング(e)が、複数のハウジング構成部材(i),(i),…を組み立ててなるものであることから、ハウジング構成部材(i),(i)間に組立公差が生じ易く、そのために、各軸受孔(g)の軸受中心が径方向にずれたり所定の軸受中心に対しそれぞれ傾いたりすることになり、ジャーナル軸受(b)の信頼性や負荷能力が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、電動モータにより回転駆動される回転軸を該電動モータの軸方向両側で両持ち支持するようにした回転機械において軸受ハウジングの内部に電動モータのステータを組み付けるに当たり、上記軸受ハウジングの構造に工夫を加えることで、軸受ハウジングが単一の部材からなるものであってもその軸受ハウジングの内部にステータを組み付けることができるようにし、もって、従来の場合のようなハウジング構成部材間の組立公差に起因する各軸受孔の軸受中心のずれや傾きを回避できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、ステータの組付時に複数のハウジング構成部材を組み立てて軸受ハウジングを構成する従来の場合と異なり、軸受ハウジングを単一の部材で構成することとし、その代わりに、上記軸受ハウジングには、ステータを組み付けるための径方向の切除部を設けておくようにした。
【0008】
具体的には、請求項1の発明では、図2に示すように、軸方向(図示する例では上下方向)に並んで配置された2つのジャーナル軸受(11),(11)と、軸方向の両端部に上記両ジャーナル軸受(11),(11)の各軸受孔(11a)が形成された軸受ハウジング(12)と、上記両軸受孔(11a),(11a)に嵌挿されて上記両ジャーナル軸受(11),(11)により回転可能に支承された回転軸(13)と、上記軸受ハウジング(12)の内部に組み付けられたステータ(14a)及び該ステータ(14a)と相対向するように上記回転軸(13)に一体に設けられたロータ(14b)からなる電動モータ(14)とを備えるようにした回転機械が前提である。
【0009】
そして、上記軸受ハウジング(12)は、図1に示すように、上記ステータ(14a)を径方向外方から該軸受ハウジング(12)の内部に挿入可能な切除部(12a)を有するものとし、その上で、各ジャーナル軸受(11)は、軸受孔(11a)と回転軸(13)との間に生成される気体膜を介して該回転軸(13)を回転可能に支承するように構成されているものとする。
【0010】
上記のように構成された回転機械において、電動モータ(14)により回転駆動される回転軸(13)は、軸方向に並んで配置された2つのジャーナル軸受(11),(11)により回転可能に支承されており、上記回転軸(13)が嵌挿される両ジャーナル軸受(11),(11)の各軸受孔(11a)は、軸受ハウジング(12)の軸方向の両端部に形成されている。また、上記電動モータ(14)のステータ(14a)は、上記軸受ハウジング(12)の内部に組み付けられており、一方、電動モータ(14)のロータ(14b)は上記ステータ(14a)と相対向するように上記回転軸(13)に一体に設けられている。
【0011】
このとき、上記軸受ハウジング(12)の内部への上記ステータ(14a)の組付けは、ステータ(14a)を該軸受ハウジング(12)の切除部(12a)を経由して径方向外方から挿入することにより行なわれる。したがって、上記軸受ハウジング(12)を複数のハウジング構成部材に分割しておいてそれらハウジング構成部材を上記ステータ(14a)の組付時に組み立てるようにすることは不要であり、例えば単一の部材により構成することができる。よって、ステータ(14a)の組付時に複数のハウジング構成部材を組み立てる従来の場合のような部材間の組立公差に起因する各軸受孔(11a)の軸受中心のずれや傾きは発生せず、その分だけジャーナル軸受(11)、(11)の信頼性及び負荷能力の低下は回避される。
【0012】
さらに、軸受孔(11a)に嵌挿された回転軸(13)は、該軸受孔(11a)との間に生成される気体膜を介して回転可能に支承される。したがって、この場合には、上記回転軸(13)と軸受孔(11a)との間のクリアランスが極めて小さいことから、各軸受孔(11a)に上述のような軸受中心のずれや傾きがあると、このジャーナル軸受(11)の信頼性や負荷能力は大きく低下することになる。よって、上記ジャーナル軸受(11),(11)の信頼性及び負荷能力は適正に発揮されるようになる。
【0013】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、各ジャーナル軸受(11)は、軸受孔(11a)と回転軸(13)との間に該回転軸(13)の回転に伴って気体膜を生成し該気体膜を介して回転軸(13)を回転可能に支承するように構成されているものとする。
【0014】
上記の構成において、軸受孔(11a)に嵌挿された回転軸(13)は、該回転軸(13)の回転に伴って軸受孔(11a)との間に気体膜を生成し該気体膜を介して回転可能に支承される。つまり、上記各ジャーナル軸受(11)は、動圧型ジャーナル気体軸受である。したがって、これら動圧型ジャーナル気体軸受の信頼性及び負荷能力が適正に発揮されることになる。
【0015】
請求項3の発明では、上記請求項1又は2の発明において、少なくとも一方の軸受孔(11a)の孔径(D1 )が、電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D0 )よりも大きく(D1 >D0 )設定されているものとする。
【0016】
上記の構成において、回転軸(13)を軸受孔(11a)に嵌挿させる作業は、上記回転軸(13)の一端側を一方の軸受孔(11a)を経由して他方の軸受孔(11a)に嵌挿させることで行なわれる。このとき、少なくとも上記一方の軸受孔(11a)の孔径(D1 )がロータ(14b)の外径(D0 )よりも大であるので、上記回転軸(13)にロータ(14b)が一体に設けられているにも拘らず、該回転軸(13)を両軸受孔(11a),(11a)に嵌挿させる作業は支障なく行なわれる。
【0017】
請求項4の発明では、上記請求項1又は2の発明に係る回転機械において電動モータ(14)のステータ(14a)を組み付ける方法として、上記ステータ(14a)を径方向外方から挿入可能な切除部(12a)を有する軸受ハウジング(12)を用意することとし、この軸受ハウジング(12)の切除部(12a)を経由して該軸受ハウジング(12)の内部に上記ステータ(14a)を組み付けるようにする。
【0018】
上記の構成において、回転機械における電動モータ(14)のステータ(14a)の組付けには、上記ステータ(14a)を径方向外方から挿入可能な切除部(12a)を有する軸受ハウジング(12)が用意される。そして、上記切除部(12a)を経由してステータ(14a)は軸受ハウジング(12)の内部に組み付けられる。よって、この発明においても、上記請求項1の発明の場合と同じ作用が営まれる。
【0019】
請求項5の発明では、上記請求項4の発明において、軸受ハウジング(12)の両軸受孔(11a),(11a)を、図3に示すように、同時加工により形成することとする。
【0020】
上記の構成において、軸受ハウジング(12)の両軸受孔(11a),(11a)は、同時加工により形成される。よって、従来の場合のようなハウジング構成部材間の組立公差に起因する不具合のみならず、両軸受孔(11a),(11a)間の加工公差に起因する軸受中心のずれや傾きも適正に回避される。
【0021】
請求項6の発明では、上記請求項4又は5の発明において、図4及び図5に示すように、軸受ハウジング(12)の各軸受孔(11a)を、該軸受ハウジング(12)へのステータ(14a)の組付けに先立って形成することとする。
【0022】
上記の構成において、軸受ハウジング(12)にステータ(14a)を組み付ける際に、そのステータ(14a)の組付けに先立って、上記軸受ハウジング(12)の各軸受孔(11a)が形成される。よって、軸受孔(11a)の形成に伴って発生する切削粉等の異物がステータ(14a)に入り込むことは未然に防止される。
【0023】
請求項7の発明では、上記請求項4〜6の発明において、図1に示すように、少なくとも一方(図示する例では上方)の軸受孔(11a)の孔径(D1 )を、電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D0 )よりも大きく(D1 >D0 )設定することとし、その上で、軸受ハウジング(12)の内部に上記電動モータ(14)のステータ(14a)を組み付けた後、上記ロータ(14b)が一体に設けられた回転軸(13)の一端側(図示する例では下端側)を上記一方の軸受孔(11a)を経由して他方(図示する例では下方)の軸受孔(11a)に嵌挿するようにする。
【0024】
上記の構成において、両軸受孔(11a),(11a)のうち、少なくとも一方の軸受孔(11a)は、その孔径(D1 )が電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D0 )よりも大きく設定されている。そして、上記ロータ(14b)が一体に設けられた回転軸(13)の両軸受孔(11a),(11a)への嵌挿は、軸受ハウジング(12)の内部に上記電動モータ(14)のステータ(14a)が組み付けられた後に、上記回転軸(13)の一端側が上記一方の軸受孔(11a)を経由して他方の軸受孔(11a)に嵌挿されることで行なわれる。よって、この発明においても、上記請求項4の発明の場合と同じ作用が営まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るターボ圧縮機の全体構成を示しており、この圧縮機は、冷媒回路において冷媒ガスを圧縮するために用いられる。
【0026】
上記圧縮機は縦置形とされていて、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部(1)と、この圧縮機構部(1)を駆動する駆動機構部(2)とが上下方向に並ぶように配置されてなっている。その際に、圧縮機構部(1)及び駆動機構部(2)は隔壁(3)により区画されている。
【0027】
上記圧縮機構部(1)は、回転駆動されることで冷媒ガスに遠心方向の運動エネルギーを付与するインペラ(4)と、このインペラ(4)を覆うように上記隔壁(3)上に配置されたケーシング(5)とを有する。上記ケーシング(5)の中央には、冷媒ガスの吸入通路を形成する吸入部(5a)が上方に向かって突出するように設けられている。また、ケーシング(5)内のインペラ(4)外周には、該インペラ(4)から遠心方向に放出された冷媒ガスを昇圧させるための昇圧室(6)が形成されている。そして、ケーシング(5)の側部には、上記圧縮された冷媒ガスを吐出するための吐出管(5b)が側方に向かって突出するように設けられている。
【0028】
上記駆動機構部(2)は、有底円筒状のケーシング(8)を有し、このケーシング(8)の開口を覆うように上記隔壁(3)が配置されている。この駆動機構部(2)は、上記隔壁(3)を貫通するように配置されていて先端に上記インペラ(4)が回転一体に連結された回転軸(13)と、この回転軸(13)を回転駆動する電動モータ(14)とを有する。上記電動モータ(14)は、回転軸(13)の外周側に配設固定されたステータ(14a)と、このステータ(14a)と相対向するように回転軸(13)に回転一体に設けられたロータ(14b)とからなっている。上記ステータ(14)は、後述する軸受ハウジング(12)に組み付けられた状態で上記ケーシング(8)内に配設固定されている。
【0029】
また、上記回転軸(13)は、1つのスパイラルグルーブスラスト気体軸受(9)と、ジャーナル軸受としての2つのヘリングボーンジャーナル気体軸受(11),(11)とにより回転可能に支承されている。具体的には、上記スラスト気体軸受(9)は、隔壁(3)と軸方向に所定のクリアランスをおいて相対向するように回転軸(13)に回転一体に取り付けられたスラストカラー(9a)を有しており、例えばこのスラストカラー(9a)の上記隔壁(3)との対向面には、回転軸(13)の回転に伴って隔壁(3)との間に気体膜を生成する図外のスパイラルグルーブが設けられている。
【0030】
一方、上記各ヘリングボーンジャーナル気体軸受(11)は、上記ケーシング(8)内に配設固定された軸受ハウジング(12)の上下両端部に形成されていて回転軸(13)が回転可能に嵌挿される軸受孔(11a)と、この軸受孔(11a)に径方向において対応する回転軸(13)の側周面に設けられていて、該回転軸(13)の回転に伴って軸受孔(11a)との間に気体膜を生成するヘリングボーン溝部(11b)とを有してなっている。
【0031】
そして、本実施形態では、上記軸受ハウジング(12)は、上下両端が閉じられた略円筒状をなす単一の部材により構成されており、この軸受ハウジング(12)には、図1に示すように、上記ステータ(14a)を径方向外方から該軸受ハウジング(12)の内部に挿入可能な切除部(12a)が設けられている。
【0032】
この切除部(12a)は、従来の軸受ハウジングの一部を文字通り切除して設けてもよいし、該一部が切除された状態に軸受ハウジングを形成するようにしてもよい。
【0033】
また、上記各軸受孔(11a)は、その孔径(D1 )が共に電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D0 )よりも大きく(D1 >D0 )設定されている。具体的には、上記両軸受孔(11a),(11a)は互いに同じ孔径(D1 )に設定されており、ロータ(14b)の外径(D0 )は回転軸(13)の外径と同じにされている。つまり、換言すると、ロータ(14b)の外径(D0 )は、回転軸(13)の外径と同じである。
【0034】
次に、上記のように構成されたターボ圧縮機における軸受ハウジング(12)の内部への電動モータ(14)のステータ組付方法について、図3〜図6を参照しながら説明する。本組付方法においては、上記軸受ハウジング(12)として、単一の部材により構成されているとともに、電動モータ(14)のステータ(14a)を径方向外方から該軸受ハウジング(12)の内部に挿入可能な切除部(12a)が設けられてなるものを用意する。
【0035】
そして、上記軸受ハウジング(12)の内部へのステータ(14a)の組付けに先立って、先ず、図3に示すように、上記軸受ハウジング(12)の上下両端部に、両ヘリングボーンジャーナル気体軸受(11),(11)の各軸受孔(11a)を同時加工により形成する。よって、従来の場合のようなハウジング構成部材間の組立公差に起因する不具合のみならず、両軸受孔(11a),(11a)間の加工公差に起因する各軸受孔(11a)の軸受中心のずれや傾きも適正に回避される。
【0036】
次に、図4及び図5に示すように、上記軸受ハウジング(12)の切除部(12a)を経由して該軸受ハウジング(12)の内部にステータ(14a)を組み付ける。このとき、ステータ(14a)の組付けに先立って、上記軸受ハウジング(12)に両軸受孔(11a),(11a)が形成されているので、各軸受孔(11a)の形成に伴って発生する切削粉等の異物がステータ(14a)に入り込むことは未然に防止される。
【0037】
その後、図6に示すように、上記ロータ(14b)が一体に設けられた回転軸(13)の下端側を上側の軸受孔(11a)を経由して下側の軸受孔(11a)に嵌挿する。このとき、上側の軸受孔(11a)の孔径(D1 )がロータ(14b)の外径寸法(D0 )よりも大きい(D1 >D0 )ので、上記回転軸(13)にロータ(14b)が一体に設けられているにも拘らず、該回転軸(13)を両軸受孔(11a),(11a)に嵌挿させる作業は支障なく行なわれる。尚、電動モータ(14)におけるステータ(14a)及びロータ(14b)間のクリアランスは、各ヘリングボーンジャーナル気体軸受(11)における軸受孔(11a)及び回転軸(13)間のクリアランスよりも大きいので、上記回転軸(13)の下端側がステータ(14a)の内周面に接触する虞れは小さい。
【0038】
したがって、本実施形態によれば、電動モータ(14)により回転駆動される回転軸(13)を該電動モータ(14)の軸方向両側で2つのヘリングボーンジャーナル気体軸受(11),(11)により両持ち支持するようにしたターボ圧縮機において、上記ジャーナル軸受(11),(11)の各軸受孔(11a)が形成されるとともに、上記電動モータ(14)のステータ(14a)が組み付けられる軸受ハウジング(12)に、上記ステータ(14a)を該軸受ハウジング(12)の内部に径方向外方から挿入可能な切除部(12a)を設けておくようにしたので、ステータ(14a)の組付性を損なうことなく、上記軸受ハウジング(12)を単一の部材により構成することができる。よって、複数のハウジング構成部材をステータ組付時に組み立てる従来の場合のような部材間の組立公差に起因する各軸受孔(11a)の軸受中心のずれや傾きを回避することができ、それらヘリングボーンジャーナル気体軸受(11),(11)の信頼性を向上させることができるとともに、軸受負荷能力の低下を回避することができる。
【0039】
尚、上記実施形態では、両軸受孔(11a),(11a)の各孔径を互いに同じとしているが、互いに異ならせるようにしてもよい。その際に、回転軸(13)の形状としては、孔径の小さい軸受孔(11a)に嵌挿される部分が小径部となる一方、孔径の大きい軸受孔(11a)に嵌挿される部分が大径部となり、そのときのロータ(14b)の外径は、上記大径部の外径以下であればよい。
【0040】
また、上記実施形態では、ジャーナル軸受として、動圧型ジャーナル気体軸受としてのヘリングボーンジャーナル気体軸受(11)を用いているが、例えば静圧型ジャーナル気体軸受等、その他の流体軸受を用いるようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、軸受ハウジング(12)を、単一の部材により構成するようにしているが、複数のハウジング構成部材を組み立てることで構成するようにしてもよい。但し、その場合には、構成部材の組立ては少なくとも軸受孔(11a),(11a)の加工に先立って行なわれる必要がある。
【0042】
また、上記実施形態では、電動モータの種類については言及していないが、上記ターボ圧縮機のような両持ち構造の回転機械に適用できるものであれば、その種類は限定されない。
【0043】
さらに、上記実施形態では、本発明をターボ圧縮機に適用した場合について説明しているが、本発明は、その他の両持ち構造の回転機械に適用することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、電動モータにより回転駆動される回転軸を2つのジャーナル軸受により両持ち支持するようにした回転機械において、各軸受孔が形成されるとともに、内部に上記電動モータのステータが組み付けられる軸受ハウジングに、上記ステータを径方向外方から該軸受ハウジングの内部に挿入可能な切除部を設けるようにしたので、上記ステータの組付性を損なうことなく、従来の場合のようなハウジング構成部材間の組立公差に起因する上記各軸受孔の軸受中心のずれや傾きを回避することができ、よって、上記ジャーナル軸受の信頼性を向上させることができるとともに、軸受負荷能力の低下を回避することができる。
【0045】
さらに、上記各ジャーナル軸受を、軸受孔と回転軸との間に生成される気体膜を介して該回転軸を回転可能に支承するように構成されているものとしたので、上記効果を具体的にかつ適正に得ることができる。
【0046】
請求項2の発明によれば、上記各ジャーナル軸受を、軸受孔と回転軸との間に該回転軸の回転に伴って気体膜を生成し該気体膜を介して上記回転軸を回転可能に支承する動圧型ジャーナル気体軸受としたので、上記請求項1の発明による効果をより具体的にかつ適正に得ることができる。
【0047】
請求項3の発明によれば、上記両ジャーナル軸受孔のうち、少なくとも一方のジャーナル軸受孔の孔径を、電動モータのロータの外径よりも大きく設定するようにしたので、上記ロータが一体に設けられた回転軸を両軸受孔に適正に嵌挿させることができる。
【0048】
請求項4の発明によれば、上記回転機械における電動モータのステータ組付方法として、ステータを径方向外方から挿入可能な切除部を有する軸受ハウジングを用意し、この軸受ハウジングの切除部を経由して該軸受ハウジングの内部に上記ステータを組み付けるようにしたので、上記請求項1の発明の場合と同じ効果を奏することができる。
【0049】
請求項5の発明によれば、上記軸受ハウジングの両軸受孔を同時加工により形成するようにしたので、部品間の組立公差に起因する不具合に加え、両軸受孔間の加工公差に起因する各軸受孔の軸受中心のずれや傾斜についても適正に回避することができる。
【0050】
請求項6の発明によれば、上記軸受ハウジングの各軸受孔を、ステータの組付けに先立って形成するようにしたので、軸受孔の形成に伴って発生する切削屑等の異物が上記ステータに入り込むのを未然に防止することができる。
【0051】
請求項7の発明によれば、少なくとも一方の軸受孔の孔径を電動モータのロータの外径よりも大きく設定し、軸受ハウジングにステータを組み付けた後、上記ロータが一体に設けられた回転軸の一端側を上記一方の軸受孔を経由して他方の軸受孔に嵌挿するようにしたので、上記請求項3の発明の場合と同じ効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るターボ圧縮機の要部を示す縦断面図である。
【図2】ターボ圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。
【図3】軸受ハウジングに両軸受孔を同時加工する工程を示す図1相当図である。。
【図4】軸受ハウジングの内部に電動モータのステータを組み付ける工程を示す図1相当図である。
【図5】同じくステータの組付工程を示す図4のV−V線断面図である。
【図6】電動モータのロータが一体に設けられた回転軸を軸受ハウジングの両軸受孔に嵌挿させる工程を示す図1相当図である。
【図7】従来のターボ圧縮機の要部を示す図1相当図である。
【符号の説明】
(11) ヘリングボーンジャーナル気体軸受(ジャーナル軸受)
(11a) 軸受孔
(12) 軸受ハウジング
(12a) 切除部
(13) 回転軸
(14) 電動モータ
(14a) ステータ
(14b) ロータ
(D1 ) (軸受孔の)孔径
(D0 ) (ロータの)外径
Claims (7)
- 軸方向に並んで配置された2つのジャーナル軸受(11),(11)と、軸方向の両端部に上記両ジャーナル軸受(11),(11)の各軸受孔(11a)が形成された軸受ハウジング(12)と、上記両軸受孔(11a),(11a)に嵌挿されて上記両ジャーナル軸受(11),(11)により回転可能に支承された回転軸(13)と、上記軸受ハウジング(12)の内部に組み付けられたステータ(14a)及び該ステータ(14a)と相対向するように上記回転軸(13)に一体に設けられたロータ(14b)からなる電動モータ(14)とを備えた回転機械において、上記軸受ハウジング(12)は、上記ステータ(14a)を径方向外方から該軸受ハウジング(12)の内部に挿入可能な切除部(12a)を有し、
上記各ジャーナル軸受(11)は、該ジャーナル軸受(11)の軸受孔(11a)と回転軸(13)との間に生成される気体膜を介して該回転軸(13)を回転可能に支承するように構成されていることを特徴とする回転機械。 - 請求項1記載の回転機械において、各ジャーナル軸受(11)は、軸受孔(11a)と回転軸(13)との間に該回転軸(13)の回転に伴って気体膜を生成し該気体膜を介して回転軸(13)を回転可能に支承するように構成されていることを特徴とする回転機械。
- 請求項1又は2記載の回転機械において、少なくとも一方の軸受孔(11a)の孔径(D 1 )が、電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D 0 )よりも大きく設定されていることを特徴とする回転機械。
- 請求項1又は2記載の回転機械において電動モータ(14)のステータ(14a)を組み付ける方法であって、上記ステータ(14a)を径方向外方から挿入可能な切除部(12a)を有する軸受ハウジング(12)を用意し、上記軸受ハウジング(12)の切除部(12a)を経由して該軸受ハウジング(12)の内部に上記ステータ(14a)を組み付けることを特徴とする回転機械における電動モータのステータ組付方法。
- 請求項4記載の回転機械における電動モータのステータ組付方法において、軸受ハウジング(12)の両軸受孔(11a),(11a)を、同時加工により形成することを特徴とする回転機械における電動モータのステータ組付方法。
- 請求項4又は5記載の回転機械における電動モータのステータ組付方法において、軸受ハウジング(12)の各軸受孔(11a)を、該軸受ハウジング(12)の内部へのステータ(14a)の組付けに先立って形成することを特徴とする回転機械における電動モータのステータ組付方法。
- 請求項4,5又は6記載の回転機械における電動モータのステータ組付方法において、少なくとも一方の軸受孔(11a)の孔径(D 1 )を、電動モータ(14)のロータ(14b)の外径(D 0 )よりも大きく設定し、軸受ハウジング(12)の内部に上記電動モータ(14)のステータ(14a)を組み付けた後、上記ロータ(14b)が一体に設けられた回転軸(13)の一端側を上記一方の軸受孔(11a)を経由して他方の軸受孔(11a)に嵌挿することを特徴とする回転機械における電動モータのステータ組付方法。
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- 1997-04-09 JP JP09095897A patent/JP3814930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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