JP3814242B2 - 連設無菌装置の開口部滅菌方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、局所清浄空間を構成するアイソレータ装置等の無菌装置相互を連設した連設無菌装置に関するものであって、詳しくは各無菌装置を連通するために形成された開口部の滅菌方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
庫内を密閉化し、庫内の無菌・無塵状態を維持するアイソレータ装置、蒸気滅菌装置、又は凍結乾燥装置等の無菌装置は、従来から良く知られている。さらに、例えばアイソレータ装置と蒸気滅菌装置とを各庫内が連通するように連設し、アイソレータ装置の庫内の局所清浄空間で加工等したワークを無菌・無塵状態を維持したまま蒸気滅菌装置に搬送する構成も提案されている。かかる構成は、アイソレータ装置と蒸気滅菌装置とを、各装置筐体にそれぞれ形成された開口部を対向させて連設し、両開口部により、各装置の庫内が無菌・無塵状態が維持されるように連通するようにしている。
【0003】
ところで、上述のように連設させた各装置の庫内を、それぞれ異なる滅菌ガス(加圧蒸気等を含む)を用いて滅菌したい場合がある。かかる場合には、いずれかの装置の庫内に配設された開閉扉により、開口部を遮閉して庫内相互を遮断状態とし、例えばアイソレータ装置は過酸化水素ガスを用いて滅菌し、これに対し蒸気滅菌装置は所定温度の蒸気ガスを用いて滅菌することとなる。なお、滅菌ガスが意図しない他方の庫内に漏れてしまうことを防止するために、遮閉状態の開閉扉と開口部周縁との間には所定形状のパッキンが配設され、パッキンの圧接端をその対向面に密接させることにより、開閉扉と開口部との間隙を塞いで第一無菌装置と第二無菌装置とを密閉するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−346418号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、滅菌ガスは開閉扉を遮閉した状態で投入されるため、パッキンの圧接端とその対向面については投入された滅菌ガスが接触しないこととなり、かかる圧接端及び対向面に非滅菌領域が発生してしまうこととなる。かかる状況で開閉扉を開放すれば、連設した無菌装置全体として庫内の無菌・無塵状態の完全化が図れず、無菌装置の信頼性が大きく損なわれてしまう。
そこで、本発明は、パッキンの圧接端とその対向面に生じる非滅菌領域を除去しうる連設無菌装置の開口部滅菌方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第一無菌装置と第二無菌装置とを、その各装置筐体に夫々形成された開口部を対向させて連設し、両開口部により、各無菌装置の庫内が無菌・無塵状態が維持されるように相互に連通すると共に、第一無菌装置の庫内又は第二無菌装置の庫内のいずれかに配設された開閉扉により、無菌装置の庫内相互を連通状態又は遮断状態のいずれかに変換するようにし、庫内相互を遮閉状態として各庫内をそれぞれ異なる滅菌ガスを用いて滅菌する連設無菌装置の開口部滅菌方法において、遮閉状態の開閉扉と前記開口部周縁との間に位置するように、複数のパッキンを開口部周縁内外に配設し、パッキン制御手段によりパッキンの圧接端を対向面に密接させる、又は離間させるようにし、一方の滅菌ガスが投入される第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、かつ他方の滅菌ガスが投入される第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させて第一無菌装置と第二無菌装置とを密閉し、当該第一無菌装置の庫内に一方の滅菌ガスを投入して当該庫内を滅菌した後、該滅菌ガスを排出し、一旦、第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させてから、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、他方の滅菌ガスを第二無菌装置の庫内に投入し、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端と対向面間に滅菌ガスを流通させるようにしたパッキン滅菌工程が実行されるようにすると共に、開口部周縁内外に複数配設されたパッキンとパッキンとの間に、無菌装置の庫内及び外部に対して陰圧となる陰圧空気吸入路を形成し、いずれかの無菌装置の庫内に滅菌ガスを投入する際に、該庫内を外部に対して陽圧とし、かつ前記パッキンとパッキンとの間に形成された陰圧空気吸入路で投入した滅菌ガスを吸引するようにしたことを特徴とする連設無菌装置の開口部滅菌方法である。
【0007】
かかる構成にあって、第一無菌装置と第二無菌装置とを別個の滅菌ガスにより滅菌する場合には、まず予め開閉扉を遮閉して各無菌装置を密閉し、投入した無菌ガスが意図しない他方の庫内に漏洩することを防止しておく必要がある。このため、パッキンの圧接端をその対向面に密接させて、この圧接端とその対向面との間を滅菌ガスが流通しないようにしている。しかし、圧接端とその対向面との間を滅菌ガスが流通しないということは、かかる圧接端とその対向面との接触部分は滅菌ガスとの接触が断たれ、非滅菌領域となる。このため、本発明にあっては、一旦、非滅菌領域を生成することとなったパッキン以外のパッキンの圧接端を対向面に密接させ、それから、非滅菌領域にかかるパッキンの圧接端を対向面から離間させ、次に、非滅菌領域と新たな滅菌ガスとを接触させて当該領域を事後的に滅菌するようにしたものである。かかる構成とすることにより、意図しない他方の庫内に滅菌ガスが漏れることなく、連設無菌装置の開口部を滅菌することができる。
【0008】
さらに詳述すると、例えば、遮閉状態の開閉扉と開口部周縁との間に位置するように、二つのパッキンを開口部周縁内外に配設した構成にあって、パッキン滅菌工程が、一方の滅菌ガスが投入される第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、かつ他側のパッキンの圧接端を対向面に密接させて第一無菌装置の庫内に一方の滅菌ガスを投入し、該滅菌ガス排出後に、一旦、第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させてから、他側のパッキンの圧接端を対向面から離間させて、第二無菌装置の庫内に他方の滅菌ガスを投入するようにした構成が提案される。
【0009】
かかる構成にあっては、まず予め開閉扉を遮閉して連設無菌装置を遮断状態とし、第一無菌装置から滅菌する場合は、備え付けられた両パッキンのうち、第一無菌装置庫内側のパッキンの圧接端を対向面から離間し、かつ第二無菌装置庫内側のパッキンの圧接端を対向面に密接させて各無菌装置を密閉し、第一無菌装置の庫内に投入した滅菌ガスが第二無菌装置の庫内に漏洩しないようにする。そして、第一無菌装置の庫内に滅菌ガス投入して滅菌に必要十分な時間が経過すると、かかる滅菌ガスを排出する。そして、一旦、最初に離間させた第一無菌装置庫内側のパッキンの圧接端を対向面に密接し、それから最初密接させた第二無菌装置庫内側のパッキンの圧接端を対向面から離間させる。そして、かかる状態で第二無菌装置の庫内に異なる滅菌ガスを新たに投入し、所定時間経過後、かかる滅菌ガスを排出することとなる。かかる構成とすることにより、たとえ第一無菌装置滅菌時に、パッキンの圧接端が対向面と密接して非滅菌領域が発生したとしても、他方の庫内に滅菌ガスが漏れることなく、第二無菌装置滅菌時に、その非滅菌領域を滅菌することが可能となり、連設無菌装置の無菌・無塵状態の精度が向上することとなる。さらに、開口部周縁内外に複数配設されたパッキンとパッキンとの間に、無菌装置の庫内及び外部に対して陰圧となる陰圧空気吸入路を形成すると共に、いずれかの無菌装置の庫内に滅菌ガスを投入する際に、該庫内を外部に対して陽圧とし、前記パッキンとパッキンとの間に形成された陰圧空気吸入路で滅菌ガスを吸引すると、庫内の滅菌ガスは陰圧空気吸入路で吸引され、滅菌ガスが容易に陰圧空気吸入路が形成される開口部まで行き渡ることとなり、庫内を確実に滅菌することが可能となる。さらに、陰圧空気吸入路は、パッキン間に形成される構成が好適である。かかる構成とすることにより、確実にパッキンの圧接端とその対向面との間まで滅菌ガスが流通することとなる。
【0010】
ここで、パッキンが、パッキン本体が対向面に対してほぼ垂直方向に移動する移動パッキンであって、パッキン制御手段による突出制御によりパッキン本体が対向面側に移動して圧接端が対向面に密接し、退避制御によりパッキン本体が対向面の反対側に移動して圧接端が対向面から離間するものである構成が提案される。かかる構成を用いることにより、意図しない他方の庫内に滅菌ガスが漏れることなく、連設無菌装置の開口部を滅菌することができる。
【0011】
また、パッキンが、中空状膨縮パッキンであって、パッキン制御手段が膨縮パッキンの内空を加圧制御すると、膨縮パッキンの圧接端が対向面に密接し、膨縮パッキンの内空を減圧制御すると、膨縮パッキンの圧接端が対向面から離間するものである構成が提案される。かかる構成を用いても、意図しない他方の庫内に滅菌ガスが漏れることなく、連設無菌装置の開口部を滅菌することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に従って説明する。
図1、図2はアイソレータ装置1(無菌装置)を用いた無菌・無塵システムの一例を示すものである。このシステムにあっては、移動式又は固定式の複数のアイソレータ装置1が用いられ、各アイソレータ装置1の庫内11でワークの加工等が行われる。さらにそれぞれの装置筐体3に形成された開口部を介してワークの授受が行われて一連の流れ作業が順次実行される。さらに、加工等されたワークは、蒸気滅菌装置2(無菌装置)の庫内12に移送される。
【0015】
ここで、アイソレータ装置1の庫内11から蒸気滅菌装置2の庫内12へワークを移送するために、図3に示されるように、アイソレータ装置1及び蒸気滅菌装置2の各装置筐体3,4には開口部5,6が形成されている。そして、両開口部5,6が対向するように各装置1,2を連設し、これにより各装置1,2の庫内11,12が連通するようにしている。なお、この連設されたアイソレータ装置1及び蒸気滅菌装置2により、本発明にかかる連設無菌装置Aが構成される。
【0016】
ここで、前記アイソレータ装置1は、図2に示されるように、装置筐体3にガラス窓7が設けられ、この窓ガラス7に形成された作業孔8に手作業を可能とする作業グローブ9の基端部が密閉状に取り付けられている。そして、この作業グローブ9に手を挿入し、ガラス窓7を介してワークを確認しながらアイソレータ装置1の庫内11で作業することができる。
【0017】
一方、蒸気滅菌装置2は、庫内12に130℃前後の飽和水蒸気を投入し、被滅菌物を殺滅するものである。
【0018】
ところで、アイソレータ装置1の庫内11と蒸気滅菌装置2の庫内12とを、それぞれ異なる滅菌ガスを用いて滅菌したい場合がある。このため、図3に示されるように、アイソレータ装置1の庫内11に、開口部6を覆う開閉扉10が枢設され、庫内11,12相互を連通状態又は遮断状態のいずれかに変換するような構成が好適に用いられる。
【0019】
さらに、遮閉状態の開閉扉10と開口部6周縁との間には、ほぼ断面円形であって、中空状の膨縮パッキン15,16が内外方向に二つ配設されている。さらに詳述すると、図5又は図6,7に示されるように、蒸気滅菌装置2の装置筐体4に形成された開口部6の周縁に、断面コ字状のパッキン格納用溝13,14が同心状に二列周成され、内側のパッキン格納用溝13に第一膨縮パッキン15が配設され、外側のパッキン格納用溝14に第二膨縮パッキン16が配設されている。すなわち、開閉扉10の遮閉時には、第一膨縮パッキン15は蒸気滅菌装置2の庫内12側に臨み、これに対し第二膨縮パッキン16はアイソレータ装置1の庫内11側に臨むこととなる。
【0020】
さらに、両膨縮パッキン15,16は弾性材料からなり、連設無菌装置Aの外部に備えられた真空ポンプ17とエアー源18とにより、内空eの内圧を変化させるように加圧制御又は減圧制御される。そして、膨縮パッキン15,16は、エアー源18により加圧制御されるとその外形が変形し径大となって、膨縮パッキン15,16の圧接端x1,x2と開閉扉面y(対向面)とが密接することとなり、庫内11,12が密閉されることとなる(図6,7参照)。これに対し、真空ポンプ17により減圧制御されると、その外形が変形して径小となり、膨縮パッキン15,16の圧接端xと開閉扉面yとに間隙が生じることとなる。ここで、本実施形態例にあっては、図6に示されるように、膨縮パッキン15,16及び陰圧空気吸入路19と、真空ポンプ17及びエアー源18との間には複数の開閉弁zが備えられ、これら開閉弁zを中央制御装置CPUで駆動制御している。すなわち、中央制御装置CPUの駆動制御により所望の制御形態が得られる。なお、かかる中央制御装置CPUにより、本発明にかかるパッキン制御手段が構成される。また、陰圧空気吸入路19と、真空ポンプ17及びエアー源18との間にはHEPAフィルタ50が接続されている。
【0021】
さらに、開口部6の周縁であって、第一膨縮パッキン15と第二膨縮パッキン16との間には、図6,7に示されるように、陰圧空気吸入路19が形成される。この陰圧空気吸入路19は、その一方の路端が庫内11の内壁に開口され、他方の路端が真空ポンプ17と接続され、この真空ポンプ17が駆動すると、庫内11,12に対して5〜50000Paに減圧される。
【0022】
なお、この開閉扉10は、一側縁がアイソレータ装置1の内壁に備えられたヒンジ部材(図示省略)により枢支されている。さらに、図4に示されるように、開口部6の周囲には可倒式のハンドル型固定具20が複数列設され、このハンドル型固定具20の頭部を庫内内壁に対して起立させて、開閉扉10の周縁に形成された切欠部22にハンドル固定具20の胴部を嵌合し、ハンドル21の裏面で開閉扉10を後方に押圧して完全遮閉するようにしている。
【0023】
次に、本発明の要部につき説明する。
上述の連設無菌装置Aにあって、アイソレータ装置1は過酸化水素ガスg1で滅菌し、一方、蒸気滅菌装置2は蒸気滅菌ガスg2で滅菌する場合の開口部滅菌方法を以下に詳述する。
【0024】
まず予め開閉扉10を遮閉して連設無菌装置Aを遮断状態とする。ここで、アイソレータ装置1から滅菌する場合は、図6に示されるように、第一膨縮パッキン15及び第二膨縮パッキン16のうち、内側の第一膨縮パッキン15を、エアー源18を駆動させて加圧状態とし、その圧接端x1と開閉扉面yとを密接させる。これと共に、外側の第二膨縮パッキン16を真空ポンプ17を駆動させて減圧状態とし、その圧接端x2と開閉扉面yとを離間させる。このようにして、各庫内11,12を密閉する。
【0025】
かかる状態としてから、アイソレータ装置1の庫内11に過酸化水素ガスg1を投入する。さらに、陰圧空気吸入路19をアイソレータ装置1の庫内11及び外部に対して陰圧とすると共に、かかる庫内11を外部に対して陽圧として、投入した過酸化水素ガスg1を陰圧空気吸入路19で吸引する。かかる構成とすることにより、庫内11に投入された過酸化水素ガスg1は、開口部6と開閉扉10との間隙まで十分に行き渡ることとなり、精度の高い滅菌処理が可能となる。
【0026】
次に、過酸化水素ガスg1を投入して滅菌に必要十分な時間が経過すると、かかる過酸化水素ガスg1を排出口(図示省略)又は陰圧空気吸入路19により排出する。
【0027】
そして、過酸化水素ガスg1が完全に排出されると、図7に示されるように、アイソレータ装置1滅菌時に減圧状態としていた第二膨縮パッキン16を加圧状態として、その圧接端x2を開閉扉面yに密接させる。次に、アイソレータ装置1滅菌時に加圧状態としていた第一膨縮パッキン15を今度は減圧状態として、その圧接端x1を開閉扉面yから離間させる。
【0028】
さらに、かかる状態で蒸気滅菌装置2の庫内12に所定温度の蒸気滅菌ガスg2を投入する。ここで、アイソレータ装置1滅菌時と同様に、陰圧空気吸入路19を蒸気滅菌装置2の庫内12及び外部に対して陰圧とすると共に、かかる庫内12を外部に対して陽圧として、投入した蒸気滅菌ガスg2が開口部6と開閉扉10との間隙まで十分に行き渡るようにする。
【0029】
ところで、アイソレータ装置1滅菌時には、第一膨縮パッキン15は加圧状態とされ、その圧接端x1は開閉扉面yと密接していたため、蒸気滅菌装置2を滅菌するまでは、当該接触部分は過酸化水素ガスg1とは接触せず、非滅菌領域であった。しかしながら、蒸気滅菌装置2滅菌時に、上述したような膨縮パッキン15,16を制御して圧接端x1と開閉扉面yとの間を蒸気滅菌ガスg2を流通するようにした(パッキン滅菌工程)から前記非滅菌領域を滅菌処理することが可能となる。
【0030】
そして、所定時間経過後に蒸気滅菌ガスg2を排出し、連設無菌装置Aの一連の滅菌処理が終了する。
【0031】
また、上述の膨縮パッキン15,16を用いる構成に代えて、図8イロに示されるような、移動パッキン30を用いる構成としても良い。かかる移動パッキン30は、パッキン本体33、支持部31、及びストッパー32とからなり、パッキン格納溝13(14)の溝底に形成された挿通孔34に挿通された円柱状の支持部31が、対向面yに対してほぼ垂直方向に往復運動することにより、支持部31の対向面側端部に接続されたパッキン本体33の圧接端x3が対向面yに密接する位置、又は離間する位置とに変換される。なお、支持部31の他端には、パッキン本体33の移動距離を制限する、挿通孔34より径大のストッパー32が接続されている。そして、このような構成の移動パッキン30が、中央制御装置CPUに接続され、この中央制御装置CPUの突出制御によりパッキン本体33が対向面y側に移動して圧接端x3が対向面yに密接し、退避制御によりパッキン本体33が対向面yの反対側に移動して圧接端x3が対向面yから離間することとなる。すなわち、中央制御装置CPUの駆動制御により所望の制御形態が得られる。
【0032】
なお、アイソレータ装置1及び蒸気滅菌装置2の他に、無菌装置としては、凍結乾燥装置、乾熱滅菌装置、EOG滅菌装置、又は過酸化水素ガス滅菌装置等が例示され、連設無菌装置Aとしては、上述の構成に代えて様々な組合せが提案されうる。
【0033】
また、連設無菌装置Aを構成する両無菌装置のうち、いずれの無菌装置から滅菌しても勿論良い。さらに、膨縮パッキンは、複数であればいくつ配設されても良い。また、パッキンの構成は種々提案され、パッキンの圧接端を対向面に密接させ、またパッキンの圧接端を対向面から離間させることのできる構成であれば用いることができる。
【0034】
本発明は、庫内相互を遮閉状態として各庫内をそれぞれ異なる滅菌ガスを用いて滅菌する連設無菌装置の開口部滅菌方法において、一方の滅菌ガスが投入される第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、かつ他方の滅菌ガスが投入される第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させて第一無菌装置と第二無菌装置とを密閉し、当該第一無菌装置の庫内に一方の滅菌ガスを投入して当該庫内を滅菌した後、該滅菌ガスを排出し、一旦、第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させてから、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、他方の滅菌ガスを第二無菌装置の庫内に投入し、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端と対向面間に滅菌ガスを流通させるようにしたパッキン滅菌工程を実行し、陰圧空気吸入路を形成して滅菌ガスを吸引する構成としたから、パッキンが対向面に密接することにより生じる非滅菌領域を事後的に滅菌することが可能となり、非滅菌領域が除去され、連設無菌装置の無菌・無塵状態の精度が向上する優れた効果が生ずる。
【0035】
さらに詳述すると、パッキン滅菌工程を、第一無菌装置の庫内側のパッキンの圧接端を対向面と離間させ、かつ第二無菌装置の庫内側のパッキンの圧接端を対向面に密接させて第一無菌装置の庫内に滅菌ガスを投入し、該滅菌ガス排出後に、一旦、第一無菌装置の庫内側のパッキンの圧接端を対向面に密接してから、第二無菌装置の庫内側のパッキンの圧接端を対向面から離間させて、第二無菌装置の庫内に滅菌ガスを投入するようにした構成としたから、たとえ第一無菌装置滅菌時に、パッキンの圧接端が対向面と密接して非滅菌領域が生成されたとしても、第二無菌装置滅菌時に、その非滅菌領域を滅菌することが可能となり、非滅菌領域が除去されると共に、他の滅菌ガスが意図しない庫内に漏れることなく連設無菌装置の無菌・無塵状態の精度を向上しうる優れた効果が生ずる。さらに、庫内の滅菌ガスが陰圧空気吸入路で吸引されて、圧接端とその対向面との間を滅菌ガスが流通し、滅菌ガスが容易に開口部まで行き渡り、庫内を確実に滅菌することが可能となる利点もある。
【0036】
また、パッキンを移動パッキンとした場合には、意図しない他方の庫内に滅菌ガスを漏洩することなく、連設無菌装置の開口部を好適に滅菌することができる。
【0037】
また、パッキンを膨縮パッキンとすることによっても、意図しない他方の庫内に滅菌ガスを漏洩することなく、連設無菌装置の開口部を好適に滅菌することができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した無菌・無塵システムの概要側面図である。
【図2】本発明を適用した無菌・無塵状態システムの概要平面図である。
【図3】連設無菌装置Aの横断面図である。
【図4】開閉扉10の正面図である。
【図5】周囲に第一膨縮パッキン15及び第二膨縮パッキン16が周設された開口部6の正面図である。
【図6】加圧状態の第一膨縮パッキン15及び減圧状態の第二膨縮パッキン16を示す概要平面図である。
【図7】減圧状態の第一膨縮パッキン15及び減圧状態の第二膨縮パッキン16を示す概要平面図である。
【図8】イは、移動パッキン30を退避制御した状態を示し、ロは、移動パッキン30を突出制御した状態を示す概要平面図である。
【符号の説明】
A 連設無菌装置
x1、x2、x3 圧接端
対向面y
1 アイソレータ装置
2 蒸気滅菌装置
3,4 装置筐体
5,6 開口部
10 開閉扉
11,12 庫内
15 第一膨縮パッキン
16 第二膨縮パッキン
19 陰圧空気吸入路
30 移動パッキン
33 パッキン本体
Claims (3)
- 第一無菌装置と第二無菌装置とを、その各装置筐体に夫々形成された開口部を対向させて連設し、両開口部により、各無菌装置の庫内が無菌・無塵状態が維持されるように相互に連通すると共に、第一無菌装置の庫内又は第二無菌装置の庫内のいずれかに配設された開閉扉により、無菌装置の庫内相互を連通状態又は遮断状態のいずれかに変換するようにし、庫内相互を遮閉状態として各庫内をそれぞれ異なる滅菌ガスを用いて滅菌する連設無菌装置の開口部滅菌方法において、
遮閉状態の開閉扉と前記開口部周縁との間に位置するように、複数のパッキンを開口部周縁内外に配設し、パッキン制御手段によりパッキンの圧接端を対向面に密接させる、又は離間させるようにし、
一方の滅菌ガスが投入される第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、かつ他方の滅菌ガスが投入される第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させて第一無菌装置と第二無菌装置とを密閉し、当該第一無菌装置の庫内に一方の滅菌ガスを投入して当該庫内を滅菌した後、該滅菌ガスを排出し、一旦、第一無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面に密接させてから、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端を対向面と離間させ、他方の滅菌ガスを第二無菌装置の庫内に投入し、第二無菌装置の庫内側に臨むパッキンの圧接端と対向面間に滅菌ガスを流通させるようにしたパッキン滅菌工程が実行されるようにすると共に、
開口部周縁内外に複数配設されたパッキンとパッキンとの間に、無菌装置の庫内及び外部に対して陰圧となる陰圧空気吸入路を形成し、
いずれかの無菌装置の庫内に滅菌ガスを投入する際に、該庫内を外部に対して陽圧とし、かつ前記パッキンとパッキンとの間に形成された陰圧空気吸入路で投入した滅菌ガスを吸引するようにしたことを特徴とする連設無菌装置の開口部滅菌方法。 - パッキンが、パッキン本体が対向面に対してほぼ垂直方向に移動する移動パッキンであって、
パッキン制御手段による突出制御によりパッキン本体が対向面側に移動して圧接端が対向面に密接し、退避制御によりパッキン本体が対向面の反対側に移動して圧接端が対向面から離間するものであることを特徴とする請求項1記載の連設無菌装置の開口部滅菌方法。 - パッキンが、中空状膨縮パッキンであって、
パッキン制御手段が膨縮パッキンの内空を加圧制御すると、膨縮パッキンの圧接端が対向面に密接し、膨縮パッキンの内空を減圧制御すると、膨縮パッキンの圧接端が対向面から離間するものであることを特徴とする請求項1記載の連設無菌装置の開口部滅菌方法。
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