JP3813862B2 - 車載カメラの防水構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載カメラの防水構造、特に、ネジ固定される2つの分割ケースのうちの一方の分割ケースに設けられたネジ挿通用の貫通孔について防水を行うための防水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、本発明に係る車載カメラの防水構造が適用される車両周辺視認装置の構成を概略的に示す図である。この車両周辺視認装置は、図4に示すように、車両外面に面して車両に設置される車載カメラ1と、車室内に備えられ、車載カメラ1の撮像画像を表示する表示装置3とを備えている。車載カメラ1は、例えば車両先端部(例えばフロントグリル部等)に設置され、車両の前方側の景色(ここでは車両前方側の左右方向の景色)を撮像する。
【0003】
車載カメラ1は、防水性のケース11と、そのケース11内に収容されて保持されるカメラ本体13とを備えている。カメラ本体13は、撮像部21およびプリズム23を備えている。撮像部21は、図示しない撮像素子と、その撮像素子に映像を結像させる図示しない撮像レンズとを有している。
【0004】
プリズム23は、断面略二等辺三角形を有し、その頂角を撮像部21の前記撮像素子と離反する方向に向けて前記撮像レンズの前面側に設けられ、入射した左右の撮像範囲からの光を、その内部でそれぞれ1回全反射させて、前記撮像レンズを介して前記撮像素子に入射させる。ケース11の左右側面には、左右の撮像範囲からの光を内部に取り込むための透光性の窓部25a,25bがそれぞれ設けられている。
【0005】
車載カメラ1によって撮像された車両前方の左側および右側の景色の画像は、図4に示すように表示装置3の左右の表示領域にそれぞれ表示される。
【0006】
このような車載カメラ1のケース11の構造およびその防水構造に関しては、以下に記載する記述が提案されている。
【0007】
図5は提案例に係る車載カメラ1のケース11の一部破断側面図であり、図6はそのケースの分解斜視図である。ケース11は、図5および図6に示すように、前側の分割ケース31と、後側の分割ケース33と、ゴム製のパッキン35と、複数(ここでは4つ)のタッピングネジ(ネジ部材)37と、複数(ここで4つ)のゴム栓39とを備えている。両分割ケース31,33のいずれか一方が本発明に係る第1の分割ケースに対応しており、そのいずれか他方が本発明に係る第2の分割ケースに対応しており、結合固定された両分割ケース31,33の内部空間内にカメラ本体13が収容保持される。
【0008】
前側の分割ケース31は、樹脂(例えばポリカーボネート)製であり、その左右の側面部に窓部25a,25bが形成されている。前側の分割ケース31における後側の分割ケース33との略矩形の当接部31aにおける四隅には、タッピングネジ37がねじ込まれて固定される有底孔状のネジ止め部(ネジ孔)31bが設けられている。
【0009】
後側の分割ケース33は、金属または樹脂製であり、前側の分割ケース31の各ネジ止め部31bと対向する4箇所の部分に、分割ケース33の外側である背面側の表面から分割ケース31と当接する略矩形の当接部33aの表面に貫通する貫通孔33bが設けられている。
【0010】
パッキン35は、略矩形状を有し、両分割ケース31,33の当接部31a,33aの間に挟み込まれて防水を図る。パッキン35の四隅には、タッピングネジ37が挿通された状態で、ネジ止め部31bおよび貫通孔33bの周囲を取り囲んでシールするリング状のネジ孔封止部35aが設けられている。
【0011】
ケース11の組み立てにおいては、図5に示すように、パッキン35を挟み込むようにして両分割ケース31,33を当接させた状態で、後側の分割ケース33の背面側からタッピングネジ37が貫通孔33b内に挿入されてネジ止め部31bにねじ込まれて固定され、これによって両分割ケース31,33が結合固定される。ここで、分割ケース33の背面側表面から見た貫通孔33bの深さは、タッピングネジ37がねじ込み固定された状態で、タッピングネジ37の頭部が貫通孔33bにおける分割ケース33の背面側の開口部から所定深さだけ内方に位置する値に設定されている。
【0012】
続いて、ゴム栓39が、分割ケース33の背面側から貫通孔33b内に押し込まれ、これによって、貫通孔33bを介して雨水、油、薬品等がケース11内に侵入するのが防止され、内部に侵入した雨水、油、薬品等によってカメラ本体13や樹脂製の前側の分割ケース31等が劣化するのが防止される。
【0013】
このような提案例に係る車載カメラ1は、図7に示すように、ブラケット41および遮熱板43が取り付けられて車体に取り付けられる。ブラケット41は、ネジ45により後側の分割ケース33にネジ固定される。遮熱板43は、車体からの熱が車載カメラ1に伝わるのを防止するための部材であり、ネジ47によりブラケット41に取り付けられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような提案例に係る防水構造では、ゴム栓39が貫通孔33bに押し込まれて固定されているだけであるため、ゴム栓39の挿入量不足により防水性能の低下が生じたり、挿入量不足やいたずら等によりゴム栓39が貫通孔33bから抜け落ちてしまい、ゴム栓39による防水性が失われてしまう等の防水に関する信頼性が低いという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、防水に関する信頼性を向上させることができる車載カメラの防水構造を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、互いに結合されてその内部空間内にカメラ本体を収容する第1および第2の分割ケースが備えられ、前記第1の分割ケースにおける前記第2の分割ケースとの当接部にネジ止め部が設けられ、前記第2の分割ケースにおける前記ネジ止め部と対向する部分に、前記第2の分割ケースの外側の表面から前記ネジ止め部と対向する対向面に貫通する貫通孔が設けられ、前記第2の分割ケースの外側から前記貫通孔に挿入されて前記ネジ止め部にネジ込まれ、前記第1の分割ケースと前記第2の分割ケースとを固定するネジ部材が設けられ、前記ネジ部材が挿入された前記貫通孔に前記第2の分割ケースの外側から挿入されて前記貫通孔を封止するゴム栓が設けられた車載カメラの防水構造において、前記車載カメラが取り付けられる取付対象部材における前記貫通孔に対向する部分に、前記車載カメラが前記取付対象部材に取り付けられた取付状態において前記第2の分割ケースの外側から前記ゴム栓に当接して前記ゴム栓を押圧する突出部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記ゴム栓における前記取付対象部材の前記突出部と当接する部分には、前記突出部の前記ゴム栓に対向する先端面の一部分と当接して押圧力を受ける小突起が設けられているのがよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態に係る車載カメラの防水構造を示す一部破断側面図であり、図2は図1の防水構造に係る取付対象部材の構成を示す分解斜視図である。なお、本実施形態に係る車載カメラ1および防水構造の構成が前述の提案例に係る車載カメラ1および防水構造の構成と実質的に異なっている点は、取付対象物であるブラケット41および遮熱板43の構成(特に、遮熱板43に突出部43aを設けた点)と、ゴム栓39に小突起39aを設けた点のみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0019】
本実施形態に係る防水構造では、図1および図2に示すように、後側の分割ケース33の各貫通孔33bに対向する遮熱板43の4箇所の部分に、棒状に突出する突出部43aが設けられている。また、ブラケット41には、突出部43aが挿通される4つの貫通孔41aが設けられている。
【0020】
各突出部43aは、遮熱板43がブラケット41を介して車載カメラ1に取り付けられた際に、ブラケット41の貫通孔41aを介して図1に示すように分割ケース33の背面側からゴム栓39に当接して押圧し、ゴム栓39を抜け止め保持する。
【0021】
また、ゴム栓39における突出部43aと当接する部分には、図3に示すように、突出部43aが押圧された状態において、突出部43aのゴム栓39に対向する先端面の一部分と部分的に当接して押圧力を受ける小突起39aが設けられている。突出部43aの押圧力を小突起39aを介してゴム栓39に印加することにより、突出部43aからゴム栓39に与えられる押圧力が適度な大きさになるように調節される。
【0022】
以上のように、本実施形態によれば、車載カメラ1に取り付けられる遮熱板43に、ゴム栓39に当接して貫通孔33bの内方に押圧する突出部43aが設けられているため、ゴム栓39の貫通孔33b内への挿入量が不足していても車載カメラ1への遮熱板43の取り付けに伴って、ゴム栓39を突出部43aによって所定挿入量まで確実に押し込んで抜け止めすることができるとともに、挿入量不足やいたずら等によりゴム栓39が抜け落ちるのも確実に防止することができ、その結果、ゴム栓39の防水性能を確実に発揮させることができ、防水に関する信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、突出部43aからの押圧力が、突出部43aの先端面の一部分と当接する小突起39aを介してゴム栓39に与えられるため、突出部43aにより適度な押圧力でゴム栓39を押圧して圧縮することができ、過度な押圧力がゴム栓39に与えらるのを防止することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、車載カメラが取り付けられる取付対象部材に、ゴム栓に当接して第2の分割ケースの貫通孔の内方に押圧する突出部が設けられているため、ゴム栓の貫通孔内への挿入量が不足していても車載カメラの取付対象部材への取り付けに伴って、ゴム栓を突出部によって所定挿入量まで確実に押し込んで抜け止めすることができるとともに、挿入量不足やいたずら等によりゴム栓が抜け落ちるのも確実に防止することができ、その結果、ゴム栓の防水性能を確実に発揮させることができ、防水に関する信頼性を向上させることができる。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、取付対象部材の突出部からの押圧力が、突出部の先端面の一部分と当接する小突起を介してゴム栓に与えられるため、突出部により適度な押圧力でゴム栓を押圧して圧縮することができ、過度な押圧力がゴム栓に与えらるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載カメラの防水構造を示す一部破断側面図である。
【図2】図1の防水構造に係る取付対象部材の構成を示す分解斜視図である。
【図3】ゴム栓の側面図である。
【図4】本発明に係る車載カメラの防水構造が適用される車両周辺視認装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】提案例に係る車載カメラのケースの一部破断側面図である。
【図6】図5のケースの分解斜視図である。
【図7】車載カメラに取り付けられる提案例に係る取付対象部材の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 車載カメラ
3 表示装置
11 ケース
13 カメラ本体
31 前側の分割ケース
31b ネジ止め部
33 後側の分割ケース
33b 貫通孔
35 パッキン
37 タッピングネジ
39 ゴム栓
39a 小突起
41 ブラケット
43 遮熱板
43a 突出部
Claims (2)
- 互いに結合されてその内部空間内にカメラ本体を収容する第1および第2の分割ケースが備えられ、
前記第1の分割ケースにおける前記第2の分割ケースとの当接部にネジ止め部が設けられ、
前記第2の分割ケースにおける前記ネジ止め部と対向する部分に、前記第2の分割ケースの外側の表面から前記ネジ止め部と対向する対向面に貫通する貫通孔が設けられ、
前記第2の分割ケースの外側から前記貫通孔に挿入されて前記ネジ止め部にネジ込まれ、前記第1の分割ケースと前記第2の分割ケースとを固定するネジ部材が設けられ、
前記ネジ部材が挿入された前記貫通孔に前記第2の分割ケースの外側から挿入されて前記貫通孔を封止するゴム栓が設けられた車載カメラの防水構造において、
前記車載カメラが取り付けられる取付対象部材における前記貫通孔に対向する部分に、前記車載カメラが前記取付対象部材に取り付けられた取付状態において前記第2の分割ケースの外側から前記ゴム栓に当接して前記ゴム栓を押圧する突出部が設けられていることを特徴とする車載カメラの防水構造。 - 前記ゴム栓における前記取付対象部材の前記突出部と当接する部分には、
前記突出部の前記ゴム栓に対向する先端面の一部分と当接して押圧力を受ける小突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラの防水構造。
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