JP3813764B2 - オーバーロックミシンの針板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーバーロックミシンの針板に係り、より具体的には、該針板の針板爪を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、Tシャツ等の縫製において、裾引用、袖下縫等には1本針オーバーロックミシンが、また、袖付等には2本針オーバーロックミシンがそれぞれ使用されており、生地の縁がかかり縫等が行なわれている。
このオーバーロックミシンの針板として図9および図10に示すものが公知である(例えば、実開平6−17684号公報参照)。
【0003】
図10において、針板1は、生地Kの送り方向と交叉する前縁及び後縁と、これらの一側を生地Kの送り方向に沿って連結する側縁とにより3方を囲まれ、生地Kの送り込み側に位置する前縁近傍に針落ち位置Aを含んで開口する針孔2を備え、針孔2の他側に、前縁に基端を発して生地Kの送り方向に沿って後縁の手前まで延設された針板爪3と、針孔2の前側に開口するメス孔4とを備えたものであり、針5と図示しない上・下ルーパーとの協働作用によって、図9(A)(B)で示すように生地Kを縁かがり縫いするようになっており、図10において縫い終りの状態を示しているように、生地Kの端縁に沿う正規の縫い目Bが連なる態様にて適長な空環Cが形成され、この空環Cは図9(A)で示すように針板爪3に絡まった状態で保持されている(なお、図9(A)(B)ではメス巾と爪巾がマッチしたときを一例として示している)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の針板1によれば、図9(A)で示すように糸Dは針板爪3のエッジで出会う(交り部D1)ものであることから、縫い目Bが見た目よりもあまり満足できるものでなく、しかも少しきつめ(強い)の縫い上がりとなることから、縫製方向(生地送り方向)に引っ張ると縫目が切れてしまうという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、針板爪の下面に、糸の交り部が空中となるように線状の糸支え部を有する突起を備えることによって、縫目がきれいでかつ少しゆったりと縫い上げることができるとともに、縫製方向に引っ張っても縫目(糸)が切れたりすることの少ないオーバーロックミシンの針板を提供することが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生地Kの端縁側の下方に位置し且つ該生地Kの端縁に沿う縫製方向に沿って延びる針板爪3と、この針板爪3と縫製方向に直交する方向で隣接する針孔2とを備えており、生地Kの上側に位置する糸と、針板爪3の下面側に位置する糸と、針孔2を通る糸とから生地Kの端縁側に該端縁に沿う縫い目Bが形成されるようにしたオーバーロックミシンの針板1において、前述の目的を達成するために、次の技術的手段を講じている。
【0007】
すなわち、請求項1に係る針板1は、針板爪3の下面に、縫製方向に延伸していて、針板爪(3)の下面側に位置する糸と、針孔(2)を通る糸との交り部(D1)を針板爪(3)から離反させるように針板爪(3)の下面側に位置する糸に接当する線状の糸支え部6Aを有する突起6を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成を採用したことから、図1(B)で示すように針板爪3に絡んだ状態で保持されている空環Cの糸Dは、図9(A)で従来例を示すように針板爪3の下面に沿接するのではなく、突起6の糸支え部6Aを介して保持されることから、交り部D1は空中部分Sとなって、すなわち、空間部分で糸Dの交り部D1のバランスを取ることによって、安定した糸供給ができるし、縫い上がりの縫目Bがきれいで(整然となり)、かつ少しゆったりとしたものとなり、これ故、縫製方向(生地送り方向)に引っ張っても縫目(糸)が切れることも少なくなったのである。
【0009】
前述した請求項1において、針板爪3に縫製方向に延伸したスリット7を形成し、該スリット7に突起6を嵌挿固着して、該突起6の下端縁を線状の糸支え部(6A)として針板爪3の下面に縫製方向に延伸して備えていることが推奨される(請求項2)。
このような構成を採用することによって、既住(すでに使用されている従来の針板)の針板に多少の加工を行うことで、前述した作用効果を有する針板1を提供できるのであり、ここにおいて、嵌挿固着の手段として溶接・接着等を採用できる。
【0010】
前述した請求項1において、線状の糸支え部6Aを有する突起6は、針板1の製作時に針板爪3と一体として形成されていることも推奨される(請求項3)。
この請求項3によれば、針板1の針板爪3が細幅でかつ小物であることから、請求項1のようにスリット7の形成に高度の技術を要することを考慮すれば、切削加工等によって精度のよい突起6にできて有利である。
【0011】
更に、線状の糸支え部6Aを有する突起6は、針板爪3の爪幅中央部若しくは外方側寄りに備えることも可能であるが、当該線状の糸支え部6Aを有する突起6は、針板爪3の爪幅内において針落し部(針孔)2に近接して備えられていることが、糸Dの交り部D1のバランスを取る上で推奨される(請求項4)。
更に、針板爪3の左右側縁3A,3Bは図10で示すように右側縁(外側縁)3Bを先細テーパー状とすることもできるが、図1(A)で示すように、針板爪3は縫製方向において互いに平行な左右側縁3A,3Bを有し、該左右側縁3A,3Bに平行な線状の糸支え部6Aを有する突起6を針板爪3の下面に備えていることが推奨される(請求項5)。
【0012】
すなわち、左右側縁3A,3Bが互いに平行であると、縫目が安定するとともに針板爪3における空環Cの保持力が一定となって不測の抜け等が防止できるのであり、特に、生地Kが薄手のものにあっては有効である。
また、前述した請求項1〜5において、針板爪3に、前記針孔2と縫製方向に直交する方向で隣接する他の針孔2が形成されていてもよい(請求項6)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態について説明する。
なお、図9(A)(B)および図10を参照して既述した構成、作用と共通する部分は共通符号で示しており、以下、専ら改良部分に力点をおいて説明する。
図1(A)(B)および図2並びに図3は1本針オーバーロックミシンにおける針板1の第1の実施形態を示しており、針板爪3の下面に縫製方向(生地送り方向)に延伸した線状の糸支え部6Aを有する突起6が備えられている。
【0014】
図では、針板爪3に縫製方向に延伸したスリット7を形成して該スリット7に突起6を嵌挿して溶接乃至接着等によって固着して該突起6の下端縁を線状の糸支え部6Aとして針板爪3の下面に縫製方向に延伸して備えている。
ここで、針板爪3の下面3Cは図2で示すように先端上向傾斜面および図1(B)で示すように外方上向傾斜面とされており、突起6の下端縁は針板爪3の上面3Dと平行として延伸されて糸支え部6Aとされている。
【0015】
但し、糸支え部6Aについては、下面3Cと平行な先端上向傾斜面とすることも可能であり、図2で示すように爪3の全長に亘って延伸されていることが望ましいが、スリット7を細長窓に形成して糸支え部6Aを爪3の全長に至らないものとすることもできる。
更に、糸支え部6Aを有する突起6は針板爪3の爪巾中央部乃至右側寄りに設けることもできるが、図1(B)で示すように針落し部A(針孔2)に近接して備えることが糸Dの張力バランスの観点から有利である。
【0016】
また、針板爪3の左右側縁3A,3Bは互いに平行でかつ縫製方向と平行している部分を備え、糸支え部6Aは左右側縁3A,3Bと平行として延伸されており、これによって空環Cの不測な抜けを防止できて有利となる。
但し、図4で示すように、左右側縁3A,3Bのうち右側縁3Bについては先細テーパー縁に形成することも可能である。
【0017】
更に、図3で示すように針5の一側における針孔2の側縁にはくぼみ2Aを形成することが針5と上・下ルーパーとの協働作用で縫製するとき糸Dの針5からの外れ等が防止できる点で有効であり、図1(A)において、9は公知の上下メスを示している。
図5は2本針オーバーロックミシンにおける針板1の実施の形態であり、針5が2本である以外は、既述の構成と共通するので共通部分は共通符号で示している。
【0018】
図6〜図8は、糸支え部6Aを有する突起6が針板1の製作時において、針板爪3の下面に切削等によって一体形成されたものであり、図6は1本針、図7は2本針の例であり、図8は突起6の断面形状を基部(上面)が部厚く下縁が細く形成したもので、製作容易性の点で有利となる。
図1〜図8の各実施の形態において、突起6における糸支え部6Aは、糸Dの抵抗を少なくするため断面半円形等の丸味を有することが望ましく、また、糸Dの滑りを良くするため(抵抗を少なくするため)には、丸味とともに鏡面仕上げ加工等することが有効である。
【0019】
更に、図1〜図8において、針板爪3の左右側縁3A,3Bの下エッジと突起6の糸支え部6Aとによる糸保持は、空中(空間部)Sに交り部D1が位置するように突起6の高さが設定されており、これによって糸Dの張力バランス取りを良好にして糸供給の安定化を図ることができる。
なお、本発明の前述実施の態様は、メス巾と爪巾がマッチ(同一)したときとして例示したが、メス巾が針板爪より狭いとき又は広いときにも適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、縫目が整然となるだけでなく、少しゆったりとした縫い上がりとなって縫目(糸)の切断も少なくなる等の利点を有し、オーバーロックミシンの各種の針板に適用して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は針板の平面図、(B)は針板爪の断面図である。
【図2】 針板の要部(爪)の側面図である。
【図3】 針板の要部(爪)の拡大平面図である。
【図4】 第2実施形態を示す平面図である。
【図5】 2本針オーバーロックミシンに適用した断面図である。
【図6】 1本針オーバーロックミシンに適用した第3例を示す断面図である。
【図7】 2本針オーバーロックミシンに適用した第2例の断面図である。
【図8】 1本針オーバーロックミシンに適用した第4例の断面図である。
【図9】 (A)は従来例の断面図であり、(B)は生地の斜視図である。
【図10】 従来例の平面図である。
【符号の説明】
1 針板
2 針孔
3 針板爪
5 縫針
6 突起
6A 糸支え部
Claims (6)
- 生地(K)の端縁側の下方に位置し且つ該生地(K)の端縁に沿う縫製方向に沿って延びる針板爪(3)と、この針板爪(3)と縫製方向に直交する方向で隣接する針孔(2)とを備えており、生地(K)の上側に位置する糸と、針板爪(3)の下面側に位置する糸と、針孔(2)を通る糸とから生地(K)の端縁側に該端縁に沿う縫い目(B)が形成されるようにしたオーバーロックミシンの針板(1)において、
針板爪(3)の下面に、縫製方向に延伸していて、針板爪(3)の下面側に位置する糸と、針孔(2)を通る糸との交り部(D1)を針板爪(3)から離反させるように針板爪(3)の下面側に位置する糸に接当する線状の糸支え部(6A)を有する突起(6)を備えていることを特徴とするオーバーロックミシンの針板。 - 針板爪(3)に縫製方向に延伸したスリット(7)を形成し、該スリット(7)に突起(6)を嵌挿固着して、該突起(6)の下端縁を線状の糸支え部(6A)として針板爪(3)の下面に縫製方向に延伸して備えていることを特徴とする請求項1記載のオーバーロックミシンの針板。
- 線状の糸支え部(6A)を有する突起(6)は、針板(1)の製作時に針板爪(3)と一体として形成されていることを特徴とする請求項1記載のオーバーロックミシンの針板。
- 線状の糸支え部(6A)を有する突起(6)は、針板爪(3)の爪幅内において針落し部(針孔)(2)に近接して備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のオーバーロックミシンの針板。
- 針板爪(3)は縫製方向において互いに平行な左右側縁(3A)(3B)を有し、該左右側縁(3A)(3B)に平行な線状の糸支え部(6A)を有する突起(6)を針板爪(3)の下面に備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のオーバーロックミシンの針板。
- 針板爪(3)に、前記針孔(2)と縫製方向に直交する方向で隣接する他の針孔(2)が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のオーバーロックミシンの針板。
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