JP3812721B2 - 地層試料の採取装置およびその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地質調査等に用いられる地層試料の採取装置および地層試料の採取方法に関する。さらに詳しくは、地層の垂直断面を不攪乱の状態で面的に採取することが確実にできる地層試料の採取装置および採取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の地質調査や土壌調査、土木関連工事、工事完了調査等において、地盤を掘削して地層断面を観察する必要が生じる場合がある。従来、このような地層観察のために特許第2981542号公報、特許第2934641号公報に開示された技術が使用されている。これらの地層採取装置は、コの字状の断面を持つ金属製の地層採取装置本体と開口部を覆う蓋板からなり、本体を地中に垂直的に打ち込んだ後に、開口部を覆うように蓋板を打ち込み、両者を緊定して同時に引き抜くことによって本体に収納された地層試料を採取するものであった。
【0003】
しかし、従来の装置は、本体底部にある開口部を完全に塞ぐことができないため、装置の引き抜きの過程で地層試料の一部が脱落することを防ぐことができなかった。
また、従来の装置では地層抜き取り装置本体と蓋板を別個に打ち込み、両者を緊定し同時に引き抜き、さらに地層の観察のために地層抜き取り装置本体と蓋板とを再度分離する工程が必要であり、採取作業が繁雑であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記欠点を除くために発明されたものであり、より簡素な工程で、地層の脱落なく、確実に地層試料を採取する装置および方法を提供することを目的とする。
本発明では、地層採取装置の本体に打ち込み、その後本体を地中から引き抜くだけで、観察予定面が本体の一面に露出する構成となっているため、地中の地層の状況を直ちに観察することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
一側面に開放面をまた下端部に開口部を有する本体と、この本体の開放面下部に取り付けた刃と、本体の底部地層を切断するための刃を備えるとともに本体下端部の開口部を閉じることができる部材とから構成されていることを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記開口部を閉じることができる部材は本体に揺動可能に取付られており、本体に取り付けた作動棒によって揺動できるようにしたことを特徴とする地層試料の採取装置である。
前記開放面下部に取り付ける刃は帯状の刃として形成されていることを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記帯状の刃は本体の開放面に沿って引き出し可能な幕を収納可能としたものであることを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記本体の開放面には開放面を塞ぐ蓋を備えたことを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記蓋は、分割して形成されていることを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記本体は、下端が開放され、本体を出し入れ可能にした収納部に収納されていることを特徴とする地層試料の採取装置である。
また、前記収納部には収納部を地層採取面に支持する支持脚を備えたことを特徴とする地層試料の採取装置である。
【0006】
【実施の形態】
本発明の地層採取装置を図面を参照して説明すると、図1は本発明の第1実施形態の係る地層採取装置の斜視図で、図2は回転部材を取り除いた本体下部の斜視図、図3は同装置の正面図および側面図である。
各図において、1は地層採取装置の本体、2は本体下部に設けた切断刃、3は本体下部に揺動可能に取り付けた回転部材、4は回転部材3を軸支する回転軸、5は回転部材3を揺動するための作動棒、6は作動棒を本体1に摺動自在に保持する軸受である。
【0007】
前記地層採取装置の本体1は、図2に示すように下端部が開口されるとともに一側面(以下裏面という)が取り除かれた水平断面が略コの字状に形成された箱体である。前記裏面が取り除かれた側(開放面)の本体下部には左右側壁1A、1Bに渡した帯状の切断刃2が適宜手段で確実に固定されている。なお、切断刃2には前記回転部材3に形成した刃(後述する)が嵌合する溝等を形成しておくことができる。
【0008】
また、本体1の下端部の前記裏面に対応した壁面(以下前面という)は、切りとられた開口部として形成され、さらにその開口部に対応した左右側壁が前面側から裏面側下方に向かって略円弧状に形成された形状として形成されている(図2参照)。この開口部には前記左右側壁に形成した円弧と略同一の円弧状部を備えた雨樋状の回転部材3が扇型の支持部材3aを介して回転軸4によって揺動自在に取付られている。回転部材3の円周角は約70度であり、回転部材3の先端部(図の下側)には、円の接線方向に向いた刃3bが形成されている。また、本体の左右側面1A、1Bの前面側には、軸受6が取り付けられており、この軸受6には回転部材3を回転させるための作動棒5が昇降可能なように、貫通して収納されている。
【0009】
前記回転部材3は、上向きに回転するとき、箱体の面ないし軸受にあたって、図1、図3に示すように回転軸4の上下等分位置に止まるようにしてある。また、作動棒5で回転させたときは、回転部材3に形成した刃3bが、切断刃2に接触する位置で止まるようになっている。切断刃2に溝が形成されている場合には、刃3bがその溝に嵌合するように構成しておく。
【0010】
上記構成からなる装置を使用して、地層の垂直断面試料を採取する方法を図4を参照して説明する。なお、本体1の上端部は開放状態の時を図示しているが、これに限るものではなく、作業のための各種冶具や、補強のための部材があっても構わない。
図4は、地層採取装置の側面からみた、地層の断面を示す図であり、図4において(a)は、本体1を採取部位に設定した状態を示しており、図中の破線は、採取試料の地層断面観察予定面の位置を示している。また、図4(b)は本体1を地層に打ち込んだ状態を、同(c)は回転部材3を回転作動させた状態を、同(d)は、本体1を引き抜いている状態を示している。
【0011】
以下採取作業を作業順に説明する。
(1)地層採取装置の本体1の上部を図示せぬクレーン等で吊り上げて、地面に垂直に支持する(図4の(a)参照)。このとき作動棒5は持ち上げた状態とし、回転部材3は、上側で止まった状態にしておく。即ち本体下部の開口部が開放された状態としておく。
(2)本体上部に取りつけたバイブロハンマー(図示せず)等で本体を振動させると、観察予定面の地層は本体先端の切断刃2によって周辺の地層と切り離され、本体1が地面に打ち込まれる。図4の(b)参照。また、採取試料は本体の箱体の内部に収納される。
(3)採取装置の本体1の打ち込みが完了した後に、作動棒5を油圧ジャッキ(図示せず)等で下に押し込み回転部材3を採取装置側面に沿って回転させると、回転部材3に設けた刃3bは採取装置底部の開口部の地層を切断して開口部を塞ぎ、地層を周囲から遮断した状態で採取装置本体中に取り込む(図4の(c)参照)。この時、回転部材3に形成した刃3bが切断刃に形成した溝に嵌合するようにすることができる。
(4)作動棒5を押し込み、開口部を塞いだままの状態で、地層採取装置本体をクレーン等で地上に引き抜く(図4の(d)参照)。
【0012】
本装置は、上記のようにして試料を採取することができるため、
引抜きの際、本体1の下端部の切断刃2は、回転部材3のストッパーの役割を果たし、回転部材3に形成した刃3bが切断刃2に形成した溝と嵌合して完全に底部開口部を閉塞するので、引き抜きの過程で地層試料の脱落を防ぐことができる。さらに、回転部材3の刃3bが切断刃2と嵌合しているので、切断刃2が引抜き中に受ける土圧を分担支持して、切断刃2が変形することを防止できる。
また、地層採取装置の本体1を地中から引き抜いた後、観察予定面が本体1の一側面に出てくるので、従来技術のような蓋の開放作業が不要であり、地中の地層の状況を直ちに観察することができる。切断刃2の部分はそのままでは観察できないが、切断刃2が帯状となっており、本体の一面の大部分が露出するので観察の障害にはならない。
【0013】
観察予定面は、切断刃2によって本体1の打ち込み時に切断され、本装置による作業中に側面から圧縮・密着されることがないので、引き抜き作業によって撹乱されることがない。従って、引抜きままの状態で地層にあるがままの断面を観察することができる。
しかも、本装置は回転部材3が雨樋状の形状をしているため、地層抜き取り装置本体の背面に取り付けた場合、張り出しが小さく地層採取装置の打ち込みの際の抵抗を小さく押さえることができる。回転部材の先端に形成した刃は、切断する面に沿って切断方向に回転するため、土圧の高い地層中でも地層を容易に切断する。また、この雨樋形状は引き抜きの際に地層採取装置本体中の地層の重さによる回転部材の変形を防ぐことができる。
【0014】
次に、帯状の切断刃2に収納可能な幕を取り付けた第2実施形態について説明する。
図5において、9は、本体1の下端部の左右側面に取り付ける変形切断刃(前記切断刃2に相当する)であり、この幕収納切断刃9は、先端が地層を切断する切断刃2としての機能を持つと同時に、内部に幕10を収納することができるように、断面が空洞となっている。幕10は、プラスチック製の薄膜であって、本体1の横幅と略等しい幅をもち、本体1の高さに略相当する長さのものが折りたたまれている。蓋11は取り外されて幕を収納し、取り付け時には、本体1との間に幕厚より若干広い隙間12から、折りたたまれた幕が端から順次引き出せるようになっている。
図5の幕収納切断刃9は、切断刃9aと幕収納部を一体に構成しているので、刃の内部までを含め収納部位を多くとることができる。但し構造としてはこれに限るものではなく、切断刃9aと収納部を個別に製作して一体化する構造でも構わない。なお、蓋11の形状、蓋によって与えられる隙間12は各種の変形が可能である。
【0015】
次にこの幕収納切断刃9の幕の使い方を説明する。
図6は、幕を収納可能にした切断刃9を持つ地層採取装置による地層試料の採取方法を説明する図である。図6において、15は保持棒、16は掛け部である。保持棒15は、幕10の端を固定できるようにした金属棒であり、本体の掛け部16に渡して本体に支持することができる構成となっている。
(1)本体1を地面に垂直に支持するとき、幕収納切断刃9から引き出された幕10の端は、保持棒15に固定され、地上に本体1の幅方向と並行に置かれる(図6(a)参照)。
(2)本体1が地面に打ち込まれるとき、先端の幕収納切断刃9から幕10が順次引き出されて、切断された地層試料と元の地層の間に入る(図6の(b)参照)。即ち、幕10は、地層遮断幕の働きをすることになる。
(3)打ち込み完了して回転部材3の刃が底部の地層試料を切断するとき、地上に置かれた保持棒を幕の端と共に本体の掛け部16に移し変える(図6の(c)参照)。
(4)地層採取装置を地上に引抜くときに、幕は本体掛け部16の上昇と共に地上に引き上げられる(図4の(d)参照)。
【0016】
以上のようにこの実施形態によれば、
幕10は幕収納切断刃9から打ち込み深さ分だけ自動的に引き出されるので、幕に張力が掛からず、たるみがなく試料面を一様に覆うことができる。採取装置の引抜き時は、本体側に付いて引き上げられるので、地層面を切断ままの状態で採取試料の地層面を保護することができる。引抜き後は、薄幕をめくるだけで地層観察ができるので、従来技術のように蓋をはずすような手間がかからず、簡素な工程となる。
【0017】
つづいて、箱体の開放面を塞ぐ蓋、および収納部・支持脚を備えた本発明の第3実施形態について説明する。
海底の地質調査・活断層調査等のために、海底地層試料の採取が行われる。
従来、海底地層試料採取は、超音波探査などで地層調査部位を検討し、海底に配置したトランスポンダを基準に地層採取器を位置決めして複数箇所の地層試料を採取し、地上で比較観察される方法がとられる。試料採取器は通常ピストンコアリングと呼ばれる装置が用いられ直径8〜10センチの円筒状試料が採取される。この方法は、試料寸法が限られているため、一般に多数の試料採取が必要になり、採取器の引上げ、浸漬や、試料相互間の比較のために作業工数が増える課題がある。地層試料の採取位置・方向が分かっている場合には、一度に広い範囲の地層試料が採取できる本発明による方法が効率的である。
【0018】
図7に、本発明に係る第3実施形態の海底地層採取装置の例を示す。
図7は、海底地層採取装置の平面図および側面図であり、図中、第1実施形態と同符号のものは前述と同じ機能なので、説明を省略する。
図7において、20は油圧ジャッキ、21はバイブロハンマー、30は収納部、31は支持脚、32は脚用油圧シリンダ、33は蓋、34は蓋用油圧シリンダ、35は鎖、36はウインチ、37はスラスターである。
バイブロハンマー21は本体1の上部両側に設置され、作動時は本体1に上下方向の振動を起こす。油圧ジャッキ20は、同じく本体1の上部両側に設置され、回転部材3を操作するための作動棒5を昇降させる。収納部30は下部から本体1を出し入れ可能に収納することができる形状として形成されており、その下端には支持脚31が取付られている。支持脚31は、収納部30の下端に略90度揺動自在に取付られており、脚用油圧シリンダ32によって実線・破線のように開閉する。収納部30上部に設置されたウインチ36は本体1を吊り下げるための鎖35を巻き取り、巻き戻すためのものであり、本体を打ち込むにしたがって鎖35はウインチ36からひきだされる構成となっている。蓋33は本体1の開放面を塞ぐ機能(周囲の地層と採取試料との間を遮断する機能)を備えており、常時は図示のように本体左右側壁との間に僅かな隙間Sをもった開放状態として配置されている。蓋33の左右側面に対応した上下には開閉軸を備え、この開閉軸には収納部30の側面に取り付けた蓋用油圧シリンダ34が取付られている。蓋用油圧シリンダ34を作動すると摺動溝にそって開閉軸が水平方向に移動し、蓋33を移動し開放面を開閉することができるようにしている。スラスター37は、収納部30がロープに吊り下げられた状態で、海底付近で位置決めする時の推進具である。
【0019】
上記第3実施形態に係る海底地層採取装置による地層試料の採取方法を説明する。
収納部30は図示せぬ曳航船にワイヤーロープで吊り下げられ、採取位置付近の海底に降ろされる。この時支持脚31は破線で示した閉じた位置にある。収納部はスラスター37で収納部の位置・角度を修正して、採取位置に位置決めされる。支持脚31を開いて収納部を垂直方向(試料の採取方向)に自立させる。
本体1に取付た蓋33を開いた位置として、本体との間に数ミリの隙間Sを作る。本体1のバイブロハンマー21を振動させ、必要な深さまで本体1を海底に打ち込む。この時ウインチ36は鎖35を自由にしている。本体1を打ち込んだ後、油圧ジャッキ20によって作動棒5をおしさげて回転部材3を回転させる。ウインチ36で鎖35を巻いて本体1を引上げ、本体1を収納部内に収納する。このとき支持脚31は、引上げ力を脚面で受けて自立的収納を可能にする。蓋33の隙間Sを閉じて蓋と本体を密着させ、採取した地層試料を本体内に閉じ込める。
支持脚31を閉じて、収納部30を曳航船に引き上げて、海上で蓋を開いて本体を収納部からだし、採取した地層の観察・分析を行う。
【0020】
この実施形態においても、本体の底の開口部が回転部材3によって封止されるので、海底地層の試料が、試料の脱落なく確実に採取できる。
海底地層は、水分が多いため、軟弱であることが多い。このため、本体1を収納部に収納したまま海上に引き上げると、途中の振動・揺れによって採取した地層が脱落することがある。蓋を閉めて密閉状態とすることによって、脱落なく、確実に地層試料が採取することができる。
上述の海底用地層採取装置は、不要な構成を除いてそのまま地上の地層採取に用いることもできる。地上地層においても砂礫や水分の多い軟弱な地層試料を採取する場合には蓋33を閉じることによって引上げ後観察までの間の作業に伴う採取地層の脱落を防止してかくじつな採取がけできる。また、支持脚31があるので、採取作業に使用する重機を減らすことができる。
【0021】
地上の作業において軟弱な地層試料を採取する場合に、開放面に蓋をする別の実施形態を図8に示す。
図8(a)(b)(c)は分割式の蓋を示す図であり、(a)は蓋の正面図、(b)は蓋を取付た状態の平面図、(c)は蓋を取り付けるための説明図である。また、図8(d)、(c)は採取時の蓋の使用方法を説明する正面図および側面図である。
この実施形態において、本体1の左右側面は、図1に示した左右側面と異なり、左右側面には開放端に張り出したフランジ1Cが形成されている(図8(b)(c)参照)。
分割式蓋の片側には、前記フランジ1Cに引っ掛けるような折り返しがあり、反対側には引き返し式の留め具39がついている。
この分割式蓋を使うには図8(d)(e)に示すように地層から本体1を引き抜く都度、上に合わせて蓋33を取付けてゆくのが作業性が良い。
引抜き作業がすべて終了したら、本体1を観察場所に運搬して、分割式蓋33を外して地層試料を観察・分析する。
これにより、軟弱な試料があっても、採取作業における脱落を防止して、確実な試料の採取が可能となる。
【0022】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本体の形状は箱型に限定されることなく、円形、楕円形など種々の形態を採用することができる。また本体下部に設ける回転部材も、開口部を閉じることができるものであれば、他の形態のものを採用することも可能である。また、本体開放面を塞ぐ蓋や幕も同様の機能を達成できるものであれば他の形態のものを使用することができる。
さらに、本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、本体の下端部の開口部に開閉自在の回転部材を設けたので、引き抜きの過程で地層試料の脱落を防ぐことができる。
また、地層採取装置本体を地中から引き抜いた後、観察予定面が本体の一面に出てくるので、従来技術のような蓋の開放作業が不要であり、地中の地層の状況を直ちに観察することができる。観察予定面は、切断刃によって本体の打ち込み時に切断され、本装置による作業中に側面から圧縮・密着されることがないので、引き抜き作業によって撹乱されることがない。従って、引抜きままの状態で地層にあるがままの断面を観察することができる。
また本体に蓋を設けた場合には、水分が多く、軟弱な海底地層でも、蓋を閉めて密閉状態とすることによって、脱落なく、確実に地層試料が採取することができる。さらに、本体を収納部に収納した形態の装置の場合には、収納部の下端に開閉自在な支持脚があるため、採取作業に使用する重機を減らすことができる。等々の優れた効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の係る地層採取装置の斜視図である。
【図2】同装置の回転部材を取り除いた状態の本体下部の斜視図である。
【図3】同装置の正面図および側面図である。
【図4】同装置を用いた採取方法を説明する図である。
【図5】同装置に用いる第2実施形態の切断刃の断面図である。
【図6】第2実施形態の切断刃を用いた採取方法を説明する図である。
【図7】第3実施形態に係る地層採取装置の平面図および側面図である。
【図8】本体開放面を塞ぐ蓋の他の形態の説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 切断刃
3 回転部材
4 回転軸
5 作動棒
6 軸受
9 切断刃
10 幕
11 蓋
12 隙き間
15 保持棒
16 掛け部
20 油圧ジャッキ
21 バイブロハンマー
30 収納部
31 支持脚
32 脚用油圧シリンダ
33 蓋
34 蓋用油圧シリンダ
35 鎖
36 ウインチ
37 スラスター
Claims (8)
- 一側面に開放面をまた下端部に開口部を有する本体と、この本体の開放面下部に取り付けた刃と、本体の底部地層を切断するための刃を備えるとともに本体下端部の開口部を閉じることができる部材とから構成されていることを特徴とする地層試料の採取装置。
- 前記開口部を閉じることができる部材は本体に揺動可能に取付られており、本体に取り付けた作動棒によって揺動できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の地層試料の採取装置。
- 前記開放面下部に取り付ける刃は帯状の刃として形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地層試料の採取装置。
- 前記帯状の刃は本体の開放面に沿って引き出し可能な幕を収納可能としたものであることを特徴とする請求項3に記載の地層試料の採取装置。
- 前記本体の開放面には開放面を塞ぐ蓋を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の地層試料の採取装置。
- 前記蓋は、分割して形成されていることを特徴とする請求項5に記載の地層試料の採取装置。
- 前記本体は、下端が開放され、本体を出し入れ可能にした収納部に収納されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の地層試料の採取装置。
- 前記収納部には収納部を地層採取面に支持する支持脚を備えたことを特徴とする請求項7に記載の地層試料の採取装置。
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