JP3811919B2 - 多層型化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層型化粧料に関し、さらに詳しくは、上層と下層に分離した外観を呈し、使用時、振とうすることで乳濁するが、静置するともとのような外観に分離する使用感触に優れた多層型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多層型化粧料には、使用時の乳濁性に優れ、のびがよく、肌へのなじみや保湿性がよく、静置するとすみやかに液状多層に分離する特性が一般的に求められている。
しかしながら、静置しているときの上層のエマルションは合一、凝集しやすく不安定であるため、上層が透明化するなどの問題があり、経時安定性の良好な多層型化粧料が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題を解決して、使用時の乳濁性に優れ、肌へののび、なじみ、保湿性がよく、静置するとすみやかに液状多層に分離し、経時安定性の良好な多層型化粧料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決させるべく鋭意検討を行った結果、(a)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサンと、(b)HLB10以上の親水性活性剤と、(c)シリコーン油を含む油分と、(d)塩類と、(e)水とを配合することにより、経時安定性の良好な多層型化粧料を提供できることを見い出した。
【0005】
すなわち、本発明は、(a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサンと、(b)HLB10以上の親水性活性剤と、(c)シリコーン油を含む油分と、(d)塩類と、(e)水を配合し、(a) + (b)の配合量が0.5〜5.0質量%、(c)の配合量が1〜30質量%、(d)の配合量が0.1〜5質量%、(e)水の配合量が30.0〜99.0質量%であることを特徴とする二層型化粧料を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成要件を更に詳細に説明する。
本発明で用いられる(a)ポリオキシアルキレンアルキル変性オルガノポリシロキサンは、次の一般式(1)で表されるものである。
【0007】
【化2】
Figure 0003811919
【0008】
(式中、RおよびRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1〜30の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基またはフェニル基を表し、Rは、同一でも異なっていてもよく、下記一般式(2)で表される基を示し、nは1〜1000の整数、mは1〜30の整数を表す。
−(C2x)−(OC)a−(OC)b−OR …(2)
(Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1〜12の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、または2〜12の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアシル基から選択され、aは1〜50の整数、bは1〜50の整数、xは1〜5の整数を表す。))
【0009】
かかるポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサンは市販されているものを使用することができ、その具体例としては、コールドシュミット社製のABIL EM90、東レ・ダウ・コーニング社製のDC5200などが挙げられる。
【0010】
本発明に用いられる(b)親水性活性剤はHLBが10以上のものであり、例えば、POE(20)ソルビタンモノラウレート、POE(20)ソルビタンモノオレート、POE(20)ソルビタンモノイソステアレートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(20)グリセリルモノイソステアレート、POE(60)グリセリルモノイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POE(60)ステアリルエーテル、POE(100)ステアリルエーテルなどのPOE脂肪酸エーテル類、POE(30)硬化ヒマシ油、POE(60)硬化ヒマシ油などのポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
【0011】
特に好ましいものとして、POE10モル以上を付加したポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POE30モル以上を付加したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が挙げられる。
【0012】
本発明において、成分(a)および(b)の重量比は(a):(b)=0.1:1.0〜4.0:1.0である。(b)に対して(a)が多すぎると、再混合性が悪くなり、(b)に対して(a)が少なすぎると、多層型の化粧料が得られない。
【0013】
本発明に配合される(a)+(b)の配合量は化粧料全量に対して0.1〜20質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5.0質量%である。
【0014】
本発明に用いられる(c)成分の油分としてはシリコーン油が必須であり、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルシクロポリシロキサン、ドデカメチルシクロポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
【0015】
シリコーン油の配合量は、全油分に対して30質量%以上配合することが好ましい。シリコーン油が少なすぎると、さっぱり感が低下し、べたつきが増す。
【0016】
本発明に用いられ得るシリコーン油以外の油分を具体的に例示すれば、液体油脂としては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸等が挙げられる。高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。本発明においてはこれらのうち一種または二種以上が任意に選択される。
【0017】
本発明において,(c)成分の配合量は使用感及び製品の安定性から組成物の全重量に対して0.1〜40質量%、好ましくは1〜30質量%配合される。
【0018】
本発明に配合される塩類は室温下で水に容易に溶解する塩であればよい。例えば、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどの無機塩類、L−アルギニン塩酸塩、L−アスパラギン酸1水和物、L−グルタミン酸塩酸塩、L−ヒスチジン塩酸塩1水和物、L−オルニチン塩酸塩、L−アスパラギン酸ナトリウム1水和物、L−アスパラギン酸カリウム2水和物、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物、L−グルタミン酸カリウム1水和物など有機酸塩類等が挙げられる。
【0019】
本発明に配合する塩類の配合量は化粧料全量に対して、0.1〜5重量%である。塩類の配合量が少なすぎると、二層分離速度が遅くなり、多すぎると再分散性が悪くなる。
【0020】
本発明においては、(f)カルボキシメチルセルロースナトリウムを配合することで、水相の透明度が上がるという利点がある。カルボキシメチルセルロースナトリウムの配合量は化粧料全量に対して、0.01〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.05〜1.0質量%である。
【0021】
本発明に配合される水の配合量は化粧料全量に対して30.0〜99.0質量%である。
【0022】
また、本発明の多層型化粧料には、上記必須成分の他に、本発明の目的を損なわない程度で、必要に応じて、通常化粧料に配合される他の成分、例えば、ポリエチレングリコール,グリセリン、1,3−ブチレングリコール,エリスリトール,ソルビトール,キシリトール,マルチトール等の保湿剤; セルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース,カルボキシメチルセルロース,クインスシード,カラギーナン,ペクチン,マンナン,カードラン,コンドロイチン硫酸,デンプン,ガラクタン,デルマタン硫酸,グリコーゲン,アラビアガム,ヘパラン硫酸,ヒアルロン酸,ヒアルロン酸ナトリウム,トラガントガム,ケラタン硫酸,コンドロイチン,キサンタンガム,ムコイチン硫酸,ヒドロキシエチルグアガム,カルボキシメチルグアガム,グアガム,デキストラン,ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン,カルボキシメチルキチン,寒天、アルキル変性カルボキシルビニルポリマー等の増粘剤、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールクロスポリマー等のポリエーテル系のシリコン界面活性剤;ブチルヒドロキシトルエン,トコフェロール,フィチン等の酸化防止剤;安息香酸,サリチル酸,ソルビン酸,パラオキシ安息香酸アルキルエステル,ヘキサクロロフェン等の抗菌剤等、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)−d−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等の紫外線吸収剤、;アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸等の有機酸;ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB塩酸塩,ビタミンBトリパルミテート,ビタミンBジオクタノエート,ビタミンB及びその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体等が挙げられる。このうち、L−アルコルビン酸誘導体としては、例えば、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレート等のL−アスコルビン酸モノアルキルエステル類、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレートなどのL−アスコルビン酸ジアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレートなどのL−アスコルビン酸トリアルキルエステル類;L−アスコルビン酸トリリン酸エステルなどのL−アスコルビン酸トリエステル類;L−アスコルビン酸2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類などが挙げられる。
【0023】
また、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類;ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ−オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸誘導体としては、トラネキサム酸の二量体(例えば、塩酸トランス−4−(トランス−アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、等)、トラネキサム酸とハイドロキノンのエステル体(例えば、トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸4’−ヒドロキシフェニルエステル、等)、トラネキサム酸とゲンチシン酸のエステル体(例えば、2−(トランス−4−アミノメチルシクロヘキシルカルボニルオキシ)−5−ヒドロキシ安息香酸およびその塩、等)、トラネキサム酸のアミド体(例えば、トランス−4−アミノメチルシコロヘキサンカルボン酸メチルアミドおよびその塩、トランス−4−(P−メトキシビンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、トランス−4−グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸およびその塩、等)、ヒノキチオール、ビサボロール、ユーカルプトーン、チモール、イノシトール、サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニン等のサポニン類、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、アルブチン、セファランチン、プラセンタエキス等の各種薬剤、ギシギシ,クララ,コウホネ,オレンジ,セージ,ノコギリソウ,ゼニアオイ,センブリ,タイム,トウキ,トウヒ,バーチ,スギナ,ヘチマ,マロニエ,ユキノシタ,アルニカ,ユリ,ヨモギ,シャクヤク,アロエ,クチナシ,サワラ等の植物の抽出物、色素、多孔質および/または吸水性の粉末が好ましく、例えば、トウモロコシやバレイショ等から得られるスターチ類、無水ケイ酸、タルク、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、アルギン酸カルシウム等の粉末、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキセチレンソルビタン、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリコールジエーテル、ラウロイルジエタノールアマイド、脂肪酸イソプロパノールアマイド、マルチトールヒドロキシ脂肪酸エーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、シュガーエステル等の非イオン性活性剤、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン性界面活性剤、パルミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル、ロート油、リニアドデシルベンゼン硫酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸、アシルメチルタウリン等のアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、中和剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、顔料、薬剤等を配合可能である。
【0024】
本発明における多層型化粧料とは、主として2層型化粧料であるが、3層以上の多層型の化粧料であってもよい。
本発明の多層型化粧料は、上層が乳白色の乳化層で、下層が透明〜半透明の外観を呈し、使用時、振とうすることで乳濁するが、静置するともとのような外観に分離する使用感触に優れた多層型化粧料である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例等を挙げて詳しく説明するが、本発明の技術的範囲がこれらの実施例等により限定解釈されるべきものではない。なお、配合量については、他に指定のない限り質量%を示す。
【0026】
まず、各処方例の開示に先立ち、本発明化粧料に関して採用した評価方法を示す。
【0027】
(使用感官能試験)
各試験品について、男女30名計60名のパネルに使用感を判定してもらい、肌へのみずみずしさ、べたつきのなさ、さっぱり感、肌のうるおいのよさなどの使用感を感じたパネルの人数を基準にして、各試験品の使用感を以下の基準で判定した。
【0028】
(1)みずみずしさの評価基準
◎:肌のみずみずしさを感じた人が30人以上
○:肌のみずみずしさを感じた人が10人以上30人未満
△:肌のみずみずしさを感じた人が5人以上10人未満
×:肌のみずみずしさを感じた人が5人未満
【0029】
(2)べたつきのなさの評価基準
◎:肌のべたつきのなさを感じた人が30人以上
○:肌のべたつきのなさを感じた人が10人以上30人未満
△:肌のべたつきのなさを感じた人が5人以上10人未満
×:肌のべたつきのなさを感じた人が5人未満
【0030】
(3)肌のさっぱり感の評価基準
◎:肌のさっぱり感を感じた人が30人以上
○:肌のさっぱり感を感じた人が10人以上30人未満
△:肌のさっぱり感を感じた人が5人以上10人未満
×:肌のさっぱり感を感じた人が5人未満
【0031】
(4)肌のうるおいのよさの評価基準
◎:肌のうるおいのよさを感じた人が30人以上
○:肌のうるおいのよさを感じた人が10人以上30人未満
△:肌のうるおいのよさを感じた人が5人以上10人未満
×:肌のうるおいのよさを感じた人が5人未満
【0032】
(分散性評価)
試料を50mlのサンプル管(ガラス瓶)に充填し、室温(25℃)において2分間振とう後の外観と静置1日後の外観の評価を行った。
○:振とう後、均一に白濁、静置1日後、上層が乳白濁で、下層が透明で分離状態がはっきりしている。
△:振とう後、均一に白濁、静置1日後、上層が乳白濁で、下層が半透明で分離状態がはっきりしている。
▲:振とう後、均一に半透明〜白濁、静置1日後、下層が半濁で分離状態がはっきりしていない。
×:振とう後、均一にならず、すぐに分離する。
【0033】
(安定性評価)
試料を50mlのサンプル管(ガラス瓶)に充填し、50℃で2週間放置後、室温(25℃)に戻し、肉眼および顕微鏡にて評価した。
○:上層が乳白濁で、分離状態がはっきりしている。
△:上層が白濁〜半透明で、分離状態がはっきりしている。
▲:上層が白濁〜半透明で、分離状態がはっきりしていない。
×:上層が透明で、分離状態がはっきりしていない。
【0034】
実施例1〜5、参考例1〜5
次の表1および表2に示す処方で2層型化粧料を調製し、上記の評価基準に基づいて評価した。その結果を併せて表1および表2に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003811919
【0036】
<製法>
(1)〜(4)、(10)の油相パーツを均一に混合した後、(11)に(5)〜(9)を加え完全溶解し水相パーツを調製する。この水相パーツを攪拌しながら、前記油相パーツを添加し、均一分散を行い2層型化粧料を得た。
【0037】
【表2】
Figure 0003811919
【0038】
<製法>
(1)〜(5)、(11)の油相パーツを均一に混合した後、(12)に(6)〜(10)を加え完全溶解し水相パーツを調製する。この水相パーツを攪拌しながら、前記油相パーツを添加し、均一分散を行い2層型化粧料を得た。
【0039】
上記表1,2に示したように、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサン、親水性活性剤、シリコーン油を含む油分、塩類を組合わせることで、使用性、安定性に優れた効果を発揮することが分かる。
【0040】
次に、本発明化粧料の処方例を示す。
処方例1 2層型美白化粧料 (質量%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(2)スクワラン 7.0
(3)POE(40)グリセリルモノイソステアレート 0.5
(商品名:GWIS-140)
(4)セチルジメチコンコポリオール 0.5
(商品名:ABIL EM90)
(5)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
(6)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(7)1,3ブチレングリコール 3.0
(8)エチルアルコール 3.0
(9)グリセリン 3.0
(10)パラベン 適量
(11)KOH 適量
(12)クエン酸Na 0.5
(13)香料 適量
(14)イオン交換水 残部
【0041】
<製法>
(1)〜(4)、(13)の油相パーツを均一に溶解した後、(14)に(5)〜(12)を加え完全溶解し水相パーツを調製する。この水相パーツを攪拌しながら、前記油相パーツを添加し、均一分散を行い2層型美白化粧料を得た。
【0042】
処方例2 サンスクリーン (質量%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(2)オクトクレリン 8.0
(3)サリチル酸オクチル 5.0
(4)t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン 2.0
(パルソール1789)
(5)POE(40)グリセリルモノイソステアレート 1.0
(商品名:HC60)
(6)セチルジメチコンコポリオール 0.5
(商品名:ABIL EM90)
(7)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
(8)1,3ブチレングリコール 3.0
(9)エチルアルコール 5.0
(10)グリセリン 3.0
(11)パラベン 適量
(12)KOH 適量
(13)クエン酸Na 0.5
(14)香料 適量
(15)イオン交換水 残部
【0043】
<製法>
(1)〜(6)、(14)の油相パーツを均一に溶解した後、(15)に(7)〜(13)を加え完全溶解し水相パーツを調製する。この水相パーツを攪拌しながら、前記油相パーツを添加し、均一分散を行い2層型美白化粧料を得た。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、使用時の乳濁性に優れ、肌へののび、なじみ、保湿性がよく、静置するとすみやかに液状多層に分離し、経時安定性の良好な多層型化粧料を提供できる。

Claims (3)

  1. (a)下記一般式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル共変性オルガノポリシロキサンと、(b)HLB10以上の親水性活性剤と、(c)シリコーン油を含む油分と、(d)塩類と、(e)水を配合し、(a) + (b)の配合量が0.5〜5.0質量%、(c)の配合量が1〜30質量%、(d)の配合量が0.1〜5質量%、(e)水の配合量が30.0〜99.0質量%であることを特徴とする二層型化粧料。
    Figure 0003811919
    (式中、R1およびR4は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1〜30の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基またはフェニル基を表し、R2は、同一でも異なっていてもよく、下記一般式(2)で表される基を示し、nは1〜1000の整数、mは1〜30の整数を表す。
    −(Cx2x)−(OC24)a−(OC36)b−OR3 …(2)
    (R3は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、1〜12の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル基、または2〜12の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアシル基から選択され、aは1〜50の整数、bは1〜50の整数、xは1〜5の整数を表す。))
  2. (a)および(b)の重量比が、(a):(b)=0.1:1.0〜4.0:1.0の比率である請求項1記載の二層型化粧料。
  3. (f)カルボキシメチルセルロースナトリウムを0.01〜3.0質量%配合することを特徴とする請求項1記載の二層型化粧料。
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