JP3810996B2 - 端末状況開示方法、端末状況開示システムおよび無線通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末状況開示方法、端末状況開示システムおよび無線通信端末に係り、特に携帯電話、PHS(Personal Handyphone System;登録商標)等の無線通信端末の状況を開示するための端末状況開示方法、端末状況開示システムおよび無線通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、携帯電話のユーザの現在地あるいは状況を第三者が把握するためのサービスとしては以下のようなものがあった。
【0003】
[1]第1従来例
第1従来例のサービスにおいては、携帯電話あるいはPHS(Personal Handyphone System;登録商標)等の無線通信端末に対応するネットワーク側で当該無線通信端末のおおよその位置を把握する。具体的には、無線通信端末が受信状態をモニタし、受信状態モニタの結果から最寄りの基地局を判定して把握した位置をネットワーク側に通知したり、無線通信端末が自己の受信状態をモニタし、受信状態モニタの結果をネットワーク側に通知し、ネットワーク側で処理することにより位置を把握する。この把握された無線通信端末の位置は、ネットワーク側の位置管理サーバにより管理される。
そして、把握した当該PHSあるいは当該携帯電話の存在の可能性が高い地域を契約者に対して通知していた。
【0004】
[2]第2従来例
第2従来例のサービスにおいては、GPS(Global Positioning System)衛星からの測位用電波を利用し、無線通信端末を含む携帯端末が自己の現在位置を割り出して表示画面に地図を表示したり、得られた位置情報をセンタに通知していた。
【0005】
[3]第3従来例
第3従来例のサービスにおいては、自己の状況を特定(あるいは非特定)の第3者に対して開示したいと考えているユーザがWebブラウザを搭載した無線通信端末から特定のホームページに自己の状況を入力し、第3者が当該ページを参照することにより当該ユーザの状況を知ることができるようにしていた。
【0006】
[4]第4従来例
第4従来例のサービスにおいては、ユーザ(被観測者)が特定の医学情報あるいは姿勢などを検出するためのセンサを携帯し、センサの検出出力を無線通信端末によりサーバ装置側に通知することにより、ユーザの状況を伝えるようにしていた。
【0007】
[5]第5従来例
また、第5従来例においては、無線通信端末の制御の一環として、当該無線通信端末周囲の騒音大小に応じて呼び出しベル音や通話音量を適宜変更させるようにしていた。
【0008】
[6]第6従来例
第6従来例においては、無線通信端末の外部に電波マーカなどを用意し、無線通信端末が電波マーカからの信号を受信することにより発信制限あるいは受信制限を行ったり、当該無線通信端末の電源制御を行っていた。
【0009】
[7]第7従来例
第7従来例においては、加速度センサあるいは通信用電波のフェージング状況を観測する回路を用いて、無線通信端末のユーザが高速移動中であることを検出し、各種設定切替や着信制御を行うようになっていた。
【0010】
[8]第8従来例
第8従来例においては、留守番設定への移行やユーザが自動車を運転中である旨を当該ユーザが明示的にボタンなどで指示し、指示されたモードに移行するようになっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例においては、例えば、乗車時におけるドライブモードなどのように特定の状況下で当該状況に特有の動作をさせたり、現在の状況では電話にでることができない旨を発信者側に伝えるためには、携帯電話などの無線通信端末のユーザが独自に判断し、ボタンなどで明示的に指示する必要があるという問題点があった。
また、サーバなどを介して、ホームページなどに自己の状況などの情報を開示するためには、毎回手入力を行う必要があり、結果的に継続運用は困難であるという問題点があった。
【0012】
さらにGPSや各種センサを用いる場合には、一般的に市販されている携帯電話などの無線通信端末では必要とされない装置やセンサを内蔵あるいは外付けする必要があり、製造あるいは導入コストが増大するとともに、使い勝手も良くなくなってしまう可能性があった。
さらに現在の電話システム等においては、着信側の状況などは考慮したシステム構成とはなっておらず、電話をかけて良いかの確認はいったん電話をかけて確認する必要があるという不具合があった。
さらにまた、電話をかけて尋ねるほどではないような状況下において、相手の状況を知るための適当な手段がなかった。
そこで、本発明の目的は、ユーザが明示的に指示する必要がなく、継続的に当該ユーザの状況を特定の第三者に開示することができ、第三者は容易に当該ユーザの状況を知ることができる端末状況開示方法、端末状況開示システムおよび無線通信端末を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の構成は、あらかじめ設定された各種入力情報に基づいて無線通信端末のおかれている状況を判別する端末状況判別過程と、前記判別された無線通信端末の置かれている状況を無線通信端末毎に収集する状況収集過程と、前記無線通信端末毎に収集した状況をあらかじめ設定された所定の情報開示対象者に対して提示する状況提示過程とを有する端末状況開示方法であって、前記端末状況判別過程は、前記無線通信端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出過程と、前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた振幅しきい値と比較する音声振幅比較過程と、前記音声振幅比較過程における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算過程と、前記振幅超過時間積算過程の積算により求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、前記無線通信端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別過程とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の構成は、請求項1に記載の構成において、前記端末状況判別過程は、前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、前記無線通信端末は静置状態にあると判別する静置状態判別過程を有することを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の構成は、請求項1に記載の構成において、前記端末状況判別過程は、前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、前記無線通信端末は静置状態にあると判別する静置状態判別過程と、前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出過程と、前記無線通信端末が前記携帯状態ではなく、かつ、前記静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出過程と、前記低域周波数成分振幅検出過程にて検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出過程にて検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出過程と、前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、前記無線通信端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別過程とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の構成は、自端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出部と、前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた所定の振幅しきい値と比較する音声振幅比較部と、前記音声振幅比較部における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算部と、前記振幅超過時間積算部が求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、自端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別部と、前記携帯状態判別部の判別結果を示す端末状況を通知する端末状況通知部とを有する無線通信端末と、無線通信端末毎の端末状況を記憶する端末状況データベース記憶部と、前記無線通信端末の端末状況通知部から端末状況の通知を受けてその通知された端末状況を前記端末状況データベース記憶部に記憶させる記憶制御部と、前記端末状況データベース部に記憶された端末状況をあらかじめ設定された所定の情報開示対象者に対して提示する端末状況提示部とを有するサーバ装置とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の構成は、請求項4に記載の構成において、前記無線通信端末は、前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、自端末は静置状態にあると判別する静置状態判別部を更に有することを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の構成は、請求項5に記載の構成において、前記無線通信端末は、自端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出部と、自端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出部と、前記低域周波数成分振幅検出部が検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出部が検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出部と、前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、自端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別部とを更に有することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の構成は、自端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出部と、前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた所定の振幅しきい値と比較する音声振幅比較部と、前記音声振幅比較部における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算部と、前記振幅超過時間積算部が求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、自端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別部と、前記携帯状態判別部の判別結果を示す端末状況を外部のサーバ装置へ通知する端末状況通知部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の構成は、請求項7に記載の構成において、前記音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、自端末が静置状態にあると判別する静置状態判別部を更に備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の構成は、請求項8に記載の構成において、前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出部と、前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出部と、前記低域周波数成分振幅検出部が検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出部が検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出部と、前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、自端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別部とを更に備えたことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。
[1]システム構成
図1に携帯電話端末などの無線通信端末の状況をあらかじめ定めた特定の第三者に対して開示する端末状況開示システムの概要構成ブロック図を示す。
端末状況開示システム10は、無線通信端末11-1、11-2と、(無線)基地局12-1〜12-3と、交換局13-1、13-2と、一般公衆回線網14と、ユーザ端末15と、ゲートウェイサーバ16と、インターネット網17と、情報開示サーバ18-1、18-2と、を備えて構成されている。
無線通信端末11-1、11-2は、携帯電話端末あるいはPHS端末などの無線で通信を行える端末装置である。以下の説明においては、無線通信端末11-1は情報開示者の端末であり、無線通信端末11-2は状況閲覧者の端末として機能するものとする。
【0038】
無線基地局12-1〜12-3は、無線通信端末11-1あるいは無線通信端末11-2と無線通信回線を介して接続されている。
交換局13-1は、無線基地局12-1が接続され、回線交換処理を行う。
交換局13-2は、複数の無線基地局12-2、12-3が接続され、回線交換処理を行う。
ユーザ端末15は、パーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)等で構成される情報端末であり、インターネット網17に接続されている。
ゲートウェイサーバ16は、一般公衆回線網14とインターネット網17との間のプロトコルの違いを吸収し、両者を接続する。
情報開示サーバ18-1は、一般公衆回線網14に接続され、無線通信端末11-1の状況を無線通信端末11-2やインターネット網17を介して接続されるユーザ端末15に対して開示する。
情報開示サーバ18-2は、インターネット網16に接続され、無線通信端末11-1の状況をインターネット網17、ゲートウェイサーバおよび一般公衆回線網14等を介して接続される無線通信端末11-2やインターネット網17を介して接続されるユーザ端末15に対して開示する。
【0039】
次に無線通信端末の概要構成について説明する。この場合において、無線通信端末11-1および無線通信端末11-2は同様の構成であるので、無線通信端末11-1を例として説明する。
図2に無線通信端末11-1の概要構成ブロック図を示す。
無線通信端末11-1は、図2に示すように、マイク21と、入力部22と、無線通信インターフェース23と、コントローラ24と、ROM25と、RAM26と、スピーカ27と、ディスプレイ28と、を備えて構成されている。
マイク21は、通話時に音声入力を行うとともに、状況検出時の音声信号入力センサとして機能する。
入力部22は、キーパッドを有し、電話番号の入力や各種情報の入力に用いられる。
無線通信インターフェース23は、アンテナ23Aおよび無線を介して各種通信動作を行う。
コントローラ24は、無線通信端末11全体の制御を行うとともに、状況検出処理を行う。
ROM25はコントローラ24の制御用プログラムあるいは制御用データがあらかじめ格納されている。
RAM26は、各種データを一時的に格納する。
スピーカ27は、通話時における通話相手の音声の出力など各種音声出力を行う。
ディスプレイ28は、各種情報の表示を行う。
【0040】
[2]実施形態の動作
次に実施形態の動作を説明する。
本実施形態の動作は、大別すると、無線通信端末11-1側の状況推定登録処理と、情報開示サーバ18-1側あるいは情報開示サーバ18-2側の状況開示処理からなっている。
以下の説明においては、無線通信端末11-1として、音声による状況推定機能とメール等による状況通知機能を持つ携帯電話を用い、携帯電話から状況通知可能な情報開示サーバとしてWebサーバの場合について説明するが、これらに限られるものではない。
次に状況推定登録処理について、図3および図4を参照して説明する。
まず、図3を参照して状況推定処理について説明する。
この場合において、無線通信端末11-1のユーザは、状況推定する時間間隔T-mをあらかじめ指定しておくものとする。
無線通信端末11-1においては、時間間隔T-m毎に状況推定処理プロセスが起動する(ステップS1)。
【0041】
状況推定処理プロセスは、直近の時間T-near以内に無線通信端末11-1(携帯電話)を操作中であったか否かを判別する(ステップS2)。
ステップS2の判別において、直近の時間T-near以内に無線通信端末11-1を操作中であった場合には(ステップS2;Yes)、その操作内容を示すシステム状況を得て状態変数Sに設定格納する(ステップS3)。
例えば、無線通信端末においてWeb閲覧操作をしていればS=S-Webとし、メールに関する操作をしていれば、S=S-mailとし、それ以外の形態電話操作はS=S-operateとする。また、通話中であれば、S=S-talkとする。これらのシステム状況を表す定数S-Web、S-mail、S-operate、S-talkなどは、あらかじめ当該無線通信端末の機種毎に定められている。
ステップS2の判別において、携帯電話の操作中ではない場合には(ステップS2;No)、マイク21から入力される音を時間T-mの間、計測する。
そして、入力された音の音量があらかじめ定めた静置しきい値Vs以下であるか否かを判別する(ステップS5)。
ステップS5の判別において、音量が静置しきい値Vs以下の場合、S=S-silenceとする(ステップS6)。
ステップS5の判別において、音量が静置しきい値Vsを越える場合には(ステップS5;No)、時間T-m中において、入力音の振幅が振幅しきい値Vtを越える時間を積算し、積算時間T-loudとする。
そして、あらかじめ定めた積算振幅しきい値P-carryを用い、
P-carry<T-loud/T-m
であるか否かを判別する(ステップS7)。
【0042】
ステップS7判別において、
P-carry<T-loud/T-m
である場合、すなわち、無線通信端末11-1が携帯中であると判別された場合には、S=S-carryとする(ステップS8)。
ステップS7の判別において、
P-carry≧T-loud/T-m
である場合には(ステップS7;No)、すなわち、状態変数Sが、
S≠S-carry
かつ
S≠S-silence
の場合、入力音について、あらかじめ指定した周波数fをカットオフ周波数とし、ローパスフィルタ処理して得られる低域周波数成分の振幅V-lpと、ハイパスフィルタ処理して得られる高域周波数成分の振幅V-hpを求める。そして、周波数成分比V-hp/V-lpを逐次測定し、得られた周波数成分比V-hp/V-lpを区間T-mについて平均して平均比を算出する(ステップS9)。
そして、得られた周波数成分比の平均比が収納しきい値R-bagを越えるか否か、すなわち、
R-bag<V-hp/V-lp
を満たしているか否か判別する(ステップS10)。
【0043】
ステップS10の判別において、
R-bag<V-hp/V-lp
を満たしている場合には(ステップS10;Yes)、S=S-bagとする(ステップS11)。
ステップS10の判別において、
R-bag<V-hp/V-lp
を満たしていない場合、すなわち、
R-bag≧V-hp/V-lp
を満たしている場合には(ステップS10;No)、上述した状態以外であるとしてS=S-othersとする(ステップS12)。
次に状況推定処理について説明する。
状況登録処理においては、状況推定処理の結果である状態変数Sの値を、無線通信端末11-1(携帯電話)内にあるRAM26上の状況格納メモリに時刻データとともに格納する(ステップS13)。すなわち、無線通信端末11-1のRAM26上の状況格納メモリには、それまでに格納した状態変数Sの値および更新された時刻に加えて最新の状態変数Sの値および更新時刻が格納される。
より具体的には、図5に示すように、それまでに格納した状態変数Sの値および更新された時刻に対応する状況データD1〜D7に加えて最新の状態変数Sの値および更新時刻に対応する状況データD8(13:12に、電話機操作中)が格納される。図5は、30分おきに新規の状況データが格納される場合であるが、新規の状況データの格納間隔は、ユーザあるいは情報開示サーバ側の設定により任意に変更することも可能である。
この場合において、図4に示すように、無線通信端末11-1内に格納されている状況が更新され、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2(センタ)に登録している状況と食い違ったと判断された場合(ステップS21)、あるいは、前回の情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2への通知時からあらかじめ設定した時間T-confが経過した場合(ステップS22)には、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2への通知が可能な通信条件下であるか否かを判別する(ステップS23)。
【0044】
ステップS23の判別において、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2への通知が可能な通信条件下である場合には、すなわち、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2(センタ)に登録している状況と食い違ったと判断された場合、あるいは、前回の情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2への通知時からあらかじめ設定した時間T-confが経過した場合であって、かつ、携帯電話メールサービス圏内の場合には情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2に対して情報更新を依頼することとなる(ステップS24)。
この場合において、端末状況の更新方法としては、例えば、無線通信端末11-1が開示処理を行う情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2に対応するメール宛先に対して、更新依頼および更新内容を表すメールを送付することとなる。
ここで、各無線通信端末11-1のユーザはメールアカウントで区別されることとなる。
また、本人認証は各種方法が使える。例えばメール内に認証コードを付与し、認証はアカウント名と認証コードで行う。さらに。発信者番号による個人認証が可能ならば、それを認証として用いる。
また、ステップS23の判別において、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2への通知が可能な通信条件下にない場合には、情報更新の依頼を取りやめるとともに、時間T-confの計測を初期化する(ステップS25)。
【0045】
次に情報開示サーバにおける状況開示処理について説明する。
情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2は、Webアプリケーションサーバであり、メールが着信すると認証し、該当するユーザに対応する無線通信端末11-1の状況を更新する。
また状況開示者である当該無線通信端末11-1のユーザが指定した期間の過去履歴も保持する。
この場合において、状況開示者である当該無線通信端末11-1のユーザは、状況開示を許可する対象者(情報開示対象者)毎に開示範囲(内容の詳しさ、履歴まで含めるかどうか、等)は、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2側に登録しておくものとする。
そして登録するとサーバから該当の情報開示対象者へ、問い合わせ先のURLと本人確認用の情報(パスワード等)がメールで送付される。なお、パスワード等を用いず本人確認が可能な機構があれば、パスワード等は不要である。例えば、携帯電話から携帯電話会社が運営する特定ネットワーク内のWeb閲覧など、本人を同定する発信者番号情報が得られる場合等が挙げられる。
そして、情報開示対象者は、ユーザ端末15を介して端末状況の問い合わせを行うに際し、案内されたWebページにアクセスし、本人確認の処理を行う。
情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2は、問い合わせ者が正規の情報開示対象者であれば、開示許諾範囲に従い、無線通信端末11-1の状況を最終更新時間と共にユーザ端末15のディスプレイ画面上に表示することとなる。
【0046】
情報開示状態としては、上述の例の場合、例えば、以下のようになる。
【0047】
[3]実施形態の効果
以上の説明のように、本実施形態によれば、情報開示対象者である問い合わせ者は、情報開示サーバ18-1あるいは情報開示サーバ18-2における開示情報から、無線通信端末ユーザの状況を知ることができる。なお、この場合において、更新時間が古い場合は、最終更新時間以降に携帯の電源が切られたままか、あるいは、電波の届かないところに移動したまま、と判断できる。
【0048】
[4]実施形態の変形例
以下、実施形態の変形例について説明する。
[4.1]第1変形例
無線通信端末の状況の検出および更新は、定期的にタイマーで行う他に、問い合わせ要求があった場合のみ行うことも可能である。
この場合において、検出に必要な処理・通信電力が削減できるが、問い合わせからの応答に時間がかかることとなる。
さらにこの場合には、無線通信端末(携帯電話等)側に状況推定依頼を受ける機構が必要となる。すなわち、専用のプロトコルを用意するか、または携帯電話宛てのメールであらかじめ決められた特定の書式ルールに従ったものが着信すると自動測定処理し結果をメールで戻す方法等が挙げられる。
【0049】
[4.2]第2変形例
無線通信端末の状況の検出および更新は、定期更新と逐次要求を組み合わせることも可能である。より具体的には、開示されている状況情報が古すぎると判断した問い合わせ者は、問い合わせ要求を情報開示サーバに出すことにより、情報開示サーバから無線通信端末に対して検出要求メールが送付され、無線通信端末状況を検出し、結果をサーバへ返して状況を更新するように構成すればよい。
【0050】
[4.3]第3変形例
さらに情報の問い合わせ者(情報開示対象者)のユーザ端末に代えて無線通信端末を保持し、この無線通信端末自体がWebサーバ機能を持っていれば、問い合わせ者が直接情報開示者の無線通信端末に対して問い合わせをし、返答を無線通信端末から返すように構成することも可能である。
この場合、上記情報開示サーバの機能は無線通信端末上のサーバ機能が実現すればよく、情報開示サーバは必須ではないこととなる。
【0051】
[4.4]第4変形例
上記実施形態においては、問い合わせをユーザ端末上でWeb表示を行う場合について説明したが、メールで問い合わせて返答したり、情報開示センタを設け、センタに電話をかけてPB信号か音声認識で問い合わせ、音声合成で返答することも可能である。
【0052】
[4.5]第5変形例
上記実施形態においては、常時開示情報を行う場合について説明したが、あらかじめ指定した異常状況になった場合にのみ電話にて通知してもらう、異常事態監視としての運用を行うことも可能である。
【0053】
[4.6]第6変形例
上記各情報開示の態様は、スケジューラと組み合わせて運用することも可能である。
例えば、通常の起床時間、就寝時間、通勤時間が決まっているような場合には、これらの時間をあらかじめ登録しておいたり、あらかじめわかっている予定を無線通信端末内のスケジューラに登録する。これらの情報は、入力あるいは変更された時点で情報開示サーバ側に送られ、同じ状況を保つ。そして、逐次変更される状況と併せて表示することで、より詳細な状況を開示することが出来る。
【0054】
[4.7]第7変形例
以上の説明においては、無線通信端末の位置情報については、考慮していなかったが、位置情報を取得可能な無線通信端末を用いる場合には、位置情報に基づいて推定される状況を開示情報として開示することも可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、無線通信端末に特殊なセンサ類等を追加することなく、また手動で設定することを必須とせずに、その対象者の状況を、本人に邪魔することなく知ることが出来る。従って、例えば、高齢者や子供の安否を定期的に確認したり、電話をかけて良いかどうかを、電話をかけて尋ねることなく事前に知ることが可能となり、コミュニケーションの質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 端末状況開示システムの概要構成ブロック図である。
【図2】 無線通信端末の概要構成ブロック図である。
【図3】 実施形態の動作処理フローチャート(その1)である。
【図4】 実施形態の動作処理フローチャート(その2)である。
【図5】 状況格納状態の説明図である。
【符号の説明】
10…端末状況開示システム
11-1、11-2…無線通信端末
12-1、12-2、12-3…(無線)基地局
13-1、13-2…交換局
14…一般公衆回線網
15…ユーザ端末
16…ゲートウェイサーバ
17…インターネット網
18-1、18-2…情報開示サーバ
21…マイク
22…入力部
23…無線通信インターフェース
24…コントローラ
25…ROM
26…RAM
27…スピーカ
28…ディスプレイ
Claims (9)
- あらかじめ設定された各種入力情報に基づいて無線通信端末のおかれている状況を判別する端末状況判別過程と、前記判別された無線通信端末の置かれている状況を無線通信端末毎に収集する状況収集過程と、前記無線通信端末毎に収集した状況をあらかじめ設定された所定の情報開示対象者に対して提示する状況提示過程とを有する端末状況開示方法であって、
前記端末状況判別過程は、
前記無線通信端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出過程と、
前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた振幅しきい値と比較する音声振幅比較過程と、
前記音声振幅比較過程における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算過程と、
前記振幅超過時間積算過程の積算により求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、前記無線通信端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別過程と
を有することを特徴とする端末状況開示方法。 - 請求項1に記載の端末状況開示方法において、
前記端末状況判別過程は、
前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、前記無線通信端末は静置状態にあると判別する静置状態判別過程
を有することを特徴とする端末状況開示方法。 - 請求項1に記載の端末状況開示方法において、
前記端末状況判別過程は、
前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、前記無線通信端末は静置状態にあると判別する静置状態判別過程と、
前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出過程と、
前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出過程と、
前記低域周波数成分振幅検出過程にて検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出過程にて検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出過程と、
前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、前記無線通信端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別過程と
を有することを特徴とする端末状況開示方法。 - 自端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出部と、
前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた所定の振幅しきい値と比較する音声振幅比較部と、
前記音声振幅比較部における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算部と、
前記振幅超過時間積算部が求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、自端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別部と、
前記携帯状態判別部の判別結果を示す端末状況を通知する端末状況通知部と
を有する無線通信端末と、
無線通信端末毎の端末状況を記憶する端末状況データベース記憶部と、
前記無線通信端末の端末状況通知部から端末状況の通知を受けてその通知された端末状 況を前記端末状況データベース記憶部に記憶させる記憶制御部と、
前記端末状況データベース部に記憶された端末状況をあらかじめ設定された所定の情報開示対象者に対して提示する端末状況提示部と
を有するサーバ装置と
を備えた端末状況開示システム。 - 請求項4に記載の端末状況開示システムにおいて、
前記無線通信端末は、
前記検出した音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、自端末は静置状態にあると判別する静置状態判別部
を更に有することを特徴とする端末状況開示システム。 - 請求項5に記載の端末状況開示システムにおいて、
前記無線通信端末は、
自端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出部と、
自端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出部と、
前記低域周波数成分振幅検出部が検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出部が検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出部と、
前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、自端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別部と
を更に有することを特徴とする端末状況開示システム。 - 自端末周辺の音声信号の振幅を検出する音声信号振幅検出部と、
前記検出した音声信号の振幅をあらかじめ定めた所定の振幅しきい値と比較する音声振幅比較部と、
前記音声振幅比較部における比較結果に基づいて前記検出した音声信号の振幅が前記振幅しきい値を越えている時間を積算する振幅超過時間積算部と、
前記振幅超過時間積算部が求めた積算時間があらかじめ定めた積算しきい値を超過している場合に、自端末が携帯状態にあると判別する携帯状態判別部と、
前記携帯状態判別部の判別結果を示す端末状況を外部のサーバ装置へ通知する端末状況通知部と
を備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 請求項7に記載の無線通信端末において、
前記音声信号の振幅があらかじめ定めた静置しきい値以下の場合に、自端末が静置状態にあると判別する静置状態判別部
を更に備えたことを特徴とする無線通信端末。 - 請求項8に記載の無線通信端末において、
前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で低域周波数成分を通過させ、当該低域周波数成分の振幅を検出する低域周波数成分振幅検出部と、
前記無線通信端末が携帯状態ではなく、かつ、静置状態でもない場合に、前記検出した音声信号をあらかじめ定めたカットオフ周波数で高域周波数成分を通過させ、当該高域周波数成分の振幅を検出する高域周波数成分振幅検出部と、
前記低域周波数成分振幅検出部が検出した低域周波数成分の振幅と前記高域周波数成分振幅検出部が検出した高域周波数成分の振幅との比を算出する低域/高域振幅比算出部と、
前記低域周波数成分の振幅/前記高域周波数成分の振幅で表される比をあらかじめ定めた所定時間内において平均して平均比を算出し、算出した平均比があらかじめ定めた収納しきい値を越える場合に、自端末が鞄内や上着ポケットなどに収納されていると判別する収納状態判別部と
を更に備えたことを特徴とする無線通信端末。
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