JP3810929B2 - 塗布具付容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器に収容された中味液体を容器から直接塗布することができる塗布具付容器に係り、特に、中味液体を塗布面でのばすことができ、塗布面で押圧マッサージをすることができるとともに、必要に応じて中味液体を手にとって使用することができるようにした塗布具付の容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器に収容した中味液体を容器から直接塗布することができるようにした従来の塗布具付容器としては、容器の瓶口に取り付けたスプリング弁の出口側にスポンジを配置し、スポンジを押圧すると弁が開き、中味がスポンジに含まれて塗布することができるようにしたスポンジオンタイプのもの、あるいは、容器の瓶口にロールを取り付けることにより、ロールの回転を利用して中味を塗布することができるようにしたロールオンタイプのものがある。このような従来のものはいずれも容器の中味液体を容器から直接塗布することができると共に、その塗布面で中味液体をのばすことが可能であるが、前者のスポンジオンタイプのものにおいては、スポンジが構成する塗布面で押圧マッサージを行うと、スプリング弁が開いたままになってしまうために中味液体があふれ出てしまうという不具合があり、又、後者のロールオンタイプのものは弁及び塗布面として機能するボールを利用して押圧マッサージ効果を得ることはできるものの、いずれのものにおいても中味を手にとって使用することはきわめて困難であった。
【0003】
そこで、吐出口を形成した中栓の天面にマッサージ用の突起を複数形成すると共に、突起の間に肌触りを良くする不織布等のシート体を重畳したスポンジ等の弾性体を貼着して、吐出口から流出する中味液体を弾性体に保持させ塗布を行い得るようにした塗布具付容器を、本出願人は先に提案した。係る塗布具付容器により、中味液体の塗布と塗布面での押圧マッサージとを効果的に行うことが可能となり、更に必要に応じて中味液体とを手にとって使用することも可能となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、容器に収容された中味液体を容器から直接塗布することができることは勿論のこと、中味液体を塗布面でのばすことができ、塗布面で押圧マッサージをすることができるとともに、必要に応じて中味液体を手にとって使用することができるようにした塗布具付の容器において、弾性体に重畳されるシート体を確実に固着するようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためにこの発明が採った手段は、瓶口を覆う中栓の天面に吐出口を設け、該吐出口を包囲する中栓の天面に複数の突部を設けると共に、該突部間に弾性体を取り付け、該弾性体の表面に肌触りを良くするための通液性のシート体を重畳すると共に、該シート体の周辺を中栓本体に固着される固着部材と中栓本体との間で狭持、固定したことを特徴とする。
【0006】
シート体の周辺を狭持、固定する固着部材は、中栓本体の外周面に固着されるリングと吐出口内周面に固着される止め栓であることを特徴とする。
【0007】
弾性体の表面に重畳されるシート体は、不織布、織布、ウレタン樹脂シートであることを特徴とする。
【0008】
容器は、ボトル形態或いはチューブ形態であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に図を参照しつつ、この発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。図において、(1)はこの発明に係る塗布具付容器を示し、肩こりやむくみ解消用化粧品、かゆみ止めあるいは育毛剤などのような中味液体を収容する容器(2)の瓶口(3)には中栓(4)を取り付けている。尚、容器(2)の瓶口(3)の外周面にはキャップ(5)をねじ込むためのネジ山を設けている。又、容器(2)、中栓(4)及びキャップ(5)は樹脂による成形品で構成される。図示の実施例は、ボトル形態の容器にこの発明を適用した例を示したが、チューブ形態の容器にも同様に適用できるものである。
【0010】
中栓(4)の天面中央には吐出口(6)を設ける一方、この吐出口(6)を包囲する中栓(4)の天面に複数の突部(7)を設けている。そして、この突部(7)の間の空所に例えばスポンジ等で代表される弾性体(8)を取り付け、この弾性体(8)の表面に不織布等のシート体(9)を重畳する。弾性体(8)の表面は、少なくとも前記吐出口(6)及び突部(7)の先端と略同一高さ、好ましくは吐出口(6)及び突部(7)の先端から若干突出するようにする。弾性体(8)の表面に重畳されるシート体(9)は、不織布の他、織布あるいはウレタン樹脂シート等としても良い。
【0011】
該シート体(9)の内外の周辺部は、弾性体(8)の内外の周辺を越えて中栓(4)本体の外周面及び吐出口(6)内に延びるサイズを有しており、図3に示すように中栓本体の外周面に嵌合される固着リング(10)と吐出口(6)の内周面に嵌合される止め栓(11)で、シート体(9)の内外の周辺部を中栓本体との間に狭持して固定する。
【0012】
キャップ(5)の内奥部には吐出口(6)に嵌合される前記止め栓(11)に密接する棒状のシール部(12)を設けることにより、キャップ(5)を瓶口(3)に取り付けるとシール部(12)が止め栓(11)に密接して吐出口(6)を密閉する。(13)はキャップ(5)の天面に設けた複数のマッサージ用突部である。
【0013】
上記のような構成による塗布具付容器(1)において、キャップ(5)を取り付けた状態では図3に示すようにキャップ(5)の内奥部に設けたシール部(12)が中栓(4)の吐出口(6)を閉鎖しているために、容器(2)を逆さまにしても中味液体はこぼれない。キャップ(5)を取り、中栓(4)が露出した状態で容器(2)を逆さまにして図4に示したように弾性体(8)の表面に重畳した不織布等のシート体(9)を肌(14)に押し当てつつ容器(2)をスクイズしてこれを左右方向に移動させると、吐出口(6)から流出した中味液体が弾性体(8)及びシート体(9)に含まれて肌(14)に塗布される。このように容器(2)から肌(14)に直接中味液体を塗る場合は、容器(2)を強く押し当てる必要性がないために、突部(7)が邪魔になることはない。
【0014】
中味液体の種類によっては、容器(2)を肌(14)に強く押し当てて塗布する。この場合、弾性体(8)が押し潰されて吐出口(6)及び突部(7)が肌(14)に押し当てられるために、これら吐出口(6)及び突部(7)による押圧マッサージ効果が得られる。尚、このように吐出口(6)及び突部(7)による押圧マッサージ効果を得る場合は、肌(14)への押し当てで吐出口(6)が閉じられるために、中味液体が必要以上に流出してたれ落ちることはない。容器(2)を肌に強く押し当てて塗布し、或いはマッサージする場合において、弾性体(8)に重畳されたシート体(9)は、中栓(4)に固着リング(10)と止め栓(11)で強固に保持されているので、シート体(9)が剥がれてくるおそれがなくなる。
【0015】
又、キャップ(5)を取った容器(2)を手のひらのうえで逆さまにしてスクイズもしくは上下に強く振ると、吐出口(6)から中味液体が流出するために、容器(2)の中味液体を手にとって使用することができる。他方、瓶口(3)に取り付けたキャップ(5)の天面を肌(14)に押し当てると、マッサージ用突部(13)との当接部分が強く押し付けられるために、この突部(13)による押圧マッサージ効果を得ることができる。
【0016】
上記実施形態では中味液体の含浸保持作用に優れたスポンジで弾性体(8)を構成すると共に、その表面に不織布(9)を重畳して弾性体(8)の表面が形成する塗布面の肌あたり性及び耐久性を高くするようにしているが、必ずしも不織布(9)を貼付する必要性はなく、スポンジ以外の弾性体を用いることもできる。更に、実施形態においては吐出口(6)を取り囲む位置に3個の突部(7)を設けると共に、キャップ(5)の天面に4個のマッサージ用突部(13)を設けているが、これら突部(7)(13)の位置及び数は実施形態のものに限定されない。更に又、実施形態においては容器(2)を樹脂成形品で構成した場合について説明しているが、例えばガラス瓶を容器として用いたものであっても良い。
【0017】
【発明の効果】
この発明に係る塗布具付容器によれば、弾性体の表面を覆うシート体が中栓に強固に保持されているので安心して、容器の中味液体を容器から直接塗布することができることは勿論のこと、中栓の天面を肌に強く押し当てることによって中味液体を塗布しつつ押圧マッサージ効果を得ることができ、あるいは、中味液体を手にとって使用することができる等、中味液体の種類に応じた多様な使用形態を採ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る塗布具付容器のキャップを取り付けた状態の外観斜視図
【図2】分解斜視図
【図3】要部の拡大断面図
【図4】中味液体を直接肌に塗布する状態を示す断面図
【符号の説明】
(1) 塗布具付容器
(2) 容器
(3) 瓶口
(4) 中栓
(5) キャップ
(6) 吐出口
(7) 突部
(8) 弾性体
(9) シート体
(10) 固着リング
(11) 止め栓
(12) シール部
(13) マッサージ用突部
(14) 肌
Claims (7)
- 瓶口を覆う中栓の天面に吐出口を設け、該吐出口を包囲する中栓の天面に複数の突部を設けると共に、該突部間に弾性体を取り付け、該弾性体の表面に肌触りを良くするための通液性のシート体を重畳すると共に、該シート体の周辺を中栓本体に固着される固着部材と中栓本体との間で狭持、固定したことを特徴とする塗布具付容器。
- シート体の周辺を狭持、固定する固着部材が、中栓本体の外周面に固着されるリングと吐出口内周面に固着される止め栓であることを特徴とする請求項1記載の塗布具付容器。
- 弾性体の表面に重畳されるシート体が、不織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布具付容器。
- 弾性体の表面に重畳されるシート体が、織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布具付容器。
- 弾性体の表面に重畳されるシート体が、ウレタン樹脂シートであることを特徴とする請求項1又は2記載の塗布具付容器。
- 容器が、ボトル形態を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布具付容器。
- 容器が、チューブ形態を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布具付容器。
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