JP3810117B2 - 有底円筒体の誘導加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転する有底円筒体を固定の誘導加熱コイルで内面誘導加熱して、有底円筒体の表面に接触する物体を加熱する有底円筒体の誘導加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来例の主要部の構成図を示す。この図5において、1は有底円筒体、2は有底円筒体1を内面から誘導加熱する誘導加熱コイル、3は誘導加熱コイル2の支持台、4は軸4aを介して有底円筒体1を回転させる回転機、5は回転機4、および支持台3を取り付ける回転機取付台、7は有底円筒体1内に設けられたジャケット室を示す。
【0003】
この図5の構成において、有底円筒体1は軸4aを介して回転機4で回転させられており、支持台3に固定支持された誘導加熱コイルにより内面から、非接触で誘導加熱されている。この場合に、誘導加熱コイルが円筒形で均一幅で巻回されていると、有底円筒体の長手方向の温度は、開口端から僅かに底側に寄った所が最も高温になり、底に向かって放物線を描くように低い温度になり、均一な温度分布が得られない。
【0004】
この放物線型の温度分布を改善するために、有底有底円筒体1内に設けられたジャケット室に使用温度に適した気液二層の熱媒体を封入し、その液の蒸気圧を利用する方法が一般的に知られている。また、有底有底円筒体1の底に近いコイルほど密巻にして、有底有底円筒体1の底に近い部分ほど、その部分にリンクする磁束が増加するようにして発熱量が増すようにした疎密巻誘導名熱コイルも良く知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の構成では、有底円筒体の厚みの内部に長手方向の密封の孔をジャケット室を多数、円周上に設けるために、その分厚さが増し有底円筒体が必要以上に重量を増したり、大きくなる問題がある。また、長手方向の密封孔を多数開けるために製作費が嵩み、有底円筒体の表面に接触する物体をガイドする溝等を設ける場合、ガイド溝の種類毎に専用の有底円筒体を用意するので、設備費が嵩む問題がある。
【0006】
この発明の目的は、有底円筒体に特殊加工をしないで有底円筒体の表面が略均一に加熱できる有底円筒体の誘導加熱装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、有底円筒体と、その有底円筒体の内部に略一定の間隙を開けるとともに当該有底円筒体の開口部よりはみ出すように挿入された誘導加熱コイルと、有底円筒体を回転させる回転機と、誘導加熱コイルを固定取り付けする支持台とを備え、回転する有底円筒体を内面から固定の誘導加熱コイルで誘導加熱する有底円筒体の誘導加熱装置において、有底円筒体は、その内面に、開口部から底部に向かって軸方向に、誘導加熱コイルが挿入された長さの略半分の長さの溝を有する有底円筒体の誘導加熱装置とする。
【0008】
請求項2の発明は、有底円筒体と、その有底円筒体の内部に略一定の間隙を開けて挿入された誘導加熱コイルと、有底円筒体を回転させる回転機と、誘導加熱コイルを固定取り付けする支持台とを備え、回転する有底円筒体を内面から固定の誘導加熱コイルで誘導加熱する有底円筒体の誘導加熱装置において、誘導加熱コイルは、有底円筒体の内面に対し、略一定の間隙を保ち、開口部側と底部側とを直線的に往復し、隣り合う直線端部を半円弧導体で接続した往復導体より構成され、さらに往復する導体からなる誘導加熱コイルが有底円筒体の底部側では内向きに折り曲げられている有底円筒体の誘導加熱装置とする。
【0009】
円筒形の誘導加熱コイルで有底円筒体を内面加熱すると誘導加熱コイルの長手方向の中央に当たる有底円筒体の部分が最も発熱量が多く誘導加熱コイルの端部に向かって放物線を描くように発熱量が減少する。これは有底円筒体の厚み部に浸透した磁束が有底円筒体から出て誘導加熱コイル内径側を通って一周する際に空気と有底円筒体との物性値の差により磁束が曲げられるためで、誘導加熱コイルの端部に向かうほど有底円筒体内を通る磁束が減少するためである。これを避けるために、有底円筒体の開口部より誘導加熱コイルがはみ出すようにすれば、有底円筒体開口部に向かう磁束が内側に曲がりにくくなり、発熱量の減少は少なくなる。
【0010】
一方、有底円筒体の底部側の場合、誘導加熱コイルは円筒からはみ出せないので、この部分の有底円筒体内の磁束を増加させるために、有底円筒体の発熱量の多い部分の内面側に開口部から底部に向かう溝を設け、その部分の円周方向の電気抵抗を増加させると、その抵抗増加分に半比例して誘導電流が減少して発熱量が減少する(請求項1の発明)。
【0011】
また、請求項2の発明に示した別の構成は、有底円筒体内面の長手方向に略同じ空隙を保って直線状に導体を往復させるものであり、導体に通じた電流に対向して有底円筒体内面の長手方向に直線的に誘導電流が発生する。この誘導電流は導体端部が往復するために半円形を描くので、その部分が有底円筒体の端部でない所では半円形に沿って流れる。導体の端部は有底円筒体の端部より内側になるようにしている。
【0012】
なお、有底円筒体の底部の外表面からの放熱を補うために、往復導体は、底部側で内側に折り曲げて底部の発熱量を増加させる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1実施例の主要部の構成図を示す。この図1において、従来例と同一の符号を付けた部材はおおよそ同一の機能を有するのでその説明は省略する。この図1において、1bは有底円筒体、2aは有底円筒体1bを内面から誘導加熱するラッパ状誘導加熱コイル、3aはラッパ状誘導加熱コイル2aの支持台、4は軸4aを介して有底円筒体1aを回転させる回転機、5は回転機4、および支持台3aを取り付ける回転機取付台を示す。 この図1の構成において、有底円筒体1aは軸4aを介して回転機4で回転させられており、支持台3aに固定支持されたラッパ状誘導加熱コイル2aにより内面から、非接触で誘導加熱されている。
【0014】
ラッパ状誘導加熱コイル2aは、有底円筒体1bの底部に近い方が最大径になるように配置されているので、有底円筒体1bの円筒部の底部に近い方がラッパ状誘導加熱コイル2aとの距離が短くなり、磁気抵抗が減少するので、その部分にリンクする磁束の量が増加して、発熱量が増加する。そのために有底円筒体1bの長手方向の均熱性が増す。
【0015】
図2(a)はこの発明の第2実施例の主要部の構成図、(b)はA−A矢視図を示す。この図2(a),(b)において、1aは開口部から底部に向かって溝8を設けた有底円筒体、2は有底円筒体1を内面から誘導加熱する誘導加熱コイル、3は誘導加熱コイル2の支持台、4は軸4aを介して有底円筒体1aを回転させる回転機、5は回転機4、および支持台3を取り付ける回転機取付台を示す。この図2の構成において、有底円筒体1aは軸4aを介して回転機4で回転させられており、支持台3aに固定支持された誘導加熱コイル2により内面から、非接触で誘導加熱されている。
【0016】
この図2に示された実施例では、有底円筒体1aの発熱量の多い部分の内面に、開口部から底部に向かって軸方向に、その部分の円周方向の電気抵抗を増加させるために、誘導加熱コイルが挿入された長さの略半分の長さの多数の溝8が設けられている。従って、この実施例においては、その抵抗増加分に反比例して誘導電流が減少して発熱量が減少し、有底円筒体内面の発熱量が均一化する。
【0017】
図3はこの発明の第3実施例の主要部の構成図を示す。この図3において、1bは有底円筒体、20は有底円筒体1bを内面から誘導加熱する往復導体による直線状誘導加熱コイル、3bは直線状誘導加熱コイル20の支持台、4は軸4aを介して有底円筒体1bを回転させる回転機、5は回転機4、および支持台3bを取り付ける回転機取付台を示す。なお、直線状誘導加熱コイル20は隣り合う直線端部が半円弧状導体で接続されている。この図3の構成において、有底円筒体1bは軸4aを介して回転機4で回転させられており、支持台3bに固定支持された往復導体による直線状誘導加熱コイル20により内面から、非接触で誘導加熱される。
【0018】
この図3によれば、往復導体による直線状誘導加熱コイル20に対向する円筒体の内面に、導体に流れる電流の向きとは逆向きに誘導電流が誘起する。この誘導電流は導体が直線部分に対向する部分には直線的に流れ、導体の直線端部では半円弧状に外側に膨らんで流れる。従って、この誘導電流による有底円筒体1b上の発熱量は導体が直線である部分に対向する部分では均一になる。
【0019】
導体の直線端部では、特に、有底円筒体1bの開口部側では、半円弧状に外側に膨らんで流れる電流が有底円筒体1bの開口端部の、往復導体の中間に相当する位置に集中するので有底円筒体1aの開口端部が過熱されやすくなる。
【0020】
この過熱は、例えば直線導体間を接続する半円弧導体の外側端部を有底円筒体1bの開口端部の内側にすることにより抑制される。
【0021】
図4(a)はこの発明の第4実施例の主要部の構成図、(b)はそのA−A矢視図を示す。この図4(a),(b)が図3と異なる点は、(b)に示すように有底円筒体1bの底部における直線導体間を接続する半円弧導体が内向きへ向かって、つまり軸線へ向かって折り曲げられ、それにより折り曲げ部20a付きの直線状誘導加熱コイル20bとして形成されて底部を加熱するようにした点である。
【0022】
この図4の実施例によれば、有底円筒体1bの底部を加熱して、底部からの放熱による円筒形部分の温度降下を抑制するとともに、円筒形部分の端部まで均一に加熱できる。
【0023】
【発明の効果】
この発明によれば、有底円筒体に特殊な加工をしなくても長手方向に均一な加熱ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施例の主要部分の構成図
【図2】 (a)はこの発明の第2実施例の主要部分の構成図、(b)はそのA−A矢視図
【図3】 この発明の第3実施例の主要部分の構成図
【図4】 (a)はこの発明の第4実施例の主要部分の構成図、(b)はそのA−A矢視図
【図5】 従来例の構成図
【符号の説明】
1a 有底円筒体
2 誘導加熱コイル
2a ラッパ状誘導加熱コイル
3a,3b 支持台
4 回転機
4a 軸
5 回転機支持台
6 キー
20 直線状誘導加熱コイル
20b 直線状誘導加熱コイル
20a 折り曲げ部
Claims (2)
- 有底円筒体と、その有底円筒体の内部に略一定の間隙を開けるとともに当該有底円筒体の開口部よりはみ出すように挿入された誘導加熱コイルと、有底円筒体を回転させる回転機と、誘導加熱コイルを固定取り付けする支持台とを備え、回転する有底円筒体を内面から固定の誘導加熱コイルで誘導加熱する有底円筒体の誘導加熱装置において、
有底円筒体は、その内面に、開口部から底部に向かって軸方向に、誘導加熱コイルが挿入された長さの略半分の長さの多数の溝を有することを特徴とする有底円筒体の誘導加熱装置。 - 有底円筒体と、その有底円筒体の内部に略一定の間隙を開けて挿入された誘導加熱コイルと、有底円筒体を回転させる回転機と、誘導加熱コイルを固定取り付けする支持台とを備え、回転する有底円筒体を内面から固定の誘導加熱コイルで誘導加熱する有底円筒体の誘導加熱装置において、
誘導加熱コイルは、有底円筒体の内面に対し、略一定の間隙を保ち、開口部側と底部側とを直線的に往復し、隣り合う直線端部を半円弧導体で接続した往復導体から構成され、
さらに、前記誘導加熱コイルは有底円筒体の底部側では内向きに折り曲げられていることを特徴とする有底円筒体の誘導加熱装置。
Priority Applications (1)
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JP02760496A JP3810117B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 有底円筒体の誘導加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02760496A JP3810117B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 有底円筒体の誘導加熱装置 |
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JPH09223573A JPH09223573A (ja) | 1997-08-26 |
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Family Applications (1)
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JP02760496A Expired - Fee Related JP3810117B2 (ja) | 1996-02-15 | 1996-02-15 | 有底円筒体の誘導加熱装置 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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1996
- 1996-02-15 JP JP02760496A patent/JP3810117B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09223573A (ja) | 1997-08-26 |
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