JP3809530B2 - 外構構造体の支柱改装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮門扉、引き戸等における外構構造体の支柱改装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば伸縮門扉は、出入り口等の両側に配置された吊り元支柱及び戸当たり支柱と、この両支柱間に伸縮自在に設けられ且つ吊り元側端枠がヒンジを介して吊り元支柱に縦軸廻りに回動自在に枢着された伸縮扉体とを備えている。
【0003】
この伸縮門扉を設置する場合に、吊り元支柱及び戸当たり支柱は、その下端部を直接地中に埋め込んでコンクリートで固めて固定する。これは伸縮門扉に限らず、観音開き式扉、引き戸、フェンスその他の各種の外構構造体においても同様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のように支柱の下端部を地面に埋め込んでコンクリートで固めて固定した場合、例えば古い伸縮門扉を取り外して新しい伸縮門扉と交換する際には、地面のコンクリートを掘って先ず古い既存の支柱を取り除き、その後にその位置に新規の支柱を埋設して立設する必要があり、作業が非常に大がかりになるという問題もある。このため従来は、既存の伸縮門扉の一部が破損した場合でも、新しいものに交換せずにそのままの状態で放置しているのが現状である。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、既存の支柱をそのまま利用して、その支柱を容易に改装できる外構構造体の支柱改装方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、地面側に立設された支柱と、該支柱に対応して配置された扉体、柵体等の構造体とを備えた外構構造体の前記支柱を改装する外構構造体の支柱改装方法において、筒状の既存の支柱に筒状の新規の支柱を套嵌して改装するに際し、取り付け部の前後両端に連結部を有する連結部材を用い、該連結部材の前記取り付け部を前記既存の支柱の左右方向の一側壁に当接させて固定し、次に前記既存の支柱及び前記連結部材に前記新規の支柱を套嵌した後、前記既存の支柱の左右方向の他側壁に、これと対向する前記新規の支柱の対向壁を、前記各連結部に前記新規の支柱の前記対向壁の前後に隣接する前・後壁を夫々当接させて固定するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図4は本発明の第1の実施形態を例示する。この伸縮門扉は、図1及び図2に示すように、左右に所定の間隔をおいて地面Gに立設された吊り元支柱1及び戸当たり支柱2と、この両支柱1,2間に開閉方向(左右方向)に伸縮自在に配置された伸縮扉体3とを備えている。
【0008】
伸縮扉体3は、開閉方向に伸縮自在に構成されたパンタグラフ機構4と、開閉方向に所定の間隔をおいて配置され且つパンタグラフ機構4に連結された複数個の縦枠材5と、吊り元側の縦枠材5に取り付けられた吊り元側端枠6と、戸当たり側の縦枠材5に取り付けられた戸当たり側端枠7とを備え、下側に地面G上を走行するための走行用自在車輪8が設けられている。
【0009】
吊り元支柱1及び戸当たり支柱2は、前後方向の幅に対して左右方向の厚さが小さい偏平な角筒状であって、下端部が地面G側のコンクリート等に埋設されている。各縦枠材5は図3に示すように、前後方向に所定の間隔をおいて配置された前後一対の縦桟9と、この縦桟9の上下両端側を前後に連結する連結部材(図示省略)とを備え、その前後一対の縦桟9間にパンタグラフ機構4が設けられている。
【0010】
パンタグラフ機構4は、右上がりの傾斜リンク10と左上がりの傾斜リンク11とを交差状に多数備え、その各傾斜リンク10,11が交差部で相対回動自在に枢着されている。各縦枠材5は、上下方向の3箇所の交差部でパンタグラフ機構4に連結されており、中間の枢着部の固定枢軸12が縦枠材5の前後の縦桟9に上下動不能に取り付けられ、またその上下両側の交差部の可動枢軸13が縦枠材5の前後の縦桟9に対して上下動自在になっている。
【0011】
吊り元側端枠6は、収縮状態の伸縮扉体3を縦軸廻りに回転させて吊り元支柱1の前後の何れかに回転収納できるように、その吊り元側端枠6がヒンジ14又はヒンジ15を介して吊り元支柱1に連結されている。戸当たり側端枠7は、吊り元支柱1に装着された施錠受け枠17に施錠手段16を介して施錠できるようになっている。
【0012】
ヒンジ14は図3に示すように、吊り元支柱1に固定されたヒンジ金具18と、吊り元側端枠6に固定されたヒンジ金具19と、この両ヒンジ金具18,19を連結する縦軸20とを有し、その縦軸20が吊り元支柱1、吊り元側端枠6から前側に突出して配置されている。
【0013】
なお、ヒンジ15側には、吊り元支柱1に固定されたヒンジ金具21と、吊り元側端枠6に固定されたヒンジ金具22とがあり、伸縮扉体3を反対側に回転収納する場合には、ヒンジ14側の縦軸20を外して、この両ヒンジ金具21,22を縦軸で連結するようになっている。
【0014】
施錠手段16は図3及び図4に示すように、戸当たり支柱2の施錠受け枠17に設けられた受け具23と、戸当たり側端枠7に設けられ且つ受け具23に係脱自在に係合する掛け具24と、戸当たり側端枠7に設けられた解除操作用の操作レバー25とを備えている。
【0015】
受け具23は施錠受け枠17に固定されている。掛け具24は、戸当たり側端枠7の保護ケース26内からその切欠き部27を介して受け具23側に突出しており、基部側が戸当たり側端枠7に挿通された操作軸28に固定され、つる巻バネ等のバネ29により受け具23に対して係合方向に付勢されている。そして、掛け具24は伸縮扉体3を伸長させて施錠受け枠17側に押圧したときに、バネ29に抗して操作軸28廻りに上側に回動して受け具23に係脱自在に係合するようになっている。操作レバー25は戸当たり側端枠7の両側で操作軸28に固定されている。
【0016】
この種の伸縮門扉では、その吊り元支柱1、戸当たり支柱2及び伸縮扉体3は、前後幅、その他の寸法が適合するように構成されている。このため伸縮門扉を交換するに際して、吊り元支柱1及び/又は戸当たり支柱2が伸縮扉体3に適合しない場合には、吊り元支柱1及び/又は戸当たり支柱2を伸縮扉体3に適合するように改装する必要がある。
【0017】
例えば、ヒンジ14,15側は新旧一致するが、施錠手段16が異なる等の理由により、伸縮扉体3と戸当たり支柱2とが適合しないような場合には、この実施形態に示すように、新規の伸縮扉体3に適合する既存の吊り元支柱1はそのまま使用し、新規の伸縮扉体3に適合しない既存の戸当たり支柱2は、これに施錠受け枠17等の支柱の一部を構成する部材を装着して、その既存の戸当たり支柱2を新規の伸縮扉体3に適合するように改装する。
【0018】
施錠受け枠17は既存の戸当たり支柱2の地面G側から突出する部分の略全体にわたる長さを有し、前後方向の両側のネジ17a等で戸当たり支柱2の伸縮扉体3に対向する側面に上下方向の略全長に装着されている。勿論、施錠受け枠17には、新規の伸縮扉体3側の掛け具24に対応する受け具23が設けられており、その受け具23、掛け具24等によって1個の施錠手段16が構成されている。
【0019】
このように既存の戸当たり支柱2に、新規の伸縮扉体3に適合する施錠受け枠17を装着することによって、既存の戸当たり支柱2をそのまま利用して、戸当たり側支柱2を容易に改装できる。従って、既存の伸縮扉体3の一部が破損したような場合でも、それを放置することなく新しいものと容易に交換することが可能である。
【0020】
図5は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態は、前後幅が異なる等により、既存の吊り元支柱1及び戸当たり支柱2と新規の伸縮扉体3とが適合しない場合である。
【0021】
この場合には、既存の吊り元支柱1及び戸当たり支柱2に各筒状の新規の吊り元支柱30及び戸当たり支柱31を套嵌して、新規の伸縮扉体3に適合するように改装する。この改装にあたっては、既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2に新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31を夫々套嵌して、新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31と既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2とをネジ32,33等で固定する。なお、この実施形態では吊り元支柱1,30、戸当たり支柱2,31の伸縮扉体3と反対側、及び前後両側にネジ32,33を設けている。
【0022】
新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31は新規の伸縮扉体3に適合するものであり、その新規の吊り元支柱30と吊り元側端枠6との間にヒンジ14,15が設けられ、また新規の戸当たり支柱31と戸当たり側端枠7との間に施錠手段16が設けられている。新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31には、既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2を完全に覆う長さのものを使用している。
【0023】
このようにすれば、新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31で既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2を完全に覆うことができるため、既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2をそのまま利用しているにも拘わらず、伸縮門扉全体が全く新規なものとなる。
【0024】
従って、既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2の一部に変形等の損傷箇所があっても、新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31の装着に支障のない限り、その既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2をそのまま利用することができる。
【0025】
なお、図5に示すように既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2の前後両側に上下方向に溝1a,2a又は突条等がある場合には、新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31に、その溝1a,2a又は突条と嵌合する突条30a,31a又は溝とを有するものを使用するのが望ましい。これによって新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31と既存の吊り元支柱1、戸当たり支柱2とのガタツキ等を防止でき、新規の吊り元支柱30、戸当たり支柱31を確実に固定できる。
【0026】
図6及び図7は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、既存の戸当たり支柱2と、これに外嵌する筒状の新規の戸当たり支柱31との間に連結部材35を介在して、両者を固定する。
【0027】
連結部材35は図6(A)〜(C)に示すように、既存の戸当たり支柱2の伸縮扉体3側に当接する取り付け部36と、この取り付け部36の前後両端に設けられ且つ伸縮扉体3の左右方向の両側に突出する連結部37とを一体に備えている。各連結部37の外面と、新規の戸当たり支柱31の連結部37に対応する内面には、図7に示すように、互いに噛み合う噛み合い部31b,37bが上下方向に形成されている。なお、連結部材35は、既存の戸当たり支柱2と新規の戸当たり支柱31との上下方向の全長にわたって介在しても良いし、上下方向に所定の間隔をおいて介在する等、その一部に部分的に介在しても良い。
【0028】
改装に際しては、連結部材35の取り付け部36を既存の戸当たり支柱2に伸縮扉体3側の一側壁に当接させて、その取り付け部36をネジ38で既存の戸当たり支柱2に固定する。次に新規の戸当たり支柱31と連結部材35との噛み合い部31b,37bを噛み合わせながら、既存の戸当たり支柱2及び連結部材35に新規の戸当たり元支柱31を套嵌する。そして、伸縮扉体3と反対側である既存の戸当たり支柱2の他側壁と、これと対向する新規の戸当たり支柱31の対向壁とを当接させた状態で、既存の戸当たり支柱2と新規の戸当たり支柱31とをネジ39で固定し、また新規の戸当たり支柱31の対向壁の前後に隣接する前・後壁と連結部材35の各連結部37とを当接させた状態で、各連結部37を貫通するネジ40により、既存の戸当たり支柱2と新規の戸当たり支柱31とを前後両側で固定する。
【0029】
このように既存の戸当たり支柱2と新規の戸当たり支柱31との間に連結部材35を介在して、新規の戸当たり支柱31を既存の戸当たり支柱2に装着しても良い。また既存の戸当たり支柱2と新規の戸当たり支柱31との間に連結部材35を介在することにより、図6の(A)と(B)とに示すように既存の戸当たり支柱2の左右方向の寸法が異なる場合、或いは図6の(A)及び(B)と(C)とに示すように既存の戸当たり支柱2の前後方向の寸法が異なる場合にも、その寸法差にも容易に対応することが可能である。更に連結部材35と新規の戸当たり支柱31との噛み合い部31b,37bが噛み合っているので、新規の戸当たり支柱31を既存の戸当たり支柱2に対して確実に固定できる。
【0030】
なお、この実施形態では、戸当たり側について例示したが、吊り元側についても同様である。
【0031】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では伸縮門扉に採用した場合を例示しているが、地面G側に立設された左右一対の支柱と、この各支柱に開閉自在に枢着された左右一対の扉体とを備えた観音開き式扉、地面G側に立設された左右一対の支柱と、この各支柱の内側で地面Gに敷設されたガイドレールに沿って走行する引き戸体とを備えた引き戸、地面G側に立設された複数個の支柱と、この各支柱に跨がって装着された柵体とを備えたフェンス等において、その支柱を改装する場合にも同様に実施可能である。従って、地面G側に立設された支柱と、この支柱に対応して配置された扉体、柵体等の構造体とを備えた外構構造体を対象とする場合であれば、その支柱の改装に広く利用することができる。
【0032】
また構造体には、伸縮門扉の伸縮扉体3、観音開き式扉の扉体、引き戸の引き戸体、フェンスの柵体等があり、支柱に対して固定されたもの、支柱とは別に移動可能に配置されたもの等でも良い。これらについても新旧の交換等に際して、新規の構造体と既存の支柱とが適合しない場合には、新規の構造体に合わせて既存の支柱を改装することができる。新規の構造体と既存の支柱との適合性は寸法的なものの他に、デザイン的なものでも良い。従って、構造体のデザインを変更するような場合の支柱の改装にも利用できる。
【0033】
既存の支柱に新規の支柱を装着して改装する場合に、その新規の支柱は第1の実施形態に例示のように既存の支柱の一部に施錠受け枠17等の新規の支柱を装着しても良いし、第2、第3の実施形態に例示のように既存の支柱を完全に覆うように新規の支柱を装着しても良い。従って、新規の支柱は、それ自体で1個の独立した支柱を構成するものの他、既存の支柱との結合によって1個の支柱を構成するものでも良い。既存の支柱に新規の支柱を装着する場合の固定手段は、各実施形態に例示のようにネジ17a,32,33,38〜40を使用する他、リベット等の固定具を使用しても良いし、既存の支柱と新規の支柱との一部分を互いに嵌合させて固定するようにしても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明では、地面側に立設された支柱と、該支柱に対応して配置された扉体、柵体等の構造体とを備えた外構構造体の支柱を改装する外構構造体の支柱改装方法において、筒状の既存の支柱に筒状の新規の支柱を套嵌して改装するに際し、取り付け部の前後両端に連結部を有する連結部材を用い、該連結部材の取り付け部を既存の支柱の左右方向の一側壁に当接させて固定し、次に既存の支柱及び連結部材に新規の支柱を套嵌した後、既存の支柱の左右方向の他側壁に、これと対向する新規の支柱の対向壁を、各連結部に新規の支柱の対向壁の前後に隣接する前・後壁を夫々当接させて固定するので、既存の支柱をそのまま利用して容易に改装できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す伸縮門扉の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示す伸縮門扉の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示す要部の拡大横断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示す戸当たり側の拡大縦断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す要部の拡大横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示す戸当たり側の横断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す要部の拡大図である。
【符号の説明】
1,30 吊り元支柱
2,31 戸当たり支柱
17 施錠手段
G 地面
Claims (1)
- 地面側に立設された支柱と、該支柱に対応して配置された扉体、柵体等の構造体とを備えた外構構造体の前記支柱を改装する外構構造体の支柱改装方法において、筒状の既存の支柱に筒状の新規の支柱を套嵌して改装するに際し、取り付け部の前後両端に連結部を有する連結部材を用い、該連結部材の前記取り付け部を前記既存の支柱の左右方向の一側壁に当接させて固定し、次に前記既存の支柱及び前記連結部材に前記新規の支柱を套嵌した後、前記既存の支柱の左右方向の他側壁に、これと対向する前記新規の支柱の対向壁を、前記各連結部に前記新規の支柱の前記対向壁の前後に隣接する前・後壁を夫々当接させて固定することを特徴とする外構構造体の支柱改装方法。
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JP2002051673A JP3809530B2 (ja) | 2002-02-27 | 2002-02-27 | 外構構造体の支柱改装方法 |
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Cited By (2)
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JP2011122297A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Sankyo Tateyama Aluminium Inc | 伸縮門扉 |
JP2011122298A (ja) * | 2009-12-08 | 2011-06-23 | Sankyo Tateyama Aluminium Inc | 伸縮門扉 |
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2002
- 2002-02-27 JP JP2002051673A patent/JP3809530B2/ja not_active Expired - Fee Related
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