JP3809313B2 - ドライアイスペレットの製造方法および製造装置 - Google Patents

ドライアイスペレットの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライアイスペレットの製造方法および製造装置に関するものであり、詳しくは、一層高密度のドライアイスペレットをより効率的に製造できるドライアイスペレットの製造方法およびドライアイスペレットの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ドライアイスペレット(ペレット状のドライアイス)は、直径が約6mm程度、長さが5〜50mm程度のチョーク状のドライアイスであり、0.3〜25kgと言った塊で使用される薄板状またはブロック状の塊状ドライアイスに比べ、食品などの被冷却物をある程度急速に冷却できる。勿論、ドライアイスペレットは、塊状ドライアイスに比べると昇華時間は短いが、粉体状ドライアイスに比べると昇華時間が長いため、さほど長い時間でない限り、蓄冷材として保管や輸送にも使用できる。
【0003】
ドライアイスペレットの製造に関する技術は、特開昭46−1162号、特開昭49−59059号、特開昭51−111499号の各公報に開示されている。すなわち、特開昭46−1162号および特開昭51−111499号の各公報には、周面に多数の押出し用小孔が設けられたリング状の押出ダイと、押出ダイの内側に粉体状ドライアイスを堆積させるスノー生成機構と、押出ダイの内周に歯合する回転押出器としての歯車とを備え、堆積させた粉体状ドライアイスを歯車の駆動によって順次圧縮して押出ダイの小孔から押し出すことによりドライアイスペレットに成形する「ドライアイスペレット製造機」が記載されている。
【0004】
また、特開昭49−59059号公報には、押出通路を有するダイス装置と、押出通路の入口部分に粉体状ドライアイスを供給するスノーの噴射装置と、押出通路に粉体状ドライアイスを押し詰めて押出通路の出口まで突出する棒状押出器とを備えた「固形二酸化炭素の成形ペレットを製造する装置」、および、粉体状ドライアイスを生成した後、これを押出通路から棒状の成形品として押し出す「固形二酸化炭素の成形ペレットを製造する方法」が記載されている。
【0005】
上記の各公報に記載されている様に、ドライアイスペレットは、適当なオリフィス径のノズルから液化炭酸ガスを噴射、断熱膨張させることにより、一旦、粉体状ドライアイスを製造した後、粉体状ドライアイスをチョーク状に圧縮成形して製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、塊状ドライアイスは、約1.5〜1.6g/cm3の密度(嵩密度)を有しているのに対し、上記ドライアイスペレットの密度(嵩密度)は1.4g/cm3程度である。すなわち、ドライアイスペレットは、上記の様に粉体状ドライアイスを直接圧縮成形した小さな塊であり且つ密度が小さいため、昇華速度が速く、被冷却物を急速に冷却できると言う性質を備えているが、その反面、塊状ドライアイスに比べると、昇華によるロスも多く、また、硬度が低いために取扱い中に砕け易いと言う問題もある。
【0007】
また、ドライアイスペレットは、上記の様な装置によって製造されるため、製造効率が低く且つ製造コストが高くなる。すなわち、上記の様な装置においては、高圧の液化炭酸ガスを貯蔵・供給するための設備が大掛かりとなり、かつ、装置構成も複雑であるため、維持管理や操作が煩雑で製造コストが高くなる。その結果、ドライアイスペレットは、塊状ドライアイスの様に普及し難いと言う実情が生じている。
【0008】
本発明は、上記の実情に鑑み、従来のドライアイスペレットの形態を維持し且つ密度を高めることを主眼に種々検討の結果なされたものであり、その目的は、一層高密度のドライアイスペレットをより効率的に製造できる新規なドライアイスペレットの製造方法およびドライアイスペレットの製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るドライアイスペレットの製造方法は、塊状ドライアイスからドライアイスペレットを製造する方法であって、ケーシングに塊状ドライアイスを収容し、前記ケーシングの一端側からプレス板によって塊状ドライアイスを加圧することにより、前記ケーシングの他端側のノズルからチョーク状に押し出すことを特徴とする。
【0010】
すなわち、上記ドライアイスペレットの製造方法においては、予め高い密度に圧縮成形された塊状ドライアイスをケーシング中で更に圧縮しつつノズルから押し出すことにる2段圧縮効果により、塊状ドライアイスを更に高密度のドライアイスペレットとして成形することが出来る。
【0011】
また、本発明に係るドライアイスペレットの製造装置は、塊状ドライアイスからドライアイスペレットを製造する装置であって、塊状ドライアイスを収容するケーシングと、当該ケーシングの一端側に配置され且つプレス板によって塊状ドライアイスを他端側に向けて加圧するシリンダー装置と、前記ケーシングの他端側に配置され且つ多数のノズルを備えた押出ダイとから構成され、前記ケーシングには、塊状ドライアイスを供給するための投入口が設けられていることを特徴とする。
【0012】
すなわち、上記ドライアイスペレットの製造装置において、シリンダー装置は、ケーシング中の予め高い密度に圧縮成形された塊状ドライアイスをプレス板によって更に圧縮することにより、塊状ドライアイスに対して2段圧縮を行ない、また、ケーシングの他端側のノズルは、圧縮変形される塊状ドライアイスをチョーク状のペレットドライアイスに成形する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明に係るドライアイスペレットの製造装置を破断して示す側面図であり、かつ、ドライアイスペレットの製造方法における各操作工程を示す図ある。図4は、本発明に係るドライアイスペレットの製造装置およびメンテナンス操作を破断して示す側面図である。また、図5は、押出ダイのノズルの一形状例を示す断面図であり、図6は、押出ダイのノズルの他の形状例を示す断面図である。以下、実施形態の説明においては、ドライアイスペレットを「ペレット」と略記する。
【0014】
本発明に係るペレットの製造方法を説明するにあたり、先ず、当該製造方法の実施に好適な本発明に係るペレットの製造装置について説明する。なお、本発明において、ペレットとは、ペレット状ドライアイス、ペレットドライアイス、チョーク状ドライアイスあるいは粒状ドライアイスとも言われる従来公知の形態のドライアイスを指す。また、塊状ドライアイスとは、従来から固形ドライアイスと称するドライアイスであって、例えば10〜30kgのブロック状、0.2〜5kg程度の薄板状あるいは30〜100g程度の小片として一般的に使用されているドライアイスを言う。
【0015】
本発明に係るペレットの製造装置は、図1に示す様に、塊状ドライアイス(70)(図2参照)からドライアイスペレット(71)(図3参照)を製造する装置であり、斯かる装置は、塊状ドライアイス(70)を収容するケーシング(2)と、ケーシング(2)の一端側に配置され且つプレス板(41)によって塊状ドライアイス(70)を他端側に向けて加圧するシリンダー装置(4)と、ケーシング(2)の他端側に配置され且つ多数のノズル(30)を備えた押出ダイ(3)とから構成される。
【0016】
上記ペレットの製造装置は、2つの支持フレーム(13,14)が立設された架台(1)を利用して組み立てられており、2つの支持フレーム(13,14)は、それぞれに枠組構造を有し且つ対向配置される。ケーシング(2)は、適宜の形状に構成し得るが、例えば、略円筒状に形成され且つその中心線が水平となる状態に支持フレーム(13)及び(14)の間に架設される。
【0017】
より具体的には、ケーシング(2)は、後述する様なメンテナンス作業を行なうため、支持フレーム(13)と(14)の間で前後に移動可能に配置される。すなわち、ケーシング(2)は、基台(15)の上に搭載されており、基台(15)は、支持フレーム(13)及び(14)の間に架設された案内レールに係合している。そして、基台(15)は、支持フレーム(14)に取り付けられたシリンダー装置(5)によって所定距離だけ進退する様に構成される。
【0018】
ケーシング(2)の内部は、塊状ドライアイス(70)を圧縮するための加圧室(23)として構成される。加圧室(23)において実質的に加圧操作に使用される部位(図1におけるケーシング(2)の略右半分の部位)の容積は、例えば、約0.003〜0.03m3とされる。また、ケーシング(2)の上部には、塊状ドライアイス(70)を供給するための投入口(21)が設けられ、斯かる投入口(21)には、運転中の安全を確保するため、スライドレールに沿って水平方向に移動することにより投入口(21)を開閉する蓋(22)が付設される。
【0019】
シリンダー装置(4)は、ケーシング(2)の一端側に位置する支持フレーム(14)に取り付けられる。シリンダー装置(4)のロッド先端に設けられたプレス板(41)は、ケーシング(2)の一端側から加圧室(23)の内部に挿入されており、加圧室(23)に供給された塊状ドライアイス(70)を他端側に向けて加圧する様になされている。
【0020】
また、シリンダー装置(4)としては、塊状ドライアイス(70)をより高密度に圧縮するため、プレス板(41)において15×106〜35×106Paの圧力で加圧可能なシリンダー装置、一般的には油圧シリンダー装置が使用される。換言すれば、シリンダー装置(4)の総出力としては、プレス板(41)の面積に上記の圧力を乗じた値に相当する出力が必要とされる。
【0021】
プレス板(41)における加圧力を上記の様に設定する理由は次の通りである。すなわち、塊状ドライアイス(70)は、前述した様に、粉体状ドライアイスをプレス成形したものであり、例えば1.5〜1.6g/cm3の密度を有しているが、プレス成形する際の加圧力は、凡そ4×106〜10×106Paである。斯かる塊状ドライアイス(70)を更に圧縮し且つ形状変化させるには、15×106Pa以上の圧力が必要である。他方、35×106Pa以上の圧力で加圧した場合は、ペレット(71)において得られる圧縮率に比べ、極めて高い装置強度を必要とし、かつ、成形効率がさほど向上できないため、製造コストの観点から不利である。
【0022】
押出ダイ(3)は、ケーシング(2)の他端側に位置する支持フレーム(13)に取り付けられる。押出ダイ(3)は、ケーシング(2)が運転位置にある場合、ケーシング(2)の他端に密着する様になされている。多数のノズル(30)は、ケーシング(2)の中心線に直交する断面に対して略均等な配置となる様に押出ダイ(3)に設けられる。ノズル(30)の数は、適宜に設定出来るが、圧縮力を保持し且つ成形効率を高める観点から、ケーシング(2)の上記の断面に対する全ノズル(30)の開口率、すなわち、ケーシング(2)の断面積に対する開口面積の割合は、通常、55〜70%に設定される。
【0023】
ノズル(30)の形状は、直管状、テーパー状であってもよいが、塊状ドライアイス(70)を所定の直径のチョーク状に成形した後に一層円滑に排出し得る様に、例えば、押出方向に沿った形状を図5又は図6に示す様な形状になされているのが好ましい。
【0024】
すなわち、押出ダイ(3)のノズル(30)は、図5に示す様に、入口側に形成された直管部(30s)と、出口側に形成されたテーパー部(30t)とを備え、かつ、テーパー部(30t)は、出口に向かうに従い漸次拡径されている。また、図6に示すノズル(30)は、図5と同様の直管部(30s)の更に入口側に逆テーパー部(30r)が設けられたノズルである。斯かる逆テーパー部(30r)は、加圧された塊状ドライアイス(70)をより円滑にノズル(30)に導く様に機能する。
【0025】
通常、上記ノズル(30)の長さ(L)、すなわち、押出ダイ(3)の厚さは、30〜80mm程度とされ、また、ノズル(30)の最小径(d)(直管部(30s)の直径)に対する最大径(d)(テーパー部(30t)の最大直径)の比(d/d)は1.021.15に設定される。斯かるノズル口径の設定により、成形されたペレット(71)をより円滑に排出できる。
【0026】
また、ノズル(30)の最小径(d0)は、ペレット(71)の使用態様を考慮し、3〜20mmの範囲とされる。すなわち、ノズル(30)は、ペレット(71)が急速冷却に使用される場合は被冷却物との接触面積を大きくするため、小さな直径のペレット(71)を形成し得る口径のノズルがよく、また、ペレット(71)が蓄冷材として使用される場合は出来る限り昇華速度を遅くするため、大きな直径のペレット(71)を形成し得る口径のノズルがよい。
【0027】
次に、上記の製造装置の運転方法と共に、本発明に係るペレットの製造方法について説明する。本発明に係るペレットの製造方法は、塊状ドライアイス(70)からペレット(71)を製造する方法であり、上記の様な製造装置を使用して実施される。本発明において、塊状ドライアイス(70)としては、前述の様な所謂固形ドライアイスが使用される。塊状ドライアイス(70)は、液化炭酸ガスの断熱膨張によって得られた粉体状ドライアイスを加圧成形することにより、予め塊状に製造されたドライアイスである。
【0028】
具体的には、上記の塊状ドライアイス(70)は、ドライアイス製造工場などにおいて、通常、気密になされたコンテナ中に約−20℃、2×106Paの液化炭酸ガスを供給した後、コンテナ内を大気圧に減圧することにより、液化炭酸ガスを断熱膨張させて粉体状ドライアイスに相変化させ、次いで、コンテナ内で粉体状ドライアイスを前述の様な圧力でプレス成形したものである。また、塊状ドライアイス(70)は、比較的小型のコンテナ内にノズルから直接液化炭酸ガスを噴射、断熱膨張させ、粉体状ドライアイスを生成した後、コンテナ内で粉体状ドライアイスを上記と同様にプレス成形して製造される場合もある。
【0029】
上記の様に製造される塊状ドライアイス(70)は、物流上の都合などにより、10〜25kgのブロックに形成され、また、用途によっては、更に0.2〜5kg程度に分割される。塊状ドライアイス(70)の形態としては、ブロック状、薄板状、あるいはその欠片の何れでもよいが、より高い密度のペレット(71)を得るためには、塊状ドライアイス(70)の密度(嵩密度)は、1.45〜1.65g/cm3であるのが好ましい。
【0030】
ペレットの製造においては、先ず、図1に示す様に、シリンダー装置(4)のプレス板(41)を基端位置に待機させた状態において、蓋(22)をスライドさせることにより、ケーシング(2)の投入口(21)を開口する。そして、図2に示す様に、ケーシング(2)の加圧室(23)に塊状ドライアイス(70)を収容する。図2は、ブロック状のドライアイスを投入した状態を例示したものであるが、薄板状のドライアイスや欠片を仕様する場合は、運転効率を高めるため、加圧室(23)に収容し得るだけの量を投入するのが好ましい。
【0031】
次いで、図3に示す様に、投入口(21)の蓋(22)を閉止した後、シリンダー装置(4)を作動させることにより、加圧室(23)においてプレス板(41)を前進させる。すなわち、ケーシング(2)の一端側から他端側へ向けてプレス板(41)によって加圧室(23)内の塊状ドライアイス(70)を加圧する。その際、前述したシリンダー装置(4)の構成により、プレス板(41)において15×106〜35×106Paの圧力で加圧する。そして、ケーシング(2)の他端側に配置された押出ダイ(3)のノズル(30)から塊状ドライアイス(70)をチョーク状に押し出す。
【0032】
すなわち、上記の製造装置において、シリンダー装置(4)は、ケーシング(2)内の予め高い密度に圧縮成形された塊状ドライアイス(70)をプレス板(41)によって更に圧縮することにより、塊状ドライアイス(70)に対して実質的に2段圧縮を行ない(プレス板(41)による加圧操作が2段目の圧縮操作に相当する)、また、ケーシング(2)の他端側のノズル(30)は、圧縮変形される塊状ドライアイス(70)をチョーク状に成形する。その結果、押出ダイ(3)を通じ、一層高い密度で成形されたペレット(71)を排出することが出来る。
【0033】
換言すれば、上記の製造装置を使用した本発明に係るペレットの製造方法においては、予め高い密度に圧縮成形された塊状ドライアイス(70)をケーシング(2)内で更に圧縮しつつノズル(30)から押し出すことによる2段圧縮効果と圧縮成形効果により、塊状ドライアイス(70)を一層高密度のペレット(71)として成形することが出来る。そして、本発明においては、密度(嵩密度)が1.50〜2.20g/cm3のペレット(71)を得ることが出来る。なお、ペレット(71)は、衝撃を与えることによって適宜な長さに分割できる。
【0034】
また、本発明の製造装置においては、図4に示す様に、加圧室(23)や押出ダイ(3)の保守管理を行う場合、シリンダー装置(5)の作動によって基台(15)を後退させることにより、ケーシング(2)の前端と押出ダイ(3)を離間させることが出来る。斯かる操作により、例えば、運転終了後に氷結した塊状ドライアイス(70)の残片を簡単に排除できる。
【0035】
ケーシング(2)内における上記の様な簡単な加圧操作により、塊状ドライアイス(70)を圧縮して高密度のペレット(71)に成形できる理由は、次の様に考えられる。すなわち、従来の塊状ドライアイス(70)を製造する工程においては、粉体状ドライアイスをコンテナ内で押し固めた場合、粉体状ドライアイスの昇華に伴う内部圧力の発生により、プレス機による大きなプレス圧力にも拘わらず、得られる塊状ドライアイス(70)の密度は1.5〜1.6g/cm3程度となる。これに対し、本発明においては、予め圧縮成形された塊状ドライアイス(70)を更に圧縮するため、昇華による内部圧力の発生を見ることなく、意外にも塊状ドライアイス(70)を流動的に変形させることが出来、より高い密度で成形できる。
【0036】
上記の様に、本発明に係るペレットの製造方法によれば、液化炭酸ガスに比べて流通・貯蔵の極めて容易な塊状ドライアイス(70)から簡単に高密度のペレット(71)を製造でき、しかも、塊状ドライアイス(70)から直ちに押出成形できるため、極めて効率的にペレット(71)を製造できる。従って、ペレット(71)の製造コストを一層低減できる。
【0037】
もっとも、塊状ドライアイス(70)が液化炭酸ガスから製造されることからすると、ペレット(71)の液化炭酸ガスからの製造コストは、一見、従来のペレットと同等とも考えられる。しかしながら、一般的に流通している塊状ドライアイス(70)は、大型設備の連続稼働によって量産されており、低コストで製造できる。従って、本発明製造方法によれば、専用のペレット製造装置により液化炭酸ガスからペレットを製造する従来法に比べ、塊状ドライアイス(70)の製造コストを含めても、遥かに低コストでペレット(71)を製造できる。
【0038】
また、本発明に係るペレットの製造装置によれば、従来のペレット製造装置に比べ、粉体状ドライアイスの生成機構がなく、上記の様に加圧成形するだけの極めて簡単な装置構成により、効率的に高密度のペレット(71)を製造できる。更に、従来のペレット製造装置においては、装置内で粉体状ドライアイスを生成するため、運転開始から安定してペレットを製造するまでに多くの予冷時間を必要とし、また、装置が十分に冷却されるまでの間の昇華ロスが大きいが、本発明の製造装置においては、塊状ドライアイス(70)を直ちに成形するため、運転開始と同時にペレット(71)を製造でき、かつ、ケーシング(2)等の予冷による昇華ロスを極めて少なく出来る。従って、ペレット(71)の製造コストを一層低減できる。
【0039】
そして、本発明に係るペレットの製造方法ならびに製造装置によって得られるペレット(71)は、従来のペレットと同様にチョーク状の小さなドライアイスであるから、被冷却物との接触効率がよく、被冷却物を急速に冷却できる。しかも、従来のペレット及び塊状ドライアイスよりも更に高い密度を有しているため、昇華時間が長く、昇華によるロスも一層低減出来る。また、密度に比例して硬度も極めて高いため、取扱いによる破損ロスも一層低減出来る。
【0040】
なお、上記ペレットの製造方法においては、塊状ドライアイス(70)を出発原料としているが、本発明の製造方法は、前述した様な塊状ドライアイス(70)を製造する従来の製造工程においても適用出来る。すなわち、従来の製造設備における既存のコンテナにプレス板(41)及び押出ダイ(3)を併設し、コンテナをケーシング(2)として使用することにより、コンテナ内で得られた塊状ドライアイス(70)を系外に取り出すことなく、更に圧縮して押出成形でき、上記の様な高密度のペレット(71)を製造できる。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係るドライアイスペレットの製造方法によれば、流通・貯蔵の極めて容易な塊状ドライアイスから簡単に高密度のドライアイスペレットを製造でき、しかも、塊状ドライアイスから直ちに押出成形できるため、極めて効率的にドライアイスペレットを製造できる。
【0042】
また、本発明に係るドライアイスペレットの製造装置によれば、従来のドライアイスペレット製造装置に比べ、粉体状ドライアイスの生成機構がなく、加圧成形するだけの極めて簡単な装置構成により、効率的に高密度のドライアイスペレットを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドライアイスペレットの製造装置およびドライアイスペレットの製造方法における操作工程(準備工程)を破断して示す側面図
【図2】ドライアイスペレットの製造装置およびドライアイスペレットの製造方法における操作工程(ドライアイス投入工程)を破断して示す側面図
【図3】ドライアイスペレットの製造装置およびドライアイスペレットの製造方法における操作工程(圧縮成形工程)を破断して示す側面図
【図4】ドライアイスペレットの製造装置およびメンテナンス操作を破断して示す側面図
【図5】押出ダイのノズルの一形状例を示す断面図
【図6】押出ダイのノズルの他の形状例を示す断面図
【符号の説明】
1 :架台
13 :支持フレーム
14 :支持フレーム
2 :ケーシング
3 :押出ダイ
30 :ノズル
30r:逆テーパー部
30s:直管部
30t:テーパー部
4 :シリンダー装置
41 :プレス板
70 :塊状ドライアイス
71 :ドライアイスペレット
0 :ノズルの最小径
1 :ノズルの最大径

Claims (10)

  1. 塊状ドライアイス(70)からドライアイスペレット(71)を製造する方法であって、ケーシング(2)に塊状ドライアイス(70)を収容し、ケーシング(2)の一端側からプレス板(41)によって塊状ドライアイス(70)を加圧することにより、ケーシング(2)の他端側のノズル(30)からチョーク状に押し出すことを特徴とするドライアイスペレットの製造方法。
  2. 塊状ドライアイス(70)が、液化炭酸ガスの断熱膨張によって得られた粉体状ドライアイスを加圧成形することにより予め塊状に製造されたドライアイスである請求項1に記載のドライアイスペレットの製造方法。
  3. 塊状ドライアイス(70)の密度が1.45〜1.65g/cm3である請求項1又は2に記載のドライアイスペレットの製造方法。
  4. 塊状ドライアイス(70)を加圧する際、プレス板(41)において15×106〜35×106Paの圧力で加圧する請求項1〜3の何れかに記載のドライアイスペレットの製造方法。
  5. 得られるドライアイスペレット(71)の密度が1.50〜2.20g/cm3である請求項1〜4の何れかに記載のドライアイスペレットの製造方法。
  6. 塊状ドライアイス(70)からドライアイスペレット(71)を製造する装置であって、塊状ドライアイス(70)を収容するケーシング(2)と、ケーシング(2)の一端側に配置され且つプレス板(41)によって塊状ドライアイス(70)を他端側に向けて加圧するシリンダー装置(4)と、ケーシング(2)の他端側に配置され且つ多数のノズル(30)を備えた押出ダイ(3)とから構成され、ケーシング(2)には、塊状ドライアイス(70)を供給するための投入口(21)が設けられていることを特徴とするドライアイスペレットの製造装置。
  7. シリンダー装置(4)は、プレス板(41)において15×106〜35×106Paの圧力で加圧可能なシリンダー装置である請求項6に記載のドライアイスペレットの製造装置。
  8. 押出ダイ(3)のノズル(30)は、入口側に形成された直管部(30s)と、出口側に形成されたテーパー部(30t)とを備え、かつ、テーパー部(30t)は、出口に向かうに従い漸次拡径されている請求項6又は7に記載のドライアイスペレットの製造装置。
  9. ノズル(30)の最小径(d)に対する最大径(d)の比(d/d)が1.021.15である請求項8に記載のドライアイスペレットの製造装置。
  10. ノズル(30)の最小径(d0)が3〜20mmである請求項8又は9に記載のドライアイスペレットの製造装置。
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