JP3808428B2 - 電気二重層コンデンサ用の分極性電極及び電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ用の分極性電極及び電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサ用の分極性電極及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層コンデンサは、ファラッド級の大容量を有し、充放電サイクル特性にも優れることから、電気機器のバックアップ電源、車載バッテリー等の用途に使用されている。
【0003】
この電気二重層コンデンサは、一対の分極性電極と、該一対の分極性電極の間に配置されたセパレータと、電解液とを備えて構成されている。セパレータによって分離された分極性電極がそれぞれ陽極および陰極として作用するよう構成されている。このような電気二重層コンデンサの分極電極の材料としては、微細な細孔を有する活性炭が通常用いられる。電解液中の電解質イオンが活性炭の細孔中に吸着集合することによって電気二重層が形成され、これによりコンデンサの陽極および陰極が構成される。
【0004】
上記の分極性電極の製造方法としては、下記特許文献1に記載の製造方法が開示されている。この製造方法は、活性炭粉末と含フッ素重合体樹脂と液状潤滑剤(潤滑用溶媒)からなる混和物をシート状に成形した後、液状潤滑剤を加熱、抽出等の手段で除去するというものである。尚、液状潤滑剤を具体的にどのような手段でどの程度まで除去するかについては何ら示されていない。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−105316号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電気二重層コンデンサに用いられる活性炭は、本来、化学物質の吸着能力に優れるといった性質があり、この吸着能力は前述した活性炭の細孔の存在に由来するものである。従って、液状潤滑剤が十分に除去されず細孔内に残存した場合には、電解質イオンの吸着集合による電気二重層の形成が妨げられて、電気二重層コンデンサの内部抵抗が増大するといった問題があった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、潤滑用溶媒等の残存量が少ない分極電極及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法は、活性炭粉末(例えば、実施形態における活性炭粉末1)と結着材(例えば、実施形態におけるPTFE2)と潤滑用有機溶媒(例えば、実施形態におけるIPA3)とを混練し、シート状に成形して電極用シート(例えば、実施形態における電極用シート8)を作製する電極成形工程(例えば、実施形態における原料混合工程ST1からシート化圧延・圧延工程ST4まで)と、前記潤滑用有機溶媒を除去して分極性電極(例えば、実施形態における分極性電極11)とする電極乾燥工程(例えば、実施形態における集電体接着工程ST5から連続乾燥工程ST6まで)とを具備してなる製造方法であり、前記電極乾燥工程における前記電極用シートに含まれる有機化合物(例えば、実施形態における残存IPA、DIPE、PC、アセトン等)の除去を、前記電極用シートを略平面形状に広げた状態で行い、前記電極用シートに含まれる有機化合物を含有量が電極用シートの重量に対して800ppm以下となるまで除去することを特徴とする。
【0009】
係る分極電極の製造方法によれば、電極乾燥工程における潤滑溶融機溶媒等の有機化合物の除去を、電極用シートを略平面形状に広げた状態で行うので、電極用シート表面近傍の雰囲気中において前記有機化合物の飛散物(蒸発物)が滞留し難くなり、その結果電極用シートからの有機化合物の除去効率が向上する。そして、活性炭粉末の細孔内に残存する有機化合物量を少なくすることが可能になり、活性炭粉末に対する電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられるおそれがなくなる。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成されて活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さな分極性電極が得られる。そして、連続電極乾燥工程における潤滑溶融機溶媒等の有機化合物を、800 (ppm (電極シート重量に対して) ) 以下の濃度になるまで除去するので、その後のセル乾燥が容易となり、活性炭粉末の細孔内に残存する有機化合物量を少なくすることが可能になり、活性炭粉末に対する電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられるおそれがなくなる。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗を小さくできる分極性電極が得られる。
【0010】
また本発明の電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法は、前記電極乾燥工程(例えば、実施形態における集電体接着工程ST5から連続乾燥工程ST6まで)の後に、前記電極用シート(例えば実施形態における電極用シート8)を所定の長さに切断する工程(例えば実施形態における連続乾燥工程ST6の最終工程)と、前記切断した分極性電極(例えば実施形態における分極性電極11(電極体12))を捲回して捲回体(例えば実施形態における捲回体14)とする工程(例えば実施形態における捲回工程ST7)と、前記捲回体を真空乾燥して前記分極性電極に含まれる有機化合物を分極性電極の重量に対して300ppm以下となるまで除去する工程(例えば実施形態における真空乾燥工程ST8)と、を有することを特徴とする。
【0011】
捲回工程を経た後の捲回体に対して乾燥を行って分極性電極からの有機物の除去を行うとすると、電極表面から蒸発した有機化合物等が、捲回体の内側に滞留し易いために、分極性電極からの有機化合物の除去が不充分になるおそれがある。これに対して、本発明に係る製造方法のように、捲回工程に先立って電極用シートを広げた状態で乾燥を行い、有機化合物をその含有量が800ppm以下となるまで除去しておくことで、真空乾燥工程における分極性電極からの有機化合物除去を効果的に行えるようになり、また真空乾燥工程の時間を短縮することができる。
また、本発明では、真空乾燥工程によって有機化合物をその含有量が300ppm以下となるまで除去するので、有機化合物の存在により電気二重層の形成が妨げられるのを効果的に防止できる。これにより、活性炭と電解液との間の抵抗が小さく、高性能の電気二重層コンデンサを構成し得る分極性電極を製造することができる。
【0012】
本発明の電気二重層コンデンサ用の分極性電極(例えば、実施形態における分極性電極11)は、活性炭粉末(例えば、実施形態における活性炭1)に結着材(例えば、実施形態におけるPTFE2)が混合されてなり、該分極性電極中に含まれる有機化合物(例えば、実施形態における残存IPA、DIPE、PC、アセトン等)の濃度が800(ppm(電極用シート重量に対して))以下であることを特徴とする。尚、有機化合物には分極電極中の結着材が含まれない。
【0013】
係る電気二重層コンデンサ用の分極性電極によれば、該分極性電極中に含まれる有機化合物の濃度が800(ppm(電極用シート重量に対して))以下とされているので、活性炭粉末の細孔内に残存する有機化合物量が少なく、電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられるおそれがない。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さくなる。
【0014】
有機化合物の濃度が800(ppm(電極用シート重量に対して))を越えていると、係る電極を用いた電気二重コンデンサの作製に際して、加熱や減圧により電極体の有機化合物を有用に除去するのが極めて困難になり、その結果、電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられ、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が大きくなり、電気二重層コンデンサ用の分極性電極としての電極性能が低下するので好ましくない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本実施形態で説明する電気二重層コンデンサの製造方法は、活性炭粉末と結着材と潤滑用有機溶媒とを混練してシート状に成形する電極成形工程と、前記潤滑用有機溶媒を加熱除去して分極性電極とする電極乾燥工程と、前記分極性電極とセパレータとを重ねて捲回して捲回体を得る捲回工程と、前記捲回体をコンデンサ容器に挿入した後に前記捲回体中に残存する有機化合物を真空乾燥により除去する真空乾燥工程と、前記コンデンサ容器に電解液を注液する注液工程と主体として構成されている。図1〜図3に、各工程の内容を説明する工程図を示している。以下、図1〜図3を参照して各工程を順次説明する。
【0016】
図1には、活性炭粉末と結着材と潤滑用有機溶媒とを混練してシート状に成形する電極成形工程の工程図を示す。電極成形工程は、図1Aに示す原料混合工程ST1と、図1Bに示す混練工程ST2と、図1Cに示す粉砕工程ST3と、図1Dに示すシート化・圧延工程ST4とから構成されている。
【0017】
まず、図1Aに示すように、原料混合工程ST1では、分極性電極の原料を攪拌機31に投入して混合することにより混合粉末5を得る。投入する原料は、活性炭粉末1とポリフッ化エチレン2(以下、PTFE2と表記する)とイソプロピルアルコール3(以下、IPA3と表記する)とカーボンブラック4(以下、CB4と表記する)である。攪拌機31としては例えば、一般的な一軸羽付き攪拌機等を用いることができる。
【0018】
活性炭1は、例えばフェノール樹脂等の難黒鉛性材料を焼成して炭化した後、水蒸気等による賦活処理(活性化処理)を行い、更に粉砕して得られたものを用いることができる。またPTFE2(結着材)は、後の混練工程ST2にて繊維化されることにより活性炭粉末1等を結着するものである。またIPA3(潤滑用有機溶媒)は本工程ST1と次の混練工程ST2において原料同士の混合等を円滑に行うものである。また、CB4は分極性電極に導電性を付与する為のものである。尚、潤滑用有機溶媒はIPAに限るものではなく、他のアルコール類やケトン類等を用いても良い。またCB4には、アセチレンブラックやケッチェンブラック等を用いても良い。
【0019】
各原料の混合比は例えば、活性炭1を96〜50重量部、PTFE2を2〜20重量部、IPA3を2〜80重量部、CB4を0〜20重量部とすることが好ましい。
【0020】
次に図1Bに示すように、混練工程ST2では、原料混合工程ST1で得た混合粉末5を混練機32に投入して混練することにより、混合粉末にせん断力を加えてPTFE2を繊維化させて混合粉末を塊状物6とする。混練機32としては、例えば、一般的な二軸混練機を用いることができる。
【0021】
次に図1Cに示すように、粉砕工程ST3では、混練工程ST2で得た塊状物6を粉砕機33により粉砕して粒状物を得る。粉砕は、例えば粒状物の粒径が0.1〜1mm程度になるまで行うことが好ましい。粉砕機33としては、例えば、一般的なせん断型粉砕機等を用いることができる。
【0022】
次に図1Dに示すように、シート化・圧延工程ST4では、粉砕工程ST3で得られた粒状物7をシート化するとともに所定の厚みになるように圧延して電極用シート8を得る。粒状物7をシート化するには、図1Dに示すようなシート成型機34を用いる。このシート成型機34は、粒状物7を投入するホッパ34aとホッパ34aの出口側に配された一対のローラ34b、34bを有しており、粒状物7がホッパ34a出口から一対のローラ34b、34b間に供給されて圧縮されることによりシート9が得られる。続いてこのシート9を一対の圧延ローラ35aからなる圧延機35に送り、圧延を行うことで電極用シート8が得られる。圧延は電極用シート8の厚みが130〜160μm程度になるまで行うことが好ましい。
【0023】
次に図2には、IPA3(潤滑用有機溶媒)を加熱除去して分極性電極とする電極乾燥工程の工程図を示す。電極乾燥工程は、図2Aに示す集電体接着工程ST5と、図2Bに示す連続乾燥工程ST6とから構成されている。また、図2Cには分極電極の斜視図を示している。
【0024】
まず図2Aに示す集電体接着工程ST5では、接着装置35を用いて、シート化・圧延工程ST4で得られた電極用シート8にAl箔からなる集電体19を接着して電極体シート10を得る。接着装置35は、接着剤18を集電体19に塗布する転写ローラ35aと、転写ローラ35aに接着剤を供給するために接着剤18を満たした接着剤容器35bと、転写ローラ35aに対向配置された集電体送りローラ35cと、シート送りローラ35dとから構成されている。転写ローラ35aと集電体ローラ35cが回転して集電体19が送り出されるとともに転写ローラ35aにより集電体19の一方の面に接着剤18が塗布され、続いてシート送りローラ35dにより供給された電極用シート8が、接着剤18を介して集電体19の一方の面に貼り合わされる。このようにして電極体シート10が得られる。図2Aに示す電極体シート10は集電体19の一面側のみに電極用シート8が貼り合わされたものだが、本工程ST5を再度行うことにより、集電体19の両面に電極用シート8,8を貼り合わせることで、集電体19の両面に活性炭粉末1が配された電極体シート10が得られる。
【0025】
次に図2Bに示す連続乾燥工程ST6では、集電体接着工程ST5により得た電極体シート10を連続加熱炉36に導入して加熱することにより、電極体シート中に含まれるIPA3を加熱除去する。連続乾燥炉36は、電極体シート10が通過する搬送路36aと、搬送路36aを挟んで対向する一対の加熱装置36b、36bとから構成されている。加熱装置36b、36bは搬送路36aの搬送方向に沿って配置されている。また、加熱装置36b、36bは、各種の乾燥方式のものを採用することができ、例えば、温風乾燥、遠赤外線乾燥、誘電加熱による乾燥などの方式のものを採用できる。また、場合によっては電極体シート10を減圧雰囲気下に配置して所定の物質を蒸発させる方式も採用できる。ただし、いずれの乾燥方式の場合においても、潤滑用有機溶媒(IPA3)の沸点より高い温度まで電極体シート10を加熱できるものが好ましい。例えばIPA3を加熱除去するには電極体シート10を150℃程度に加熱除去できるものが良い。
電極体シート10を乾燥するには、連続乾燥炉36の搬送路上流側から電極体シート10を搬送し、一対の乾燥装置36b、36bの間に電極体シート10を通過させて加熱する。
【0026】
連続乾燥工程ST6により、電極体シート10に含まれるIPA3の大部分が加熱除去され、ごく一部が残存IPAとして電極体シート10に残存する。また、この連続乾燥工程ST6によって、残存IPAのさらにごく一部が、活性炭粉末表面でエーテル化してジイソプロピルエーテル(以後、DIPEと表記する)に変化し、このDIPEも電極体シート10に残存する。以後の本明細書では、「残存IPA」及び「DIPE」を「有機化合物」と総称する。
そして、連続乾燥後の電極体シート10を所定の長さに切断することにより、図2Cに示すように、集電体19の両面に分極性電極11が貼り合わされてなる電極体12が得られる。
【0027】
図2Bに示すように、連続乾燥工程ST6に供される電極体シート10は、略平面形状に広げられた状態で連続乾燥炉36内を搬送されるので、集電体シート10の両面から効率よく有機化合物の除去を行うことができるようになっている。すなわち、仮に後述の捲回工程ST7を経た後の捲回体に対して乾燥を行って分極性電極11からの有機物の除去を行うとすると、電極11表面から蒸発した有機化合物等が、捲回体の内側に滞留し易いために、分極性電極11からの有機化合物の除去が不充分になるおそれがあるのに対して、本実施形態に係る製造方法のように、集電体接着工程で作製した電極体シート10を広げた状態で行えば、集電体シート10表面近傍において前記有機化合物の蒸発物が滞留することなく飛散され、その結果、分極性電極11の有機化合物含有量を効率よく除去できる。
【0028】
また、連続乾燥工程ST6で平面形状に広げた状態で電極体シート10の処理を行うので、本発明に係る製造方法にあっては、集電体接着工程ST5と連続乾燥工程ST6とを連続的に行うことが好ましい。つまり、集電体接着工程ST5では、その工程の性質上、作製される電極体シートは平面形状とされるので、この状態を保持したまま連続乾燥工程ST6へ移ることで、工程の効率化を図ることができる。また、集電体19と電極用シート8,8とを接着している接着剤18の乾燥固化を連続乾燥工程ST6によって行うこともできるため、この点においても製造の効率化を図れる。
【0029】
次に図3には、捲回工程ST7及び真空乾燥工程ST8並びに注液工程ST9を示す。
図3A及び図3Bに示す捲回工程ST7では、電極体12(分極性電極11)とセパレータ13とを重ねて捲回して捲回体14を得る。即ち図3Aに示すように、一対の電極体12、12の間にセパレータ13を配置し、続いて図3Bに示すように電極体12、12及びセパレータ13を同時に捲回して捲回体14とする。
【0030】
尚、この捲回工程ST7は、電気二重層コンデンサの一連の製造工程の雰囲気中で行われるため、係る雰囲気中に揮発している電解液成分(例えばプロピレンカーボネート(以後、PCと表記する))や、アセトンやアルコール等が分極性電極11の活性炭粉末に再吸着する場合がある。以後の本明細書では、再吸着したこれら揮発成分と先程の残存IPA及びDIPEを「有機化合物」と改めて総称する。
【0031】
次に図3B及び図3Cに示す真空乾燥工程ST8では、捲回工程ST7で得られた捲回体14をコンデンサ容器15に挿入し、その後に捲回体14(分極性電極11)中に残存する有機化合物を真空乾燥により、好ましくは300(ppm(電極用シート重量に対して))以下の濃度になるまで除去する。
即ち図3Bに示すように、捲回体14を中空円筒形の金属製のコンデンサ容器15に挿入した後、図3Cに示すように捲回体14をコンデンサ容器15ごと真空乾燥機37内に設置し、10−1Pa以下の圧力で120℃以上200℃以下の温度で捲回体14(分極性電極11)を真空乾燥する。この真空乾燥によって、分極性電極11に残存する有機化合物を、分極性電極の重量に対し好ましくは300( ppm(電極用シート重量に対して))以下、より好ましくは150(ppm(電極用シート重量に対して))以上150(ppm(電極用シート重量に対して))以下の範囲の濃度になるまで除去する。即ち、PCやアセトンやアルコール等の再吸着成分と残存IPAとDIPEとの合計量が、300(ppm(電極用シート重量に対して))以下の濃度になるまで真空乾燥して除去する。
【0032】
有機化合物の濃度が300(ppm(電極用シート重量に対して))を越えると、電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられ、活性炭粉末1と電解液との間の拡散抵抗が大きくなり、電気二重層コンデンサ用の分極性電極11としての電極性能が低下するので好ましくない。また有機化合物の濃度は0(ppm(電極用シート重量に対して))が最も好ましいが、現実には活性炭の高い吸着力により濃度を150(ppm(電極用シート重量に対して))未満まで低減するのがコスト及び電極の熱劣化の為に難しい。有機化合物の濃度が150〜300(ppm(電極用シート重量に対して))の範囲であれば、電気二重層の形成が大きく妨げられることがなく、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が過大になって電極性能が大幅に低下するおそれがない。
特に、本実施形態に係る分極性電極11では、先の電極乾燥工程ST6により有機化合物の含有量が800(ppm(電極用シート重量に対して))以下まで低減されるので、真空乾燥工程ST8による有機化合物の除去をより効率的に行うことが可能になっている。すなわち、短時間で所定(好ましくは300ppm以下(電極用シート重量に対して))の含有量にまで有機化合物の除去を行うことが可能になっている。
【0033】
最後に、図3Dに示す注液工程ST9では、ノズル38から電解液を注液し、更にコンデンサ容器15に封口体16を溶接等により接合する。このようにして電気二重層コンデンサ17が得られる。尚、電解液としてはPCに四級アンモニウム塩を溶解させたものを用いることができる。
【0034】
上記の電気二重層コンデンサ用の分極性電極11は、活性炭粉末1にPTFE2が混合されてなるもので、先の連続乾燥工程ST6を経た後の状態において、この分極性電極11中に含まれる残留IPA、DIPE、PC、アセトン、アルコール類等の有機化合物の濃度が800(ppm(電極用シート重量に対して))以下となる。そして、真空乾燥工程ST8を経た後の状態では、有機化合物の濃度が好ましくは300(ppm(電極用シート重量に対して))以下の低レベルになる。従ってこの分極性電極11によれば、活性炭粉末の細孔内に残存する有機化合物量が少なくなって、電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられるおそれがなくなる。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗を小さくすることができる。
【0035】
尚、上記分極性電極11に含まれる有機化合物の濃度が、連続乾燥工程ST6を経た後の状態で800(ppm(電極用シート重量に対して))を越えていると、係る分極性電極11を用いて電気二重層コンデンサを製造する場合に、加熱や減圧により電極の有機化合物を除去しようとしても、十分に除去できない、あるいは十分な除去に多大な時間を要するため好ましくない。
【0036】
尚、真空乾燥工程ST8を経た後の状態における分極性電極11の有機化合物の濃度は0(ppm(電極用シート重量に対して))が最も好ましいが、現実には活性炭の高い吸着力により濃度を150(ppm(電極用シート重量に対して))未満まで低減するのが難しい。従って有機化合物の濃度が150〜300(ppm(電極用シート重量に対して))の範囲であれば、電気二重層の形成が大きく妨げられることがなく、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が過大になって電極性能が大幅に低下するおそれがない。
【0037】
また、上記の電気二重層コンデンサの製造方法によれば、連続乾燥工程ST6で除去しきれなかった残存IPAやDIPE等の有機化合物を、真空乾燥工程ST8により、好ましくは300(ppm(電極用シート重量に対して))以下の濃度になるまで除去するので、活性炭粉末の細孔内に残存する有機化合物量を少なくすることが可能になり、活性炭粉末に対する電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が妨げられるおそれがなくなる。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成されて活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さな分極性電極11が得られ、もって高性能の電気二重層コンデンサを得ることができる。また、上記の電気二重層コンデンサ17の製造方法は、真空乾燥工程ST8が注液工程ST9の直前に設けられていることで、一連の製造工程の雰囲気中に含まれる水分及び有機化合物が分極性電極11に再吸着するおそれがないという利点も有している。
【0038】
【実施例】
「第1実施例」
(実施例1の電気二重層コンデンサの製造)
まず、活性炭粉末を次のようにして製造した。まず、フェノール樹脂を窒素気流中で900℃、2時間保持することで炭化処理を行った。次に得られた原料炭素を窒素気流中で再度昇温し、800℃に到達した時点で5%水蒸気と5%二酸化炭素を含む窒素混合ガスを流通させて、900℃で2時間保持することで賦活処理を行った。そして得られた活性炭を、ボールミル粉砕器で平均粒径が2〜15μm程度になるまで粉砕することにより、活性炭粉末とした。
【0039】
次に、得られた活性炭粉末と結着材(ポリ4フッ化エチレン)と潤滑用有機溶媒(イソプロピルアルコール(IPA))とを混練してシート状に成形する電極成形工程を行った。即ち、得られた活性炭粉末84重量部に対して、8重量部のポリ四フッ化エチレン粉末(例えば三井デュポンフロケミカル製のテフロン6J(登録商標))と、8重量部のアセチレンブラック(例えば、電気化学工業(株)製のデンカブラック(登録商標))を混合した。この混合物に更に8重量部のIPAを加えて混合し(原料混合工程)、更に二軸混練機で加圧混練を8分間行うことにより(混練工程)、ポリ四フッ化エチレンをフィブリル化させて塊状物とした。この塊状物をせん断型粉砕機で粉砕して平均粒径が約1mm程度の粒状物を得た(粉砕工程)。得られた粒状物を用いて、シート化を行い、更に圧延を行うことにより、幅110mmの長尺の電極用シートを得た(シート化・圧延工程)。
【0040】
次に、幅115mmのアルミニウム箔(集電体)の両面に接着剤(例えば、ノーテープ工業(株)社製G-5780A)を塗布してから、先程得られた電極用シートを集電体の両面に貼り合わせて電極体シートを得た(集電体接着工程)。
次に、得られた電極体シートを平面形状に広げた状態で乾燥させた(電極乾燥工程)。乾燥は、電極体シートを一方向に搬送させた状態で、シートの両面から150℃の乾燥空気を3リットル/分の流量で30分間あてて行った。
次に、電極体シートを1200mmの長さに切断して電極体とし、この電極体を2枚用意した。次に、2枚の電極体の間に厚さ50μmのレーヨン製のセパレータを挟み、電極体とセパレータを渦巻き状に捲回して捲回体とした(捲回工程)。得られた捲回体を内径50mm、高さ130mmの中空円筒型のコンデンサ容器に挿入した。
次に、捲回体を収納したコンデンサ容器を真空乾燥機に入れ、圧力10−1Pa、温度160℃、乾燥時間24時間の条件で真空乾燥を行った(真空乾燥工程)。
そして、PCに四級アンモニウム塩(組成;トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト)が1.8モル/Lの濃度で溶解してなる電解液を用意し、この電解液を真空乾燥後のコンデンサ容器内に注液し(注液工程)、さらに封口体で封口することにより、実施例1の電気二重層コンデンサを製造した。
【0041】
(比較例1の電気二重層コンデンサの製造)
電極乾燥工程を行わず、真空乾燥工程のみを行って比較例1の電気二重層コンデンサを製造した。真空乾燥工程における乾燥時間は24時間とした。
【0042】
(比較例2の電気二重層コンデンサの製造)
真空乾燥工程における乾燥時間を48時間とした以外は、上記比較例1と同様として比較例2の電気二重層コンデンサを製造した。
【0043】
(電気二重層コンデンサの特性試験)
上記実施例1及び比較例1,2の電気二重層コンデンサについて、60℃でエージング処理を行った後、初期の内部抵抗の抵抗値を測定した。充電電流30Aで端子電圧が2.5Vになるまで充電し、端子電圧を2.5Vに維持したままで45℃で1000時間放置した後の抵抗値を測定した。そして、初期から1000時間までの抵抗値の上昇率を求めた。この場合初期の値を1とした。結果を表1に示す。
【0044】
表1に示すように、連続乾燥工程と真空乾燥工程とを行った実施例1の電気二重層コンデンサは、真空乾燥工程のみを24時間行った比較例1の電気二重層コンデンサに比して、初期抵抗値が低く、また抵抗上昇率が著しく改善されていた。さらに、真空乾燥工程のみを48時間行った比較例2の電気二重層コンデンサに対しても、初期抵抗値、抵抗上昇率のいずれも優れていた。
【0045】
【表1】
Figure 0003808428
【0046】
(分極性電極中の有機化合物量の分析)
実施例1及び比較例1,2の電気二重層コンデンサについて、ガスクロマトグラフによる有機化合物の分析を行った。各試料の分極性電極の分析結果を表2に示す。
ガスクロマトグラフによる分析は、真空乾燥後の分極性電極の一部をパーキンエルマー社製ATD400の熱脱着装置の試料管に充填し、ヘリウムガスを流しながら350℃で10分間加熱し、気化した成分を内部トラップに捕集し、この成分をガスクロマトグラフ装置に導入することにより行った。ガスクロマトグラフに用いたカラムはSpelco社製のSPB-1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚25μm)である。検出器には水素炎検出器(FID)を使用し、定量はペンテンの強度で校正し、FIDによるピーク強度が炭素数に比例すると仮定して行った。尚、各ピークの定性は質量分析にて行った。
【0047】
表2に示すように、検出された主な有機化合物は、イソプロピルアルコール(IPA)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、プロピレン、酢酸イソプロピルであった。DIPE、プロピレン及び酢酸イソプロピルは、混練用有機溶媒に用いたイソプロピルアルコールが、連続乾燥工程及び真空乾燥工程にて酸化、脱水縮合等することにより生成した化合物と考えられる。表2に示すように、連続乾燥及び真空乾燥を行った実施例1の分極性電極は、真空乾燥工程のみを行った比較例1,2の分極性電極に比して、各有機化合物量が順次減少していることが分かる。すなわち、連続乾燥工程にて電極用シート重量に対して800ppm以下にまで、有機化合物を除去することで、その後の真空乾燥で発生するDIPE、プロピレン等の副生成物を減少させることができる。このように、本発明に係る製造方法は、分極性電極に含まれる有機化合物の除去に極めて有用である。
【0048】
【表2】
Figure 0003808428
【0049】
このように、分極性電極の製造に際して、電極体シートを平面形状に広げた状態で乾燥させる連続乾燥工程を導入することで、コンデンサの初期抵抗値及び1000時間後の抵抗上昇率を大幅に低減でき、かつその効果は、真空乾燥工程を短くしても十分に得られることが分かる。
これは、分極性電極に残留する有機化合物量が少なくなり、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さくなってためと考えられる。
【0050】
「第2実施例」
(実施例2の電気二重層コンデンサの製造)
集電体接着工程後の電極体シートを、熱風型の連続乾燥炉に導入し、温度150℃の熱風を10L/分の流量で4分間吹き付ける条件で連続乾燥(連続乾燥工程)を行い、更に真空乾燥工程における乾燥時間を48時間にしたこと以外は上記実施例1の場合と同様にして実施例2の電気二重層コンデンサを製造した。
【0051】
(分極性電極中の有機化合物量の分析)
実施例2、及び上記第1実施例で作製した比較例2について、真空乾燥工程後の分極性電極の一部を採取し、これを窒素ガス気流中で300℃で60分間加熱することにより電極中の水分を水蒸気とし、この水蒸気をカールフィッシャー測定装置に導入することにより、水分量の測定を行った。また、先の第1実施例と同様の方法で、ガスクロマトグラフによる有機化合物の分析を行った。実施例2及び比較例2の分極性電極の分析結果を表3に示す。尚、表3における数値の単位は(ppm(電極用シート重量に対して))である。
また、実施例2及び比較例2について、第1実施例と同様にして初期抵抗値及び抵抗上昇率を測定した。結果を表4に示す。
【0052】
【表3】
Figure 0003808428
【0053】
【表4】
Figure 0003808428
【0054】
表3に示すように、検出された主な有機化合物は、イソプロピルアルコール(IPA)、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、プロピレン、酢酸イソプロピル、エタノ-ル、アセトン、アセトアルデヒドであった。DIPE、プロピレン及び酢酸イソプロピルは、混練用有機溶媒に用いたイソプロピルアルコールが、連続乾燥工程及び真空乾燥工程にて酸化、脱水縮合等することにより生成した化合物と考えられる。またエタノールとアセトンは、コンデンサの製造工程の雰囲気中から活性炭に吸着した成分であると考えられる。また、アセトアルデヒドは、エタノールの酸化により生成したと考えられる。
表3に示すように、連続乾燥及び真空乾燥を行うことによって、各有機化合物量が順次減少していることが分かる。
【0055】
また表4に示すように、実施例2のコンデンサの初期抵抗値及び抵抗上昇率は比較例2よりも少なくなっており、表1に示す実施例1の特性との比較から、連続乾燥工程における乾燥を比較的緩やかに行っても連続乾燥工程の導入による有機化合物の除去効果を得ることができ、初期抵抗値が低く、及び抵抗上昇率が小さい優れた特性の電気二重層コンデンサが得られることがわかる。
【0056】
更に、真空乾燥工程における乾燥時間を24、78、96、144時間としたこと以外は比較例2と同様にして分極性電極を製造し、この分極性電極に含まれる有機化合物と水分の総量を分析した。図4には、連続乾燥工程を行なわなかった場合の、真空乾燥工程後の分極性電極に含まれる有機化合物及び水分の総量の真空乾燥時間依存性を示す。
同様に、真空乾燥工程における乾燥時間を24、78、96、144時間としたこと以外は実施例2と同様にして分極性電極を製造し、この分極性電極に含まれる有機化合物と水分の総量を分析した。図5には、連続乾燥工程を行った場合の、真空乾燥工程後の分極性電極に含まれる有機化合物及び水分の総量の真空乾燥時間依存性を示す。
【0057】
水分に関しては、図5に示すように、連続乾燥工程を行った場合は48時間の真空乾燥で水分の量が1500(ppm(電極用シート重量に対して))以下となり、一方、図4に示すように連続乾燥工程を行なわない場合でも48時間の真空乾燥で水分量が1500( ppm(電極用シート重量に対して))以下となっている。また、図5と図4の水分量の曲線を比較すると、明らかに図5の連続乾燥工程を行った場合の曲線が図4の曲線よりも全体的に低くなっていることが分かる。従って、連続乾燥工程を行った場合には、連続乾燥工程を行なわない場合よりも真空乾燥時間を短縮できることが分かる。
【0058】
また有機化合物に関しては、図5に示すように、連続乾燥工程を行った場合は48時間の真空乾燥後の有機化合物量が300(ppm(電極用シート重量に対して))以下となり、一方、図4に示すように連続乾燥工程を行なわない場合は72時間の真空乾燥後の有機化合物量が300(ppm(電極用シート重量に対して))以下となっている。このように、連続乾燥工程を行った場合は真空乾燥時間を短縮できることが分かる。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の分極性電極の製造方法によれば、電極成形工程後の電極乾燥工程において、電極用シートを略平面形状に広げた状態で電極用シートからの有機化合物の除去を行うので、分極性電極からの有機物の除去効率が向上し、その結果、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さな分極性電極を得ることができる。
【0060】
また、電極乾燥工程により800(ppm(電極用シート重量に対して))以下の濃度になるまで有機化合物を除去するならば、分極性電極の有機化合物含有率を少なくすることが可能になり、係る分極性電極を用いた電気二重層コンデンサの製造に際して、さらに分極性電極の有機化合物含有率を低減することが可能になる。具体的には、後の真空乾燥工程でのDIPEやプロピレン等の生成を抑えることができる。これにより、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成され、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さな分極性電極を得ることができる。
【0061】
また本発明の電気二重層コンデンサ用の分極性電極によれば、分極性電極の有機化合物含有率が800(ppm(電極用シート重量に対して))以下なので、電解質イオンの吸着による電気二重層の形成が、電極に残った有機化合物によって妨げられるおそれがなくなり、活性炭粉末の細孔内部に電気二重層が充分に形成されて、活性炭粉末と電解液との間の拡散抵抗が小さくなる。これにより、内部抵抗が少なく、静電容量が大きな電気二重層コンデンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の電気二重層コンデンサの製造方法を説明する工程図。
【図2】 本実施形態の電気二重層コンデンサの製造方法を説明する工程図。
【図3】 本実施形態の電気二重層コンデンサの製造方法を説明する工程図。
【図4】 連続乾燥工程を行なわない場合の、真空乾燥工程後の分極性電極に含まれる有機化合物及び水分の総量と真空乾燥の乾燥時間との関係を示すグラフ。
【図5】 連続乾燥工程を行った場合の、真空乾燥工程後の分極性電極に含まれる有機化合物及び水分の総量と真空乾燥の乾燥時間との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…活性炭粉末、2…ポリ四フッ化エチレン(結着材)、3…イソプロピルアルコール(潤滑用有機溶媒)、11…分極性電極、13…セパレータ、17…電気二重層コンデンサ、ST1〜ST4…電極成形工程、ST5〜ST6…電極乾燥工程、ST6…連続乾燥工程、ST7…捲回工程、ST8…真空乾燥工程

Claims (3)

  1. 活性炭粉末と結着材と潤滑用有機溶媒とを混練し、シート状に成形して電極用シートを作製する電極成形工程と、前記潤滑用有機溶媒を除去して分極性電極とする電極乾燥工程とを具備してなる電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法であり、
    前記電極乾燥工程における前記電極用シートに含まれる有機化合物の除去を、前記電極用シートを略平面形状に広げた状態で、前記電極用シートに含まれる有機化合物を含有量が電極用シートの重量に対して800ppm以下となるまで行うことを特徴とする電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法。
  2. 前記電極乾燥工程の後に、
    前記電極用シートを所定の長さに切断する工程と、
    前記切断した分極性電極を捲回して捲回体とする工程と、
    前記捲回体を真空乾燥して前記分極性電極に含まれる有機化合物を分極性電極の重量に対して300ppm以下となるまで除去する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の電気二重層コンデンサ用の分極性電極の製造方法。
  3. 活性炭粉末に結着材が混合されてなる電気二重層コンデンサ用の分極性電極であり、該分極性電極中に含まれる有機化合物の濃度が800(電極シート重量に対してppm)以下であることを特徴とする電気二重層コンデンサ用の分極性電極。
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