JP3808375B2 - ワイヤーハーネス用プロテクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つのワイヤーハーネス貫通路を有するワイヤーハーネス用プロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来のワイヤーハーネス用プロテクタとして、図6〜図8に示すものがある。図6〜図8に示すように、ワイヤーハーネス用プロテクタ1は、プロテクタ本体2と、このプロテクタ本体2にヒンジ部3を介して連結されたカバー4とから構成され、このカバー4が図6に示すプロテクタ本体2の上方開口を開放する開位置と、図7及び図8に示すプロテクタ本体2の上方開口を被う閉位置との間で開閉されるようになっている。
【0003】
プロテクタ本体2は、底壁5と、この底壁5の左右端から立設された左右の側壁6と、底壁5の略中央より立設された仕切壁7とを有している。カバー4は、低い上壁8と高い上壁9と、これら2つの上壁8,9を連結する立ち上がり壁10とから構成されている。
【0004】
そして、カバー4の閉位置では、仕切壁10によって大小2つのワイヤーハーネス貫通路11,12が形成され、この各ワイヤーハーネス貫通路11,12内に複数の電線Wを一体的に集束したワイヤーハーネスWH1,WH2が収容されるようになっている。
【0005】
尚、このワイヤーハーネス用プロテクタ1に関する類似技術は、実開平3−77217号公報及び実開平3−111122号公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のワイヤーハーネス用プロテクタ1では、図7及び図8に示すように、大きなワイヤーハーネス貫通路11に収容されたワイヤーハーネスWH1が仕切壁7を矢印方向に押圧すると、図8にて仮想線で示すように、仕切壁7が単に底壁5より立設されているに過ぎないため、仕切壁7が容易に小さいワイヤーハーネス貫通路12側に倒れるという問題があった。この仕切壁7が倒れると、小さなワイヤーハーネス貫通路12に収容されているワイヤーハーネスWH2に無用な外力が作用したり、プロテクタ本体2が変形する等の不具合が発生した。
【0007】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、仕切壁の倒れを確実に防止することができるワイヤーハーネス用プロテクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、底壁とこの底壁の両側より立設された左右の側壁と前記底壁の略中央より立設された仕切壁とを有するプロテクタ本体と、このプロテクタ本体の前記側壁の先端間を被うカバーとを有し、前記プロテクタ本体と前記カバーとの内部に前記仕切壁で仕切られた2つのワイヤーハーネス貫通路が形成されるワイヤーハーネス用プロテクタにおいて、前記仕切壁の先端に前記カバーの垂直方向の壁に当接される当接部を設ける一方、前記カバーは、前記2つのワイヤーハーネス貫通路の上面開口を被う各上壁が異なる高さを有し、且つ、この2つの上壁が垂直方向の立ち上がり壁により連結され、この立ち上がり壁に前記仕切壁の先端の当接部が当接されたことを特徴とする。
【0009】
このワイヤーハーネス用プロテクタでは、ワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスにより仕切壁が押圧されると、仕切壁の先端の当接部がカバーの垂直方向の壁を押圧してワイヤーハーネスからの押圧力をカバーの垂直方向の壁が受け止める。特に、小さなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスに比べて大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスの方が大きな押圧力を仕切壁に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスにより仕切壁が押圧されると、仕切壁の先端の当接部がカバーの立ち上がり壁を押圧してワイヤーハーネスからの押圧力をカバーの立ち上がり壁が受け止める。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1記載のプロテクタであって、前記立ち上がり壁と前記高さの低い上壁との境部分に前記仕切壁の先端の当接部の凹部が当接されたことを特徴とする。
【0013】
このワイヤーハーネス用プロテクタでは、小さなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスに比べて大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスの方が大きな押圧力を仕切壁に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスにより仕切壁が押圧されると、仕切壁の先端の当接部の凹部がカバーの立ち上がり壁と高さの低い上壁との境部分を押圧してワイヤーハーネスからの押圧力をカバーの立ち上がり壁がより確実に受け止める。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態のカバーが開位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図、図2は図1とは見る方向が異なるが、同じくカバーが開位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図、図3はカバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図、図4はカバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの断面図である。
【0016】
図1〜図4に示すように、ワイヤーハーネス用プロテクタ20は、プロテクタ本体21と、このプロテクタ本体21に薄肉のヒンジ部22を介して連結されたカバー23とから成り、樹脂射出成形により一体的に形成されている。このプロテクタ本体21は、底壁24と、この底壁24の左右端から立設された左右の側壁25,25と、この左右の側壁25,25の間で、底壁24の略中央より立設された仕切壁26とを有している。ヒンジ部22が連結された反対側の側壁25及び仕切壁26の適所には枠状の係合部27が設けられている。
【0017】
カバー23は、高さの低い上壁28と、それより高い上壁29と、これら2つの上壁28,29を連結する垂直方向の壁である立ち上がり壁30とから構成されている。ヒンジ部22が連結された反対側の低い上壁28の縁部及び高い上壁29の縁部には鉤状の係止突起(係止部)31が設けられている。
【0018】
そして、カバー23は、図1及び図2に示すプロテクタ本体21の上面開口を開放する開位置と、図3及び図4に示すプロテクタ本体21の上面開口(左右の側壁25,25の間)を被う閉位置との間でヒンジ部22を支点として開閉されるようになっている。さらに、カバー23の閉位置では、プロテクタ本体21とカバー23とが互いの係合部27と係止突起31によってロックされるようになっている。
【0019】
また、カバー23の閉位置では、プロテクタ本体21とカバー23との内部に仕切壁26によって大小2つのワイヤーハーネス貫通路32,33が形成され、この大小2つのワイヤーハーネス貫通路32,33に複数の電線Wを一体的に集束したワイヤーハーネスWH1,WH2が収容されるようになっている。この2つのワイヤーハーネス貫通路32,33を仕切る仕切壁26の一部の先端に、大きなワイヤーハーネス貫通路32内に配置される当接部34が一体突出形成されており、この当接部34のテーパ部34aがカバー23の閉位置において立ち上がり壁30に当接されるようになっている。尚、図中符号35はワイヤーハーネス用プロテクタ20の取り付け部である。
【0020】
上記構成において、図3及び図4に示すように、大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1が仕切壁26を矢印方向に押圧すると、仕切壁26の先端の当接部34のテーパ部34aがカバー23の立ち上がり壁30を押圧してワイヤーハーネスWH1からの押圧力をカバー23の立ち上がり壁30が受け止める。従って、ワイヤーハーネスWH1からの押圧力によって仕切壁26が容易には倒れない。
【0021】
ここで、小さなワイヤーハーネス貫通路33に収容されたワイヤーハーネスWH2に比べて大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1の方が大きな押圧力を仕切壁26に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1による押圧力によって仕切壁26が横方向の小さなワイヤーハーネス貫通路33側に倒れるのを確実に防止することができる。
【0022】
図5は本発明の他の実施形態のカバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの断面図である。
【0023】
このワイヤーハーネス用プロテクタ20′の2つのワイヤーハーネス貫通路32,33を仕切る仕切壁26の一部の先端に、該2つのワイヤーハーネス貫通路32,33間に配置される当接部34′が一体突出形成されており、この当接部34′のL字状の凹部34bがカバー23の閉位置において立ち上がり壁30と高さの低い上壁28との境部分(コーナ部)Rに当接されるようになっている。尚、他の構成は前記実施形態のワイヤーハーネス用プロテクタ20と同様であるので、同一構成部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0024】
上記構成において、図5に示すように、大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1が仕切壁26を矢印方向に押圧すると、仕切壁26の先端の当接部34′の凹部34bがカバー23の立ち上がり壁30と高さの低い上壁28との境部分Rを押圧してワイヤーハーネスWH1からの押圧力をカバー23の立ち上がり壁30が受け止める。従って、ワイヤーハーネスWH1からの押圧力によって仕切壁26が容易には倒れない。
【0025】
ここで、小さなワイヤーハーネス貫通路33に収容されたワイヤーハーネスWH2に比べて大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1の方が大きな押圧力を仕切壁26に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路32に収容されたワイヤーハーネスWH1による押圧力によって仕切壁26が横方向の小さなワイヤーハーネス貫通路33側及び縦方向の底壁24側に倒れるのをより確実に防止することができる。
【0026】
尚、前記各実施形態によれば、ワイヤーハーネス用プロテクタ20のカバー23は、高さの異なる上壁28,29を有する場合を示したが、全て同じ高さの上壁を有する場合には上壁より下方に突設する垂直壁を設け、この垂直壁に仕切壁26の先端の当接部34が当接するように構成しても良い。その際、間隔を開けた2枚の垂直壁を設け、この2枚の垂直壁の間に仕切壁26の当接部34が挿入されるように構成すれば、仕切壁の両方向の倒れを防止することができる。また、カバー23の立ち上がり壁30に間隔を開けて垂直壁を別途設け、垂直壁と立ち上がり壁30との間に仕切壁26の当接部34を挿入するようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、仕切壁の当接部がカバーの立ち上がり壁に当接されたので、小さなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスに比べて大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスの方が大きな押圧力を仕切壁に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスにより仕切壁が押圧されると、仕切壁の先端の当接部がカバーの立ち上がり壁を押圧してワイヤーハーネスからの押圧力をカバーの立ち上がり壁が受け止めるため、仕切壁が小さなワイヤーハーネス貫通路側に倒れるのを確実に防止することができる。
【0029】
請求項2の発明によれば、仕切壁の当接部の凹部がカバーの立ち上がり壁と高さの低い上壁との境部分に当接されたので、小さなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスに比べて大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスの方が大きな押圧力を仕切壁に及ぼす可能性が高く、大きなワイヤーハーネス貫通路に収容されたワイヤーハーネスにより仕切壁が押圧されると、仕切壁の先端の当接部の凹部がカバーの立ち上がり壁と高さの低い上壁との境部分を押圧してワイヤーハーネスからの押圧力をカバーの立ち上がり壁が受け止めるため、仕切壁が小さなワイヤーハーネス貫通路側及び底壁側に倒れるのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示し、カバーが開位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態を示し、図1とは見る方向が異なるが、同じくカバーが開位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図である。
【図3】本発明の実施形態を示し、カバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図である。
【図4】本発明の実施形態を示し、カバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示し、カバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの断面図である。
【図6】従来例を示し、カバーが開位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図である。
【図7】従来例を示し、カバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの斜視図である。
【図8】従来例を示し、カバーが閉位置にあるワイヤーハーネス用プロテクタの断面図である。
【符号の説明】
20,20′ ワイヤーハーネス用プロテクタ
21 プロテクタ本体
23 カバー
24 底壁
25 側壁
26 仕切壁
28 低い上壁
29 高い上壁
30 立ち上がり壁(垂直方向の壁)
32,33 ワイヤーハーネス貫通路
34,34′ 当接部
34b 凹部
R 立ち上がり壁と高さの低い上壁との境部分(コーナ部)
Claims (2)
- 底壁とこの底壁の両側より立設された左右の側壁と前記底壁の略中央より立設された仕切壁とを有するプロテクタ本体と、このプロテクタ本体の前記側壁の先端間を被うカバーとを有し、前記プロテクタ本体と前記カバーとの内部に前記仕切壁で仕切られた2つのワイヤーハーネス貫通路が形成されるワイヤーハーネス用プロテクタにおいて、
前記仕切壁の先端に前記カバーの垂直方向の壁に当接される当接部を設ける一方、前記カバーは、前記2つのワイヤーハーネス貫通路の上面開口を被う各上壁が異なる高さを有し、且つ、この2つの上壁が垂直方向の立ち上がり壁により連結され、この立ち上がり壁に前記仕切壁の先端の当接部が当接されたことを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。 - 請求項1記載のワイヤーハーネス用プロテクタであって、
前記立ち上がり壁と前記高さの低い上壁との境部分に前記仕切壁の先端の当接部の凹部が当接されたことを特徴とするワイヤーハーネス用プロテクタ。
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