JP3808080B2 - 合成樹脂の成形方法 - Google Patents
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Description
以上の様な問題を解決するために、次の様な技術が開示されている。
そこで、非移行性のスプレー型の離型剤を金型に塗布し、離型性を向上させる技術もあるが、この方法では、スプレー圧の抗力により、微細部へ行き届かず、微細形状部分の離型性まで向上させることは不可能である。
また、通常の成形で離型剤を使用する際は、特に連続成形において、離型性が悪化しはじめた頃に成形を一旦停止し、型開きを行い、金型キャビティにスプレー塗布を行っている。しかし、本発明では連続成形を停止することなく、成形サイクル中に離型剤を極めて薄く、且つ均一に金型キャビティ内表面に塗布しているため、成形サイクル時間をスプレー方式に比較して大幅に短縮し、生産性を向上させることができる。
その上で、前記金型キャビティ内にある前記混合気体を排出し、離型剤成分のみを前記金型キャビティ内に残存させ、次に樹脂充填、保圧工程を経て、冷却を行い、成形体を取り出す。
次に、金型キャビティ内の超臨界二酸化炭素の圧力よりも高い圧力に保持した混合気体を金型キャビティ内に注入し、超臨界二酸化炭素又は不活性ガスと置換する。
この方法により、金型キャビティ内への注入ラインの間で生じる圧力降下を低減でき、混合気体の離型剤が分離せず金型キャビティ内へ注入される前記混合気体の濃度をより安定に保持する事ができる。
この樹脂成形方法によれば、離型性を高めると共に、保圧工程前に注入した超臨界二酸化炭素が樹脂表面を軟化させて、転写性をより向上することができる。
その事により、樹脂保圧の効果を見込めない薄肉成形品において、離型性が向上し、転写性を高めることができる。
クス、脂肪酸化合物、エポキシ樹脂、またはフェノール樹脂を混合したものが挙げられる。
また、本発明における、あらかじめ空隙に注入しておく不活性ガスは、他の溶媒に対して引火性の問題がない(不燃性)、環境中に有害に存在しない、無臭性、化学的に不活性な二酸化炭素又はアルゴン、ヘリウム、窒素、酸素を用いてもよい。
図1に本発明を実施するための金型とガス注入装置を示す。符号の1は固定側金型2bと可動側金型2aを型締めして形成された金型キャビティ、3は金型キャビティ1内ガス圧力を保持し、金型キャビティ1外部へのガス漏れを防ぐオーリングである。4は前記金型キャビティ1内のガス排出口21から外部に引き出されたガス排出ライン、5は前記金型キャビティ1内のガス注入孔19に結ばれたガス注入ラインであって、9aは前記ガス排出ライン4からの排出ガスを抑制する電磁切換制御弁、9bは前記ガス注入ライン5から金型キャビティ1内に注入するガス量を制御する電磁切換制御弁である。6は金型キャビティ、又は各容器内のガス圧力を所定の圧力以上の圧力になった場合のみ、外部にガスを排出する背圧弁である。ガス排出ライン4からは、金型キャビティ内1に残存した余分
な超臨界二酸化炭素と離型剤の混合気体を電磁切換制御弁9aにより外部に排出する。
ガスボンベ15a、15bと前記可動側金型2aは、可視面側の金型キャビティ面1aに形成された1又は2ヶ所以上のガス注入口19に接続したガス注入ライン5とを結んでいる。このガス注入ライン5の間では、超臨界二酸化炭素注入ライン14と超臨界二酸化炭素と離型剤の混合気体注入ライン11と2方向に分岐し、その一方の前記超臨界二酸化炭素注入ライン14として、ガス圧力調整器13と、電磁切換制御弁9bとを結び、もう一方では、超臨界二酸化炭素と離型剤8とを混合して、圧力保持しておく混合気体発生容器10が接続し、そのライン間に電磁切換制御弁9cが接続されている。
なお、超臨界二酸化炭素に対しての離型剤の混合比については、1〜5重量%が適当であるが、本実施例では3%とした。
図1に示したガス注入装置7は自社製で、樹脂成形機は、型締め圧力220tの成形機(日本製鋼所株式会社製;J220E2−P−2M)を用いた。離型剤として、有機質粉体として、フッ素系ポリマー(McGee Industries Inc.McLube 1725L)、無機質粉体とし
て、タルクに上記有機質粉体を混合したものを用いて行った。樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32mm、幅32mm、厚さ2mmの平板状である。また、図2(A)に示すように、ガス注入口19から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口19から金型キャビティ1間に注入し、さらに、その金型キャビティ1間のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1間の上記混合気体を、図1に示すようにガス排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。以上のガス注入を連続成形において50回に1回行った。
なお、本実施例においては連続成形において50回に1回の前記混合気体の注入方法を行ったが、連続成形において毎回注入しても問題はない。
実施例1の中で、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体の注入方法において、注入時間を2.0秒、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの温度のみ20℃、30℃、40
℃に条件を変えて、50個連続成形を行った。また、金型キャビティ1の温度を70℃に固定して行った。また、ガスの温度70℃以上の温度、80℃、90℃、100℃で行った結果、70℃で行った離型性と殆ど変わらず、それぞれ同一程度の離型性となった。その結果、離型性は、実施例2の離型性と比較して、成形開始後10連続目でとられが確認された。その評価したものを表2に示す。
実施例1の中で、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体の注入方法において、ガスの温度を70℃、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの注入時間秒を0.1秒,0.3
秒,0.4秒に条件を変えて、成形を行った。また、金型キャビティ1温度を70℃に固
定して行った。その結果、離型性は、実施例2の成形離型性と比較して、成形開始後10連続目でとられが確認された。その評価したものを表2に示す。
図3は本発明に係る樹脂充填前に混合気体を注入し、さらに樹脂充填後、瞬時に超臨界二酸化炭素を注入する。その後樹脂保圧を高めて金型キャビティ内樹脂をキャビティ面に樹脂を押し付けることにより、転写性を向上させる本実施例の説明図である。図6は、金型可視面側の連続微細V溝の説明図、図7は金型可視面側の連続微細V溝の断面形状である。
樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32.0mm、幅32.0mm、厚さ2.0mmの平板状である。なお、金型キャビティの表面には、深さ90nm、ピッチ幅220nm、溝角120°の連続V溝が加工してある。
まず、図3(A)に示すように、電磁切換制御弁9b、9cを開き、ガス注入口5から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体(フッ素系ポリマー)、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体(タルクとフッ素系ポリマー混合体)の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5から金型キャビティ1内に注入し、さらに、その金型キャビティ1内のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1内の上記混合気体を排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。
において50回に1回のサイクルで行った。
使用した樹脂、成形品の大きさ、キャビティ面の加工については実施例3と同じである。
まず、図4(A)に示すように、電磁切換制御弁9b、9cを開き、ガス注入口5から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体(フッ素系ポリマー)、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体(タルクとフッ素系ポリマー混合体)の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5からキャビティ1内に注入し、さらに、その金型キャビティ1内のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1間内の上記混合気体を排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。
図4を基に説明すると、まず、型締め完了後、樹脂充填開始前、圧力10MPaに設定した前記超臨界二酸化炭素を、電磁切換制御弁9cを閉じ、9bを開き、ガス注入装置7→ガス注入口5から1秒間金型キャビティ1内に注入した(A)。
この方法により、金型キャビティ1内への注入ラインの間で生じる圧力降下を低減でき、金型キャビティ内へ注入される前記混合気体の濃度をより安定に保持する事ができる。
その後、金型を開き予備成形体を設置して金型を閉じて成形することは通常の圧縮成形方法と同一である。
この成形方法で得られた成形品は実施例1と同等の効果を得られた。
2 金型
3 オーリング
4 ガス排出ライン
5 ガス注入ライン
6 ガス圧調整背圧弁
7 ガス注入装置
8 離型剤
9 電磁切換制御弁
10 混合体発生容器
11 混合体注入ライン
12 離型剤充填容器
13 ガス圧力調整器
14 超臨界二酸化炭素注入ライン
15 高圧ガス装置又はガスボンベ
16 二酸化炭素ガス注入ライン
17 ガス加温機
18 圧力ゲージ
19 ガス注入口
20 改質材注入ライン
21 ガス排出口
22 固定側入駒
Claims (3)
- 固定側金型と可動側金型を型締めして金型内に形成された金型キャビティ内に超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して超臨界二酸化炭素の浸透力により離型剤を金型内の微細形状部分内まで浸透させたのち、前記混合気体をキャビティ内から排出し、次に合成樹脂を金型キャビティ内に充填し、その後保圧工程を経て冷却を行い、前記金型を開いて成形体を取り出すことにより、成形体と金型との離型性を向上させて金型の表面に機能性や加飾目的で設けられたシボや微細な溝等の精密加工形状を成形体の表面に限りなく同形に転写する合成樹脂の成形方法において、前記混合気体を金型キャビティ内に注入する前に、超臨界二酸化炭素又は不活性ガスを金型キャビティ内に注入し、その後、金型キャビティ内に混合気体を注入して先に注入した超臨界二酸化炭素又は不活性ガスと置換し、その後、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、保圧、冷却を経て金型を開き、成形品を取り出すことを特徴とする合成樹脂の成形方法。
- 請求項1において、先ず混合気体を金型キャビティ内に注入して、離型剤を金型キャビティ面へ浸透させ、その後、金型キャビティ内から混合気体を排出したのち、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、その後瞬時に超臨界二酸化炭素をキャビティ内において可視面と樹脂間に注入し、この注入した超臨界二酸化炭素の作用で樹脂の表面を軟化させ、次に樹脂圧を高めて前記超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出し、次に、保圧、冷却後金型を開いて成形体を取り出すことを特徴とする合成樹脂の成形方法。
- 請求項2において、成形用金型の可動側金型に入駒を組み込み、前記入駒を固定側金型側に前進させることにより樹脂圧を高めて注入した超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出することを特徴とする合成樹脂の成形方法。
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