JP3808080B2 - 合成樹脂の成形方法 - Google Patents

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本発明は、合成樹脂(以下樹脂と記す)の射出成形あるいは射出圧縮成形あるいは圧縮(プレス)成形を含む樹脂の成形方法に関するもので、成形と同時に金型内で金型キャビティと樹脂表面との離型性を向上させ、その効果により、離型時に生じるかじれやとられなどの不良を低減し、特に、金型キャビティ表面にデザインされた表面形状を樹脂表面に限りなく同形に転写することを可能とする樹脂の成形方法に関する。
一般的に、金型表面形状を成形体表面へ転写する場合は、流動性の最も良い樹脂を選択するか、もしくは様々な改良を行った樹脂が用いられてきた。また、成形方法では、金型内の温度制御や流動制御、圧力制御などを行って転写性の向上を図っている。また、通常の成形で離型剤を使用することにより転写性を向上させる際は、あらかじめ金型キャビティ内に離型剤をスプレーし、特に連続成形においては、離型性が悪化しはじめた頃に成形を一旦停止し、型開きを行い、金型キャビティに直接離型剤をスプレー塗布している。その為、成形停止の際に金型温度の低下、樹脂の滞留時間が増加することによる樹脂流動性のみだれが発生し、成形に悪い影響が出ると云う問題がある。
以上の様な問題を解決するために、次の様な技術が開示されている。
特開平10−263782号公報 この発明は、離型剤を金型に吹き付ける前に予め離型剤を加熱することにより、離型剤のエマルジョン径を大きくすることにより、金型表面への離型剤の付着率を高めて離型剤を均一に塗布する離型剤の吹き付け方法およびその装置である。しかし、この方法では金型を開いた際に、離型剤を塗布する工程までの時間が多くかかり、成形サイクルに大幅なロスが発生し、生産性が低下すると云う欠点があるばかりでなく、微細形状部分まで離型剤が浸透しにくいことから、この微細形状部分の転写性がいま一つである。
特開平08−323456号公報 この発明は、型開した両金型の上方から上下部連結式の離型剤噴霧ノズルを挿入し、次第に下降させながら前記上部離型剤噴霧ノズルから金型キャビティ面に離型剤を噴霧し、同時に前記下部離型剤噴霧ノズルで樹脂スリーブの内周面に離型剤を噴霧する方法である。しかし、同じくこの方法では金型を開いた際に、離型剤を塗布する工程までの時間が多くかかり、成形サイクルに大幅なロスが発生し、生産性が低下すると云う欠点があるばかりでなく、上記した特許文献1の場合と同様に、微細形状部分の転写性がいま一つである。また、従来の離型剤の吹き付けでは、離型剤がガス化していないため、金型キャビティ面へ吹き付けても(塗装とほぼ同様)均等に付着しない。したがって、離型膜にムラ状ができ、その結果、転写性及び離型性にムラが発生する。また、成形停止の際に金型温度の低下、樹脂の滞留時間が増加することによる樹脂流動性のみだれが転写性に悪い影響を及ぼしている。
また、上記した従来技術及び特許文献1、2の方法を採用し、1μm以下サイズの微細溝・形状へ、溶融した樹脂が流入したとしても、離型する際に固化した樹脂表面形状が金型の形状部に対し、とられやかじれなどを起こし、金型表面形状と限りなく同形の転写は不可能な場合が多い。
そこで、非移行性のスプレー型の離型剤を金型に塗布し、離型性を向上させる技術もあるが、この方法では、スプレー圧の抗力により、微細部へ行き届かず、微細形状部分の離型性まで向上させることは不可能である。
本発明の目的は、樹脂の成形において、連続成形を停止することなく、成形サイクル中に離型剤を極めて薄く、且つ微細形状部分まで均一に金型キャビティ内に塗布して転写性を可及的に向上させることができる樹脂の成形方法を提供することである。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明においては、合成樹脂の成形方法において、固定側金型と可動側金型を型締めして金型内に形成された金型キャビティ内超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して超臨界二酸化炭素の浸透力により離型剤を金型内の微細形状部分内まで浸透させたのち、前記混合気体をキャビティ内から排出し、次に合成樹脂を金型キャビティ内に充填し、その後保圧工程を経て冷却を行い、前記金型を開いて成形体を取り出すことにより、成形体と金型との離型性を向上させて金型の表面に機能性や加飾目的で設けられたシボや微細な溝等の精密加工形状を成形体の表面に限りなく同形に転写する合成樹脂の成形方法において、前記混合気体を金型キャビティ内に注入する前に、超臨界二酸化炭素又は不活性ガスを金型キャビティ内に注入し、その後、金型キャビティ内に混合気体を注入して先に注入した超臨界二酸化炭素又は不活性ガスと置換し、その後、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、保圧、冷却を経て金型を開き、成形品を取り出すことを特徴とするものである。
さらに、請求項2記載の発明においては、請求項1において、先ず混合気体を金型キャビティ内に注入して、離型剤を金型キャビティ面へ浸透させ、その後、金型キャビティ内から混合気体を排出したのち、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、その後瞬時に超臨界二酸化炭素をキャビティ内において可視面と樹脂間に注入し、この注入した超臨界二酸化炭素の作用で樹脂の表面を軟化させ、次に樹脂圧を高めて前記超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出し、次に、保圧、冷却後金型を開いて成形体を取り出すことを特徴とするものである。
さらに、請求項3記載の発明においては、請求項2において、成形用金型の可動側金型に入駒を組み込み、前記入駒を固定側金型側に前進させることにより樹脂圧を高めて注入した超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出することを特徴とするものである。
上の様に、本発明は、超臨界二酸化炭素へ離型剤が溶解しているため微細な凹凸部へ離型剤が浸透する。したがって、均一に離型剤をコーティング(付着)することができる。また、本発明では連続成形を停止することなく、成形サイクル中に離型剤を極めて薄く、且つ均一に金型キャビティ表面に塗布することができる。従って、サイクル工程の削減にもつながる。
請求項1〜に記載の発明によると、超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を、金型キャビティ内に注入し、超臨界二酸化炭素の持つ浸透性の力を得て離型剤を微細形状部分へ浸透させることにより、特に微細形状部分の転写性を可及的に向上させることができる。
また、通常の成形で離型剤を使用する際は、特に連続成形において、離型性が悪化しはじめた頃に成形を一旦停止し、型開きを行い、金型キャビティにスプレー塗布を行っている。しかし、本発明では連続成形を停止することなく、成形サイクル中に離型剤を極めて薄く、且つ均一に金型キャビティ内表面に塗布しているため、成形サイクル時間をスプレー方式に比較して大幅に短縮し、生産性を向上させることができる。
さらに、連続成形を一旦停止することは、金型の温度のみだれ、樹脂の滞留時間が増加することによる樹脂流動性のみだれにも強く影響してくる。しかし、本発明では、連続成形を一旦停止することがないので、成形条件を乱すことなく、安定した成形を行うことが可能となる。なお、連続成形を一旦停止し、型開きを行うことは、金型温度の低下につながる。この様な場合、従来では、金型温調装置側では、設定温度まで温度上昇させる。その際に発生する電力の使用量が大きく発生する。しかし、本発明では、連続成形を一旦停止することがないので、消費する電力量の削減、つまり省エネに寄与することができる。
また、従来では、離型剤をスプレー塗布する際は、スプレーノズルとの遠近やキャビティ形状により塗布量に不均一が発生したり、金型キャビティ容量に対して、余剰に塗布している場合がある。しかし、本発明では、離型剤の塗布容量を制御することが可能となり、金型キャビティ容量に合わせた効果的な塗布が可能となる。従って、従来まで余剰に塗布していた離型剤使用量の削減にもつながる。
本発明における樹脂成形工程における離型性及び転写性向上技術は、請求項1記載に関しては、金型キャビティ内へ超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して、その混合気体の圧力を一定に保持する。ここで、前記超臨界二酸化炭素は、極めて拡散性が高く、離型剤を微粒化する働きがある為、極めて微細な形状においても、離型剤を隅々まで、浸透することが可能である。従って、従来まで、離型剤のスプレー塗布では浸透することの出来なかった微細な溝まで、前記混合気体を浸透させることができる。
その上で、前記金型キャビティ内にある前記混合気体を排出し、離型剤成分のみを前記金型キャビティ内に残存させ、次に樹脂充填、保圧工程を経て、冷却を行い、成形体を取り出す。
また、請求項記載に関しては、金型キャビティ内に前記混合気体を注入する前工程として、その空隙内に超臨界二酸化炭素又は不活性ガスを注入して、その空隙内の圧力を一定に保持する。
次に、金型キャビティ内の超臨界二酸化炭素の圧力よりも高い圧力に保持した混合気体を金型キャビティ内に注入し、超臨界二酸化炭素又は不活性ガスと置換する。
この方法により、金型キャビティ内への注入ラインの間で生じる圧力降下を低減でき、混合気体の離型剤が分離せず金型キャビティ内へ注入される前記混合気体の濃度をより安定に保持する事ができる。
また、請求項記載に関しては、金型キャビティ内へ超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して、その混合気体の圧力を一定に保持し、従来まで、スプレー塗布では浸透することの出来なかった微細な溝まで、前記混合気体を浸透させる。次に前記金型キャビティ内にある前記混合気体を排出し、離型剤成分のみを前記金型キャビティ内に残存させ、次に合成樹脂を充填し、保圧工程手前で、超臨界二酸化炭素を前記金型キャビティ内の可視面側に注入し、樹脂表面を溶解させる。その後、樹脂圧を高めて前記金型キャビティ内にある溶解せず残存した余分な超臨界二酸化炭素を排出すると共に保圧を行い、次に冷却完了後、前記金型から成形体を取り出す。
この樹脂成形方法によれば、離型性を高めると共に、保圧工程前に注入した超臨界二酸化炭素が樹脂表面を軟化させて、転写性をより向上することができる。
請求項記載に関しては、金型キャビティ内へ、超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して、その混合気体の圧力を一定に保持し、従来まで、スプレー塗布では浸透することの出来なかった微細な溝まで、前記混合気体を浸透させる。次に前記金型キャビティ内にある前記混合気体を排出し、離型剤成分のみを前記金型キャビティ内に残存させる。次に樹脂を充填し、保圧工程手前で、超臨界二酸化炭素を前記金型キャビティ内に注入し、樹脂表面を溶解させる。次にその金型キャビティ部の一面をなす可動側入駒を固定側金型キャビティ側方向に前進させて金型キャビティ内の樹脂圧を高めて前記金型キャビティ内にある溶解せず残存した余分な超臨界二酸化炭素を排出すると共に保圧を行い、次に冷却完了後、前記金型から成形体を取り出す。
その事により、樹脂保圧の効果を見込めない薄肉成形品において、離型性が向上し、転写性を高めることができる。
本発明における樹脂成形方法は、樹脂充填前にあらかじめ、金型キャビティ内へ、超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入し、その後前記混合気体を金型キャビティ内から排出する。次に樹脂を充填し、その後保圧を経て、冷却を行い、前記金型から成形体を取り出す。この工程を経て、金型との離型性を向上させ、且つ金型の表面に機能性や加飾目的で設けられたシボや微細な溝や精密加工形状を成形体表面に限りなく同形に転写することができるものである。
本発明に用いられる樹脂は、例えばスチレン系樹脂、(例えば、ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等)、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカルボン酸の縮合物等)ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の1種または2種以上の混合物、さらに無機物や有機物の各種充填材が混合された樹脂が挙げられる。
また、本発明で用いる離型剤は、有機質液体、及び粉体として、ポリオルガノシルセスキオキサンオリゴマー、油性潤滑剤、フッ素系界面活性剤、天然または合成ワックス(カルナバワックス、モンタンワックス、モンタン酸の部分ケン化エステルに代表されるエステル系ワックス、ステアリルエチレンジアミドに代表される長鎖脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスに代表されるパラフィン類など)、脂肪酸化合物(ステアリン酸、ベヘニン酸などの長鎖脂肪酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムに代表される長鎖脂肪酸の金属塩)、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂)またはフェノール樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA型ノボラック、ナフトールノボラックおよびフェノールアラルキル樹脂)などが挙げられる。無機質粉体 としては、黒鉛、タルクなどの無機物粉体に、上記天然または合成ワッ
クス、脂肪酸化合物、エポキシ樹脂、またはフェノール樹脂を混合したものが挙げられる。
また、本発明における、あらかじめ空隙に注入しておく不活性ガスは、他の溶媒に対して引火性の問題がない(不燃性)、環境中に有害に存在しない、無臭性、化学的に不活性な二酸化炭素又はアルゴン、ヘリウム、窒素、酸素を用いてもよい。
以下に、本発明の実施例、比較例を、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、また、これら実施例の組み合わせであってもよい。
図1及び図2に基づいて請求項1に記載した発明の実施例を説明する。
図1に本発明を実施するための金型とガス注入装置を示す。符号の1は固定側金型2bと可動側金型2aを型締めして形成された金型キャビティ、3は金型キャビティ1内ガス圧力を保持し、金型キャビティ1外部へのガス漏れを防ぐオーリングである。4は前記金型キャビティ1内のガス排出口21から外部に引き出されたガス排出ライン、5は前記金型キャビティ1内のガス注入孔19に結ばれたガス注入ラインであって、9aは前記ガス排出ライン4からの排出ガスを抑制する電磁切換制御弁、9bは前記ガス注入ライン5から金型キャビティ1内に注入するガス量を制御する電磁切換制御弁である。6は金型キャビティ、又は各容器内のガス圧力を所定の圧力以上の圧力になった場合のみ、外部にガスを排出する背圧弁である。ガス排出ライン4からは、金型キャビティ内1に残存した余分
な超臨界二酸化炭素と離型剤の混合気体を電磁切換制御弁9aにより外部に排出する。
次に、7はガス注入装置であって、このガス注入装置7について説明すると、15は、ガスボンベ15a、15bに超臨界二酸化炭素を充填したガスボンベセットである。この
ガスボンベ15a、15bと前記可動側金型2aは、可視面側の金型キャビティ面1aに形成された1又は2ヶ所以上のガス注入口19に接続したガス注入ライン5とを結んでいる。このガス注入ライン5の間では、超臨界二酸化炭素注入ライン14と超臨界二酸化炭素と離型剤の混合気体注入ライン11と2方向に分岐し、その一方の前記超臨界二酸化炭素注入ライン14として、ガス圧力調整器13と、電磁切換制御弁9bとを結び、もう一方では、超臨界二酸化炭素と離型剤8とを混合して、圧力保持しておく混合気体発生容器10が接続し、そのライン間に電磁切換制御弁9cが接続されている。
更に、前記混合気体発生容器10への離型剤注入ライン20では、離型剤圧送ポンプ12と、電磁切換制御弁9dとを接続し、混合気体発生容器10への離型剤8の一定量排出を行い、混合体発生容器10内の超臨界二酸化炭素と離型剤8の溶解濃度を安定させる。また、前記混合気体発生容器10と二酸化炭素ガスを充填したガスボンベ15aを結ぶ二酸化炭素ガス注入ライン16には、前記混合気体発生容器10内の超臨界二酸化炭素温度を常時、離型剤と溶解する最適な温度に調整する為のガス加温機17が取り付けられている。
次に、図2(A)(B)(C)(D)に基づいて、本発明に係る樹脂成形方法を説明する。成形手段としては、通常用いられている射出成形方法である。
なお、超臨界二酸化炭素に対しての離型剤の混合比については、1〜5重量%が適当であるが、本実施例では3%とした。
図1に示したガス注入装置7は自社製で、樹脂成形機は、型締め圧力220tの成形機(日本製鋼所株式会社製;J220E2−P−2M)を用いた。離型剤として、有機質粉体として、フッ素系ポリマー(McGee Industries Inc.McLube 1725L)、無機質粉体とし
て、タルクに上記有機質粉体を混合したものを用いて行った。樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32mm、幅32mm、厚さ2mmの平板状である。また、図2(A)に示すように、ガス注入口19から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口19から金型キャビティ1間に注入し、さらに、その金型キャビティ1間のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1間の上記混合気体を、図1に示すようにガス排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。以上のガス注入を連続成形において50回に1回行った。
次に、この成形品を射出樹脂圧力56MPa、充填時間0.5sec、溶融樹脂温度280℃で、温調装置(図示せず)により、70℃に設定した金型キャビティ1内(材質S45C、入れ子型)に充填した(C)。
溶融樹脂充填完了直後、射出樹脂圧力90MPaで5秒間保圧し、金型キャビティ内樹脂を圧縮して成形を行った(D)。
成形品50個連続成形して得られた成形品は、それぞれ斑のない表面であり、連続成形中に金型へのかじれ、及びとられなどの不良現象は生じなかった。また、成形品の表面、及び金型の加工面をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス;VKシリーズ)により観察し、V溝の深さを計測した。この計測結果を用いて、成形品の転写率を評価した。その評価したものを表1に示す。
なお、本実施例においては連続成形において50回に1回の前記混合気体の注入方法を行ったが、連続成形において毎回注入しても問題はない。
実施例2では、実施例1のガスの注入方法において、超臨界二酸化炭素と有機質粉体(フッ素系ポリマー)の混合気体の温度、及び注入時間、注入圧力などの条件を変えて、成形を行った。それぞれ、ガスの温度は50℃、60℃、70℃、ガスの注入時間は0.5秒,1.0秒,2.0秒、注入圧力は5MPa、10MPa、15MPaに条件を変えて行った。また、金型キャビティ1の温度を70℃に固定して行った。その結果、得られた成形品は、前記混合体の温度、圧力、注入時間に強く影響し、各パラメーターとも、最も高い温度、圧力、時間が、連続成形中に不良が起きず、離型性が向上した。その評価を実施例1同様に行い、表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1の中で、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体の注入方法において、注入時間を2.0秒、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの温度のみ20℃、30℃、40
℃に条件を変えて、50個連続成形を行った。また、金型キャビティ1の温度を70℃に固定して行った。また、ガスの温度70℃以上の温度、80℃、90℃、100℃で行った結果、70℃で行った離型性と殆ど変わらず、それぞれ同一程度の離型性となった。その結果、離型性は、実施例2の離型性と比較して、成形開始後10連続目でとられが確認された。その評価したものを表2に示す。
〔比較例2〕
実施例1の中で、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体の注入方法において、ガスの温度を70℃、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの注入時間秒を0.1秒,0.3
秒,0.4秒に条件を変えて、成形を行った。また、金型キャビティ1温度を70℃に固
定して行った。その結果、離型性は、実施例2の成形離型性と比較して、成形開始後10連続目でとられが確認された。その評価したものを表2に示す。
図3(A)〜(F)、図5、6は、請求項に対応するもので、実施例1に加えて、さらに離型性及び転写性を向上させた実施例である。
図3は本発明に係る樹脂充填前に混合気体を注入し、さらに樹脂充填後、瞬時に超臨界二酸化炭素を注入する。その後樹脂保圧を高めて金型キャビティ内樹脂をキャビティ面に樹脂を押し付けることにより、転写性を向上させる本実施例の説明図である。図6は、金型可視面側の連続微細V溝の説明図、図7は金型可視面側の連続微細V溝の断面形状である。
樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32.0mm、幅32.0mm、厚さ2.0mmの平板状である。なお、金型キャビティの表面には、深さ90nm、ピッチ幅220nm、溝角120°の連続V溝が加工してある。
まず、図3(A)に示すように、電磁切換制御弁9b、9cを開き、ガス注入口5から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体(フッ素系ポリマー)、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体(タルクとフッ素系ポリマー混合体)の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5から金型キャビティ1内に注入し、さらに、その金型キャビティ1内のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1内の上記混合気体を排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。
次に、電磁切換制御弁9bを閉じ、前記溶融樹脂を射出樹脂圧力56MPa、充填時間0.5sec、溶融樹脂温度280℃で、温調装置により、70℃に設定した金型キャビティ1内(材質S45C、入れ子型)に充填した(C)。
溶融樹脂充填完了直後、保圧工程手前で電磁切換制御弁9cを閉じ、電磁切換制御弁9bを開けて、ガスボンベ15bから金型キャビティ1内に前記ガスボンベ内の超臨界二酸化炭素を1秒間注入する(D)。
次に射出樹脂圧力90MPaで5秒間保圧し、金型キャビティ内樹脂をキャビティ面に樹脂を押し付けた(E)。
次に冷却を行い、成形品を取り出した(F)。混合気体の注入は実施例1同様連続成形
において50回に1回のサイクルで行った。
以上説明した成形方法で成形品50個連続成形して得られた成形品は、それぞれ斑のない表面であり、連続成形中に金型へのかじれ、及びとられなどの不良現象は生じなかった。その評価した結果を表1に示す。また、成形品の表面、及び金型の加工面をレーザー顕微鏡(株式会社キーエンス;VKシリーズ)により観察し、V溝の深さを計測した。この計測結果を用いて、成形品の転写率を評価した。その評価したものを同じく表1に示す。
図4(A)〜(F)は、請求項に対応するもので、実施例3ではキャビティ面への密着を樹脂の保圧を更に高くすることにより向上させたが、本実施例では可動側入駒22を用いて行った。
使用した樹脂、成形品の大きさ、キャビティ面の加工については実施例3と同じである。
まず、図4(A)に示すように、電磁切換制御弁9b、9cを開き、ガス注入口5から、超臨界二酸化炭素と有機質粉体の混合気体(フッ素系ポリマー)、または、超臨界二酸化炭素と無機質粉体(タルクとフッ素系ポリマー混合体)の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を1秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5からキャビティ1内に注入し、さらに、その金型キャビティ1内のガス圧力を一定に保持する。その後、その金型キャビティ1間内の上記混合気体を排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aにより、外部へ排出する(B)。
次に、電磁切換制御弁9bを閉じ、前記溶融樹脂を射出樹脂圧力56MPa、充填時間0.5sec、溶融樹脂温度280℃で、温調装置により、70℃に設定した金型キャビティ1内(材質S45C、入れ子型)に充填した(C)。
溶融樹脂充填完了直後、保圧工程手前で電磁切換制御弁9cを閉じ、電磁切換制御弁9bを開けて、ガスボンベ15bから金型キャビティ1内に前記ガスボンベ内の超臨界二酸化炭素を1秒間注入する(D)
次にその金型キャビティ部の可動側入駒22を固定側金型キャビティ側方向に前進させ、金型キャビティ内樹脂全体に圧縮を加えて成形を行った(E)。
次に冷却を行い、成形品を取り出した(F)。
成形品50個連続成形して得られた成形品は、それぞれ斑のない表面であり、連続成形中に金型へのかじれ、及びとられなどの不良現象は生じなかった。その結果、離型性及び転写率について評価したものを表1に示す。
実施例5は、請求項に対応するもので、本発明においては予め溶融樹脂をキャビティに充填する前に超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を多段式に注入するものであるが本実施例では、まず超臨界二酸化炭素のみを注入しその後、前記混合気体を注入して先の超臨界二酸化炭素と置換することを行った。
図4を基に説明すると、まず、型締め完了後、樹脂充填開始前、圧力10MPaに設定した前記超臨界二酸化炭素を、電磁切換制御弁9cを閉じ、9bを開き、ガス注入装置7→ガス注入口5から1秒間金型キャビティ1内に注入した(A)。
次に、電磁切換制御弁9cを開き、超臨界二酸化炭素と離型剤(ビフェニル型エポキシ樹脂)との混合気体をすでに注入している金型キャビティ1内のガス圧力よりも高い圧力15MPaにて金型キャビティ内に注入し前記超臨界二酸化炭素と1秒間置換する(B)。その後、実施例1と同様の成形工程を経て、前記金型から成形品を取り出す。
この方法により、金型キャビティ1内への注入ラインの間で生じる圧力降下を低減でき、金型キャビティ内へ注入される前記混合気体の濃度をより安定に保持する事ができる。
成形品50個連続成形して得られた成形品は、それぞれ斑のない表面であり、連続成形中に金型へのかじれ、及びとられなどの不良現象は生じなかった。その評価したものを表1に示す。また成形品の転写率を評価した。その評価したものを同じく表1に示す。
Figure 0003808080
Figure 0003808080
本実施例6は、成形方法として圧縮成形を用いた実施例を紹介する。混合気体を金型内に注入するタイミングとしては、予備成形体を金型内に設置する前に、一旦、金型を閉じて実施例1に記載した混合気体を注入し所定時間保持したのち混合気体を外部へ排出する。
その後、金型を開き予備成形体を設置して金型を閉じて成形することは通常の圧縮成形方法と同一である。
この成形方法で得られた成形品は実施例1と同等の効果を得られた。
各実施例を行うための例であるガス注入装置と金型の説明図。 実施例1の作業工程説明図。 実施例3の作業工程説明図。 実施例4の作業工程説明図。 実施例5の作業工程説明図。
符号の説明
1 金型キャビティ
2 金型
3 オーリング
4 ガス排出ライン
5 ガス注入ライン
6 ガス圧調整背圧弁
7 ガス注入装置
8 離型剤
9 電磁切換制御弁
10 混合体発生容器
11 混合体注入ライン
12 離型剤充填容器
13 ガス圧力調整器
14 超臨界二酸化炭素注入ライン
15 高圧ガス装置又はガスボンベ
16 二酸化炭素ガス注入ライン
17 ガス加温機
18 圧力ゲージ
19 ガス注入口
20 改質材注入ライン
21 ガス排出口
22 固定側入駒

Claims (3)

  1. 固定側金型と可動側金型を型締めして金型内に形成された金型キャビティ内超臨界二酸化炭素と離型剤との混合気体を注入して超臨界二酸化炭素の浸透力により離型剤を金型内の微細形状部分内まで浸透させたのち、前記混合気体をキャビティ内から排出し、次に合成樹脂を金型キャビティ内に充填し、その後保圧工程を経て冷却を行い、前記金型を開いて成形体を取り出すことにより、成形体と金型との離型性を向上させて金型の表面に機能性や加飾目的で設けられたシボや微細な溝等の精密加工形状を成形体の表面に限りなく同形に転写する合成樹脂の成形方法において、前記混合気体を金型キャビティ内に注入する前に、超臨界二酸化炭素又は不活性ガスを金型キャビティ内に注入し、その後、金型キャビティ内に混合気体を注入して先に注入した超臨界二酸化炭素又は不活性ガスと置換し、その後、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、保圧、冷却を経て金型を開き、成形品を取り出すことを特徴とする合成樹脂の成形方法。
  2. 請求項1において、先ず混合気体を金型キャビティ内に注入して、離型剤を金型キャビティ面へ浸透させ、その後、金型キャビティ内から混合気体を排出したのち、金型キャビティ内に合成樹脂を充填し、その後瞬時に超臨界二酸化炭素をキャビティ内において可視面と樹脂間に注入し、この注入した超臨界二酸化炭素の作用で樹脂の表面を軟化させ、次に樹脂圧を高めて前記超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出し、次に、保圧、冷却後金型を開いて成形体を取り出すことを特徴とする合成樹脂の成形方法。
  3. 請求項2において、成形用金型の可動側金型に入駒を組み込み、前記入駒を固定側金型側に前進させることにより樹脂圧を高めて注入した超臨界二酸化炭素を金型キャビティ内から排出することを特徴とする合成樹脂の成形方法。
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