JP3807378B2 - ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤとして、例えば特開平7−296499号公報(特許文献1)「ミニディスク及びコンパクト兼用ディスクプレーヤー」が知られている。
【0003】
上記技術は、同公報図1に示される通り、ディスクプレーヤーのシャーシであるベースプレート16を設け、ディスク搭載側を前面とするときにベースプレート16の底部前方にコンパクトディスク用スピンドルアセンブリ10を配置し、このコンパクトディスク用スピンドルアセンブリ10の後方にミニディスク用スピンドルアセンブリ30を配置し、これらのアセンブリ10,30の間にピックアップ装置14を移動可能に配置し、このピックアップ装置14を駆動する送り機構としてのフィージング手段12を設け、コンパクトディスを搬入するためにコンパクトディスクトレー20をベースプレート16にスライド可能に配置し、ミニディスクを搬入するためにミニディスクトレー34をコンパクトディスクトレー20内にスライド可能に配置し、さらに、コンパクトディスクトレー20の側壁部の一部を開放してミニディスクカートリッジ挿入開口部51を設け、ミニディスクトレー34の側壁部の一部を開放してミニディスクカートリッジ挿入開口部50を設けたものである。
【0004】
即ち、ミニディスク及びコンパクトディスクの回転部分をシャーシにそれぞれ縦配置し、これらの回転部分の間にミニディスク及びコンパクトディスク兼用のピックアップをスライド可能に配置し、コンパクトディスク用トレーの中にミニディスク用トレーを配置したものである。
コンパクトディスクを使用するときは、コンパクトディスクトレー20に前面上部からコンパクトディスクを搭載し、ベースプレート16の底部前方に設けたコンパクトディスク用スピンドルアセンブリ10でディスクを回転させピックアップ装置14でディスクに記録された情報を読取る。
【0005】
一方、ミニディスクを使用するときは、コンパクトディスクトレー20及びミニディスクトレー34の側面からミニディスクカートリッジ挿入開口部50,51を介してミニディスクを搭載し、ベースプレート16の底部後方に設けたミニディスク用スピンドルアセンブリ30でディスクを回転させピックアップ装置14でディスクに記録された情報を読取る。
【0006】
ここで上記技術のように、ミニディスクとコンパクトディスクとで専用の回転部分を有する兼用ディスクプレーヤの平面的なスペーシングについて次図に基づいて説明する。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−296499号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図6(a),(b)は従来のミニディスクとコンパクトディスクとを配置したときの平面図であり、(a)は上記技術の平面配置の一例を示し、(b)は(a)を改良した平面配置を示す。
(a)は、ミニディスク100とコンパクトディスク101を同一平面上に並べたものである。なお、100aはミニディスク100のセンタ孔、100bはミニディスク100のシャッタ、100cはミニディスク100のハウジングを示し、101aはコンパクトディスクのセンタ孔を示す。
ミニディスク100のハウジング100cの一片の寸法をA、ミニディスク100とコンパクトディスク101とのクリアランスをB、コンパクトディスク101の外径寸法をCとすれば、ミニディスク100とコンパクトディスク101を平面的に配置するための寸法D1はA+B+Cとなる。ここで、寸法A及び寸法Cはそれぞれの規格で決まっている寸法であり(A=72mm、C=120mm)、例えば、B寸法を5mmに設定すると、寸法Dは(D=72mm+5mm+120mm)197mm必要となる。
【0009】
ところで、車載用のミニディスクプレーヤやコンパクトディスクプレーヤ等は、DIN規格(旧西ドイツ規格)に対応したものでないと、ほとんどの車両内のコンソールボックスに取付けることができない。例えば、DIN規格で規定された「1DINサイズ」は、正面パネルサイズで178mm(幅)×53mm(高さ)であるから、上記配置では「1DINサイズ」からはみ出たものであり、DIN規格に対応したディスクプレーヤを作ることはできない。
発明者らは研究を重ね、ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ピックアップ103を最小限の寸法にすることで(b)に示すミニディスク100とコンパクトディスク101との配置を試みた。
【0010】
(b)は、ミニディスク100とコンパクトディスク101とを同一平面上に並べたものであり、ミニディスク100とコンパクトディスク101とを同時に使用することがないことを前提に、ミニディスク100とコンパクトディスク101との間に配置するピックアップ103を最小限に小型化することで、ミニディスク100とコンパクトディスク101とのセンタ孔100a,101a間を接近させ(a)に示すセンタ孔間距離L1からセンタ孔間距離L2にしたものである。
ミニディスク100とコンパクトディスク101とのオーバラップした寸法をEとすれば、寸法D2はA+C−Eとなる。(a)に示した寸法D1(A+B+C)からは、B+E短縮したことを示す。
これにより、D2は180mm前後の寸法になったものの「1DINサイズ」に収らない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明者らはさらに研究を重ね、スペーシングのよいコンパクトなミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤを発明するに至ったのである。
具体的に、以下の構成よりなるミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤを提供するものである。
【0012】
(1)ミニディスクとコンパクトディスクとを選択的に1つの筐体内に挿入して、前記ミニディスクまたは前記コンパクトディスクに記録された情報を読取るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤにおいて、前記ミニディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記ミニディスクに設けられているシャッタを右側に位置させた状態で前記ミニディスクを前記筐体内へと挿入させるための第1の挿入口と、前記コンパクトディスクを前記筐体内へと挿入させるための第2の挿入口とを有し、前記第1の挿入口の中央位置を、前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記第2の挿入口の中央位置よりも左側に変位させたディスク挿入口を有するパネルと、前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記第2の挿入口の中央位置よりも左側に配置され、前記ミニディスクを回転させるミニディスク用回転ユニットと、前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記ミニディスク用回転ユニットよりも右側に配置され、前記コンパクトディスクを回転させるコンパクトディスク用回転ユニットと、前記ミニディスク用回転ユニットと前記コンパクトディスク用回転ユニットとの間に移動自在に配置したミニディスク及びコンパクトディスク兼用のピックアップとを備えて構成したことを特徴とするミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ。
(2)前記ディスク挿入口は、前記第1の挿入口と前記第2の挿入口とが連結して一体的な開口として形成されていることを特徴とする上記(1)記載のミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの外観を示す斜視図である。
ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ1は、箱型の筐体2と、この筐体2の前面に取付けたパネル3と、筐体2の上面を覆う上部カバー4と、筐体2に浮して取付けたシャーシとしてのフローティングシャーシ5と、このフローティングシャーシ5に回転可能に取付けたメカユニット10と、このメカユニット10を水平旋回させるための回転機構30とからなる。
パネル3は、コンパクトディスクの挿入口7と、このコンパクトディスクの挿入口7の一部に一体的に形成したミニディスクの挿入口7aとを備える。
この際、ミニディスクの挿入口7aの中央位置Moは、コンパクトディスクの挿入口7の中央位置Coよりδだけ左方に変位して形成されている。
フローティングシャーシ5は、メカユニット10を水平旋回可能に支持する支持部5aを備える。
【0014】
図2は図1の2矢視図であり、上部カバー4(図1参照)を取り外した状態のミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ1の平面を示す。
メカユニット10は、略矩形の旋回フレーム11と、この旋回フレーム11に設けたミニディスク用回転ユニット12と、このミニディスク用回転ユニット12に対向して設けたコンパクトディスク用回転ユニット13と、これらの回転ユニット12,13の間に移動可能に配置したミニディスク及びコンパクトディスク兼用ピックアップ14と、この兼用ピックアップ14を駆動するための送り機構15とからなる。
【0015】
旋回フレーム11は、フローティングシャーシ5の支持部5aに嵌合する孔11aと、回転機構30に嵌合するカム溝11bとを備える。
ミニディスク用回転ユニット12は、旋回フレーム11に取付けたモータ18、このモータ18に取付けたターンテーブル19とからなる。
コンパクトディスク用回転ユニット13は、旋回フレーム11に取付けたモータ21、このモータ21に取付けたターンテーブル22とからなる。
送り機構15は、旋回フレーム11に取付けた送りモータ23と、この送りモータ23にギヤ群24を介して接続したミニディスク及びコンパクトディスク兼用ピックアップ14を移動するための送りねじ25とからなる。
【0016】
回転機構30は、フローティングシャーシ5に取付けたモータ31と、このモータ31にギヤ群32を介して接続したカムギヤ33と、このカムギヤ33の動きを旋回フレーム11に伝える伝達レバー34とからなる。
カムギヤ33は、ギヤ群32に噛み合うギヤ部33aと、伝達レバー34に嵌合するカム溝33bとからなる。
伝達レバー34は、板状のレバー本体34aと、フローティングシャーシ5に回転可能に取付けた支持部34bと、旋回フレーム11のカム溝11bに嵌合させた第1のピン34cと、カムギヤ33のカム溝33bに嵌合させた第2のピ34dとからなる。
モータ31を回転することでギヤ群32を介してカムギヤ33が回転し、このカムギヤ33のカム溝33bに嵌合した第2のピ34dにより伝達レバー34が回転し、この伝達レバー34の第1のピン34cにより旋回フレーム11を水平旋回させるものである。
【0017】
以上に述べたミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ1の作用を次に説明する。
図3(a),(b)は本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第1作用説明図であり、ミニディスク40の情報を読取るためのメカユニット10の位置を示す。なお、(a)はミニディスク及びコンパクトディスク兼用プレーヤ1の平面を示し、(b)は正面を示す。
ミニディスク40の情報を読取るためのメカユニット10の位置は、イニシャル状態のメカユニット10の位置でもあり、矢印▲1▼,▲1▼の如くミニディスクの挿入口7aからミニディスク40を挿入すると、図示せぬ検出スイッチによってミニディスク40であることを検知し、イニシャル状態を保つ。
ミニディスク40は、ミニディスクの挿入口7aによりパネル3に対して横方向の位置は規制されるので、ミニディスク40とターンテーブル19との横方向の位置は一致する。
【0018】
図4(a),(b)は本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第2作用説明図であり、コンパクトディスク50の情報を読取るためのメカユニット10の位置を示す。なお、(a)はミニディスク及びコンパクトディスク兼用プレーヤ1の平面を示し、(b)は正面を示す。
矢印▲2▼,▲2▼の如くコンパクトディスクの挿入口7からコンパクトディスク50を挿入すると、図示せぬ検出スイッチによってコンパクトディスク50であることを検知し、モータ31を回転させギヤ群32を介してカムギヤ33が矢印▲3▼の如く回転し、このカムギヤ33のカム溝33bに嵌合した第2のピ34dにより伝達レバー34が矢印▲4▼の如く回転し、この伝達レバー34の第1のピン34cにより旋回フレーム11がフローティングシャーシ5の支持部5aを支点として矢印▲5▼の如く回転し、コンパクトディスク50の読取り位置をコンパクトディスク50の挿入口7の略中央まで移動させる。
コンパクトディスク50の読取り位置をコンパクトディスク50の挿入口7の略中央に合せたので、ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ1を小型化することができる。
なお、コンパクトディスク50は、挿入口7から挿入することで、図示せぬセンタリング機構によってターンテーブル22にセンタリングされるものである。
【0019】
図5は本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第3作用説明図であり、コンパクトディスク50の情報を読取るために旋回フレーム11を所定の位置まで回転させた場合と、旋回フレーム11を回転させない場合とのスペーシングを比較したものである。
旋回フレーム11を所定の位置まで回転させたターンテーブル22及びコンパクトディスク50の位置を2点鎖線で示す。旋回フレーム11を回転させない場合のターンテーブル22を破線で示し、旋回フレーム11を回転させない場合のコンパクトディスク50の位置を実線で示す。
【0020】
旋回フレーム11を所定の位置まで回転させた場合のコンパクトディスク50の位置は、コンパクトディスク50の挿入口7に対し略中央であるのに対し、旋回フレーム11を回転させない場合のコンパクトディスク50の位置は、挿入口7に対し図面視右寄りであるためミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ1の外にはみ出したものとなる。
即ち、旋回フレーム11を矢印▲6▼の如く所定の位置まで回転させることで、パネル3の横方向に対し寸法Fだけ小型化できたことを示す。
これにより、DIN規格に対応した車載用のミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤを具体化することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤは、ミニディスクを筐体内に挿入する側から見て、ミニディスクに設けられているシャッタを右側に位置させた状態でミニディスクを筐体内へと挿入させるための第1の挿入口と、コンパクトディスクを筐体内へと挿入させるための第2の挿入口とを有し、第1の挿入口の中央位置を、コンパクトディスクを筐体内に挿入する側から見て、第2の挿入口の中央位置よりも左側に変位させたディスク挿入口を有するパネルと、コンパクトディスクを筐体内に挿入する側から見て、第2の挿入口の中央位置よりも左側に配置され、ミニディスクを回転させるミニディスク用回転ユニットと、コンパクトディスクを筐体内に挿入する側から見て、ミニディスク用回転ユニットよりも右側に配置され、コンパクトディスクを回転させるコンパクトディスク用回転ユニットと、ミニディスク用回転ユニットとコンパクトディスク用回転ユニットとの間に移動自在に配置したミニディスク及びコンパクトディスク兼用のピックアップとを備えて構成したので、ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤを小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの分解斜視図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第1作用説明図である。
【図4】本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第2作用説明図である。
【図5】本発明に係るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤの第3作用説明図である。
【図6】従来のミニディスクとコンパクトディスクとを配置したときの平面図である。
【符号の説明】
1 ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ
5 シャーシ(フローティングシャーシ)
7 コンパクトディスクの挿入口
7a ミニディスクの挿入口
11 旋回フレーム
12 ミニディスク用回転ユニット
13 コンパクトディスク用回転ユニット
14 ミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ピックアップ
15 送り機構
30 回転機構
40 ミニディスク
50 コンパクトディスク
Claims (2)
- ミニディスクとコンパクトディスクとを選択的に1つの筐体内に挿入して、前記ミニディスクまたは前記コンパクトディスクに記録された情報を読取るミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤにおいて、
前記ミニディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記ミニディスクに設けられているシャッタを右側に位置させた状態で前記ミニディスクを前記筐体内へと挿入させるための第1の挿入口と、前記コンパクトディスクを前記筐体内へと挿入させるための第2の挿入口とを有し、前記第1の挿入口の中央位置を、前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記第2の挿入口の中央位置よりも左側に変位させたディスク挿入口を有するパネルと、
前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記第2の挿入口の中央位置よりも左側に配置され、前記ミニディスクを回転させるミニディスク用回転ユニットと、
前記コンパクトディスクを前記筐体内に挿入する側から見て、前記ミニディスク用回転ユニットよりも右側に配置され、前記コンパクトディスクを回転させるコンパクトディスク用回転ユニットと、
前記ミニディスク用回転ユニットと前記コンパクトディスク用回転ユニットとの間に移動自在に配置したミニディスク及びコンパクトディスク兼用のピックアップとを備えて構成したことを特徴とするミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ。 - 前記ディスク挿入口は、前記第1の挿入口と前記第2の挿入口とが連結して一体的な開口として形成されていることを特徴とする請求項1記載のミニディスク及びコンパクトディスクの兼用ディスクプレーヤ。
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