JP3807265B2 - 基板表面多層膜の層別分析方法 - Google Patents

基板表面多層膜の層別分析方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくともシリコン膜を有する多層膜が形成されたシリコンウエーハ、ガラス基板等の基板表面多層膜を各層毎に分析する方法、特に多層膜の不純物を各層毎に分析する層別分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶のシリコンウエーハは半導体製品の製造に利用されており、シリコンウエーハ基板の上には、多結晶またはアモルファスのシリコン層(膜)や酸化ケイ素(SiO2)層などの薄膜層が形成されている。これらの薄膜層中の不純物を分析する方法として、フッ酸(HF)あるいはフッ酸(HF)に硝酸、過酸化水素などを混合した混酸を利用して薄膜を溶解し、この溶解液を分析試料として不純物の分析を行う方法が知られている。
【0003】
しかし、 フッ酸(HF)と硝酸などの混酸は、シリコン層と酸化ケイ素(SiO2)層のいずれも溶解するため、例えばシリコン層と酸化ケイ素層が積層されている基板の場合には、どちらか一層だけを溶解することはできず、このため各層毎の微量不純物を分析することは困難であるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、基板表面の多層膜を各層毎に分析することができる基板表面多層膜の層別分析方法を提案することである。特に、各層毎の不純物の分析に適した基板表面多層膜の層別分析方法を提案することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の基板表面多層膜の層別分析方法である。
(1) 少なくとも1層がポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜から選ばれたシリコン膜である2層以上の多層膜が積層された基板において、その表面の多層膜の各層を選択的に溶解する溶解液を用いて表面層から各層を1層ずつ溶解し、この溶解液を各層毎に回収し、基板表面の多層膜を各層毎に分析する方法であって、
前記シリコン膜を選択的に溶解する溶解液として、内部標準元素を添加したテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液を用いる
基板表面多層膜の層別分析方法。
(2) 多層膜を構成するシリコン膜以外の膜が窒化ケイ素膜、酸化ケイ素、タンタル膜、アルミニウム膜および銅膜からなる群から選ばれる膜であり、かつ多層膜は窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜とタンタル膜、酸化ケイ素膜とタンタル膜、ポリシリコン膜とアモルファスシリコン膜、またはアルミニウム膜と銅膜が直接には積層されていない多層膜である上記(1)記載の層別分析方法。
処理液を移動走査させて基板表面の膜、基板表面そのもの、または基板表面の膜もしくは基板表面に付着した付着物の溶解を行う記載の分析方法。
(3) 多層膜の各層を選択的に溶解する溶解液が、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜またはタンタル膜に対してはフッ酸水溶液、アルミニウム膜または銅膜に対しては硝酸水溶液である上記(2)記載の層別分析方法。
(4) 内部標準元素がインジウム(In)、イットリウム(Y)、バナジウム(V)およびスカンジウム(Sc)からなる群から選ばれる元素である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の層別分析方法。
(5) 溶解液を膜表面に滴下した後、移動走査させて各層の溶解を行う上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の層別分析方法。
【0006】
本発明の層別分析方法は、少なくとも1層がポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜から選ばれたシリコン膜である2層以上の多層膜が積層された基板において、その表面の多層膜を各層毎に分析する方法である。多層膜を構成する膜は少なくとも1層がポリシリコン膜(多結晶状のシリコン層)またはアモルファスシリコン膜(アモルファス状のシリコン膜)等のシリコン膜であり、シリコン膜以外の膜としては窒化ケイ素膜、酸化ケイ素、タンタル膜、ポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、アルミニウム膜および銅膜などがあげられる。これらの膜の膜厚は制限されないが、通常0.001〜1μmであるのが好ましい。
【0007】
多層膜としては、少なくとも1層のシリコン膜と、上記膜からなる群から選ばれる少なくとも1層の膜が積層された2層以上の多層膜であり、かつ窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜とタンタル膜、酸化ケイ素膜とタンタル膜、ポリシリコン膜とアモルファスシリコン膜、またはアルミニウム膜と銅膜は直接には積層されていない多層膜などがあげられる。
【0008】
多層膜が積層された基板としては、上記多層膜が積層されたシリコンウエーハ、ガラス基板等があげられる。多層膜は基板の片面に積層されていてもよいし、両面に積層されていてもよい。多層膜が積層された基板の具体的なものとしては、半導体製品の製造に利用されるシリコンウエーハ、ガラス基板等があげられる。
【0009】
多層膜が積層されたシリコンウエーハの具体例としては、シリコンウエーハの片面または両面に酸化ケイ素(SiO2)膜およびシリコン膜を有するものなどがあげられる。この場合、通常シリコンウエーハ/酸化ケイ素(SiO2)層/シリコン層/シリコンの自然酸化(SiO2)層の順に積層構造となっている。このような酸化ケイ素(SiO2)層は通常厚さが0.001〜1μm程度であり、シリコン層は0.01〜1μm程度、自然酸化(SiO2)層は0.001μm程度である。
【0010】
多層膜が積層されたガラス基板の具体例としては、少なくとも1層のシリコン膜と、酸化ケイ素(SiO2)膜、タンタル膜またはアルミニウム膜などの少なくとも1層の薄膜とが積層された多層膜が形成されたガラス基板などがあげられる。
【0011】
本発明の方法は、上記基板表面の多層膜の各層を溶解液により1層ずつ順次溶解し、この溶解液を各層毎に回収し、回収した溶解液を分析する方法である。上記溶解液としては各層を選択的に溶解し、他の層特に下層を溶解しないか、または溶解しにくい溶解液を使用する。
【0012】
多層膜を構成するポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜等のポリシリコン膜を選択的に溶解する溶解液としては、内部標準元素を添加したテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液が使用できる。テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドの濃度は好ましくは0.1重量%〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜20重量%であるのが望ましい。テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドはアンモニアと混合して使用することもできる。アンモニア濃度は0.1重量%〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜20重量%であるのが望ましい。
【0013】
なお、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドはシリコンウエーハを溶解させるので、シリコンウエーハ上に、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜が形成されている場合は、次のような方法によりポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜だけを選択的に溶解することができる。すなわち、ポリシリコン膜およびアモルファスシリコン膜の溶解速度はシリコンウエーハ(単結晶シリコン)よりも速いため、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜を完全に溶解した直後に溶解を停止することによって、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜だけを選択的に溶解する。予め、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜を溶解するのに要する時間が分っている場合には、単に溶解時間を制御することによって、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜だけを選択的に溶解することができる。
【0014】
上記テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液は窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、タンタル膜、アルミニウム膜および銅膜等を溶解しないので、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜の下層がこれらの膜であっても、これらの膜は溶解されず、ポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜だけを選択的に溶解させることができる。
【0015】
多層膜を構成する窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜またはタンタル膜を選択的に溶解する溶解液としてはフッ酸水溶液などが使用できる。フッ酸水溶液の濃度は好ましくは0.1重量%〜30重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜15重量%であるのが望ましい。
【0016】
フッ酸水溶液はポリシリコン膜、アモルファスシリコン膜、アルミニウム膜および銅膜等を溶解しないので、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜またはタンタル膜の下層がこれらの膜であっても、これらの膜は溶解されず、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜またはタンタル膜だけを選択的に溶解させることができる。
【0017】
多層膜を構成するアルミニウム膜または銅膜を選択的に溶解する溶解液としては硝酸水溶液などが使用できる。硝酸水溶液の濃度は好ましくは0.1重量%〜30重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜15重量%であるのが望ましい。
【0018】
硝酸水溶液は窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜、タンタル膜、ポリシリコン膜およびアモルファスシリコン膜等を溶解しないので、アルミニウム膜または銅膜の下層がこれらの膜であっても、これらの膜は溶解されず、アルミニウム膜または銅膜だけを選択的に溶解させることができる。
【0019】
上記溶解液には、テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液以外の場合も、内部標準元素を添加するのが好ましい。内部標準元素としてはインジウム(In)、イットリウム(Y)、バナジウム(V)およびスカンジウム(Sc)からなる群から選ばれる元素があげられる。内部標準元素の添加量は、各層を溶解する溶液中の濃度で好ましくは0.01重量ppb〜100重量ppb、さらに好ましくは1重量ppb〜10重量ppbの範囲が望ましい。内部標準元素の添加方法は、原子吸光分析用の市販の1,000ppm標準溶液を希釈して溶解液に添加するのが好ましい。
【0020】
内部標準元素を添加することにより高精度の測定を行うことができ、例えば膜を溶解した溶解液中の分析対象不純物等の分析対象物の絶対量を高精度で測定することができる。具体的には、次に挙げる2つの理由により、高精度の測定が可能となる。
第1の理由は、膜を溶解する場合に、溶解液の蒸発や、膜表面に付着している水分の溶解液への混入などにより、溶解液中の分析対象物の濃度に変動があった場合でも、溶解液中の内部標準元素の絶対量に変動はないので、内部標準元素の絶対量を基に溶解液の濃度変化を補正することができることである。これにより、溶解液中の分析対象物の絶対量を高精度で測定することができる。
【0021】
第2の理由は、溶解液中には分析対象物よりも膜を構成する元素のほうが大量に含まれているので、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法などで分析する場合、大量に含まれる元素(マトリックス元素)の影響で、分析対象物のイオン化効率が低下(あるいは増加)するなどして分析値が実際よりも小さく(あるいは大きく)なるという、いわゆる「マトリックス元素の干渉」が起こることがあり、この場合、内部標準元素を添加しておくことにより、マトリクス元素の干渉の影響を補正することができることである。これにより、溶解液中の分析対象物の絶対量を高精度で測定することができる。
【0022】
また、高感度で分析するためには、溶解液中の分析対象不純物の濃度を高める必要があり、そのために、溶解液量をできる限り少量にする。ところが、薄膜層を少量の溶解液で溶解した場合に、溶解液量がICP−MS装置などで分析可能な液量に対して不足することがある。この場合、内部標準溶液を予め溶解液に添加しておけば、分析可能な液量を確保するために、薄膜を溶解した後で溶解液を希釈しても、溶解液中の内部標準元素の絶対量を基に、溶解液の濃度変化を補正することができるので、溶解液中の分析対象不純物を高感度かつ高精度に分析することができる。
【0023】
本発明の方法では上記溶解液を基板表面に滴下し、表面の膜を溶解させる。この場合複数の箇所に滴下することができる。また溶解液をピペット等の先端と接触させて移動走査させ、基板表面全面を溶解液で濡らして溶解させることができる。また表面張力が大きく、全面が濡れない場合は、移動走査を継続して行い、溶解させる。溶解させる際の温度は10℃〜100℃、好ましくは15℃〜70℃とするのが望ましい。また処理時間は処理温度、溶解液の種類、被処理物の種類または厚さなどにより異なるが、1分間〜60分間、好ましくは2分間〜30分間とするのが望ましい。膜が完全に溶解したかどうかは、基板表面の色の変化、溶解液の濡れ性の変化などにより判断することができる。
【0024】
上記のような溶解液を用いて膜を溶解させた溶解液は、ピペットなどを用いて吸引して回収する。回収した溶解液はICP−MS法、フレームレス原子吸光法などの公知の分析方法により不純物等を分析することができる。具体的には、アルミニウム、鉄、ナトリウム、ニッケル、カルシウム、コバルト、銅、クロム、カリウム等の金属などを分析することができる。これにより金属汚染の程度を知ることができる。上記金属の定量下限は、金属の種類または分析方法などにより異なるが、通常1×109atms/cm2程度である。
【0025】
上記のような溶解操作を各層について繰り返して行い、最も表面の層から1層ずつ順次溶解し、回収した溶解液をそれぞれ分析に供する。これにより、基板表面多層膜を各層毎に分析することができる。溶解液に内部標準元素を添加している場合には、より高感度かつ高精度で分析することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の基板表面多層膜の層別分析方法は、少なくとも1層がポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜から選ばれたシリコン膜である2層以上の多層膜が積層された基板表面の多層膜の各層を選択的に溶解する溶解液を用いて表面層から各層を1層ずつ溶解し、この溶解液を各層毎に回収し、基板表面の多層膜を各層毎に分析するに際し、シリコン膜を選択的に溶解する溶解液として、内部標準元素を添加したテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液を用いているので、基板表面多層膜を各層毎に分析することができまた内部標準元素を添加することにより、高感度かつ高精度で分析することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、図面の実施例により本発明の基板表面多層膜の層別分析方法を説明する。図1(a)〜(c)は実施例の層別分析方法の別の工程を示す断面図であり、基板が横断面として図示されている。図1において、1は基板であり、この基板1はシリコンウエーハ2上に多層膜3が積層されている。多層膜3は酸化ケイ素(SiO2)膜4/ポリシリコン膜5/ケイ素の自然酸化(SiO2)膜6から構成されている。
【0028】
多層膜3を各層毎に分析するには、まず図1の(a)に示すように、自然酸化膜6の表面に溶解液として内部標準元素を含むフッ酸水溶液7を滴下し、この液滴7aをピペット8などで移動、走査し、自然酸化膜6の全面にフッ酸水溶液7を広げるか、または自然酸化膜6の全面と液滴7aが接触するように液滴7aを移動させる。ただし、自然酸化膜6の端部9までフッ酸水溶液7を広げると端部9から流出するので、端部9はわずかに残す。フッ酸水溶液7は自然酸化膜6表面の複数の箇所に滴下することもできる。
【0029】
フッ酸水溶液7は自然酸化膜6である酸化ケイ素膜は溶解するが、下層のポリシリコン膜5は溶解しないので、自然酸化膜6だけを選択的に溶解することができる。
このようにして自然酸化膜6だけをフッ酸水溶液7に溶解させ、このフッ酸水溶液7をピペットなどにより回収し、例えばICP−MS法で回収フッ酸水溶液中の金属濃度を定量する。この場合、フッ酸水溶液7中には内部標準元素が添加されているので、金属の絶対量を高感度かつ高精度で測定することができる。
【0030】
次に図1の(b)に示すように、溶解液として内部標準元素を含むテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液10をポリシリコン膜5表面に滴下し、上記と同様にして液滴10aを走査し、ポリシリコン膜5だけを溶解する。TMAH水溶液10は下層の酸化ケイ素膜4は溶解しないので、ポリシリコン膜5だけを選択的に溶解することができる。このTMAH水溶液10を回収し、例えばICP−MS法で回収TMAH水溶液中の金属濃度を定量する。この場合、TMAH水溶液10中には内部標準元素が添加されているので、金属の絶対量を高感度かつ高精度で測定することができる。
【0031】
次に、シリコンウエーハ2を傾けて酸化ケイ素膜4表面を超純水で洗浄した後、図1の(c)に示すように、溶解液としてフッ酸水溶液11を滴下し、上記と同様にして液滴11aを走査し、酸化ケイ素膜4だけを溶解する。フッ酸水溶液11は下層のシリコンウエーハ2は溶解しないので、酸化ケイ素膜4だけを選択的に溶解することができる。このフッ酸水溶液11を回収し、例えばICP−MS法で回収フッ酸水溶液中の金属濃度を定量する。この場合、フッ酸水溶液11中には内部標準元素が添加されているので、金属の絶対量を高感度かつ高精度で測定することができる。
【0032】
上記のようにして、多層膜3を表面層から1層ずつ順次溶解することにより、各層毎に高感度かつ高精度で分析することができる。
図1ではポリシリコン膜5が積層されているが、ポリシリコン膜5の代わりにアモルファスシリコン膜が積層されている基板の場合も、上記と同じ方法で分析することができる。
【0033】
【実施例】
実施例1
シリコンウエーハ(8インチ)/酸化ケイ素膜(膜厚0.05μm)/ポリシリコン膜(膜厚0.2μm)/自然酸化(SiO2)膜からなる基板の層別分析を行った。
まず最表面層(自然酸化膜)を溶解するために、フッ酸(HF)水溶液(濃度2重量%、液温20℃)2mlを自然酸化膜表面に8か所に分けて滴下した。フッ酸水溶液には内部標準元素としてインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、自然酸化膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
【0034】
次に、ポリシリコン膜を溶解するためにテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液とアンモニア水の混合溶液(TMAH濃度5重量%、アンモニア濃度4重量%、液温20℃)4mlをポリシリコン膜表面に10か所に分けて滴下した。混合溶解液にはインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、ポリシリコン膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
【0035】
最後に、表面を純水で洗浄した後、酸化ケイ素膜を溶解するために、フッ酸水溶液(濃度2重量%、液温20℃)2mlを酸化ケイ素膜表面に8か所に分けて滴下した。フッ酸水溶液にはインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、酸化ケイ素膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
これらの操作により、シリコンウェーハ表面多層膜の各層毎の不純物を分析した。分析結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003807265
【0037】
実施例2
シリコンウエーハ(8インチ)/酸化ケイ素膜(膜厚0.1μm)/ポリシリコン膜(膜厚0.2μm)/窒化ケイ素膜(膜厚0.1μm)からなる基板の層別分析を行った。
まず、窒化ケイ素膜を溶解するために、フッ酸(HF)水溶液(濃度20重量%、液温20℃)2mlを窒化ケイ素膜表面に8か所に分けて滴下した。フッ酸水溶液には内部標準元素としてインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、窒化ケイ素膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
【0038】
次に、ポリシリコン膜を溶解するためにテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液とアンモニア水との混合溶液(TMAH濃度5重量%、アンモニア濃度4重量%、液温20℃)4mlをポリシリコン膜表面に10か所に分けて滴下した。混合溶解液にはインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、ポリシリコン膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
【0039】
最後に、表面を純水で洗浄した後、酸化ケイ素膜を溶解するために、フッ酸水溶液(濃度2重量%、液温20℃)2mlを酸化ケイ素膜表面に8か所に分けて滴下した。フッ酸水溶液にはインジウム(In)を予め2重量ppb添加した。滴下した液滴をピペットの先端で保持・移動させることにより液滴を走査し、酸化ケイ素膜を全て溶解した。溶解液を回収してICP−MS法で溶解回収液中の金属濃度を定量した。
これらの操作により、シリコンウェーハ表面多層膜の各層毎の不純物を分析した。分析結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
Figure 0003807265

【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は実施例の層別分析方法の別の工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 シリコンウエーハ
3 多層膜
4 酸化ケイ素膜
5 ポリシリコン膜
6 自然酸化膜
7、11 フッ酸水溶液
7a、10a、11a 液滴
8 ピペット
9 端部
10 テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液

Claims (5)

  1. 少なくとも1層がポリシリコン膜またはアモルファスシリコン膜から選ばれたシリコン膜である2層以上の多層膜が積層された基板において、その表面の多層膜の各層を選択的に溶解する溶解液を用いて表面層から各層を1層ずつ溶解し、この溶解液を各層毎に回収し、基板表面の多層膜を各層毎に分析する方法であって、
    前記シリコン膜を選択的に溶解する溶解液として、内部標準元素を添加したテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイドを含む水溶液を用いる
    基板表面多層膜の層別分析方法。
  2. 多層膜を構成するシリコン膜以外の膜が窒化ケイ素膜、酸化ケイ素、タンタル膜、アルミニウム膜および銅膜からなる群から選ばれる膜であり、かつ多層膜は窒化ケイ素膜と酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜とタンタル膜、酸化ケイ素膜とタンタル膜、ポリシリコン膜とアモルファスシリコン膜、またはアルミニウム膜と銅膜が直接には積層されていない多層膜である請求項1記載の層別分析方法。
  3. 多層膜の各層を選択的に溶解する溶解液が、窒化ケイ素膜、酸化ケイ素膜またはタンタル膜に対してはフッ酸水溶液、アルミニウム膜または銅膜に対しては硝酸水溶液である請求項記載の層別分析方法。
  4. 内部標準元素がインジウム(In)、イットリウム(Y)、バナジウム(V)およびスカンジウム(Sc)からなる群から選ばれる元素である請求項1ないし3のいずれかに記載の層別分析方法。
  5. 溶解液を膜表面に滴下した後、移動走査させて各層の溶解を行う請求項1ないしのいずれかに記載の層別分析方法。
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