JP3807122B2 - 熱現像感光材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感度、高照度不軌特性に優れ、かつ製造安定性に優れた感光性ハロゲン化銀粒子を含有する熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱現像により画像を形成する材料及び方法は、例えば米国特許第3,152,904号、同3,457,075号、およびD.モーガン(Morgan)とB.シェリー(Shely)による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウォールワーズ(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第2頁(1969年)に記載されている。このような感光材料は、還元可能な非感光性の銀源(例えば有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えばハロゲン化銀)、および銀イオンの還元剤を通常(有機)バインダーマトリックス中に分散した状態で含有している。感光材料は常温で安定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱した場合に、還元可能な銀源(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。
【0003】
この酸化還元反応は露光で発生した感光性ハロゲン化銀中の潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の還元可能な銀源と還元剤との反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。
【0004】
感光性ハロゲン化銀粒子の形成方法は当業界ではよく知られており、例えばリサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができる。このような熱現像用ハロゲン化銀において高照度不軌への対応、あるいは電子トラップを付与する方法としてハロゲン化銀形成時にIrドーパントをドープすることはよく知られている。
【0005】
米国特許5,434,043号にはコアシェル型構造粒子のシェル部分にIrをドープする事により高感度、照度不軌特性の優れた粒子が得られる記載がある。また特開平5−150395号にはハロゲン化銀粒子表面にIrイオンを含有させ、増感色素との組み合わせにより性能を向上させる技術が開示されている。一方熱現像用ハロゲン化銀は一般のカラーネガ、ペーパーと異なり、ハロゲン化銀自体は現像の触媒として作用するため、粒子の潜像の形成数、サイト、分布などが最終的に感材の性能に大きく影響する。このため高照度不軌特性向上として、電子トラップとして作用するIrを再現性よく均一にドープすることが重要であるが、これについては特に上記特許においても言及されていないが、実際にこれらのIrドープ手段によって得られた、ハロゲン化銀粒子を用いた場合には特性が安定せず感度、特にレーザー露光等の高照度露光での感度が低く、又性能が不安定である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、感度、高照度不軌の性能安定性にすぐれた製造安定性の高いハロゲン化銀粒子を用いた熱現像感光材料を提供する事にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の構成により達成された。
【0008】
(1)支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオンの還元剤及びバインダーを塗設してなる熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀粒子が、平均粒子径0.05μm以上のハロゲン化銀粒子に対し、予め調製された、Irドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子を添加することにより調製されたものであって、かつ、前記Irドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子は、硝酸銀溶液とハロゲン化アルカリ溶液及びIr錯塩溶液それぞれを、攪拌を用いずに、乱流下で混合して、連続的に形成されるものであることを特徴とする熱現像感光材料。
また、参考として、以下の構成も好ましいものである。
(2)支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオンの還元剤及びバインダーを塗設してなる熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀粒子が、平均粒子径0.05μm以上のハロゲン化銀粒子に対し、予め調製された、Irドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子を添加する事により調製された事を特徴とする熱現像感光材料。
【0009】
Irをハロゲン化銀粒子中にドープするには、母液であるゼラチン溶液中、あるいはハライド溶液にIr錯塩溶液を添加してハロゲン化銀の形成とともにIrをドープする方法が通常行われる。しかしながら一般にハロゲン化銀への金属錯体のドープは反応容器の撹拌装置、撹拌条件あるいはスケールに大きく作用される。
【0010】
熱現像感光材料に上記Irドープハロゲン化銀粒子を適用しようとすると、熱現像感光材料においてはハロゲン化銀は通常の感光材料と異なり画像銀のソースとはならずに現像の触媒として使用するために、ハロゲン化銀粒子内の潜像の形成数やサイト、分布等やハロゲン化銀粒子間でのこれらのバラツキが熱現像感光材料の特性に大きく影響する。これらのバラツキをなくすためにはドーパントのより均一な分布が必要と考えられる。従来のドープ法で調製したIrドープハロゲン化銀粒子を用いた熱現像感光材料では感度、特に高照度での感度が未だ低いという欠点があり又、製造スケールによる特性のバラツキがあり、熱現像感光材料の性能としては十分なものではなかった。これらは調製したハロゲン化銀各粒子間のIrの分布の不均一によるものと考えられる。そこで本発明者は、予め、硝酸銀溶液とハロゲン化アルカリ溶液及びIr錯塩溶液それぞれを、攪拌を用いずに、乱流下で混合して、連続的に形成し、Irドープをおこなったハロゲン化銀微粒子をホスト粒子に添加することによってハロゲン化銀粒子を調製する事で、Irがホスト粒子に均一に取り込まれ又、出来上がった粒子間での分布の不均一がない乳剤が得られる為と考えられるが、上記性能の向上がもたらされる事を見いだした。また反応容器のスケールアップ、攪拌装置の違いによってIrドープ量が再現しないという問題を抑えることが出来、スケールアップによる感材性能の差異をこの方法により抑えることができることがわかった。
【0011】
ホストハロゲン化銀粒子に、攪拌を用いずに、乱流下で混合して、別調製したIr含有微粒子ハロゲン化銀を混合する事で微粒子ハロゲン化銀が溶解しホスト粒子上にIrドーパントを均一にドープする事で粒子間のドーパントの分布がより均一な乳剤が得られ、本発明の効果がもたらされると本発明者は推測している。
【0012】
本発明の熱現像感光材料に用いられるハロゲン化銀粒子の形状については、特に制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には70%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用したT.Tani,J.Imaging Sci.,29,165(1985)により求めることができる。またもう一つの好ましいハロゲン化銀の形状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影面積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚みをhμmとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものをいう。その中でも好ましくはアスペクト比が3以上50以下である。これらは米国特許第5,264,337号、第5,314,798号、第5,320,958号等に記載されており、容易に目的の平板状粒子を得ることができる。
【0013】
ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafkides著Chimie et Physique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Focal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著Making and Coating Photographic Emulsion(The Focal Press刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを用いてもよい。
【0014】
一般に熱現像感材に用いるハロゲン化銀粒子としては通常、平均粒子径0.1μm以下の微細なサイズの粒子が用いられる。本発明ではIrドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子が溶解することが必要であるため、ホスト粒子としては平均粒子径0.05μm以上であることが必要であり、0.05μm〜0.3μmであることが好ましく、更に好ましくは0.06μm〜0.2μm、更に好ましくは0.07μm〜0.1μmの範囲である。ハロゲン化銀粒子サイズが大きすぎると保存カブリ等を引き起こすため、微粒子が溶解する範囲で微小なサイズのハロゲン化銀粒子を用いることが好ましい。粒子径は、ハロゲン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶である場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0015】
粒子径は該粒子を電子顕微鏡で拡大投影して、そのプリント上の投影時の面積を実測することによって得ることが出来る。又、平均粒径は測定粒子個数をnとし粒径diを有する粒子頻度をniとしたとき次式により求めることが出来る。
【0016】
平均粒径=Σni・di/n
(測定粒子個数は無差別に1000個以上であるとする)
またハロゲン化銀は単分散であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式で求められる単分散度が40以下をいう。更に好ましくは30以下であり、特に好ましくは20%以下となる粒子である。
【0017】
単分散度=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100
ホスト粒子へのIr錯塩の添加量は銀1モルあたり10-8〜10-2モルが好ましく、10-7〜10-4が更に好ましい。Ir錯塩としては、
K2〔IrCl6〕
Na2〔IrCl6〕
K2〔Ir(NO)Cl5〕
等が好ましいがこれに限定されるものではない。
【0018】
ハロゲン化銀微粒子の製造方法に関しては当業界ではよく知られているリップマン乳剤と呼ばれる硝酸銀水溶液とハライド水溶液を母液であるゼラチン溶液中にシングルジェットまたはダブルジェット法により添加して形成する方法を用いることができるが、本発明では、後述するようにハロゲン化銀微粒子を連続的に形成することが好ましい。形成されたハロゲン化銀微粒子の平均粒子径は0.05μm以下が好ましく、更に好ましくは0.04μm、最も好ましくは0.03μm以下が好ましい。ハロゲン化銀ホスト粒子の調製時は処方により、通常任意の温度を用いてよい。一方微粒子の添加時はホスト粒子同士の熟成が起こらない範囲で高温であることが生産性の点から好ましい。40〜80℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃、最も好ましくは60〜80℃である。一方Irを含有する微粒子乳剤はオストワルド熟成を抑えるため、できる限り低温で保持しておくか、形成後直ちに添加することが好ましい。保持する際の温度としては40℃以下が好ましく、更に好ましくは30℃以下、最も好ましくは25℃以下である。また該ハロゲン化銀微粒子添加時に当業界で一般に知られているチオエーテル化合物、アンモニア化合物、ハロゲンなどのハロゲン化銀溶剤を存在させることができる。またIr錯塩はGel水溶液あるいはハライド水溶液のいずれに添加してもよいし、混合時にこれを単独で添加する方法でもよい。
【0019】
上記微粒子ハロゲン化銀と前記ホストハロゲン化銀粒子を共存させることにより、微粒子は溶解し大きな粒子上に析出することで所謂オストワルド熟成が起こり、ホスト粒子を母体にした、Irが均一に分布した新たな熱現像感光材料に用いるのに適した本発明に係わるハロゲン化銀粒子を得ることが出来る。
【0020】
前記微粒子ハロゲン化銀粒子については可溶性銀塩溶液と可溶性ハライド溶液を供給し反応しハロゲン化銀微粒子を形成させる際に、ハロゲン化銀微粒子が流路中で連続的に形成されるものが好ましく、連続的に形成することで、均一な粒子の揃ったハロゲン化銀微粒子を得ることが出来る。これらハロゲン化銀微粒子を形成する混合器については内部に攪拌機を有するもの、ないものでもよいが、本発明においては、シール部分からのもれや、循環流のない静的な混合器を用いる。混合器での形成に関しては硝酸銀溶液、ハライド溶液、及びGel水溶液をトリプルジェットで添加しても良いし、硝酸銀溶液及びハライド溶液とゼラチンの混合溶液をダブルジェットで添加してもよい。またその逆でもよい。溶液の添加部分は各溶液に対して1つでもよいし、複数の管で分散添加してもよい。
【0021】
混合器で形成された微粒子ハロゲン化銀乳剤は形成後直ちにホスト乳剤の存在する反応容器中に添加してもよいが、バッファとなる容器を設け、そこにいったん貯蔵し、pAgやpH、温度など調整、あるいは有用な添加剤を添加してから反応容器に添加してもよい。好ましくはホスト粒子の形成終了にあわせて該微粒子乳剤が添加できるように混合開始時間を調整することが好ましい。
【0022】
混合器への送液装置は特に制限はなく、ロータリーポンプ、プランジャーポンプなどの送液ポンプを用いてもよいし、ニードル弁などの流量制御装置を用いてもよい。
【0023】
微粒子ハロゲン化銀は微小な粒子であるために反応系における反応成分の局所的な不均一や温度等の条件の不均一性の影響を受けやすい為、本発明において、微小な領域で反応を乱流下で連続的に行う。それにより粗大粒子の生成や粒子間でのIrドープ量等のバラツキが少ない微粒子乳剤が得られる。粗大粒子が多いと溶解速度が遅くなり、調製に時間がかったり、ホスト粒子へのIrのドープが十分に行われない等の不利益を引き起こすので好ましくない。これらの微粒子ハロゲン化銀調製に用いるに好適な混合器の形状については例えば、特願平10−22035に記載されたものを参考にする事ができる。例えば、第1の流路から送り込まれた硝酸銀溶液と、第2の流路から送り込まれたハライド溶液とIr錯塩溶液を連続的に衝突、混合させてから第3の流路に送り込み、ここから連続的に吐出するようにした混合器を用いることが出来る。本発明の実施において仕込量が大きくなったときにこれらの装置によれば安定に本発明に係わるハロゲン化銀微粒子を製造することが出来る。
【0024】
本発明のハロゲン化銀粒子を製造するのに好適な上記の装置の例を図1に示す。図1はハロゲン化銀微粒子を形成する混合器と貯蔵容器及び反応容器を模式的に示す概略図である。図1中、1はハロゲン化銀微粒子乳剤を製造する為の混合器であり、2はそこで生成したハロゲン化銀微粒子乳剤を貯蔵しておく貯蔵容器であり、撹拌機又、図示されていないが温度を低温に保っておくための温調装置が付属している。3はホスト乳剤粒子と上記ハロゲン化銀微粒子乳剤が混合され熟成によってハロゲン化銀微粒子がホストハロゲン化銀粒子に取り込まれ新たな粒子を形成する反応容器であり、上記微粒子乳剤供給のためのノズルと撹拌装置、又、図示されていないが温調装置等を備えている。
【0025】
混合器1について詳しく説明すると、ここにおいてT1、T2は混合する各反応成分即ち可溶性ハライド溶液及び可溶性銀塩溶液を貯蔵する反応溶液貯蔵タンクでありそれぞれ送液の為にポンプP1、P2を備えており又それぞれに送液量を制御するための制御手段S1、S2が備え付けられている。それぞれの反応溶液貯蔵タンクから上記溶液はポンプP1、P2を通ってそれぞれ第1流路11及び第2流路12に送られる。各流路へ送液するにあたり、第1、第2流路の交点Cにおける逆流を防いだり、より均一な混合を行うために流れは実質的に乱流とする。乱流はレイノルズ数によって定義される。レイノルズ数とは、流れの中にある物体の代表的な長さをD、速度をU、密度をρ、粘性率をηとすると、以下の無次元数によって定義される。
【0026】
Re=DUρ/η
一般に、Re<2300の時を層流、2300<Re<3000を遷移域、Re>3000の時を乱流という。実質的に乱流とはRe>3000をさし、好ましくはRe>5000、より好ましくはRe>10000である。本発明においてはレイノルズ数3000以上で送液する。5000以上が更に好ましい。
【0027】
各反応溶液はこの微小な部分である交点Cにて混合され反応し第3流路13を通って、図示されていないが、何らかの接続手段によって貯蔵容器2に送られ蓄えられる。
【0028】
貯蔵容器2に蓄えられたハロゲン化銀微粒子はこれを送液するポンプP0又、これを制御する制御手段S0を通して、別途反応容器3中のホストハロゲン化銀粒子乳剤中に送られホストハロゲン化銀粒子と混合される。この際、ホストハロゲン化銀粒子はこの反応容器中で調製されたものでもよいし又、別の反応容器にて調製された後、上記反応容器3に送られたものでもよい。
【0029】
この後一定時間熟成のプロセスによって微粒子ハロゲン化銀乳剤は溶解しホストハロゲン化銀粒子に吸収され、新しい粒子を形成する。
【0030】
混合器の形状としては図1の様に第1流路11及び第2流路12が90度で衝突する構造が好ましいが、図2はハロゲン化銀微粒子を形成する混合器の別の形態を示しているが、この様に180度で混合する形態でもよい。
【0031】
又、流路の管径としては上記レイノルズ数を満足する範囲で任意に選択することが出来るが、好ましくは10mm以下であることが好ましい。
【0032】
図3はやはり別形態の混合器を表しているが、三つの成分を反応させるのに用いる混合器で、混合器部分1、反応溶液貯蔵タンクT1、T2及びT3とそれぞれに具備されたポンプP1、P2及びP3とその流量を制御する制御手段S1、S2及びS3が備え付けられている。それぞれ硝酸銀溶液、ハロゲン化物溶液及びゼラチン水溶液をトリプルジェット法でこの装置により混合する事が出来る。この時の送液条件は上記レイノルズ数を満足する様な条件で送液する。各反応液の流路、即ち第1流路11、第2流路12、及び第3流路13の交点Cにおいて混合された反応液は第4流路14を通って排出される。図示していないがこの反応液は何らかの接続手段を用いて前記の貯蔵容器2に貯蔵される。
【0033】
又、Ir化合物はゼラチン水溶液、ハロゲン化物溶液、いずれに添加してもよいし、又図4の混合器の様に更に反応溶液貯蔵タンクT4、ポンプP4及び制御手段S4及び第5流路15を設けてIr化合物を別に添加する方法によってもよい。
【0034】
混合器で形成された微粒子ハロゲン化銀乳剤は形成後直ちにホスト乳剤粒子の存在する反応容器に添加してもよいが、前述のようにバッファとなる容器を設けそこに一旦貯蔵し、pAgやpH、温度などを調整したり、或いは有用な添加剤を添加してから反応容器に添加してもよい。好ましくはホスト粒子の形成終了にあわせて該微粒子乳剤が添加できるように混合開始時間を調整することが好ましい。
【0035】
混合器或いは反応容器への送液装置であるポンプP1〜P4は特に制限はなく、ロータリーポンプ、プランジャーポンプなどの送液ポンプを用いてもよいし、ニードル弁などの流量制御装置を用いてもよいが、好ましくは脈動の少ないプランジャーポンプやシリンジポンプが好ましい。
【0036】
この様にして調製された感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法、限外濾過法、電気透析法等の公知の脱塩法により脱塩することができる。
【0037】
本発明の方法によってこうして調製された感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組み合わせによって化学増感する事が出来る。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許第4,036,650号、英国特許第1,518,850号各明細書、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号各公報に記載されている。
【0038】
本発明の熱現像感光材料は、感光性のハロゲン化銀、非感光性の有機銀塩、および銀イオンの還元剤、バインダーを基本的に含有し、熱現像処理法を用いて写真画像を形成するものであり前記の文献に詳しいが以下にその構成及び構成成分について述べる。
【0039】
本発明のハロゲン化銀はいかなる方法で上記の熱現像感光材料の画像形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還元可能な非感光性の有機銀塩に近接するように配置する。本発明ではハロゲン化銀を前記通りの方法にて予め調製しておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加する方法がとられる。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に対して0.75〜30重量%の量で含有することが好ましい。
【0040】
又、本発明の熱現像感光材料には上記の感光性ハロゲン化銀の他、例えば英国特許第1,447,454号明細書に記載されている様な、有機銀塩を調製する際にハライドイオン等のハロゲン成分を有機銀塩形成成分と共存させこれに銀イオンを注入する事で有機銀塩の生成とほぼ同時に生成させる方法を用いて調製したハロゲン化銀を一部、本発明に係わるハロゲン化銀粒子と同時に用いることもできる。
【0041】
又、これらの調製法として、予め調製された有機銀塩の溶液もしくは分散液、又は有機銀塩を含むシート材料にハロゲン化銀形成成分を作用させて、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換してもよい。
【0042】
このようにして形成されたハロゲン化銀は有機銀塩と有効に接触しており好ましい作用を呈する。
【0043】
ハロゲン化銀形成成分とは有機銀塩と反応して感光性ハロゲン化銀を生成しうる化合物であり、どのような化合物がこれに該当し有効であるかは次のごとき簡単な試験で判別する事が出来る。即ち、有機銀塩と試験されるべき化合物を混入し必要ならば加熱した後にX線回折法によりハロゲン化銀に特有のピークがあるかを調べるものである。かかる試験によって有効であることが確かめられたハロゲン化銀形成成分としては、無機ハロゲン化物、オニウムハライド類、ハロゲン化炭化水素類、N−ハロゲン化合物、その他の含ハロゲン化合物があり、その具体例については米国特許第4,009,039号、同第3,457,075号、同第4,003,749号、英国特許第1,498,956号各明細書及び特開昭53−27027、同53−25420号各公報に詳説されるが以下にその一例を示す。
【0044】
(1)無機ハロゲン化物:例えばMXnで表されるハロゲン化物(ここでMは、H、NH4、及び金属原子を表し、nはMがH及びNH4の時は1を、Mが金属原子の時はその原子価を表す。金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、カドミウム、水銀、錫、アンチモン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、セリウム等がある。)、又、臭素水などのハロゲン分子も有効である。
【0045】
(2)オニウムハライド類:例えばトリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、セチルエチルジメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイドの様な第4級アンモニウムハライド、テトラエチルフォスフォニウムブロマイドの様な第4級フォスフォニウムハライド、トリメチルスルフォニウムアイオダイドの様な第3級スルフォニウムハライドがある。
【0046】
(3)ハロゲン化炭化水素類:例えばヨードフォルム、ブロモフォルム、四塩化炭素、2−ブロム−2−メチルプロパン等。
【0047】
(4)N−ハロゲン化合物:例えばN−クロロ琥珀酸イミド、N−ブロム琥珀酸イミド、N−ブロムフタルイミド、N−ブロムアセトアミド、N−ヨード琥珀酸イミド、N−ブロムフタラゾン、N−ブロムオキサゾリノン、N−クロロフタラゾン、N−ブロモアセトアニリド、N,N−ジブロモベンゼンスルホンアミド、N−ブロモ−N−メチルベンゼンスルホンアミド、1,3−ジブロモ−4,4−ジメチルヒダントイン、N−ブロモウラゾール等。
【0048】
(5)その他のハロゲン含有化合物:例えば、塩化トリフェニルメチル、臭化トリフェニルメチル、2−ブロム酢酸、2−ブロムエタノール、ジクロロベンゾフェノン等がある。
【0049】
これらのハロゲン化銀形成成分は有機銀塩に対して化学量論的には少量用いられる。通常、その範囲は有機銀塩1モルに対し0.001モル乃至0.7モル、好ましくは0.03モル乃至0.5モルである。ハロゲン化銀形成成分は上記の範囲で2種以上併用されてもよい。上記のハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的にあわせ適宜設定する事が出来るが、通常、反応温度は−20℃乃至70℃、その反応時間は0.1秒乃至72時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。この反応は又、後述する結合剤として使用されるポリマーの存在下に行われることが好ましい。この際のポリマーの使用量は有機銀塩1重量部当たり0.01乃至100重量部、好ましくは0.1乃至10重量部である。又ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許第3,980,482号明細書に記載されているように、増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。
【0050】
本発明の熱現像感光材料に使用される銀イオン源としての有機銀塩としては、(1)イミノ基を有する有機化合物の銀塩、例えば、サッカリン類の銀塩、ベンゾトリアゾール類の銀塩、フタラジノン類の銀塩、ベンゾオキサジン類の銀塩、イミダゾール類の銀塩、テトラアザインデン類の銀塩、ペンタアザインデン類の銀塩等。
【0051】
(2)メルカプト基又はチオン基を有する有機化合物の銀塩、例えば、2−メルカプトベンゾオキサゾール類の銀塩、メルカプトオキサジアゾール類の銀塩、2−メルカプトベンゾチアゾール類の銀塩、2−メルカプトベンゾイミダゾール類の銀塩、2−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール類の銀塩等。
【0052】
(3)カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩、この例としては、脂肪族カルボン酸類の銀塩、芳香族カルボン酸の銀塩(例えば安息香酸銀、フタル酸銀、フェニル酢酸銀、4′−n−オクタデシルオキシジフェニル−4−カルボン酸の銀塩等)等が挙げられる。
【0053】
これらの有機銀塩の更に詳しい具体例及びここに記した以外の有機銀塩の例については、例えば米国特許第3,457,075号、同第3,549,379号、同第3,785,830号、同第3,933,507号、同第4,009,039号及び英国特許第1,230,642号各明細書又は特開昭50−93139号、同50−99719号、同52−141222号及び同53−36224号各公報の記載により公知であり、本発明においてもこれらの有機銀塩の中から適宜選択して使用することが出来る。これらの有機銀塩のなかでも好ましい例としては、炭素数10乃至40、特に18乃至33の長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が挙げられ、具体的にはラウリン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、アラキジン酸銀、ベヘン酸銀、リグノセリン酸銀、ペンタコサン酸銀塩、セロチン酸銀、ヘプタコサン酸銀、モンタン酸銀、メリシン酸銀、ラクセル酸銀等を挙げることが出来る。
【0054】
かかる有機銀塩の製造は例えば、米国特許第3,457,075号、同第3,458,544号、同第3,700,458号、同第3,839,049号、同第3,960,908号、英国特許第1,173,426号各明細書又は特開昭49−52626号、同51−122011号、同52−14122号各公報に記載された公知の種々の方法より行うことが出来る。特に有機銀塩形成時に米国特許第3,700,458号明細書又は特開昭53−32015号公報に記載されたポリマー類や、米国特許第3,887,597号明細書又は又は特開昭49−13224号公報に記載された含金属化合物を存在させておくと、有機銀塩の粒子形態、粒子サイズ、写真特性を改良できるので好ましい。これらの共存成分の使用量の好ましい範囲は、生成される有機銀塩1モルに対してポリマー類は0.1g乃至1000g、好ましくは1g乃至500gであり、含金属化合物の場合は10-6モル乃至10-1モルである。
【0055】
上記のごとく調製される有機銀塩の中でも、長径が約0.01ミクロン乃至10ミクロン、特に0.1ミクロン乃至5ミクロンの粒子サイズを有するものが好ましく使用される。
【0056】
本発明において有機銀塩は、支持体1m2当たり銀量に換算して0.1g乃至4g、好ましくは0.2g乃至2.5gの範囲で用いられる。これは適度な濃度を与えるに必要十分な量の範囲であって、この範囲より少ない場合画像濃度が不足になり、又この濃度より多くを用いても画像濃度は増加せず、かえってコスト高になる。
【0057】
本発明の熱現像感光材料に用いられる還元剤としては、一般に知られているものが挙げられ、例えば、モノフェノール類、2個以上のフェノール基を有するポリフェノール類、モノナフトール類、ビスナフトール類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼン類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタレン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエーテル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミドオキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、さらに詳しくは例えば、米国特許第3,615,533号、同第3,679,426号、同第3,672,904号、同第3,751,252号、同第3,782,949号、同第3,801,321号、同第3,794,488号、同第3,893,863号、同第3,887,376号、同第3,770,448号、同第3,819,382号、同第3,773,512号、同第3,839,048号、同第3,887,378号、同第4,009,039号、同第4,021,240号、英国特許第1,486,148号若しくはベルギー特許第786,086号各明細書及び特開昭50−36143号、同50−36110号、同50−116023号、同50−99719号、同50−140113号、同51−51933号、同51−23721号、同52−84727号若しくは特公昭51−35851号各公報に具体的に例示された還元剤があり、本発明はこのような公知の還元剤の中から適宜選択して使用することが出来る。選択方法としては、実際に熱現像感光材料をつくってみてその写真性を評価する事により使用した還元剤の優劣を調べる方法が最も簡便である。
【0058】
上記の還元剤の中で、有機銀塩として脂肪族カルボン酸銀塩を使用する場合に好ましい還元剤としては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一つにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって連結されたポリフェノール類(例えば1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,−t−ブチル−4−メチルフェノール)、6,6′−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメチルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第3,589,903号、同第4,021,249号若しくは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開昭51−51933号、同50−36110号、同50−116023号、同52−84727号若しくは特公昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール化合物)、米国特許第3,672,904号明細書に記載されたビスナフトール類(例えば、2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジブロモ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、6,6′−ジニトロ−2,2′−ジヒドロキシ−1,1′−ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、4,4′−ジメトキシ−1,1′−ジヒドロキシ−2,2′−ビナフチル等)、更に米国特許第3,801,321号明細書に記載されているようなスルホンアミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類(例えば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンスルホンアミドナフトール等)を挙げることが出来る。
【0059】
本発明の熱現像感光材料に使用される還元剤の量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によって種々変動するが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.05モル乃至10モル好ましくは0.1モル乃至3モルが適当である。又この量の範囲内において、上述した還元剤は2種以上併用されてもよい。
【0060】
本発明の熱現像感光材料において、上述した各成分と共に色調剤、色調付与剤若しくは付活剤トーナーと称せられる添加剤(以下色調剤と呼ぶ)が使用される事が望ましい。色調剤は有機銀塩と還元剤の酸化還元反応に関与して、生ずる銀画像を濃色、特に黒色にする機能を有する。色調剤としては、既にきわめて多種の化合物が公知であるが、この殆どのものはイミノ基、メルカプト基又はチオン基を有する化合物である。この中から使用する有機銀塩及び還元剤の種類にあわせて適当な色調剤を選択すればよい。本発明の熱現像感光材料において好ましい色調効果を与えるものとしては、フタラジノン類(例えばフタラジノン、2−アセチルフタラジノン、2−カルバモイルフタラジノン等)、2−ピラゾリン−5−オン類(例えば3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン等)、キナゾリン類(例えばキナゾリン、4−メチルキナゾリン等)、ピリミジン類(例えば6−メチル−2,4−ジヒドロキシピリミジン等)、1,2,5−トリアジン類(例えば3−メチル−4,6−ジヒドロキシ−1,2,5−トリアジン等)、フタラジンジオン類(例えばフタラジンジオン等)、環状イミド類(例えばサクシンイミド類、フタルイミド類、ウラゾール類、ベンゾオキサジンジオン類、ナフタルイミド類)等のイミノ基を有する複素環式化合物が挙げられる。これらの色調剤は2種以上併用してもよく、又特開昭53−1020号及び53−55115号各公報に記載されているようにフタラジノンと組み合わせてベンゾオキサジンジオン類、ベンゾチアジンジオン類若しくはフタルイミド類を併用することにより高温高湿下での貯蔵に由来する色調効果の劣化を防止することが出来る。
【0061】
又米国特許第3,847,612号及び同第3,994,732号各明細書に記載されているようにフタル酸、ナフトエ酸若しくはフタルアミド酸とイミダゾール類若しくはフタラジン類を併用して色調剤として用いることもできる。
【0062】
色調剤を用いる場合、その使用量は有機銀塩1モル当たり0.0001モル乃至2モル、特に0.0005モル乃至1モルの範囲が好適である。
【0063】
本発明の熱現像感光材料に用いられる各成分はバインダーとして少なくとも一種のコロイド中に分散させられる。好適なバインダーとしては疎水性の高分子材料を挙げることが出来るが、場合によっては親水性の高分子材料を併用で或いは単独でも使用することが出来る。バインダーとして用いられる高分子材料は塗布、又は流延したときに透明若しくは半透明でかつ無色、白色若しくは淡色の層を与えるものが好ましい。例えばゼラチンのごとき蛋白質、セルロース誘導体、デキストランの如きポリサッカライド又はアラビアゴム等の天然高分子材料や、合成高分子材料等があるが、その中でもポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、セルロースアセテートブチレート、ゼラチン又はポリビニルアルコールが好ましく用いられる。特に好ましいのはポリビニルブチラールである。又必要によってこれらの高分子材料を2種以上併用してもよい。かかる高分子材料の使用量はその中に分散した有機銀塩やハロゲン化銀粒子や、或いは溶解させた還元剤、色調剤等の成分を担持せしめるに十分な量、即ちバインダーとして有効な量の範囲で用いられる。その範囲は当業者によって適宜決定できるものであるが、一例として少なくとも有機銀塩を分散担持せしめる場合は、有機銀塩に対し重量比で10対1乃至1対10、特に4対1乃至1対4の範囲で用いられる。
【0064】
上記感光性層は複数層にしても良く、また階調の調節のため感度を高感層/低感層又は低感層/高感層にしても良い。
【0065】
又、熱現像感光層以外にも保護層やバッキング層が目的に応じて塗設されるがこれらの層に用いられるバインダーとしては上記にあげたものがあり、例えばゼラチンのごとき蛋白質、セルロース誘導体、デキストランの如きポリサッカライド又はアラビアゴム等の天然高分子材料や、合成高分子材料等があるが、その中でもポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、エチルセルロース、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、セルロースアセテートブチレート、ゼラチン又はポリビニルアルコールが好ましく用いられる。又これらの層に熱現像感光材料に用いられる例えば還元剤等の成分を含有させてもよい。
【0066】
本発明の熱現像感光材料の各成分を含む組成物は、使用したバインダーが自己支持性を有する膜を与えるものである場合には公知の流延法に従って各成分を担持する膜として成形されてよいが、通常好ましくは広範な材料から選択された各種の支持体上に1層又は2層以上に分割されて塗布される。支持体の素材としては各種高分子材料、ガラス、ウール布、コットン布、紙、金属(例えばアルミニウム)等が挙げられるが、情報記録材料としての取り扱い上は可撓性のあるシート又はロールに加工できるものが好適である。従って本発明の熱現像感光材料における支持体としては、プラスチックフィルム(例えばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、セルローストリアセテートフィルム又はポリカーボネートフィルム等)又は紙(一般の紙の他に、例えば写真用原紙、コート紙、若しくはアート紙のような印刷用原紙、バライタ紙、レジンコート紙、ベルギー特許第784,615号明細書に記載されている様なポリサッカライド等でサイジングされた紙、二酸化チタンなどの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコールでサイジングされた紙)が特に好ましい。
【0067】
感光材料に露光する光源としては、自然光、タングステンランプ、発光ダイオード、CRT光源、レーザー光源などがあるがレーザー光源が好ましい。又、非線形光学材料とレーザー光を組み合わせた波長変換素子を組み込んだものでもよい。現在、各種スキャナー用の光源としてレーザー光源を用いるものが多く用いられており、高照度短時間の露光となるため、これらにて露光を行うとき、本発明の効果が大きい。又、感光材料としては、これらの光源の分光特性にあわせた分光感度を有するものが好ましく、種々の感光色素を含有できるが、特に半導体レーザーに合わせた赤外領域に分光感度をもたせるのが好ましく、この為に公知の種々の赤外感光色素を含有することが出来る。
【0068】
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理にて写真画像を形成するもので、有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤及び必要に応じて銀の色調を抑制する色調剤を通常上記のバインダーマトリックス中に分散した状態で含有している熱現像感光材料であることが好ましい。本発明の熱現像感光材料は常温で安定であるが、露光後高温に加熱することで現像される。加熱することで有機銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光でハロゲン化銀に発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成がなされる。この反応過程は、外部から水等の処理液を供給することなしで進行する。現像条件は、使用する材料の組成や構成、構造等に依存して変化するが、典型的には、適した高温において材料を加熱することによって行う。露光により形成された潜像は、中程度の高温(例えば約80℃〜250℃、好ましくは約100℃〜200℃)で十分な時間(一般には約1秒〜約2分間)材料を加熱することにより現像することが出来る。加熱は、ホットプレート、アイロン、ホットローラー、炭素又は白色チタン等を用いた熱発生器等の典型的な加熱手段で行ってよい。又、より好ましくはヒートローラーに接触させながら搬送し加熱現像する事が熱効率、作業性の点等で好ましい。
【0069】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0070】
参考例1
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製) (比較例)
特公昭58−58288記載の攪拌装置を用いて、水900ml中にオセインゼラチン7.5g(平均分子量12万)及び臭化カリウム10mgを溶解して温度45℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370ml、及び臭化カリウム50.8gと沃化カリウム1.45g(モル比でBr:I=98:2)、K2IrCl6の1%溶液0.21ccを含む水溶液370mlをコントロールドダブルジェット法で15分間かけて添加した。この際別途用意した0.5モル/lの臭化カリウム溶液を同時に添加することによりpAgを7.7に保ちながらハロゲン化銀粒子形成をおこなった。
【0071】
その後NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.075μm、粒子サイズの変動係数11%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤(花王製 商標:デモール)および20wt%硫酸マグネシウム水溶液を用いて凝集沈降させ、上澄み液を排出した後、純水を加えて水洗した。この操作を3回行い、その後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。
【0072】
(有機脂肪酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させて有機脂肪酸Na溶液を得た。
【0073】
(有機脂肪酸銀とハロゲン化銀乳剤Aを含む感光性乳剤1の調製)
上記の有機脂肪酸Na溶液に上記ハロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後に、1Mの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、更に20分撹拌し限外濾過により水溶性塩類を除去した。次にこの水系混合物に撹拌しながらポリ酢酸ビニルの酢酸n−ブチル溶液(1.2wt%)100gを徐々に添加して静置し分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に2回の水洗と水の除去を行った。ポリビニルブチラール(平均分子量3000)の2.5wt%のメチルエチルケトン溶液60gを撹拌しながら加えた後、更にポリビニルブチラール(平均分子量4000)60g及びメチルエチルケトンを添加して混合した後に、4000psiで分散させ、感光性乳剤1を得た。
【0074】
(ハロゲン化銀微粒子乳剤B−0の調製)
反応容器内で0.004モルの沃化カリウムを含む2.6重量%、平均分子量5万のゼラチン溶液1000mlを撹拌しながら、42.47gの硝酸銀を含む水溶液250mlと臭化カリウム29.16g、沃化カリウム0.83g及び1%のK2IrCl6水溶液を6.04ml(銀1モルあたり5×10-4モル)含む水溶液250mlを加速された流量で(終了時の流量が初期流量の4倍)で5分間かけて添加した。微粒子の調製中の温度は25℃に保たれた。得られた沃臭化銀微粒子を電子顕微鏡で観察したところ平均粒径は0.035μmであった。なお本乳剤は下記のハロゲン化銀乳剤Bの添加終了5分前に終了するように添加開始時間を調整した。反応終了後は25℃で容器に保存した。
【0075】
(ハロゲン化銀乳剤Bの調製) (参考)
乳剤Aと同様に水900ml中にオセインゼラチン7.5g(平均分子量12万)及び臭化カリウム10mgを溶解して温度45℃、1mol/lの硝酸でpHを3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370ml、及び臭化カリウム50.8gと沃化カリウム1.45g(モル比でBr:I=98:2)を含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で15分間かけて添加した。この際別途用意した0.5mol/lの臭化カリウム水溶液を同時に添加する事によりpAgを7.7に保ちながら粒子形成を行った。
【0076】
ただし添加する総銀量の98%を添加した時点で添加を休止し、10分間かけて温度を70℃に昇温した。昇温後予め調製したハロゲン化銀微粒子乳剤B−0をホスト乳剤(ハロゲン化銀乳剤B)とB−0の比が銀量比で98:2となる銀量分を1分間かけて添加し、その後45分間この状態のまま保持した。
【0077】
その後温度を45℃に降温し、NaOHでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.075μm、粒子サイズの変動係数12%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤を通常のフロキュレ―ション法により水洗・脱塩し、その後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整した。
【0078】
(有機脂肪酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させて有機脂肪酸Na溶液を得た。
【0079】
(有機脂肪酸銀とハロゲン化銀乳剤Bを含む感光性乳剤2の調製)
上記の有機脂肪酸Na溶液に上記ハロゲン化銀乳剤Bを15.1g添加し、感光性乳剤1と同様の操作を行い感光性乳剤2を得た。
【0080】
(ハロゲン化銀乳剤Cの調製) (比較例)
反応容器のサイズを20倍にスケールアップし、相似でスケールアップした撹拌機を用いてハロゲン化銀乳剤Aと同じ処方で調整量のみ10倍にしてハロゲン化銀乳剤Cを調製した。
【0081】
(有機脂肪酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させて有機脂肪酸Na溶液を得た。
【0082】
(有機脂肪酸銀とハロゲン化銀乳剤Cを含む感光性乳剤3の調製)
上記の有機脂肪酸Na溶液に上記ハロゲン化銀乳剤Cを15.1g添加し、感光性乳剤1と同様の操作を行い感光性乳剤3を得た。
【0083】
(ハロゲン化銀乳剤Dの調製) (本発明)
反応容器のサイズを20倍にスケールアップし、相似でスケールアップした撹拌機を用いてハロゲン化銀微粒子乳剤B−0を用いてハロゲン化銀乳剤Bと同じ処方で調整量のみ10倍にしてハロゲン化銀乳剤Dを調製した。
【0084】
(有機脂肪酸Na溶液の調製)
945mlの純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で撹拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させて有機脂肪酸Na溶液を得た。
【0085】
(有機脂肪酸銀とハロゲン化銀乳剤Dを含む感光性乳剤4の調製)
上記の有機脂肪酸Na溶液に上記ハロゲン化銀乳剤Dを15.1g添加し、感光性乳剤1と同様の操作を行い感光性乳剤4を得た。
【0086】
〈PET下引済み写真用支持体の作製〉
市販の2軸延伸熱固定済みの厚さ100μmのPETフィルムの両面に8w/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1とし、また反対側の面に下記帯電防止加工下引塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて帯電防止加工下引層B−1とした。
【0087】
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8w/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には、下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に下引上層A−2として、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に帯電防止機能をもつ下引上層B−2として塗設した。
【0088】
【0089】
【化1】
【0090】
【化2】
【0091】
(支持体の熱処理)
上記の下引済み支持体の下引乾燥工程において、支持体を140℃で加熱し、その後徐々に冷却した。
【0092】
《感光材料の作製》
前記支持体上に以下の各層を順次形成し、試料1を作製した。尚、乾燥は各々60℃,15分間で行った。
【0093】
バック面側塗布:以下の組成の液をB−2を塗設した側の面に塗布した。
【0094】
【0095】
【化3】
【0096】
感光層面側塗布
感光層1:以下の組成の液をA−2を塗設した面側に塗布銀量が2.1g/m2になる様に塗布した。
【0097】
【0098】
【化4】
【0099】
表面保護層:以下の組成の液を感光層の上に塗布した。
【0100】
更に、感光性乳剤1をそれぞれ感光性乳剤2〜4に変更して、同様に、試料2〜4を作製した。
【0101】
《露光及び現像処理》
上記で作製した熱現像感光材料に820nmレーザーダイオードを備えたレーザー感光計で感光材料を露光した後、写真材料を120℃で15秒間処理(現像)した。その際、露光及び現像は23℃、50%RHに調湿した部屋で行った。
【0102】
《性能評価》
得られた画像の評価を濃度計により行った。測定の結果は、Dmin、感度(Dminより1.0高い濃度を与える露光量の比の逆数)で評価し、感度は試料No.1の感度を100として相対感度で、Dminは光学濃度計の測定値で表し、この結果を表1に示した。
【0103】
【表1】
【0104】
表1より、微粒子乳剤を用いた例は感度カブリ特性にすぐれ、かつスケール再現性が良いことがわかる。
【0105】
実施例2
(ハロゲン化銀微粒子乳剤E−0の調製)
図1に概略図で示した混合装置および送液装置を用いて平均分子量5万のゼラチン26g、臭化カリウム29.16g、沃化カリウム0.83g及び1%のK2IrCl6水溶液を6.53ml含む水溶液250mlと42.47gの硝酸銀を含む水溶液250mlをダブルジェットで一定流量で30秒間かけて混合器に添加した。微粒子の調製中の温度は25℃に保たれた。混合後の乳剤は連続的に貯蔵容器に貯えられ、この容器内では25℃に保った。得られた沃臭化銀微粒子を電子顕微鏡で観察したところ平均粒径は0.021μmであった。
【0106】
なお本乳剤は下記のハロゲン化銀乳剤Eの添加終了5分前に終了するように添加開始時間を調整した。反応終了後は25℃で容器に保存した。
【0107】
(微粒子ハロゲン化銀乳剤の溶解時間の評価)
微粒子ハロゲン化銀乳剤を添加する前まではハロゲン化銀乳剤Bと同様の処方で乳剤Eを調整した。硝酸銀溶液、ハロゲン塩溶液の添加終了後、乳剤を2分割し、それぞれ70℃に昇温した。昇温後それぞれの乳剤に対して、ハロゲン化銀乳剤Bと同様の処方で微粒子乳剤B−0、E−0を添加し、10分間隔でサンプリングを行った。それぞれの乳剤をE−1、E−2とする。サンプリングした各乳剤を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、微粒子乳剤の溶解時間を求めた。
【0108】
【表2】
【0109】
表2からわかるように本発明に係わる混合器で粒子形成されたハロゲン化銀微粒子乳剤を用いた場合、溶解時間が短く、生産性にも優れていることが分かる。
【0110】
【発明の効果】
熱現像感光材料に適した、感度、高照度不軌特性に優れたIrドープハロゲン化銀粒子及びこれを安定に製造する事の出来る製造方法を得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハロゲン化銀微粒子を形成する混合器と貯蔵容器及び反応容器を示す概略図
【図2】別の形態の混合器の一例を示す概略図
【図3】別の形態の混合器の一例を示す概略図
【図4】別の形態の混合器の一例を示す概略図
【符号の説明】
1 混合器
2 貯蔵容器
3 反応容器
11 第1流路
12 第2流路
13 第3流路
14 第4流路
15 第5流路
C 交点
T1、T2、T3、T4 反応溶液貯蔵タンク
P0、P1、P2、P3、P4 ポンプ
S0、S1、S2、S3、S4 制御手段
Claims (1)
- 支持体上に有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、銀イオンの還元剤及びバインダーを塗設してなる熱現像感光材料において、該感光性ハロゲン化銀粒子が、平均粒子径0.05μm以上のハロゲン化銀粒子に対し、予め調製された、Irドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子を添加することにより調製されたものであって、かつ、前記Irドーパントを含有するハロゲン化銀微粒子は、硝酸銀溶液とハロゲン化アルカリ溶液及びIr錯塩溶液それぞれを、攪拌を用いずに、乱流下で混合して、連続的に形成されるものであることを特徴とする熱現像感光材料。
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