JP3806979B2 - CERAMIC GREEN SHEET, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND PROCESS FOR PRODUCING MULTILAYER CERAMIC ELECTRONIC COMPONENT USING THE CERAMIC GREEN SHEET - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック積層構造を有する、積層インダクタ、積層セラミックコンデンサ、積層複合部品等に用いられるセラミックグリーンシートおよびその製造方法、並びにこのセラミックグリーンシートを用いた積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、積層セラミック電子部品の小型化・高性能化は目覚ましいものがある。積層インダクタにおいては、小型化・高インピーダンス化および直流抵抗の低抵抗化が、積層セラミックコンデンサにおいては小型、大容量化が進んでいる。
【0003】
以下に従来の積層インダクタの製造方法について説明する。
まず、フェライト系セラミック粉末と有機結合剤、溶剤、その他添加物を所定の割合で混錬・分散させることによりセラミック塗料を得る(以下、このようにして得られたものを「セラミック塗料」とする)。
【0004】
次に、このセラミック塗料をフィルム上に塗工・乾燥しセラミックグリーンシートを成型する。
【0005】
次に、このセラミックグリーンシート上に必要に応じて穴開け加工した後、銀または銀パラジウム等の導電ペーストを所定のパターンでスクリーン印刷し内部電極をシート上に形成する。
【0006】
次に、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートを所定の枚数積み重ねて互いの内部電極を接続し、1つの連続したコイルパターンとなるように積層体を作製する。この時シート上に直接内部電極を印刷するかわりに、セラミックグリーンシート積層工程においてメッキあるいは印刷により支持体の上に形成したパターン電極をセラミックグリーンシート上に転写することで同様な積層体を形成してもよい。また、このとき積層体の上下には保護層となりしかも適当な磁界を形成するのに必要となるコイルパターンのないダミーのセラミック層が配置されていた方が好ましい。
【0007】
次に、得られた積層体を所定の大きさに切断し積層体チップを得る。
次に、この積層体チップを焼成し焼結体を得た後、焼結体の端面に外部電極となる導電ペーストを塗布・焼成して外部電極を形成し、必要に応じてニッケル・半田等で外部電極にめっき処理を施す。
【0008】
以上のように、得られた積層インダクタの断面図を図1に示す。図1において1は積層インダクタ、2はフェライト焼結体、3は内部電極層、4は外部電極層、5は内部電極を層間で接続するVIA電極である。
【0009】
また、積層セラミックコンデンサは以下のように製造される。
まず、誘電体セラミック粉末と有機結合剤、溶剤、その他添加物を所定の割合で混練・分散しセラミック塗料を得る。
【0010】
次に、得られたセラミック塗料をフィルム上に塗工・乾燥しセラミックグリーンシートを形成する。
【0011】
次に、このセラミックグリーンシート上にPd,AgPdまたNi等のペーストを所定のパターンでスクリーン印刷して内部電極を形成し、電極を印刷したシートを電極部が交互に両端に露出するように所定枚数積層・圧着して得られる積層体を切断し積層体チップを得る。ここでシート上に直接内部電極を印刷する替わりに、セラミックグリーンシート積層工程おいてメッキあるいは印刷により支持体の上に形成したパターンをセラミックグリーンシート上に転写することにより同様な電極を形成してもよい。この時、積層体の上下には保護層としてのセラミック層を設ける方が望ましい。
【0012】
次に、積層体を切断して積層体チップを得る。これを所定条件で脱バインダー・焼成を行い焼結体を得る。
【0013】
最後に、外部電極を形成し、必要に応じてNi・半田等のめっき処理を施して積層セラミックコンデンサが得られる。
【0014】
ところで、従来はセラミックグリーンシートを製造する際、均質性を向上させる目的でセラミック原料を混合・仮焼した後これを粉砕、場合によっては分級して得られるセラミック粉末を用いていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
近年の積層セラミック電子部品の小型・高性能化のためには、セラミックグリーンシートの厚みの10〜50%の厚みを有する内部電極を内部に形成することが要求される。例えば、積層インダクタにおいては、微少面(例えば1.6×0.8mm)内にコイルパターンを形成する必要があり、必然的にコイル導体のパターン幅が狭くなる。従って所定の直流抵抗を得るためには内部導体の厚みを増大する必要性がある。また積層セラミックコンデンサにおいては、大容量化のためセラミックグリーンシートを薄く成型する必要があり、結果としてセラミックグリーンシートに対する内部電極の厚みの割合が増大してしまう。
【0016】
ところが従来のように、セラミック原料を混合・仮焼・粉砕、場合によっては分級することによりセラミック粉末を製造し、これを用いて成型したセラミックグリーンシートにより積層セラミック電子部品を製造した場合、セラミックグリーンシートの密度が大きいためにシートの面に対して垂直方向の圧縮変形率が少なくなる。このためセラミックグリーンシートの厚みの約10〜50%の厚みを有する内部電極を形成しようとした時、内部電極がセラミックグリーンシートに十分喰い込まず内部電極を有する積層面において十分な密着性が得られなくなり、デラミネーションの原因となっていた。
【0017】
よって前記のようなデラミネーションを抑制し、かつ従来と同等あるいはそれ以上の材料性能を有するセラミックグリーンシートおよびその製造方法、並びにこのセラミックグリーンシートを用いた積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、セラミック原料を混合・仮焼・粉砕、場合によっては分級して得られるセラミック粉末にさらに熱処理を施して、熱処理前のセラミック粉末に比べて5〜40%比表面積を減少させたセラミック粉末を、さらに混練・分散を行い、混練・分散後のセラミック粉末の比表面積を熱処理前のセラミック粉末に比べて5〜25%減少させ、これを用いてセラミックグリーンシートを成型することでシート面に対する垂直方向の圧縮変形率を大きくしたことを特徴とするセラミックグリーンシート、そして前記セラミックグリーンシートを製造するにあたり、熱処理によるセラミック粒子の結合を破壊させない程度に混練・分散を行い、混練・分散後のセラミック粉末の比表面積を熱処理前のセラミック粉末に比べて5〜25%減少させるセラミック塗料を用いたセラミックグリーンシートの製造方法、および前記セラミックグリーンシートを積層・加圧して得られる積層体を、100kgf/cm2〜1000kgf/cm2の圧力で再加圧する積層セラミック電子部品の製造方法を提供するものである。
【0019】
図2のように、セラミック原料を混合・仮焼・粉砕、場合によっては分級することで得られたセラミック粉末を熱処理することにより、セラミック粒子が弱く結合する。なお図2において10はセラミック原料を混合・仮焼・粉砕、場合によっては分級して得られたセラミック粒子、11は熱処理によって弱く結合したセラミック粒子である。
【0020】
次に、この熱処理を行ったセラミック粉末と有機結合材、その他の添加物を混練・分散してセラミック塗料を製造する。このセラミック塗料を用いてシート成型機によりセラミックグリーンシートを成型する。
【0021】
従来のように熱処理をしていないセラミック粉末を用いてセラミックグリーンシートを成型すると、図3のようにセラミックグリーンシートの内部で粒子配列が規則的になりセラミックグリーンシートの密度が高くなる。なお、図3において15は熱処理をしていないセラミック粉末、16はセラミック粉末15を用いて成型したセラミックグリーンシートである。この密度の高いセラミックグリーンシートを用いて積層体を形成すると、図4のように積層・加圧した時にセラミックグリーンシートがシート面に対して垂直方向にあまり変形しないため、セラミックグリーンシートの圧縮変形率が少ない。なお、図4において17はセラミックグリーンシート16を用いて製造した積層体である。
【0022】
これに対し熱処理を施したセラミック粉末により成型したセラミックグリーンシートでは、図5のようにセラミック粒子の結合によりセラミックグリーンシートの内部の粒子配列が不規則になるため、従来のセラミックグリーンシートに比べてより多くの空隙がシートの内部に生まれセラミックグリーンシートの密度が低下する。なお図5において18は熱処理を施したセラミック粉末、19はセラミック粉末18を用いて成型したセラミックグリーンシートである。この密度の低いセラミックグリーンシートを用いて積層体を形成すると、図6のように積層・加圧時に弱く結合した粒子の結合が破壊されセラミックグリーンシートがシート面に対して垂直方向に変形するためセラミックグリーンシートの圧縮変形率が高くなる。なお、図6において20はセラミックグリーンシート19を用いて形成した積層体である。
【0023】
そして、この圧縮変形率が大きいセラミックグリーンシートに内部電極を形成し積層・加圧する。すると内部電極がセラミックグリーンシート内部に喰い込みやすくなり、内部電極を有する積層面において十分な密着性が得られる。
【0024】
ここで、セラミック塗料を製造する際にセラミック粉末を分散させるために混練・分散時間を長くとりすぎると、粉体の二次凝集をほぐすだけでなく熱処理によりセラミック粒子の結合までもが破壊されてしまうため、セラミックグリーンシートに成型したとき十分な圧縮変形率が得られない。十分な圧縮変形率を有するセラミックグリーンシートを得るためには、本発明に従ってセラミック粒子の結合が破壊されない程度に混練・分散を行うことが必要である。
【0025】
ところで、従来の熱処理を行わないセラミックグリーンシートで積層体を成型すると、セラミックグリーンシートの内部で粒子が規則的に配列しているために図7のように粒子が規則的に配列した密度の高い積層体が得られ、焼結時に十分な焼結密度が得られる。なお、図7において30は熱処理をしていないセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体、31は熱処理をしていないセラミック粉末である。
【0026】
ところが本発明のセラミックグリーンシートを用いると、積層・加圧時の圧力だけでは再仮焼による結合が完全に破壊されない場合が多い。この場合、図8のように積層体内部の粒子の配列が規則的にならず積層体の内部に依然として空隙が残り必ずしも十分な密度が得られない。なお、図8において32は熱処理を施したセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体、33は熱処理により結合が破壊されたセラミック粉末、34は熱処理による結合が残っているセラミック粉末である。以上のように、本発明のセラミックグリーンシートだけでは従来の積層体密度が得られない。
【0027】
そこで本発明に従って、本発明のセラミックグリーンシートを積層・加圧して作製した積層体をさらに積層・加圧時より大きい圧力で再加圧する。すると熱処理による結合がほぼ完全に破壊し内部の粒子配列が図7のような規則的なものとなる。このために本発明のセラミックグリーンシートを用いても、従来法と同等あるいはそれ以上の焼結密度が得られ十分な材料性能を発揮することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくともセラミック粉末、有機結合剤とを含有してなるセラミックグリーンシートであって、セラミック原料を少なくとも混合、仮焼および粉砕した後に熱処理により5〜40%比表面積を減少させ、さらに混練・分散させて熱処理前に比べて5〜25%比表面積を減少させたセラミック粉末を主成分として包含するセラミックグリーンシートに関するものである。
【0029】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の少なくともNi,Zn,Cuとを含んだフェライト系セラミック原料を混合、仮焼および粉砕して得られるセラミック粉末において、熱処理を400〜700℃で行うセラミックグリーンシートに関するものである。
【0030】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の少なくともTi,BaまたはTi,Pbを含んだ誘電体セラミック原料を混合、仮焼および粉砕して得られるセラミック粉末において、熱処理を600〜900℃で行うセラミックグリーンシートに関するものである。
【0031】
また、請求項4に記載の発明は、セラミック原料を少なくとも混合、仮焼および粉砕した後に熱処理により5〜40%比表面積を減少させたセラミック粉末を主成分とするものを、前記セラミック粉末の比表面積が熱処理前に比べて5〜25%減少するように混練・分散させ、かつこれを用いてシート成型機により成型するようにしたセラミックグリーンシートの製造方法に関するものである。
【0032】
また、請求項5に記載の発明は、少なくとも内部に電極構造を有する積層セラミック電子部品の製造方法であって、セラミックグリーンシートを電極とともに積層・加圧後、焼成する工程を含む製造方法において、請求項1記載のセラミックグリーンシートを電極とともに積層・加圧して得られる積層体を、焼成前に100kgf/cm2〜1000kgf/cm2の圧力にて再加圧することを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
積層インダクタにおける本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
まず、750℃にて仮焼を行った後に粉砕・分級を行ったNiZnCu系フェライトのセラミック粉末を400,500,600,700℃にて1時間熱処理する。この時の熱処理はるつぼにセラミック粉末をつめて行ったが、望ましくはキルン炉のような回転式の炉体を用いて均一にセラミック粉末の熱処理を行った方が良い。一方、本発明でいう熱処理は大気中だけでなく必要により雰囲気制御しても良い。ここで、熱処理による粉体の結合を確認するためセラミック粉末の比表面積を測定した。そして熱処理前の比表面積(すなわち未処理粉の比表面積)に対する比表面積の減少率を算出した。ここで、比表面積の測定はBET法による比表面積測定装置を用いて行った。
【0035】
熱処理したセラミック粉末に結合材(ブチラール樹脂)、可塑剤(フタル酸エステル)、溶剤(トルエン)を適量追加して、ボールミルにて10時間混練・分散し一定粘度のセラミック塗料とする。次に、このセラミック塗料をドクターブレード法により厚み約100μmのセラミックグリーンシートに成型した。そしてセラミックグリーンシートの密度、及び圧縮変形率を測定した。なお、圧縮変形率はセラミックグリーンシート密度とその積層体(ここでは、セラミックグリーンシートを150kgf/cm2にて10枚積層・加圧したもの)との密度の比より算出したものである。
【0036】
次に、セラミックグリーンシートを積層・加圧する工程において図9に示す蛇行状銀めっきパターン(幅約50μm、厚さ約30μm)を転写することで内部導体を形成し積層体を得た。積層・加圧条件は150kgf/cm2である。そして、積層体を1.6×0.8mmのサイズに切断して得られた積層体チップを電気炉により900℃にて2時間焼成する。最後に外部電極となる導電ペーストを塗布・焼成した焼結体に外部電極にめっき処理(Niメッキおよび半田メッキ)を施して積層インダクタの完成品を得る。ここで焼成後の焼結体のデラミネーション発生率を測定した。また前記焼結体のデラミネーション発生率は100個の焼結体の表面を研磨した後に焼結体の側面および端面を拡大鏡で観察しデラミネーションの有無を確認したものである。
【0037】
以上の結果を(表1)にまとめた。すなわち熱処理温度に対する、比表面積、比表面積減少率、セラミックグリーンシートの密度、圧縮変形率、デラミネーション発生率のデータを示す。
【0038】
【表1】
【0039】
(表1)より熱処理温度が600℃以下では、熱処理温度を高くするに従いセラミック粒子の結合が進行し比表面積の減少率が大きくなる。これによりシート密度が減少し圧縮変形率が大きくなるためにデラミネーションが抑制される。つまり、セラミック粉末に熱処理を施して比表面積を変化させ、圧縮変形率の大きいセラミックグリーンシートを製造することにより、デラミネーションの発生を抑制することができると考えられる。しかし700℃で処理した場合には、セラミック粒子の結合が強いため積層・加圧によりセラミック粒子の結合が十分破壊されなかったためセラミックグリーンシートにおいて十分な圧縮率が得られずデラミネーション発生率が増大する。以上よりセラミック粒子を結合させるための熱処理条件の設定が重要であることがわかる。本実施の形態1では、デラミネーション発生率を10%以下に抑制するためには熱処理後のセラミック粉末の比表面積を、熱処理前に比べ5〜40%減少させる必要があることがわかった。これは本実施の形態1のNi・Zn・Cu系セラミック原料においては400〜700℃にて熱処理することに相当する。
【0040】
(実施の形態2)
積層インダクタにおける本発明の実施の形態を説明する。
【0041】
(実施の形態1)により得られる600℃で熱処理を施したセラミック粉末に結合材(ブチラール樹脂)、可塑剤(フタル酸エステル)、溶剤(トルエン)を適量追加して、ボールミルによる混練・分散時間を1,5,10,15,20時間の各時間に設定したセラミック塗料を作った。ここでセラミック塗料の一部を抜き取り、さらにセラミック塗料からセラミック粉末だけを取り出して比表面積を測定し、熱処理前のセラミック粉末に対する比表面積減少率を調べた。次に、このセラミック塗料をドクターブレード法により厚み約100μmのセラミックグリーンシートに成型し平均表面粗度を調べた。そしてこのセラミックグリーンシートを用いて(実施の形態1)と同様の方法で焼結体を得た後、焼結体のデラミネーション発生率を調べた。
【0042】
以上の結果を(表2)にまとめた。すなわち混練・分散時間に対する、比表面積減少率、平均表面粗度、デラミネーション発生率のデータを示す。
【0043】
【表2】
【0044】
(表2)の結果より、混練分散時間が長くなるに従って熱処理によるセラミック粒子の結合が破壊されるため、セラミック粉末の比表面積減少率が小さくなる。このためデラミネーション発生率が増加する。しかし、混練分散時間を1時間に設定したときは、セラミック粒子の二次凝集を十分分散させことができず、セラミックグリーンシート表面に凹凸が生じ平均表面粗度が増大した。これは積層・加圧時のセラミックグリーンシート間の密着性を劣化させる。つまりセラミック粒子の結合を破壊せず、かつ二次凝集を十分分散させるような混練・分散条件の設定が重要である。本実施の形態2においては混練・分散後のセラミック粉末の比表面積を、熱処理前に比べ5〜25%減少させればデラミネーションを10%以下に抑制し、かつ平均表面粗度を0.5μm以下にできることがわかった。
【0045】
(実施の形態3)
積層インダクタにおける本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
(実施の形態1)により得られる各温度で熱処理を施したセラミック粉末により作製したセラミックグリーンシート(5時間ポット混練・分散したセラミック塗料を用いて成型した)に、図10に示す4層のスパイラル状の銀めっきパターン(幅約30μm、厚さ約20μm)とこれらの電極を接続するφ0.1mmのVIA電極でコイル状の内部電極を図11のように形成する。積層・加圧条件は150kgf/cm2である。この積層体を1.6×0.8mmのサイズに切断して得られる積層体チップを電気炉により900℃にて2時間焼成する。最後に外部電極となる導電ペーストを塗布・焼成した後に外部電極にめっき処理を施して積層インダクタの完成品を得る。ここで焼成後の焼結体のデラミネーション発生率および100MHzにおけるインピーダンスを測定した。なお前記焼結体のデラミネーション発生率は100個のセラミック焼結体の表面を研磨した後に焼結体の側面および端面を拡大鏡で観察しデラミネーションの有無を確認したものである。またインピーダンス測定にあたってはデラミネーションのない良品について行いその平均値をとった。
【0047】
以上の結果を(表3)にまとめた。すなわち、熱処理温度に対する、比表面積減少率、デラミネーション発生率、および100MHzにおけるインピーダンスのデータを示す。
【0048】
【表3】
【0049】
(表3)の結果よりデラミネーション発生率については(実施の形態1)と同じ傾向がみられる。しかし熱処理温度が高くなるとインピーダンスが低下している。これは高温で熱処理したときにはセラミック粒子の結合が強くなるため、積層・加圧による圧力だけではセラミック粒子の結合が破壊されない場合があり、積層体の密度が低くなるため十分な焼結密度が得られないからであると考えられる。
【0050】
そこで上述した方法により得られた積層体で、600℃で熱処理したセラミックグリーンシートを使用しているものについて、この積層体をさらに100,300,500,800,1000kgf/cm2の各圧力にて再加圧した。この再加圧した積層体を1.6×0.8mmのサイズに切断して積層体チップを得る。これを電気炉により900℃にて2時間焼成し、最後に外部電極となる導電ペーストを塗布・焼成した後に外部電極にめっき処理を施して積層インダクタの完成品を得る。この時の100MHzにおけるインピーダンスを測定した。なお、インピーダンス測定にあたってはデラミネーションのない良品について行ないその平均値をとった。
【0051】
(表4)に再加圧時の圧力とインピーダンスの関係を示す。
【0052】
【表4】
【0053】
(表4)の結果より、再加圧を加えない場合にはインピーダンスが低下してしまう。しかし、再加圧を加えることで従来と同等あるいはそれ以上のインピーダンスを発揮することができる。これは再加圧による積層体密度の増加により焼結密度が増加し材料特性が改善されたためと考えられる。しかし1000kgf/cm2で再加圧した場合には圧力が強すぎるために積層体の面方向への延びが生じた。以上より本実施の形態3において、積層体の面方向の延びを抑制し、かつ1000Ω以上の特性を得るためには100kgf/cm2〜1000kgf/cm2で再加圧することが必要であると判断できる。
【0054】
(実施の形態4)
積層セラミックコンデンサにおける本発明の実施の形態を説明する。
【0055】
まず、約1000℃にて仮焼を行ったチタン酸バリウム系誘電体セラミック原料を粉砕して得た平均粒径約1μmのセラミック粉末を600℃,700℃,800℃,900℃にてそれぞれ1時間熱処理を行った。ここで、熱処理によるセラミック粒子の結合を確認するためセラミック粉末の比表面積を測定し、熱処理前のセラミック粉末に対する比表面積の減少率を算出した。なお比表面積の測定は、BET法による比表面積測定装置を用いて行った。
【0056】
この熱処理を行ったセラミック粉末および熱処理を行っていないセラミック粉末を用いて(実施の形態1)と同様にしてセラミック塗料を作製した。この時セラミック塗料の混練・分散時間が短すぎると凝集体が残存してしまいショート不良が発生する。一方で混練・分散時間が長すぎると熱処理によるセラミック粒子の結合を破壊してしまうので、随時凝集体の有無を観察しながら各セラミック粉末において10μm程度の凝集体が消失したところで混練・分散を終えた。
【0057】
次に、これらのセラミック塗料により約15μm厚のセラミックグリーンシートを成型した。ここで圧縮変形率を(実施の形態1)の方法に従って算出した。次にこのセラミックグリーンシートの上に電極としてPdペーストを塗布・乾燥した。この時のPdペーストの塗布量は焼結後約2μm厚程度になる様に設定した。そして、この電極を印刷したセラミックグリーンシートを電極が交互に両端に露出するようにずらしながら700kg/cm2にて積層・加圧し積層体を得る。この積層体を1.6×0.8mmのサイズに切断し積層体チップを得た。この時、未処理のセラミック粉末を用いたセラミックグリーンシートを使用した積層体チップでは電極の厚みを吸収することができず積層接着不良が発生した。熱処理を施したセラミックグリーンシートを使用した積層体チップについてはいずれもこのような積層接着不良を生じなかった。さらに各熱処理粉を用いて作製した積層体チップを昇温速度を200℃/時に設定し、大気中にて1300℃で2時間焼成を行った。この時の熱処理温度とデラミネーション発生率を測定した。なお、デラミネーション発生率の測定は焼結体100個を研磨して内部構造を確認することにより行った。
【0058】
以上の結果を(表5)にまとめる。すなわち熱処理温度に対する、熱処理後の比表面積減少率、圧縮変形率およびデラミネーション発生率のデータを示す。
【0059】
【表5】
【0060】
熱処理温度が高くなるにつれ比表面積減少率が増大し熱処理によるセラミック粒子の結合が進行していることがわかる。しかし、800℃以下では熱処理温度が高くなるにつれて圧縮変形率が高くなるのでデラミネーション発生率が減少する。しかし900℃で熱処理した場合には圧縮変形率が減少してデラミネーション発生率が増大する。熱処理温度が900℃となるとセラミック粒子の結合がかなり進行するため、大きさが10μm以上で強い結合力をもった結合粒子が多く含まれるようになる。この結合粒子を10μm以下に粉砕するのに長時間を要するために、本発明のセラミックグリーンシートにおいて重要な熱処理によるセラミック粒子の結合までもが破壊されてしまう。これにより900℃処理では圧縮変形率が低下しデラミネーション発生率が増加すると考えられる。以上より本実施の形態4においてデラミネーション発生率を10%以下に抑制するためには熱処理後のセラミック粉末の比表面積を、熱処理前に比べ9〜25%減少する必要がある。これは本実施の形態4のチタン酸バリウム系セラミック原料においては、600〜900℃にて熱処理することに相当する。
【0061】
また、各熱処理後のセラミック粉末を用いて作製した焼結体の電極間のセラミック層の厚みを顕微鏡にて観察・測定した結果を(表6)に示す。
【0062】
【表6】
【0063】
(表5)、(表6)より圧縮変形率の向上により同一厚みシートで薄層化が可能であることがわかる。
【0064】
(実施の形態5)
積層セラミックコンデンサにおける本発明の実施の形態を説明する。
【0065】
まず、約1000℃にて仮焼を行ったチタン酸鉛系誘電体セラミック原料を粉砕して得た平均粒径約1μmのセラミック粉末を600℃,700℃,800℃,900℃にてそれぞれ1時間熱処理を行った。ここで、熱処理によるセラミック粒子の結合を確認するためセラミック粉末の比表面積を測定し、熱処理前のセラミック粉末に対する比表面積の減少率を算出した。なお比表面積の測定はBET法による比表面積測定装置を用いて行った。
【0066】
この熱処理を行ったセラミック粉末および熱処理を行っていないセラミック粉末を用いて(実施の形態1)と同様にしてセラミック塗料を作製した。この時セラミック塗料の混練・分散時間が短すぎると凝集体が残存してしまいショート不良が発生する。一方で混練・分散時間が長すぎると熱処理によるセラミック粒子の結合を破壊してしまうので、随時凝集体の有無を観察しながら各セラミック粉末において10μm程度の凝集体が消失したところで混練・分散を終えた。
【0067】
次に、これらのセラミック塗料により約15μm厚のセラミックグリーンシートを成型した。ここで圧縮変形率を(実施の形態1)の方法に従って算出した。次にこのセラミックグリーンシートの上に電極としてPdペーストを塗布・乾燥した。この時のPdペーストの塗布量は焼結後約2μm厚程度になる様に設定した。そして、この電極を印刷したセラミックグリーンシートを電極が交互に両端に露出するようにずらしながら70kg/cm2にて積層・加圧し積層体を得る。この積層体を1.6×0.8mmのサイズに切断し積層体チップを得た。この時、未処理のセラミック粉末を用いたセラミックグリーンシートを使用した積層体チップでは電極の厚みを吸収することができず積層接着不良が発生した。熱処理を施したセラミックグリーンシートを使用した積層体チップについてはいずれもこのような積層接着不良を生じなかった。さらに各熱処理粉を用いて作製した積層体チップを昇温速度を200℃/時に設定し、大気中にて1300℃で2時間焼成を行った。この時のデラミネーション発生率を測定した。なお、デラミネーション発生率の測定は焼結体100個を研磨して内部構造を確認することにより行った。
【0068】
以上の結果を(表7)にまとめる。すなわち熱処理温度に対する、熱処理後の比表面積減少率、圧縮変形率およびデラミネーション発生率のデータを示す。
【0069】
【表7】
【0070】
熱処理温度が高くなるにつれ比表面積減少率が増大し熱処理によるセラミック粒子の結合が進行していることがわかる。しかし、800℃以下では熱処理温度が高くなるにつれて圧縮変形率が高くなるのでデラミネーション発生率が減少する。しかし900℃で熱処理した場合には圧縮変形率が減少してデラミネーション発生率が増大する。熱処理温度が900℃となるとセラミック粒子の結合がかなり進行するため、大きさが10μm以上で強い結合力をもった結合粒子が多く含まれるようになる。この結合粒子を10μm以下に粉砕するのに長時間を要するために、本発明のセラミックグリーンシートにおいて重要な熱処理によるセラミック粒子の結合までもが破壊されてしまう。これにより900℃処理では圧縮変形率が低下しデラミネーション発生率が増加すると考えられる。以上より本実施の形態5においてデラミネーション発生率を10%以下に抑制するためには熱処理後のセラミック粉末の比表面積を、熱処理前に比べ10〜35%減少する必要がある。これは本実施の形態5のチタン酸鉛系セラミック原料においては、600〜900℃にて熱処理することに相当する。
【0071】
【発明の効果】
本発明のセラミックグリーンシートを内部電極とともに積層・加圧して成型された積層体においては、熱処理の効果によりセラミックグリーンシートの圧縮変形率が大きいため内部電極を有する積層面での密着性が向上するので、この積層体を切断して得られる積層体チップを焼成した時にデラミネーションの発生を抑制することができる。
【0072】
さらに従来の内部電極より厚い電極を内部に形成できるので、積層インダクタにおいては小型・薄型化を図りつつ直流抵抗を低下させるとともに断線の抑制にも効果があり高い信頼性を得ることができる。
【0073】
積層セラミックコンデンサにおいてはセラミックグリーンシートの圧縮変形率が大きいため、従来と同じセラミックグリーンシート厚みでも積層加圧・切断・焼結後の厚みを従来以上に薄くすることができるので大容量化を実現できる。また従来より薄いセラミックグリーンシートを使った場合について考えると、圧縮変形率が小さいシートであればデラミネーション抑制のため内部電極の厚みを薄くする必要があるが、本発明のセラミックグリーンシートを用いれば圧縮変形率が大きいために内部電極を薄くすることなく容易に大容量化を実現することができる。
【0074】
本発明のセラミックグリーンシートを製造する際、セラミック塗料製造工程において混練・分散時間の設定が非常に重要となる。なぜならば、本発明のセラミックグリーンシートにおいて重要なセラミック粒子の結合が、混練・分散の際に破壊されてしまう可能性があるからである。よってセラミック粒子どうしの結合が完全に破壊されない程度に混練・分散させる製造方法により、前記の圧縮変形率の高いセラミックグリーンシートを安定して製造することができる。
【0075】
また、熱処理を施したセラミック粉末を用いて成型されるセラミックグリーンシートを積層・加圧して積層体を得た後に前記積層体を再加圧することにより、焼成後の焼結密度が増大し、従来と同等あるいはそれ以上の材料特性が得られるとともに抗折強度が強くなり高い信頼性を得られる。また、セラミックグリーンシートの密着性をさらに強くするのでデラミネーションに対しさらなる抑制効果が生まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における積層インダクタを示す断面図
【図2】セラミック粒子が熱処理により弱く結合する過程を示す模式図
【図3】熱処理をしていないセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートの断面の様子を示す模式図
【図4】セラミックグリーンシートおよび積層体の断面の模式図、熱処理をしていないセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートを積層・加圧して、積層体を作製する過程を示す図
【図5】熱処理を施したセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートの断面の様子を示す模式図
【図6】セラミックグリーンシートおよび積層体の断面の模式図、熱処理を施したセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートを積層・加圧して、積層体を作製する過程を示す図
【図7】熱処理をしていないセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートを積層・加圧して作製した積層体の断面の模式図
【図8】熱処理を施したセラミック粉末を用いて製造したセラミックグリーンシートを積層・加圧して作製した積層体の断面の模式図
【図9】本発明の実施の形態1,2に用いた内部電極のパターンの平面図
【図10】本発明の実施の形態3に用いた内部電極のパターンの平面図
【図11】本発明の実施の形態3における内部電極の構成図
【符号の説明】
1 積層インダクタ
2 フェライト焼結体
3 内部電極層
4 外部電極層
5 VIA電極
10 セラミック原料を混合・仮焼・粉砕、場合によっては分級して得られたセラミック粒子
11 熱処理により弱く結合したセラミック粒子
15 熱処理をしていないセラミック粉末
16 熱処理をしていないセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシート
17 熱処理をしていないセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体
18 熱処理を施したセラミック粉末
19 熱処理を施したセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシート
20 熱処理を施したセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体
30 熱処理をしていないセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体
31 熱処理をしていないセラミック粉末を用いて成型したセラミック粉末
32 熱処理を施したセラミック粉末を用いて成型したセラミックグリーンシートを用いて製造した積層体
33 熱処理による結合が破壊されたセラミック粉末
34 熱処理による結合が残っているセラミック粉末[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic green sheet having a ceramic multilayer structure and used for multilayer inductors, multilayer ceramic capacitors, multilayer composite parts, etc.And its manufacturing method, andThe present invention relates to a method for manufacturing a multilayer ceramic electronic component using the ceramic green sheet.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been a remarkable reduction in size and performance of multilayer ceramic electronic components. In multilayer inductors, miniaturization / impedance and DC resistance have been reduced, and multilayer ceramic capacitors have become smaller and larger in capacity.
[0003]
A conventional method for manufacturing a multilayer inductor will be described below.
First, add ferrite ceramic powder, organic binder, solvent, and other additivesPercentageKneading and dispersionTo obtain a ceramic paint (hereinafter referred to as "ceramic paint").
[0004]
Next, this ceramic paint is coated on a film and dried to form a ceramic green sheet.
[0005]
Next, after drilling the ceramic green sheet as necessary, a conductive paste such as silver or silver palladium is screen-printed in a predetermined pattern to form internal electrodes on the sheet.
[0006]
Next, a predetermined number of ceramic green sheets on which internal electrodes are formed are stacked, and the internal electrodes are connected to each other to produce a laminated body so as to form one continuous coil pattern. At this time, instead of printing the internal electrode directly on the sheet, a similar laminate is formed by transferring the pattern electrode formed on the support by plating or printing in the ceramic green sheet laminating process onto the ceramic green sheet. May be. At this time, it is preferable that dummy ceramic layers which are protective layers and do not have a coil pattern necessary for forming an appropriate magnetic field are arranged above and below the laminate.
[0007]
Next, the obtained laminate is cut into a predetermined size to obtain a laminate chip.
Next, after firing this laminate chip to obtain a sintered body, a conductive paste serving as an external electrode is applied to the end face of the sintered body and fired to form an external electrode, and if necessary, nickel, solder, etc. Then, the external electrode is plated.
[0008]
A cross-sectional view of the multilayer inductor obtained as described above is shown in FIG. In FIG. 1, 1 is a multilayer inductor, 2 is a ferrite sintered body, 3 is an internal electrode layer, 4 is an external electrode layer, and 5 is a VIA electrode that connects the internal electrodes between the layers.
[0009]
The multilayer ceramic capacitor is manufactured as follows.
First, a dielectric ceramic powder, an organic binder, a solvent, and other additives are kneaded and dispersed at a predetermined ratio to obtain a ceramic paint.
[0010]
Next, the obtained ceramic paint is applied on a film and dried to form a ceramic green sheet.
[0011]
Next, a paste such as Pd, AgPd, or Ni is screen-printed on the ceramic green sheet in a predetermined pattern to form internal electrodes, and the sheets on which the electrodes are printed are predetermined so that the electrode portions are alternately exposed at both ends. A laminated body obtained by laminating and pressure-bonding a number of sheets is cut to obtain a laminated body chip. Here, instead of printing the internal electrodes directly on the sheet, a similar electrode is formed by transferring the pattern formed on the support by plating or printing in the ceramic green sheet laminating process onto the ceramic green sheet. Also good. At this time, it is desirable to provide ceramic layers as protective layers above and below the laminate.
[0012]
Next, the laminate is cut to obtain a laminate chip. This is debindered and fired under predetermined conditions to obtain a sintered body.
[0013]
Finally, external electrodes are formed, and Ni / solder plating is performed as necessary to obtain a multilayer ceramic capacitor.
[0014]
Conventionally, when producing a ceramic green sheet, ceramic powders obtained by mixing and calcining ceramic raw materials after mixing and calcining for the purpose of improving homogeneity have been used.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, in order to reduce the size and increase the performance of multilayer ceramic electronic components, it is required to form an internal electrode having a thickness of 10 to 50% of the thickness of the ceramic green sheet. For example, in a multilayer inductor, it is necessary to form a coil pattern within a minute surface (for example, 1.6 × 0.8 mm), and the pattern width of the coil conductor is inevitably narrowed. Therefore, in order to obtain a predetermined DC resistance, it is necessary to increase the thickness of the inner conductor. In the multilayer ceramic capacitor, it is necessary to thinly mold the ceramic green sheet to increase the capacity, and as a result, the ratio of the thickness of the internal electrode to the ceramic green sheet increases.
[0016]
However, as in the past, ceramic powders are produced by mixing, calcining, and pulverizing ceramic raw materials, and in some cases, and ceramic ceramic sheets are used to produce laminated ceramic electronic components. Since the density of the sheet is large, the compressive deformation rate in the direction perpendicular to the surface of the sheet is reduced. For this reason, when an internal electrode having a thickness of about 10 to 50% of the thickness of the ceramic green sheet is to be formed, the internal electrode does not sufficiently penetrate the ceramic green sheet, and sufficient adhesion is obtained on the laminated surface having the internal electrode. It became impossible to delamination.
[0017]
Therefore, the ceramic green sheet which suppresses the above delamination and has the same or better material performance than the conventional oneAnd its manufacturing method, andAn object of the present invention is to provide a method for producing a multilayer ceramic electronic component using the ceramic green sheet.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention provides a ceramic powder obtained by mixing, calcining, and optionally classifying ceramic raw materials, and further subjecting the ceramic powder to 5-40% compared to the ceramic powder before the heat treatment. Ceramic powder with reduced specific surface areaFurther, kneading and dispersing, the specific surface area of the ceramic powder after kneading and dispersing is reduced by 5 to 25% compared to the ceramic powder before heat treatment,A ceramic green sheet characterized in that the compression deformation rate in the direction perpendicular to the sheet surface is increased by molding the ceramic green sheet, and in the production of the ceramic green sheet, the ceramic particles are bonded by heat treatment. So as not to destroyKneadingA method for producing a ceramic green sheet using a ceramic coating that disperses and reduces the specific surface area of the ceramic powder after kneading and dispersing by 5 to 25% compared to the ceramic powder before heat treatment, and laminating the ceramic green sheet The laminate obtained by pressurization is 100 kgf / cm.2~ 1000kgf / cm2A method of manufacturing a multilayer ceramic electronic component that is re-pressurized at a pressure of 10 m is provided.
[0019]
As shown in FIG. 2, the ceramic particles are weakly bonded by heat-treating the ceramic powder obtained by mixing, calcining, pulverizing, and optionally classifying the ceramic raw material. In FIG. 2, reference numeral 10 denotes ceramic particles obtained by mixing, calcining and pulverizing ceramic raw materials, and classification in some cases, and 11 is ceramic particles weakly bonded by heat treatment.
[0020]
Next, the ceramic powder subjected to the heat treatment, the organic binder, and other additives are kneaded and dispersed to produce a ceramic paint. A ceramic green sheet is molded by a sheet molding machine using this ceramic paint.
[0021]
When a ceramic green sheet is molded using ceramic powder that has not been heat-treated as in the prior art, the particle arrangement becomes regular inside the ceramic green sheet as shown in FIG. 3, and the density of the ceramic green sheet increases. In FIG. 3, 15 is a ceramic powder that has not been heat-treated, and 16 is a ceramic green sheet molded using the ceramic powder 15. When a laminate is formed using this high-density ceramic green sheet, the ceramic green sheet does not deform much in the direction perpendicular to the sheet surface when laminated and pressed as shown in FIG. The rate is low. In FIG. 4,
[0022]
On the other hand, in the ceramic green sheet molded with the heat-treated ceramic powder, the particle arrangement inside the ceramic green sheet becomes irregular due to the bonding of the ceramic particles as shown in FIG. More voids are created inside the sheet, reducing the density of the ceramic green sheet. In FIG. 5,
[0023]
Then, an internal electrode is formed on the ceramic green sheet having a large compressive deformation rate, and is laminated and pressed. As a result, the internal electrode can easily bite into the ceramic green sheet, and sufficient adhesion can be obtained on the laminated surface having the internal electrode.
[0024]
Here, if the kneading / dispersing time is too long to disperse the ceramic powder during the production of the ceramic coating, not only the secondary agglomeration of the powder is loosened, but also the bonding of the ceramic particles is destroyed by heat treatment. Therefore, a sufficient compressive deformation rate cannot be obtained when it is molded into a ceramic green sheet. In order to obtain a ceramic green sheet having a sufficient compressive deformation rate, it is necessary to knead and disperse according to the present invention to such an extent that the bonding of ceramic particles is not broken.
[0025]
By the way, when a laminated body is formed with a ceramic green sheet that is not subjected to conventional heat treatment, the particles are regularly arranged inside the ceramic green sheet, so that the density is high in which the particles are regularly arranged as shown in FIG. A laminate is obtained, and a sufficient sintered density is obtained during sintering. In FIG. 7,
[0026]
However, when the ceramic green sheet of the present invention is used, the bond due to recalcination is often not completely broken only by the pressure during lamination and pressurization. In this case, as shown in FIG. 8, the arrangement of the particles inside the laminate is not regular, and voids still remain in the laminate, and a sufficient density cannot always be obtained. In FIG. 8, 32 is a laminate manufactured using a ceramic green sheet molded using a heat-treated ceramic powder, 33 is a ceramic powder whose bond is broken by heat treatment, and 34 is a bond left by heat treatment. Ceramic powder. As described above, the conventional laminate density cannot be obtained only with the ceramic green sheet of the present invention.
[0027]
Therefore, in accordance with the present invention, the laminate produced by laminating and pressing the ceramic green sheets of the present invention is further repressurized at a pressure greater than that during lamination and pressurization. Then, the bonds due to the heat treatment are almost completely broken, and the internal particle arrangement becomes regular as shown in FIG. For this reason, even if the ceramic green sheet of the present invention is used, a sintered density equivalent to or higher than that of the conventional method can be obtained and sufficient material performance can be exhibited.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention according to claim 1 of the present invention is a ceramic green sheet comprising at least a ceramic powder and an organic binder.,After the ceramic raw materials are mixed, calcined and pulverized, the specific surface area is reduced by 5-40% by heat treatment.Furthermore, the specific surface area was reduced by 5 to 25% compared to before kneading and dispersing.The present invention relates to a ceramic green sheet containing ceramic powder as a main component.
[0029]
Further, the invention according to
[0030]
The invention described in claim 3 is a ceramic powder obtained by mixing, calcining, and pulverizing the dielectric ceramic raw material containing at least Ti, Ba or Ti, Pb according to claim 1, and heat treatment is performed in a range of 600 to The present invention relates to a ceramic green sheet performed at 900 ° C.
[0031]
Further, the invention according to claim 4 is the ratio of the ceramic powder, the ceramic powder having a specific surface area reduced by 5 to 40% by heat treatment after mixing, calcination and pulverization of the ceramic raw material. The surface area is reduced by 5 to 25% compared to before heat treatment.Kneading-It is related with the manufacturing method of the ceramic green sheet which made it disperse | distribute and shape | mold with a sheet molding machine using this.
[0032]
The invention according to
[0033]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
(Embodiment 1)
An embodiment of the present invention in a multilayer inductor will be described.
[0034]
First, the NiZnCu ferrite ceramic powder that has been calcined at 750 ° C. and then pulverized and classified is heat-treated at 400, 500, 600, and 700 ° C. for 1 hour. The heat treatment at this time was performed by filling the ceramic powder in a crucible, but it is desirable to heat the ceramic powder uniformly using a rotary furnace such as a kiln furnace. On the other hand, the heat treatment referred to in the present invention may be controlled not only in the air but also in the atmosphere if necessary. Here, the specific surface area of the ceramic powder was measured in order to confirm the bonding of the powder by the heat treatment. And the reduction rate of the specific surface area with respect to the specific surface area before heat processing (namely, the specific surface area of an untreated powder) was computed. Here, the measurement of the specific surface area was performed using a specific surface area measuring device by the BET method.
[0035]
Appropriate amounts of binder (butyral resin), plasticizer (phthalate ester), and solvent (toluene) are added to the heat-treated ceramic powder, and the mixture is kneaded and dispersed in a ball mill for 10 hours to obtain a ceramic paint having a constant viscosity. Next, this ceramic paint was molded into a ceramic green sheet having a thickness of about 100 μm by the doctor blade method. Then, the density and compressive deformation rate of the ceramic green sheet were measured. The compressive deformation rate is the ceramic green sheet density and its laminate (here, the ceramic green sheet is 150 kgf / cm2Calculated from the ratio of the density to the one obtained by laminating and pressing 10 sheets).
[0036]
Next, in the step of laminating and pressing the ceramic green sheets, the meandering silver plating pattern (width: about 50 μm, thickness: about 30 μm) shown in FIG. 9 was transferred to form an internal conductor to obtain a laminate. Lamination and pressure conditions are 150kgf / cm2It is. And the laminated body chip | tip obtained by cut | disconnecting a laminated body to the size of 1.6x0.8 mm is baked at 900 degreeC for 2 hours with an electric furnace. Finally, the sintered body obtained by applying and firing the conductive paste to be the external electrode is subjected to a plating process (Ni plating and solder plating) on the external electrode to obtain a finished product of the multilayer inductor. Here, the delamination generation rate of the sintered body after firing was measured. The delamination occurrence rate of the sintered body is determined by observing the side and end surfaces of the sintered body with a magnifying glass after polishing the surface of 100 sintered bodies and confirming the presence or absence of delamination.
[0037]
The above results are summarized in (Table 1). That is, data of specific surface area, specific surface area reduction rate, ceramic green sheet density, compression deformation rate, and delamination occurrence rate with respect to the heat treatment temperature are shown.
[0038]
[Table 1]
[0039]
As shown in Table 1, when the heat treatment temperature is 600 ° C. or lower, as the heat treatment temperature is increased, the bonding of the ceramic particles proceeds and the reduction rate of the specific surface area increases. As a result, the sheet density is reduced and the compression deformation rate is increased, so that delamination is suppressed. That is, it is considered that the occurrence of delamination can be suppressed by subjecting the ceramic powder to a heat treatment to change the specific surface area to produce a ceramic green sheet having a large compression deformation rate. However, when treated at 700 ° C, the bonding of the ceramic particles is strong and the bonding of the ceramic particles is not sufficiently broken by lamination and pressurization, so that a sufficient compression ratio cannot be obtained in the ceramic green sheet and the delamination rate increases. To do. From the above, it can be seen that the setting of heat treatment conditions for bonding ceramic particles is important. In this Embodiment 1, in order to suppress the delamination generation rate to 10% or less, it turned out that it is necessary to reduce the specific surface area of the ceramic powder after
[0040]
(Embodiment 2)
An embodiment of the present invention in a multilayer inductor will be described.
[0041]
Add appropriate amount of binder (butyral resin), plasticizer (phthalate ester), solvent (toluene) to ceramic powder heat treated at 600 ° C. obtained in (Embodiment 1), kneading and dispersing time by ball mill Was prepared for each of 1, 5, 10, 15, and 20 hours. Here, a part of the ceramic paint was extracted, and only the ceramic powder was taken out from the ceramic paint, the specific surface area was measured, and the specific surface area reduction rate with respect to the ceramic powder before the heat treatment was examined. Next, this ceramic paint was molded into a ceramic green sheet having a thickness of about 100 μm by the doctor blade method, and the average surface roughness was examined. And using this ceramic green sheet, after obtaining the sintered compact by the method similar to (Embodiment 1), the delamination incidence of the sintered compact was investigated.
[0042]
The above results are summarized in (Table 2). That is, data of specific surface area reduction rate, average surface roughness, and delamination occurrence rate with respect to kneading / dispersing time are shown.
[0043]
[Table 2]
[0044]
From the results of (Table 2), since the bonding of the ceramic particles by the heat treatment is broken as the kneading and dispersing time becomes longer, the specific surface area reduction rate of the ceramic powder becomes smaller. For this reason, the delamination occurrence rate increases. However, when the kneading and dispersing time was set to 1 hour, the secondary aggregation of the ceramic particles could not be sufficiently dispersed, and irregularities were generated on the surface of the ceramic green sheet, increasing the average surface roughness. This deteriorates the adhesion between the ceramic green sheets during lamination and pressurization. That is, it is important to set the kneading / dispersing conditions so that the bonding of the ceramic particles is not broken and the secondary aggregation is sufficiently dispersed. In the second embodiment, if the specific surface area of the ceramic powder after kneading and dispersing is reduced by 5 to 25% compared to before heat treatment, delamination is suppressed to 10% or less, and the average surface roughness is 0.5 μm. I found that I can do the following:
[0045]
(Embodiment 3)
An embodiment of the present invention in a multilayer inductor will be described.
[0046]
A four-layer spiral shown in FIG. 10 is formed on a ceramic green sheet (molded using a ceramic paint that has been kneaded and dispersed in a pot for 5 hours) made of ceramic powder that has been heat-treated at each temperature obtained in (Embodiment 1). A coil-shaped internal electrode is formed as shown in FIG. 11 by using a silver plating pattern (width: about 30 μm, thickness: about 20 μm) and a φ0.1 mm VIA electrode that connects these electrodes. Lamination and pressure conditions are 150kgf / cm2It is. A laminate chip obtained by cutting the laminate into a size of 1.6 × 0.8 mm is baked in an electric furnace at 900 ° C. for 2 hours. Finally, a conductive paste to be an external electrode is applied and fired, and then the external electrode is plated to obtain a finished multilayer inductor. Here, the delamination occurrence rate and the impedance at 100 MHz of the sintered body after firing were measured. The delamination occurrence rate of the sintered body is determined by observing the side and end surfaces of the sintered body with a magnifying glass after polishing the surface of 100 ceramic sintered bodies and confirming the presence or absence of delamination. In the impedance measurement, non-delamination non-defective products were used and the average value was taken.
[0047]
The above results are summarized in (Table 3). That is, the specific surface area reduction rate, delamination occurrence rate, and impedance data at 100 MHz with respect to the heat treatment temperature are shown.
[0048]
[Table 3]
[0049]
From the results of (Table 3), the same tendency as in (Embodiment 1) is observed in the delamination occurrence rate. However, the impedance decreases as the heat treatment temperature increases. This is because the bonding of ceramic particles becomes stronger when heat-treated at a high temperature, so the bonding of ceramic particles may not be broken only by the pressure due to lamination and pressurization, and the density of the laminated body is lowered, so a sufficient sintered density can be obtained. It is thought that it is because it is not possible.
[0050]
Therefore, for the laminate obtained by the above-described method using ceramic green sheets heat-treated at 600 ° C., this laminate is further treated with 100, 300, 500, 800, 1000 kgf / cm.2Re-pressurization was performed at each pressure. The re-pressurized laminate is cut into a size of 1.6 × 0.8 mm to obtain a laminate chip. This is fired in an electric furnace at 900 ° C. for 2 hours. Finally, a conductive paste to be an external electrode is applied and fired, and then the external electrode is plated to obtain a finished multilayer inductor. The impedance at 100 MHz at this time was measured. In the impedance measurement, good products without delamination were performed and the average value was taken.
[0051]
Table 4 shows the relationship between the pressure and impedance at the time of repressurization.
[0052]
[Table 4]
[0053]
From the results of (Table 4), the impedance decreases when re-pressurization is not applied. However, by applying re-pressurization, an impedance equal to or higher than that of the prior art can be exhibited. This is considered to be because the sintered compact density increased due to the increase of the laminate density due to re-pressurization, and the material characteristics were improved. But 1000kgf / cm2When the pressure was repressed at 1, the pressure was too strong and the laminate was extended in the surface direction. As described above, in the third embodiment, in order to suppress the extension in the plane direction of the laminate and obtain a characteristic of 1000Ω or more, 100 kgf / cm.2~ 1000kgf / cm2It can be determined that it is necessary to pressurize again.
[0054]
(Embodiment 4)
An embodiment of the present invention in a multilayer ceramic capacitor will be described.
[0055]
First, ceramic powders having an average particle size of about 1 μm obtained by pulverizing a barium titanate-based dielectric ceramic raw material calcined at about 1000 ° C. are each 1 at 600 ° C., 700 ° C., 800 ° C., and 900 ° C. Time heat treatment was performed. Here, the specific surface area of the ceramic powder was measured in order to confirm the bonding of the ceramic particles by the heat treatment, and the reduction rate of the specific surface area with respect to the ceramic powder before the heat treatment was calculated. The specific surface area was measured using a specific surface area measuring apparatus by the BET method.
[0056]
A ceramic paint was produced in the same manner as in (Embodiment 1) using the ceramic powder subjected to the heat treatment and the ceramic powder not subjected to the heat treatment. At this time, if the kneading / dispersing time of the ceramic coating is too short, aggregates remain and a short circuit failure occurs. On the other hand, if the kneading / dispersing time is too long, the bonding of the ceramic particles due to the heat treatment will be broken. It was.
[0057]
Next, a ceramic green sheet having a thickness of about 15 μm was molded from these ceramic paints. Here, the compression deformation rate was calculated according to the method of (Embodiment 1). Next, a Pd paste was applied and dried as an electrode on the ceramic green sheet. The amount of Pd paste applied at this time was set to be about 2 μm thick after sintering. The ceramic green sheet on which this electrode is printed is 700 kg / cm while shifting so that the electrodes are alternately exposed at both ends.2Laminate and press to obtain a laminate. This laminate was cut to a size of 1.6 × 0.8 mm to obtain a laminate chip. At this time, the laminated chip using the ceramic green sheet using the untreated ceramic powder could not absorb the thickness of the electrode, resulting in poor lamination adhesion. None of the laminated chips using the heat-treated ceramic green sheet produced such a poor lamination adhesion. Furthermore, the laminated body chip | tip produced using each heat processing powder set the temperature increase rate to 200 degreeC / hour, and baked at 1300 degreeC in air | atmosphere for 2 hours. The heat treatment temperature and the delamination occurrence rate at this time were measured. The delamination occurrence rate was measured by polishing 100 sintered bodies and confirming the internal structure.
[0058]
The above results are summarized in (Table 5). That is, the data of specific surface area reduction rate, compression deformation rate, and delamination occurrence rate after heat treatment with respect to heat treatment temperature are shown.
[0059]
[Table 5]
[0060]
It can be seen that as the heat treatment temperature increases, the specific surface area reduction rate increases and the bonding of the ceramic particles by the heat treatment proceeds. However, at 800 ° C. or lower, the compression deformation rate increases as the heat treatment temperature increases, so the delamination occurrence rate decreases. However, when heat treatment is performed at 900 ° C., the compression deformation rate decreases and the delamination generation rate increases. When the heat treatment temperature is 900 ° C., the bonding of the ceramic particles proceeds considerably, so that many bonded particles having a size of 10 μm or more and a strong bonding force are included. Since it takes a long time to pulverize the bonded particles to 10 μm or less, even the bonding of the ceramic particles by the important heat treatment in the ceramic green sheet of the present invention is destroyed. As a result, it is considered that the 900 ° C. treatment reduces the compression deformation rate and increases the delamination occurrence rate. From the above, in order to suppress the delamination occurrence rate to 10% or less in the fourth embodiment, it is necessary to reduce the specific surface area of the ceramic powder after the heat treatment by 9 to 25% compared with that before the heat treatment. This corresponds to heat treatment at 600 to 900 ° C. in the barium titanate-based ceramic raw material of the fourth embodiment.
[0061]
Moreover, the result of having observed and measured with the microscope the thickness of the ceramic layer between the electrodes of the sintered compact produced using the ceramic powder after each heat processing is shown in (Table 6).
[0062]
[Table 6]
[0063]
From Table 5 and Table 6, it can be seen that the same thickness sheet can be made thinner by improving the compression deformation rate.
[0064]
(Embodiment 5)
An embodiment of the present invention in a multilayer ceramic capacitor will be described.
[0065]
First, a ceramic powder having an average particle size of about 1 μm obtained by pulverizing a lead titanate-based dielectric ceramic raw material calcined at about 1000 ° C. is 1 at 600 ° C., 700 ° C., 800 ° C., and 900 ° C., respectively. Time heat treatment was performed. Here, the specific surface area of the ceramic powder was measured in order to confirm the bonding of the ceramic particles by the heat treatment, and the reduction rate of the specific surface area with respect to the ceramic powder before the heat treatment was calculated. The specific surface area was measured using a specific surface area measuring apparatus by the BET method.
[0066]
A ceramic paint was produced in the same manner as in (Embodiment 1) using the ceramic powder subjected to the heat treatment and the ceramic powder not subjected to the heat treatment. At this time, if the kneading / dispersing time of the ceramic coating is too short, aggregates remain and a short circuit failure occurs. On the other hand, if the kneading / dispersing time is too long, the bonding of the ceramic particles due to the heat treatment will be broken. It was.
[0067]
Next, a ceramic green sheet having a thickness of about 15 μm was molded from these ceramic paints. Here, the compression deformation rate was calculated according to the method of (Embodiment 1). Next, a Pd paste was applied and dried as an electrode on the ceramic green sheet. The amount of Pd paste applied at this time was set to be about 2 μm thick after sintering. Then, the ceramic green sheet on which this electrode is printed is shifted to 70 kg / cm while shifting the electrodes so that the electrodes are alternately exposed at both ends.2Laminate and press to obtain a laminate. This laminate was cut to a size of 1.6 × 0.8 mm to obtain a laminate chip. At this time, the laminated chip using the ceramic green sheet using the untreated ceramic powder could not absorb the thickness of the electrode, resulting in poor lamination adhesion. None of the laminated chips using the heat-treated ceramic green sheet produced such a poor lamination adhesion. Furthermore, the laminated body chip | tip produced using each heat processing powder set the temperature increase rate to 200 degreeC / hour, and baked at 1300 degreeC in air | atmosphere for 2 hours. The delamination occurrence rate at this time was measured. The delamination occurrence rate was measured by polishing 100 sintered bodies and confirming the internal structure.
[0068]
The above results are summarized in (Table 7). That is, the data of specific surface area reduction rate, compression deformation rate, and delamination occurrence rate after heat treatment with respect to heat treatment temperature are shown.
[0069]
[Table 7]
[0070]
It can be seen that as the heat treatment temperature increases, the specific surface area reduction rate increases and the bonding of the ceramic particles by the heat treatment proceeds. However, at 800 ° C. or lower, the compression deformation rate increases as the heat treatment temperature increases, so the delamination occurrence rate decreases. However, when heat treatment is performed at 900 ° C., the compression deformation rate decreases and the delamination generation rate increases. When the heat treatment temperature is 900 ° C., the bonding of the ceramic particles proceeds considerably, so that many bonded particles having a size of 10 μm or more and a strong bonding force are included. Since it takes a long time to pulverize the bonded particles to 10 μm or less, even the bonding of the ceramic particles by the important heat treatment in the ceramic green sheet of the present invention is destroyed. As a result, it is considered that the 900 ° C. treatment reduces the compression deformation rate and increases the delamination occurrence rate. From the above, in order to suppress the delamination occurrence rate to 10% or less in the fifth embodiment, it is necessary to reduce the specific surface area of the ceramic powder after the heat treatment by 10 to 35% compared with that before the heat treatment. This corresponds to heat treatment at 600 to 900 ° C. in the lead titanate ceramic raw material of the fifth embodiment.
[0071]
【The invention's effect】
In the laminate formed by laminating and pressing the ceramic green sheet of the present invention together with the internal electrode, the adhesiveness on the laminated surface having the internal electrode is improved because the compression deformation rate of the ceramic green sheet is large due to the effect of heat treatment. Therefore, it is possible to suppress the occurrence of delamination when the laminate chip obtained by cutting the laminate is fired.
[0072]
Furthermore, since an electrode thicker than the conventional internal electrode can be formed inside, the multilayer inductor can be reduced in size and thickness while reducing the DC resistance, and is effective in suppressing disconnection, and high reliability can be obtained.
[0073]
In multilayer ceramic capacitors, the compression deformation rate of ceramic green sheets is large, so even after the same ceramic green sheet thickness, the thickness after lamination pressing, cutting and sintering can be made thinner than before, thus realizing large capacity. it can. Considering the case of using a thinner ceramic green sheet than before, if the sheet has a small compression deformation rate, it is necessary to reduce the thickness of the internal electrode to suppress delamination, but if the ceramic green sheet of the present invention is used, Since the compression deformation rate is large, the capacity can be easily increased without reducing the thickness of the internal electrode.
[0074]
When producing the ceramic green sheet of the present invention, it is very important to set the kneading and dispersing time in the ceramic coating production process. This is because the binding of ceramic particles important in the ceramic green sheet of the present invention may be broken during kneading and dispersion. Therefore, the ceramic green sheet having a high compression deformation rate can be stably produced by a production method in which the ceramic particles are kneaded and dispersed to such an extent that the bonds between the ceramic particles are not completely broken.
[0075]
In addition, by stacking and pressing a ceramic green sheet that is molded using heat-treated ceramic powder to obtain a laminate, and then repressurizing the laminate, the sintered density after firing is increased. Material properties equal to or higher than the above, and the bending strength is increased, resulting in high reliability. In addition, since the adhesion of the ceramic green sheet is further strengthened, a further suppression effect against delamination is born.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a multilayer inductor according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a process in which ceramic particles are weakly bonded by heat treatment.
FIG. 3 is a schematic diagram showing a cross-sectional view of a ceramic green sheet manufactured using ceramic powder that has not been heat-treated.
FIG. 4 is a schematic diagram of a cross section of a ceramic green sheet and a laminate, and a diagram showing a process of producing a laminate by laminating and pressing ceramic green sheets produced using ceramic powder that has not been heat-treated.
FIG. 5 is a schematic diagram showing a cross-sectional view of a ceramic green sheet manufactured using heat-treated ceramic powder.
FIG. 6 is a schematic view of a cross section of a ceramic green sheet and a laminate, and a diagram showing a process of producing a laminate by laminating and pressing ceramic green sheets produced using heat-treated ceramic powder.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view of a laminate produced by laminating and pressing ceramic green sheets produced using ceramic powder that has not been heat-treated.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view of a laminate produced by laminating and pressing ceramic green sheets produced using heat-treated ceramic powder.
FIG. 9 is a plan view of an internal electrode pattern used in the first and second embodiments of the present invention.
FIG. 10 is a plan view of an internal electrode pattern used in Embodiment 3 of the present invention.
FIG. 11 is a configuration diagram of internal electrodes in a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Multilayer inductor
2 Ferrite sintered body
3 Internal electrode layer
4 External electrode layer
5 VIA electrode
10 Ceramic particles obtained by mixing, calcining, pulverizing and optionally classifying ceramic raw materials
11 Weakly bonded ceramic particles by heat treatment
15 Ceramic powder not heat-treated
16 Ceramic green sheet molded using ceramic powder that has not been heat-treated
17 Laminate manufactured using ceramic green sheet molded using ceramic powder that has not been heat-treated
18 Heat-treated ceramic powder
19 Ceramic green sheet molded using heat-treated ceramic powder
20 Laminate manufactured using ceramic green sheet molded using heat-treated ceramic powder
30 Laminate manufactured using ceramic green sheets molded using ceramic powder that has not been heat-treated
31 Ceramic powder formed using ceramic powder that has not been heat-treated
32 Laminate manufactured using ceramic green sheets molded using heat-treated ceramic powder
33 Ceramic powder with broken bond due to heat treatment
34 Ceramic powder that remains bonded by heat treatment
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