JP3806314B2 - 窓貼りフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窓貼りフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車の窓ガラスや建物の窓ガラス等に、遮光、ガラス破損時の飛散防止、紫外線防止等を目的として貼り付けられる窓貼りフィルムは、透過性を有する平坦な粘着フィルム本体と、粘着フィルム本体の粘着面に貼設された平坦な剥離フィルムと、から成り、使用時に剥離フィルムを剥がして粘着フィルム本体を被貼付面に貼り付けるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の窓貼りフィルムでは、粘着フィルム本体を、皺や気泡が発生しないように、被貼付面に直接貼り付けることは殆ど不可能であった。このため、被貼付面に界面活性剤の水溶液をスプレー等で塗布し、その上から粘着フィルム本体を貼り付けて、その後、上記水溶液を絞り出して放置することにより、皺や気泡の発生を防ぐ方法をとっていたが、作業に相当の熟練を要し、かつ、作業時間が長くなるという不具合があった。
【0004】
また、上記のような方法で貼り付けても、被貼付面が車のリアウインドウのような3次曲面である場合には、皺や気泡の発生をなくすことは一層困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、被貼付面に容易かつ迅速に貼り付けることができ、皺の発生や気泡の貼り込みを防止でき、透過性を十分に確保できる窓貼りフィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る窓貼りフィルムは、透過性を有する粘着フィルム本体と、剥離フィルムと、から成り、該粘着フィルム本体の粘着面には、周縁部まで連通連続状に極細溝を網目状に形成して、多数の独立島部を形成し、さらに、該独立島部の面積を0.25mm2 〜8.41mm2 とし、該独立島部の高さを5μm 〜20μm とし、かつ、上記極細溝の幅を 0.1mm〜0.5mm に設定したものである。
【0007】
また、極細溝が格子網目状であって、独立島部の形状が略正方形であって、一辺Aを 0.5mm〜2.9mm に設定したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
【0009】
図1は、本発明の窓貼りフィルムの一実施形態の拡大断面を示し、本フィルムFは、透過性を有する粘着フィルム本体1と、剥離フィルム2と、から構成され、剥離フィルム2を剥がした状態の粘着フィルム本体1を、図2に示すように、車の窓ガラスや建物の窓ガラス等の被貼付面3に貼り付けて、遮光、紫外線防止、ガラス割れ時の飛散防止等をする場合に使用するものである。
【0010】
粘着フィルム本体1は、表面フィルム5と、粘着層6と、から構成される。表面フィルム5は、透過性(透視性)を失わない程度に染色又は着色された(25μm 厚の)ポリエステルフィルムから成る。粘着層6は、透明な粘着剤を、表面フィルム5の一面に塗布して形成される。
【0011】
剥離フィルム2は、(38μm 厚の)ポリエステルフィルムの一面側をシリコンにより剥離処理したものである。即ち、剥離フィルム2の剥離処理側の面が、粘着フィルム本体1の粘着面10に(剥離可能に)貼り付けられる。
【0012】
なお、表面フィルム5の材質としては、ポリエステル以外にも、塩化ビニルを使用できる。あるいは、それら以外のプラスチックを使用してもよい。また、表面フィルム5を透明とし、かつ、粘着層6を透過性を失わない程度に染色又は着色してもよい。さらに、表面フィルム5と粘着層6の両方を染色又は着色してもよく、あるいは、ガラスが割れた場合の破片の飛散防止としてのみ使用する場合は、表面フィルム5と粘着層6の両方を透明としてもよい。また、剥離フィルム2の材質としては、ポリエステル以外のプラスチックフィルムを使用可能である。
【0013】
そして、図1と図3と図4に示すように、粘着フィルム本体1の粘着面10には、周縁部まで連通連続状に極細溝12を網目状に形成して、多数の独立島部13…を形成している。なお、図3と図4は、粘着フィルム本体1から剥離フィルム2を剥がした状態の粘着面10側を示し、極細溝12が格子網目状であって、独立島部13の形状が略正方形とされている。
【0014】
具体的に述べると、粘着フィルム本体1と、エンボス加工された剥離フィルム2と、を相互に積層することで、粘着フィルム本体1の粘着層6に極細溝12が形成される。
【0015】
独立島部13の面積Sを0.25mm2 〜8.41mm2 とし(即ち、正方形の一辺Aを 0.5mm〜2.9mm とし)、独立島部13の高さhを5μm 〜20μm とし、かつ、極細溝12の幅Wを 0.1mm〜0.5mm に設定している。
【0016】
このようにすれば、粘着フィルム本体1を被貼付面3(図2参照)に貼り付ける際に、極細溝12から空気を確実に排出でき、気泡や皺の発生を防止できる。かつ、粘着フィルム本体1を窓ガラスの表面(被貼付面3)に貼り付けた後の透過性を十分に確保できる。
【0017】
即ち、面積Sが0.25mm2 未満である(即ち、正方形の一辺Aが 0.5mm未満である)場合は、極細溝12が密となって透過性が失われてしまい、また、面積Sが8.41mm2 を越える(即ち、正方形の一辺Aが 2.9mmを越える)場合は、粘着フィルム本体1を貼り付ける際の空気の排出が十分でなく、気泡や皺が発生する虞れがある。
【0018】
また、幅Wが 0.1mm未満である場合は、粘着フィルム本体1を貼り付ける際の空気の排出が十分でなく気泡や皺が発生する虞れがあり、かつ、エンボス加工による極細溝12の形成が困難となる。また、幅Wが 0.5mmを越える場合は、極細溝12にて形成される網目状の線が邪魔に見えて透過性が悪化する虞れがある。
【0019】
また、高さhが5μm 未満である場合は、粘着フィルム本体1を貼り付ける際の空気の排出を十分に行うことができず気泡や皺が発生する虞れがあり、また、高さhが20μm を越える場合は、幅Wを 0.1mm〜0.5mm の所定範囲に作り難くなる。
【0020】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、例えば、独立島部13の形状としては、略正方形以外にも、図5に示すような長方形状としてもよく、また、図6に示すように、極細溝12を蜂の巣状として独立島部13を略正六角形状としてもよく、さらに、これら以外の形状とするも自由であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。
【0021】
また、図示省略するが、粘着フィルム本体1に、(透過性を有する程度の厚さの)アルミ蒸着層を設けてもよく、この粘着フィルム本体1を、車や建物の窓ガラスに貼り付ければ、外部から見た場合は粘着フィルム本体1が鏡のように見えて車内または屋内が見えず、逆に、車内または屋内から外部を見ることができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されるので、次に記載する効果を奏する。
【0023】
(請求項1によれば、)極細溝12から空気を抜きつつ気泡や皺が生じないように粘着フィルム本体1を被貼付面3に貼り付けることができる。また、熟練を要さずとも、貼り付け作業を容易かつ迅速に行うことができる。しかも、独立島部13の大きさ及び相互間隔が適度に設定されているため、透過性(透視性)を十分に確保することができる。
【0024】
(請求項2によれば、)独立島部13の形状を略正方形としたため、製造が容易となり、大量生産が可能となる。また、透過性を確実に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す拡大断面図である。
【図2】使用状態の拡大断面図である。
【図3】粘着フィルム本体の粘着面側の底面図である。
【図4】粘着フィルム本体の粘着面側の拡大斜視図である。
【図5】粘着フィルム本体の他の実施の形態を示す底面図である。
【図6】粘着フィルム本体の別の実施の形態を示す底面図である。
【符号の説明】
1 粘着フィルム本体
2 剥離フィルム
10 粘着面
12 極細溝
13 独立島部
S 面積
h 高さ
W 幅
A 一辺

Claims (2)

  1. 透過性を有する粘着フィルム本体1と、剥離フィルム2と、から成り、該粘着フィルム本体1の粘着面10には、周縁部まで連通連続状に極細溝12を網目状に形成して、多数の独立島部13…を形成し、さらに、該独立島部13の面積Sを0.25mm2 〜8.41mm2 とし、該独立島部13の高さhを5μm 〜20μm とし、かつ、上記極細溝12の幅Wを 0.1mm〜0.5mm に設定したことを特徴とする窓貼りフィルム。
  2. 極細溝12が格子網目状であって、独立島部13の形状が略正方形であって、一辺Aを 0.5mm〜2.9mm に設定した請求項1記載の窓貼りフィルム。
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