JP3805886B2 - 映像データの入力処理方法及び装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばデジタルビデオディスク記録再生装置に採用されて有効であり、その映像データの入力/記録/再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高密度記録のデジタルビデオディスクが開発され、このビデオディスクには映画等の映像情報、その映画の字幕(複数の言語字幕を記録して用意可能)、その映画のための音声(複数の言語の音声を記録して用意可能)が記録されている。またデジタルビデオディスクとしては、レーザ光を利用した光学的な手段により情報の書き込み消去が可能なものも開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように情報の記録再生が可能なディスクが開発された場合、上述した字幕などのデータを書き換えたり、追加記録したりできるような記録、再生装置が要望される。
【0004】
そこでこの発明は、自由に文字などのデータを追加、挿入可能な映像データの入力処理方法及び装置及び記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の目的を達成するために、主映像にスーパーインポーズするための副映像となる副映像のピクセルデータを所定の圧縮方式で圧縮した圧縮データとし、かつ記録媒体に記録するための所定のフォーマットの副映像データユニットに構築する場合において、複数の最小単位となる副映像のピクセルデータを予め前記圧縮データの形で用意しておき、これらの圧縮データを選択及び又は組み合わせることにより前記副映像データユニットを構築するようにした。
【0006】
そして、前記記録媒体に前記副映像データユニットをパック化して記録する場合、前記記録媒体に予め設定されている領域に記録する。また、前記所定の圧縮方式は、ランレングス圧縮方式である。
【0007】
またこの発明の装置は、上記の目的を達成するために、圧縮された主映像データを有する主映像パックと、ランレングス圧縮された副映像データを有する副映像パックとを混合して配列しており、副映像パックの列には、当該副映像を表示するために表示シーケンス制御データも含まれる記録媒体と、前記記録媒体に設けられ、前記副映像パックを記録するための空き領域と、前記空き領域に、任意の副映像データを含む前記副映像パックを書き込むために、予めメモリに用意している各文字に対応するランレングスデータを選択する選択手段と、前記選択手段により選択されたランレングス圧縮データに対して所定の処理を行って、前記副映像パック内に配置し、当該副映像パックを前記空き領域に書き込む書き込み手段とを備えるものである。
【0008】
上記の手段により、主映像に対して自由にユーザが好みの副映像を対応させて記録、再生することができ利用分野の拡大が可能となる。
【0009】
【実施の形態】
以下この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
まずこの発明を適用した記録再生装置の概略を説明する。図1において光学式ディスク(DVD)100は、ターンテーブル(図示せず)上に載置され、クランパーによりクランプされ、モータ101により回転駆動される。今、再生モードであるとすると、光ディスク100に記録された情報は、ピックアップ部102によりピックアップされる。ピックアップ部102は、サーボ部103によりディスク半径方向への移動制御、フォーカス制御、トラッキング制御されている。またサーボ部103は、ディスクモータ駆動部104にも制御信号を送り、モータ101の回転(つまり光ディスク100)の回転制御を行っている。
【0011】
ここでピックアップ部102は、信号記録機能も備えるもので、光ヘッドとして記録用のレーザビームを出力するヘッドを含むものである。
【0012】
ピックアップ部102の再生時の出力は、復調/エラー訂正部105に入力されて復調される。ここで復調された復調データは、再生処理部1001に入力されて、主映像のデコード、副映像データのデコード、音声データのデコード処理が行われる。副映像データとしては、複数のストリームが存在し、ユーザは操作部201、システム制御部200を通していずれかのストリームを選択することができる。また音声データにも複数のストリームが存在し、同様にユーザは操作部201、システム制御部200を通していずれかのストリームを選択することができる。
【0013】
再生された主映像と副映像データとは表示器1002で表示され、再生された音声信号は、音声出力部(スピーカ)1003から出力される。
【0014】
上記の装置は、操作部201、システム制御部200、副映像記録処理部2001、変調/エラー訂正コード付加部2002、ピックアップ部102を介して光学式ディスク100のあらかじめ決められている領域に副映像データを記録することができる。
【0015】
図2には、副映像データを記録するために、装置を操作するときの状況例を示している。記録が許可されているディスクを記録再生装置10に装填し、例えば記録モードに設定すると、記録すべき映像の位置では静止画となり、副映像を記録する領域が表示器1002の画面上で指示される。例えば点線による枠と、カーソルによる点滅で指示される。図に示す例では、入力許可領域11,12,13にそれぞれ「CAT」、「MOON」、「STAR」が入力された例を示している。
【0016】
このように入力してこの副映像データを記録したい場合には、操作部201を通して記録の指示を行うことにより、ねこの絵柄に対応する副映像データとして「CAT」のデータが記録され、月の絵柄に対応する副映像データとして「MOON」のデータが記録され、星の絵柄に対応する副映像として「STAR」のデータが記録されることになる。
【0017】
このように記録されたディスクを通常再生した場合は、図2に示すような表示を得ることができる。
【0018】
図3は副映像データ記録処理部2001の構成例を示している。
【0019】
副映像データ記録処理部2001は、システム制御部200からの指令に応じて動作するが、その指令を受け取るため、またこの副映像データ記録処理部2001の状態をシステム制御部200に手渡すために入力データ処理及びチェック部2111が設けられている。
【0020】
さらに副映像データをランレングス圧縮した形で記憶したメモリ2112を有する。このメモリ2112の副映像データが、入力データ処理及びチェック部2111を介して、システム制御部200からの指名により読み出されると、その副映像データは、PXD(ピクセルデータ)整列部2113に入力される。ここでは、例えば1ライン期間に表示されるべきデータユニットごとにメモリ2112から読み出されて蓄積される。
【0021】
例えば、図2に示した領域11に副映像データを入力しているものとすると、メモリ2112からは、領域11内の「CAT」を得るためのピクセルデータ(ランレングス圧縮されている)がメモリ2112から読み出されて整列されることになる。不適当な操作によるデータが入力されたような場合、或いはメモリ2112から読み出された文字数が多いような場合は、入力データ処理及びチェック部2111がチェックし、警告音及び又は表示を行う。
【0022】
次に、PXD整列部2113でまとめられた副映像データは、副映像データユニット生成部2114に入力されて、所定の副映像データユニットの形態にフォーマット化される。この副映像データユニットは、例えばDVDの規格で設定されている形態のユニットで、デコードに都合がよいようにフォーマット化される。例えば、副映像データユニットは、最初からその副映像表示用の制御データが用意されて記録媒体に記録されており、ピクセルデータを得るための圧縮データを記録する部分だけが空き領域として設定されている。
【0023】
さらに副映像データユニット生成部2114で構築された副映像データユニットは、パック化部2115に送られ、データ転送、記録に好都合なようにパック化される。そしてパック化された後の各パックは、変調/エラー訂正コード付加部2002に入力されて、変調されかつエラー訂正コードが付加されて、ピックアップ部102に供給され、ディスク100の予め設定されている領域に記録される。
【0024】
上記の各パックはデコーダにおいてデコードされ、表示器1002において表示されるので、ユーザは入力した文字を確認することができる。表示器1002においては、文字を表示しなければならないので、表示シーケンス制御データが必要となるが、この表示シーケンス制御データは、文字を配置する領域が予め決まっているので、この表示シーケンス制御データも予め決まっており、ディスクに記録しておくことが可能である。あるいは、副映像データ記録処理部2001において自動的に表示シーケンス制御データを発生し、副映像データユニットに加えるようにしてもよい。
【0025】
図4には、上記メモリ2112に格納されているデータの例を示している。このメモリ2112には、例えばA,B,C,…Zの各文字のピクセルデータが予めランレングス圧縮されたデータで格納されるもので、トップフィールド用、ボトムフィールド用として格納されている。図において、メモリ2112上では、キャラクタ「A」のトップフィールド用PXDをアドレス<TADA>,キャラクタ「A」のボトムフィールド用PXDをアドレス<BADA>として示し、キャラクタ「B」のトップフィールド用PXDをアドレス<TADB>,キャラクタ「B」のボトムフィールド用PXDをアドレス<BADB>として示し、キャラクタ「C」のトップフィールド用PXDをアドレス<TADC>,キャラクタ「C」のボトムフィールド用PXDをアドレス<BADC>として示している。
【0026】
操作部201からキャラクタ「A」が指示されると、これはシステム制御部200により解釈されて、キャラクタ「A」に対応する指示データが入力データ処理及びチェック部2111に与えられる。すると入力データ処理及びチェック部2111は、先のアドレス<TADA>,<BADA>を出力し、キャラクタ「A」のためのランレングス圧縮データをメモリ2112から読み出し、整列部2113に与え得ることになる。整列部2113では、各キャラクタのランレングス圧縮データを文字列に対応するように整列する。
【0027】
上記のように、ユーザが領域11の文字を入力する場合、「C」「A」「T」という文字を次々と指定することになる。この場合、文字表示を行う際にディスプレイ上で制御する制御データの変更操作を行い、必要があれば表示制御内容(色コード、主映像と副映像との間のコントラスト情報、表示位置、色及びコントラスト)の追加修正も行うことができる。
【0028】
このように、各文字のランレングス圧縮データがつなぎ合わせられ、PXDが作成される。そして作成したランレングスデータからサブピクチャーユニットサイズ(SPU_SZ)、サブピクチャーディスプレイシーケンステーブルスタートアドレス(SP_DCSQT_SA)等を決定し、またサブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)も作成され、1表示ライン毎の副映像データユニットが生成される。
【0029】
上記のサブピクチャーユニットサイズ(SPU_SZ)、サブピクチャーディスプレイシーケンステーブルスタートアドレス(SP_DCSQT_SA)、サブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)、副映像データユニットについては更に後でも詳しく述べることにする。
【0030】
上記の入力状況は、例えばスイッチ部2210(図1)を介して再生処理部1001において副映像データユニットをデコードし、表示器1002において表示させることができる。
【0031】
ユーザは、表示の内容を確認し、記録するかしないかを決定する。記録しない場合には、挿入モードを解除すると作成したデータが破棄される。記録する場合には、パック化されたデータが予めきめられた空き領域に記録される。
【0032】
図5は、副映像データの要素をメモリ2112から読み出し、ランレングス圧縮データを整列した後、これを図1の再生処理部でデコードし、ディスプレイ上に表示させる場合のデコード処理を説明するための図である。
【0033】
図5(A)において、ユーザが領域11の文字を入力する場合、「C」「A」「T」という文字を次々と指定することになる。今、ランレングス圧縮データで表す1文字のピクセルデータの表示サイズは、予め決められており横方向が10ドット、縦方向が8ラインであるものとする。またこの時の表示形態としては横方向(水平方向)への文字表示形態が選択されているものとする。
【0034】
まずユーザが選択した文字のランレングス圧縮データのフィールドごとの先頭アドレスを記憶する。上記の「C」「A」「T」が次々と選択されたとすると、トップフィールドとしては、アドレス<TADC>、<TADA>、<TADT>が順番にデータ制御レジスタに一時記憶され、ボトムフィールドとしては、アドレスアドレス<BADC>、<BADA>、<BADT>が順番にデータ制御レジスタに一時記憶される。
【0035】
次に、ディスプレイ上で表示領域になる個所(*1)で、アドレス<TADC>のデータからデコードを開始し、10ドット分のデータのデコードが終了したところ(*2)で、次にデコードを開始しようとするデータのアドレス<TADC_NEXT>をデータ制御レジスタに保持し、アドレス<TADA>のデータからデコードを開始する。
【0036】
このように、各ランレングス圧縮データをデコードする場合、ピクセルデータ10ドット分のデコードを行う度に、当該キャラクタのための次のアドレスの保持を行い、次のキャラクタのアドレスのデータからデコードを行う。そして、最後のキャラクタのアドレス<TADT>のデータからデコードを行い10ドット分のピクセルデータが得られたところで(*3)、そのラインのデコードを終了する。
【0037】
つぎの水平表示有効期間の表示領域になると(*4)、先に保持しておいた<TADC_NEXT>のデータからデコードを行う。そして10ドット分のデータのデコードが終了したところで、先と同様に次にデコードを開始しようとする「C」のためのデータのアドレスを保持し、次の文字「A」のためのデータからデコードを開始する。このためのアドレスは、先に保持していたアドレスである。
【0038】
ボトムフィールドについても同様なデコードを行う。このようにデコードを行い、8ラインの期間、上記の処理を行いながらフィールド毎にデコードした順にランレングスデータを表示メモリに保持すると「CAT」という横の表示用のデータを得ることができる。
【0039】
上記の例は、「CAT」という文字を横方向(水平方向)へ並べて表示する例であるが、図5(B)に示すように縦方向(垂直方向)へ並べて表示できるように設定することもできる。
【0040】
ユーザから選択された各文字に対するランレングスデータのフィールド毎の先頭アドレスを記憶する。例えばトップフィールド用はアドレス<TADC>、<TADA>、<TADT>、ボトムフィールド用は、アドレス<BADC>,<BADA>,<BADT>という順番でデータ制御レジスタに記憶する。
【0041】
表示領域になる個所(*1)でアドレス<TADC>、<TADA>、<TADT>の順にデータをデコードする。24ラインの期間上記の処理を行いながら、フィールド毎にデコードした順に表示用データを表示メモリに保持すると、これが「CAT」という文字を縦方向に表示するデータとなる。
【0042】
上記したように、この装置においては、メモリに最小限の既にランレングス圧縮されているデータを用意しておき、このデータからユーザが必要なものを選択することにより、副映像データを得ることができる。
【0043】
上記した例は、メモリ2112に格納されているデータがアルファベットの例を示したが、これに限るものではなくどのような文字でもよい。また文字以外の記号やマークなどでもよい。
【0044】
例えば図6に示すように、日本語の文字をランレングス圧縮して用意してメモリに格納しておいてもよい。
【0045】
図7には、副映像データユニット生成部2114で構築される副映像データユニットの形式と、この副映像データユニットがパック化部2115でパック化される様子を示している。
【0046】
図7(A)に示すように、副映像データユニット310は、サブピクチャー表示用の各種パラメータが記録されているサブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)311と、ランレングス符号からなる表示データ(圧縮された画素データ;PXD)312と、表示制御シーケンステーブル(DCSQT)313とで構成されることになる。画素データPXD部には、2次元表示画面の1水平ライン期間分のデータを配置可能である。
【0047】
図7(B)には上記の副映像データユニットをパック化するために、分割し、かつ分割したデータにパックヘッダ及びパケットヘッダを付加した様子を示している。このヘッダを付加したデータをサブピクチャー(SP)パックと称することにする。このサブピクチャーパックは2048バイトと規定されている。
【0048】
このようにパック化されたサブピクチャーパックは、図7(C)に示すように、ディスクのあらかじめ決められている領域に記録される。
【0049】
上記したようにこの発明では、主映像にスーパーインポーズするための副映像となる副映像のピクセルデータを所定の圧縮方式で圧縮した圧縮データとし、かつ記録媒体に記録するための所定のフォーマットの副映像データユニットに構築する場合、複数の最小単位(文字、図形など)となる副映像のピクセルデータを予め前記圧縮データの形で用意しておき、これらの圧縮データを選択及び又は組み合わせることにより前記副映像データユニットを構築するようにしている。そして、記録媒体に前記副映像データユニットをパック化して記録する場合、前記記録媒体に予め設定されている領域に記録するようにしている。
【0050】
所定の圧縮方式としては、ランレングス圧縮方式が採用されている。又、副映像のピクセルデータを予め圧縮データの形で用意する場合、メモリに格納している。圧縮データで用意するので、データ量も軽減され、メモリ容量も低減できる。
【0051】
最小単位の副映像のピクセルデータに対応する圧縮データを前記副映像データユニットとして構築する場合、圧縮データをデコードした場合、デコードした各副映像のピクセルデータが同一ラインになるべきものの圧縮データを繋ぎあわせて1つのライン上に対応する副映像データユニットを構築している。この方式により、少ないデータ量で効率的に副映像データユニットを得ることができる。
【0052】
そして、上記1つのライン上に対応する副映像データユニットを構築するために、同一ラインになるべきものの圧縮データを繋ぎあわせたときに、このデータ量を、前記副映像データユニットに管理情報として含まれるべき、副映像データユニットサイズ(SPU_SZ),副映像データユニットの表示制御シーケンステーブルのスタートアドレス(SP_DCSQT_SA)(図25において説明する)を作成するための参照データ量としている。
【0053】
また副映像データユニットが構築される際には、少なくとも副映像を表示する場合の表示開始及び終了タイミング、コントラスト、表示領域を制御するためのコマンド(図32)が予め含まれている。これにより構築処理の手間を省くことができ、複雑な処理回路を必要としない。これは挿入モードにおいて、副映像を入力しようとする領域が選択されたときに、副映像の表示開始及び終了のタイミングが決まるので、副映像データユニット生成部2114にシステム制御部200から用意されることになる。コントラストコマンドなどは予め基準値として容易されている。この表示制御シーケンスは、副映像を記録しようとするディスクの一部に予め記録しておいてもよいし、システム制御部200に副映像挿入モードのときにその挿入領域に関する表示制御シーケンスデータを生成する手段を設けるようにてもよい。またこのときサブピクチャーIDが自動的に付加されるか、又はIDを付けることの要求が、ディスプレイ上で行われる。挿入した副映像を再生して表示するためにその指定を行うIDは,自動的に付加するように設計したほうがユーザにとっては便利である。
【0054】
前記コマンドは、制限の範囲内で可変可能としてもよい。これによりユーザの好みに応じたコントラスト、表示位置調整等を得ることができる。
【0055】
また上記の装置は、副映像のIDを指定して、消去モードにするとディスク上で当該副映像が記録されている領域のデータを消去することも可能である。この消去処理においても、予め書き込み領域が決まっているので、当該領域を容易にサーチすることができる。そして消去の後、新たに副映像パックを書き込むことも可能である。
【0056】
次に、この発明が適用されるデジタルビデオディスクのフォーマットについて説明する。
【0057】
次にこの発明が適用された光ディスク再生装置及び光ディスクのフォーマットに付いて説明する。
【0058】
この発明に係る情報保持媒体の一例として光学式ディスクの記録データ構造を説明する。この光学式ディスクは、たとえば片面約5Gバイトの記憶容量をもつ両面貼合せディスクであり、ディスク内周側のリードインエリアからディスク外周側のリードアウトエリアまでの間に多数の記録トラックが配置されている。各トラックは多数の論理セクタで構成されており、それぞれのセクタに各種情報(適宜圧縮されたデジタルデータ)が格納されている。
【0059】
図8は、光学式ディスクのボリウム空間を示している。
【0060】
図8に示すように、ボリウム空間は、ボリウム及びファイル構成ゾーン、DVDビデオゾーン、他のゾーンからなる。ボリウム及びファイル構成ゾーンには、UDFブリッジ構成が記述されており、所定規格のコンピュータでもそのデータを読み取れるようになっている。DVDビデオゾーンは、ビデオマネージャー(VMG)、ビデオタイトルセット(VTS)を有する。ビデオマネージャー(VMG)、ビデオタイトルセット(VTS)は、それぞれ複数のファイルで構成されている。ビデオマネージャー(VMG)は、ビデオタイトルセット(VTS)を制御するための情報である。
【0061】
図9には、ビデオマネージャー(VMG)とビデオタイトルセット(VTS)の構造をさらに詳しく示している。
【0062】
ビデオマネージャー(VMG)は、ビデオタイトルセット等を制御する制御データとしてのビデオマネージャーインフォーメーション(VMGI)と、メニュー表示のためのデータとしてのビデオオブジェクトセット(VMGM VOBS)を有する。またバックアップ用のビデオマネージャーインフォーメーション(VMGI)も有する。
【0063】
ビデオタイトルセット(VTS)は、制御データとしてのビデオタイトルセットインフォーメーション(VTSI)と、メニュー表示のためのデータとしてのビデオオブジェクトセット(VMGM VOBS)と、映像表示のためのビデオオブジェクトセットである、ビデオタイトルセットのタイトルのためのビデオオブジェクトセット(VTSTT VOBS)とが含まれる。またバックアップ用のビデオタイトルセットインフォーメーション(VTSI)も有する。
【0064】
さらに、映像表示のためのビデオオブジェクトセットである(VTSTT VOBS)は、複数のセル(Cell)で構成されている。各セル(Cell)にはセルID番号が付されている。
【0065】
図10には、上記のビデオオブジェクトセット(VOBS)とセル(Cell)の関係と、さらにセル(Cell)の中身を階層的に示している。DVDの再生処理が行われるときは、映像の区切り(シーンチェンジ、アングルチェンジ、ストーリーチェンジ等)や特殊再生に関しては、セル(Cell)単位またはこの下位の層であるビデオオブジェクトユニット(VOBU)単位で取り扱われるようになっている。
【0066】
ビデオオブジェクトセット(VOBS)は、まず、1つまたは複数のビデオオブジェクト(VOB IDN1 〜VOB IDNi )で構成されている。さらに1つのビデオオブジェクトは、1つまたは複数のセル(C IDN1 〜C IDNj )により構成されている。さらに1つのセル(Cell)は、1つまたは複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)により構成されている。そして1つのビデオオブジェクトユニット(VOBU)は、1つのナビゲーションパック(NV PCK)、1つまたは複数のオーディオパック(A PCK)、1つまたは複数のビデオパック(V PCK)、1つまたは複数のサブピクチャーパック(SP PCK)で構成されている。
【0067】
ここで、本発明に係わるディスクにおいては、サブピクチャーパックのための空き領域が設定されており、この部分に前述したようにデータを書き込むことができるようになっている。
【0068】
ナビゲーションパック(NV PCK)は、主として所属するビデオオブジェクトユニット内のデータの再生表示制御を行うための制御データ及びビデオオブジェクトユニットのデータサーチを行うための制御データとして用いられる。
【0069】
ビデオパック(V PCK)は、主映像情報であり、MPEG等の規格で圧縮されている。またサブピクチャーパック(SP PCK)は、基本的には主映像に対して補助的な内容を持つサブピクチャー情報である。例えば映画の字幕、シナリオ、などであり、ランレングス圧縮技術が用いられる。オーディオパック(A PCK)は、音声情報である。
【0070】
図11には、ビデオオブジェクト(VOB)と、セルとの関係を取り出して示している。図10(A)に示す例は、1つのタイトル(例えば映画のシーン)が連続している状態のブロック配列であり、ブロック内のセルが連続して再生される。これに対して、図10(B)は、マルチシーンを記録した場合のセルの配列例を示している。即ち、DVDにおいては、同時進行するイベントであって、異なる角度から撮影した映像を記録してもよいという規格が定められている。例えば、野球の映画であった場合、バックネット裏から球場全体を撮影した映像と、審判の顔をズームアップした映像とを同時に取得し、それぞれの映像を複数のユニットに分割し、これらをインターリーブしてトラック上に記録するものである。図10(B)の例は、2つのシーンをユニットに分割して、各ユニットをインターリーブした例を示している。このようなディスクが再生される場合は、いずれか一方のユニットが飛び飛びに取得されて、再生されることになる。いずれのシーンを選択するかは、ユーザの操作により決定されるか、又は、優先順位が付されておりユーザ選択がない場合には優先度の高い方が再生される。
【0071】
図12には、プログラムチェーン(PGC)により、上記のセル(Cells)がその再生順序を制御される例を示している。
【0072】
プログラムチェーン(PGC)としては、データセルの再生順序として種々設定することができるように、種々のプログラムチェーン(PGC#1、PGC#2、PGC#3…)が用意されている。したがって、プログラムチェーンを選択することによりセルの再生順序が設定されることになる。
【0073】
プログラムチェーンインフォメーション(PGCI)として記述されているプログラム#1〜プログラム#nが実行される例を示している。図示のプログラムは、ビデオオブジェクトセット(VOBS)の#s以降のセルを順番に指定する内容となっている。
【0074】
図13には、ビデオタイトルセット(VTS)の中のビデオタイトルセットインフォーメーション(VTSI)を示している。ビデオタイトルセットインフォーメーション(VTSI)の中にビデオタイトルセットプログラムチェーンインフォメーションテーブル(VTS PGCIT)が記述されている。したがって、1つのビデオタイトルセット(VTS)内のビデオオブジェクトセット(VOBS)が再生されるときは、このビデオタイトルセットプログラムチェーンインフォメーションテーブル(VTS PGCIT)で提示される複数のプログラムチェーンの中からユーザが選択したプログラムチェーンが利用される。
【0075】
VTSIの中には、そのほかに、次のようなデータが記述されている。
【0076】
VTSI MAT…ビデオタイトルセット情報の管理テーブルであり、このビデオタイトルセットにどのような情報が存在するのか、また、各情報のスタートアドレスやエンドアドレスが記述されている。
【0077】
VTS PTT SRPT…ビデオタイトルセット パート オブ タイトルサーチポインターテーブルであり、ここでは、タイトルのエントリーポイント等が記述されてる。
【0078】
VTSM PGCI UT…ビデオタイトルセットメニュープログラムチェーンインフォメーションユニットテーブルであり、ここには、各種の言語で記述されるビデオタイトルセットのメニューを再生するためのチェーンが記述されている。したがって、どの様なビデオタイトルセットが記述されており、どのようなスタイルの再生順序で再生できるのか記述されているのかをメニューで確認できる。
【0079】
VTS TMAPT…ビデオタイトルセットタイムマップテーブルであり、このテーブルには、プログラムチェーン内で管理されるVOBUの記録位置の情報が記述されている。
【0080】
VTSM C ADT…ビデオタイトルセットメニュー セル アドレステーブルであり、ビデオタイトルセットメニューを構成するセルのスタート及びエンドアドレス等が記述されている。
【0081】
VTSM VOBU ADMAP…ビデオタイトルセットメニュービデオオブジェクトユニットアドレスマップであり、このマップにはメニュー用のビデオオブジェクトユニットのスタートアドレスが記述されている
VTS C ADT…ビデオタイトルセット セル アドレステーブルであり、ビデオタイトルセット本体を構成するセルのスタート及びエンドアドレス等が記述されている。
【0082】
VTS VOBU ADMAP…ビデオタイトルセットビデオオブジェクトユニットアドレスマップであり、このマップには、タイトル本体のビデオオブジェクトユニットのスタートアドレスが記述されている。
【0083】
再生装置においては、プログラムチェーンが選択されると、そのプログラムチェーンによりセルの再生順序が設定される。また再生においては、ビデオオブジェクトユニットに含まれるNV PCKが参照される。NV PCKは、表示内容、表示タイミングを制御するための情報や、データサーチのための情報を有する。したがって、このNV PCKテーブルの情報に基づいてV PCKの取り出しと、デコードが行われる。また他のパックの取り出し及びデコードが行われるが、その場合は、ユーザが指定しているところの言語のA PCK、SP PCKの取り出しが行われる。
【0084】
図14には、1つのパックとパケットの構成例を示している。
【0085】
1パックは、パックヘッダ、パケットで構成される。パックヘッダ内には、パックスタートコード、システムクロックリファレンス(SCR)等が記述されている。パックスタートコードは、パックの開始を示すコードであり、システムクロックリファレンス(SCR)は、装置全体に対して再生経過時間における所在時間を示す情報である。1パックの長さは、2048バイトであり、光ディスク上の1論理ブロックとして規定され、記録されている。
【0086】
1パケットは、パケットヘッダとビデオデータまたはオーディオデータ又はサブピクチャーデータまたはナビゲーションデータで構成されている。パケットのパケットヘッダには、スタッフィングが設けられる場合もある。またパケットのデータ部にはパディングが設けられる場合もある。
【0087】
図15には、NV PCKを取り出して示している。
【0088】
NV PCKは、基本的には表示画像を制御するためのピクチャーコントロールインフォーメーション(PCI)パケットと、同じビデオオブジェクト内に存在するデータサーチインフォメーション(DSI)パケットを有する。各パケットにはパケットヘッダとサブストリームIDが記述され、その後にそれぞれデータが記述されている。各パケットヘッダにはストリームIDが記述され、NV PCKであることを示し、サブストリームIDは、PCI、DSIの識別をおこなっている。また各パケットヘッダには、パケットスタートコード、ストリームID、パケット長が記述され、続いて各データが記述されている。
【0089】
PCIパケットは、このパケットが属するビデオオブジェクトユニット(VOBU)内のビデオデータの再生に同期して、表示内容を変更するためのナビゲーションデータである。
【0090】
PCIパケットには、一般情報であるPCIジェネラルインフォメーション (PCI GI)と、ノンシームレスアングルインフォメーション(NSML ANGLI)と、ハイライトインフォメーション(HLI)と、記録情報であるレコーディングインフォーメーション(RECI)が記述されている。
【0091】
図16には再生制御一般情報(PCI GI)を示している。
【0092】
PCI GIには、このPCIの一般的な情報であり以下のような情報を記述されている。このナビゲーションパックのアドレスである論理ブロックナンバー(NV PCK LBN)、このPCIで管理されるビデオオブジェクトユニット(VOBU)の属性を示すビデオオブジェクトユニットカテゴリー(VOBU_CAT)、このPCIで管理されるビデオオブジェクトユニットの表示期間におけるユーザの操作禁止情報等を示すユーザオペレーションコントロール(VOBU UOP CTL)、ビデオオブジェクトユニットの表示の開始時間を示す(VOBU S PTM)、ビデオオブジェクトユニットの表示の終了時間を示す(VOBU E PTM)を含む。VOBU S PTMによって指定される最初の映像は、MPEGの規格におけるIピクチャーである。さらにまた、ビデオオブジェクトユニットの最後のビデオの表示時間を示すビデオオブジェクトユニット シーケンス エンド プレゼンテーションタイム(VOBU SE E PTM)や、セル内の最初のビデオフレームからの相対表示経過時間を示すセル エラプス タイム(C ElTM)等も記述されている。
【0093】
また、PCI内に記述されている、NSML ANGLIは、アングルチェンジがあったときの目的地(行き先)のアドレスを示している。つまり、ビデオオブジェクトは、異なる角度から撮像した映像をも有する。そして、現在表示しているアングルとは異なるアングルの映像を表示させるためにユーザからの指定があったときは、次に再生を行うために移行するVOBUのアドレスが記述されている。
【0094】
HLIは、画面内で特定の領域を矩形状に指定し、この領域の輝度やここに表示されるサブピクチャーのカラー等を可変するための情報である。この情報には、ハイライトジェネラルインフォーメーション(HL GI)、ユーザにカラー選択のためにボタン選択を行わせるためのボタンカラーインフォーメーションテーブル (BTN COLIT)、また選択ボタンのためのボタンインフォーメーションテーブル(BTNIT)が記述されている。
【0095】
RECIは、このビデオオブジェクトユニットに記録されているビデオ、オーディオ、サブピクチャーの情報であり、それぞれがデコードされるデータがどようなものであるかを記述している。例えば、その中には国コード、著作権者コード、記録年月日等がある。
【0096】
DSIパケットは、ビデオオブジェクトユニットのサーチを実行させるためのナビゲーションデータである。
【0097】
DSIパケットには、一般情報であるDSIジェネラルインフォーメーション(DSI GI)と、シームレスプレイバックインフォーメーション(SML PBI)、シームレスアングルインフォメーション(SML AGLI)、ビデオオブジェクトユニットサーチインフォメーション(VOBU SRI)、同期情報(SYNCI)が記述されている。
【0098】
図17に示すようにDSI GIには、次のような情報が記述されている。
【0099】
NV PCKのデコード開始基準時間を示すシステムクロックリファレンスであるNV PCK SCR、NV PCKの論理アドレスを示す(NV PCK LBN)、このNV PCKが属するビデオオブジェクトユニットの終了アドレスを示す(VOBU EA)が記述されている。さらにまた、最初にデコードするための第1の基準ピクチャー(Iピクチャー)の終了アドレス(VOBU 1STREF EA)、最初にデコードするための第2の基準ピクチャー(Pピクチャー)の終了アドレス(VOBU 2NDREF EA)、最初にデコードするための第3の基準ピクチャー(Pピクチャー)の終了アドレス(VOBU 3RDREF EA)が記述されている。さらにまた、このDSIが属するVOBのID番号(VOBU VOB IDN)、またこのDSIが属するセルのID番号(VOBU C IDN)、セル内の最初のビデオフレームからの相対経過時間を示すセル エラプス タイム(C ELTM)も記述されている。
【0100】
図18に示すようSMI PBIには、次のような情報が記述されている。
【0101】
このDSIが属するVOBUはインターリーブドされたユニット(ILVU)であるか、ビデオオブジェクトの接続を示す基準となるプリユニット(PREU)であるかを示すビデオオブジェクトユニットシームレスカテゴリー(VOBU SML CAT)、インターリーブドユニットの終了アドレスを示す(ILVU EA)、次のインターリーブドユニットの開始アドレスを示す(ILVU SA)、次のインターリーブドユニットのサイズを示す(ILVU SZ)、ビデオオブジェクト(VOB)内でのビデオ表示開始タイムを示す(VOB V S PTM)、ビデオオブジェクト(VOB)内でのビデオ表示終了タイムを示す(VOB V E PTM)、ビデオオブジェクト(VOB)内でのオーディオ停止タイムを示す(VOB A STP PTM)、ビデオオブジェクト(VOB)内でのオーディオギャップ長を示す(VOB A GAP LEN)等がある。
【0102】
図19に示すようにシームレスアングル情報(SML AGLI)には、次のような情報が記述されている。
【0103】
各アングルにおける次に移行目的とするインターリーブユニットのアドレス及びサイズ(SML AGL Cn DSTA)(n=1〜9)である。アングルの変更があった場合はこの情報が参照される。
【0104】
図20に示すようにVOBU サーチ情報(VOBU SRI)としては次のような情報が記述されている。
【0105】
この情報は、現在のビデオオブジェクトユニット(VOBU)の開始時間よりも(0.5×n)秒前及び後のVOBUの開始アドレスを記述している。即ち、当該DSIを含むVOBUを基準にしてその再生順にしたがってフォワードアドレス(FWDINn)として+1から+20、+60、+120及び+240までのVOBUのスタートアドレス及びそのユニットにビデオパックが存在することのフラッグが記述されている。スタートアドレスは、当該VOBUの先頭の論理セクタから相対的な論理セクタ数で記述されている。この情報を利用することにより、再生したいVOBUを自由に選択することができる。
【0106】
図21に示すように同期情報(SYNC)には DSIが含まれるVOBUのビデオデータの再生開始時間と同期して再生すべきサブピクチャー及びオーディオデータのアドレスが記述されている。アドレスは、DSIが含まれるNV PCKからの相対的な論理セクタ数で目的とするパックの開始位置を示している。オーディオストリームが複数(最大8)ある場合にはその数だけ同期情報が記載されている。またサブピクチャーが複数(最大32)ある場合には、その数だけ同期情報が記述される。
【0107】
上記の説明は、ビデオ、オーディオ、NVデータ、サブピクチャー等のパック構造の説明であった。
【0108】
ここで、各パックのそれぞれの集合体について説明する。
【0109】
図22にはビデオオブジェクトユニット(VOBU)と、このユニット内のビデオパックの関係を示している。VOBU内のビデオデータは、1つ以上のGOPにより構成している。エンコードされたビデオデータは、例えばISO/IEC13818−2に準拠している。VOBUのGOPは、Iピクチャー、Bピクチャーで構成され、このデータの連続が分割されビデオパックとなっている。
【0110】
図23には、オーディオストリームとオーディオパックとの関係を示している。オーディオストリームとしては、リニアPCM、ドルビーAC−3、MPEG等のデータがある。
【0111】
図24には、エンコード(ランレングス圧縮)されたサブピクチャーのパックの論理構造を例示している。
【0112】
図24の上部に示すように、ビデオデータに含まれるサブピクチャー(副映像)の1パック(SP PCK)は、たとえば2048バイト(2kB)で構成される。サブピクチャーの1パックは、先頭のパックヘッダのあとに、パケットヘッダ及び副映像データを含んでいる。パックヘッダには、それぞれファイル全体の再生を通じて基準となる時刻(SCR; System Clock Reference)情報が付与されており、システムタイマーの時刻と所定の関係にあり、かつ同じ時刻情報のSCRが付与されている各サブピクチャーパケットが取りまとめられ、後述するデコーダへ転送されるようになっている。
【0113】
第1のサブピクチャーパケットは、そのパケットヘッダのあとに、後述するサブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)とともにランレングス圧縮されたサブピクチャーデータを含んでいる。同様に、第2のサブピクチャーパケットは、そのパケットヘッダのあとに、ランレングス圧縮されたサブピクチャーデータを含んでいる。
【0114】
このような複数のサブピクチャーデータをランレングス圧縮の1ユニット(1単位)分集めたものがサブピクチャーデータユニット310である。サブピクチャーデータユニット310には、サブピクチャーユニットヘッダ311が付与されている。このサブピクチャーユニットヘッダ311のあとに、1ユニット分の映像データ(たとえば2次元表示画面の1水平ライン分のデータ)をランレングス圧縮した画素データ312、および各サブピクチャーパックの表示制御シーケンス情報を含むテーブル313が続く。
【0115】
即ち、サブピクチャーデータユニット310は、サブピクチャー表示用の各種パラメータが記録されているサブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)311と、ランレングス符号からなる表示データ(圧縮された画素データ;PXD)312と、表示制御シーケンステーブル(DCSQT)313とで構成されることになる。
【0116】
図25は、図24で例示した1ユニット分のランレングス圧縮データ310のうち、サブピクチャーユニットヘッダ311の内容の一部を例示している。
【0117】
サブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)311には、画素データ(PXD)312のTV画面上での表示サイズすなわち表示開始位置および表示範囲(幅と高さ)(SPDSZ;2バイト)と、サブピクチャーデータパケット内の表示制御シーケンステーブル313の記録開始アドレス(SP DCSQT SA;2バイト)とが記録されている。
【0118】
さらに説明すると、サブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)311には、図25に示すように、以下の内容を持つパラメータが記録されている。
【0119】
(1)この表示データのモニタ画面上における表示開始位置および表示範囲(幅および高さ)を示す情報(SPDSZ)と;
(2)パケット内の表示制御シーケンステーブル33の記録開始位置情報(サブピクチャーの表示制御シーケンステーブル開始アドレスSP DCSQT SA)。
【0120】
図26は、再度、サブピクチャーユニットのデータ構造を示す。
【0121】
サブピクチャーユニットは、複数のサブピクチャーパケットにより構成されている。即ち、ビデオデータに含まれるサブピクチャー情報の1パックはたとえば2048バイト(2kB)で構成され、サブピクチャー情報の1パックは、先頭のパックヘッダのあとに、1以上のサブピクチャーパケットを含んでいる。パックヘッダには、それぞれファイル全体の再生を通じて基準となる時刻(SCR; System Clock Reference)情報が付与されており、同じ時刻情報のSCRが付与されているサブピクチャーパック内のパケットが後述するデコーダへ転送されるようになっている。
【0122】
上述したパケットのパケットヘッダには、再生システムがそのサブピクチャーデータユニットの表示制御を開始すべき時刻がプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS;Presentation Time Stamp )として記録されている。ただし、このPTSは、図27に示すように、各サブピクチャーデータユニット(Y,W)内の先頭のサブピクチャーデータパケットのヘッダにだけ対応して記録されるようになっている。このPTSは、所定の再生時刻SCRを参照して再生される複数のサブピクチャーデータユニットにおいて、その再生順に沿った値が各サブピクチャーデータユニットに対して記述されている。
【0123】
図28は、1以上のサブピクチャーパケットで構成されるサブピクチャーユニットの直列配列状態(n、n+1)と、そのうちの1ユニット(n+1)のパケットヘッダに記述されたプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)と、この(PTS)に対応したユニット(n+1)の表示制御の経過状態とを、例示している。即ち、PTSの処理時点と、サブピクチャーユニット(n)の表示クリア期間と、これから表示するサブピクチャーユニット(n+1)の表示開始時点との関係を示している。
【0124】
図29に示すように、サブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)311には、サブピクチャーユニットのサイズ(2バイトのSPU SZ)と、パケット内の表示制御シーケンステーブル33の記録開始アドレス(2バイトのSP DCSQT SA)とが記録されている。
【0125】
SPU SZは、1つのユニットのサイズをバイト数で記述しており、最大サイズは53248バイトである。SP DCSQT SAは、ユニットの最初のバイトからの相対バイト数により表示制御シーケンステーブル(SP DCSQT)の開始アドレスを記述している。
【0126】
図30に示すように、表示制御シーケンステーブル(SP DCSQT)313には、1つ以上のサブピクチャー表示シーケンス(SP DCSQ0 、SP DCSQ1 、…SP DCSQn )が実行順に記述されている。表示制御シーケンステーブル(SP DCSQT)313は、サブピクチャーユニットの有効期間中に、サブピクチャーの表示開始/停止と、属性を変更するための表示シーケンス情報である。
【0127】
図31は上記のサブピクチャー表示制御シーケンス(SP DCSQ)の1つの内容を示している。このSP DCSQのパラメータとしては以下のような内容が記述されている。
【0128】
映像データ表示制御の実行が開始される時刻を示すサブピクチャー表示制御スタートタイム(SP DCSQ STM;Sub-Picture Display Control Sequence Start Time )と、次のサブピクチャー表示制御シーケンス(SP DCS Q)の記述先を表すアドレス(SP NXT DCSQ SA;Addres of Next SP DCSQ )と、サブピクチャーデータの表示制御コマンド(SP COMMAND;Sub-Picture Display Control Command )(SP COMMAND1 、SP COMMAND2 、SP COMMAND3 、…)とが記録される。
【0129】
ここで、パケットヘッダ(図26、図27に示した)内のプレゼンテーションタイムスタンプPTSは、たとえばファイル先頭の再生開始時間のような、ファイル全体の再生を通じて基準となる時間(SCR;System Clock Reference)からの相対時間で規定されている。このSCRは、パケットヘッダの手前に付与されているパックヘッダ内に記述されていることは先に説明した。
【0130】
更に、表示制御シーケンス実行開始時間を設定しているサブピクチャー表示制御タイム(SP DCSQ STM)は、パケットヘッダに記述されている上記PTSからの相対時間(相対PTM)で規定される。
【0131】
したがって、(SP DCSQ STM)とサブタイマーの計数値が比較され、サブタイマーの計数値が表示制御シーケンスタイムよりも大きい場合には、デコード手段によりデコードされた出力データの表示状態が、シーケンス制御データに従って制御される。
【0132】
実際には(SP DCSQ STM)である実行開始時間が記述された後の最初に表示されるビデオフレームに対して、そのビデオフレーム内で表されるサブピクチャーに対して表示のための制御が開始される。最初に実行される表示制御シーケンスタイム(SP DCSQ STM)には「0000h 」を記述される。この実行開始時間の値は、サブピクチャーパケットヘッダに記述されているPTSと等しいかあるいはそれ以上であり、0又は正の整数値である。この表示制御開始時間に基づいて、1つの(SP DCSQ)内のコマンドが実行処理されると、次に指定されている(SP DCSQ)内のコマンドが、その表示制御開始時間になったときに実行処理を開始する。
【0133】
SP NXT DCSQ SAは、最初のサブピクチャーユニットからの相対バイト数で示され、次のSP DCSQのアドレスを示している。次のSP DCSQが存在しない場合には、このSP DCSQの当該サブピクチャーユニットの最初のバイトからの相対バイト数で、最初のSP DCSQの開始アドレスが記述されている。SP DCCMDnは、1つまたはそれ以上の表示制御シーケンスを記述している。
【0134】
図32には、表示制御を行うための表示制御コマンド(SP DCCMD)の1つの内容を示している。
【0135】
表示制御コマンド(SP DCCMD)の内容は、画素データの強制的な表示開始タイミングをセットする命令(FSTA DSP)、画素データの表示開始タイミングをセットする命令(STA DSP)、画素データの表示終了タイミングをセットする命令(STP DSP)、画素データのカラーコードをセットする命令(SET COLOR)、画素データと主映像間のコントラストをセットする命令(SET CONTR)、画素データの表示エリアをセットする命令(SET DAREA)、画素データの表示開始アドレスをセットする命令(SET DSPXA)、画素データのカラー及びコントラストの変化制御をセットする命令(CHG COLCON)、表示制御の終了のコマンド(CMD END)がある。それぞれのコードと拡張フィールドは、図にも示すように次の通りである。
【0136】
即ち、強制的な表示開始タイミング命令(FSTA DSP)のコードは00hであり拡張フィールドは0バイトである。この命令が記述されていた場合、サブピクチャーの表示状態のオンオフにかかわらず、このコードを有するサブピクチャーユニットの強制的な表示が実行される。
【0137】
表示開始タイミング命令(STA DSP)のコードは00hであり拡張フィールドは0バイトである。この命令はサブピクチャーユニットの表示開始命令である。この命令はサブピクチャーの表示オフの操作のときは無視される。
【0138】
表示停止タイミング命令(STP DSP)のコードは02hであり拡張フィールドは0バイトである。この命令はサブピクチャーユニットの表示停止命令である。サブピクチャーは先の表示開始命令により再表示されることができる。
【0139】
カラーコード設定命令(SET COLOR)のコードは03hであり拡張フィールドは2バイトである。この命令は画素データの各画素の色を決める命令であり、パレットコードで拡張フィールドに記述されている。また各画素のためのパレットコードとして第2強調画素用(4ビット)、第1強調画素用(4ビット)、パターン画素用(4ビット)、背景画素用(4ビット)のための各パレットコードが記述されている。
【0140】
ここで、この命令(SET COLOR)が当該サブピクチャーユニットに存在しない場合には、その前の最後に用いられたものが維持されおり、この命令が利用される。この命令は各ラインの最初に指定される。
【0141】
コントラスト設定命令(SET CONTR)のコードは04hであり拡張フィールドは2バイトである。この命令は画素データと主映像との混合比を設定する命令であり、コントラスト指定データで拡張フィールドに記述されている。また画素のコントラスト指定データとしては、第2強調画素用(4ビット)、第1強調画素用(4ビット)、パターン画素用(4ビット)、背景画素用(4ビット)があるので各画素のためのコントラスト指定データkが記述されている。
【0142】
主映像のコントラストが(16−k)/16で規定されるものとすると、サブピクチャーのコントラストはk/16となる。16は階調である。値は“0”の場合もあり、このときはサブピクチャーは存在しても画面には現れない。そして値が“0”でない場合には、kは(値+1)として扱われる。
【0143】
ここで、この命令(SET CONTR)が当該サブピクチャーユニットに存在しない場合には、その前の最後に用いられたものが維持されおり、この命令が利用される。この命令は各ラインの最初に指定される。
【0144】
表示エリア設定命令(SET DAREA)のコードは05hであり拡張フィールドは6バイトである。この命令は、画面上に四角形の画素データの表示エリアを設定するための命令である。この命令では、画面上のX軸座標の開始位置 (10ビット)と終了位置(10ビット)、Y軸座標の開始位置(10ビット)と終了位置(10ビット)が記述されている。6バイトのうち残りのビットや予約で確保されている。X軸座標の終了位置の値からX軸座標の開始位置の値を減算し+1を行うと、1ライン上の表示画素数と同じである筈である。Y軸座標の原点はライン番号0である。またX軸座標の原点も0である。画面上では左上のコーナーに対応する。Y軸座標値は、2〜479(525本/60HzのTVの場合)、または2〜574(625本/50HzのTVの場合)であり、これによりサブピクチャーラインが指定され、X軸座標値は0〜719の値が記述され、これにより画素番号が指定される。
【0145】
ここで、この命令(SET DAREA)が当該サブピクチャーユニットに存在しなかった場合、先行して送られてきた最後のサブピクチャーユニットに含まれている命令がそのまま利用される。
【0146】
表示開始アドレス設定命令(SET DSPXA)のコードは06hであり拡張フィールドは4バイトである。この命令は、表示する画像データの最初のアドレスを示す命令である。サブピクチャーユニットの先頭からの相対バイト数で奇数フィールド(16ビット)と偶数フィールド(16ビット)の最初のアドレスが記述されている。このアドレスで示される位置の第1の画素データは、ラインの左端の第1の画素を含むランレングス圧縮コードを示している。
【0147】
ここで、この命令(SET DSPXA)が当該サブピクチャーユニットに存在しなかった場合、先行して送られてきた最後のサブピクチャーユニットに含まれていた命令がそのまま利用される。
【0148】
カラー及びコントラスト変化制御命令(CHG COLON)のコードは07hであり、拡張フィールドは(画素制御データサイズ+2バイト)である。 (CMD END)のコードはFFhであり拡張バイトは0バイトである。
【0149】
図33は、上記の(CHG COLON)の拡張フィールドに記述される画素制御データ(PXCD;Pixel Control Data)の内容を示している。
【0150】
このPXCDは、サブピクチャーとして表示されている画素の色やコントラストを表示期間中に制御するデータである。PXCDに記述された命令は、サブピクチャー表示制御スタートタイム(SP DCSQ STM)が記述された後の第1のビデオフレームから各ビデオフレームで実行され、次の新しいPXCDがセットされるまで実行される。新しいPXCDが更新された時点で今までのPXCDが取り消される。
【0151】
図33に示すライン制御情報(LN CTLI;Line Control Information )は、サブピクチャーの変化制御が行われるラインを指定する。同様な変換制御が行われる複数のラインを指定することができる。また画素制御情報(PX CTLI;Pixcel Control Information) は変化制御が行われるライン上の指定位置を記述している。1つ以上の画素制御情報(PX CTLI) は、変換制御が行われるライン上で複数の位置指定ができる。
【0152】
画素制御データ(PXCD)の終了コードとしては(0FFFFFFFh)がLN CTLIが記述されている。この終了コードのみが存在するようなPXCDが到来したときは、(CHG COLON)命令自体の終了を意味する。
【0153】
図34を参照して、さらに続けて上記各命令について説明する。
【0154】
LN CTLIは4バイトからなり、サブピクチャーの変化を開始するライン番号(10ビット)、変化数(4ビット)、そして終了ライン番号(10ビット)を記述している。変化開始ライン番号は、画素制御内容の変化が開始されるところのライン番号であり、これはサブピクチャーのライン番号で記述されている。また終了ライン番号は、画素制御内容による制御状態をやめるところのライン番号であり、これもサブピクチャーのライン番号で記述されている。また変化数は、変化位置の数でありグループ内の画素制御情報(PX CTLI)数に等しいことになる。このときのライン番号は、当然のことながら、2〜479(テレビシステムは525本/60Hzのとき)、または2〜574(テレビシステムは625本/50Hzのとき)である。
【0155】
次に、1つの画素制御情報(PX CTLI)は、6バイトからなり、変化開始画素番号(10ビット)、その画素に続く各画素の色及びコントラストを変化させるための制御情報が記述されている。
【0156】
画素のためのパレットコードとして第2強調画素用(4ビット)、第1強調画素用(4ビット)、パターン画素用(4ビット)、背景画素用(4ビット)のための各パレットコードが記述されている。また画素のためのコントラスト指定データとして第2強調画素用(4ビット)、第1強調画素用(4ビット)、パターン画素用(4ビット)、背景画素用(4ビット)のコントラスト指定データが記述されている。
【0157】
上記の変化開始画素番号は、表示順の画素番号で記述されている。これが零のときはSET COLOR及びSET CONTRが無視される。カラー制御情報としてはカラーパレットコードが記述され、コントラスト制御情報としては先に述べたようなコントラスト指定データで記述されている。
【0158】
上記の各制御情報において変化が要求されていない場合には、初期値と同じコードが記述される。初期値とは、当該サブピクチャーユニットに使用されるべき最初から指定されているカラーコード及びコントラスト制御データのことである。
【0159】
次に、サブピクチャーの圧縮方法について説明する。
【0160】
図35はサブピクチャーの画素データ(ランレングスデータ)が、作成されるときのランレングス圧縮規則1〜6を示している。この規則により、ユニットの1単位のデータ長(可変長)が決まる。そして、決まったデータ長でエンコード(ランレングス圧縮)およびデコード(ランレングス伸張)が行われる。
【0161】
図36は、先のサブピクチャー画素データ(ランレングスデータ)312部分が2ビットの画素データで構成される場合において、一実施の形態に係るエンコード方法で採用されるランレングス圧縮規則1〜6を説明するものである。
【0162】
図33の1列目に示す規則1では、同一画素が1〜3個続く場合、4ビットデータでエンコード(ランレングス圧縮)データの1単位を構成する。この場合、最初の2ビットで継続画素数を表し、続く2ビットで画素データ(画素の色情報など)を表す。
【0163】
たとえば、図36の上部に示される圧縮前の映像データPXDの最初の圧縮データ単位CU01は、2個の2ビット画素データd0、d1=(0000)bを含んでいる(bはバイナリであることを指す)。この例では、同一の2ビット画素データ(00)bが2個連続(継続)している。
【0164】
この場合、図36の下部に示すように、継続数「2」の2ビット表示(10)bと画素データの内容(00)bとを繋げたd0、d1=(1000)bが、圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU01*となる。
【0165】
換言すれば、規則1によってデータ単位CU01の(0000)bがデータ単位CU01*の(1000)bに変換される。この例では実質的なビット長の圧縮は得られていないが、たとえば同一画素(00)bが3個連続するCU01=(000000)bならば、圧縮後はCU01*=(1100)bとなって、2ビットの圧縮効果が得られる。
【0166】
図35の2列目に示す規則2では、同一画素が4〜15個続く場合、8ビットデータでエンコードデータの1単位を構成する。この場合、最初の2ビットで規則2に基づくことを示す符号化ヘッダで表し、続く4ビットで継続画素数を表し、その後の2ビットで画素データを表す。
【0167】
たとえば、図36の上部に示される圧縮前の映像データPXDの2番目の圧縮データ単位CU02は、5個の2ビット画素データd2、d3、d4、d5、d6=(0101010101)bを含んでいる。この例では、同一の2ビット画素データ(01)bが5個連続(継続)している。
【0168】
この場合、図36の下部に示すように、符号化ヘッダ(00)bと、継続数「5」の4ビット表示(0101)bと画素データの内容(01)bとを繋げたd2〜d6=(00010101)bが、圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU02*となる。
【0169】
換言すれば、規則2によってデータ単位CU02の(0101010101)b(10ビット長)がデータ単位CU02*の(00010101)b(8ビット長)に変換される。この例では実質的なビット長圧縮分は10ビットから8ビットへの2ビットしかないが、継続数がたとえば15(CU02の01が15個連続する30ビット長)の場合は、これが8ビットの圧縮データ(CU02*=00111101)となり、30ビットに対して22ビットの圧縮効果が得られる。つまり、規則2に基づくビット圧縮効果は、規則1のものよりも大きい。しかし、解像度の高い微細な画像のランレングス圧縮に対応するためには、規則1も必要となる。
【0170】
図35の3列目に示す規則3では、同一画素が16〜63個続く場合、12ビットデータでエンコードデータの1単位を構成する。この場合、最初の4ビットで規則3に基づくことを示す符号化ヘッダを表し、続く6ビットで継続画素数を表し、その後の2ビットで画素データを表す。
【0171】
たとえば、図36の上部に示される圧縮前の映像データPXDの3番目の圧縮データ単位CU03は、16個の2ビット画素データd7〜d22=(101010………1010)bを含んでいる。この例では、同一の2ビット画素データ(10)bが16個連続(継続)している。
【0172】
この場合、図36の下部に示すように、符号化ヘッダ(0000)bと、継続数「16」の6ビット表示(010000)bと画素データの内容(10)bとを繋げたd7〜d22=(000001000010)bが、圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU03*となる。
【0173】
換言すれば、規則3によってデータ単位CU03の(101010………1010)b(32ビット長)がデータ単位CU03*の(000001000010)b(12ビット長)に変換される。この例では実質的なビット長圧縮分は32ビットから12ビットへの20ビットであるが、継続数がたとえば63(CU03の10が63個連続するので126ビット長)の場合は、これが12ビットの圧縮データ(CU03*=000011111110)となり、126ビットに対して114ビットの圧縮効果が得られる。つまり、規則3に基づくビット圧縮効果は、規則2のものよりも大きい。
【0174】
図35の4列目に示す規則4では、同一画素が64〜255個続く場合、16ビットデータでエンコードデータの1単位を構成する。この場合、最初の6ビットで規則4に基づくことを示す符号化ヘッダを表し、続く8ビットで継続画素数を表し、その後の2ビットで画素データを表す。
【0175】
たとえば、図36の上部に示される圧縮前の映像データPXDの4番目の圧縮データ単位CU04は、69個の2ビット画素データd23〜d91=(111111………1111)bを含んでいる。この例では、同一の2ビット画素データ(11)bが69個連続(継続)している。
【0176】
この場合、図35の下部に示すように、符号化ヘッダ(000000)bと、継続数「69」の8ビット表示(00100101)bと画素データの内容(11)bとを繋げたd23〜d91=(0000000010010111)bが、圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU04*となる。
【0177】
換言すれば、規則4によってデータ単位CU04の(111111………1111)b(138ビット長)がデータ単位CU04*の(0000000010010111)b(16ビット長)に変換される。この例では実質的なビット長圧縮分は138ビットから16ビットへの122ビットであるが、継続数がたとえば255(CU01の11が255個連続するので510ビット長)の場合は、これが16ビットの圧縮データ(CU04*=0000001111111111)となり、510ビットに対して494ビットの圧縮効果が得られる。つまり、規則4に基づくビット圧縮効果は、規則3のものよりも大きい。
【0178】
図35の5列目に示す規則5では、エンコードデータ単位の切換点からラインの終わりまで同一画素が続く場合に、16ビットデータでエンコードデータの1単位を構成する。この場合、最初の14ビットで規則5に基づくことを示す符号化ヘッダを表し、続く2ビットで画素データを表す。
【0179】
たとえば、図36の上部に示される圧縮前の映像データPXDの5番目の圧縮データ単位CU05は、1個以上の2ビット画素データd92〜dn=(000000………0000)bを含んでいる。この例では、同一の2ビット画素データ(00)bが有限個連続(継続)しているが、規則5では継続画素数が1以上いくつでも良い。
【0180】
この場合、図36の下部に示すように、符号化ヘッダ(00000000000000)bと、画素データの内容(00)bとを繋げたd92〜dn=(0000000000000000)bが、圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU05*となる。
【0181】
換言すれば、規則5によってデータ単位CU05の(000000………0000)b(不特定ビット長)がデータ単位CU05*の(0000000000000000)b(16ビット長)に変換される。規則5では、ラインエンドまでの同一画素継続数が16ビット長以上あれば、圧縮効果が得られる。
【0182】
図35の6列目に示す規則6では、エンコード対象データが並んだ画素ラインが1ライン終了した時点で、1ライン分の圧縮データPXDの長さが8ビットの整数倍でない(すなわちバイトアラインでない)場合に、4ビットのダミーデータを追加して、1ライン分の圧縮データPXDがバイト単位になるように(すなわちバイトアラインされるように)している。
【0183】
たとえば、図36の下部に示される圧縮後の映像データPXDのデータ単位CU01*〜CU05*の合計ビット長は、必ず4ビットの整数倍にはなっているが、必ずしも8ビットの整数倍になっているとは限らない。
【0184】
たとえばデータ単位CU01*〜CU05*の合計ビット長が1020ビットでありバイトアラインとするために4ビット不足しているなら、図35の下部に示すように、4ビットのダミーデータCU06*=(0000)bを1020ビットの末尾に付加して、バイトアラインされた1024ビットのデータ単位CU01*〜CU06*を出力する。
【0185】
なお、1単位の最後に配置される2ビット画素データは、必ずしも4種類の画素色を表示するものではない。画素データ(00)bがサブピクチャーの背景画素を意味し、画素データ(01)bがサブピクチャーのパターン画素を意味し、画素データ(10)bがサブピクチャーの第1強調画素を意味し、画素データ(11)bがサブピクチャーの第2強調画素を意味するようにしても良い。
【0186】
このようにすると、2ビットの画素データの内容により、ランレングスされているデータが背景画素、サブピクチャーのパターン画素、サブピクチャーの第1強調画素、サブピクチャーの第2強調画素のいずれであるかを判断することができる。
【0187】
画素データの構成ビット数がもっと多ければ、より他種類のサブピクチャー画素を指定できる。たとえば画素データが3ビットの(000)b〜(111)bで構成されているときは、ランレングスエンコード/デコードされるサブピクチャーデータにおいて、最大8種類の画素色+画素種類(強調効果)を指定できる。次に、上記の光ディスクの記録情報を読取り処理する再生装置について説明することにする。
【0188】
図37において、光学式ディスク(DVD)100は、ターンテーブル(図示せず)上に載置され、クランパーによりクランプされ、モータ101により回転駆動される。今、再生モードであるとすると、光ディスク100に記録された情報は、ピックアップ部102によりピックアップされる。ピックアップ部102は、サーボ部103によりディスク半径方向への移動制御、フォーカス制御、トラッキング制御されている。またサーボ部103は、ディスクモータ駆動部104にも制御信号を送り、モータ101の回転(つまり光ディスク100)の回転制御を行っている。
【0189】
ピックアップ部102の出力は、復調/エラー訂正部105に入力されて復調される。ここで復調された復調データは、バッファ106を介してデマルチプレクサ107に入力される。また復調データは、入力バッファ108を介してDSUデコーダ109に入力される。DSIデコーダ109には、バッファ110が接続されている。デコードしたDSI(データサーチ情報)は、システム制御部200に送られる。また復調データは、システムバッファ111を介してシステム制御部200に送られる。このシステムバッファ111を通ってシステム制御部200に取りこまれるデータとしては、例えば管理情報等がある。
【0190】
デマルチプレクサ107では、各パックの分離処理が行われる。
【0191】
デマルチプレクサ107から取り出されたビデオパック(V PCK)はバッファ121を介してビデオデコーダ123に入力されてデコードされる。ビデオデコーダ123にはバッファ124が接続されている。ビデオデコーダ123から出力されたビデオ信号は、合成器125に入力される。
【0192】
また、デマルチプレクサ107から取り出されたサブピクチャーパック(SP PCK)はバッファ126を介してサブピクチャーデコーダ127に入力されてデコードされる。サブピクチャーデコーダ127にはバッファ128が接続されている。サブピクチャーデコーダ127から出力されたサブピクチャーは、合成器125に入力される。これにより合成器125からは主映像信号にサブピクチャーがスーパーインポーズされた信号が得られ、ディスプレイに供給される。
【0193】
また、デマルチプレクサ107から取り出されたオーディオパック(A PCK)はバッファ129を介してオーディオデコーダ130に入力されてデコードされる。オーディオデコーダ130にはバッファ131が接続されている。オーディオデコーダ130の出力はスピーカに供給される。
【0194】
また、デマルチプレクサ107から取り出されたPCIパックはバッファ132を介してPCIデコーダ133に入力されてデコードされる。PCIデコーダ133にはバッファ134が接続されている。PCIデコーダ133の出力は、ハイライト情報(HLI)処理部135に入力される。
【0195】
デマルチプレクサ107においては、主映像情報、サブピクチャー(字幕及び文字)情報、音声情報、制御情報等を分離して導出することなる。つまり光ディスク100には、映像情報に対応してサブピクチャー(字幕及び文字)情報、音声情報、管理情報、制御情報等が記録されているからである。
【0196】
この場合、サブピクチャー情報である字幕及び文字情報や、音声情報としては、各種の言語を選択することができ、これはシステム制御部200の制御に応じて選択される。システム制御部200に対しては、ユーザによる操作入力が操作部201を通して与えられる。
【0197】
よって主映像情報をデコードするビデオデコーダ123では、表示装置の方式に対応したデコード処理が施される。例えば主映像情報は、NTSC、PAL、SECAM、ワイド画面、等に変換処理される。またオーディオデコーダ130には、ユーザにより指定されているストリームのオーディオ情報が入力されてデコードされることになる。またサブピクチャーも、ユーザにより指定されているストリームのサブピクチャーデータが、サブピクチャーデコーダ127に入力されてデコードされる。
【0198】
次に、上記の再生装置の通常再生動作について説明する。
【0199】
図36には、再生動作を開始するときのフローチャートを示している。電源が投入されると、システム制御部200は、予め備えられているROMのプログラムを立ち上げて、ディスクモータ104を駆動し、データの読取りを開始する(ステップS1)。最初にISO−9660等に準拠してボリウム及びファイル構造部のデータが読み出される。この読み出されたデータは、システム制御部200のメモリに一旦格納される。これによりシステム制御部200は、光ディスク上のデータの種類や記録位置などを把握する。
【0200】
これによりシステム制御部200は、ピックアップ部102等を制御してビデオマネ−ジャー(VMG)及びそのマネージャーインフォメーション(VMGI)を取得する。VMGIには、ビデオマネージャーマネジメントテーブル(VMGI MAT)等の記録信号に関する各種の管理情報が記録されているので、この管理情報に基づいて、ディスクにどのような情報が記録されているかをメニュー形式で表示させることができるようになる(ステップS2、S3)。そしてユーザからの指定を待つことになる(ステップS4)。この指定は、例えばビデオタイトルセットの指定である。
【0201】
ユーザからの操作入力により指定があると、指定されたビデオタイトルセットの再生が開始される(ステップS5)。所定時間経過しても、ユーザからの指定がない場合は、予め定めているビデオタイトルセットの再生が行われる(ステップS6)。そして再生が終了すると終了ステップに移行する(ステップS7、S8)。
【0202】
図39には、ビデオタイトルセットが指定されたときの動作をフローチャートでさらに示している。
【0203】
ビデオタイトルセットが指定されると、そのタイトルセットの制御データ(ビデオタイトルセットインフォメーションVTSI)が読取られる(ステップS11)。この中には、先に説明したように、プログラムチェーン(PGC)に関する情報、及びプログラムチェーン選択のためのメニューも含まれている。よってシステム制御部200はビデオタイトルセットの制御情報を認識することができる(ステップS12)。ユーザは、メニュー画面をみて、プログラムチェーンを選択する(ステップS13)。この場合、メニュー画面はなく自動的にプログラムチェーンが決まってもよい。プログラムチェーンが選択により決まると、その選択されたプログラムチェーンにしたがってセルの再生順序がきまり、再生が実行される(ステップS14)。自動的にプログラムチェーンが決まった場合、あるいは所定時間内にプログラムチェーンの選択情報が入力されなかった場合は、予め設定したセルの再生順序で再生が行われる(ステップS15)。
【0204】
次に、早送り再生(ファーストフォワードFF)モードが設定された場合の動作について説明する。
【0205】
通常1GOPは、約0.5秒で再生される。10倍速を得るには10GOP分離れた位置のビデオデータを0.5秒間ずつ次々と再生すると実現できる。このためには、現在再生中のビデオオブジェクトユニットから離れた位置のビデオオブジェクトのアドレスを把握しなければならない。
【0206】
そこでこのためには、VOBUのサーチ情報(VOBU SRI)が活用される。即ち、現在のVOBUに含まれているPCIパケットから、次に再生すべきVOBUのスタートアドレスを読み取りそのアドレスにジャンプする。このような動作が繰り替えされることにより早送り再生が実現される。この処理により、セルから他のセルへの移行があった場合、プログラムチェーンの管理状況も更新されることになる。
【0207】
図40は、サブピクチャーのデコード部を示している。
【0208】
図40において、サブピクチャーパック(SP PCK)はバッファ126を介してメモリ213に取込まれる。パックの識別は、パケットヘッダに記述されているストリームIDにより行われる。指定ストリームID(サブストリームID)は、ユーザ操作に応答するシステム制御部を介してサブピクチャーデコーダ制御部211に入力され、そしてレジスタに格納されている。
【0209】
バッファ126に取り込まれたパケットのうち、指定ストリームIDと入力したサブストリームIDが一致しているところのパケットが、取込み対象となる。そして、メインシステムタイマ54の基準時間の計数値は、サブピクチャーデコーダ制御部211に与えられ、バッファ126に取り込んだパケットのシステムクロックリファレンス(SCR)と比較される。メインシステムタイマ54の計数値とSCRとの値を比較し同一SCRを有するパケットが、ユニット構築のためにメモリ213に格納される。上記の処理によりメモリ213には、1つまたはそれ以上のサブピクチャーユニット(図24参照)が蓄積されることになる。メモリ213にサブピクチャーユニットが構築されると、PTSに基づいたデコード処理が管理される。
【0210】
このサブピクチャーユニットに含まれるサブピクチャーユニットヘッダ(SPUH)がサブピクチャーデコーダ制御部211により参照され、サイズやアドレスが認識される。これにより、ランレングス圧縮されたデータ(PXD)はランレングスデコーダ214へ送られ、表示制御シーケンステーブル(SP DCSQT)はシーケンス制御部216へ送られる。
【0211】
ここでプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)とメインシステムタイマ54の計数値とが比較され、メインシステムタイマ54の計数値がプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)よりも大きい場合には、当該データユニットのランレングスデコード及び出力処理が行われる。そしてデコードされた出力データは、シーケンス制御部216の制御のもとでバッファ215、出力制御部218を介して出力され表示される。
【0212】
つまり、ランレングスデータ(PXD)は、ランレングスデコーダ214によりデコードされる。このデコード処理は先に説明した規則により実行される。デコードされた画素データは、バッファメモリ215に蓄積され、出力タイミングを待つことになる。
【0213】
一方、サブピクチャーユニットに含まれる表示制御シーケンステーブル(SP SCQT)は、シーケンス制御部216に入力されて解析される。シーケンス制御部216は、各種制御命令を保持するための複数のレジスタ217を有する。シーケンス制御部216では、レジスタのコマンドに応じて、次に出力される画素に対してどの様な色及び又はコントラストを設定して出力するかを決定する。この決定信号は、出力制御部218に与えられる。またシーケンス制御部216は、バッファメモリ215に保持されている画素データの読み出しタイミング信号及びアドレスも与えている。
【0214】
出力制御部218では、バッファメモリ215からの画素データに対して、シーケンス制御部216からのコマンドに応じてカラーコード及び又はコントラストデータを付加して出力することになる。この出力されたサブピクチャーは、主映像にスーパーインポーズされる。
【0215】
上記のように、サブピクチャーの表示に関しては、サブピクチャーユニットに含まれるプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS)とシステムタイマ54の出力とが所定の関係になつたときに比較器53からタイミング信号が得られる。このタイミング信号に基づいて、ランレングスデータのデコード処理が開始される。
【0216】
サブピクチャーの表示制御については、比較器63からのタイミング信号に応じて実行あるいは待機状態が実現される。サブタイムスタンプ抽出部64は、シーケンス制御部216に格納されているSP DCSQの開始時刻データを保持するレジスタである。比較器63は、サブシステムタイマ61からの出力データと各SP DCSQの開始時刻データを次々と比較し、一致するとタイミング信号を出力する。サブシステムタイマ61は、例えば1ラインごとにクリアされる。
【0217】
表示制御を行う場合、先に示したコマンドの利用について更に説明する。
【0218】
表示制御においては、コマンドSET DAREAによりサブピクチャーの表示位置および表示領域が設定され、コマンドSET COLORによりサブピクチャーの表示色が設定され、コマンドSET CONTRにより主映像に対するサブピクチャーのコントラストが基本的に設定される。これらは基本コマンドである。
【0219】
そして、表示開始タイミング命令STA DSPを実行してから別の表示制御シーケンスDCSQで表示終了タイミング命令STP DSPが実行されるまで、表示中は、カラー及びコントラスト切換コマンドCHG COLCONに準拠した表示制御を行いつつ、ランレングス圧縮されている画素データPXDのデコードが行われる。
【0220】
シーケンス制御部216は、コマンドSET DAREAによりサブピクチャーの表示位置および表示領域を設定し、コマンドSET COLORによりサブピクチャーの表示色を設定し、コマンドSET CONTRにより主映像に対するサブピクチャーのコントラストを基本的に設定する。そして、表示開始タイミング命令STA DSPを実行してから別の表示制御シーケンスDCSQで表示終了タイミング命令STP DSPが実行されるまで、表示中は、カラー及びコントラスト切換コマンドCHG COLCONに準拠した表示制御を行う。
【0221】
上記の説明では、ランレングス圧縮データをディスクに記録するためのエンコード処理、及びディスクから再生した際に表示するためのデコード処理では、ピクセルデータのデータ長は、メモリ2112に格納されている情報を忠実に記録するものとして説明した。
【0222】
しかしこれに限らず、メモリに格納されている情報を修正して、表示されたときに文字の大きさが異なるように設定して記録してもよい。この設定は容易であり、ランレングス圧縮規則により、ランレングス圧縮データが圧縮されているので、その圧縮データを復号するとピクセルデータを得ることができる。ここで、このピクセルデータは、横方向の画素数が所定数に制限されているために、例えば2倍に横長にするためには、ピクセルデータの間に補間データを挿入することである。よって、継続ピクセル数が変わってくる。即ち、圧縮規則に基づいて作成されているランレングス圧縮データの継続画素数の値を変化させれば、デコードしたときの文字の大きさを、拡大或いは縮小することができる。又、垂直方向への文字の大きさを可変するためには、同一ラインの副映像データユニットを次のラインでも用い2回復号することにより、縦方向へ2倍に拡大することができる。縮小する場合には、各ラインの副映像データユニットを例えば1ラインずつ飛ばして、詰めて記録することにより、再生したときには縮小した副映像とすることができる。この処理は、副映像データ記録処理部2001において実現される。
【0223】
また圧縮規則については、一般的な副映像データのランレングス圧縮について説明したが、仮に図5で示した副映像データにおいて1つの画素が1又は0の2ビットで表されるもので、かつ1文字分の水平方向が10ドットであれば、1文字の1ライン分は最大10ビットとなるから、ほとんどの文字が規則1又は2でランレングス圧縮されていることになる。
【0224】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、予め決められた領域にユーザが自由に副映像データを挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図。
【図2】この発明に係る装置の使用状態の一例を示す図。
【図3】この発明の装置に係る要部の構成例を示す図。
【図4】図2のメモリの格納データの例を示す図。
【図5】この発明に係る装置のデータ入力動作を説明するために示した文字表示の例を示す図。
【図6】この発明に係るメモリの格納データの他の例を示す図。
【図7】この発明の装置の動作手順を説明するために示した図。
【図8】光学式ディスクに記録されている論理フォーマットであるボリウム空間の説明図。
【図9】上記ボリウム空間のおけるビデオマネージャー(VMG)とビデオタイトルセット(VTS)の構造を示す説明図。
【図10】上記ビデオオブジェクトセット(VOBS)とセル(Cell)の関係と、さらにセル(Cell)の中身を示す説明図。
【図11】ビデオオブジェクトとセルとの関係を示す説明図。
【図12】プログラムチェーン(PGC)によりセル(Cells)がその再生順序を制御される例を示す説明図。
【図13】ビデオタイトルセット(VTS)の中のビデオタイトルセットインフォーメーション(VTSI)の説明図。
【図14】1つのパックとパケットの構成例を示す図。
【図15】ナビゲーションパック(NV PCK)の説明図。
【図16】ピクチャー制御情報(PCI)の一般情報の説明図。
【図17】データサーチ情報(DCI)の一般情報の説明図。
【図18】シームレス再生情報の説明図。
【図19】シームレスアングル情報の説明図。
【図20】データサーチインフォメーション内をさらに詳しく示すアドレス情報の説明図。
【図21】同期情報の説明図。
【図22】ビデオオブジェクトユニットの説明図。
【図23】オーディオストリームの説明図。
【図24】サブピクチャーユニットの説明図。
【図25】同じくサブピクチャーユニットの説明図。
【図26】同じくサブピクチャーユニットの説明図。
【図27】サブピクチャーユニットの連続構成を示す説明図。
【図28】サブピクチャーユニットの表示タイミングを示す説明図。
【図29】サブピクチャーユニットのヘッダー構成を示す説明図。
【図30】サブピクチャー表示制御シーケンステーブルの説明図。
【図31】同じくサブピクチャー表示制御シーケンステーブルの説明図。
【図32】サブピクチャー表示制御コマンドの説明図。
【図33】同じくサブピクチャー表示制御コマンドの説明図。
【図34】サブピクチャー表示制御コマンドの内容の説明図。
【図35】ランレングス圧縮規則の説明図。
【図36】ランレングス圧縮されたデータの例を示す説明図。
【図37】この発明に係わる再生装置の構成説明図。
【図38】上記再生装置のメニュー再生動作を示すフローチャート。
【図39】同じく再生装置のタイトル再生動作を示すフローチャート。
【図40】同じく再生装置の副映像デコーダの構成を示す図。
【符号の説明】
100…光学式ディスク、101…ディスクモータ、102…ピックアップ部、103…サーボ部、104…ディスクモータ駆動部、105…復調/エラー訂正部、200…システム制御部、201…操作部、1001…再生処理部、1002…表示器、1003…音声出力部(スピーカ)、2001…副映像データ記録処理部、2002…変調/エラー訂正コード付加部。
Claims (7)
- 主映像にスーパーインポーズするための副映像となる副映像のピクセルデータを所定の圧縮方式で圧縮した圧縮データとし、かつ記録媒体に記録するための所定のフォーマットの副映像データユニットに構築する場合において、
複数の最小単位となる副映像のピクセルデータを予め前記圧縮データの形で用意しておき、これらの圧縮データを選択及び又は組み合わせることにより前記副映像データユニットを構築するようにしたことを特徴とする映像データの入力処理方法。 - 前記記録媒体に前記副映像データユニットをパック化して記録する場合、前記記録媒体に予め設定されている領域に記録するようにしたことを特徴とする請求項1記載の映像データの入力処理方法。
- ディスプレイに表示する副映像のピクセルデータがランレングス圧縮方式で圧縮した圧縮データの形で、かつ、最小単位の副映像のピクセルデータに対応する圧縮データが副映像データユニットとして構築され、
さらに、前記圧縮データをデコードした場合、デコードした各副映像のピクセルデータが同一ラインになるべきものの圧縮データを繋ぎあわせて1つのライン上に対応する前記副映像データユニットとして構築される場合、
前記同一ラインになるべきものの圧縮データを繋ぎあわせたときに、このデータ量を、前記副映像データユニットに管理情報として含まれるべき、副映像データユニットサイズ(SPY_SZ),副映像データユニットの表示制御シーケンステーブルのスタートアドレス(SP_DCSQT_SA)を作成するための参照データ量として用いるていることを特徴とする映像データの入力処理方法。 - 主映像にスーパーインポーズするための副映像となる副映像のピクセルデータを所定の圧縮方式で圧縮した圧縮データとし、かつ記録媒体に記録するための所定のフォーマットの副映像データユニットに構築する装置において、
複数の最小単位となる副映像のピクセルデータを予め前記圧縮データの形で用意した記憶手段と、
前記記憶手段の圧縮データを選択及び又は組み合わせることにより前記副映像データユニットを構築する手段と、
前記副映像データユニットをパック化して、前記記録媒体に予め設定されている領域に記録する手段とを具備したことを特徴とする映像データの処理装置。 - 圧縮された主映像データを有する主映像パックと、ランレングス圧縮された副映像データを有する副映像パックとを混合して配列しており、副映像パックを集合したユニットには、当該副映像を表示するために表示シーケンス制御データも含まれる記録媒体と、
前記記録媒体に設けられ、前記副映像パックを記録するための空き領域と、
前記空き領域に、任意の副映像データを含む前記副映像パックを書き込むために、予めメモリに用意している各文字に対応するランレングスデータを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択されたランレングス圧縮データに対して所定の処理を行って、前記副映像パック内に配置し、当該副映像パックを前記空き領域に書き込む書き込み手段とを具備したことを特徴とする映像データの入力装置。 - 圧縮された主映像データを有する主映像パックと、ランレングス圧縮された副映像データを有する副映像パックと、前記主映像パック、副映像パックをピックアップするために利用される制御情報を含む制御パックとを混合して配列して記録しており、
前記副映像パックを所定規則に従って集合したユニット内では、当該副映像を表示するために利用される表示シーケンス制御データが含まれるとともに、副映像の圧縮データを 新たに記録するための領域が空き領域となっていることを特徴とする記録媒体。 - 前記空き領域を含むユニットを構成する映像パックは、同一ストリームを意味する同一IDを有することを特徴とする請求項6記載の記録媒体。
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