JP3782222B2 - 光ディスク再生方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクからデータを再生する光ディスク再生方法及びその装置に係り、特に、オーディオデータが格納された光ディスクからFF再生(ファーストフォワード再生)或いはFR再生(ファーストリワード再生)が可能なDVDプレーヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、映像や音声等のデータを記録した記録媒体としての光ディスクからデータを再生する動画対応の光ディスク再生装置が開発されている。その光ディスクには、例えば、LD及びビデオCD等があり、映画ソフトやカラオケ等が記録された光ディスクが一般に普及されている。
【0003】
現在、国際規格化したMPEG2(Moving Picture Coding Expert Group) の方式が採用され、オーディオデータがAC3オーディオ圧縮方式で圧縮して記録されているDVD規格(ディジタル・バーサタイル・ディスク)に沿った光ディスクが既に開発され、販売されている。
【0004】
このDVD規格では、動画圧縮方式にMPEG2が採用され、MPEG2システムレイヤに従ってビデオデータが圧縮されてビデオパックに格納され、MPEGオーディオのみならず、AC3オーディオ並びにPCMオーディオをもサポートされ、オーディオデータがこれらのいずれかの方式に従ってエンコードされてオーディオパックに格納される得ると定められている。また、字幕用としてビットマップデータをランレングス圧縮した副映像データがビデオパック及びオーディオパックとは、独立した副映像パックに格納されている。更に、DVD規格では、早送り、巻き戻しなどの特殊再生用コントロールデータ、即ち、ナビゲーションデータが上述したパックとは独立したナビパックに格納され、これら、ビデオパック、オーディオパック、副映像パック及びナビゲーションパックがDVDディスクに記録されている。
【0005】
更にまた、このDVDの規格では、コンピュータでDVDディスクに格納されたデータを読み出すことができるように、ISO9660とマイクロUDFをサポートしている。
【0006】
このような規格に沿ったDVDディスクを再生する現在の光ディスク装置、即ち、DVDプレーヤでは、早送り再生や巻き戻し再生などの特殊再生時には、オーディオデータを再生しないで音を消した状態で画面のみを飛ばし飛ばし再生することが一般化している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のDVDプレーヤにおいては、ビデオディスクフォーマットに則って制作されたビデオデータを含まないオーディオデータのみのDVDディスクにあっては、このような特殊再生時に、音が再生されず、早送り再生中か否かが容易に判明しない問題がある。
【0008】
従来のCDプレーヤでの早送り、巻き戻し再生では、あるオーディオデータ、例えば、第3のオーディオデータをサーチする際には、第1及び第2のオーディオデータと飛び飛びにサーチし、サーチ中は、音が再生されず、飛ばした先のデータ、例えば、第2のオーディオデータを再生して、再び、次のオーディオデータ、即ち、第3のオーディオデータをサーチして当該オーディオデータで通常再生するようにしている。
【0009】
しかしながら、このような方式では、目的とするオーディオデータをサーチするまでの時間が掛かるととともに音がとぎれとぎれに再生されることとなり、聞きづらい問題がある。
【0010】
この発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、その目的は、オーディオデータのみが連続するデータ領域を有するDVDディスクからの早送り再生或いは巻き戻し再生などの特殊再生時に、音声を再生して、特殊再生時の利便性を向上することができる光ディスク装置を提供するにある。
【0011】
また、この発明の目的は、オーディオデータのみが連続するデータ領域を有するDVDディスクからの早送り再生或いは巻き戻し再生などの特殊再生時に、音声を再生して、特殊再生時の利便性を向上することができる光ディスク方法を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明によれば、
時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットを再生する再生装置において、
光ディスクを検索してデータユニットを転送する検索手段と、
転送されたデータユニット中のオーディオデータをデコードして出力するオ−ディオデコーダ部と、
早送り又は早戻しの特殊再生処理を指示する入力手段と、
前記特殊再生処理時に、前記転送されたデータユニット中のナビゲーションパックから検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定部と、及び
このジャンプアドレスに従ってデータユニットを検索する間、既に転送されたデータユニット中のオーディオデータでオーディオの出力を継続させる継続手段と、
から構成されることを特徴とする光ディスク再生装置が提供される。
【0013】
また、この発明によれば、
通常再生モード及び早戻し又は早送りの特殊再生モードを選択的に指定できる指定手段と、
時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットをピックアップするピックアップ手段と、
前記特殊再生モード時にデータユニット中のナビゲーションパックから前記検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定部と、
前記ピックアップを駆動する駆動手段であって、前記通常再生モード時に前記ピックアップ手段を駆動してほぼ連続して前記データユニットを検索して転送させ、前記特殊再生時に前記ジャンプアドレスに従って前記ピックアップ手段をジャンプさせて前記データユニットを検索して転送させる駆動手段と、
転送された前記データユニット中のオーディオパケットデータをデコードして出力するオ−ディオデコーダと、
このオーディオデコーダから出力されたオーディオデータの少なくとも一部を保持し、前記特殊再生モード時における検索動作の間にその保持されたオーディオデータの一部を出力するするデータ保持部と、
前記デコーダ部から出力されるオーディオデータ及び前記保持部から出力されるオーディオデータの一方に出力を切り替え可能なセレクタ部と、
前記通常再生モード時に前記オーディオデコーダからのオーディオデータをセレクタ部を介して出力させ、前記特殊再生時のデータユニットの検索の間に前記オーディオデコーダからオーディオデータが無出力となった際に前記データ保持部からオーディオデータを前記セレクタ部を介して出力させる制御手段と、
から構成されることを特徴とする光ディスク再生装置が提供される。
【0014】
更に、この発明によれば、
時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットを再生する再生方法において、
光ディスクを検索してデータユニットを転送する検索工程と、
転送されたデータユニット中のオーディオデータをデコードして出力するオ−ディオデコーダ工程と、
早送り又は早戻しの特殊再生処理を指示する入力工程と、
前記特殊再生処理時に、前記転送されたデータユニット中のナビゲーションパックから検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定工程と、及び
このジャンプアドレスに従ってデータユニットを検索する間、既に転送されたデータユニット中のオーディオデータの少なくとも一部でオーディオ出力を継続させる出力継続工程と、
から構成されることを特徴とする光ディスク再生方法が提供される。
【0015】
また、更にこの発明によれば、
通常再生モード及び早戻し又は早送りの特殊再生モードを選択的に指定できる指定工程と、
時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットをピックアップするピックアップ工程と、
前記特殊再生モード時にデータユニット中のナビゲーションパックから前記検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定工程と、
前記ピックアップを駆動する駆動工程であって、前記通常再生モード時に前記ピックアップ手段を駆動してほぼ連続して前記データユニットを検索して転送させ、前記特殊再生時に前記ジャンプアドレスに従って前記ピックアップ手段をジャンプさせて前記データユニットを検索して転送させる駆動工程と、
転送された前記データユニット中のオーディオパケットデータをデコードして出力するオ−ディオデコード工程と、
このオーディオデコード工程で出力されたオーディオデータの少なくとも一部を保持し、前記特殊再生モード時における検索動作の間にその保持されたオーディオデータの一部を出力するするデータ保持工程と、及び
前記通常再生モード時に転送されデコードされたオーディオデータを出力させ、前記特殊再生時のデータユニットの検索の間に前記オーディオデコード工程においてオーディオデータが無出力となった際に前記データ保持工程において保持されたオーディオデータを出力させる制御工程と、
から構成されることを特徴とする光ディスク再生方法が提供される。
【0016】
この発明によれば、検索中に再生さるオーディオデータが次々に更新され、保持され、また、保持されたオーディオがデコード出力がない際に出力されることから、特殊再生時に無音の状態が生じることがなく、特殊再生時にあってもオーディデータが再生される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施例に係る光ディスク再生方法及びその装置を説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施例に係る光ディスクからデータを再生する光ディス装置のブロックを示し、図2は、図1に示される光ディスクの論理フォーマットを示している。
【0019】
図1に示すように光ディスク再生装置は、キー操作/表示部4、モニター部(TVモニター)6及びスピーカー部8を具備している。ここで、ユーザがキー操作/表示部4を操作することによって光ディスク10、例えば、DVDディスクから記録データが再生される。記録データは、ビデオデータ、副映像データ及び音声データを含み、これらは、ビデオ信号及びオーディオ信号に変換される。モニター部6は、ビデオ信号によって映像を表示し、スピーカー部8は、オーディオ信号によって音声を再生している。
【0020】
図1に示されるDVDディスク10は、情報を記録することができる情報領域25を有し、情報領域25は、そのディスクの外周領域が通常は情報が記録されないリードアウト領域26に、また、クランピング領域に接するその内周領域が同様に、通常は情報が記録されないリードイン領域27に定められ、更に、このリードアウト領域26とリードイン領域27との間がデータ記録領域に定められている。
【0021】
情報領域25には、通常、データが記録される領域としてトラックがスパイラル状に連続して形成され、その連続するトラックは、複数の物理的なセクタに分割され、そのセクタには、連続番号が付され、このセクタを基準にデータが記録されている。情報領域25のデータ記録領域は、実際のデータ記録領域であって、再生情報、ビデオデータ、副映像データ及びオーディオデータが同様にピット(即ち、物理的状態の変化)として記録されている。
【0022】
光ディスク装置12は、図1に示されるように更にディスクドライブ部30、システムMPU部50、システムROM/RAM部52、システムプロッセッサ部54、データRAM部56、ビデオデコータ部としてのMPEGデコータ部58、オーディオデコーダ部60、副映像デコーダ部、即ち、SPデコーダ部62、D/A変換部63及びビデオプロセッサ部64から構成されている。
【0023】
ディスクドライブ部30によって光ディスク10の記録層に形成された所定のセクタがアクセスされる。再生データ、即ち、後に説明するパックデータは、次々にその所定のセクタからピックアップされてディスクドライブ部30から出力される。出力された再生データは、システム用ROM及びRAM部52に記録されたプログラムで制御されるシステムMPU部50の管理下でシステムプロセッサ部54によってデータRAM部56に格納される。即ち、MPU部50が光ディスクドライブ部30に目的のアドレスとリード命令を送り、光ディスクドライブ部30は送られた命令に従って、DVDディスクより論理セクタデータを読み出し、システムプロセッサ部54のデータ入力部を介してデータRAM部56に一時的に格納される。この格納されたパックデータは、システムプロセッサ部54内のデータ切り分け部57に送ら、このデータ切り分け部57によって読み出したパックデータは、そのデータの目的に応じて各部に分配される。即ち、ビデオパケットデータは、ビデオデコーダ部58へ転送され、オーディオパケットデータは、オーディオデコーダ部60へ転送され、副映像パケットデータは、SPデコーダ部62へ転送される。また、NVパック、その他のパックは、MPU部が処理するためにデータメモリ部56に保存される。
【0024】
ビデオパケットデータ、オーディオパケットデータ及び副映像パケットデータは、夫々ビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62に出力されてデコードされる。デコードされたビデオデータ及び副映像データは、パケットデータ内のPTS(Presentation Time Stamp) の値に同期してビデオプロセッサ部64でアナログ信号としてのビデオ信号に変換され、また、オーディオデータは、D/A変換部63でオーディオ信号に変換され、ビデオ信号がモニタ6に、また、オーディオ信号がスピーカ部8に夫々供給される。その結果、モニタ部6に副映像が主映像に重ね合わされて表示されるとともにオーディオ信号によってスピーカ部8から音声が再現される。
【0025】
図1に示す光ディスクは、図2に示すような論理フォーマットの構造を有している。即ち、DVDディスク10のリードインエリア27からリードアウトエリア26までのデータ記録領域28は、図2に示されるようなボリューム及びファイル構造を有している。この構造は、論理フォーマットとして特定の規格、例えば、マイクロUDF(micro UDF )及びISO9660に準拠されて定められている。データ記録領域28は、既に説明したように物理的に複数のセクタに分割され、その物理的セクタには、連続番号が付されている。下記の説明で論理アドレスは、マイクロUDF(micro UDF )及びISO9660で定められるように論理セクタ番号(LSN)を意味し、論理セクタは、物理セクタと同一であり、論理セクタの番号(LSN)は、物理セクタ番号の昇順とともに連続番号が付加されている。
【0026】
図2に示されるようにこのボリューム及びファイル構造は、階層構造を有し、ボリューム及びファイル構造領域170、ビデオマネージャー(VMG)171、少なくとも1以上のビデオタイトルセット(VTS)172及び他の記録領域173を有している。これら領域は、論理セクタの境界上で区分されている。ここで、従来のCDと同様に1論理セクタは、2048バイトと定義されている。同様に、1論理ブロックも2048バイトと定義され、従って、1論理セクタは、1論理ブロックと定義される。また、2048バイトのサイズを有する1パックが1セクタに定められている。
【0027】
ファイル構造領域170は、マイクロUDF及びISO9660に定められる管理領域に相当し、この領域の記述を介してビデオマネージャー171がシステムROM/RAM部52に格納される。ビデオマネージャー(VMG)171には、図3を参照して説明するようにビデオタイトルセットを管理する情報が記述され、ファイル#0から始まる複数のファイル174から構成されている。また、各ビデオタイトルセット(VTS)172には、後に説明するように圧縮されたビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データ及びこれらの再生情報が格納され、同様に複数のファイル174から構成されている。ここで、1タイトルは、たとえば、映画の一本分に相当し、一枚のディスクに、このタイトルが複数個格納することができる。このタイトルが集まったものをタイトルセットと称し、このタイトルセットは、複数のファイルで構成されている。DVDの規格では、複数のビデオタイトルセット172は、最大99個に制限され、また、各ビデオタイトルセット172を構成するファイル174(File #j からFile #j+12)の数は、最大12個に定められている。これらファイルも同様に論理セクタの境界で区分されている。
【0028】
他の記録領域173には、上述したビデオタイトルセット172を利用可能な情報が記録されている。この他の記録領域173は、必ずしも設けられなくとも良い。
【0029】
図3に示すようにビデオマネージャー(VMG)171は、夫々が各ファイル174に相当する3つの項目を含んでいる。即ち、ビデオマネージャー171は、ビデオマネージャー情報(VMGI)175、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176及びビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)177から構成されている。ここで、ビデオマネージャー情報(VMGI)175及びビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)177は、必須の項目とされ、ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176は、オプションとされている。このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176には、ビデオマネージャー(VMG)171が管理する当該光ディスク中のボリュームに関するメニューのビデオデータ、オーディオデータ及び副映像データが格納されている。
【0030】
このVMGM用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176によってビデオの再生と同様に当該光ディスクのボリューム名、ボリューム名表示に伴う音声及び副映像の説明が表示されるとともに選択可能な項目が副映像で表示される。
【0031】
ここで、図4を参照してビデオオブジェクトセット(VOBS)182の構造について説明する。図4は、ビデオオブジェクトセット(VOBS)182の一例を示している。このビデオオブジェクトセット(VOBS)182には、2つのメニュー用及びタイトル用として3つのタイプのビデオオブジェクトセット(VOBS)176、195、196がある。即ち、ビデオオブジェクトセット(VOBS)182は、後に説明するようにビデオタイトルセット(VTS)272中にビデオタイトルセットのメニュー用ビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)195及び少なくとも1つ以上のビデオタイトルセットのタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)196があり、いずれのビデオオブジェクトセット182もその用途が異なるのみで同様の構造を有している。
【0032】
図4に示すようにビデオオブジェクトセット(VOBS)182は、1個以上のビデオオブジェクト(VOB)183の集合として定義され、ビデオオブジェクトセット(VOBS)182中のビデオオブジェクト183は、同一の用途の供される。通常、メニュー用のビデオオブジェクトセット(VOBS)182は、1つのビデオオブジェクト(VOB)183で構成され、複数のメニュー用の画面を表示するデータが格納される。これに対してタイトルセット用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)182は、通常、複数のビデオオブジェクト(VOB)183で構成される。また、オーディオ専用のビデオタイトルセットにあっては、複数のビデオオブジェクト(VOB)183で構成されるが、そのビデオオブジェクトは、後に説明する多数のオーディオパックのみで、または、多数のオーディオパックと多数の副映像パックで構成される。
【0033】
ビデオオブジェクト(VOB)183には、識別番号(IDN#j)が付され、この識別番号によってそのビデオオブジェクト(VOB)183を特定することができる。ビデオオブジェクト(VOB)183は、1又は複数のセル184から構成される。通常のビデオストリームは、複数のセルから構成されることとなるが、メニュー用のビデオストリーム、即ち、ビデオオブジェクト(VOB)183は、1つのセル184から構成される場合もある。同様にセルには、識別番号(C_IDN#j)が付され、このセル識別番号(C_IDN#j)によってセル184が特定される。
【0034】
図4に示すように各セル184は、1又は複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)185、通常は、複数のビデオオブジェクトユニット(VOBU)185から構成される。ここで、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)185は、1つのナビゲーションパック(NVパック)186を先頭に有するパック列として定義される。即ち、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)185は、あるナビゲーションパック186から次のナビゲーションパックの直前まで記録される全パックの集まりとして定義される。このビデオオブジェクトユニット(VOBU)の再生時間は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)中に含まれる単数又は複数個のGOPから構成されるビデオデータの再生時間に相当している。MPEGでは、1GOPは、再生時間が0.5秒であってその間に15枚程度の画像が再生する為の圧縮された画面データであると定められている。ここで、パックは、データを転送して処理する最小単位であり、また、論理上の処理を実行する際の最小単位はセルであり、論理上の処理はこのセル単位で実行される。従って、セルを単位として再生順番が変更され、また、セルを単位として分岐等が実行される。
【0035】
図4に示すようにビデオオブジェクトユニットがビデオデータを含む場合には、MPEG規格に定められたビデオパック(Vパック)188、副映像パック(SPパック)190及びオーディオパック(Aパック)191から構成されるGOPが配列されてビデオデータストリームが構成されるが、このGOPの数とは、無関係にGOPの再生時間を基準にしてビデオオブジェクトユニット(VOBU)185が定められ、その先頭には、常にナビゲーションパック(NVパック)186が配列される。また、オーディオ及び/又は副映像データのみの再生データにあってもこのビデオオブジェクトユニットを1単位として再生データが構成される。即ち、このビデオオブジェクトユニットは、その先頭には、常にナビゲーションパック(NVパック)186が配列され、それに続いて多数のオーディオパックのみ、又は、多数のオーディオパック及び多数の副映像パックが配列されても良い。このようにオーディオ用のビデオオブジェクトユニットが構成されても、ビデオパックが設けられる場合と同様に、ビデオ(ダミーとしてのビデオパック)を基準にしてそのオーディオデータが属するビデオオブジェクトユニットの再生時間内に再生されるべきオーディオパックがそのビデオオブジェクトユニットに格納されている。
【0036】
再び図3を参照してビデオマネージャー171について説明する。ビデオマネージャー171の先頭に配置されるビデオ管理情報175は、そのビデオマネージャー自体の情報、タイトルをサーチする為の情報、ビデオマネージャーメニューの再生の為の情報、及びビデオタイトルの属性情報の等のビデオタイトルセット(VTS)172を管理する情報が記述され、図3に示す順序で4つのテーブル178、179、180、181が記録されている。この各テーブル178、179、180、181は、論理セクタの境界に一致されている。第1のテーブルであるビデオ管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)178は、必須のテーブルであってビデオマネージャー171のサイズ、このビデオマネージャー171中の各情報のスタートアドレス、ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176のスタートアドレス及びその属性情報等が記述されている。この属性情報には、ビデオの属性情報、オーディオの属性情報及び副映像の属性情報があり、これらの属性情報よってデコーダ58、60、62及び再生処理部64のモードが変更され、ビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176が適切なモードで再生される。
【0037】
また、ビデオマネージャー171の第2のテーブルであるタイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)179には、装置のキー及び表示部4からのタイトル番号の入力に応じて選定可能な当該光ディスク10中のボリュームに含まれるビデオタイトルセットのスタートアドレスが記載されている。
【0038】
ビデオマネージャー171の第3のテーブルであるビデオマネージャーメニューPGCIユニットテーブル(VMGM_PGCI_UT)180は、ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクト(VMGM_VOB)176がある場合には、必須項目とされている。ビデオマネージャーメニュー用のビデオオブジェクト(VMGM_VOB)176内には、種々の言語に対応したプログラムチェーンが設けられ、この各言語に対応したメニュー用のプログラムチェーンに関する情報が記述されている。
【0039】
ビデオマネージャー171の第4のテーブルであるビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)180には、当該光ディスクのボリューム中のビデオタイトルセット(VTS)172に定められた属性情報が記載される。即ち、属性情報としてビデオタイトルセット(VTS)172の数、ビデオタイトルセット(VTS)172の番号、ビデオの属性、例えば、ビデオデータの圧縮方式等、オーディオストリームの属性、例えば、オーディオの符号化モード等、副映像の属性、例えば、副映像の表示タイプ等がこのテーブルに記載されている。
【0040】
ここで、プログラムチェーン187とは、図5に示すようにあるタイトルのストーリーを再現するプログラム189の集合と定義される。メニュー用のプログラムチェーンにあっては、静止画或いは動画のプログラムがページとして次々に再現されて1タイトルのメニューが完結されることとなる。また、タイトルセット用のプログラムチェーンにあっては、プログラムチェーンが複数プログラムから成るあるストーリーのある章が該当し、プログラムチェーンが連続して再現されることによってある1タイトルの映画が完結される。図5に示されるように各プログラム189は、再生順序に配列された既に説明したセル184の集合として定義される。
【0041】
次に、図2に示されたビデオタイトルセット(VTS)172の論理フォーマットの構造について図6を参照して説明する。各ビデオタイトルセット(VTS)172には、図6に示すようにその記載順に4つの項目194、195、196、197が記載されている。また、各ビデオタイトルセット(VTS)172は、共通の属性を有する1又はそれ以上のビデオタイトルから構成され、このビデオタイトル172についての管理情報、例えば、ビデオオブジェクトセット196を再生する為の情報、タイトルセットメニュー(VTSM)を再生する為の情報及びビデオオブジェクトセット172の属性情報がビデオタイトルセット情報(VTSI)に記載されている。
【0042】
このビデオタイトルセット情報(VTSI)194のバックアップ197がビデオタイトルセット(VTS)172に設けられている。ビデオタイトルセット情報(VTSI)194とこの情報のバックアップ(VTSI_BUP)197との間には、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)195及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)196が配置されている。いずれのビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS及びVTSTT_VOBS)195、196は、既に説明したように図4に示す構造を有している。
【0043】
ビデオタイトルセット情報(VTSI)194、この情報のバックアップ(VTSI_BUP)197及びビデオタイトルセットタイトル用のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)196は、ビデオタイトルセット172にとって必須の項目され、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)195は、必要に応じて設けられるオプションとされている。
【0044】
ビデオタイトルセット情報(VTSI)194は、図6に示すように7つのテーブル198、199、200、201、211、212、213から構成され、この7つのテーブル198、199、200、201、211、212、213は、論理セクタ間の境界に一致されている。これらのテーブルには、階層構造で種々の情報が記述されている。
【0045】
第1のテーブルであるビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)198は、必須のテーブルであってビデオタイトルセット(VTS)172のサイズ、ビデオタイトルセット(VTS)172中の各情報の開始アドレス及びビデオタイトルセット(VTS)172中のビデオオブジェクトセット(VOBS)182の属性が記述されている。
【0046】
第2のテーブルであるビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインタテーブル(VTS_PTT_SRPT)199は、必須のテーブルであってユーザーが装置のキー操作/表示部4から入力した番号に応じて選定可能なビデオタイトルの部分、即ち、選定可能な当該ビデオタイトルセット172中に含まれるプログラムチェーン(PGC)及び又はプログラム(PG)が記載されている。ユーザーは、光ディスク10の配布とともにパンフレットに記載した入力番号中から任意の番号をキー操作/表示部4で指定すると、その入力番号に応じたストーリー中の部分からビデオを鑑賞することができる。この選択可能なタイトルのパートは、タイトル提供者が任意に定めることができる。
【0047】
第3のテーブルであるビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)211は、必須のテーブルであってVTSのプログラムチェーンに関する情報、即ち、VTSプログラムチェーン情報(VTS_PGCI)を記述している。即ち、このテーブル(VTS_PGCIT)211には、ビデオタイトルセットタイトル用ビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)196中に格納されたプログラムチェーンPGC187の再生情報を獲得するためのビデオタイトルセットPGC情報(VTS_PGCI)のサーチポインタ(VTS_PGCI_SRP#n)がPGCの数だけ設けられている。また、このサーチポインタ(VTS_PGCI_SRP#n)で指定されるPGC情報(VTS_PGCI#n)には、PGCの内容(PGC_CNT)等が記述されたPGC一般情報(PGC_GI)、該当するPGCを構成するプログラムのマップがその再生順に記載されたPGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)及びがPGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)に記述の各プログラムを構成するセルに関する情報がその再生順に記述されたセル再生情報テーブル(C_PBI)に記載されている。PGCプログラムマップ(PGC_PGMAP)でプログラムが特定され、このプログラムが特定されることでそのプログラム内のセルの再生情報がセル再生情報テーブル(C_PBI)から獲得することができる。また、セル再生情報テーブル(C_PBI)には、各セル中で最初に再生されるVOBUの開始アドレス及び最後に再生されるVOBUの開始アドレスが記述されている。
【0048】
第4のテーブルであるビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)111は、ビデオタイトルセットメニュー用のビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)95が設けられる場合には、必須項目とされ、各言語毎に設けられたビデオタイトルセットメニュー(VTSM)を再現するためのプログラムチェーンについての情報が記述されている。このビデオタイトルセットメニューPGCIユニットテーブル(VTSM_PGCI_UT)211を参照することによってビデオオブジェクトセット(VTSM_VOBS)195中の指定した言語のプログラムチェーンを獲得してメニューとして再現することができる。
【0049】
第5のテーブルであるビデオタイトルセットタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)101は、必要に応じて設けられるオプションのテーブルであって再生表示の一定時間に対するこのマップテーブル(VTS_MAPT)101が属するタイトルセット172の各プログラムチェーン(PGC)内のビデオデータの記録位置に関する情報が記述されている。
【0050】
第6のテーブルであるビデオタイトルセットセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)112は、必須項目とされ、図4を参照して説明したように全てのビデオオブジェクト183を構成する各セル184のアドレス或いは、セルを構成するセルピースのアドレスがビデオオブジェクトの識別番号の順序で記載されている。ここで、セルピースとは、セルを構成するピースであって、このセルピースを基準にインタリーブ処理されてセルがビデオオブジェクト183中に配列される。
【0051】
第7のテーブルであるビデオタイトルセットビデオオブジェクトユニットアドレスマップ(VTS_VOBU_ADMAP)213は、必須項目とされ、ビデオタイトルセット中のビデオオブジェクトユニット182のスタートアドレスが全てその配列順序で記載されている。
【0052】
図4を参照して説明したようにセル184は、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)185の集合とされ、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)185は、ナビゲーション(NV)パック186から始まるパック列として定義される。従って、セル184中の最初のビデオオブジェクトユニット(VOBU)185のスタートアドレス(C_FVOBU_SA)は、NVパック186のスタートアドレスを表すこととなる。このNVパック186は、図7に示すようにパックヘッダ110、システムヘッダ111及びナビゲーションデータとしての2つのパケット、即ち、再生制御情報(PCI)パケット116及びデータサーチ情報(DSI)パケット117から成る構造を有し、図7に示すようなバイト数が各部に付り当てられ、1パックが1論理セクタに相当する2048バイトに定められている。また、このNVパックは、オブジェクトユニット(VOBU)185内でその先頭に配置されている。オブジェクトユニット185がビデオパックを含まない場合であってもNVパックがオーディオパック191又は/及び副映像パック190を含むオブジェクトユニット185の先頭に配置される。このようにオブジェクトユニット185がビデオパック188を含まない場合であってもオブジェクトユニット185がビデオパック188を含む場合と同様にオブジェクトユニット185の再生時間は、ビデオが再生される単位を基準に定められる。
【0053】
ここで、GOPとは、MPEGの規格で定められ、既に説明したように複数画面を構成するデータ列として定義される。即ち、GOPとは、圧縮されたデータに相当し、この圧縮データを伸張させると動画を再生することができる複数フレームの画像データが再生される。パックヘッダ110及びシステムヘッダ111は、MPEG2のシステムレーヤで定義され、パックヘッダ210には、パック開始コード、システムクロックリファレンス(SCR)及び多重化レートの情報が格納され、システムヘッダ111には、ビットレート、ストリームIDが記載されている。PCIパケット116及びDSIパケット117のパケットヘッダ112、114には、同様にMPEG2のシステムレーヤに定められているようにパケット開始コード、パケット長及びストリームIDが格納されている。
【0054】
他のビデオ、オーディオ、副映像パック188、189、180、191は、図8に示すようにMPEG2のシステムレーヤに定められると同様にパックヘッダ110、パケットヘッダ111及び対応するデータが格納されたパケット112から構成され、そのパック長は、2048バイトに定められている。これらの各パックは、論理ブロックの境界に一致されている。
【0055】
PCIパケット116のPCIデータ(PCI)113は、VOBユニット(VOBU)185内のビデオデータの再生状態に同期してプレゼンテーション、即ち、表示の内容を変更する為のナビゲーションデータである。即ち、PCIデータ(PCI)113には、図9に示されるようにPCI全体の情報としてのPCI一般情報(PCI_GI)及びアングル変更時における各飛び先アングル情報としてのアングル情報(NSMLS_ANGLI)が記述されている。PCI一般情報(PCI_GI)には、図10に示されるようにPCI113が記録されているVOBU185の論理ブロックからの相対的論理ブロック数でそのPCI113が記録されているNVパック(NV_PCK)186のアドレス(NV_PCK_LBN)が記述されている。また、PCI一般情報(PCI_GI)には、VOBU185のカテゴリー(VOBU_CAT)、VOBU185のスタート再現時間(VOBU_S_PTM)及び再現終了時間(VOBU_EPTM)が記述されている。ここで、VOBU185のスタートPTS(VOBU_SPTS)は、当該PCI113が含まれるVOBU185中のビデオデータの再生開始時間(スタートプレゼンテーションタイム)を示している。この再生開始時間は、VOBU185中の最初の再生開始時間である。通常は、最初のピクチャーは、MPEGの規格におけるIピクチャー(Intra-Picture )の再生開始時間に相当する。VOBU85の終了PTS(VOBU_EPTS)は、当該PCI113が含まれるVOBU185の再生終了時間(終了プレゼンテーションタイム)を示している。
【0056】
図7に示したDSIパケット117のDSIデータ(DSI)115は、VOBユニット(VOBU)185のサーチを実行する為のナビゲーションデータである。DSIデータ(DSI)115には、図11に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)、シームレス再生情報(SML_PBI)、アングル情報(SML_AGLI)、ビデオオブジェクトユニット(VOBU)のサーチ情報(VOBU_SRI)及び同期再生情報(SYNCI)が記述されている。
【0057】
DSI一般情報(DSI_GI)は、そのDSIデータ115全体の情報が記述されている。即ち、図12に示すようにDSI一般情報(DSI_GI)には、NVパック186のシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)が記載されている。このシステム時刻基準参照値(NV_PCK_SCR)は、図1に示す各部に組み込まれているシステムタイムクロック(STC)に格納され、このSTCを基準にビデオ、オーディオ及び副映像パックがビデオ、オーディオ及び副映像デコーダ部58、60、62でデコードされ、ビデオ及び音声がモニタ部6及びスピーカ部8で再生される。DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBセット(VOBS)182の先頭論理ブロックからの相対的論理ブロック数(RLSN)でDSI115を有するNVパック(NV_PCK)186のスタートアドレス(NV_PCK_LBN)が記載され、VOBユニット(VOBU)の先頭論理ブロックからの相対的論理ブロック数(RLSN)でDSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)185中の最終パックのアドレス(VOBU_EA)が記載されている。
【0058】
更に、DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でこのVOBU内での最初のリファレンスピクチャー、即ち、最初のIピクチャーの最終データが記録されているVパック(V_PCK)188の終了アドレス(VOBU_1STREF_EA)が記載されている。このDSI一般情報(DSI_GI)がMPU部50で獲得されてIピクチャーの終了アドレスがMPU部50で獲得され、そのビデオパック(V_PCK)188が検索されると、その内のビデオパケット122のビデオデータがデコーダ58に供給され、このデータによってIピクチャーのみが再生される。VOBユニット(VOBU)内にIピクチャーがない場合には、リファアレンスピクチャーの終了アドレス(VOBU_1STREF_EA)には、00000000hが記述される。同様に、DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でこのVOBU内での第2番目のリファレンスピクチャー、即ち、最初のIまたはPピクチャー(通常は、Iピクチャー)の最終アドレスが記録されているVパック(V_PCK)188の終了アドレス(VOBU_2NDREF_EA)が記載され、また、DSI一般情報(DSI_GI)には、DSI115が記録されているVOBユニット(VOBU)の先頭論理セクタからの相対的論理セクタ数(RLSN)でこのVOBU内での第3番目のリファレンスピクチャー、即ち、最初のIまたはPピクチャー(通常は、Pピクチャー)の最終アドレスが記録されているVパック(V_PCK)188の終了アドレス(VOBU_3RDREF_EA)が記載されている。更に、DSI一般情報(DSI_GI)には、当該DSI115が記録されているVOBU183の識別番号(VOBU_VOB_IDN)及び当該DSI115が記録されているセルの識別番号(VOBU_C_IDN)が記載されている。また、DSI一般情報(DSI_GI)には、このDSIが含まれるセル中で最初のビデオフレームからこのDSIが含まれるVOBUの最初のビデオフレームまでののセル経過時間(C_ELTM)DSIのナビゲーションパックアドレス情報には、所定数のナビゲーションパックのアドレスが記述されている。このアドレスを参照してビデオの早送り等が実行される。また、同期情報(SYNCI)には、DSI115が含まれるVOBユニット(VOBU)のビデオデータの再生開始時間と同期して再生する副映像及びオーディオデータのアドレス情報が記載される。即ち、図13に示すようにDSI115が記録されているNVパック(NV_PCK)286からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で目的とするオーディオパック(A_PCK)191のスタートアドレス(A_SYNCA)が記載される。オーディオストリームが複数(最大8)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。また、同期情報(SYNCI)には、目的とするオーディオパック(SP_PCK)191を含むVOBユニット(VOBU)182のNVパック(NV_PCK)186のアドレス(SP_SYNCA)がDSI115が記録されているNVパック(NV_PCK)186からの相対的な論理セクタ数(RLSN)で記載されている。副映像ストリームが複数(最大32)ある場合には、その数だけ同期情報(SYNCI)が記載される。
【0059】
VOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)には、図14に示すように当該DSI115を含むVOBユニット(VOBU)185を基準にその再生順序に従ってフォワードアドレス(FWDINn )として次(NEXT)、+1から+20、+60、+120及び+240のVOBユニット(VOBU)185中にビデオパックが有ることを示すフラグ及びそのスタートアドレス(FWDn)が当該VOBユニットの先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数で記載されている。また、同様に、VOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)には、当該DSI115を含むVOBユニット(VOBU)185を基準にその逆再生順序に従って、即ち、バックワード再生方向にバックワードアドレス(BWDINn )として手前(PREV) 、−1から−20、−60、−120及び−240までのVOBユニット(VOBU)85中にビデオパックが有ることを示すフラグ及びそのスタートアドレス(A_BWDn)が当該VOBユニットの先頭論理セクタからの相対的な論理セクタ数で記載されている。
【0060】
また、VOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)として当該VOBユニット(VOBU)185を基準に次にビデオデータを含むVOBユニット(VOBU)185のフォワードアドレス(BWDI VIDE )のスタートアドレス及びビデオデータを含むVOBユニット(VOBU)185のバックワードアドレス(BWD VIDE )のスタートアドレスが記述されている。
【0061】
VOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)は、具体的には、図15及び図16に示すように記述される。即ち、フォワードアドレス(FWDINn )及びバックワードアドレス(BWDINn )は、それぞれ図15及び図16に示すように32ビットで記述され、ビット番号b29からb0にスタートアドレスが記述されている。また、フォワードアドレス(FWDINn )及びバックワードアドレス(BWDINn )のビット番号b31には、そのアドレスで指定されるビデオユニットVOBUにビデオデータがあるか否かの情報(V_ FWD_ Exist 1)が記述される。V_ FWD_ Exist 1に“0b”が記述される場合には、アドレス(FWDAn)のVOBUには、ビデオデータがなく、V_ FWD_ Exist 1に“1b”が記述される場合には、アドレス(FWDAn)のVOBUには、ビデオデータがあることとなる。フォワードアドレス(FWDINn )及びがバックワードアドレス(BWDINn )のビット番号b30には、当該ビデオユニットVOBUとそのアドレスで指定されるビデオユニットVOBUとの間のビデオユニットVOBUにビデオデータがあるか否かの情報(V_ FWD_ Exist 1)が記述される。より詳細には、“0b”が記述される場合には、アドレス(FWDAn)のVOBUには、ビデオデータがなく、“1b”が記述される場合には、アドレス(FWDAn)のVOBUには、ビデオデータがあることを示している。あるセル内でアドレス(FWDAn)で指定されるビデオユニットVOBUがない場合には、そのアドレスとして“3FFF FFFFh ”が記述されるが、この場合には、当該セル中の最終アドレスと当該ビデオユニットVOBUとの間のビデオユニットVOBUにビデオデータがあるか否かの情報(V_ FWD_ Exist 1)がこの“3FFF FFFFh ”とともに記述される。
【0062】
次に、再び図1を参照して図2から図16に示す論理フォーマットを有する光ディスク10からのデータの再生動作について説明する。
【0063】
始めに、ビデオマネージャー(VMG)171を利用してビデオタイトルセット(VTS)172を獲得する動作を図17を参照して説明する。図1に示される光ディスク装置においては、電源が投入され、光ディスク10が装填されると、システム用ROM及びRAM部52からシステムMPU部50は、初期動作プログラムを読み出し、ディスクドライブ部30を作動させて検索動作がステップS41に示すように開始される。従って、ディスクドライブ部30は、リードイン領域27から読み出し動作を開始し、リードイン領域27に続く、ISO−9660等に準拠してボリュームとファイル構造を規定したボリューム及びファイル構造領域70が読み出される。即ち、システムMPU部50は、ディスクドライブ部30にセットされたディスク10の所定位置に記録されているボリューム及びファイル構造領域170を読み出す為に、ディスクドライブ部30にリード命令を与え、ボリューム及びファイル構造領域170の内容を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に一旦格納する。システムMPU部50は、データRAM部56に格納されたパステーブル及びディレクトリレコードを介して各ファイルの記録位置や記録容サイズ等の情報やその他管理に必要な情報としての管理情報を抜き出し、システム用ROM&RAM部52の所定の場所に転送し、保存する。
【0064】
次に、システムMPU部50は、ステップS42に示すようにシステム用ROM&RAM部52から各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してファイル番号0番から始まる複数ファイルから成るビデオマネージャー(VMG)271を取得する。即ち、システムMPU部50は、システム用ROM及びRAM部52から取得した各ファイルの記録位置や記録容量の情報を参照してディスクドライブ部30に対してリード命令を与え、ルートディレクトリ上に存在するビデオマネージャー171を構成する複数ファイルの位置及びサイズを取得し、このビデオマネージャー(VMG)171を読み出し、システムプロセッサ部54を介して、データRAM部56に格納する。その後、システムMPU部50は、データRAM部56に格納されたビデオマネージャー(VMG)171からステップS43に示すようにビデオ管理情報テーブル(VMGI_MAT)178に記述の各テーブル(TT_SRPT、VMGM_PGCI_UT,VTS_ART)の開始アドレスを取得して各テーブルの取得が可能となる。ここで、ユーザーがタイトルを記載したタイトル用の冊子を見てビデオタイトルセットを特定する番号を取得してステップS44で示すようにキー操作及び表示部4を介してその番号がユーザーによって直接入力される場合には、ステップS48に移行される。また、キー操作及び表示部4を介するユーザーからの入力がない場合には、ステップS45で示すようにメニュー用データとしてVMGMビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176の有無がビデオ管理情報テーブル(VMGI_MAT)178から確認される。VMGMビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176がない場合には、ユーザーからの入力により或は、予め定められたビデオタイトルセットが選択され、ステップS48に移行される。VMGMビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)176がある場合には、VMGMのビデオ属性情報(VMGM_V_ATR)、音声及び副映像ストリームの属性情報(VMGM_AST_ATR、VMGM_SPST_ATR)がビデオ管理情報テーブル(VMGI_MAT)178から獲得される。その後、ステップS47に示すようにメニューが表示され、このメニューの表示に従って、ユーザーがキー操作及び表示部4を介してビデオタイトルセット(VTS)172を選択することとなる。ビデオタイトルセット(VTS)172が選択されると、ビデオマネージャー(VMG)171内のタイトルサーチポインタテーブル(TT_SRPT)179から選択されたビデオタイトルセットに対応するビデオタイトルセット番号(VTSN)、タイトル番号(VTS_TTN)及びビデオタイトルセットの開始アドレス(VTS_SA)が獲得される。更に、システムMPU部50は、ビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)181から取得したビデオタイトルセット番号(VTSN)の属性情報(VTS_V_ATR、VTS_AST_ATR、VTS_SPST)を取得する。この属性情報(VTS_V_ATR、VTS_AST_ATR、VTS_SPST)を基に各々のビデオデコーダ部58、オーディオデコーダ部60及び副映像デコーダ部62にビデオマネージャーメ二ュー再生のためのパラメータが設定される。また、属性情報に従って、D/A変換部63及びビデオプロセッサ部64がセットされる。この一連の手順でステップS50で示すようにビデオタイトルセット276の取得準備が整うこととなる。
【0065】
次にタイトルの選択が終了した後のプログラムチェーンの検索及び再生動作について図18に示すフローを参照して説明する。即ち、メニューを参照してプログラムチェーン(PGC)がキー操作/表示部4で指定される場合には、次のような手順で対象とするプログラムチェーンがサーチされる。このプログラムチェーンのサーチは、ビデオタイトルセットにおけるタイトルの為のプログラムチェーンに限らず、メニューがプログラムチェーンで構成される比較的複雑なメニューにおいてもそのメニューの為のプログラムチェーンのサーチに関しても同様の手順が採用される。図18に示すようにステップS51に示すようにサーチ動作が開始されると、システムMPU部50は、既に述べたようにビデオタイトルセット情報172をステップS52で示すように獲得する。次に、ステップS52に示すように獲得されたビデオタイトルセット情報172から各テーブルの開始アドレスが取得される。この開始アドレス中のビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインタテーブル(VTS_PTT_SRPT)199の開始アドレス(VTS_PTT_SRPT_SA)からこのテーブル(VTS_PTT_SRPT)199が獲得される。次にステップS54で示すようにビデオマネージャー(VMG)171のタイトルサーチポインタ(TT_SRP)179を参照して獲得したビデオタイトルセット196の番号(VTSN)及びVTSタイトル番号(VTS_TTN)によりユーザにより指定したパートオブタイトルに相当するPGC番号及びPG番号が取得される。
【0066】
VTS−PGCIテーブル(VTS−PGCIT)200が参照されてこのテーブル200内に記載されるこの取得されたPGC番号に相当するVTS_PGCIサーチポインタ#n(VTS_PGCI_SRP#n)が取得され、このポインタ#n(VTS_PGCI_SRP#n)によってそのVTS_PGCのカテゴリー(VTS_PGC_CAT)及びそのポインタで指し示されるVTS_PGC情報(VTS_PGCI#n)の開始アドレス(VTS_PGCI_SA)が獲得される。ステップS56に示すようにVTS_PGC情報(VTS_PGCI#n)の開始アドレス(VTS_PGCI_SA)から取得されたPGC番号に相当するVTSに関する情報が記述されているVTS_PGC情報(VTS_PGCI#n)が獲得される。ステップS57に示すように獲得されたVTS_PGC情報(VTS_PGCI#n)のPGC一般情報(PGC_GI)からPGCの内容(PGC_CNT)が獲得されてPGC_CNTの記述から当該PGC内のプログラム数及びセル数が獲得される。PGCを構成するプログラムのマップが記述されたPGCマップ(PGC_MAP)及びそのプログラムに対応して設けられ、そのPGC内で再生されるセルに関する再生情報が記述されたセル再生情報(C_PBIT)が獲得されてステップS59で示すように指定されたPGC(x)の再生、即ち、セルの再生が開始される。セルの再生によってあるPGCの再生が終了すると、ステップS60で示すようにそのPGC番号が更新され(x=x+1)、ステップS61で示すように更新されたPGC番号があるか確認される。即ち、次のPGC番号のPGCがある場合には、ステップS59に移行され、その更新されたPGCが再生される。
【0067】
あるPGCの再生におけるセルの再生処理ステップ59は、具体的には、次のように処理される。即ち、セルの再生開始時にそのセルがあるPGCにおける最初のセルに該当するかが判別される。最初のセルである場合には、そのセルの先頭のビデオオブジェクトユニット(VOBU)のナビゲーションパックの転送を待ってそのナビゲーションパックのデータがシステムROM−RAM52に取り込まれる。このナビゲーションパックに記述のSCR(NV_PCK_SCR)に従って、MPU部50によってデコーダ58,60,62のSTCがセットされ、ナビゲーションパックの記述に関連した処理がある場合には、その処理が実行される。最初のセルでない場合には、そのセルが前のセルと連続しているかが、判別され、連続している場合には、同様にこのナビゲーションパックに記述のSCR(NV_PCK_SCR)に従って、MPU部50によってデコーダ58,60,62のSTCがセットされ、ナビゲーションパックの記述に関連した処理がある場合には、その処理が実行される。セルが前のセルと連続していない場合には、MPU部50は、目的のセルアドレスでセルをサーチしてそのセルを獲得して最初のセルを獲得した際と同様の処理が実行される。セルの獲得によってそのセルを構成するビデオオブジェクトユニット(VOBU)がシステムプロセッサ54に読み出され、その内のパックが対応するデコーダ58,60,62に与えられ、デコードされる。この一連の動作は、セル中の最初のビデオオブジェクトが獲得されてから最後のビデオオブジェクトユニット(VOBU)が獲得されるまで繰り返される。セルの再生によって次々にPGCが再生されることとなる。
【0068】
再生されたPGCが最終PGCである場合には、ステップS65に示すようにその次のPGC番号があるかが確認される。次のPGC番号がある場合には、再びステップS55に移行され、次のPGC番号がない場合には、ステップS66に示すようにPGCの再生が終了される。
【0069】
上述した通常再生以外の早送り、即ち、ファーストフォワード(FF)再生及びファーストリワード(FR)等の特殊再生は、VOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)を利用して実現される。即ち、ファーストフォワード(FF)再生を一例に説明すると、通常、1VOBUは、約0.5秒で再生されることから、10倍速では、約0.5秒間に10VOBUが再生されなければならないこととなる。換言すれば、1秒当たり20VOBUのデータを獲得できれば実現可能となる。即ち、0.5秒ごとに10VOBU先のビデオが再生されれば、10倍速が実現される。
【0070】
同様に、あるVOBUから20VOBU先のデータを再生するまでの所用時間を0.5秒で実現すれば、見掛け上20倍速が実現されることとなる。この原理を利用して常に0.5秒経過後には、20VOBU先のデータ再生すれば、見掛け上20倍速が実現される。1VOBUを再生する時間を短縮出来れば、即ち、0.25秒で1VOBUが再生され、次々に10VOBU先のデータを再生するば、見掛け上20倍速が実現することが出来ることとなる。
【0071】
具体的には、このファーストフォワード(FF)再生及びファーストリワード(FR)等の特殊再生の処理について図19のフローチャートを参照して説明する。
【0072】
ステップS70に示すように再生中にFF或いはFRキーが押されると、FF或いはFR処理が開始される。始めにステップS71に示すようにファーストフォワードFF或いはリビューREVの入力が有ったかが確認され、各デコーダ部に高速サーチの処理を開始する旨を指示する。
【0073】
その後、ステップS72に示すようにファーストフォワードFFであれば、システムMPU50は、現在再生中のVOBUのDSIから最新のVOBUのサーチ情報(VOBU_SRI)を獲得し、FWDI10のアドレスを獲得する。ステップS73に示すように獲得したアドレスに基づいてFWDI10のアドレスで特定されるVOBUをサーチする。ステップS74に示すようにそのVOBUのI ピクチャーの最終データが格納されているVパックの取り込みが終了したかが確認される。ステップS75に示すようにの最終データが格納されているVパックの取り込みが終了している場合には、割り込み、例えば、通常再生の入力、特殊再生されたVOBUが最終のものであってこれ以上の特殊再生ができない旨のコマンドがあるか否かが確認される。キー割り込みがあれば、その高速サーチが終了かがステップ76で確認され、終了であれば、ステップS77に示すように終了される。ステップS75に示すキー割り込みがない場合、また、ステップS76において、キー割り込みがあっても高速サーチが終了でない場合には、ステップS72戻され、I ピクチャー再生のために新たに読み込んだVOBUのVOBU_SRIが得られ、ステップS73に戻される。
【0074】
ファーストリワード(FR)では、ステップS79が異なるのみで実出的にファーストフォワードFFと同様に処理されてファーストリワード(FR)が実行される。
【0075】
この明細書において、サーチ中とは、光ピックが定常の再生状態より離れ、目的のアドレスを見つけ、ジャンプし、トラッキングした状態へ移行し、再生すべきデータがドライブ部30より出力されるまでの間を言う。(以下の説明においても同様である。)
以上のようにしてI ピクチャーを用いて特殊再生が実行されるが、DVDディスク上に連続するVOBUが音楽専用であって各VOBUには、主映像パックが無く、オーディオパックのみのデータ、または、オーディオパックと副映像パックだけで構成される場合がある。また、DVDディスク自体が音楽専用であってその再生対象である連続するVOBUの全てには、主映像パックが無く、オーディオパックのみのデータ、または、オーディオパックと副映像パックだけで構成される場合がある。このような音楽専用の連続するVOBUの再生処理、或いは、再生手順は、既に述べたビデオを含む連続するVOBUと同様に再生されるが、特殊再生に関しては、上述したようにI ピクチャーを用いた特殊再生の実行ができなくなる。このような音楽専用のVOBUが連続する場合の特殊再生について図20から図26を参照して説明する。
【0076】
既に説明したように即ち、ファーストフォワード(FF)再生及びファーストリワード(FR)等の特殊再生にあっては、音声を消して、ビデオデータのみを取りだして、Iピクチャのみ、または、I,Pのみ再生する方法を採用している。これに対して、音楽専用のVOBUが連続する場合の特殊再生、即ち、ファーストフォワード(FF)再生及びファーストリワード(FR)の再生にあっては、オーディオがその特殊再生の間、次のようにとぎれ(無音の状態)が生じることなく再生される。ここで、音楽専用のVOBUが連続する場合には、静止画を背景にオーディオが再生される場合のようにオーディオパックに比してビデオパックが非常に少ないデータがDVDディスクの一部の領域に記録されている場合も含まれるものとする。
【0077】
オーディオデータが圧縮されている場合、例えば、オーディオデータがMPEG或いはAC−3に基づいて圧縮されている場合であって、ファーストフォワード(FF)再生或いはファーストリワード(FR)によるサーチが短い場合(例えば、2倍から数倍速程度の高速再生の場合)には、図20(a)に示すようにオーディオデータ、即ち、VOBU185は、ドライブ部30からオーディオデコーダ部60に転送され、その再生中にすぐに次に再生されるべきアドレスがサーチされ、図20(b)に示すようにそのサーチされたオーディオデータ、即ち、VOBU185が転送され、再生される。このような例は、図20(a)に示されるようにある曲のある第1番目のVOBU185の再生及び転送中のある時点t0にサーチの入力があると、その第1番目のVOBU185内のパケットに格納されたオーディオ圧縮データ1、例えば、AC−3のオーディオ圧縮データ1の転送が続けられ、その転送の終了した時点t1からオーディオ圧縮データ2がパケットに格納されている第2番目のVOBU185がサーチされる。このサーチ前にオーディオ圧縮データ1の伸張及びその再生がなされているが、このサーチの後においても、そのオーディオ圧縮データ1の伸張及びその再生が続けられ、スピーカー8から第1番目のVOBU185のパケットに格納されたデータが再生され続ける。例えば、“ドレミ”と再生される。その曲のオーディオ圧縮データ2がパケットに格納された次のVOBU185がサーチされると、その第2番にサーチされたオーディオ圧縮データ2の伸張が開始され、第2番のVOBU185の再生が開始される。例えば、次の“ドレミ”が再生される。同様にオーディオ圧縮データ2の転送の終了した時点t3から更に次の第3番のVOBU185、即ち、オーディオ圧縮データ2がサーチされ、同様にそのサーチが終了した時点で、第3番のサーチに相当するオーディオ圧縮データ3の伸張が開始され、第3番のVOBU185の再生が開始される。その結果、例えば、更に次の“ドレミ”が再生される。従って、再生側では、最初の“ドレミ”、次の“ドレミ”、更に次の“ドレミ”が再生され、図20(b)に示すように再生が連続することとなる。
【0078】
このようにサーチ時間が十分に短い場合には、図20(a)及び(b)に示すように、サーチ期間にオーディオのとぎれが生ぜず、常にオーディオが再生されることとなる。
【0079】
オーディオデータが圧縮されている場合であって、ファーストフォワード(FF)再生或いはファーストリワード(FR)によるサーチが長い場合(例えば、ほぼ10倍速或いはそれ以上の高速再生の場合)には、図21(a)に示すようにオーディオデータは、ドライブ部30からオーディオデコーダ部60に転送され、その再生中に次に再生されるべきアドレスがサーチされる。即ち、サーチがそのオーディオデータの再生時間を超えた場合には、そのサーチの残存期間の間、そのオーディオデータの最終音、1VOBU185が再生され続け、サーチが終了した後に図20(b)に示すようにそのサーチされた次のオーディオデータが再生される。このような例は、図21(a)に示されるようにある曲の再生及び転送中のある時点t0にサーチの入力があると、その再生中に続く1VOBU185のパックに格納されたオーディオ圧縮データ1、例えば、AC−3のオーディオ圧縮データ1の転送が続けられ、その転送の終了した時点t1から次の、例えば、10VOBU先のVOBU185に相当するオーディオ圧縮データ2がサーチされる。このサーチ終了前にオーディオ圧縮データ1の伸張及びその再生が終了されたにも拘わらず、未だサーチが継続中である場合、そのオーディオ圧縮データ1の最終音である1VOBU185の再生が続けられ、スピーカー8から曲の再生が継続される。例えば、“ドレミ”が再生され、その最終音である“ミ”が再生され続ける。時点t2で10VOBU先のVOBU185に相当するオーディオ圧縮データ2がサーチされると、第1VOBU、即ち、最終音の再生に代えて、10VOBU先のVOBU185に相当するオーディオ圧縮データ2の伸張が開始され、10VOBU先のVOBU185の再生が開始される。例えば、次の“ドレミ”が再生され、最終音である“ミ”が再生され続ける。同様にオーディオ圧縮データ2の転送の終了した時点t3から次の(10+10)VOBU先のVOBU185に相当するオーディオ圧縮データ3がサーチされ、同様にそのサーチが終了するまで、オーディオ圧縮データ2の最終音の再生が続けられ、スピーカー8から曲の再生が継続される。例えば、更に次の“ドレミ”が再生され、最終音である“ミ”が再生され続ける。
【0080】
このようにサーチ時間が長い場合にあっては、図21(a)及び(b)に示すように、次のオーディオデータの転送が間に合わずデータがとぎれてしまうような場合が生ずるが、このようなときには、前のオーディオデータの最終音が次のオーディオデータが転送されるまで、再生され続けられる。図21の例にあっては、例えば、最初の“ドレミ”及び最終音である“ミ”が再生され続け、次の“ドレミ”及び最終音である“ミ”が再生され続け、更に次の“ドレミ”及び最終音である“ミ”が再生され続けられることとなる。
【0081】
更に、オーディオパックが圧縮データでない場合、例えば、PCMオーディオデータの場合には、転送時間と再生時間に殆ど差がないことから、図22(a)及び(b)に示したと同様に次のオーディオデータのサーチ中には、前のオーディオデータの最終音が次のオーディオデータが転送されるまで、再生され続けられる。例えば、図22(a)に示されるようにある曲の再生及び転送中のある時点t0にサーチの入力があると、そのオーディオデータに相当する1VOBU185の転送が続けられ、その転送の終了した時点t1から次に相当するオーディオ圧縮データ2、10VOBU先のVOBU185がサーチされる。このサーチ終了前にオーディオデータ1の再生が終了されるが、その再生終了後のサーチの継続中においても、そのオーディオデータ1の最終音、1VOBU185の再生が続けられ、スピーカー8から1VOBU185のデータの再生が継続される。例えば、“ドレミ”と再生され、最終音に相当する“ミ”の再生が継続される。また、時点t2で次のオーディオデータ2、10VOBU先のVOBU185がサーチされると、1VOBUの最終音の再生に代えて、次のオーディオデータ2の転送及び再生が開始され、10VOBU先のVOBU185の再生が開始される。例えば、次の“ドレミ”と再生され、最終音に相当する“ミ”の再生が継続される。同様に、オーディオデータ2の転送の終了した時点t3から更に次のオーディオデータ3がサーチされ、同様にそのサーチが終了するまで、オーディオデータ2の最終音、1VOBUの再生が続けられ、スピーカー8からその10VOBU先に相当するVOBU185がの再生が継続される。例えば、更に次の“ドレミ”と再生され、最終音に相当する“ミ”の再生が継続される。
【0082】
以下により具体的な動作を早送り再生の例を図1及び図1に示したオーディオデコーダの詳細を示す図23を参照して図24、図25及び図26に示したフローチャートに従って説明する。
【0083】
図1に示したオーディオデコーダ部60は、図23に示すようなブロックを有している。即ち、オーディオデコーダ部には、システムプロセッサ部54から取り込まれたオーディオパケットデータを保持するデータメモリ部80を有し、このメモリ部80は、メモリ制御部81によって制御される。既に述べたように、オーディオデータとして圧縮されたAC−3データやMPEGオーディオデータ、または、無圧縮のPCMデータなどが想定されている。メモリ部80に格納されたオーディオパケットデータをデコードするデコーダ82は、デコード開始時にメモリ制御部81にデータリクエスト信号( REQ信号) を発生する。メモリ制御部81は、データリクエスト信号に応答してメモリ部80からデータを取り出し、デコーダ82へデータを転送する。デコーダ82は、そのデコーダ82内部のSTC(システムタイムクロック)の値に従って、オーディオパケットデータをデコードすることとなる。
【0084】
デコーダ82でデコードされたオーディオデータは、出力用セレクタ83及びデータ保持部84に出力される。通常、出力セレクタ部83は、メモリ制御部81からのセレクト信号に応答してデコーダ82からのデータを出力している。また、データ保持部84は、例えば、FIFOメモリのようなメモリで構成され、セレクタから出力されるオーディオデータ列を次々に取り込み、その最新のオーディオデータ列を保持し続けている。データ保持部84は、この保持されたオーディオデータ列をEMP信号(エムプティー信号)に応答してセレクタ83が切り替わることによって出力し続けることとなる。ファーストフォワード再生或いはファーストリワード再生などの特殊再生時には、1VOBUごとにサーチされることとなるが、このVOBUのサーチ中にオーディオデコーダー82へのオーディオパケットデータが途切れる場合がある。この場合には、デコードすべきデータが無くなる。即ち、メモリ制御部81へデコード82からデータリクエスト信号( REQ信号) が入るが、メモリに転送すべき、換言すれば、デコードすべきデータがないため、転送がおこなわれないこととなる。このとき、メモリ制御部は、EMP信号を発生してセレクタ83を次のデータが入力されるまで、データ保持部84に対してアクティブにし続けられている。
【0085】
EMP信号がアクティブになると、データ保持部84は、データがデコードされなくなる以前のデータの内の一音前のサンプルデータ列を出力しているので、そのデータ列が保持されている。出力セレクタ部83は、EMP信号をセレクト信号として、アクティブの場合には、保持部84に保持されたオーディオデータ列を出力することとなる。そのため、次のオーディオデータがデコードされるまで、保持されたオーディオデータ列がD/A部63に送り続けられる。
【0086】
ここで、最新のオーディオパケットデータがデータメモリに入力され、このオーディオパケットデータがデコーダ82においてデコード処理され、そのデータがデコーダ部より出力される際にEMP信号がディゼーブルとなる。即ち、メモリ制御部81からEMP信号に代えてセレクト信号がセレクタ83に供給される。
【0087】
上述したようにオーディオデコーダ部60が構成されている場合には、データ保持部84には、保持すべきデータ列が出力セレクタ部の出力側から取り出され、保持されることとなる。従って、このデータ保持部84は、データがとぎれる際の最終の音に相当する一音前のデータ列を出力することとなる。その結果、図20(a)及び(b)、図21(a)及び(b)、並びに図22(a)及び(b)に示した無音の状態を排除した再生状態を実現することが可能となる。
【0088】
次に、図24、図25及び図26は、オーディオの特殊再生、特にファーストフォワード再生動作のフローチャートを示している。
【0089】
ファーストフォワード再生動作の開始前に通常再生処理が実行されるが、この際に各デコーダ58,62,84の初期設定がされる。例えば、オーディオパックの圧縮方式(AC−3,MPEGオーディオ、PCM:無圧縮)等が初期設定される。その後、図24のステップS80に示すようにキー操作表示部4からのキー操作(FFキー)によってオーディオの高速サーチ、即ち、オーディオのファーストフォワード再生が開始されると、ステップS82に示すように各デコーダ58、62、84に高速サーチの処理が開始される旨が指示され、再生時間を示すカウンタがモニター6に表示されることが禁止される。次に、ステップS83に示すようにオーディオの再生が終了したかが確認される。再生が終了する場合には、例えば、ドライブ部30からの割り込みがあって再生が終了した場合、或いは、MPU部50から割り込み処理があって再生が終了される場合には、ステップS85に示すように高速サーチ処理が終了される。再生が終了していない場合には、ステップS84に示すように現在再生中のオーディオデータ中の次に転送されるべきVOBU185のナビゲーションパック186が転送されたかが確認される。転送されていなければ、ステップS83に戻され、ナビゲーションパック186の転送を待つこととなる。ナビゲーションパック186の転送が終了すると、ステップS85に示すようにそのナビゲーションパック186中のDS_GIに記述のNVパックの論理ブロック値(NV_PCK_LBN)がMPU部50に転送され、そのナビゲーションパック186中のDSIからVOBUサーチ情報(VOBU_ SRI) がシステム用ROM-RAM部52に格納される。また、ナビゲーションパック186中NVパックシステムクロックリファレンス(NV_PCK_SCR)がオーディオデコーダ部60に設けられたシステムタイムクロック(STC)にセットされる。これらの設定により、高速サーチ後においても、即座に通常再生に復帰でき、また、VOBUサーチ情報(VOBU_ SRI) からフォワードアドレスFFD#nを獲得することができる。フォワードアドレスFFD#nは、キー操作表示部4からの指示、例えば、2倍速、4倍速、或いは、10倍速を指示する入力に従って、n個先のフォワードアドレスFFD#nを指定することができる。この図24に示される例では、10個先のフォワードアドレスFFD#10が常に指定されるものとする。
【0090】
次にステップS86においてサーチされるべき目的アドレス(NOWLBN) とステップS84で転送が確認されたNVパックのアドレスが比較される。高速サーチの開始時には、フォワードアドレスとしてフォワードアドレス#0が指定され、その後、次々にフォワードアドレスとしてフォワードアドレス#10が指定される。従って、転送開始時には、ステップS86においてサーチされるべき目的アドレス(NOWLBN) とステップS84で転送が確認されたNVパック186のアドレスが一致されることから次のステップS87が実行される。これに対して、次の目的アドレス(NOWLBN) としてフォワードアドレス#10が指定されている場合には、両者がステップS87で比較され、一致しない場合には、ステップS88において、目的とするNVパック186を含むVOBU185のアドレスがサーチされる。即ち、MPU部50から目的とするVOBU185のアドレス(NOWLBN)でドライブ部30にリードコマンドが与えられ、ピックアップによってDVDディスク10がサーチされる。目的とするVOBU185がサーチされると、ステップS87で高速再生中であることを確認されて再びステップS84において、目的とするNVパック186の転送を待つこととなる。
【0091】
ステップS84で目的アドレス(NOWLBN) と転送されたNVパック186のアドレスが一致されると、ステップS88において、そのNVパック186のPCI_GIに含まれるセル経過時間(C_ELTM)が参照され、そのNVパック186が属するセルの再生時間がモニター6に表示される。この表示は、ファーストフォワード再生時には、次々にその表示が変えられることから、ユーザは、ファーストフォワード再生であることを確認できる。
【0092】
目的とするNVパック186の転送に続いて次々にオーディオパック191がデコーダ部60に転送され、そのパックアドレスがMPU部50に転送される。MPU部50においては、ステップS90において、このパックアドレスがNVパック186のDS_GIに記述されるVOBU185の終了アドレス(VOBU_EA)と比較される。両者が一致しない場合には、ステップS89に戻される。即ち、両者が一致してVOBU185内のパックが全て転送されるまで再生動作が続けられ、デコーダ82では、転送されたVOBU185のオーディオデータがデコードされ、デコードされたオーディオデータがセレクタ83から出力されることとなる。また、そのオーディオデータがデータ保持部84に保持されることとなる。
【0093】
次に、ステップS91において、次にサーチされるべきフォワード10のVOBU185があるかが確認される。即ち、図15に示されるVOBUサーチ情報(VOBU_ SRI) のフォワードアドレスFFD10のビット番号[b29:b0]が(3FFFFFFFF)でないかが確認される。このビット番号[b29:b0]が(3FFFFFFFF)であれば、サーチされるVOBU185がないことを意味し、後に説明されるステップS95からS114が実行される。サーチされるべきフォワード10のVOBU185がある場合には、そのアドレス[b29:b0]がステップS86における目的アドレスに設定される。その後、ステップS93において、高速サーチが終了かが確認され、終了でない場合には、再びステップS87に戻される。終了である場合には、ステップS94で示すように通常再生に復帰される。
【0094】
ステップS91において目的のVOBU185がない場合には、ステップ95に示すようにフォワードアドレスFFD10よりも1つ小さいフォワードアドレスFFD9があるかが確認される。即ち、フォワードアドレスFFD9のビット番号[b29:b0]が(3FFFFFFFF)でないかが確認される。フォワードアドレスFFD9がある場合には、ステップ104に示すようにそのアドレスが目標アドレスに設定されてステップS87に戻される。ステップS91からステップS102において目的のVOBU185がない場合には、同様にフォワードアドレスFFD#kよりも1つ小さいフォワードアドレスFFD(k−1)があるかが確認される。また、フォワードアドレスFFD#kがある場合には、ステップ105からステップS113に示すようにそのアドレスが目標アドレスに設定されてステップS87に戻される。
【0095】
ステップS102において、目的のVOBU185がない場合には、ステップ103において、その最終アドレスのVOBU185がPGC187の最終セル184に属するかが確認される。目的のVOBU185がPGC187の最終セル184に属さない場合には、ステップS114において図6に示すビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル200(VTS_PGCIT)に含まれるセルの再生順序を規定したセル再生テーブルが参照され、次のセル184の最初のVOBU185のアドレスが目的アドレスに設定され、ステップS87に戻される。
【0096】
ステップ103において、その最終アドレスのVOBU185がPGC187の最終セル184に属する場合には、図26に示すステップS115において現在のPGC(NOWPGC)の次のPGC187(NOWPGC+1)が目的とするPGC187(NOWPGC)に設定される。ステップS116においてこの目的とするPGC187(NOWPGC)があるかが確認され、ある場合には、ステップS117において、ステップS114と同様にその内の先頭のセル184のセルアドレスが目標VOBUのアドレスに設定され、ステップS87に戻される。ステップS116においてこの目的とするPGC(NOWPGC)がない場合には、ステップS81に示すように再生が終了される。
【0097】
図24から図26に示すフローにおいて、PGC187は、例えば、オーディオにおける各曲に対応し、セル184の集合であるプログラムが各曲の曲番号に相当する。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、ビデオフォーマットに従ったオーディオディスクのファーストフォワード或いはリワード(FF/FR)で高速サーチにおいても、音声を再生することができ、単なる表示で確認するだけでなく音声でも高速サーチ中であることが確認できる。また、ユーザに取っては、高速サーチ時にサーチ中の音が再生されることから、比較的容易にサーチ対象、例えば、曲の頭出等を確認でき、極めてユーザインタフェースの優れた装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る光ディスク装置の概略を示すブロック図である。
【図2】図1に示す光ディスクの論理フォーマットの構造を示す。
【図3】図2に示されるビデオマネージャーの構造を示す。
【図4】図2に示されビデオオブジェクトセット(VOBS)の構造を示す例である。
【図5】ファイルに格納されるプログラムチェーンの構造を説明するための図。
【図6】図2に示したビデオタイトルセットの構造を示す。
【図7】図4に示したナビゲーションパックの構造を示す。
【図8】図4に示したビデオ、オーディオ、副映像パックの構造を示す。
【図9】図7に示されるナビゲーションパックの再生制御情報(PCI)のパラメータ及び内容を示す。
【図10】図9に示される再生制御情報(PCI)中の一般情報(PCI_GI)のパラメータ及び内容を示す。
【図11】図7に示されるナビゲーションパックのディスクサーチ情報(DSI)のパラメータ及び内容を示す。
【図12】図11に示されるディスクサーチ情報(DSI)のDSI一般情報(DSI_GI)のパラメータ及び内容を示す。
【図13】図11に示されるビデオオブジェクト(VOB)の同期再生情報(SYNCI)のパラメータ及びその内容を示す。
【図14】図11に示されるVOBUサーチ情報の記述内容を示している。
【図15】図14に示されるFWD情報の記述内容を示している。
【図16】図14に示されるBWD情報の記述内容を示している。
【図17】装置の動作開始からビデオタイトルセットの取得までの動作フローを示す。
【図18】ビデオタイトルセットを取得してPGCを再生する手順を示すフローチャートを示す。
【図19】図13に示すVOBUサーチ情報を利用したIピクチャーの特殊再生動作を示すフローチャートである。
【図20】この発明の一実施例に係る音声の圧縮データを短いサーチ時に特殊再生する再生方法を示す説明図である。
【図21】この発明の一実施例に係る音声の圧縮データを長いサーチ時に特殊再生する再生方法を示す説明図である。
【図22】この発明の一実施例に係る音声の非圧縮データを特殊再生する再生方法を示す説明図である。
【図23】図1に示すオーディオデコーダ部のブロックを示している。
【図24】この発明の一実施例に係るオーディオデータの特殊再生の動作を示すフローチャートを示している。
【図25】この発明の一実施例に係るオーディオデータの特殊再生の動作を示すフローチャートを示している。
【図26】この発明の一実施例に係るオーディオデータの特殊再生の動作を示すフローチャートを示している。
【符号の説明】
6 … モニタ部
8 … スピーカ部
10 … 光ディスク
30 … ディスクドライブ部
50 … システムMPU
54 … システムプロセッサ部
56 … データRAM部
58 … ビデオデコーダ部
60 … オーディオデコード部
62 … 副映像デコーダ部
63 … D/A及び再生処理回路
82 … オーディオデコーダ
80 … データメモリ部
81 … メモリ制御部
83 … セレクタ
84 … データ保持部
170 … ボリューム及びファイル構造領域
171 … ビデオマネージャー(VMG)
172 … ビデオタイトルセット(VTS)
173 … 他の記録領域
174 … ファイル
175 … ビデオマネージャー情報(VMGI)
176 … ビデオマネージャーメニューの為のビデオオブジェクトセット(VMGM_VOBS)
177 … ビデオマネージャー情報のバックアップ(VMGI_BUP)
178 … ビデオ管理情報管理テーブル(VMGI_MAT)
179 … タイトルサーチポインターテーブル(TT_SRPT)
181 … ビデオタイトルセット属性テーブル(VTS_ATRT)
182 … ビデオオブジェクトセット(VOBS)
183 … ビデオオブジェクト(VOB)
184 … セル
185 … ビデオオブジェクトユニット(VOBU)
186 … ナビゲーションパック(NVパック)
188 … ビデオパック(Vパック)
190 … 副映像パック(SPパック)
191 … オーディオパック(Aパック)
196 … ビデオタイトルセットのタイトルの為のビデオオブジェクトセット(VTSTT_VOBS)
197 … ビデオタイトルセット情報(VTSI)のバックアップ
198 … ビデオタイトルセット情報管理テーブル(VTSI_MAT)
199 … ビデオタイトルセットパートオブタイトルサーチポインタテーブル(VTS_PTT_SRPT)
200 … ビデオタイトルセットプログラムチェーン情報テーブル(VTS_PGCIT)
211 … ビデオタイトルセットタイムサーチマップテーブル(VTS_MAPT)
212 … ビデオタイトルセットセルアドレステーブル(VTS_C_ADT)
213 … VTS_PGCITサーチポインタ(VTS_PGCIT_SRP)
116 … PCIパケット
117 … DSIパケット
110 … モジュレータ/トランスミッター

Claims (10)

  1. 時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットを再生する再生装置において、
    光ディスクを検索してデータユニットを転送する検索手段と、
    転送されたデータユニット中のオーディオデータをデコードして出力するオ−ディオデコーダ部と、
    早送り又は早戻しの特殊再生処理を指示する入力手段と、
    前記特殊再生処理時に、前記転送されたデータユニット中のナビゲーションパックから検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定部と、及び
    このジャンプアドレスに従ってデータユニットを検索する間、既に転送されたデータユニット中のオーディオデータで音声の出力を継続させる継続手段と、
    から構成されることを特徴とする光ディスク再生装置。
  2. 前記継続手段は、前記データユニットの検索の間、検索前に転送されたデータユニット中のデコードされたオーディオデータの一部を保持し、このオーディオデータの一部を出力し続ける出力保持手段を含むことを特徴とする請求項1の光ディスク再生装置。
  3. 前記継続手段は、前記オーディオデコーダ部から出力されるオーディオデータを保持し、オーディオデコーダから無出力の際にその保持したオーディオデータを出力する保持手段を含むことを特徴とする請求項1の光ディスク再生装置。
  4. 前記出力保持手段は、デコード部の出力と前記保持部の出力を切り替えるためのセレクタ部と、前記検索の間、前記デコード部へデータが無転送の場合に前記セレクタ部を切り替えて前記保持部に保持されたオーディオデータを出力させる制御手段を含むことを特徴とする請求項1の光ディスク再生装置。
  5. 通常再生モード及び早戻し又は早送りの特殊再生モードを選択的に指定できる指定手段と、
    時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットをピックアップするピックアップ手段と、
    前記特殊再生モード時にデータユニット中のナビゲーションパックから前記検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定部と、
    前記ピックアップを駆動する駆動手段であって、前記通常再生モード時に前記ピックアップ手段を駆動してほぼ連続して前記データユニットを検索して転送させ、前記特殊再生時に前記ジャンプアドレスに従って前記ピックアップ手段をジャンプさせて前記データユニットを検索して転送させる駆動手段と、
    転送された前記データユニット中のオーディオパケットデータをデコードして出力するオーディオデコーダと、
    このオーディオデコーダから出力されたオーディオデータの少なくとも一部を保持し、前記特殊再生モード時における検索動作の間にその保持されたオーディオデータの一部を出力するするデータ保持部と、
    前記デコーダ部から出力されるオーディオデータ及び前記保持部から出力されるオーディオデータの一方に出力を切り替え可能なセレクタ部と、
    前記通常再生モード時に前記オーディオデコーダからのオーディオデータをセレクタ部を介して出力させ、前記特殊再生時のデータユニットの検索の間に前記オーディオデコーダからオーディオデータが無出力となった際に前記データ保持部からオーディオデータを前記セレクタ部を介して出力させる制御手段と、
    から構成されることを特徴とする光ディスク再生装置。
  6. 前記転送されたデータユニット中のオーディオパケットデータを格納するメモリ部と、
    を更に具備し、このメモリ部からオーディオパケットデータが前記オーディオデコーダに出力されることを特徴とする請求項5の光ディスク再生装置。
  7. 時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットを再生する再生方法において、
    光ディスクを検索してデータユニットを転送する検索工程と、
    転送されたデータユニット中のオーディオデータをデコードして出力するオ−ディオデコーダ工程と、
    早送り又は早戻しの特殊再生処理を指示する入力工程と、
    前記特殊再生処理時に、前記転送されたデータユニット中のナビゲーションパックから検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定工程と、及び
    このジャンプアドレスに従ってデータユニットを検索する間、既に転送されたデータユニット中のオーディオデータの少なくとも一部でオーディオの出力を継続させる出力継続工程と、
    から構成されることを特徴とする光ディスク再生方法。
  8. 前記出力継続工程は、前記デコーダされたオーディオデータを出力するとともにそのオーディオデータの少なくとも一部を保持し、このオーディオデータが無出力となった際に、その保持したオーディオデータの少なくとも一部を出力し続ける工程を含むことを特徴とする請求項7の光ディスク再生方法。
  9. 前記出力継続工程は、デコードされたオーディオデータの少なくとも一部を保持し、前記デコード工程で出力されるべきデータが無出力の場合に、その保持されたオーディオデータに切り替えて前記検索の間、前記保持されたオーディオデータを出力させることを特徴とする請求項7の光ディスク再生装置。
  10. 通常再生モード及び早戻し又は早送りの特殊再生モードを選択的に指定できる指定工程と、
    時系列的に再生対象とされ、そのそれぞれが一定時間範囲以内で再生されるべきデータユニットであって、そのデータユニットが少なくともオーディオデータを含む再生データをパケット化した複数のデータパック及びそのデータパック列の先頭に配置され、他のデータユニットのアドレスを記述した検索情報を含むナビゲーション情報をパック化したナビゲーションパックを含む複数のデータユニットが記録された光ディスクからデータユニットをピックアップするピックアップ工程と、
    前記特殊再生モード時にデータユニット中のナビゲーションパックから前記検索情報を取り出し、この検索情報に基づいて、新たに検索すべきジャンプアドレスを決定する検索アドレス決定工程と、
    前記ピックアップを駆動する駆動工程であって、前記通常再生モード時に前記ピックアップ手段を駆動してほぼ連続して前記データユニットを検索して転送させ、前記特殊再生時に前記ジャンプアドレスに従って前記ピックアップ手段をジャンプさせて前記データユニットを検索して転送させる駆動工程と、
    転送された前記データユニット中のオーディオパケットデータをデコードして出力するオ−ディオデコード工程と、
    このオーディオデコード工程で出力されたオーディオデータの少なくとも一部を保持し、前記特殊再生モード時における検索動作の間にその保持されたオーディオデータの一部を出力するするデータ保持工程と、及び
    前記通常再生モード時に転送されデコードされたオーディオデータを出力させ、前記特殊再生時のデータユニットの検索の間に前記オーディオデコード工程においてオーディオデータが無出力となった際に前記データ保持工程において保持されたオーディオデータを出力させる制御工程と、
    から構成されることを特徴とする光ディスク再生方法。
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