JP3805839B2 - 軽量コンクリ−トの製造方法 - Google Patents

軽量コンクリ−トの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3805839B2
JP3805839B2 JP22824996A JP22824996A JP3805839B2 JP 3805839 B2 JP3805839 B2 JP 3805839B2 JP 22824996 A JP22824996 A JP 22824996A JP 22824996 A JP22824996 A JP 22824996A JP 3805839 B2 JP3805839 B2 JP 3805839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
lightweight
coarse aggregate
specific gravity
concrete
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22824996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1072268A (ja
Inventor
健悦 釜谷
昌勝 内田
大介 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP22824996A priority Critical patent/JP3805839B2/ja
Publication of JPH1072268A publication Critical patent/JPH1072268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3805839B2 publication Critical patent/JP3805839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気乾比重1.3以下の高強度軽量コンクリ−トの製造方法に関し、特に25N/mm2以上の高圧縮強度の発現可能な大型二次製品(例、カ−テンウォ−ル板)の製造に適した軽量コンクリ−トの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から高層建築物には軽量コンクリ−トが利用されているが、建築技術の進歩と相俟って超高層化が進み、施工される軽量コンクリ−トの一層の軽量化が望まれている。
【0003】
このような要望に応えて、軽量細骨材(表乾比重:1.22〜1.65)、一般的な軽量粗骨材(表乾比重:1.67)および超軽量粗骨材(表乾比重:0.867)を用い、単位セメント量270〜675kg/m3,水/セメント比30〜50%,超軽量粗骨材87〜312kg/m3(100〜360リットル/m3)および起泡剤を対セメント比0.1〜0.8wt%(起泡量にして70〜300リットル/m3)にして製造された気乾比重1.0〜1.2,圧縮強度86〜164kgf/cm2の軽量コンクリ−トが提案されている(特公平5−16397号公報参照)。
【0004】
また、普通の細骨材、軽量細骨材(パ−ライト,天然軽石など)、軽量微粒子(ポリスチレン発泡体、ポリウレタン発泡体など)およびSBR系ポリマ−を用いた軽量モルタルが知られている。
このモルタルは、先ず軽量微粒子とセメントペ−ストとを混合し、それと普通の細骨材および軽量細骨材との比重差を「1.3以下」に小さくしたのち、両細骨材と混合して製造される。すなわち、軽量微粒子を添加してペ−スト相の粘性を高め、比重差を小さくすることによって、混練時または施工時におけるペ−スト相と両細骨材との分離を抑制した軽量モルタルである(特開平2−175678号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の軽量コンクリ−トは、超軽量粗骨材の採用や気泡量の調整により、材料分離の減少および圧縮強度のバラツキの低下に効果のあることが示され、また、前記従来の軽量モルタルも材料分離に対する効果が示されている。
しかし、前者の圧縮強度は86〜164kgf/cm2と著しく低く、後者は対象がモルタルであり、有機発泡体の微粒子を採用するため、その技術をコンクリ−トに応用しても高圧縮強度の軽量コンクリ−トは望めない。
【0006】
一方、上記従来の軽量コンクリ−トないし軽量モルタルの開発過程にあって、建築物の高層化が一層進み、それに使用される建築材料(例、大型カ−テンウォ−ル)に対し、軽量化(気乾比重1.3以下)はもとより、さらなる高強度(圧縮強度が少なくとも25N/mm2)が求められるようになった。
【0007】
そこで、本発明者等は、高圧縮強度(材令28日:25N/mm2以上)を発現する気乾比重1.3以下の均質な軽量コンクリ−トの製造方法の開発を目的として研究した結果、以下に詳述する発明に達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する手段として、本発明は、
軽量細骨材および超軽量粗骨材を用いて軽量コンクリ−トを製造する方法において、
(1) 前記軽量コンクリ−トの配合材料及び配合割合が、単位セメント量が450〜550kg/m3、水/セメント比が25〜35重量%、特定の軽量細骨材(注1)がセメ ントに対し50〜80重量%、特定の超軽量粗骨材(注2)が0.35〜0.45m3/m3お よび減水剤からなり、
(2) 前記配合材料を前記配合割合で混練するにあたり、
(2-1) 前記セメント,水,減水剤の一部を使用し、特定のセメントペ−スト(注3 )を前記超軽量粗骨材の25〜30容量%相当量だけ調製し、
(2-2) 該セメントペ−ストと前記超軽量粗骨材とを予め混練し被覆させて造粒物をつくり、
(2-3) 該被覆造粒物と残余の配合材料とを混練する、
ことを特徴とする気乾比重1.3以下で、かつ、圧縮強度25N/mm2以上を具備する軽量コンクリ−トの製造方法である。
(注1) 真珠岩または黒曜石の粉砕物を1000〜1200℃で焼成し発泡させた軽量細骨材(表乾比重1.0〜1.3)
(注2) 表乾比重0.9以下で圧壊強度700N以上の超軽量粗骨材
(注3) フロ−値170〜210mmのセメントペ−スト
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の説明に先だって、まず、本発明について詳細に説明すると、本発明で製造される軽量コンクリ−トが高強度を発現するには、均質でなければならない。
通常、軽量コンクリ−トは軽量細・粗骨材を適宜選択して製造されるが、配合する軽量細・粗骨材が軽量であるほど他の材料との比重差が大きくなるために混練時、施工時あるいは成形時(例、振動成形)に軽量細・粗骨材が混練物中を浮上し分離して、不均質なコンクリ−トができやすい。特に、粗骨材は1粒の容積が大きいため、その表乾比重が小さければ小さいほど分離現象が起こる。
そこで、本発明者等は、該分離を抑制するため、粗骨材に配合予定のセメントなどの一部でつくったペ−ストを被覆し、他の材料との比重差を小さくすることに着眼した。
【0010】
本発明は、コンクリ−トの軽量化を図るために粗骨材として後記する特性を有する超軽量粗骨材を採用した。超軽量粗骨材は、非常に軽量(表乾比重0.9以下) なものに限定したために、そのまま他のコンクリ−ト材料と混練、施工などを行うと浮上して分離する。
そこで、本発明者等は、
・第1に、本発明で目的とする軽量コンクリ−トの配合設計(配合材料及び配合割合)のうち「セメント,水,減水剤の一部」を使用して調製した適量のセメントペ−ストで予め超軽量粗骨材を被覆して造粒物とすること、
・第2に、その造粒物の比重と残余の軽量コンクリ−ト配合材料で構成されるモルタル(以下“モルタル成分”と称する)の比重との差をできるだけ小さく、目安としてその差を0.4以下にすること、
によって、軽量コンクリ−トが均質になることを突き止めた。
【0011】
換言すれば、超軽量粗骨材を造粒物(つまり複合物)にすることによってその比重は大きくなり、一方、セメント量の少ないモルタル成分の比重は小さくなる。つまり、造粒物とモルタル成分との比重差は小さくなり、両者の混練を容易にすると共に混練時や施工時、成形時における材料分離が防止され、均質なコンクリ−トが製造できる。
【0012】
本発明において、超軽量粗骨材を被覆して造粒物とするために使用するセメントペ−ストとしては、前記したとおり、軽量コンクリ−トの配合設計で決められたセメント、水および減水剤の各一部を使用して調製する。該設計で決められた以外のセメントなどを用いてセメントペ−ストを調製した場合、コンクリ−トの気乾比重を1.3 以下にすることが困難となり好ましくない。
【0013】
上記セメントペ−ストとしては、そのフロ−値を170〜210mmの範囲に調製する必要がある。フロ−値が170mm未満の場合、セメントペ−ストが固すぎるため、超軽量粗骨材表面への付着が不完全になり好ましくない。逆に、210mmを越えた場合、後工程でのモルタル成分との混練時に、造粒物表面のセメントペ−ストが剥がれ、該混練中に超軽量粗骨材が分離するので好ましくない。好ましいフロ−値は、被覆のし易さの観点から180〜200mmである。
【0014】
上記フロ−値を有するセメントペ−ストの調製方法は、軽量コンクリ−トの配合設計で決められたセメント、水および減水剤の各一部を使用して調製するものであるが、目安として水/セメント比15〜20重量%のペ−ストに減水剤を適宜添加してフロ−値を調整するのが簡便であり、実際的である。なお、セメントペ−ストの調製方法は、慣用手段が採用され、特に限定するものではない。
【0015】
上記セメントペ−ストの量は、本発明の配合設計で決められた超軽量粗骨材全量に対し25〜30容量%相当量の範囲である。この範囲は、材料分離および造粒物の結合を防止するうえで重要である。
被覆するセメントペ−スト量が25容量%未満の場合、造粒物の比重とモルタル成分の比重との差が0.4を越え、このように両者の比重差が大きくなるために、振動成形のさい造粒物がコンクリ−ト混練物中を浮上して分離が生じ、一方、30容量%を越えた場合、造粒物と造粒物とが付着して造粒物とモルタル成分との混練が十分に行なえないことやモルタル成分に占めるセメント量が不足することがある。したがって、いずれの場合もコンクリ−トが不均質になり、強度低下につながり好ましくない。
【0016】
本発明では、超軽量粗骨材をセメントペ−ストで被覆して造粒物としたが、セメントペ−ストに替えてモルタルの一部で被覆することが考えられる。しかし、軽量細骨材を含むモルタルは、セメントペ−ストに比して比重が小さいために造粒物の比重が大きくならず、混練時などにおける超軽量粗骨材の分離抑止効果が小さいので好ましくない。
【0017】
造粒物の製造方法は、配合設計で決められた超軽量粗骨材の全量が収容でき、かつセメントペ−ストと混練可能な慣用手段が採用される。
例えば、パン型ミキサ−の中で転動させている超軽量粗骨材全量に所定のセメントペ−ストを投入することで容易に混練・被覆が行われ、造粒することができる。
【0018】
上記によって得られた造粒物の表面は、セメントペ−ストにより超軽量粗骨材全粒子の表面にほぼ100%被覆される。
セメントペ−ストが被覆していない、または少量被覆した超軽量粗骨材が混入した造粒物は使用すべきではない。もし、そのような造粒物とモルタル成分とを混練したとき、その造粒物が浮上し分離原因となるので好ましくない。
なお、被覆したセメントペ−スト層の厚さについて、本発明では特に限定しない。
【0019】
次に、上述した造粒物およびモルタル成分(つまり、残余のコンクリ−ト配合材料)の混練について説明する。
造粒物を製造するにあたり、コンクリ−ト配合材料中のセメント、水、減水剤の各一部をセメントペ−スト用に使用したことは既に説明した。したがって、モルタル成分は軽量細骨材ならびに未使用のセメント、水及び減水剤からなる。
【0020】
そのモルタル成分を構成する各材料を、製造された造粒物と直ちに混練する。混練方法、成形方法、養生方法は慣用手段にしたがって軽量コンクリ−トを製造する。それらの方法については特に限定しない。なお、造粒物は、直ちにモルタル成分と混練するのが好ましい。その理由は、造粒後、時間をおきセメントペ−ストが硬化した造粒物を用いた場合、モルタル成分との付着が弱まり強度発現に悪影響を及ぼすことがあるから好ましくない。
【0021】
上述の造粒物とモルタル成分との比重差が小さいために、混練時、施工時または成形時にあって造粒物が浮上し分離するようなことはなく、つまり超軽量粗骨材がコンクリ−ト全体に分散した均質な軽量コンクリ−トが製造可能となる。
【0022】
以上のようにして得られる均質な軽量コンクリ−トについて、本願発明は下述する特定の材料の使用および配合を特定することによって、気乾比重1.3以下で、かつ圧縮強度25N/mm2以上の特性を具備する軽量コンクリ−トを製造できるようにしたものである。
【0023】
最初に、骨材について説明する。
前述の超軽量粗骨材は既に市販されており、本発明においても市販品の中から下述する諸条件に適合したものが使用できる。
なお、超軽量粗骨材として、流紋岩系ガラス質鉱物、発泡材、粘着材などを適宜配合し混合し造粒し焼成し発泡させたものも使用できる(特願平8−87074号明 細書参照)。
【0024】
本発明で使用する超軽量粗骨材は、表乾比重が0.9以下、かつ圧壊強度が700N以上のものである。
超軽量粗骨材の表乾比重が0.9を越えると、軽量コンクリ−トの気乾比重を1.3以下にするために単位セメント量を少なくするか、または軽量細骨材の量を増加させなければならないことになり、それらのことがマトリックスの強度低下、つまりは軽量コンクリ−トの強度低下に繋がることとなるので好ましくない。表乾比重があまり小さくなると圧壊強度も低下するので、表乾比重は0.70〜0.85の範囲が好ましい。
【0025】
超軽量粗骨材の圧壊強度が700N未満の場合、軽量コンクリ−トの強度が低下するので好ましくない。なお、超軽量粗骨材の圧壊強度はφ15mm程度のものについて、日本工業規格(JIS)「ZZ 8841(圧壊強度試験)」に準じて測定した。
【0026】
軽量細骨材としては、真珠岩または黒曜石を破砕・粉砕して5mm以下程度に粒度調整し、1000〜1200℃で焼成し発泡させたもの(以下、焼成パ−ライトという)を使用する。好ましい焼成用原料は真珠岩である。
このように使用する軽量細骨材を限定したのは、軽量の点はもとより強度の点で市販の軽量細骨材に見られない特徴を有しているからであり、それが軽量コンクリ−トの強度に影響するからである。なお、上記温度で製造された軽量細骨材の表乾比重は概ね1.0〜1.3である。
【0027】
1000℃未満で焼成された焼成パ−ライトは、真珠岩などの原料が未発泡のものも含み表乾比重が大きいために、コンクリ−トが軽量にならないだけでなく、局部的に高比重の部分が生じ不均質になる場合もあるので好ましくない。逆に、焼成温度が1200℃を越えて製造された焼成パ−ライトは過発泡になっており、骨材としての強度が著しく低いために高強度の軽量コンクリ−トが得られない。
比重および強度の点から好ましい焼成パ−ライトは、焼成温度1050〜1150℃、特に1070〜1120℃の範囲で製造されたものである。
【0028】
本発明で使用する軽量細骨材の粒度分布は、JIS「A 5002(構造用軽量コンクリ−ト骨材)」の規定に適合するものが好ましい。
【0029】
本発明で使用するセメントとしては市販の普通・早強・超早強・中庸熱ポルトランドセメント,高炉・フライアッシュセメントなどが、減水剤としては市販のメラミン系のもの,ナフタレンスルホン酸系のもの,ポリカルボン酸系のものなどが、また混練水は通常用いられる水道水がそれぞれ挙げられる。
【0030】
次に、上記各材料による配合設計について説明する。
本発明における単位セメント量は、450〜550kg/m3である。単位セメント量が450kg/m3未満の場合、セメントの一部はセメントペ−スト用に使用されるから、モルタル成分に供されるセメント量が少量になり、マトリックス自体の強度を低下させ、軽量コンクリ−トの強度を低下させるので好ましくない。
逆に、550kg/m3を越えた場合、コンクリ−ト混練物の粘性が高くなり作業性を低下させるだけでなく、軽量コンクリ−トの気乾比重も高くなるので好ましくない。好ましい単位セメント量は470〜530kg/m3である。
【0031】
本発明において、配合設計時における水/セメント比は25〜35重量%である。したがって、前記セメントペ−スト用としてセメントおよび水の一部が使用されるので、モルタル成分における水/セメント比と配合設計時の水/セメント比とは必ずしも一致しない。前者の水/セメント比が後者のそれより大きくなる。
水/セメント比が25重量%未満では、多量の減水剤を使用せざるを得なくなり、それが原因して軽量コンクリ−トの強度の低下になり、35重量%を越えるとマトリックスの強度が低下し軽量コンクリ−トの強度の低下になり、いずれの場合も好ましくない。好ましい水/セメント比は27〜33重量%である。
【0032】
軽量細骨材のセメントに対する割合(軽量細骨材/セメント)は50〜80重量%である。
その割合が50重量%未満の場合、軽量化を図るために超軽量粗骨材の配合割合を著しく増加させねばならず、それがかえって軽量コンクリ−トの強度低下に繋がり好ましくない。また、80重量%を越えるとモルタル成分中の軽量細骨材がセメントペ−スト量に比して過大になり、マトリックスの強度低下、軽量コンクリ−トの強度低下になるので、やはり好ましくない。好ましい軽量細骨材/セメントの範囲は55〜70重量%である。
【0033】
超軽量粗骨材の配合量は0.35〜0.45m3/m3である。
配合量が0.35m3/m3未満では、軽量コンクリ−トの気乾比重が大きくなるので、それを下げるために軽量細骨材を増加させねばならないことからマトリックスの強度低下、つまりは該コンクリ−トの強度低下を招くので好ましくなく、また0.45m3/m3を越えると造粒するために必要なセメントペ−スト量が多くなり、相対的にモルタル成分中のペ−スト部分が減少しマトリックスの強度を低下させ軽量コンクリ−トの強度も低下させるので、やはり好ましくない。好ましい超軽量粗骨材の配合量は0.37〜0.43m3/m3である。
【0034】
減水剤の使用量は、セメントに対して1.0〜3.5重量%が好ましい。
使用量が1.0重量%未満の場合、過少であるため減水剤による減水効果が発揮されず、逆に、3.5重量%を越える場合、軽量コンクリ−トの強度が低下するので、いずれの場合も好ましくない。好ましい使用量は1.5〜3.0重量%である。
【0035】
コンクリ−ト混練物の成形方法は、流込法,振動締固法など慣用手段が採用できる。
養生方法は気乾・湿空・水中・蒸気・オ−トクレ−ブ養生またはそれらを併用した慣用手段が採用できる。
【0036】
本発明の製造方法の一例を簡単に説明する。
上述した軽量コンクリ−ト配合設計に従って各材料を秤量したのち、超軽量粗骨材の全量の25〜30容量%に相当し、かつ水/セメント比15〜20重量%に相当するセメントおよび混練水の各一部を秤取し、それらセメントおよび混練水に減水剤を添加し混練して、フロ−値170〜210mmのセメントペ−ストを調製する。
【0037】
一方、超軽量粗骨材の全量をパン型ミキサ−など慣用の混練機に投入し運転して該粗骨材を転動させておく。その転動している超軽量粗骨材に調製されたセメントペ−ストを投入し十分に混練し被覆させる。
次いで、そのセメントペ−ストが被覆された超軽量粗骨材に、軽量細骨材ならびに未使用のセメント、水および減水剤を投入し、混練を継続してコンクリ−ト混練物を製造し、所望形状の型枠に投入し成形し養生すれば、軽量コンクリ−ト(製品)が製造できる。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
使用した材料は次のとおりである。
Figure 0003805839
【0039】
上記各特性において、細骨材の表乾比重はJIS「A 1134(構造用軽量細骨材の比重及び吸水率試験方法)」および粗骨材の表乾比重はJIS「A 1135(構造用軽量粗骨材の比重及び吸水率試験方法)」にしたがって測定した。なお、粗骨材の圧壊強度は前記JIS「ZZ 8841(圧壊強度試験)」に準じ、骨材50個について島津製作所社製“オ−トグラフAGS−10KND”を用いて測定し、その平均値とした。
【0040】
(実施例1〜5、比較例1〜4)
造粒物が、混練により分離するか否かについて調べた。
軽量コンクリ−トの配合量は単位セメント量を500kg/m3、軽量細骨材S3/セメント比を65.6重量%、超軽量粗骨材L2を0.40m3/m3(320kg/m3)、減水剤を2.5重量%(12.5kg/m3)および水を140kg/m3と一定にした。
1) セメントペ−ストの調製:
上記配合材料中、セメント,水および減水剤の各一部を表1に示す量だけ秤取し、慣用手段によって十分に混練し、同表に示すようなフロ−値の異なるセメントペ−ストを調製した。
【0041】
2) 造粒物の調製:
回転しているパン型ミキサ−(容量0.1m3)に超軽量粗骨材L2全量を投入し、引き続き上記1)で得たペ−ストを投入し、2分間混練し造粒物をつくった。
該ミキサ−を停止後、造粒物20個をランダムに取出し、ペ−ストの被覆状態を目視観察した結果、実験を行ったフロ−値の範囲(175〜205mm)では各超軽量粗骨材粒の表面の殆どがペ−ストによって被覆されていた(実施例1〜5)。
なお、フロ−値が160mmのセメントペ−スト(比較例1)を用いた場合は、超軽量粗骨材表面に部分的に付着して不完全であった。また、220mmの場合は(比較例4)、セメントペ−ストがほぼ被覆されていたが、剥がれやすかった。
【0042】
3) コンクリ−トの製造・成形・養生:
該造粒物に、直ちに残余のセメント、水および減水剤ならびに軽量細骨材S3を順次添加し、パン型ミキサ−をさらに2分間運転し混練してコンクリ−ト混練物(0.07m3)を得た。
その混練物をφ10×20cmの型枠に投入したのち、テ−ブルバイブレ−タ−上で30秒間,振動成形(振動数4000vpm)した。引き続き、24時間恒温恒湿(20℃,80%RH)下で養生したのち、脱型し、さらに27日間、20℃、水中養生して供試体(硬化体)を得た。
【0043】
4) 測定:
上記コンクリ−ト供試体の製造過程で次の種々の特性を測定した。得られた結果は表1に併記した。
(1) フロ−値:セメントペ−ストのフロ−値の測定は、JIS「R 5201(セメントの物理試験方法:9.7 フロ−試験)」に準じた。
(2) スランプ:コンクリ−ト混練物のスランプの測定は、JIS「A 1101(コンクリ−トのスランプ試験方法)」に準じた。
【0044】
(3) 分離評価:混練,振動成形等による超軽量粗骨材の分離状態の評価は、次のようにして行った。
供試体(硬化体)の3箇所(高さ方向に3cm、10cmおよび17cmの位置)を裁断し、各裁断面の片面における(裁断)面積に対する超軽量粗骨材が該面に露出している面積の割合を3裁断面それぞれについて測定・算出した。その測定・計算を3本の供試体について行い、各裁断面ごとの平均値を算出し、その最大値と最小値の差をもって分離評価(%)とした。
【0045】
(4) 気乾比重:3本の供試体について重量および容積をそれぞれ測定し比重計算し、その計算値の平均値をもって気乾比重とした。
(5) 圧縮強度:供試体の圧縮強度の測定は、JIS「A 1108(コンクリ−トの圧縮強度試験方法)」に準じた。
【0046】
以上述べた実験の結果、次の表1から明らかなように、軽量コンクリ−トの配合に使用されるセメント,水および減水剤の各一部を用いてつくったフロ−値170〜210mmのセメントペ−ストを超軽量粗骨材の25〜30容量%、超軽量粗骨材に被覆して造粒物としたのち、それと残余の材料と混練して製造した軽量コンクリ−ト(実施例1〜5)は、超軽量粗骨材が供試体全体に良好に分散されていることが確認された。
【0047】
これに対して、フロ−値160mmのセメントペ−ストを用いた比較例1,同220mmを用いた比較例4、並びに、セメントペ−スト量が超軽量粗骨材の25〜30容量%の範囲外の比較例2(24.5容量%),同比較例3(30.5容量%)では、いずれも表1の分離評価の欄からみて、超軽量粗骨材が供試体全体に良好に分散されていない事実が判明した。
【0048】
【表1】
Figure 0003805839
【0049】
(実施例6〜11、比較例5〜14)
次に、軽量細骨材および超軽量粗骨材の軽量コンクリ−トの気乾比重および圧壊強度への影響について調べた。
即ち、製造時の焼成温度の異なる軽量細骨材S1〜S5(5種類)、および、表乾比重,圧壊強度の異なる超軽量粗骨材L1〜L3(3種類)を使用して行った。
【0050】
この実験では、造粒物の製造に用いるセメントペ−ストのフロ−値を190mmおよびその量を27.5容量%、ならびに水/セメント比を30重量%とそれぞれ一定にした。なお、セメントペ−ストの調製方法,造粒物の製造方法,コンクリ−トの製造・成形・養生方法および測定方法は、実施例1に準じた。[なお、実施例11では、粒径3〜5mmの黒曜石を1100℃で焼成し製造した軽量細骨材(表乾比重:1.17)を超軽量粗骨材L2と配合した場合である。]
得られた結果を表2に示した。なお、分離評価(%)についても併記した。
【0051】
以上の実験の結果、次の表2から明らかなように、本発明においては真珠岩,黒曜石を1000〜1200℃で焼成して得た軽量細骨材S2〜S4(表乾比重:1.27〜1.05)の使用が、また表乾比重0.9以下で圧壊強度700N以上の超軽量粗骨材L2の使用が、軽量コンクリ−トの圧縮強度に対し、好ましい条件であることが確認された(実施例6〜11参照)。
【0052】
これに対して、比較例5〜7(超軽量粗骨材L1の使用),比較例10〜12(超軽量粗骨材L3の使用)および比較例8(軽量細骨材S1の使用),比較例9(軽量細骨材S5の使用)では、いずれも圧縮強度の低いものであった。
更に、超軽量粗骨材として適性範囲である骨材L2とそれ以外の骨材L1,L3との併用は好ましくないことが判明した(比較例13,14参照)。
【0053】
【表2】
Figure 0003805839
【0054】
(実施例12〜21,比較例15〜23)
次に、各材料の配合量(または配合比)と軽量コンクリ−トの特性との関係について調べた。すなわち、単位セメント量,水/セメント比,軽量細骨材/セメント比および超軽量粗骨材の量が、軽量コンクリ−トの気乾比重および圧縮強度に及ぼす実験を行ったものである。
【0055】
実験を行うにあたり、軽量細骨材はS3を、超軽量粗骨材はL2を使用した。
セメントペ−ストは、フロ−値190mmと一定にし、超軽量粗骨材の27.5容量%に相当する量を調製した。なお、造粒物の製造方法および軽量コンクリ−トの製造・成形・養生方法は実施例1に準じた。
得られた供試体(硬化体)について、表3に示す特性について測定し、結果を同表に併記した。
【0056】
実験の結果、次の表3から明らかなように、気乾比重1.3以下を具備する軽量コンクリ−トの圧縮強度の発現(25N/mm2)に対して、好ましい配合範囲は
(A) 単位セメント量が450〜550kg/m3
(B) 水/セメント比が25〜35重量%,
(C) セメントに対する軽量細骨材の割合が50〜80重量%,
(D) 超軽量粗骨材の配合量が0.35〜0.45m3/m3
であることが判明した(実施例12〜21参照)。
【0057】
これに対して、上記(A)〜(D)のいずれか1つでも範囲外であれば、本発明で意図する25N/mm2以上の圧縮強度を具備する軽量コンクリ−トが得られなかった(比較例15〜23参照)。
【0058】
【表3】
Figure 0003805839
【0059】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、
(1) 配合材料及び配合割合を特定した軽量コンクリ−トの製造方法であって、
(2) 混練するにあたり、
(2-1) 前記配合材料の一部(セメント,水および減水剤)を使用して調製した特定のセメントペ−ストの特定量で超軽量粗骨材を予め混練し被覆させて造粒物をつくり、
(2-2) 該被覆造粒物と残余の配合材料とを混練する、
ことを特徴とし、この(1)と(2)との組み合せにより、
・第1に、コンクリ−トの配合物(混練物)の混練・成形時に生じていた超軽量粗骨材の分離現象を、該粗骨材を造粒物にすることによって解消し、均質な軽量コンクリ−トの製造を可能にしたこと、
・第2に、小型の成形体はもちろんのこと、大型のものにもそのまま適用できること、
・第3に、常に気乾比重1.3以下の軽量コンクリ−ト成形体が製造できること、
・第4に、少なくとも25N/mm2(材令28日)の従来技術では達成できなかった格段に高い圧縮強度を発現する軽量コンクリ−トの製造を可能にしたこと、
の効果を有する。
【0060】
その結果、本発明は、従前より要望されている超高層建築用の大型軽量コンクリ−ト板が提供可能となった点、当業界への寄与は大きい。
さらに、本発明による軽量コンクリ−トの製造方法によれば、特殊な材料,工程を採用していないので、通常の軽量コンクリ−トの混練・施工に用いられている機器がそのまま使用でき、また、材料分離の解消は、配筋された軽量コンクリ−トの施工にも適用できるなど、そのメリットは計り知れない。

Claims (1)

  1. 軽量細骨材および超軽量粗骨材を用いて軽量コンクリ−トを製造する方法において、
    (1) 前記軽量コンクリ−トの配合材料及び配合割合が、単位セメント量が450〜550kg/m3,水/セメント比が25〜35重量%,真珠岩又は黒曜石の粉砕物を1000〜1200℃で焼成して発泡させた軽量細骨材がセメントに対して50〜80重量%,表乾比重0.9以下かつ圧壊強度700N以上である超軽量粗骨材が0.35〜0.45m3/m3及び減水剤からなり、
    (2) 前記配合材料を前記配合割合で混練するにあたり、
    (2-1) 前記セメント,水および減水剤の一部を使用し、前記超軽量粗骨材の25〜30容量%に相当する量であってフロ−値170〜210mmのセメントペ−ストを調製し、
    (2-2) 該セメントペ−ストと前記超軽量粗骨材とを予め混練し被覆させて造粒物をつくり、
    (2-3) 該被覆造粒物と残余の配合材料とを混練する、
    ことを特徴とする気乾比重1.3以下の高強度軽量コンクリ−トの製造方法。
JP22824996A 1996-08-29 1996-08-29 軽量コンクリ−トの製造方法 Expired - Fee Related JP3805839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22824996A JP3805839B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 軽量コンクリ−トの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22824996A JP3805839B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 軽量コンクリ−トの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1072268A JPH1072268A (ja) 1998-03-17
JP3805839B2 true JP3805839B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=16873510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22824996A Expired - Fee Related JP3805839B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 軽量コンクリ−トの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3805839B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262143A (ja) * 2000-03-13 2001-09-26 Hidetoshi Ochiai 地盤改良材
US10597328B2 (en) 2017-02-09 2020-03-24 King Fahd University Of Petroleum And Minerals Lightweight concrete

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1072268A (ja) 1998-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU562572B2 (en) Non-expansive,rapid setting cement
CN103261539B (zh) 增强水泥基轻质结构水泥面板用的具有增加耐水性和热稳定性的高性能不可燃石膏-水泥组合物
US20090078162A1 (en) Gypsum-based Composition
NO161365B (no) Sementholdig produkt produsert ved herdning av et materiale omfattende en blanding av i det minste en hydraulisk sement og vann.
JP2000509702A (ja) 石膏壁張り用材およびその製造方法
JPH09511732A (ja) 石膏含有セメント性組成物およびそれからの製造材料
EP3173391B1 (en) Method for making a low water content plastic composition comprising hydraulic cement
WO2019216851A2 (en) Cement-based light precast mortar with expanded perlite aggregate
JPS62862B2 (ja)
CN110627456B (zh) 一种加气混凝土墙专用抹灰砂浆及其制备方法
CN112374790B (zh) 凝结时间调节剂及其制备方法和瓷砖胶
JPH0987001A (ja) 無機質成形体の製造方法
JP3657721B2 (ja) 軽量コンクリート
JP3805839B2 (ja) 軽量コンクリ−トの製造方法
US2979415A (en) Cementitious material
JPH07233587A (ja) 軽量コンクリート、その製造方法及びそれを用いた建築用パネル
JPH08268775A (ja) 軽量コンクリートブロック及びその製造方法
JP5724188B2 (ja) コンクリートの製造方法
JPH07277794A (ja) 軽量コンクリート骨材
JPH07206537A (ja) ポーラスコンクリート及びその成形体の製造方法
JPH11180752A (ja) モルタル組成物
CN105523743B (zh) 一种纳米晶须激发保温层粉刷石膏及其制备方法
JPH11310480A (ja) 軽量無機質板
JP2004018353A (ja) 低比重珪酸カルシウム硬化体およびその製造方法
JP2000313679A (ja) 軽量ブロック及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060511

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees