JP3805769B2 - 差動対回路及び演算増幅回路 - Google Patents
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Description
電流源トランジスタとで構成される回路が知られている(非特許文献1参照)。この回路
ではトランジスタはソースドレイン間電圧に対する出力電流が飽和領域で使用され、この
回路に接続される負荷を考慮すると最低でも3個のトランジスタが電源グランド間に縦積
みされることになり、低電圧動作には不向きな回路となる。
大きくなってしまうという問題もある。
献2参照)。この回路ではテール電流源トランジスタを用いない分、低電圧動作には適し
たものとなる一方、バイアス電流とトランスコンダクタを独立に設定できないという問題
をもつ。
mon−mode rejection ratio)が低いという問題もある。
Alesandro Dezzani,"A 1.2−V Dual−Mode WCDMA/GPRS ΣΔ Modulator",ISSCC Digest of Technical Papers,pp58−59,February 2003. Germano Nicolini,"High−Frequency Fully Differential Filter Using Operational Amplifiers Without Common−Mode Feedback",IEEE Journal of Solid−State Circuits,pp803−813,June 1989
増幅器,サンプルホールド回路,フィルタなど各種回路に用いられる回路である。集積回
路への搭載を考慮した場合、低電圧駆動への要望は高く、差動対回路においても例外では
ない。
イアス電流とトランスコンダクタが独立に制御できることが望ましい。
られている。
駆動を実現する差動対回路の提供を目的とする。
プルホールド回路,フィルタなどへ適用できる。
源として、この差動入力信号がゲートに入力され、線形動作領域で駆動されるトランジス
タ対を設けることを基本構成としている。
ドレイン・ソース間に必要な電圧は、飽和領域での使用に比較して小さくなる。従って、
負荷接続を考慮しても、電源−グラウンド間はトランジスタ縦積み2個とほぼ同程度であ
り、
低電圧駆動を実現することができる。
流を独立に設定することが可能であり、回路設計の自由度が大である。
、あらためてテール電流源のバイアス電圧発生回路を設ける必要がないので、回路規模の
低減を図ることもできる。
動対回路及びこれを用いた演算増幅器を得ることができる。
M4のゲート端子は入力端子N2に接続されている。
4のドレイン端子は共通に接続されている。トランジスタM2,M4のソース端子はグラ
ウンドに接続されている。
M2,M4が縦積みされた構成を採ることになる。
設計されている。
で動作させる場合に比べ低くなるため、低電圧駆動を実現することができる。
るa点(トランジスタM1,M3の共通ソース)は差動成分に対して仮想接地点となる。
トランジスタM1及びM3がともに飽和領域で動作するとき、差動入力成分に対するトラ
ンスコンダクタンスGmは、下記式(1)で示すことができる。
Gm=gm1=21/2・(Id・β1)1/2 ・・・(1)
ただし、
gm1:トランジスタM1(またはM3)のトランスコンダクタンス;
Id :各トランジスタM1,M3に流れるバイアス電流
β1=K1・W1/L1
K1 :トランジスタM1(またはM3)の伝達コンダクタンスパラメータ
W1 :トランジスタM1(またはM3)のゲート幅
L1 :トランジスタM1(またはM3)のゲート長
である。
タM1,M3は飽和領域で動作し、トランジスタM2,M4は線形領域で動作するとき、
以下の関係が成り立つ。
Id=β2[(Vcom−Vth2)・Vd2−(1/2)・Vd2 2]
=(1/2)・β1・(Vcom―Vd2−Vth1)2 ・・・(2)
ただし、
β2=K2・W2/L2
K2 :トランジスタM2(またはM4)の伝達コンダクタンスパラメータ
W2 :トランジスタM2(またはM4)のゲート幅
L2 :トランジスタM2(またはM4)のゲート長
Vcom:入力コモンモード電圧
Vth1:トランジスタM1(またはM3)のスレッショルド電圧
Vth2:トランジスタM2(またはM4)のスレッショルド電圧
Vd2 :a点の電位
である。
β1=Gm2/2ld
β2=2ld・Gm2・[(Vcom-Vth1)・Gm-2ld]-1・[(Vcom-2Vth2+Vth1)・Gm+2ld]-1
・・・(3)
となる
すなわち所望のトランスコンダクタGm,バイアス電流に対しβ1,β2が求まる。こ
れはGm及びIdが独立に設定可能であることを意味し、回路設計自由度の高い差動対回
路を得ることができる。
圧は差動信号入力端子から供給を受けるため、改めてバイアス電圧発生回路を必要としな
いので、回路規模の低減を図ることもできる。
イン・ソース間の等価抵抗をRtailとすると下記式で表わされる。
CMRR=1+gm1・Rtail ・・・(4)
gm1・Rtailは通常1より大きい値をとるので、CMRRは1より十分大きくなる
。従って、本実施形態によれば、十分なCMMRを有し、回路規模を大きくすること無く
、Gm及びIdを独立に設定可能な差動対回路を得ることができる。
をVcmとすると、図1中のa点の電位Vaは下記式で表わされる。
Va=Vcm−Vth−Δ<Vcm−Vth ・・・(5)
となる(ただしΔはオーバードライブ電圧)。一方、下側のトランジスタM2,M4が線
形領域で動作する条件は:
Va<Vcm−Vthである。したがって、(5)よりトランジスタM2,M4が線形領
域で動作することが分かる。
M5,M6で置き換えた構成を採用している。図1と同じ構成部分の説明は省略する。
及びトランジスタM6のドレイン/ソース端子と共通に接続されている。トランジスタM
5のゲートは入力端子IN1に接続され、トランジスタM6のゲートは入力端子IN2に
接続されている。
る。
をRdとすると、差動入力成分に対するトランスコンダクタンスGmは下記の式で表わさ
れる。
Gm=gm1/(1+gm1・Rs) ・・・(6)
ただし Rs=Rtail//(Rd/2) ・・・(7)
この(7)式はRsがRtailとRd/2との並列抵抗であることを表わしている。
計の自由度が増すという利点がある。
される入力端子が入れ替えられている。
ゲートが入力端子IN1に接続されている。
ランジスタM1のドレイン電流はトランジスタM3のドレイン電流に比較して大きくなり
、トランジスタM4のドレイン電流はトランジスタM2のドレイン電流に比較して大きく
なる。
くトランジスタM5,M6に流れることになり、等価的にトランジスタM2,M4のドレ
イン・ソース間抵抗Rtailが大きく見える。
(6)式により差動対回路のトランスコンダクタンスGmは下記のとおりとなる。
Gm=gm1/(1+gm1・(Rd/2)) ・・・(8)
ここでgm1・(Rd/2)>>1とすれば(8)式は下記のとおりとなる。
Gm=2/Rd ・・・(9)
従ってトランスコンダクタGmは縮退抵抗の値のみによって決定することができ、回路設
計が容易となる。
スタM7のゲートは入力端子IN2に接続され、ソースはグラウンドに接続され、ドレイ
ンはトランジスタM1のソースと接続されている。トランジスタM8のゲートは入力端子
IN1に接続され、ソースはグラウンドに接続され、ドレインはトランジスタM3のソー
スと接続されている。
イン・ソース間抵抗は常に一定であるので、a点またはb点とグラウンドとの間の等価抵
抗Rtailは常に一定となる。
となる。すなわち、入力信号に関わらずGmを一定に保つことができる。
。
。トランジスタM7のドレインがトランジスタM1のドレインと接続され、ソースが電源
Vddに接続されており、トランジスタM8のドレインがトランジスタM3のドレインと
接続され、ソースが電源Vddに接続されている。
力OUT2を取り出す。
され、CMFB回路の出力はトランジスタM7,M8のゲートにフィードバックされ、出
力OUT1,OUT2のコモンモード電圧を一定の値に保っている。
算増幅回路を構成することができる。
路としては、例えばC.-C. Shin et al., 'Reference Refreshing Cyclic Analog-to-Digi
tal and Digital-to-Analog Converters', IEEE Journal of Solid-State Circuits, Vol
.21, no.4, pp. 544-554, August 1986記載のものを用いることができる。
。
点は図5と同様である。さらに2段目の増幅段としてトランジスタM9及びM11を備え
ている。トランジスタM1のドレインはトランジスタM9のゲートに、トランジスタM3
のドレインはトランジスタM11のゲートに接続されている。トランジスタM9,M11
の負荷としてトランジスタM10,M12が接続されている。負荷となるトランジスタM
10,M12のゲートにはバイアス電圧Vbiasが供給される。
源Vddに接続されており、トランジスタM12のドレインがトランジスタM11のドレ
インと接続され、ソースが電源Vddに接続されている。
出力OUT2を取り出す。
され、CMFB回路の出力はトランジスタM7,M8のゲートにフィードバックされ、出
力OUT1,OUT2のコモンモード電圧を一定の値に保っている。
れるトランジスタは2個である。従って、本発明に係る差動対回路と同様に2段目の増幅
段も低電圧での動作が可能となる。
、図8はそのブロック図である。
6に示したものと同一でありその説明は省略する。
ートに接続されている。トランジスタM13のドレインは、ソースが電源Vddに接続さ
れたトランジスタM14のドレインに接続され、このトランジスタM14のゲートはトラ
ンジスタM10と同じくバイアス電圧Vbiasが供給されている。
11のゲートに接続されている。トランジスタM15のドレインは、ソースが電源Vdd
に接続されたトランジスタM16のドレインに接続され、このトランジスタM16のゲー
トはトランジスタM12と同じくバイアス電圧Vbiasが供給されている。
グラウンドに接続されたトランジスタM17のゲートに接続されている。トランジスタM
17のドレインには、ソースが電源Vddに接続されダイオード接続されたトランジスタ
M18のドレインが接続されている。
給されている。
スタM7,M8のドレイン電圧を入力とし、トランジスタM7,M8のゲート電圧にフィ
ードバック制御をかけている回路構成となっている。
ンジスタM1乃至M8で構成される差動対回路を示しており、4つの入力端子(IN1,
IN2およびCMFB端子)及び2つの出力端子を持つ。2つの出力端子は増幅器A2−
1,A2−2の入力端子と夫々接続される。A2−1はトランジスタM9,M10,M1
3,M14で構成される1入力2出力の増幅器であり、A2−2はトランジスタM11,
M12,M15,M16で構成される1入力2出力の増幅器をそれぞれ示す。A2−1の2
つの出力端子からは、等しい電流Iout1が、A2−2の2つの出力端子からは、等し
い電流Iout2がそれぞれ出力される。一方のIout1及びIout2は夫々出力端
子OUT1,OUT2から出力され、他方のIout1及びIout2は互いに接続され
て増幅器A3の入力となる。
は、トランジスタM18がダイオード接続されているため、利得は低い。例えば、トラン
ジスタM17,M18のトランスコンダクタンスが等しいときは、電圧利得は1倍となる
。
。このとき、A1にフィードバックされるCMFB電圧Vfbは上がるから、全体として
A1の出力のコモンモード電圧が下がる方向にフィードバックが働くことになる。したが
って、A1出力のコモンモード電圧はフィードバックにより安定化される。
差動対回路A1の出力電圧Vo1Vo2を、次式のように差動電圧Vdと同相電圧Vcm
を用いて表す
Vo1=Vd/2+Vcm ・・・(10)
Vo2=−Vd/2+Vcm ・・・(11)
このとき、増幅器A2−1,A2−2の出力電流Iout1,Iout2は次式のように
表わされる。
Iout1=gm2・Vo1=gm2(Vd/2+Vcm) ・・・(12)
Iout2=gm2・Vo2=gm2(−Vd/2+Vcm) ・・・(13)
ただし、gm2は増幅器A2−1またはA2−2のトランスコンダクタンスである。増幅
器A2−1,A2−2の出力は増幅器A3の入力端子において互いに接続されているので
Iout1とIout2とは加算され、差動電流成分はキャンセルされ、同相成分のみが
残る。
ことができ、CMFB回路として用いることができる。
から、本実施形態における平衡型増幅器では、Iout1+Iout2=0となるように
帰還がかかる。すなわち、出力電流に同相成分は現れないことになる。
タは2個である。従って、平衡型演算増幅回路全体としても低電圧動作が可能となる。
ルド回路,フィルタへ適用した実施態様を説明する。
ホールド回路を示している。
SW6は閉成され、スイッチSW7乃至SW10が開成される。この状態において、入力
信号IN1,IN2が入力されると、入力信号がキャパシタC1,C2に蓄積される。即
ち、入力信号が記憶される。読み出し時には、図10に示されるようにスイッチSW1乃
至SW6が開成され,スイッチSW7乃至SW10が閉成される。このとき、キャパシタ
C1,C2に蓄積された信号が演算増幅回路OPAに入力される。この演算増幅回路OP
Aに上述のごとくの本発明に係る演算増幅回路を用いる。
され、MOSトランジスタはオンオフするときにチャンネル形成がある。このチャンネル
形成のとき電荷成分が同相で入ってくる。そのため、チャンネル部分で電圧が上昇し、こ
の電圧上昇を抑えないと、サンプルホールド回路が飽和状態となってしまう。
が低減するとともに、サンプルホールド回路の低電源電圧化が実現できる。
る。
タであり、多入力の積分器Int1,Int2,Int3,Int4及びInt5から構
成される。この積分器は図12に示されるように増幅器Amp1と抵抗R1乃至R4と容
量C1,C2により構成される。この増幅器Amp1に本発明に係る演算増幅回路が用い
られる。従って低電圧での駆動が可能となる。
幅器を用いたフィルタ回路はこれに限らず、フィルタ回路の構成を変えることでHPF(
High Pass Filter)やBPF(Band Pass Filter)を作ることも可能である。
いたフィルタ回路はこれに限らない。また、フィルタの特性に関しても例えば本実施例で
用いた積分器の特性を変えることで、バタワース、チェビシェフ、ベッセル等、様々な特
性を有する回路を構成することも可能である。
囲での種々の変形,構成要素の追加が可能である。
13,M14,M15,M16,M17,M18 ・・・ トランジスタ
Claims (6)
- 差動入力電圧が入力される第1及び第2の入力端子と;
前記第1の入力端子にゲートが接続された第1及び第2のFETと;
前記第2の入力端子にゲートが接続された第3及び第4のFETとを備え;
前記第1及び第3のFETのソースと前記第2及び第4のFETのドレインとが接続され;
前記第2及び第4のFETのソースはグランドに接続され;
前記第2及び第4のFETは線形領域で動作することを特徴とする差動対回路。 - 差動入力電圧が入力される第1及び第2の入力端子と;
前記第1の入力端子にゲートが接続された第1のFETと;
前記第1の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第2及び第5のFETと;
前記第2の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第3,第4及び第6のFETとを備え;
前記第1のFETのソースと前記第2のFETのドレインとが接続され;
前記第3のFETのソースと前記第4のFETのドレインとが接続され;
前記第5のFETは、そのソース及びドレインで前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第6のFETは、そのソース及びドレインで前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第2及び第4のFETのソースはグランドに接続され;
前記第2,第4,第5及び第6のFETは線形領域で動作することを特徴とする差動対回路。 - 差動入力電圧が入力される第1及び第2の入力端子と;
前記第1の入力端子にゲートが接続された第1のFETと;
前記第1の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第4及び第5のFETと;
前記第2の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第2,第3及び第6のFETとを備え;
前記第1のFETのソースと前記第2のFETのドレインとが接続され;
前記第3のFETのソースと前記第4のFETのドレインとが接続され;
前記第5のFETのソース及びドレインは、前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第6のFETのソース及びドレインは、前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第2及び第4のFETのソースはグランドに接続され;
前記第2,第4,第5及び第6のFETは線形領域で動作することを特徴とする差動対回路。 - 差動入力電圧が入力される第1及び第2の入力端子と;
前記第1の入力端子にゲートが接続された第1のFETと;
前記第1の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第2,第5及び第8のFETと;
前記第2の入力端子にゲートが接続され、前記第1のFETと同極性である第3,第4,第6及び第7のFETとを備え;
前記第1のFETのソースと前記第2のFETのドレインとが接続され;
前記第3のFETのソースと前記第4のFETのドレインとが接続され;
前記第5のFETは、そのソース及びドレインで前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第6のFETは、そのソース及びドレインで前記第1及び第3のFETのソース間を接続するように接続され;
前記第7のFETはそのソースが前記第2のFETのソースと接続され、そのドレインが前記第2のFETのドレインと接続され;
前記第8のFETはそのソースが前記第4のFETのソースと接続され、そのドレインが前記第4のFETのドレインと接続され;
前記第2,第4,第7及び第8のFETのソースはグランドに接続され;
前記第2,第4,第5,第6,第7及び第8のFETは線形領域で動作することを特徴とする差動対回路。 - 請求項1乃至4記載のいずれか1項記載の差動対回路と、この差動対回路の出力電流を受ける負荷を備えたことを特徴とする演算増幅回路。
- 前記差動対回路の差動対出力のコモンモード電圧を一定にするためのコモンモードフィードバック回路を備えたことを特徴とする請求項5記載の演算増幅回路。
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