JP3805064B2 - ゴム物品補強用スチールコード、その製造方法及びそれを補強材とした空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

ゴム物品補強用スチールコード、その製造方法及びそれを補強材とした空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム物品補強用スチールコード、その製造方法およびそれを補強材とした空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりスチールコードは空気入りタイヤを始めとするゴム物品の補強材として広く使用されており、例えば大型空気入りラジアルタイヤに用いられるスチールコードとしては、コードの径あたりのコード切断荷重を大きくしかつ良好な耐疲労性を得るために、同線径のフィラメントを層毎に撚りピッチを変えて撚った2〜3層撚りのスチールコード等が使用されている。
【0003】
かかる層撚り構造のスチールコードにおいて、コード内部にまで被覆ゴムが入らない構造では、タイヤにコード表面に達する傷を生じた場合に水分の浸透によりコード内部の長手方向に水分が伝播してスチールが錆び、コード強力や接着性の低下を招き、タイヤの補強効果が損なわれ、タイヤの使用が困難となる。また、かかる構造のスチールコードで補強されたタイヤにおいて、その骨格である当該スチールコードが損傷を受けると、再生タイヤとして使用できず、廃棄されることになる結果、環境問題や省エネルギーの点からも望ましくない。
【0004】
そこで、このような問題を回避する方法として、シース層のフィラメント数を最密構造よりも少なくすることによって隣接シースフィラメント間に隙間を設け、被覆ゴムがコード内部に入りやすくすることにより、コードを構成するフィラメント間の空隙を極力減少させて水分の伝播を低減し、コードの耐食性を改善する方法が知られている。例を挙げれば、1+4、2+6、3+8、4+9、2+6+11、3+8+13などの層撚り構造である。しかし、シース層を構成するフィラメント数が少ないとコアの周囲に均一な隙間を保って配置されずにシースフィラメントが互いに密接してしまう偏りを生じ、目的とする耐食性が得られないという問題点がある。
【0005】
この問題点を解決するためにコードの最外層の周囲に少なくとも1本巻き付けられる細径のラッピングフィラメントによりシースフィラメントの偏りを低減することがなされている。
【0006】
また、特開平5−44184号公報では、2+7または2+8構造のコア・シースの2層構造を有するスチールコードにおいて、コアとシースの撚り方向が同一であり、コアフィラメントの型付け率が103〜120%であり、シースフィラメントの型付け率が102〜115%のゴム物品補強用スチールコードとすることにより、コード内部にまでゴムが浸透してコードの腐食伝播を低減できるとの報告がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ラッピングフィラメントの巻き付けは、最外層フィラメントとラッピングフィラメントとのフレッティングにより耐疲労性が低下するという問題が新たに生じてくる。
【0008】
また、特開平5−44184号公報記載の如き型付けコードでは、型付け率を100%より大きくすると低荷重時の伸び、例えば、2kgの荷重をコードに加えたときの伸びが大きくなり、ゴム物品の寸法精度が低下するという問題がある。
【0009】
そこで本発明の目的は、層撚り構造のゴム物品補強用スチールコードにおいて、耐疲労性、耐腐食性および補強ゴム物品の寸法精度を改善し、該スチールコードで補強された空気入りラジアルタイヤの耐久性を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のゴム物品補強用スチールコードは、1〜4本のスチールフィラメントからなるコア層と、該コア層の周囲に巻き付けられた複数本のスチールフィラメントからなる、少なくとも1層のシース層とからなる層撚りコードにおいて、
同一シース層内で隣接するスチールフィラメント相互間に隙間を有し、最外層シースの撚りピッチPと、該最外層の撚りをほぐして取り出した該最外層スチールフィラメントの螺旋型付けピッチPaとの比H(H=Pa/P)が次式、
0.96≦H≦1.00
で表される関係を満足することを特徴とするものである。
【0011】
上記スチールコードの直径Dに対する、最外層の撚りをほぐして取り出した該最外層スチールフィラメントの螺旋外径Daの比(F=Da/D)が次式、
0.70≦F≦0.95
で表される関係を満足することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、上記ゴム物品補強用スチールコードの製造方法において、
スチールコードの撚り性状を改善するための小径ローラーを千鳥状に配置した矯正装置であって、スチールコードの撚りピッチPに対して入線側の小径ローラーの間隔をPbとし、出線側の小径ローラーの間隔をPcとしたとき、夫々次式、
1.2P≦Pb≦2.2P
2.4P≦Pc≦4.0P
で表される関係を満足する矯正装置にスチールコードを通過させた後巻き取ることを特徴とするゴム物品補強用スチールコードの製造方法に関する。
【0013】
さらに、本発明は、上記ゴム物品補強用スチールコードがベルトおよび/またはカーカスの補強に用いられていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム物品補強用スチールコードにおいては、コアを取り巻くシース層を構成するフィラメントの本数は、同一シース内で隣接するフィラメント同士が密接しないような本数を選択する。コード内部へのゴムの浸透のし易さとコードの撚り性状の点から、最密構造より1ないし2本少ない程度が好ましい。このようにして同一シース層の円周上に隣接するフィラメント間に隙間をもたせることにより、コード内にゴムを浸透させコードの長手方向に水分が伝播する度合いを低減することができ、また、層内フィラメント相互間のフレティングを防ぐことができる。
【0015】
尚、コアの周囲に巻き付けるシースのスチールフィラメント本数は隣接するシースフィラメント間に隙間ができる本数を任意に選択できるが、シースフィラメント本数を極端に減らすとシースフィラメント間の隙間が不均一となって、特にシースフィラメントの偏りが生じ、ゴムの浸透性が損なわれるので、シースフィラメント本数はコアフィラメント本数+3乃至+5本、シースが2層ある場合には外層シースのフィラメント本数は内層シースのフィラメント本数+5本程度が好ましい。
【0016】
本発明において、コードのコアの周囲に巻き付けるシース層の数は1層以上であるが、撚り線の工程数が増えると経済的に製造が困難となるので3層以下、更には2層以下が好ましい。また、コアを構成するスチールフィラメントの本数は、4本ではコアの中心に形成される空間が大きくなって水分伝播による耐腐食疲労性が低下するため、より好ましくは1〜3本である。
【0017】
スチールフィラメント径は全て同一とすると、伸線の工数を増やす必要がないので、経済的に生産できるという利点がある。
【0018】
スチールコードのラッピングフィラメントは有っても無くてもよい。スチールコードの最外層の撚り方向とは逆方向に巻き付けられたラッピングフィラメントは、コードに圧縮応力が加わったときに座屈の発生度合いを低減する作用があるが、ラッピングフィラメントが無い場合には、ラッピングフィラメントによる最外層フィラメントとのフレッティング損傷をなくすことができる。本発明のゴム物品補強用スチールコードでは、ラッピングフィラメントが無くても最外層フィラメントの配置の偏りは生じないので、最外層シースフィラメントの偏りを防止する目的のみに対してはラッピングフィラメントは不要である。尚、ラッピングフィラメントを使用した場合のその直径は、撚り性状を正常に保てれば特に問わないが、大きくすればコード径が太くなりタイヤの軽量化に対しては好ましくなく、直径を細くすると伸線工程やラッピング工程での断線が増えて好ましくなく、0.12から0.175mm程度が好ましい。
【0019】
また、本発明のゴム物品補強用スチールコードにおいて、層撚りコードの、撚り合わされた状態での最外層シースの撚りピッチPと、コードの撚りをほぐし該最外層から取り出したフィラメントの螺旋ピッチPaとの比(H=Pa/P)の範囲を0.96〜1.00としたのは、フィラメントを撚り合わせる前にコードの撚りピッチPと同じかそれよりも短い螺旋型付けピッチPaを最外層シースフィラメントに施すことにより、撚られた層撚りコードでコードの外周から中心部に向かって締め付ける力が働き、最外層シースフィラメントと内層シースフィラメント又はコアフィラメントとの間で接触圧が増加し、最外層シースフィラメントの軸方向の移動が抑制されて、シースフィラメントの偏りを防止することができ、これによりゴムを均一にコード内部に浸透させることができる。
【0020】
ここで、螺旋ピッチPaを0.96P以上としたのは、0.96P未満では最外層シースフィラメントとその他のフィラメントとの撚り込み率相違が大きいために、コード撚り工程においてコアフィラメント又は内層シースフィラメントがコード表面に飛び出してくるとか、最外層シースフィラメントの偏りというコードの撚り性状不良が発生しやすくなるためである。一方、螺旋ピッチPaが1.00Pを超えると最外層シースフィラメントと内層フィラメントとの接触圧が低くなり過ぎ、コードに曲げ変形が加わると最外層シースフィラメントがコードの軸方向に移動し、周上の配置に偏りが生じてフィラメント相互間が密接し、均一な隙間を保持できなくなる。
【0021】
最外層スチールフィラメントに付与する螺旋型付けは、撚り合わせ前にフィラメントを3本のピンからなる型付け治具を通過させることにより行われる。螺旋のピッチ長さの調整は通常に実施しているようにピンの隙間を選択することによって行う。
【0022】
最外層シースフィラメントに付与する螺旋型付けの際の螺旋外径Daをコードの外径Dよりも小さくすることによって、最外層フィラメントと内層のフィラメントとの接触圧を増加させることができる。螺旋外径Daとコード外径Dの比(F=Da/D)は0.95以下が好ましいが、0.70を超えて小さくすると、コードと成したシースフィラメントに無理な弾性変形が伴うのでコードを切断した際に切断部分はシースフィラメントの撚りが解けてばらけた状態となり、タイヤの製造作業性が低下するので好ましくない。この問題点はコードの外周にラッピングフィラメントを施すことによって回避できるが、フレッティングに劣るという問題がある。
【0023】
本発明のコードを構成するフィラメントの本数は最密撚りよりも少ないので、コード強力は低くなるが、フィラメント直径を大きくするとか、フィラメントの断面積率当たりの強力を高めることによって最密撚り構造と同一のコード強力とすることができる。タイヤの軽量化には、フィラメントの単位断面積当たりの強力を高めることのほうが望ましい。
【0024】
スチールコードは、撚り性状を良好にするために図3に示す如き矯正装置を通過させた後に巻き取りリールに巻き取る。この際、矯正治具のコード入り側ロールの間隔をPb、出側のロール間隔をPcとしたとき、コードの撚りピッチPに対してPbが1.2P〜2.2P、Pcが2.4P〜4.0P範囲内になるようなロール間隔とすることによって本発明のスチールコードを製造することができる。即ち、矯正治具のコードの入り側ロール間隔Pbが次式、
1.2P≦Pb≦2.2P
で表される関係を満足することによって、最外層シースフィラメントの軸方向の動きが拘束されて矯正加工が行われるためにフィラメントの型付け率と型付けピッチを容易に調整でき、また、出側ロール間隔Pcが次式、
2.4P≦Pc≦4.0P
で表される関係を満足することによって、最外層シースフィラメントの軸方向の動きが拘束されない状態で矯正加工が行われるために最外層フィラメント相互の隙間間隔を均一にすることができる。
【0025】
本発明の空気入りラジアルタイヤは、上記ゴム物品補強用スチールコードを図4に示すベルト2および/またはカーカス1の補強に用い、これにより耐久性を向上させるものであり、構造およびその他の部材などは既知のタイヤと特に変わることはなく、慣例に従うことができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
従来例1、実施例1、2、比較例1〜3
図1(イ)は1+4構造の2層撚りコードの側面図であり、コードの撚りピッチはP、コードの直径はDである。図1(ロ)はこのコードの撚りをほぐしたシースフィラメントの4本のうちの1本の側面図であり、シースフィラメントは螺旋形の型付けを有し、螺旋のピッチはPa、螺旋の直径はDaである。
【0027】
下記の表1では、最外層に4本のフィラメントを持つ1+4構造の上記スチールコードにおいて、コアフィラメントの線径をd1、コアの周囲のシースフィラメントの線径をd2、更にその周囲のシースフィラメントの線径をd3(但し、1+4構造ではd3はない)とし、また4本の最外層フィラメントに付与した螺旋型付けのピッチをPa2、コードの撚りピッチをP2、これらのピッチの比をH2、螺旋の外径をDa2、螺旋の外径Da2とコードの外径Dとの比をF2として夫々示してある。下記の表1に示す各種1+4構造のスチールコードについて、ゴムトリート内のコード形態、ゴム浸透性、耐腐食疲労性および耐疲労性について評価を行った。得られた結果を下記の表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003805064
*1 ゴム浸透性:ゴムに埋設し加圧加熱加硫したゴム物品補強用スチールコードからコード表面のゴムをはぎ取り、最外層フィラメントの撚りを解し、コア(シース)表面のゴム量が皆無のときを0%、またゴムに完全に覆われているときを100%としてパーセント表示したもの。
*2 耐腐食疲労性:ゴムに埋設し加圧加熱加硫したサンプルのゴム物品補強用スチールコードを、該コードの端部が露出するように切断して試料を作製し、この試料を10%食塩水に6時間浸漬した後、温度50℃、相対湿度90%の環境下で所定の荷重を負荷して、曲率半径120mmの繰り返し曲げを与え、所定時間経過後の素線の破断本数を調べて評価した。評価は、従来例を100として指数表示した。数値が大きいほど食塩水による接着低下が少なく、ゴムの浸透性が良好であることを示す。
*3 耐疲労性:ハンター式の回転曲げ疲労試験機を使用して、曲げ応力120kgf/mm、回転数3000rpm、温度20℃、相対湿度60%の条件で、スチールコードが破断するまでの回転数を記録し、各構造毎の比較例を100として指数で表示したもの。数値が大きいほど、耐疲労性に優れていることを示す。
【0029】
従来例1では、螺旋の外径Da2はコードDの外径よりも小さいが、螺旋ピッチPa2がコードの撚りピッチP2よりも大きいので接触圧が低くなり最外層フィラメントは軸方向に移動して図2の(イ)に示す偏り形態(偏り形態)を生じた。また、比較例3では螺旋ピッチPa2が小さく、コードの撚りピッチとの比H2が本発明で規定する範囲の下限を下回り最外層の撚り込み率が小さくなって、同図に示すように斜線で示すコアフィラメントがコード表面に飛び出す断面形態(コア飛び出し形態)となった。
【0030】
従来例2〜5、実施例3〜10、比較例4〜15
その他の層撚り構造のスチールコードについても同様の評価を行った。得られた結果をコード特性とともに下記の表2〜5に示す。
【0031】
【表2】
Figure 0003805064
【0032】
【表3】
Figure 0003805064
【0033】
【表4】
Figure 0003805064
【0034】
【表5】
Figure 0003805064
【0035】
表に示した従来例4の2+6+11+1構造のスチールコードについて、本発明に係る強制治具を通過させたものと、させないものとの、ゴムトリートにする以前のコード形態を調査すると、2+6+11構造とした直後のコードは上記強制治具を通すことによって最外層のフィラメントはほぼ均一に配置されていたが、最外層の外周に1本の細径フィラメントを巻き付ける工程を経た2+6+11+1構造のコードでは偏りを生じていた。なお、上記強制治具を通さないコードは細径フィラメントを巻き付ける前のコードですでに偏りを生じていた。これに対し、実施例7の2+6+11+1構造のスチールコードは細径フィラメントを巻き付ける前後及びゴムトリートとしたいずれの状態でも最外層フィラメントの偏りはみられなかった。尚、従来例4の2+6+11+0構造のコードを上記矯正治具を通すことによりゴムトリートにする前のコードには最外層フィラメントの偏りの発生はなかったが、ゴムトリートにした後のコードでは偏りが発生していた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によるゴム物品補強用スチールコードは、最外層フィラメントの螺旋型付けピッチをコードの撚りピッチの0.96倍以上1.00倍以下の範囲としたことで、内層のフィラメントが最外層の隙間に飛び出してくることが無く、最外層のフィラメントとそれより内側のフィラメントとの接触圧により最外層フィラメント相互の隙間が均一に保たれ、ゴムの浸透が容易となる。また、スチールコードの撚り性状が良好に保持されることから、耐疲労性も改善される。更に、タイヤを製造するためにスチールコードにゴムを被覆するカレンダー工程においてスチールコードに曲げ変形が加えられても、最外層フィラメントの偏りを生じないのでゴムが侵入し難い封鎖された隙間が無くなる。このため、水分伝播による腐食の進行を抑制でき、タイヤの耐久性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (イ)は1+4構造のスチールコードの側面図である。
(ロ)は上記スチールコードから取り出したシースフィラメントの螺旋ピッチ及び螺旋径を示す説明図である。
【図2】 実施例におけるスチールコードの、フィラメントの配置の乱れ、偏りを示す断面図である。
【図3】 矯正治具のロール間隔を示す説明図である。
【図4】 空気入りラジアルタイヤの左半分断面図である。

Claims (4)

  1. 1〜4本のスチールフィラメントからなるコア層と、該コア層の周囲に巻き付けられた複数本のスチールフィラメントからなる、少なくとも1層のシース層とからなる層撚りコードにおいて、
    同一シース層内で隣接するスチールフィラメント相互間に隙間を有し、最外層シースの撚りピッチPと、該最外層の撚りをほぐして取り出した該最外層スチールフィラメントの螺旋型付けピッチPaとの比H(H=Pa/P)が次式、
    0.96≦H≦1.00
    で表される関係を満足することを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。
  2. スチールコードの直径Dに対する、最外層の撚りをほぐして取り出した該最外層スチールフィラメントの螺旋外径Daの比(F=Da/D)が次式、
    0.70≦F≦0.95
    で表される関係を満足することを特徴とする請求項1記載のゴム物品補強用スチールコード。
  3. 請求項1または2記載のゴム物品補強用スチールコードの製造方法において、
    スチールコードの撚り性状を改善するための小径ローラーを千鳥状に配置した矯正装置であって、スチールコードの撚りピッチPに対して入線側の小径ローラーの間隔をPbとし、出線側の小径ローラーの間隔をPcとしたとき、夫々次式、
    1.2P≦Pb≦2.2P
    2.4P≦Pc≦4.0P
    で表される関係を満足する矯正装置にスチールコードを通過させた後巻き取ることを特徴とするゴム物品補強用スチールコードの製造方法。
  4. 請求項1または2記載のゴム物品補強用スチールコードがベルトおよび/またはカーカスの補強に用いられていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
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