JP3804750B2 - 複合圧電振動子板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探触子の作製にあたって有用な複合圧電振動子板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複合圧電振動子板の作製にあたって使用される複合圧電体は、高い電気機械結合係数を有する圧電セラミックスと音響インピーダンスの低い高分子材とからなり、複合圧電振動子板は、その複合圧電体の上面および下面に電極を形成し、その複合圧電体を分極することによって作製されている。
【0003】
このタイプの複合圧電振動子板は、上記のように高い電気機械結合係数を有する圧電セラミックスと音響インピーダンスの低い高分子材とを複合化したものであることから、高い電気機械結合係数を有し、かつ低い音響インピーダンスを有する圧電振動子板として、超音波探触子の作製にあたって非常に有用であることが分かっている。
【0004】
上記複合圧電振動子板を用いた超音波探触子は、図4および図5に示すように、電気パルスを超音波に変換し、超音波パルスを電気信号に変換するための複合圧電振動子板1と、人体に対して効率よく短い波形の超音波を放射するための音響整合層8と、複合圧電振動子板1の背面で音響的にダンピング作用を行わせるパッキング材7と、超音波ビームを収束させるための音響レンズ9などを主構成部材として構成されている。
【0005】
すなわち、超音波探触子は、図4に示すように、複合圧電体2の上面および下面に電極3を形成してなる複合圧電振動子板1の電極3に、グランドリードフレーム5とシグナルリードフレーム6を接合材4により接合し、一方の電極3とグランドリードフレーム5との間および他方の電極3とシグナルリードフレーム6との間の電気的導通を図った状態で、それをパッキング7上に配置し、さらに、上面の電極3上に音響整合層8を接着したものを図5のように一定の幅でスライス切断し、それら全体の上部に音響レンズ9を取り付けることによって作製されている。ただし、図5では、繁雑化を避けるため、接合材4の図示を省略している。
【0006】
しかしながら、上記複合圧電振動子板は、前記のような優れた特性を有しているにもかかわらず、高分子材とのマトリックス構造を有するので、耐熱性が悪く、軟らかく変形しやすい性質を持つため、上記のような複雑な工程を要して作製される超音波探触子への組付けに際して、下記に示すような問題点を有していた。
【0007】
複合圧電振動子板の電極は、熱が比較的かかりにくいスパッター法によって、金などで形成されており、一般に、図2に示すような構造になっている。つまり、複合圧電体は、図1に示すように、圧電セラミックス2aと高分子材2bとの複合体で構成され、図2に示すように、電極3は、その複合圧電体2の圧電セラミックス2aの部分にも高分子材2bの部分にも、同じ材質の金属層で構成されている。
【0008】
しかしながら、前記のようなスパッター法による電極形成では、電極3と圧電セラミックス2aや高分子材2bとの密着強度が弱いため、超音波探触子の組立工程中に電極が剥がれ、最終的にスライス切断された一つ一つのユニットの電極が途切れることがあり、所定面積の電極を有するユニットが得られなくなる。
【0009】
複合圧電振動子板の高分子材部分については、スライス方向に対して平行方向につながっていれば機能上問題ないが、圧電セラミックス表面の電極が剥がれた場合には、たとえ剥がれが部分的であっても、圧電特性の主たる発生源はセラミックスにあるため、機能上大きな問題になる。
【0010】
特に、電極のリード取り出し部は端部にあるため、スライス方向に対して直角にスライス幅以上の長さで電極が剥がれた場合、そのような剥がれがリード取り出し部に近い部分で起こると、そのユニットは、まったく機能を果たさないことになる。
【0011】
圧電セラミックスが有する高い電気機械結合係数をできるだけ損なわないようにするためには、用いる高分子材の硬度は低いほうが好ましい。また、用途によっては曲面上に複合圧電振動子板を配置したい場合があることから、複合圧電体自身は軟らかいほうが性能上または機能上好ましいが、従来方式の電極ではその軟らかさ故に、電極が簡単に剥がれたり、切れたりする(つまり、複合圧電体が屈曲変形したときに、電極がその変形に追随できず、電極が剥がれたり、切れたりする)という問題があった。
【0012】
スパッター法による場合は、スパッターリング時に影ができやすいため部分的に電極の厚みが薄くなっているためか、あるいは圧電セラミックス部分が硬く、高分子材部分が軟らかいという性質の違いからか、圧電セラミックスと高分子材との境界で上記のような電極の剥がれなどが特に多く発生する。
【0013】
上記問題の対応策として、スパッター時間を長くして電極の厚みを必要以上に厚くすることも考えられるが、コスト高となり実用的でない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、軟らかい複合圧電体で構成されていても、電極との密着性が優れ、かつ従来と同等の電気機械結合係数を有していて、超音波探触子をより確実に高い信頼性で作製することができる、複合圧電振動子板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨の一つは、請求項1に記載のように、圧電セラミックスと高分子材との複合圧電体と、その上面および下面に形成した電極とを有してなる複合圧電振動子板において、少なくとも一方の電極を、圧電セラミックス部分の面上においては無電解メッキで形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上にニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成し、高分子材部分の面上においてはニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成したことを特徴とし、本発明の要旨のもう一つは、請求項3に記載のように、上記複合圧電振動子板を、圧電セラミックスにニッケルの無電解メッキによりニッケル層を形成する第一工程と、その圧電セラミックスと高分子材とを複合化する第二工程と、その第二工程により得られた圧電セラミックスと高分子材との複合圧電体にニッケル−クロム層を介して金層または銅層を形成する第三工程を経由して、製造する方法である。
【0016】
本発明の複合圧電振動子板は、圧電セラミックス部分と高分子材部分とで電極の構成を変えていて、例えば、図3に示すように、電極3は、圧電セラミックス2a部分の面上では無電解メッキで形成されたニッケル層3aとさらにそのニッケル層3a上にニッケル−クロム層(図示せず)を介して形成された金層または銅層3bで構成され、高分子材2b部分の面上ではニッケル−クロム層(図示せず)を介して形成された金層または銅層3bで構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、圧電セラミックスとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、チタン酸バリウム(BT)系、チタン酸鉛(PT)系、チタン酸ビスマス(BIT)系のものなどを用いることができるが、より高い電気機械結合係数と誘電率を有するという点で、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックスが特に好適である。
【0018】
本発明において、高分子材としては、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂なども用いることができるが、特にショアA硬度が70以下の高分子材を用いると、軟らかい複合圧電体を作製するのに好適であり、そのようなショアA硬度が70以下の高分子材としては、シリコンゴム系の高分子材が特に好適に用いられる。また、音響インピ−ダンスの低下を目的として、高分子材に比重の小さい中空樹脂ビ−ズなどを添加してもよい。高分子材の硬度が低いほど、軟らかい複合圧電体を作製するのに好適であるが、高分子材の硬度が低くなりすぎると、複合圧電体が軟らかくなりすぎて、電極が剥がれやすくなる傾向があるので、高分子材の硬度はショアA硬度で70以下で20以上が好ましい。なお、本明細書におけるショアA硬度はJIS K 7215に規定されるショアA硬度である。
【0019】
本発明によれば、上記のような軟らかい高分子材を用いて構成された複合圧電体であっても、圧電セラミックスが本来持っている圧電特性は損なわれることなく、電極の密着性が優れた複合圧電振動子板が得られる。
【0020】
本発明において、無電解メッキにより形成するニッケル層の厚みは0.1μmから2μmが好ましい。ニッケル層の厚みを0.1μm以上にすることによってニッケル層と圧電セラミックスとの間の良好な密着性を確保し、2μm以下にすることによって電気機械結合係数が小さくなるのを防止することができる。
【0021】
そして、その無電解メッキにより形成したニッケル層上にニッケル−クロム層を介して形成する金層または銅層の厚みは0.1μmから3μmが好ましい。金層または銅層の厚みを上記の厚み範囲内にすることによって良好な密着性を確保しつつ、厚すぎによるコスト高を避けることができる。
【0022】
上記のように、少なくとも一方の電極層が、圧電セラミックス部分の面上においては無電解メッキで形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上にニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成され、高分子材部分の面上においてはニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成されている本発明の複合圧電振動子板は、参考例1に示すような電極を無電解メッキで形成した金層または銅層で構成する複合圧電振動子板に比べて、最も電極の切断が生じやすい圧電セラミックスと高分子材との境界部分において、複合圧電振動子板に何らかの変形が起こったときに、電極の切断が生じにくく、かつ電極と圧電セラミックスとの密着強度が高くなるという特性上の優位点を有しているが、この圧電セラミックス部分と高分子材部分とで電極の構成を変える本発明の複合圧電振動子板の製造方法について説明すると、次の通りである。
【0023】
上記複合圧電振動子板を製造するためには、まず第一工程として、圧電セラミックスにニッケルの無電解メッキを施し、圧電セラミックスの面上にニッケル層を形成する。次に第二工程として、上記のように無電解メッキによりニッケル層を形成した圧電セラミックスと高分子材とを複合化する。そして、第三工程として、上記第二工程により得られた圧電セラミックスと高分子材との複合圧電体の圧電セラミックス部分の面上に形成されたニッケル層と高分子材部分の面上にニッケル−クロム層を介して金層または銅層を形成して電極を形成する。第三工程における金層または銅層の形成に関しては、スパッター法,無電解メッキ法のいずれも採用することができるが、スパッター法に比べてコストを低くでき、密着性が良いという観点から、無電解メッキ法を採用することが好ましく、特に銅の無電解メッキ法を採用することが好ましい。その場合には、耐食性向上のため、銅層の上にさらに金層または銀層を形成して、銅層を金層または銀層で被覆してもよい。その際の金層や銀層の形成方法としては、電解メッキが適している。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定されるものでない。
【0025】
参考例1−1〜1−2
電気機械結合係数k33が80%で厚み0.6mmのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板に、ダイシングマシーンによりスライス方向と直交する方向に150μm間隔で35μm幅の溝を形成した。その後、上記溝に中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度40のシリコンゴム系の高分子材を流し込み、その高分子材を硬化させたのち、スライス方向に150μm間隔で35μm幅の溝をダイシングマシーンにより形成した。その後、前記の中空樹脂ビーズを添加したシリコンゴム系の高分子材を上記溝に流し込み、その高分子材を硬化させ、所定の厚みに研磨することにより、150μm×150μm×370μmのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスの細棒(この参考例1では角柱であるが、その形状は問わない)のまわりをシリコンゴム系の高分子材が35μm幅で覆った構造の複合圧電体を得た。
【0026】
つぎに、上記の複合圧電体に対して常法に従って化学的前処理を行った後、以下に示すように、金属種を変えて無電解メッキ処理を行った。
【0027】
金の無電解メッキ処理:
市販の無電解金メッキ液〔上村工業(株)製、GOBEL−2M(商品名)〕に、浴温60℃で上記複合圧電体を浸漬し、その表面に金の無電解メッキより金層を形成した。
【0028】
銅の無電解メッキ処理:
市販の無電解銅メッキ液〔上村工業(株)製、スルカップPEA(商品名)〕に、浴温30〜40℃で上記複合圧電体を浸漬し、その表面に銅の無電解メッキにより銅層を形成した。
【0029】
上記無電解メッキ処理を行った複合圧電体は、側面を研磨することによって側面のメッキ層を除去し、複合圧電体の上面および下面のメッキ層のみを残し、直流の電圧を上記メッキ層からなる上下電極間に印加して複合圧電体を分極処理することにより、複合圧電振動子板を得た。この複合圧電振動子板の要部の断面は、図2に示す通りであり、この参考例1シリーズの複合圧電振動子板では、複合圧電体2を構成する圧電セラミックス2aと高分子材2bのそれぞれの面上に同じ材質の金属層からなる電極3が形成されている。
【0030】
得られた複合圧電振動子板を、日本アルミット製の#KR−19,60A(商品名)のハンダを使用し、ハンダコテ先温度250℃で予備ハンダをしたのち、ハンダメッキ銅箔からなるリード箔をハンダ付けした。そして、そのリード箔を引き出し方向から180°反対の方向に引っ張り、そのときの最大荷重を強度試験機〔(株)島津製作所製、AGS−500B(商品名)〕で測定することによって、電極の耐剥離性を調べた。
【0031】
また、上記複合圧電体の縦振動の電気機械結合係数k33’を、サイズが10mm×60mmの大きさの試料にし、インピダンスアナライザー4194A〔商品名、ヒューレットパッカード社製〕により、その縦振動の共振周波数frと反共振周波数faを測定し、下記計算式から算出した。
k33’=〔(fa−fr)/(0.405×fr+0.81×(fa−fr))〕1/2
【0032】
参考例2−1〜2−2
電気機械結合係数k33が80%で厚みが0.37mmのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板にニッケルの無電解メッキ処理を行い、メッキ時間を制御することによって、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板の表面にニッケル層を形成した。
【0033】
上記ニッケルの無電解メッキ処理は、上記圧電セラミックス板に対して常法にしたがって化学的前処理を行った後、市販のリン系ニッケルメッキ液〔上村工業(株)製、ニムデンLPX(商品名)〕に、浴温90℃で上記圧電セラミックス板を浸漬し、その表面にニッケルの無電解メッキによるニッケル層を形成することによって行った。
【0034】
つぎに、ダイシングマシーンを使用し、上記ニッケル層を形成したチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板に、スライス方向と直交する方向に150μm間隔で35μm幅の溝を形成した。その後、上記溝に中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度40のシリコンゴム系の高分子材を流し込み、その高分子材を硬化させた後、スライス方向に150μm間隔で35μm幅の溝をダイシングマシーンにて形成した。その後、上記溝に前記と同様の中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度40のシリコンゴム系の高分子材を流し込み、その高分子材を硬化させて、150μm×150μm×370μmのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスの細棒のまわりをシリコンゴム系の高分子材が35μm幅で覆った構造で、かつ圧電セラミックス部分の上面および下面にニッケル層が形成された複合圧電体を得た。
【0035】
つぎに、上記複合圧電体に参考例1の場合と同様の無電解メッキ法により金または銅の無電解メッキ処理を施して金層または銅層を形成した。
【0036】
そして、側面を研磨して、側面のメッキ層を除去し、直流の電圧をニッケル層−金層と金層またはニッケル層−銅層と銅層とで構成される上面および下面の上下電極間に印加して複合圧電体を分極処理することにより、複合圧電振動子板を得た。
【0037】
実施例1−1〜1−3
複合圧電体の上面および下面へのニッケル層の形成まで参考例2−1と同様に行った後、上記ニッケル層上に厚み0.02μmのニッケル−クロム層をスパッター法で形成し、さらにそのニッケル−クロム層上に金層または銅層をスパッター法により、表1に示す種々の厚みで形成した以外は、参考例2−1と同様にして複合圧電振動子板を得た。なお、上記金層または銅層の厚みの調整は、スパッター時間を調節することによって行った。
【0038】
得られた複合圧電振動子板について、参考例1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数k33’を調べた。その結果を表1に示す。この複合圧電振動子板の要部の断面は、図3に示す通りであり、この実施例1−1〜1−3の複合圧電振動子板では、複合圧電体2の圧電セラミックス2aの部分にはニッケル層3aとそのニッケル層3a上にニッケル−クロム層(図示せず)を介して形成された金層または銅層3bとで電極3が構成され、複合圧電体2の高分子材2bの部分にはニッケル−クロム層(図示せず)を介して形成された金層または銅層で電極3が構成されている。なお、この複合圧電振動子板では、圧電セラミックス2aの部分にニッケル層3aを形成してから高分子材2bと複合化して複合圧電体2を作製している。
【0039】
比較例1−1〜1−2
実施例1−1と同様のチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板にニッケルの無電解メッキを行わなかったほかは、実施例1−1と同様に複合圧電体を作製し、その表面にスパッター法でニッケル−クロム層を0.02μmの厚みに形成したのち、スパッター法により金層と銅層をそれぞれ別々に形成した。
【0040】
以後、実施例1−1と同様に側面のメッキ層の除去および分極処理をして複合圧電振動子板を得た。
【0041】
得られた複合圧電振動子板について実施例1−1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数k33’を調べた。その結果を表1に示す。なお、電気機械結合係数k33’の表1への表示にあたっては、簡略化して、k33’のみで示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1に示すように、実施例1−1〜1−3は、電気機械結合係数k33’が比較例1−1〜1−2と同等であったが、電極の耐剥離性を示す数値が比較例1−1〜1−2に比べてはるかに高かった。この結果から、本発明の実施例1−1〜1−3の複合圧電振動子板は、複合圧電体の有する圧電特性を損なうことなく、電極の密着性が向上していることがわかる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、軟らかい複合圧電体で構成されていても、電極の密着性が優れ、かつ従来と同等の電気機械結合係数を有していて、超音波探触子をより確実に高い信頼性で作製することができる、複合圧電振動子板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複合圧電体の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明外の複合圧電振動子板の電極形成の一例を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明に係る複合圧電振動子板の電極形成の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】 音響レンズを取り付ける前の状態の超音波探触子をスライス方向に切断した状態で模式的に示す断面図である。
【図5】 超音波探触子を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1 複合圧電振動子板
2 複合圧電体
2a 圧電セラミックス
2b 高分子材
3 電極
3a ニッケル層
3b 金層または銅層
4 接合材
5 グランドリ−ドフレ−ム
6 シグナルリ−ドフレ−ム
7 パッキング材
8 音響整合層
9 音響レンズ
Claims (5)
- 圧電セラミックスと高分子材との複合圧電体と、その上面および下面に形成した電極とを有してなる複合圧電振動子板において、少なくとも一方の電極が、圧電セラミックスの面上においては無電解メッキで形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上にニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成されており、高分子材の面上においてはニッケル−クロム層を介して形成された金層または銅層で構成されていることを特徴とする複合圧電振動子板。
- 圧電セラミックスの面上に形成されたニッケル層の厚みが0.1〜2μmであり、金層または銅層の厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする請求項1記載の複合圧電振動子板。
- 圧電セラミックスにニッケルの無電解メッキによりニッケル層を形成する第一工程と、その圧電セラミックスと高分子材とを複合化する第二工程と、その第二工程により得られた圧電セラミックスと高分子材との複合圧電体にニッケル−クロム層を介して金層または銅層を形成する第三工程を経由することを特徴とする請求項1記載の複合圧電振動子板の製造方法。
- 高分子材がショアA硬度70以下のもので構成されていることを特徴とする請求項3記載の複合圧電振動子板の製造方法。
- 請求項3記載の第三工程における金層または銅層の形成が無電解メッキにより行われることを特徴とする複合圧電振動子板の製造方法。
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