JP2001298796A - 複合圧電振動子板およびその製造方法 - Google Patents
複合圧電振動子板およびその製造方法Info
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Abstract
極との密着性が優れ、かつ従来と同等の電気機械結合係
数を有する複合圧電振動子板を提供する。 【解決手段】 圧電セラミックスと高分子材との複合圧
電体と、その上面および下面に形成した電極とを有して
なる複合圧電振動子板において、その電極を無電解メッ
キで形成された金層または銅層で構成する。圧電セラミ
ックスと高分子材との複合圧電体と、その上面および下
面に形成した電極とを有してなる複合圧電振動子板にお
いて、少なくとも一方の電極を、圧電セラミックスの面
上においては無電解メッキで形成されたニッケル層とそ
のニッケル層上に直接あるいはニッケル−クロム層を介
して形成された金層または銅層で構成し、高分子材の面
上においては金層または銅層あるいはニッケル−クロム
層を介して形成された金層または銅層で構成する。
Description
製にあたって有用な複合圧電振動子板およびその製造方
法に関する。
される複合圧電体は、高い電気機械結合係数を有する圧
電セラミックスと音響インピーダンスの低い高分子材と
からなり、複合圧電振動子板は、その複合圧電体の上面
および下面に電極を形成し、その複合圧電体を分極する
ことによって作製されている。
ように高い電気機械結合係数を有する圧電セラミックス
と音響インピーダンスの低い高分子材とを複合化したも
のであることから、高い電気機械結合係数を有し、かつ
低い音響インピーダンスを有する圧電振動子板として、
超音波探触子の作製にあたって非常に有用であることが
分かっている。
子は、図4および図5に示すように、電気パルスを超音
波に変換し、超音波パルスを電気信号に変換するための
複合圧電振動子板1と、人体に対して効率よく短い波形
の超音波を放射するための音響整合層8と、複合圧電振
動子板1の背面で音響的にダンピング作用を行わせるパ
ッキング材7と、超音波ビームを収束させるための音響
レンズ9などを主構成部材として構成されている。
うに、複合圧電体2の上面および下面に電極3を形成し
てなる複合圧電振動子板1の電極3に、グランドリード
フレーム5とシグナルリードフレーム6を接合材4によ
り接合し、一方の電極3とグランドリードフレーム5と
の間および他方の電極3とシグナルリードフレーム6と
の間の電気的導通を図った状態で、それをパッキング7
上に配置し、さらに、上面の電極3上に音響整合層8を
接着したものを図5のように一定の幅でスライス切断
し、それら全体の上部に音響レンズ9を取り付けること
によって作製されている。ただし、図5では、繁雑化を
避けるため、接合材4の図示を省略している。
前記のような優れた特性を有しているにもかかわらず、
高分子材とのマトリックス構造を有するので、耐熱性が
悪く、軟らかく変形しやすい性質を持つため、上記のよ
うな複雑な工程を要して作製される超音波探触子への組
付けに際して、下記に示すような問題点を有していた。
かりにくいスパッター法によって、金などで形成されて
おり、一般に、図2に示すような構造になっている。つ
まり、複合圧電体は、図1に示すように、圧電セラミッ
クス2aと高分子材2bとの複合体で構成され、図2に
示すように、電極3は、その複合圧電体2の圧電セラミ
ックス2aの部分にも高分子材2bの部分にも、同じ材
質の金属層で構成されている。
による電極形成では、電極3と圧電セラミックス2aや
高分子材2bとの密着強度が弱いため、超音波探触子の
組立工程中に電極が剥がれ、最終的にスライス切断され
た一つ一つのユニットの電極が途切れることがあり、所
定面積の電極を有するユニットが得られなくなる。
は、スライス方向に対して平行方向につながっていれば
機能上問題ないが、圧電セラミックス表面の電極が剥が
れた場合には、たとえ剥がれが部分的であっても、圧電
特性の主たる発生源はセラミックスにあるため、機能上
大きな問題になる 。
るため、スライス方向に対して直角にスライス幅以上の
長さで電極が剥がれた場合、そのような剥がれがリード
取り出し部に近い部分で起こると、そのユニットは、ま
ったく機能を果たさないことになる。
合係数をできるだけ損なわないようにするためには、用
いる高分子材の硬度は低いほうが好ましい。また、用途
によっては曲面上に複合圧電振動子板を配置したい場合
があることから、複合圧電体自身は軟らかいほうが性能
上または機能上好ましいが、従来方式の電極ではその軟
らかさ故に、電極が簡単に剥がれたり、切れたりする
(つまり、複合圧電体が屈曲変形したときに、電極がそ
の変形に追随できず、電極が剥がれたり、切れたりす
る)という問題があった。
ング時に影ができやすいため部分的に電極の厚みが薄く
なっているためか、あるいは圧電セラミックス部分が硬
く、高分子材部分が軟らかいという性質の違いからか、
圧電セラミックスと高分子材との境界で上記のような電
極の剥がれなどが特に多く発生する。
を長くして電極の厚みを必要以上に厚くすることも考え
られるが、コスト高となり実用的でない。
な従来技術の問題点を解決し、軟らかい複合圧電体で構
成されていても、電極との密着性が優れ、かつ従来と同
等の電気機械結合係数を有していて、超音波探触子をよ
り確実に高い信頼性で作製することができる、複合圧電
振動子板を提供することを目的とする。
請求項1に記載のように、圧電セラミックスと高分子材
との複合圧電体と、その上面および下面に形成した電極
とを有してなる複合圧電振動子板において、その電極を
無電解メッキで形成された金層または銅層で構成したこ
とを特徴とする。
載のように、圧電セラミックスと高分子材との複合圧電
体と、その上面および下面に形成した電極とを有してな
る複合圧電振動子板において、少なくとも一方の電極
を、圧電セラミックス部分の面上においては無電解メッ
キで形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上に
直接あるいはニッケル−クロム層を介して形成された金
層または銅層で構成し、高分子材部分の面上においては
金層または銅層あるいはニッケル−クロム層を介して形
成された金層または銅層で構成したことを特徴とし、本
発明の要旨のさらにもう一つは、請求項5に記載のよう
に、上記複合圧電振動子板を、圧電セラミックスにニッ
ケルの無電解メッキによりニッケル層を形成する第一工
程と、その圧電セラミックスと高分子材とを複合化する
第二工程と、その第二工程により得られた圧電セラミッ
クスと高分子材との複合圧電体に直接あるいはニッケル
−クロム層を介して金層または銅層を形成する第三工程
を経由して、製造する方法である。後者の圧電セラミッ
クス部分と高分子材部分とで電極の構成を変える複合圧
電振動子板は、例えば、図3に示すように、電極3は、
圧電セラミックス2a部分の面上では無電解メッキで形
成されたニッケル層3aとさらにそのニッケル層3a上
に形成された金層または銅層3bで構成され、高分子材
2b部分の面上では金層または銅層3bのみで構成され
ている。
スとしては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系、チタ
ン酸バリウム(BT)系、チタン酸鉛(PT)系、チタ
ン酸ビスマス(BIT)系のものなどを用いることがで
きるが、より高い電気機械結合係数と誘電率を有すると
いう点で、チタン酸ジルコン酸鉛系の圧電セラミックス
が特に好適である。
ば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂な
ども用いることができるが、特にショアA硬度が70以
下の高分子材を用いると、軟らかい複合圧電体を作製す
るのに好適であり、そのようなショアA硬度が70以下
の高分子材としては、シリコンゴム系の高分子材が特に
好適に用いられる。また、音響インピ−ダンスの低下を
目的として、高分子材に比重の小さい中空樹脂ビ−ズな
どを添加してもよい。高分子材の硬度が低いほど、軟ら
かい複合圧電体を作製するのに好適であるが、高分子材
の硬度が低くなりすぎると、複合圧電体が軟らかくなり
すぎて、電極が剥がれやすくなる傾向があるので、高分
子材の硬度はショアA硬度で70以下で20以上が好ま
しい。なお、本明細書におけるショアA硬度はJIS
K 7215に規定されるショアA硬度である。
分子材を用いて構成された複合圧電体であっても、圧電
セラミックスが本来持っている圧電特性は損なわれるこ
となく、電極の密着性が優れた複合圧電振動子板が得ら
れる。
り形成した金層または銅層で構成する場合、その金層ま
たは銅層の厚みは0.2μmから3μmが好ましい。金
層または銅層の厚みを0.2μm以上にすることによっ
て金層または銅層の圧電セラミックスとの間の良好な密
着性を確保し、3μm以下にすることによって電気機械
結合係数が小さくなるのを防止することができる。
り形成するニッケル層の厚みは0.1μmから2μmが
好ましい。ニッケル層の厚みを0.1μm以上にするこ
とによってニッケル層と圧電セラミックスとの間の良好
な密着性を確保し、2μm以下にすることによって電気
機械結合係数が小さくなるのを防止することができる。
ニッケル層上に直接あるいはニッケル−クロム層を介し
て形成する金層または銅層の厚みは0.1μmから3μ
mが好ましい。金層または銅層の厚みを上記の厚み範囲
内にすることによって良好な密着性を確保しつつ、厚す
ぎによるコスト高を避けることができる。
が、圧電セラミックス部分の面上においては無電解メッ
キで形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上に
直接あるいはニッケル−クロム層を介して形成された金
層または銅層で構成され、高分子材部分の面上において
は金層または銅層あるいはニッケル−クロム層を介して
形成された金層または銅層で構成される複合圧電振動子
板は、電極を無電解メッキで形成した金層または銅層で
構成する複合圧電振動子板に比べて、最も電極の切断が
生じやすい圧電セラミックスと高分子材との境界部分に
おいて、複合圧電振動子板に何らかの変形が起こったと
きに、電極の切断が生じにくく、かつ電極と圧電セラミ
ックスとの密着強度が高くなるという特性上の優位点を
有しているが、この圧電セラミックス部分と高分子材部
分とで電極の構成を変える複合圧電振動子板の製造方法
について説明すると、次の通りである。
は、まず第一工程として、圧電セラミックスにニッケル
の無電解メッキを施し、圧電セラミックスの面上にニッ
ケル層を形成する。次に第二工程として、上記のように
無電解メッキによりニッケル層を形成した圧電セラミッ
クスと高分子材とを複合化する。そして、第三工程とし
て、上記第二工程により得られた圧電セラミックスと高
分子材との複合圧電体の圧電セラミックス部分の面上に
形成されたニッケル層と高分子材部分の面上に直接ある
いはニッケル−クロム層を介して金層または銅層を形成
して電極を形成する。第三工程における金層または銅層
の形成に関しては、スパッター法,無電解メッキ法のい
ずれも採用することができるが、スパッター法に比べて
コストを低くでき、密着性が良いという観点から、無電
解メッキ法を採用することが好ましく、特に銅の無電解
メッキ法を採用することが好ましい。その場合には、耐
食性向上のため、銅層の上にさらに金層または銀層を形
成して、銅層を金層または銀層で被覆してもよい。その
際の金層や銀層の形成方法としては、電解メッキが適し
ている。上記第三工程における金層または銅層を無電解
メッキにより形成をする場合は、ニッケル−クロム層を
介さなくても、圧電セラミックス部分の面上に無電解メ
ッキにより形成されたニッケル層や高分子材に対して高
い密着性が得られるが、上記金層または銅層をスパッタ
ー法で形成する場合には、先にニッケル−クロム層をス
パッター法で形成し、そのニッケル−クロム層を介して
金層または銅層を形成する方が直接金層または銅層をス
パッター法で形成するより高い密着性が得られる。ただ
し、スパッター法で直接ニッケル層上や高分子材上に金
層または銅層を形成することもできる。
明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定される
ものでない。
ン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板に、ダイシング
マシーンによりスライス方向と直交する方向に150μ
m間隔で35μm幅の溝を形成した。その後、上記溝に
中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度40のシリコン
ゴム系の高分子材を流し込み、その高分子材を硬化させ
たのち、スライス方向に150μm間隔で35μm幅の
溝をダイシングマシーンにより形成した。その後、前記
の中空樹脂ビーズを添加したシリコンゴム系の高分子材
を上記溝に流し込み、その高分子材を硬化させ、所定の
厚みに研磨することにより、150μm×150μm×
370μmのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス
の細棒(この実施例1では角柱であるが、その形状は問
わない)のまわりをシリコンゴム系の高分子材が35μ
m幅で覆った構造の複合圧電体を得た。
従って化学的前処理を行った後、以下に示すように、金
属種と厚みを変えて無電解メッキ処理を行った。
ッキ液〔上村工業(株)製、GOBEL−2M(商品
名)〕に、浴温60℃で上記複合圧電体を浸漬し、その
表面に金の無電解メッキより金層を形成した。ただし、
浸漬時間は、得ようとする金層の厚みに応じて種々に変
更した。
ッキ液〔上村工業(株)製、スルカップPEA(商品
名)〕に、浴温30〜40℃で上記複合圧電体を浸漬
し、その表面に銅の無電解メッキにより銅層を形成し
た。ただし、浸漬時間は、得ようとする銅層の厚みに応
じて種々に変更した。
は、側面を研磨することによって側面のメッキ層を除去
し、複合圧電体の上面および下面のメッキ層のみを残
し、直流の電圧を上記メッキ層からなる上下電極間に印
加して複合圧電体を分極処理することにより、複合圧電
振動子板を得た。この複合圧電振動子板の要部の断面
は、図2に示す通りであり、この実施例1シリーズの複
合圧電振動子板では、複合圧電体2を構成する圧電セラ
ミックス2aと高分子材2bのそれぞれの面上に同じ材
質の金属層からなる電極3が形成されている。
ット製の#KR−19,60A(商品名)のハンダを使
用し、ハンダコテ先温度250℃で予備ハンダをしたの
ち、ハンダメッキ銅箔からなるリード箔をハンダ付けし
た。そして、そのリード箔を引き出し方向から180°
反対の方向に引っ張り、そのときの最大荷重を強度試験
機〔(株)島津製作所製、AGS−500B(商品
名)〕で測定することによって、電極の耐剥離性を調べ
た。その結果を表1に示す。
結合係数k33’を、サイズが10mm×60mmの大き
さの試料にし、インピダンスアナライザー4194A
〔商品名、ヒューレットパッカード社製〕により、その
縦振動の共振周波数frと反共振周波数faを測定し、
下記計算式から算出した。 k33’=〔(fa−fr)/(0.405×fr+0.81×
(fa−fr))〕1/2
33’を表1に示す。ただし、表1中への電気機械結合係
数k33’の表示にあたっては、簡略化して、k33’のみ
で示す。
法でニッケル−クロム層を0.02μmの厚さに形成し
たのち、金層と銅層をそれぞれ別々にスパッター法で形
成した。
1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数k33’を調
べた。その結果を前記実施例1−1〜1−7の結果と共
に表1に示す。なお、表1への電気機械結合係数k33’
の表1中への表示にあたっては、簡略化して、k33’の
みで示す。
は、電気機械結合係数k33’が比較例1−1〜1−2と
同等であったが、電極の耐剥離性を示す数値が比較例1
〜2に比べてはるかに高かった。この結果から、本発明
の実施例1−1〜1−7の複合圧電子振動板は、複合圧
電体の持つ圧電特性を損なうことなく、電極の密着性が
向上していることがわかる。
チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板にニッケル
の無電解メッキ処理を行い、メッキ時間を制御すること
によって、チタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックス板
の表面に表2に示す種々の厚みのニッケル層を形成し
た。
圧電セラミックス板に対して常法にしたがって化学的前
処理を行った後、市販のリン系ニッケルメッキ液〔上村
工業(株)製、ニムデンLPX(商品名)〕に、浴温9
0℃で上記圧電セラミックス板を浸漬し、その表面にニ
ッケルの無電解メッキによるニッケル層を形成すること
によって行った。ただし、浸漬時間は、得ようとするニ
ッケル層の厚みに応じて種々に変更した。
記ニッケル層を形成したチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セ
ラミックス板に、スライス方向と直交する方向に150
μm間隔で35μm幅の溝を形成した。その後、上記溝
に中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度40のシリコ
ンゴム系の高分子材を流し込み、その高分子材を硬化さ
せた後、スライス方向に150μm間隔で35μm幅の
溝をダイシングマシーンにて形成した。その後、上記溝
に前記と同様の中空樹脂ビーズを添加したショアA硬度
40のシリコンゴム系の高分子材を流し込み、その高分
子材を硬化させて、150μm×150μm×370μ
mのチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスの細棒の
まわりをシリコンゴム系の高分子材が35μm幅で覆っ
た構造で、かつ圧電セラミックス部分の上面および下面
にニッケル層が形成された複合圧電体を得た。
と同様の無電解メッキ法により金または銅の無電解メッ
キ処理を施し、メッキ時間を調整することにより、表2
に示す種々の厚みの金層または銅層を形成した。
を除去し、直流の電圧をニッケル層−金層と金層または
ニッケル層−銅層と銅層とで構成される上面および下面
の上下電極間に印加して複合圧電体を分極処理すること
により、複合圧電振動子板を得た。
例1−1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数
k33’を調べた。その結果を表2に示す。この複合圧電
振動子板の要部の断面は、図3に示す通りであり、この
実施例2−1〜2−10の複合圧電振動子板では、複合
圧電体2の圧電セラミックス2aの部分にはニッケル層
3aとそのニッケル層3a上に形成された金層または銅
層3bとで電極3が構成され、複合圧電体2の高分子材
2bの部分には金層または銅層のみで電極3が構成され
ている。なお、この複合圧電振動子板では、圧電セラミ
ックス2aの部分にニッケル層3aを形成してから高分
子材2bと複合化して複合圧電体2を作製している。
実施例2−1と同様に行った後、上記ニッケル層上に厚
み0.02μmのニッケル−クロム層をスパッター法で
形成し、さらにそのニッケル−クロム層上に金層または
銅層をスパッター法により、表2に示す種々の厚みで形
成した以外は、実施例2−1と同様にして複合圧電振動
子板を得た。なお、上記金層または銅層の厚みの調整
は、スパッター時間を調節することによって行った。
1−1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数k33’
を調べた。その結果を表2に示す。
ミックス板にニッケルの無電解メッキを行わなかったほ
かは、実施例2−1と同様に複合圧電体を作製し、その
表面にスパッター法でニッケル−クロム層を0.02μ
mの厚みに形成したのち、スパッター法により金層と銅
層をそれぞれ別々に形成した。
層の除去および分極処理をして複合圧電振動子板を得
た。
1−1と同様に耐剥離性および電気機械結合係数k33’
を調べた。その結果を表2に示す。なお、電気機械結合
係数k33’の表2への表示にあたっては、簡略化して、
k33’のみで示す。
3は、電気機械結合係数k33’が比較例2−1〜2−2
と同等であったが、電極の耐剥離性を示す数値が比較例
2−1〜2−2に比べてはるかに高かった。この結果か
ら、本発明の実施例2−1〜2−13の複合圧電振動子
板は、複合圧電体の有する圧電特性を損なうことなく、
電極の密着性が向上していることがわかる。
軟らかい複合圧電体で構成されていても、電極の密着性
が優れ、かつ従来と同等の電気機械結合係数を有してい
て、超音波探触子をより確実に高い信頼性で作製するこ
とができる、複合圧電振動子板が提供される。
る。
模式的に示す断面図である。
例を模式的に示す断面図である。
子をスライス方向に切断した状態で模式的に示す断面図
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 圧電セラミックスと高分子材との複合圧
電体と、その上面および下面に形成した電極とを有して
なる複合圧電振動子板において、その電極が無電解メッ
キで形成された金層または銅層で構成されていることを
特徴とする複合圧電振動子板。 - 【請求項2】 金層または銅層の厚みが0.2〜3μm
であることを特徴とする請求項1記載の複合圧電振動子
板。 - 【請求項3】 圧電セラミックスと高分子材との複合圧
電体と、その上面および下面に形成した電極とを有して
なる複合圧電振動子板において、少なくとも一方の電極
が、圧電セラミックスの面上においては無電解メッキで
形成されたニッケル層とさらにそのニッケル層上に直接
あるいはニッケル−クロム層を介して形成された金層ま
たは銅層で構成されており、高分子材の面上においては
金層または銅層あるいはニッケル−クロム層を介して形
成された金層または銅層で構成されていることを特徴と
する複合圧電振動子板。 - 【請求項4】 圧電セラミックスの面上に形成されたニ
ッケル層の厚みが0.1〜2μmであり、金層または銅
層の厚みが0.1〜3μmであることを特徴とする請求
項3記載の複合圧電振動子板。 - 【請求項5】 圧電セラミックスにニッケルの無電解メ
ッキによりニッケル層を形成する第一工程と、その圧電
セラミックスと高分子材とを複合化する第二工程と、そ
の第二工程により得られた圧電セラミックスと高分子材
との複合圧電体に直接あるいはニッケル−クロム層を介
して金層または銅層を形成する第三工程を経由すること
を特徴とする請求項3記載の複合圧電振動子板の製造方
法。 - 【請求項6】 高分子材がショアA硬度70以下のもの
で構成されていることを特徴とする請求項5記載の複合
圧電振動子板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項5記載の第三工程における金層ま
たは銅層の形成が無電解メッキにより行われることを特
徴とする複合圧電振動子板の製造方法。
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JP2009285257A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Fujinon Corp | 超音波トランスデューサ及び超音波探触子 |
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