JP3804574B2 - 高周波誘導結合プラズマ生成装置およびプラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波誘導結合プラズマ生成装置およびプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコンウェハやガラス基板などにエッチング、成膜、スパッタリング等の処理を施す基板処理装置として、プラズマを利用してそれらの処理を行うものがある。これらの基板処理装置に利用されるプラズマ生成装置の一つとして、誘導結合プラズマ励起法によりプラズマを生成する誘導結合型プラズマ生成装置がある。誘導結合型プラズマ生成装置では、プラズマ生成室の近傍に設けられた励起コイルに高周波電流を流してプラズマ生成室内に高周波磁界を生成する。高周波磁界はプラズマ生成室内に高周波誘導電界を誘起し、この誘導電界によってプラズマ生成室内のガスをイオン化することによってプラズマが生成される。
【0003】
図7は従来のプラズマ生成装置の一例を示したものであり、図7(a)は励起コイルとしてソレノイド型コイル100を用いるものであり、図7(b)は平面型コイル104を用いるものである。図7(a)の装置では、ソレノイド型コイル100を、プラズマ生成室を構成する管状チャンバ103の周囲に巻き付けるような形態で配置する。ソレノイド型コイル100には整合器101を介して高周波電源102からの高周波電流が供給され、コイル100の中心軸に平行な高周波磁界が管状チャンバ103内に形成される。その結果、管状チャンバ103内にプラズマPが生成される。
【0004】
一方、図7(b)に示す装置では、チャンバ105の上端面に高周波導入窓106が設けられ、高周波導入窓106の外側に平面型コイル104が配設されている。平面型コイル104により形成された高周波磁界は高周波導入窓106からチャンバ105に侵入し、チャンバ105内の高周波導入窓106に近接した空間領域にプラズマPが生成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなプラズマ生成装置が使用される基板処理装置においては、基板の大口径化が進展しつつあり、プラズマ生成装置に対しては、より大きなプラズマ領域の生成が要求されている。そのため、図7(a)のソレノイド型コイル100を用いる装置の場合は、大口径基板に対応するにはコイル径を大きくするとともに、それに伴って十分な磁束密度を確保するためにコイル巻き数を多くする必要がある。
【0006】
しかしながら、コイル形状の拡大はインダクタンスの増加と、巻き線の長さの増加による損失抵抗の増大を伴う。周波数一定であればインダクタンスの増加は電流阻止リアクタンスとして作用するので、整合器101で整合をとることによりこれを補正することになる。この補正は整合器101に設けられたキャパシターのキャパシタンスCを小さくすることにより行われるので、寄生容量の影響を受けやすくなる。すなわち、整合条件が安定調整域を逸脱する方向に変化し、プラズマ生成が不安定となりやすい。
【0007】
一方、図7(b)の装置では、巻き数を多くしてコイル径を大きくしても、コイル中心部分の磁界強度がより大きくなるだけで、期待したようにプラズマ領域の拡大を図ることができないばかりか、均一性が低下するという問題があった。また、平面型コイル104の場合には、コイル下側のチャンバ空間だけでなくコイル上側の空間にも磁界が形成されるため、プラズマへのエネルギー伝達効率が劣るという欠点があった。
【0008】
本発明の目的は、より大きな領域に均一なプラズマを形成することができる高周波誘導結合プラズマ生成装置およびプラズマ処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明の実施の形態を示す図1〜3および5に対応付けて説明する。
(1)請求項1の発明による高周波誘導結合プラズマ生成装置は、プラズマが形成される筒状のプラズマ生成室2と、高周波磁界を形成する励起コイル6と、分離可能な複数の軟磁性体ブロック71〜77で構成され、励起コイル6で形成された高周波磁界の磁束をプラズマ生成室2内に均一に分布させる磁路構造体7と、複数の軟磁性体ブロックで構成される磁路構造体を所定の形状に保持する保持手段3,13とを備え、ブロックの組み合わせを変更してプラズマ生成室内でのプラズマ分布を変更することを特徴とする。
(2)請求項2の発明による高周波誘導結合プラズマ生成装置は、プラズマが形成される筒状のプラズマ生成室2と、高周波磁界を形成する励起コイル6と、分離可能な複数の軟磁性体ブロック71〜77および軟磁性体ブロック71〜77よりも透磁率の小さな少なくとも一つのスペーサブロック82で構成され、励起コイル6で形成された高周波磁界の磁束をプラズマ生成室2内に均一に分布させる磁路構造体7とを備えて上述の目的を達成する。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の高周波誘導結合プラズマ生成装置において、筒状プラズマ生成室の端面壁部および側面壁部を、高周波磁界が通過可能な部材で形成し、磁路構造体が、端面壁部に沿って配置される第1の構造体7Aと、側面壁部に沿って配置される第2の構造体7Bとを備えるものである。
(4)請求項4の発明によるプラズマ処理装置は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波誘導結合プラズマ生成装置と、プラズマにより処理される被処理体が収容されるチャンバとを備えたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が発明の実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明による高周波誘導結合プラズマ生成装置の一実施の形態を示す図である。図1はプラズマ生成装置の概略構成を示したものであり、一点鎖線よりも図示上側の部分Bがプラズマ生成装置1を構成している。プロセス室である真空チャンバ12の上部にはプラズマ生成装置1のプラズマ室2を形成するプラズマ室ボディ3が設けられている。プラズマ室ボディ3は従来装置の高周波導入窓と同様にセラミックスなどで形成されており、高周波磁界はプラズマ室ボディ3を通してプラズマ室2内へ侵入する。真空チャンバ12は排気口12aに接続された真空ポンプ(不図示)により真空排気される。
【0012】
図1に示すプラズマ生成装置1ではプラズマ室ボディ3は円筒形を成しており、プラズマ室ボディ3の外側には、円筒端面に対向するように励起コイル6が設けられている。励起コイル6は2ターンのソレノイド型コイルであり、整合器8を介してRF電源9が接続されている。なお、本実施の形態では、励起コイル6はソレノイド型コイルとしたが、例えば、1ターンの平面型コイルとしても良い。RF電源9の周波数としては、経済性を考慮して1MHz〜100MHz程度が用いられるが、本実施の形態では13.56MHzの高周波電源が使用される。
【0013】
整合器8にはインピーダンス整合用のキャパシタが設けられており、このキャパシタのキャパシタンスを調整することにより整合条件の調整を行うことができる。プラズマを生成する際には、アルゴンガス等がプラズマ室2内に導入される。プラズマ室ボディ3の周囲には、プラズマ室ボディ3を覆うように磁路構造体7が設けられている。磁路構造体7は、後述するように励起コイル6で形成された磁束のリターン回路を構成しており、高周波特性の良い、すなわち励振周波数域での損失特性に優れた軟磁性体材料により形成される。例えば、鉄、ニッケル、コバルト等が用いられる。さらに、磁路構造体7は多数の分割ブロックで構成されており、内側のプラズマ室ボディ3と外側に設けられた枠部材13とにより一定の形状に保たれている。
【0014】
プラズマ室2と真空チャンバ12との間には、導電性のグリッド型アパーチャ4が設けられている。アパーチャ4には電源5により電圧Vaccが印加されている。このアパーチャ4によりプラズマ室2にプラズマが閉じこめられるとともに、プラズマ中から引き出されたイオンが加速電圧Vaccにより図示下方に加速される。その結果、プラズマ生成装置1からイオンビームが引き出され、様々なプロセスに利用される。10は、プラズマ生成装置1から引き出されたイオンビームの電流密度を計測するためのファラデーカップである。ファラデーカップ10は真空チャンバ12内を水平方向に走査可能な構造となっており、ファラデーカップ10で検出されたイオン電流は、微小電流計11により計測される。
【0015】
図2はプラズマ室2に形成される高周波磁界を説明する図である。図2において、(a)プラズマ生成装置1における磁束線を示したものであり、(b)は平面型コイルを用いた従来の装置の磁束線を示したものである。また、図2(c)はプラズマ密度の分布を定性的に示したものであり、横軸はプラズマ室の径方向位置を表している。
【0016】
図2(a)に示すように、磁路構造体7は機能的に3つの部分から成る。第1は、励起コイル6の内部に配置されてコイル中心部分の磁束をまとめるとともに分布を均一化するコア部7Aである。磁束線20はこのコア部7Aの下端面からプラズマ室2内に入り込む。第2は、励起コイル6およびプラズマ室ボディ3の外周部に設けられて、コア部7Aの端面を出た磁束線20をプラズマ室ボディ3の側面部分へと導く側面リターン部7Bである。プラズマ室ボディ3の側面部分を通過した磁束線20は円筒状の側面リターン部7Bへと入る。第3は、側面リターン部7Bに侵入した磁束線20をコア部7Aに帰還させる背面リターン部7Cである。
【0017】
本実施の形態のプラズマ生成装置1では、側面リターン部7Bを設けてコア部7Aの下端面を出た磁束線20を側面リターン部7B方向に導くことにより、プラズマ室2の全体に強度的に一様な磁界を形成することができる。高周波エネルギーは、励起コイル6から誘導磁界エネルギーとして放射され、プラズマ室2内のプラズマに供給される。
【0018】
一方、図2(b)は、従来の平面型コイルを用いた場合の磁束線の状況を示したものである。コイル21で形成される高周波磁界は磁束線22で示すように、プラズマ室23の内部だけでなく、外部空間にも大きく分布している。これに対して、図2(a)に示したプラズマ生成装置1では、コア部7Aの下端面を出た磁束線20はほとんどが側面リターン部7Bに入り、それらは側面リターン部7Bおよび背面リターン部7Cの内部を通ってコア部7Aの他端面に入る。すなわち、磁束線20はプラズマ空間以外は磁路構造体7の内部にあって、図2(b)に示す従来の装置のように装置外の空間に磁束線20は漏れ出ない。そのため、プラズマへのエネルギー伝達効率が向上する。
【0019】
さらに、側面リターン部7Bにより磁束線20をプラズマ室側面方向に導くことにより、プラズマ室2内の磁束密度が均一となる。その結果、プラズマ室2内の広い領域にわたって均一なプラズマを形成することができる。図2(c)はプラズマ密度の分布を定性的に示したものであり、横軸はプラズマ室の径方向位置を表している。本実施の形態の場合には、上述した理由から曲線L1で示すように均一な分布が得られる。一方、図2(b)の平面型コイルを用いた装置では、コイル中心部分の磁界強度が大きいためにL2で示すように中心部分の分布が他の部分よりも大きくなり、均一性に劣っている。
【0020】
また、磁路構造体7を設けたことにより、励起コイル6で形成された高周波磁界の磁束線20は、プラズマ空間を通って磁路構造体7の側面リターン部7B方向に導かれる。そのため、要求されるプラズマ領域の大きさに応じて励起コイル6の径を大きくしなくても、磁束線20をプラズマ領域の全体に導くことができる。励起コイル6の径を変えなくても良いということは、コイルの巻き線の長さに起因するリアクタンスの変化や、抵抗損失を避けることができ、インピーダンス整合が不安定となるのを防止することができる。
【0021】
《磁路構造体7の詳細説明》
次に、磁路構造体7の詳細構造について説明する。前述したように、磁路構造体は多数の分割ブロックで構成されており、図3にその一例を示す。図3に示す磁路構造体7の場合には、7種類の軟磁性ブロック71〜77で構成されている。図3において、(a)は平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。図3(a)に示すように、中心部分の円筒形ブロック75の周囲には6つの扇形ブロック74が周方向に配設されている。ブロック75,74は厚さが等しく、図3(b)に示すように上下方向にそれぞれ4層設けられている。
【0022】
ブロック74の外側には周方向に配設される6つの円弧状ブロック73が配設され、ブロック73の外側には周方向に配設される6つの円弧状ブロック72が配設され、さらにブロック72の外側には周方向に配設される6つの円弧状ブロック71が配設されている。各ブロック73,72,71は半径方向に配設され、それらの厚さはブロック75,74と等しく、各ブロック73,72,71は2層だけ設けられている。ブロック72の下側には、平面視が同一で厚みの厚い円弧状ブロック77が3層配設されている。また、ブロック71の下側には、平面視が同一で厚みの厚い円弧状ブロック76が3層配設されている。ブロック77,76の厚さはブロック72,71の2倍に設定されている。
【0023】
ブロック74とブロック77との間にはブロックは配設されておらず、リング状の空間80が形成されている。空間80には2ターンの励起コイル6が配設されている。これらのブロック71〜77で構成される磁路構造体7は、プラズマ室ボディ3と枠部材13とによりその形状が保持されている。各ブロック71〜77は軟磁性体材料で形成されており、枠部材13の材料には非磁性材料であるセラミックスやプラスチックスなどが用いられる。
【0024】
このように、本実施の形態では、磁路構造体7を小さなブロック71〜77で構成したことにより、一部のブロックを取り除いたり、材質の異なるブロックで置き換えることにより、磁束の分布、すなわち、プラズマの分布を微妙に変更することができる。各ブロック71〜77は軟磁性体材料で形成されているので、ブロックの配置が変更されて磁路構造体7の形状が変わると、磁束分布も変化するからである。
【0025】
図4(a)は、図3に示した磁路構造体7の場合のイオンビーム電流密度の分布を示したものである。一方、図4(b)は、図3に示した磁路構造体7において、4層になっているブロック75の内の4層目のブロックD(75)を除いた場合のイオンビーム電流密度の分布を示したものである。図4において、縦軸はイオンビーム電流密度であり単位は任意単位(A.U.)としている。また、横軸はプラズマ室2の中央からの位置を表している。なお、これらの分布は、図1のファラデーカップ10を図示左右方向に走査してイオンビーム電流を検出することにより得られる。
【0026】
図4(a)に示す分布の場合には中央部にピークP1があり、中央部で電流密度が最も大きくなる。そして、中央から離れるにつれて電流密度は徐々に小さくなり、領域Eの外側では急激に小さくなる。一方、ブロックDを取り除いた図4(b)の場合には、中央部から離れた対称位置にピークP2,P3がある。中央部の電流密度はピークP2,P3の電流密度よりも小さくなっている。領域E内における電流値の幅をそれぞれΔI1,ΔI2とすると、ΔI2<ΔI1となっており、図4(b)の場合の方がプラズマ分布の均一性が良いことがわかる。
【0027】
このように、磁路構造体7を複数のブロック71〜77で構成したので、ブロックを組み替えることで容易にプラズマ分布の調整を行うことができる。なお、ブロックD(75)を抜いたことにより磁束分布が変化して整合パラメータが変化するが、そのような整合パラメータの変化は整合器8でマッチングを取ることにより対応できる。また、ブロックD(75)を抜いた部分に非磁性体のスペーサブロックを配設することにより、形状維持を確実に図るようにしてもよい。スペーサブロックの材料としては非磁性であれば良く、例えば、金属であればアルミや銅、非金属であればPTFE等のフッ素樹脂やセラミックスなどを用いることができる。
【0028】
また、プラズマ生成装置1を構成する各部品を全て軸対称に構成するのは現実的に困難であり、そのような場合には磁路構造体7の非対称形状とならざるを得ず磁束分布に非対称性が生じ易い。本実施の形態では、軟磁性体ブロックを非磁性のスペーサブロックと置き換えることによって、磁路構造体7を実質的に対称形状とすることができる。
【0029】
例えば、励起コイル6は電力供給のための配線を磁路構造体7の外側に引き出さねばならず、引き出し部分の穴等を磁路構造体7に形成するために対称性が崩れてしまう。図5は励起コイル6を磁路構造体7の上方に引き出した場合の図であり、(a)は平面図、(b)はG−G断面図である。図5に示すように、励起コイル6の外部への引き出し部分では符号Fの部分のブロック72が2層分取り除かれている。この場合には、符号Fを付した部分と軸対称な位置にある3カ所のブロック72(2層分)をスペーサブロック82で置き換える。この置き換えにより、磁路構造体7の対称性を保つことができ、磁束密度分布が対称となる。スペーサブロック82の材料には、空間Fの透磁率とほぼ等しい透磁率を有するものを用いれば良い。なお、スペーサブロック82との置き換えではなく、スペーサブロック82の部分をブロックを配設しない空隙としても良い。
【0030】
また、同一設計のプラズマ生成装置1であっても、現実的には装置毎に微妙な差が生じる。そのような装置毎のばらつきもブロックの構成を変えることにより調整することができる。そのような場合には、単に非磁性のスペーサブロック82を用いるだけでなく、スペーサブロック82の材料として透磁率の異なる磁性体材料を用いても良い。
【0031】
さらに、磁路構造体7を分割ブロック構造にしたことによる他の利点としては、同一のプラズマ生成装置1を種々の基板処理装置に搭載することが可能となることである。すなわち、基板処理装置毎にプラズマ条件が異なっていても、ブロックの構成を変えることにより磁路構造体7の実質的な形状を変えられるので、それぞれの条件に対応することが可能となる。その結果、プラズマ生成装置を基板処理装置毎に設計・製作する必要がなくなり、プラズマ生成装置の共通化によるコストダウンや製作日数の短期間化などを図ることができる。
【0032】
なお、磁路構造体7を多数のブロックに分割するときの分割形状は図3,5に示すのものに限定されず、例えば、図6のようなブロックを用いて構成しても良い。図6に示す例では、軟磁性ブロックを全て同一の円柱形状としている。この場合には、枠部材13内に円柱状の軟磁性ブロック83を敷き詰めて磁路構造体7を形成する。このような軟磁性ブロック83を用いた場合には、種々の形状の磁路構造体7に対応しやすくなるとともに、ブロック83が全て同一形状であるため、ブロック83の製造コストを低減することができる。さらに、一部を円柱状スペーサブロックと置き換える場合にも、より細かく置き換えることができるという利点を有している。
【0033】
上述した実施の形態では、ブロックからなる磁路構造体7に対して枠部材13を設けることにより磁路構造体7の形状を保持するようにしたが、保持方法はこれに限定されない。また、ブロックの組み替え易さに難点は有るが、ブロック同士を接着剤により接着して固定しても良い。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、磁路構造体を設けたことにより、磁束をプラズマ生成室内の広い領域に均一に分布させることができ、より大きな領域にプラズマを形成することができる。さらに、磁路構造体を分離可能な複数のブロックで構成したので、軟磁性体ブロックの一部を取り外したりスペーサブロックと交換したりすることで磁束分布の微調整が可能となり、所望の磁束分布をより精度良く形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高周波誘導結合プラズマ生成装置の一実施の形態を示す図である。
【図2】高周波磁界の様子を従来の装置と比較して示した図であり、(a)は本実施の形態の高周波磁界を、(b)は従来の平面型コイルの高周波磁界を、(c)はプラズマ密度分布を示す図である。
【図3】磁路構造体7の詳細構造を示す図であり、(a)は磁路構造体7の平面図、(b)はC−C断面図である。
【図4】イオンビーム電流密度の分布を示す図であり、(a)は図3の磁路構造体7の場合の分布を示し、(b)は図3の磁路構造体から4層目のブロックD(75)を取り外した場合の分布を示す。
【図5】ブロック71〜77の一部をスペーサブロック82で置き換えた場合の磁路構造体7を示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図である。
【図6】軟磁性ブロックとして同一形状の円柱状ブロック83を多数用いた場合の斜視図である。
【図7】従来のプラズマ生成装置を示す図であり、(a)はソレノイド型コイルを用いる装置、(b)は平面型コイルを用いる装置である。
【符号の説明】
1 プラズマ生成装置
2,23 プラズマ室
3 プラズマ室ボディ
4 グリッド型アパーチャ
6 励起コイル
7 磁路構造体
7A コア部
7B 側面リターン部
7C 背面リターン部
8 整合器
9 RF電源
12 真空チャンバ
13 枠部材
20,22 磁束線
71〜77,83 軟磁性ブロック
82 スペーサブロック
Claims (4)
- プラズマが形成される筒状のプラズマ生成室と、
高周波磁界を形成する励起コイルと、
分離可能な複数の軟磁性体ブロックで構成され、前記励起コイルで形成された高周波磁界の磁束を前記プラズマ生成室内に均一に分布させる磁路構造体と、
前記複数の軟磁性体ブロックで構成される前記磁路構造体を所定の形状に保持する保持手段とを備え、前記ブロックの組み合わせを変更して前記プラズマ生成室内でのプラズマ分布を変更することを特徴とする高周波誘導結合プラズマ生成装置。 - プラズマが形成される筒状のプラズマ生成室と、
高周波磁界を形成する励起コイルと、
分離可能な複数の軟磁性体ブロックおよび前記軟磁性体ブロックよりも透磁率の小さな少なくとも一つのスペーサブロックで構成され、前記励起コイルで形成された高周波磁界の磁束を前記プラズマ生成室内に均一に分布させる磁路構造体とを備えたことを特徴とする高周波誘導結合プラズマ生成装置。 - 請求項1または2に記載の高周波誘導結合プラズマ生成装置において、
前記筒状プラズマ生成室の端面壁部および側面壁部を、高周波磁界が通過可能な部材で形成し、
前記磁路構造体は、前記端面壁部に沿って配置される第1の構造体と、前記側面壁部に沿って配置される第2の構造体とを備えることを特徴とする高周波誘導結合プラズマ生成装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高周波誘導結合プラズマ生成装置と、
プラズマにより処理される被処理体が収容されるチャンバとを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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