JP3804142B2 - 無人車の操舵制御方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無人車の操舵制御方法に係り、詳しくはスピンターンして他の誘導線上に無人車を乗せるための操舵制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、無人車は床面に敷設された誘導線が機台の中央位置を通過するように操舵制御しながら走行する。図17はリーチ式無人フォークリフトを説明するための原理図である。該フォークリフト50は操舵駆動輪51が車両本体の後部左側に設けられ、後部右側及び前部左右両側に従動輪52〜54が設けられている。操舵駆動輪51は操舵用モータにて水平方向に360度回動し操舵角を決める。又、操舵駆動輪51は図示しない走行用モータにより駆動してフォークリフト50を走行させる。
【0003】
無人フォークリフト50には前方誘導センサ55と後方誘導センサ56が備えられている。前方誘導センサ55は車両本体前方中央位置に配設されている。又、後方誘導センサ56は車両本体後方中央位置に配置されている。両センサ55,56はそれぞれ左右一対のピックアップコイルを備え、上方から見てその左右一対のピックアップコイル間を通過する誘導線に対して車両本体中心位置(中心軸線C0)の変位量を各ピックアップコイルから検出する。そして、例えば直線に敷設された誘導線に沿って走行する場合、常に上方から見て両誘導センサ55,56のそれぞれの左右一対のピックアップコイル間の中央を誘導線が通過するように操舵駆動輪51の操舵角を制御しながら無人フォークリフト50は走行している。
【0004】
そして、その時々の操舵操作量Sは以下のような演算式で求められる。
S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3
K1、K2、K3は利得を決めるための常数。
【0005】
Q1は横変位量であって、以下のように定義している。横変位量Q1は車両本体の前後方向の中心軸線C0が上方から見て誘導線に対して直角方向にどれだけ変位しているか示す量であって、前記前方誘導センサ55に基づいて求めた変位量(前方横変位量Qf)と後方誘導センサ56に基づいて求めた変位量(後方横変位量Qb)の平均値を横変位量Q1としている。
【0006】
Q2は現在の操舵角であって、以下のように定義している。操舵角Q2は操舵駆動輪51が上方から見て車両本体の中心軸線C0と平行の状態を基準にその中心線となす角度を操舵角とし、図示しない操舵角センサにて求められるようになっている。因みに、図17において、上方から見て時計回り方向をプラス、反時計回り方向をマイナスの操舵角としている。
【0007】
Q3は姿勢角であって、以下のように定義している。姿勢角Q3は車両本体の中心軸線C0と誘導線となす角度であって、誘導線を基準に車両本体の中心軸線C0が時計方向に変位している時プラス、反時計方向に変位している時マイナスの姿勢角としている。そして、前方及び後方誘導センサ55、56にて求めた前方変位量Qf、後方変位量Qbに基づいて姿勢角Q3は求められる。従って、その時々(例えば250msecごと)にその時の前方及び後方誘導センサ55、56が検出した前方横変位量Qf、後方横変位量Qbから横変位量Q1、姿勢角Q3が求められ、又、図示しない操舵角センサからその時の操舵角Q2が求められて、前記演算式に基づく操作量Sが求められる。そして、求められたその時の操作量Sに従って操舵駆動輪51の操舵角Q2が制御される。
【0008】
ところで、図18に示すような一つの誘導線L1に対して直交する他の誘導線L2が敷設され、一方の誘導線L1に沿って走行した無人フォークリフト50が他方の誘導線L2に移りその移った他方の誘導線L2に沿って走行する場合がある。この他の誘導線L2に乗り移る場合、いわゆるスピンターンで乗り移る。スピンターンは、以下のように行われていた。
【0009】
誘導線L1に沿って前進走行してきたフォークリフト50が図示しないスピンターンのマークプレートを検出し、前方誘導センサ55の中心位置が両誘導線L1、L2の交点と一致するように停止する。この停止した状態で、ステアリングタイヤの操舵角Q2を90度にすべく該タイヤを時計回り方向に90度水平回動させる。操舵角Q2が90度になると、操舵駆動輪51を回転駆動させて車両本体を反時計回り方向に回動(スピンターン)させる。やがて、後方誘導センサ56が他方の誘導線L2を検知し、上方から見て該センサ56の左右一対のピックアップコイルの中央に該誘導線L2が位置した時、一旦操舵駆動輪51の回転駆動を停止してスピンターンを停止する。続いて、操舵駆動輪51を反時計回り方向に90度水平方向に回動させて操舵角Q2を車両本体の中心軸線C0と一致、即ち0度にさせる。そして、この状態において、フォークリフト50は、誘導線L2に沿って操舵制御しながら走行を開始する。
【0010】
しかしながら、フォークリフト50において、スピンターンをして一方の誘導線L1から他方の誘導線L2に乗り移る場合、車両本体の回動中心は従動輪52〜54の変則的動きによって前方誘導センサ55の中心位置にならない。従って、スピンターンを行った後は、両誘導線L1、L2から前方誘導センサ55が外れる。
【0011】
この交点から外れることは、誘導線L2が上方から見て前方誘導センサ55の左右一対のピックアップコイルの中央位置にないことを意味するとともに、該車両本体が誘導線L2に対して傾いていることを意味する。従って、誘導線L2に沿って操舵制御しながら走行を開始する時、操舵操作量Sを前記説明した演算式で求めてその求めた操舵操作量Sにて走行していち早く誘導線L2と機台の中心線C0とが一致するように制御することになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このスピンターン後の誘導線L2と車両本体の中心軸線C0とが一致するように行われる操舵制御は、明らかなように蛇行しながら収束するフィードバック制御である。その結果、完全に誘導線L2と車両本体の中心軸線C0とが上方から見て一致するまでにはある程度の長い距離を走行する必要が生じる。この走行距離が長くなることにより以下の問題が生じていた。
【0013】
該誘導線L2に乗り移ったフォークリフト50に対して次の運行命令を支持するためのマークプレートは該誘導線L2の両側に配置されている。このマークプレートの検出はフォークリフト50に設けたマーク検出センサにて行われる。マーク検出センサは、後方誘導センサ56が配設された近くに配設されその取付箇所が限定されている。つまり、マーク検出センサはフォークリフト50が誘導線L2に対して該車両本体の中心軸線C0とが上方から見て一致した状態でないとマークプレートを検出できないほどその取付箇所が限定されている。従って、スピンターン後長い距離走行しないと一致しないことから、蛇行走行により読み落としを無くすためにマークプレートを設置する箇所は両誘導線L1、L2の交点から離間した後方位置に配置しなければならない。
【0014】
しかしながら、壁、通路等によって誘導線L2の後方に制限がある誘導線のレイアウトの場合、マークプレートは後方位置に設置できないという問題が生じる。その結果、無人フォークリフト50を利用した無人搬送システムにおけるレイアウトの自由度が大きく制限されていた。
【0015】
又、誘導線L2の後方に制限がなく後方位置にマークプレートが設置できても、その設置された位置まで到達するのに時間を要し、次の運行指令に基づく走行に時間を要し、効率のよい走行ができなかった。
【0016】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は他の誘導線に乗り移る際、短い走行距離で乗り移った誘導線と機台とのズレを解消することができる無人車の操舵制御方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両における前側に設けられた左右一対の従動輪と、車両前後方向に延びる中心軸線に対し偏位して設けられるとともに車両における後側に設けられてスピンターンを行うことができる操舵輪と、車両における前記従動輪側に設けられて誘導線に対する前方の変位量を検出する前方誘導センサ車両における前記操舵輪側に設けられて誘導線に対する後方の変位量を検出する後方誘導センサを備えた無人車が第1の誘導線から同第1の誘導線と交差する第2の誘導線に乗り移るための無人車の操舵制御方法であって、前記第1の誘導線と第2の誘導線との交点に前記前方誘導センサ又は前記一対の従動輪の中心が到達したとき、該無人車を1次スピンターンさせた後、前記前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第1の規定値以下になるまで操舵角を制御しながら前進又は後進させ、該変位量が前記第1の規定値以下になった時、2次スピンターンを前記後方誘導センサが検出する第2の誘導線に対して後方の変位量が予め定めた第2の規定値以下になるまで行うようにした。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無人車の操舵制御方法において、前記1次スピンターンは、前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第3の規定値に達するまで行うようにした。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の無人車の操舵制御方法において、前記1次スピンターンは、前記後方誘導センサが第2の誘導線を検出し、その後方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する後方の変位量が予め定めた第4の規定値以下になるまで行うようにした。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無人車の操舵制御方法において、第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第1の規定値以下になるように後進又は前進させる際の操舵輪の操舵角は前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量に基づいて決定されるようにした。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の無人車の操舵制御方法において、前記2次スピンターンの際に前記第2の規定値に到達する前に前方誘導センサが検出する変位量が予め定めた第5の規定値に達したとき、2次スピンターンを中止し前方誘導センサの変位量が前記第1の規定値以下になるまで前進又は後進させた後に2次スピンターンを再開するようにした。
【0022】
従って、請求項1に記載の発明によれば、無人車は、1次スピンターンを行った後、前方誘導センサが検出した第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第1の規定値以下になるように前進又は後進して補正を行う。よって、2次スピンターンを行い後方誘導センサが第2の誘導線に対して後方の変位量が予め定めた第2の規定値以下になった時、前方誘導センサを第2の誘導線とほぼ一致させたままにすることができ、大きく蛇行しながら前方誘導センサ及び後方誘導センサを第2の誘導線に一致させなくてもよくなり、乗り移った誘導線と機台とのズレを解消するための長い走行距離が不要となる。
【0023】
請求項2に記載の発明によれば、無人車は、前方誘導センサが検出した第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第3の規定値に達するまで1次スピンターンし、前進又は後進する。よって、請求項1の効果と同様な効果を得るとともに、前進又は後進するタイミングを容易に計ることができる。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、無人車は、前記後方誘導センサが第2の誘導線を検出して、その後方誘導センサが検出した第2の誘導線に対する後方の変位量が予め定めた第4の規定値以下になるまで1次スピンターンし、前進又は後進する。よって、請求項1の効果と同様な効果を得るとともに、前進又は後進するタイミングを容易に計ることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、操舵輪の操舵角は前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量に基づいて決定され、後進又は前進する。これにより、前方誘導センサの第2の誘導線に対する前方の変位量を予め定めた第1の規定値以下にするまでの距離及び時間を短くすることができる。
【0026】
請求項5に記載の発明によれば、2次スピンターンの途中に前方誘導センサの変位量が第5の規定値まで変位したとき、2次スピンターンを一時中止し前進又は後進させて前方誘導センサの変位量を第1の規定値以下にする。そして、再び2次スピンターンを再開する。よって、結果的に2次スピンターンを終了した時、前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する変位量を更に小さくすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明をバッテリ搭載型リーチ式無人フォークリフトに具体化した第1の実施の形態を図1〜図11に従って説明する。
【0028】
図2は、リーチ式無人フォークリフト(以下、単にフォークリフトという)の側面を示す。該フォークリフトは床面に敷設した誘導線L(図4参照)に沿って走行する。フォークリフトの車両本体1は、その前面に左右一対のレグ2が前方に延出している。この左右一対のレグ2の間に、図示しないリーチシリンダにて前後方向に移動可能な左右一対のマスト3が配設されている。この一対のマスト3間には、リフトシリンダ4にてマスト3に沿って上下方向に移動可能なリフトブラケット5が設けられ、そのリフトブラケット5には左右一対のフォーク6が取着されている。
【0029】
左右一対のレグ2の先端部下面には、それぞれ従動輪7がそれぞれ配設されている。車両本体1の左側下面には、操舵駆動輪8が配設されている。又、車両本体1の右側下面には、図3に示すように、キャスタホイール9が配設されている。操舵駆動輪8とキャスタホイール9は上方から見て車両本体1の前後方向に延びる車両本体1を左右に2等分する中心軸線C0を中心線として対称位置に配設されている。図4に示すように、車両本体1の内部には走行用モータ10が設けられ、該走行用モータ10にて操舵駆動輪8を回転駆動させる。又、車両本体1の内部には操舵用モータ11が設けられ、該操舵用モータ11にて操舵駆動輪8を水平方向に360度回動させることができる。つまり、操舵用モータ11を駆動制御することで操舵駆動輪8の操舵角Q2が制御される。尚、この操舵角Q2は、図5に示すように、該操舵駆動輪8が前記車両本体1の中心軸線C0と平行に向いている時(この時を0度とする)にその操舵駆動輪8の車軸の中央を直交し該中心軸線C0と平行に延びる線を基準線C1とし、それを基準として決定される。そして、操舵角Q2は操舵駆動輪8が基準線C1を基準として右側(車両の上方から見て時計回り)に水平回動した時プラス、左側(車両の上方から見て反時計回り)に水平回動した時マイナスの値をとる。操舵駆動輪8は同駆動輪8と一体的に水平回動するギア12が設けられ、該ギア12と噛合して回転してその時々の操舵駆動輪8の操舵角Q2を検出するロータリ式ポテンショメータよりなる操舵角センサ13が設けられている。
【0030】
車両本体1の下面には、後方誘導センサ14が設けられている。後方誘導センサ14は左右一対のピックアップコイル15を備え、その両ピックアップコイル15は互いに車両本体1の中心軸線C0を中心線として対称位置に配置されている。両ピックアップコイル15は床面に敷設した誘導線Lに流れる微弱な電流を検知してその検出した電流値に基づいて後方誘導センサ14が配置された位置が誘導線Lに対してどちらのピックアップコイル15側にどれくらい変位(後方変位量Qb)しているかを検出する。そして、この後方変位量Qbは、通常走行時に誘導線Lと前記中心軸線C0とを上方から見て一致させるための操舵制御に使用される。尚、本実施の形態では、誘導線Lに対して後方変位量Qbが右側に変位しているときにはマイナスの値を、左側に変位しているときにはプラスの値をとる。従って、後方変位量Qbが0となるときは、一対のピックアップコイル15間の中間位置に誘導線Lがあることになる。
【0031】
車両本体1の前面下部中央位置には、支持アーム16が前方に延出形成されている。支持アーム16の先端部には前方誘導センサ17が設けられている。前方誘導センサ17は左右一対のピックアップコイル18を備え、その両ピックアップコイル18は互いに車両本体1の中心軸線C0を中心線として対称位置に配置されている。両ピックアップコイル18は床面に敷設した誘導線Lに流れる微弱な電流を検知してその検出した電流値に基づいて前方誘導センサ17が配置された位置が誘導線Lに対してどちらのピックアップコイル18側にどれくらい変位(前方変位量Qf)しているかを検出する。そして、この前方変位量Qfは、通常走行時に誘導線Lと前記中心軸線C0とを上方から見て一致させるための操舵制御に使用される。又、前記後方誘導センサ14と前方誘導センサ17の両検出信号に基づいてその設置位置における誘導線Lに対して中心軸線C0の変位がそれぞれ求められることから、その両変位から車両本体1の誘導線Lに対する姿勢角Q3が求められる。尚、本実施の形態では誘導線Lに対して前方変位量Qfが右側に変位しているとき、マイナスの値をとり、左側に変位しているとき、プラスの値をとる。従って、前方変位量Qfが0となるときは、一対のピックアップコイル18間の中間位置に誘導線Lがあることになる。
【0032】
尚、車両本体1の下面には、中心軸線C0を挟んで6個のマーク検出センサ19が配設されている。このマーク検出センサ19は反射式光センサであって、誘導線Lに沿って形成されるフォークリフトの走行経路上の床面に配設された該フォークリフトの運行を指示するためのマークプレートMP(図7参照)を検出する。
【0033】
次に上記のように構成されたフォークリフトの電気的構成について図6に従って説明する。
操舵走行用コントローラ(以下、単にコントローラ)21は車両本体1のコントロールボックス20に収容されている。コントローラ21は、中央処理装置(CPU)21a、操舵、走行及び運行制御のための制御プログラムを記憶した読み出し専用メモリ(ROM)21b、演算結果等を一時記憶する読み出し及び書き替え可能な作業用メモリ(RAM)21c等から構成されている。CPU21aは、操舵角センサ13とA/Dコンバータ22を介して接続されている。CPU21aは、後方誘導センサ14及び前方誘導センサ17とA/Dコンバータ23、24を介して接続されている。CPU21aは、6個のマーク検出センサ19と接続されている。又、CPU21aは、走行用モータ駆動回路25に接続されていて、走行用モータ10を駆動制御する。CPU21aは、操舵用モータ駆動回路26に接続され、操舵用モータ11を駆動制御する。
【0034】
CPU21aはA/Dコンバータ22を介して操舵角センサ13からの検出信号を入力してその時の操舵駆動輪8の操舵角Q2を演算する。CPU21aはA/Dコンバータ23を介して後方誘導センサ14に備えた左右一対のピックアップコイル15からの各検出信号を入力してその時の後方誘導センサ14が配置された位置における誘導線Lに対する中心軸線C0の後方変位量Qbを演算する。
【0035】
CPU21aはA/Dコンバータ24を介して前方誘導センサ17に備えた左右一対のピックアップコイル18からの各検出信号を入力してその時の前方誘導センサ17が配置された位置における誘導線Lに対する中心軸線C0の前方変位量Qfを演算する。又、CPU21aは、これら前方及び後方変位量Qf、Qbから車両本体1全体の横変位量Q1(=(Qf+Qb)/2)を演算する。さらに、CPU21aは、前方及び後方横変位量Qf、Qbから車両本体1の誘導線Lに対する姿勢角Q3を演算する。
【0036】
CPU21aは、マーク検出センサ19から走行経路上の床面に配置した複数のマークプレートMPの配置を認識し次にフォークリフトが行う運行を実行する。フォークリフトの運行内容は、誘導線に沿って高速走行、誘導線に沿って低速走行、所定の場所まで前進して停止し荷役作業した後後進して元の場所まで戻るといった内容等である。これら上記の運行における走行(通常走行)の操舵制御は誘導線Lと車両本体1の中心軸線C0が上方から見て一致するように行われる。この通常走行において、CPU21aは前記従来の技術で示した演算式を使って操舵操作量S(=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)を予め定めた時間毎に求め、この操舵操作量Sを使って操舵用モータ11を駆動回路26を介して駆動制御して操舵駆動輪8を誘導線Lと中心軸線C0が一致するように操舵制御する。
【0037】
また、運行の内容には、図7に示すように二つの第1及び第2の誘導線L1、L2が直交する箇所があり、例えば第1の誘導線L1にあるフォークリフトが第2の誘導線L2に乗り移る内容がある。この内容は、交差する点P0より手前に配設されているマークプレートMPの配列によって指示される。CPU21aはこの内容を認識すると、乗り移りのための操舵制御をROM21bに記憶した制御プログラムに従って実行する。
【0038】
次に、CPU21aによるフォークリフトの乗り移りのための操舵制御を図1に示すCPU21aの動作を示すフローチャートに従って説明する。
今、説明の便宜上、第1の誘導線L1と第2の誘導線L2が交差していて、第1の誘導線L1から第2の誘導線L2に乗り移る場合について説明する。
【0039】
図7において、フォークリフトが第1の誘導線L1に沿って第2の誘導線L2と交差する点P0に向かって通常の前進走行している。そして、点P0に到達する手前のマークプレートMPをマーク検出センサ19が検出する。そして、CPU21aは第2の誘導線L2に乗り移る内容と認識すると、乗り移りのための操舵制御を実行する。まず、CPU21aは、ステップ1において前方誘導センサ17が両誘導線L1、L2の交差する点P0まで走行用モータ10を駆動させてフォークリフトを前進させる。前方誘導センサ17が交点P0に到達すると、ステップ2,3においてCPU21aは走行用モータ10を停止させる。この交点P0の到達判断は、前方誘導センサ17に備えた左右一対のピックアップコイル18からの検出信号によって判断される。つまり、交点P0では、第1の誘導線L1の微弱電流の他に第2の誘導線L2の微弱電流の影響を受ける。つまり、第1の誘導線L1に流れる微弱電流の周波数と異なる周波数の第2の誘導線L2に流れる微弱電流の影響を受ける。そして、左右一対のピックアップコイル18は第2の誘導線L2に流れる微弱電流に基づく検出信号もCPU21aに出力する。CPU21aはこの第2の誘導線L2の微弱電流に基づく検出信号に基づいて交点P0に到達したと判断している。尚、この到達の判断は、予め前記マークプレートMPから交点P0まで走行距離を記憶し、計測輪で計測させて交点P0まで走行させるようにしてもよい。又、このステップ2,3では、前方誘導センサ17が交点P0に到達したとき走行用モータ10を停止させるとしたが、前記計測輪で計測させて停止させる場合、例えば左右の従動輪7の中心が交点P0に到達したとき走行用モータ10を停止させるようにしてもよい。
【0040】
交点P0まで到達し停止すると、CPU21aはステップ4に移り1次スピンターンを実行する。即ち、図8に示すように、CPU21aは操舵用モータ11を駆動制御して操舵駆動輪8をプラスに90度水平回動させ、操舵角Q2を90度にする。操舵角Q2を90度に固定した後、CPU21aは走行用モータ10を前進方向へ駆動、即ち1次スピンターンを実行させる。そして、1次スピンターンが開始されると、後方誘導センサ14は第1の誘導線L1から外れる。
【0041】
一方、前方誘導センサ17は、本実施の形態ではその左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zがスピンターンの回動中心とならないので、左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第2の誘導線L2に対して変位(この場合右方に変位するものとする)する。この時、CPU21aは左右一対のピックアップコイル18により第2の誘導線L2に対する変位量Qfを検出している。そして、図9に示すように前記前方誘導センサ17の第2の誘導線L2に対する前方変位量Qfの絶対値が予め設定された第3の規定値Qfzに達すると、ステップ5,6においてCPU21aは走行用モータ10を停止させて1次スピンターンを停止させる。この時、図8に示すように、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zは第2の誘導線L2に対して右方に規定値Qfz変位している。
【0042】
次に、CPU21aは、ステップ7に移り前方変位量Qfの絶対値が第1の規定値Qfxになるように操舵駆動輪8を走行操舵制御する。CPU21aは操舵用モータ11を以下の演算式を使用して、その時々に求められる操舵操作量S1に基づいて操舵用モータ11を駆動制御して操舵駆動輪8を操舵制御させる。
【0043】
S1=(A−K4・Qf)
K4は利得を決めるための常数。
Aは操舵角Q2を0度の状態にするための常数。
【0044】
Qfは前方誘導センサ17が配置された位置における誘導線L2に対する中心軸線C0の変位量である。又、この場合、Qfは誘導線L2を基準に前方誘導センサ17が右方に変位しているのでマイナスの変位量となる。
【0045】
つまり、前記演算式によると、前記前方変位量Qfが大きいほど操舵駆動輪8を操舵角Q2がプラス方向に大きくなるように回動させ、より短時間で中心位置Zが第2の誘導線L2上に到達させるようになっている。
【0046】
CPU21aは前述したように操舵駆動輪8を回動させるとともに、走行用モータ10を後進方向へ駆動させ、車両本体1を走行させる。そして、図10に示すように、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx(本実施の形態では第2の誘導線L2上であって、Qfx=0)に到達すると、ステップ8,9においてCPU21aは走行用モータ10を停止させることなく、後方誘導センサ14が第2の誘導線L2に到達するように操舵駆動輪8をマイナス方向に操舵角Q2が基準線C1を基準に−90度となるように水平方向に直ちに回動させる。つまり、2次スピンターンを開始する。そして、図10に示すように、前記第2の誘導線L2に対する後方誘導センサ14のピックアップコイル15間の中間位置Xにおける後方変位量Qbの絶対値が予め定めた第2の規定値Qbz(本実施の形態では第2の誘導線L2上であって、Qbz=0)に到達すると、ステップ10,11においてCPU21aは車両本体1の後方誘導センサ14における中心軸線C0は第2の誘導線L2上に到達したとして、次に前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)により求められる操舵操作量Sに基づいて以後第2の誘導線L2上を走行するための制御を開始して、フォークリフトの第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りは完了する。
【0047】
尚、上記した第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りは、乗り移った後フォークリフトが左方に走行することを前提に説明したが、乗り移った後フォークリフトが右方に走行する場合も、各動作が逆になるだけで同様の原理で動作し乗り移る。
【0048】
次に、上記のような第1の実施の形態における特徴的な作用効果を以下に述べる。
(1)本実施の形態では、1次スピンターン中に前方誘導センサ17の第2の誘導線L2に対する前方変位量Qfの絶対値が第3の規定値Qfzに到達すると、直ちに操舵駆動輪8を操舵操作量S1に基づく操舵制御をしながら、後進する。そして、前方誘導センサ17のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx、即ち第2の誘導線L2と一致すると、2次スピンターンを行う。続いて、後方誘導センサ14の一対のピックアップコイル15の中間位置Xが第2の規定値Qbzに到達すると、CPU21aは2次スピンターンを終了して、通常の操舵操作量Sに基づいて第2の誘導線L2上を操舵走行制御する。つまり、第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りを行うためのスピンターンを1次と2次の2回に分けて行い、その1次と2次のスピンターンの間に、1次スピンターンによる第2の誘導線L2に対する前方誘導センサ17の変位を補正するための後進を行うようにした。よって、2次スピンターンの完了時、車両本体1の中心軸線C0は、第2の誘導線L2とほぼ一致させることができ、以後前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)を使って完全に車両本体1の中心軸線C0を第2の誘導線L2に一致させるまでの距離を短くすることができる。
【0049】
(2)本実施の形態では、上記のようにフォークリフトはスピンターン後のズレを解消するために長い走行距離を必要としないため、蛇行走行が減少し、短距離間にマークプレートMPを配置しても蛇行による読み落としがなくなる。その結果、誘導線のレイアウトの自由度が広がり、利用できる範囲の制限を小さくすることができる。
【0050】
(3)本実施の形態では、1次スピンターン後、操舵操作量S1を求め、それに基づいた操舵角Q2で後進させる。操舵操作量S1に基づいた操舵角Q2は、第2の誘導線L2に対する前方誘導センサ17の前記中間位置Zの前方変位量Qfが、第2の誘導線L2を基準に右方に変位している時、中心軸線C0よりプラス側に、第2の誘導線L2を基準に左方に変位している時、中心軸線C0よりマイナス側になり、前方変位量Qfが大きいほど、中心軸線C0に対し操舵角Q2が広角度となるようになっている。つまり、操舵操作量S1に基づいた操舵角Q2は、中心軸線C0より第2の誘導線L2の垂線の角度に近い角度であるため、操舵角Q2が中心軸線C0と平行な状態で行う後進に比べて、第2の誘導線L2に前方誘導センサ17が到達するまでの距離及び時間は短くなる。その結果、2次スピンターンが終了するまでの距離及び時間は短くなり、誘導線のレイアウトの自由度が広がり、利用できる範囲の制限を小さくすることができる。
【0051】
(4)本実施の形態では、フォークリフトは、前方誘導センサ17が検出した第2の誘導線L2に対する前方変位量Qfの絶対値が予め定めた第3の規定値Qfzになると、1次スピンターンを終了し、前方誘導センサ17が第2の誘導線L2に向かうように後進する。よって、前方誘導センサ17を第2の誘導線L2に到達させるときの後進のタイミングを容易に計ることができる。
【0052】
(5)又、後進により、前方誘導センサ17の中間位置Zの前方変位量Qfの絶対値が第1の規定値Qfxに到達すると、停止することなく、直ちに2次スピンターンを行う。従って、第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移り時間は短縮される。
【0053】
(第2の実施の形態)
以下、本発明をバッテリ搭載型リーチ式無人フォークリフトに具体化した第2の実施の形態について説明する。
【0054】
このフォークリフトは第1の実施の形態のフォークリフトが1次スピンターンを終了させるときの条件が異なるのみなので、第1の実施の形態のフォークリフトと同様の部材は同様の符号を付して省略するとともに、同様の各動作においてもその説明を簡略化し、CPU21aによるフォークリフトの乗り移りのための操舵制御の要部についてのみ説明する。
【0055】
図7において、フォークリフトが第1の誘導線L1に沿って第2の誘導線L2と交差する点P0に向かって通常の前進走行している。そして、第1の実施の形態で述べたように、交点P0まで到達すると停止し、CPU21aは1次スピンターンを実行する。1次スピンターンが開始されると、後方誘導センサ14は第1の誘導線L1から外れる。
【0056】
やがて、図12に示すように、CPU21aは後方誘導センサ14の一対のピックアップコイル15の中間位置Xにおける第2の誘導線L2に対する後方変位量Qbの絶対値が予め設定された第4の規定値Qbx(本実施の形態では第2の誘導線L2上であって、Qbx=0)に達すると、走行用モータ10を停止させて1次スピンターンを停止させる。このとき、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zは第2の誘導線L2に対して右方にQf変位している。
【0057】
次に、CPU21aは前方変位量Qfの絶対値が第1の規定値Qfxになるように操舵駆動輪8を走行操舵制御する。CPU21aは操舵用モータ11を第1の実施の形態で示した演算式(S1=A−K4・Qf)を使用して、その時々に求められる操舵操作量S1に基づいて操舵用モータ11を駆動制御して操舵駆動輪8を操舵制御させる。
【0058】
つまり、前記演算式によると、前記前方変位量Qfが大きいほど操舵駆動輪8を操舵角Q2がプラス方向に大きくなるように回動させ、より短時間で中心位置Zが第2の誘導線L2上に到達させるようになっている。
【0059】
CPU21aは前述したように操舵駆動輪8を回動させるとともに、走行用モータ10を後進方向へ駆動させ、車両本体1を走行させる。そして、図13に示すように、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx(本実施の形態では第2の誘導線L2上であって、Qfx=0)に到達すると、CPU21aは走行用モータ10を停止させることなく、2次スピンターンを開始する。つまり、前方変位量Qfの絶対値が第1の規定値Qfxに到達すると、後方変位量Qbの絶対値が第4の規定値Qbxから外れるため、CPU21aは後方変位量Qbの絶対値が第2の規定値Qbz(本実施の形態では前記第4の規定値Qbxと同じ)となるように2次スピンターンを実行する。
【0060】
そして、前記第2の誘導線L2に対する後方誘導センサ14のピックアップコイル15間の中間位置Xにおける後方変位量Qbの絶対値が予め定めた第2の規定値Qbz(本実施の形態では第2の誘導線L2上であって、Qbx=0)に到達すると、CPU21aは車両本体1の後方誘導センサ14における中心軸線C0は第2の誘導線L2上に到達したとして、次に前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)により求められる操舵操作量Sに基づいて以後第2の誘導線L2上を走行するための制御を開始して、フォークリフトの第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りは完了する。
【0061】
尚、上記した第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りは、乗り移った後フォークリフトが左方に走行することを前提に説明したが、乗り移った後フォークリフトが右方に走行する場合も、各動作が逆になるだけで同様の原理で動作し乗り移る。
【0062】
次に、上記のような第2の実施の形態における特徴的な作用効果を以下に述べる。
(1)本実施の形態では、1次スピンターン中に後方誘導センサ14の第2の誘導線L2に対する後方変位量Qbの絶対値が第4の規定値Qbxに到達すると、直ちに操舵駆動輪8を操舵操作量S1に基づく操舵制御をしながら、後進する。そして、前方誘導センサ17のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx、即ち第2の誘導線L2と一致すると、2次スピンターンを行う。続いて、後方誘導センサ14の一対のピックアップコイル15の中間位置Xが第2の規定値Qbzに到達すると、CPU21aは2次スピンターンを終了して、通常の操舵操作量Sに基づいて第2の誘導線L2上を操舵走行制御する。つまり、第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りを行うためのスピンターンを1次と2次の2回に分けて行い、その1次と2次のスピンターンの間に、1次スピンターンによる第2の誘導線L2に対する前方誘導センサ17の変位を補正するための後進を行うようにした。よって、2次スピンターンの完了時、車両本体1の中心軸線C0は、第2の誘導線L2とほぼ一致させることができ、以後前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)を使って完全に車両本体1の中心軸線C0を第2の誘導線L2に一致させるまでの距離を短くすることができる。
【0063】
(2)本実施の形態では、上記第1の実施の形態の(2),(3),(5)の作用効果を得ることができる。
(3)本実施の形態では、フォークリフトは、後方誘導センサ14が検出した第2の誘導線L2に対する後方変位量Qbの絶対値が予め定めた第4の規定値Qbxになると、1次スピンターンを終了し、前方誘導センサ17が第2の誘導線L2に向かうように後進する。よって、前方誘導センサ17を第2の誘導線L2に到達させるときの後進のタイミングを容易に計ることができる。
【0064】
なお、実施の形態は上記に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
(1)上記第1及び第2の実施の形態では、フォークリフトは、第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りにおいて、乗り移った後フォークリフトが左方に走行する場合、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zがスピンターンの回動中心となることはなく、1次スピンターンの後、左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第2の誘導線L2に対して右方に変位するとしたが、左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第2の誘導線L2に対して左方に変位するフォークリフト、又は、左右どちらかに変位してしまうフォークリフトであってもよい。
【0065】
1次スピンターンにより左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第2の誘導線L2に対して左方に変位する場合、CPU21aは左右一対のピックアップコイル18により第2の誘導線L2に対する左方への変位量Qfを検出している。そして、例えば図14に示すように、前記前方誘導センサ17の第2の誘導線L2に対する前方変位量Qfの絶対値が予め設定された第3の規定値Qfzに達すると、CPU21aは走行用モータ10を停止させて1次スピンターンを停止させる。尚、左方へ変位した場合の変位量Qfの値はプラスの値となっている。
【0066】
すると、CPU21aは操舵用モータ11を前述した演算式(S1=A−K4・Qf)を使用して、その時々に求められる操舵操作量S1に基づいて駆動制御して操舵駆動輪8を回動させる。
【0067】
つまり、前記演算式によると、この場合には前方変位量Qfが大きいほど操舵駆動輪8を操舵角Q2がマイナス方向に大きくなるように回動させ、より短時間に中心位置Zが第2の誘導線L2上に到達させるようになっている。
【0068】
この場合、CPU21aは前述したように操舵駆動輪8を回動させた後、走行用モータ10を前進方向へ駆動させ、車両本体1を走行させる。そして、図15に示すように、前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx(例えばこの場合、第2の誘導線L2上であって、Qfx=0)に到達すると、CPU21aは走行用モータ10を停止させることなく、後方誘導センサ14が第2の誘導線L2に到達するように操舵駆動輪8をプラス方向に操舵角Q2が90度となるように水平方向に直ちに回動させる。つまり、2次スピンターンを開始する。そして、図16に示すように、前記第2の誘導線L2に対する後方誘導センサ14のピックアップコイル15間の中間位置Xにおける後方変位量Qbの絶対値が予め定めた第2の規定値Qbz(例えばこの場合、第2の誘導線L2上であって、Qbz=0)に到達すると、CPU21aは車両本体1の後方誘導センサ14における中心軸線C0は第2の誘導線L2上に到達したとする。そして、前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)により求められる操舵操作量Sに基づいて以後第2の誘導線L2上を走行するための制御を開始して、フォークリフトの第1の誘導線L1から第2の誘導線L2への乗り移りを完了させるようにしてもよい。
【0069】
このように実施しても、2次スピンターンの完了時、車両本体1の中心軸線C0は、第2の誘導線L2とほぼ一致させることができ、車両本体1の中心軸線C0を第2の誘導線L2に一致させるまでの距離を短くすることができる。
【0070】
(2)上記第1及び第2の実施の形態では、1次及び2次スピンターンは操舵角Q2を90度又は−90度にして行ったが、急旋回できれば90度に限定しなくてもよく、例えば80度、85度等としてもよい。
【0071】
(3)上記第1及び第2の実施の形態では、1次スピンターン後、後進させて前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfxに到達すると、走行用モータ10を停止させることなく、後方誘導センサ14を第2の規定値Qbzに到達させるように操舵角Q2を変位させ、2次スピンターンを開始するとしたが、後進させて前方誘導センサ17の左右一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第1の規定値Qfx(実施の形態では第2の誘導線L2上)に到達すると、走行用モータ10を一旦、停止させた後、2次スピンターンを開始するようにしてもよい。
【0072】
このようにすると、走行しながら操舵角Q2を変位させ2次スピンターンを開始するのに比べ、停止した後、2次スピンターンを開始する方がより高精度に走行を制御できる。よって、2次スピンターンの完了時、車両本体1の中心軸線C0は、さらに第2の誘導線L2とほぼ一致させることができ、以後前記従来の技術で示した演算式(S=K1・Q1−K2・Q2−K3・Q3)を使って完全に車両本体1の中心軸線C0を第2の誘導線L2に一致させるまでの距離をさらに短くすることができる。
【0073】
(4)上記第1及び第2の実施の形態における2次スピンターンは、第2の規定値Qbzに到達するまで、2次スピンターンを行うようにした。これを2次スピンターンの途中であって、即ち第2の規定値Qbzに到達する前に前方誘導センサ17が検出する前方変位量Qfの絶対値が予め定めた例えば第3の規定値Qfz以下の値に設定された第5の規定値まで外れたとき、2次スピンターンを一旦中止し前方誘導センサ17の前方変位量Qfの絶対値が前記第1の規定値Qfx以下になるまで前進又は後進させた後に2次スピンターンを再開するようにしてもよい。
【0074】
この場合、2次スピンターンを終了した時、前方誘導センサ17が検出する第2の誘導線L2に対する前方変位量Qfを更に小さくすることができる。
(5)前記各実施の形態では、第1の規定値Qfxに到達するための前進又は後進における操舵制御は、操舵操作量S1(=A−K4・Qf)に基づいて行っていたがこれに限定されるものではない。例えば、操舵角Q2を0度にして前進又は後進させてもよい。この場合、CPU21aの負荷が軽減される。
【0075】
(6)上記第1及び第2の実施の形態では、第1の規定値Qfxは第2の誘導線L2上であるとして、前方誘導センサ17の一対のピックアップコイル18間の中間位置Zが第2の誘導線L2上に到達すると、走行用モータ10を停止させることなく、2次スピンターンを開始するとしたが、この第1の規定値Qfxは、走行用モータ10を停止させることなく2次スピンターンを開始しようとすることにより起こる実際に2次スピンターンが開始されるまでの前方誘導センサ17の変位を考慮して所定の幅を持たせて設定してもよい。このようにすると、前方変位量Qfが所定の幅を持った第1の規定値Qfxに到達すると2次スピンターンを開始しようとする。そして、2次スピンターンが実際開始されるまでに起こる変位により、前方変位量Qfは0に近づき、2次スピンターンが実際に開始される。よって、2次スピンターンの完了時、車両本体1の中心軸線C0は、さらに第2の誘導線L2とほぼ一致させることができ、車両本体1の中心軸線C0を第2の誘導線L2に一致させるまでの距離をさらに短くすることができる。尚、第2の規定値Qbz及び第4の規定値Qbxも同様に第2の誘導線L2上であるとしたが、所定の幅を持たせて実施してもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、他の誘導線に乗り移る際、短い走行距離で乗り移った誘導線と機台とのズレを解消することができる無人車の操舵制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における操舵走行用コントローラの動作を説明するためのフローチャート図。
【図2】実施の形態におけるリーチ式無人フォークリフトの側面図。
【図3】実施の形態におけるフォークリフトを説明するための説明図。
【図4】実施の形態におけるフォークリフトを説明するための説明図。
【図5】実施の形態における操舵駆動輪を説明するための説明図。
【図6】実施の形態におけるフォークリフトの電気的構成を示す説明図。
【図7】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図8】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図9】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図10】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図11】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図12】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図13】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図14】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図15】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図16】フォークリフトの乗り移りを説明するための説明図。
【図17】従来のフォークリフトを説明するための説明図。
【図18】従来のフォークリフトの操舵制御を説明するための説明図。
【符号の説明】
8…操舵輪(操舵駆動輪)、14…後方誘導センサ、17…前方誘導センサ、L1…第1の誘導線、L2…第2の誘導線、Qf…前方変位量、Qb…後方変位量、Qfx…第1の規定値、Qbz…第2の規定値、Qfz…第3の規定値、Qbx…第4の規定値。

Claims (5)

  1. 車両における前側に設けられた左右一対の従動輪と、車両前後方向に延びる中心軸線に対し偏位して設けられるとともに車両における後側に設けられてスピンターンを行うことができる操舵輪と、車両における前記従動輪側に設けられて誘導線に対する前方の変位量を検出する前方誘導センサ車両における前記操舵輪側に設けられて誘導線に対する後方の変位量を検出する後方誘導センサを備えた無人車が第1の誘導線から同第1の誘導線と交差する第2の誘導線に乗り移るための無人車の操舵制御方法であって、
    前記第1の誘導線と第2の誘導線との交点に前記前方誘導センサ又は前記左右の従動輪の中心が到達したとき、該無人車を1次スピンターンさせた後、前記前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第1の規定値以下になるまで操舵角を制御しながら前進又は後進させ、該変位量が前記第1の規定値以下になった時、2次スピンターンを前記後方誘導センサが検出する第2の誘導線に対して後方の変位量が予め定めた第2の規定値以下になるまで行うようにした無人車の操舵制御方法。
  2. 請求項1に記載の無人車の操舵制御方法において、前記1次スピンターンは、前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第3の規定値に達するまで行うようにした無人車の操舵制御方法。
  3. 請求項1に記載の無人車の操舵制御方法において、前記1次スピンターンは、前記後方誘導センサが第2の誘導線を検出し、その後方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する後方の変位量が予め定めた第4の規定値以下になるまで行うようにした無人車の操舵制御方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無人車の操舵制御方法において、第2の誘導線に対する前方の変位量が予め定めた第1の規定値以下になるように後進又は前進させる際の操舵輪の操舵角は前方誘導センサが検出する第2の誘導線に対する前方の変位量に基づいて決定されるようにした無人車の操舵制御方法。
  5. 請求項3に記載の無人車の操舵制御方法において、前記2次スピンターンの際に前記第2の規定値に到達する前に前方誘導センサが検出する変位量が予め定めた第5の規定値に達したとき、2次スピンターンを中止し前方誘導センサの変位量が前記第1の規定値以下になるまで前進又は後進させた後に2次スピンターンを再開するようにした無人車の操舵制御方法。
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