JP3803984B2 - 個人識別方法とコンタクトレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人の眼の映像から個人を識別する個人識別方法とこの個人識別に利用されるコンタクトレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
人の眼の映像、特に虹彩にはそれぞれ固有のパターンが存在し、これを用いた個人識別のための技術が開発されている。このパターンはアイリスパターンと呼ばれ、例えば特公平5−84166号公報等に記載された技術によって、人の眼から取得され保存されて利用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のこの種の個人識別方法では、コンタクトレンズを装着した人に対するいくつかの解決すべき課題が存在する。
コンタクトレンズを装着した者の場合、コンタクトレンズと共に映像を取得し、アイリスパターンのような個人識別のために必要な特徴データを得ることができる。
しかしながら、例えばコンタクトレンズでは、瞳孔から離れた周辺部分に度数を識別するためのローマ字や数字、記号等の文字がプリントされているものがある。こうした構成のコンタクトレンズを装着したままアイリスパターンのような特徴データを取得すると、ノイズを除去した裸眼の状態で登録された特徴データと比較した場合に、データの内容が一致せず、本人かどうかを確認できないことがある。
【0004】
特徴データの登録を行う際にコンタクトレンズを装着し、実際に個人識別を行う場合にも同一のコンタクトレンズを使用したとしても、コンタクトレンズは眼球の表面で自由に回転することから、文字の位置が移動して特徴データに不一致が生じることもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
コンタクトレンズの表面外周部に、特定の個人に付した個人識別用コードを設け、上記コンタクトレンズ装着者の眼を撮影して眼の映像を取得するとともに、上記個人識別用コードの映像を上記眼の映像から切り出して認識し、上記眼の映像の特徴を既登録特徴データと比較照合して一致すると該既登録特徴データに対応させた個人の固有情報を出力するとともに、上記認識した個人識別用コードに対応させた個人の固有情報を出力して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
【0007】
〈構成
コンタクトレンズの表面外周部に、個人識別用コードを付し、上記コンタクトレンズ装着者の眼を撮影して眼の映像を取得するとともに、上記個人識別用コードの映像を上記眼の映像から切り出して認識し、その個人識別用コードと対応させて保存された既登録の特徴データを取り出して、上記撮影して得た眼の映像の特徴を既登録の特徴データと比較照合して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
【0008】
〈構成
構成において、個人識別用コードと対応させて保存された複数の既登録の特徴データを取り出して、上記眼の映像の特徴をこれらの既登録の特徴データと比較照合して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
【0009】
〈構成
構成1において、 眼の映像の特徴を既登録特徴データと比較照合して一致した結果を、上記認識した個人識別用コードに対応させた固有情報に基づく結果よりも優先させることを特徴とする個人識別方法。
【0010】
〈構成5〉
構成1記載の個人識別方法に用いられるコンタクトレンズであって、上記個人の固有情報に対応させた個人識別用コードが設けられていることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0011】
〈構成
構成において、左右の眼に装着するコンタクトレンズに、それぞれ異なる上記個人識別用コードが設けられることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0012】
〈構成
構成において、上記各個人識別用コードは、装着者が左用か右用かを区別できるマークを有することを特徴とするコンタクトレンズ。
【0013】
〈構成
構成において、上記個人識別用コードは、中心からみてほぼ同一円周上に複数個付されていることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0014】
〈構成
構成において、上記個人識別用コードは、その一端に境表示する記号が付加されていることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0015】
〈構成10
構成において、上記個人識別用コードは、可視光線以外の光線を照射して撮影が可能であり、かつ、肉眼で認識することが容易でない色で印刷されることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0016】
〈構成11
構成において、上記個人識別用コードは、バーコードにより表現されることを特徴とするコンタクトレンズ。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
〈具体例1〉
図1は、具体例1の方法を実施するシステムブロック図である。
図に示すように、この発明では、眼1にコンタクトレンズ3を装着した状態で眼の映像を取得し、アイリスパターンのような特徴データを取得する。そして、予め登録した特徴データと一致する特徴を持つ者を本人と認識する。眼1には、丁度瞳孔2を中心とするようにコンタクトレンズ3が装着される。この具体例では、そのコンタクトレンズ3の表面外周部に個人識別用コード4をインク等で印刷している。なお、この個人識別用コード4をコンタクトレンズ3に付す方法は、表面印刷でもよいし、何らかのプレス加工等と組み合わせる方法でもよい。また、個人識別用コード4の内容は、文字や記号、数字、その他各種の符号的なデータとすることができる。なお、このようなアイリスデータを取得し、個人を識別するための装置は、例えば証券会社や銀行等の金融機関に据え付けられたATM(自動取引装置)に採用することができる。なお、ここで自動取引装置の外観について予め簡単に説明をする。
【0018】
図2には、自動取引装置を用いたシステムの外観図を示す。
図に示す自動取引装置10にはカメラ6が内蔵されている。このカメラ6を用いて取引の対象者15を撮影する。この撮影の際に眼をズームアップし、眼の映像を取得する。これによって個人識別を終了すると、その識別結果はホストコンピュータ20に送信され、例えば預貯金の引出し、その他の処理が進められる。
【0019】
再び、図1に戻って、上記のような自動取引装置の中には例えばこの図に示すような機能ブロックが組み込まれる。
ここには、カメラ6、画像処理部7、特徴データ処理部8、個人識別用コード認識部9、既登録特徴データファイル11、照合部12及び個人識別結果出力部13が設けられている。カメラ6は眼1を撮影するためのもので、これによって得られた眼の映像は画像処理部7においてイメージデータに変換処理される。画像処理部7の出力は特徴データ処理部8に入力し、ここで眼の映像から眼の特徴データを取得する。この特徴データは、例えば既に紹介した既存のアイリスデータ、その他の眼の映像から取得された各種のデータである。
【0020】
画像処理部7の出力は、個人識別用コード認識部9に対しても送り込まれる。個人識別用コード認識部9は、コンタクトレンズ3の周辺部に存在する個人識別用コード4の像を切り出してこれを構成する各文字の認識処理を行う。文書上に記入された文字等を切り出して、その各文字を認識し文字コード等を得る技術は、従来よりOCR(光学的文字読取装置)等で採用された技術と同一である。従って、更に詳細な構成や動作は省略するが、これによって個人識別用コード認識部9から最終的にその個人のID番号が出力される。このID番号は、金融機関等で各個人に固有の番号として与えられたもので、個人識別用コード4と同一であってもよいし、一旦これを演算処理したり、あるいは適当なテーブル変換を施して得られた文字や符号の組み合せにより構成してもよい。
【0021】
特徴データ処理部8の出力は照合部12に送り込まれる。一方、既登録特徴データファイル11には、例えばその自動取引装置を使用して預貯金等の取引を行う顧客全ての特徴データが格納されている。この特徴データは、ここに示した方法と全く同様の方法によって得られた眼の映像の特徴を表すデータである。照合部12は、特徴データ処理部8の出力と既登録特徴データファイル11の内容を比較処理し、該当するものを検出する処理を行う部分である。この処理の結果、例えば該当する特徴データと対応して格納されたID番号等が出力される。個人識別結果出力部13は、個人識別用コード認識部9と照合部12の出力を受け入れて両者を比較し、例えば両者の出力するID番号が一致している場合には、該当する個人を識別しその判断結果をホストコンピュータ等に転送する。また、不一致の場合にはその旨をホストコンピュータに通知する。これによって、取引を開始したり、あるいは取引を拒絶するといった処置が施される。
【0022】
図3には、文字切り出し処理の説明図を示す。
上記のように画像処理部7の出力を、特徴データ処理部8や個人識別用コード認識部9が処理する際に、カメラ6によって撮影された眼の映像は次のように処理される。
特徴データ処理部8は、眼の映像からアイリスデータのような所定の形式を持った特徴データを抽出する。このとき、コンタクトレンズ3に付された個人識別用コード4は邪魔になる。そこで、図に示すような破線で囲んだ部分は文字が記入されていると判断された時点で、例えば黒一色に塗りつぶされる。これによって、個人識別用コードがどんな内容であっても眼の映像には影響を与えない。これに対して個人識別用コード認識部9は、丁度文字の記入された部分をイメージデータとして取り出し、1文字ずつ切り出しを行って、図示しないパターン辞書と比較し、文字の認識を行う。こうして、コンタクトレンズから個人識別用コードを取得し処理することができる。なお、このような目的に利用するため、個人識別用コードはコンタクトレンズの瞳孔にかからないような位置にプリントされる。
【0023】
個人識別用コードは、この具体例では、コンタクトレンズの外周部に3箇所プリントしてある。これは、眼球上でコンタクトレンズが回転したり、まつげや瞼がかかったとしても個人識別用コードを明瞭に撮影できるようにするためである。なお、個人識別用コードは、例えば金融機関等のサービス提供者が管理する。従って、このコードをコンタクトレンズに印刷するように眼鏡業者に要求する。また、予め眼鏡業者が可能な限り重複を避けた個人識別用コードをプリントしたコンタクトレンズを販売し、その個人識別用コードが金融機関等に最初に登録され、その後使用されるといった構成にする。コンタクトレンズの中心から半径どのくらいの範囲にこの個人識別用コードが印刷されているか、あるいは何文字分印刷されているかといった情報を個人識別用コード認識部9に保存しておけば、個人識別用コードに対応するイメージの切り出し等が容易にできる。一般に、ハードコンタクトレンズは眼にフィットするように湾曲しているため、裏返しに装着されることはない。また、ソフトコンタクトレンズは文字が裏返しにならないように確認をして装着する。従って、文字認識は確実にできる。
【0024】
〈具体例1の効果〉
以上のように、コンタクトレンズの周辺部は装着者の視界を妨げることなく、しかも日常生活において他人が読み取ることのできないほど小さい文字で個人識別用コードを印刷できることから、これを利用して取引の安全を図ることができる。即ち、アイリスパターンと個人識別用コードとを併用することによって、特徴データによる個人識別結果と個人識別コードによる個人識別結果とが一致した場合にのみ取引を開始することとしてセキュリティを高めることができる。
【0025】
また、コンタクトレンズは他人の者を貸し借りするといったことがなく、しかも通常は眼に装着したままの状態で生活することから、その個人の特徴判断に含めることが容易になる。更に、上記の具体例のように、同一円周上の複数箇所にそれぞれ個人識別用コードをプリントすることによって、瞼やまつげ等に妨げられずに個人識別用コードを明確に撮影することができる。
なお、このような場合に各個人識別用コードの間にスペースを空けておけばその境界は明確になり、認識誤りを生じない。
【0026】
〈具体例2〉
図4には、具体例2の方法を実施するシステムブロック図を示す。
このシステムは、図1に示した具体例1のものと比較すると、カメラ6、画像処理部7、特徴データ処理部8及び個人識別用コード認識部9の部分が同一の構成をしている。一方、個人識別用コード認識部9の出力は検索部16に入力する。検索部16は既登録特徴データファイル11を個人識別用コードをキーとして検索し、特徴データを読み出して照合部17に向け送り込む。特徴データ処理部8の出力も照合部17に入力する。照合部17は特徴データ処理部8が実際に対象者を撮影して得た特徴データと、検索部16が個人識別用コードをもとにファイルから引き出した特徴データとを比較して、両者が一致するかどうかを判断する。両者が一致したかしないかという結果は、個人識別結果出力部13に向けて送り出される。個人識別結果出力部13が照合結果をホストコンピュータへ送信する処理等は具体例1のものと同様である。
【0027】
図5には、既登録特徴データ取出し法の説明図を示す。
例えば、図の(a)の例は、個人識別用コード4を既登録特徴データファイル11のキーとして検索し、該当する人物の特徴データ11Aを1つ取り出す方法である。この方法を採用すれば、照合部17は特徴データ処理部8の出力する特徴データと1回だけ比較を行い、その結果から個人識別を行えばよい。(b)は、個人識別用コード4を用いて既登録特徴データファイル11の中から複数の特徴データ11Bを抽出する方法である。個人識別用コード4自身は、例えばその桁数や決め方から必ずしも全ての対象者に全く別々のコードを割り当てることができないものがある。この場合、既登録特徴データファイル11に格納された全ての特徴データを適当な割合で分割し、個人識別用データと対応付ける。そして、一つの個人識別用データでその一部を取り出して、この一部と実際に比較の対象となる特徴データとを比較する。これによって、図4に示す照合部17において、取り出された複数の対象の中から1つずつ特徴データを取り出し、特徴データ処理部8の出力と比較して一致を探す。そのうちのいずれかと一致すれば、個人認識の結果は取引開始につながり、その逆の場合には取引等が拒絶される。
【0028】
〈具体例2の効果〉
個人識別用コードを用いて1つの特徴データを取り出し照合する方法によれば、既登録特徴データファイル全体を参照して、特徴データの照合を行う場合に比べて、照合処理に必要な演算時間が十分に短縮できる。
また、個人識別用コードを、既登録特徴データファイルをグループ分けするためのコードとして使用すれば、やはり照合対象を絞ることができるため、照合のための演算処理時間短縮を図ることができる。なお、こうして取り出された1個のグループに含まれる全ての特徴データと照合を行い、結果の一致が見られなかった場合には、例えば残りの全てのアイリスデータと照合をするようにしてもよい。
また、文字認識の結果は通常、第1候補、第2候補というように、数種類存在する場合がある。このときは、第1候補に該当する特徴データ、第2候補に該当する特徴データというように、複数の特徴データ、あるいは特徴データのグループを取り出すようにすればよい。
【0029】
〈具体例3〉
図6に、具体例3の個人識別処理フローチャートを示す。
既に説明したように、コンタクトレンズに付された個人識別用コードを読み取り認識する処理においては、類似した文字について認識誤り等を生じることもあり、複数の認識結果が候補として得られることがある。また、眼の映像についての特徴データも同時に照合処理されて、所定の結果が得られる。
この具体例では、このような結果をどう利用するかについて説明する。
【0030】
図のステップS1では、アイリス照合による個人識別処理が行われ、ここで例えば結果Aが出力される。ここには、例えばある特定の人物の既登録特徴データと、カメラで撮影し取得した判断の対象となる特徴データの比較結果が得られる。次に、ステップS2では、個人識別用コードを用いた個人識別結果を得る。これは例えばその個人識別用コードそのものであったり、あるいはこれを変換した所定のID番号等であったりする。その結果を結果Bとする。ここで、ステップS3において、具体例1の例のように、結果Aと結果Bにおいて得られたID番号の比較を行う。そして、両者が一致した場合にはステップS4に進み、結果がホストコンピュータ等に向け出力される。こうして取引が開始される。
【0031】
一方、両者が一致しない場合にはステップS5に進み、例えば予め眼の映像による特徴データに基づく結果を優先するといった取扱いを決めておく。このような取扱いは全ての取引についてでなく、ある特定の取引のみについて行うといった適当な選択が可能である。アイリスパターンさえ一致すれば、取引を進めて構わないといった処理も存在するからである。また、コンタクトレンズの盗用や偽造は全く不可能なわけでないから、このような優先度を設けるのもよい。もし、結果AがBに優先するという規定があれば、ステップS5からステップS6に進み、アイリス照合による結果Aを採用する。一方、ステップS5において、このような規定がない場合にはステップS7に進み、AとBが一致しない場合は全て取引の停止等の処理が行われる。
【0032】
〈具体例3の効果〉
眼の映像から取得した特徴データを用いて個人識別を行った結果と、個人識別用コードを用いて個人識別を行った結果とが一致しない場合に、例えば眼の映像による特徴データを用いた個人識別結果を優先すると定めておけば、ある取引においては特徴データと個人識別コードによる二重のチェックを用いた個人識別を行い、その他の場合は一方を優先するという柔軟な処理を行うことができる。
【0033】
〈具体例4〉
図7には、具体例4のコンタクトレンズの正面図(その1)を示す。
このコンタクトレンズは、(a)が右眼用、(b)は左眼用とされる。(a)に示した右眼用のコンタクトレンズ3には、“EK5519R”という個人識別用コード4Aが付されている。一方、(b)に示すコンタクトレンズ3には、“PST348L”という個人識別用コード4Bが付されている。このように、この具体例では、右眼用と左眼用をそれぞれ異なる内容の個人識別用コードとしている。
【0034】
例えば、各個人識別用コードの最後の文字に着目したとき、これが“R”ならば右眼用、“L”ならば左眼用とすれば、装着の際に右眼と左眼を取り違えることがない。また、“R”と“L”という文字は必ず個人識別用コードの端に存在するというルールを設けておけば、両コードがコンタクトレンズの外周に隙間なく書き込まれたとしても、一かたまりの個人識別用コードを切り出すのが容易になる。
【0035】
図8には、更にこうしたコンタクトレンズを用いた個人識別処理の説明図を示す。
この図に示すように、識別用コードの処理を行う識別用コード処理部19には、右眼の個人識別用コード4Aと左眼の個人識別用コード4Bとが同時に入力する。そして、これらの両者を含めて個人認識結果が判断される。例えば、右眼の個人識別用コード4Aと左眼の個人識別用コード4Bとを一定の規則に従って連結することで、特定のID番号を得るようにしてもよい。また、両者の所定の演算処理結果によってID番号を得るようにしてもよい。これによって、他人から容易にID番号や個人識別用番号が盗み取られないといった効果がある。
【0036】
図9に、コンタクトレンズの正面図(その2)を示す。
この図に示すコンタクトレンズ3の表面外周には、個人識別用コードを示すバーコード4Cが付されている。このバーコード4Cは、例えばコンタクトレンズ3の表面外周に3組プリントされている。その内容は文字に変換すれば、これまで紹介した個人識別用コードそのものを表すものとする。このように、個人識別用コードは必ずしも文字や符号に限らず、こうした記号によって表すこともできる。
【0037】
更に、これまで紹介したコンタクトレンズにプリントした個人識別用コードは、肉眼で読み取ることができず、かつ例えば赤外光を照射した場合には容易に読み取ることができるような比較的赤色に近いインクを用いてプリントし、盗用を防止するようにしてもよい。これによって、コンタクトレンズを外している場合に他人に個人識別用コードの内容を盗み取られるといったおそれがない。
【0038】
〈具体例4の効果〉
コンタクトレンズに右眼用と左眼用とで別々の個人識別用コードを用いることによって、右眼と左眼に装着するコンタクトレンズを見分けたり、コンタクトレンズ表面外周に複数プリントした個人識別用コードの切れ目を認識したり、あるいは左右の個人識別用コードを組み合わせてよりセキュリティの高い個人認識を行うことができる。更に、個人識別用コードをバーコードにすることによって、他人から認識しづらく盗用されにくいものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】具体例1の方法を実施するシステムブロック図である。
【図2】システムの外観図である。
【図3】文字切り出し処理の説明図である。
【図4】具体例2の方法を実施するシステムブロック図である。
【図5】既登録特徴データ取出し法の説明図である。
【図6】個人識別処理フローチャートである。
【図7】コンタクトレンズの正面図(その1)である。
【図8】個人識別処理の説明図である。
【図9】コンタクトレンズの正面図(その2)である。
【符号の説明】
1 眼
2 瞳孔
3 コンタクトレンズ
4 個人識別用コード
6 カメラ
7 画像処理部
8 特徴データ処理部
9 個人識別用コード認識部
11 既登録特徴データファイル
12 照合部
13 個人識別結果出力部

Claims (11)

  1. コンタクトレンズの表面外周部に、特定の個人に付した個人識別用コードを設け
    前記コンタクトレンズ装着者の眼を撮影して眼の映像を取得するとともに、
    前記個人識別用コードの映像を前記眼の映像から切り出して認識し、
    前記眼の映像の特徴を既登録特徴データと比較照合して一致すると該既登録特徴データに対応させた個人の固有情報を出力するとともに、前記認識した個人識別用コードに対応させた個人の固有情報を出力して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
  2. コンタクトレンズの表面外周部に、個人識別用コードを付し、
    前記コンタクトレンズ装着者の眼を撮影して眼の映像を取得するとともに、
    前記個人識別用コードの映像を前記眼の映像から切り出して認識し、
    その個人識別用コードと対応させて保存された既登録の特徴データを取り出して、前記撮影して得た眼の映像の特徴を既登録の特徴データと比較照合して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
  3. 請求項において、
    個人識別用コードと対応させて保存された複数の既登録の特徴データを取り出して、前記眼の映像の特徴をこれらの既登録の特徴データと比較照合して個人識別結果を得ることを特徴とする個人識別方法。
  4. 請求項1において、
    眼の映像の特徴を既登録特徴データと比較照合して一致した結果を、前記認識した個人識別用コードに対応させた固有情報に基づく結果よりも優先させることを特徴とする個人識別方法。
  5. 請求項1記載の個人識別方法に用いられるコンタクトレンズであって、前記個人の固有情報に対応させた個人識別用コードが設けられていることを特徴とするコンタクトレンズ。
  6. 請求項において、
    左右の眼に装着するコンタクトレンズに、それぞれ異なる前記個人識別用コードが設けられることを特徴とするコンタクトレンズ。
  7. 請求項において、
    前記各個人識別用コードは、装着者が左用か右用かを区別できるマークを有することを特徴とするコンタクトレンズ。
  8. 請求項において、
    前記個人識別用コードは、中心からみてほぼ同一円周上に複数個付されていることを特徴とするコンタクトレンズ。
  9. 請求項において、
    前記個人識別用コードは、その一端に境表示する記号が付加されていることを特徴とするコンタクトレンズ。
  10. 請求項において、
    前記個人識別用コードは、可視光線以外の光線を照射して撮影が可能であり、かつ、肉眼で認識することが容易でない色で印刷されることを特徴とするコンタクトレンズ。
  11. 請求項において、
    前記個人識別用コードは、バーコードにより表現されることを特徴とするコンタクトレンズ。
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