JP2009151340A - ソフトコンタクトレンズおよびソフトコンタクトレンズセット - Google Patents

ソフトコンタクトレンズおよびソフトコンタクトレンズセット Download PDF

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Abstract

【課題】 多種多様化している生活様式に適合しつつ予期せぬ紛失を防止し、しかも保守や管理が簡便なコンタクトレンズを提供する。
【解決手段】 レンズの素材が有する色とは異なる色の着色部を離散的に備えることで、自然物の中に置かれたときにそれら自然物と明らかな区別がなされ、簡単に判別することができ、不測の紛失を防止することができる。また、離散的という特異な着色部は、装着時に多種多様な印象を対人に与えることができ、変化に富んだ生活に適合した装飾品としての付加価値が発生する。特に、着色部が人工的な形状であれば、自然物との峻別はより容易となって紛失防止の効果が顕著となり、着色部が虹彩や角膜などの疾病に起因するものとの誤解を招くこともなくなる。また、着色部を左右眼に装着する一対のコンタクトレンズで相違する構成とすれば、一対のレンズを左右判別が簡便となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、角膜に直接装着して使用されるコンタクトレンズに関する。
従来、レンズの素材が有する色とは異なる色彩を施したコンタクトレンズが知られている。これらのカラーコンタクトレンズは、虹彩欠損や虹彩切除などの虹彩異常に対処するための医療用、角膜白点などに対処するための整容用、そして日常使用の眼鏡から正式の場にそぐう眼鏡に取り替えるのと同様の身だしなみ用などに利用されている。
従って従来のカラーコンタクトレンズは、角膜を透かして視認される一般的な虹彩と同様の模様あるいは単一色彩をコンタクトレンズ全面あるいは瞳孔部分を除く環状部分全体に対して施すことでこれらの要望に応えていた。
しかし、従来のコンタクトレンズは、医療や整容などに重点を置いて技術開発がなされてきたため、身だしなみ用、日常生活用としての機能は不十分であり、近年の多様化した生活や個人の嗜好に対応できるものではなかった。すなわち、従来のコンタクトレンズは、身だしなみ用を含めて一般的な虹彩の色彩や模様を模倣したものであり、ごく自然な色彩や模様をしている。このため、激しい運動時や着脱時などにコンタクトレンズを誤って落としたとき、周囲の自然物との見分けが困難となり紛失しやすい。また、近視、遠視、乱視、老視などの屈折異常のためにコンタクトレンズを利用している者は、その両眼共にコンタクトレンズを装着することが一般的であるが、両眼共に全く同一程度の屈折異常であることは稀である。このため、多くのコンタクトレンズの使用者は、左右視力の矯正のために見た目には全く同一であって同一の保守が必要な一対のコンタクトレンズを左右別々に保守、管理しなければならない不自由を余儀なくされていた。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされ、多種多様化している生活様式に適合しつつ予期せぬ紛失を防止し、しかも保守や管理が簡便なコンタクトレンズを提供することを目的としている。
上記した課題を解決するため、本発明のコンタクトレンズは、
レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色部を離散的に備えることを特徴とする。かかるコンタクトレンズは、その離散的な着色部のために自然物の中に置かれたとき、それら自然物と区別することが容易である。従って、簡単に判別することができ、不測の紛失を防止することができる。また、離散的という特異な着色部は、装着時に多種多様な印象を対人に与えることができ、変化に富んだ生活に適合した装飾品としての付加価値が発生する。
ここで、コンタクトレンズの材質などは、公知の種々の材料が利用可能であり、酸素非透過性ハードコンタクトレンズのMMA(メタルメタクリレート)、酸素透過性ハードコンタクトレンズのSMA(シロキサニルメタクリレート)やFMA(フルオロメタクリレート)、含水性ソフトコンタクトレンズのHEMA(ハイドロキシエチルメタクリレート),N−VP(N−ビニルピロリドン),DMAA(ジメチルアクリアミド),GMA(グリセロールメタクリレート)、非含水性ソフトコンタクトレンズのシリコンラバー,ブチルアクリレート,ジメチルシロキサン、生体親和性コンタクトレンズのコラーゲン,アミノ酸共重合体などに適用できる。
この他、コンタクトレンズ用の重合性モノマーとしては、一般的に用いられるラジカル重合可能な化合物が考えられ、例えばビニル基、アリル基、アクリル基、またはメタクリル基を分子中に1個以上含む化合物で、通常ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズ材料として使用されている物質ならばどのようなものでも利用可能である。具体的には、アルキルアクリレート、シロキサニルアクリレート、フルオロアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ビニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、スチレンの誘導体、N−ビニルラクタム、(多価)カルボン酸ビニル等のビニル化合物等を考えることができる。さらに具体的には、例えば、スチレン、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、フェニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、フマル酸およびそれらのエステル類、メタクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン等を用いることが可能である。
さらに架橋剤として、エチレングリコールジメタアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、グリセリンジアクリレート、ジビニルベンゼンジアリルフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の多官能モノマーを用いることができる。
上記の構成を有する本発明のコンタクトレンズは、以下の態様を採ることもできる。まず、着色部は、幾何学的な形状でとすることができる。ここで幾何学的な形状とは、ハート形、星形、円形、四角形、三角形、千鳥格子などの広く知られた形状、表意文字、表音文字、音符や交通標識など所定の観念を想起させる記号など、人間によって案出された形状である。この様な幾何学的な形状は、自然界に存在する形状を人間の観念によって抽象化したり、特定の意志や意味を伝えるために案出されたものであり、自然界に存在する形状と異なっている。従って、自然物との峻別は容易となって紛失防止の効果が顕著となる。また、コンタクトレンズの着色部が、虹彩や角膜などの疾病に起因するものとの誤解を招くこともなくなる。
複数の着色部の形状は、互いに同一形状としても良いし、互いに形状が異なるものとすることもできる。前者にあっては着色部の製作が容易となり、後者にあっては、識別がより容易となる。また、コンタクトレンズに上下左右の別を付けることができる。
また、複数の着色部は、対称的に配置してもよいし、非対称的に配置してもよい。前者にあっては、対称性が識別の容易さを醸成することがあり、後者にあってはコンタクトレンズに上下左右の別を付けることができる。なお、対称性は、複数の着色部の集合に対して考えることもできるが、通常円形に作られるコンタクトレンズのレンズ形状に対する対称性(同心性)を考えることもできる。この結果、複数の着色部を、該着色部の集合としては対称的に配置し、かつレンズに対しては非同心的に配置するといった構成も考えることができる。
着色部が離散的に配置されるコンタクトレンズは、眼球および/または瞼との相互作用により眼球との位置関係が所定位置となる特定形状に形成することができる。一般的に屈折異常を矯正するために使用されるコンタクトレンズは、コンタクトレンズと角膜との間に介在する涙液との相互作用により複合的な屈折作用を奏し、瞳孔との位置関係や回転位置などは問題とならない。他方、離散的に着色部が存在する本発明のコンタクトレンズは、その着色部の形状あるいは着色部の離散的な配置状態などによって前述のように自然物との相違を表現するものである。この様な着色部による表現は、上下あるいは左右が逆になるなどその見方によっては意味をなさないもの、例えば逆さになったハート、トーン記号のように本来の意味を失ったり、伝達できず、却って滑稽にさえ映るものもある。そこで、眼球および/または瞼との相互作用により眼球との位置関係が所定位置となるように特定されるコンタクトレンズに上述の着色部を設けるならば、その着色部に求めた効果を確実に奏することができる。なお、この様な眼球との位置関係を所定位置とするコンタクトレンズは、特開昭57−210319号公報などに開示される技術に限らず、何れの技術を利用するものであってもよい。
更に着色部は、特定波長の光に反応する材質とすることができる。ここで、特定波長の光とは紫外線、赤外線、可視光などの光であり、日常生活上で容易に取り扱うことができるものであることがより好ましい。また、反応とは、その特定波長の光に起因して着色部が発光したり変色したりするなどの変化である。この様な材質により構成された着色部は、特定波長の光が照射されることでその存在を容易に知ることができる。このため、眼球にコンタクトレンズが存在していることの認識を自他共に容易としたり、コンタクトレンズの紛失時に特定波長の光を照射して簡単に探し出すことができる。また、複数個を組としたコンタクトレンズに異なる反応の着色部を設けることで、自然な状態では左右何れに装着するものであるか判別不可能なコンタクトレンズに対し、特定波長の光を照射することで左右何れに装着するものであるかを見分ける識別表示としても利用できる。また、着色部の一部にのみこうした特殊なインクを用い、ブラックライトなどを当てたときのみ、そのインクが蛍光を発するようにすること可能である。こうしたインク(染料)としては、フローレスセインといった材料が知られている。
また、本発明のコンタクトレンズセットは、
複数個のコンタクトレンズを組としたコンタクトレンズセットであって、
レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色部を、レンズ面に離散的に配置すると共に、該着色部の色彩、形状、離散的な配置状態の少なくとも一つは、前記組としたコンタクトレンズにおいて相違していること
を要旨としている。
この様な構成によれば、左右のコンタクトレンズや片眼用の複数個のコンタクトレンズを、同じように保守、管理していても、組としたコンタクトを簡単に判別することができ、簡便に取り扱うことができる。なお、色彩、形状、離散的な配置状態の1以上が相違するとは、例えばいずれか一つのコンタクトレンズにのみ着色部が存在しない場合を含む概念である。
以上のような優れた効果を発揮するコンタクトレンズを製造するコンタクトレンズの製造方法の発明は、
コンタクトレンズの素材と同一または異なるモノマーに所定の色素を混合してインクを製造し、
このインクを、所定の形状の複数かつ離散的に配置された凹部に充填し、
該凹部のインクをパッドにて採取してコンタクトレンズの成型型に転写し、
該転写された成型型にてコンタクトレンズの少なくとも一方面の成型を行なうことを特徴とする。
かかる製造法によれば、コンタクトレンズの素材と同一または異なるモノマーに所定の色素を混合したインクを所定の形状で、所定の離散的な配置状態の凹部に充填し、この凹部のインクをパッドにて採取してコンタクトレンズの成型型にプリントし、プリントされた成型型にてコンタクトレンズの少なくとも一方面の成型を行なう。従って、この製造方法によれば、複数の着色部を、コンタクトレンズに離散的に設けることが容易となる。こうした成型型を用いたコンタクトレンズの製造方法としては、回転するモールドの中にコンタクトレンズの材料となるモノマーを注入して遠心力によってこれを拡げて重合するスピンキャスティング法、凹型にコンタクトレンズの材料を流し込んで凸型を合わせて成型するモールディング法などが知られている。また、近年では、米国特許4,555,372号公報に開示されるように、その前面を型により形成し後面をレースカットする製造方法や、その逆に後面を型により形成して前面をレースカットする製法などが提案されており、本発明のコンタクトレンズの製造方法としては、これらの方法のいずれも採用することができる。
ここで、色素としては、Iron oxide,Titanium dioxide,Phthalocyanine green,Phthalocyanine blue,Reactive Red11,Reactive Yellow86,Reactive Black5等を単体または適宜配合したものが利用できる。また、インクを注入する凹部としては、微細加工の容易な金属板が利用でき、特に銅板が適している。インクを採取するパッドとしては、モノマーに対して科学的に安定した物性を有する軟質ポリマーなどの材質が適しており、特にシリコンが好適である。インクをプリントする成型型としては、ポリビニール製樹脂が適しているが、他に金属製の型なども用いることができる。この様にして製造されるコンタクトレンズは、その着色部の製造に当たって大幅な製造工程の追加・改変を必要としない。また、形成される着色部をコンタクトレンズと全く同一のモノマーから形成すれば、光学的特性を同一とし、屈折異常の矯正用のコンタクトレンズとして利用可能となる。異なるモノマーを用いれば、そのモノマーの特性を着色部に利用することができる。かかる構成では、着色用に用いる色素をモノマーに混合するため、その着色部はコンタクトレンズと完全一体となり、たとえ色素の成分が単独では涙液などによって劣化する性質のものであっても使用することができる。
なお、コンタクトレンズの製造方法としては、上記の成型を伴う手法の他に、前面(外界からの光線が最初に接触する面)と後面(角膜に接触する面)とをポリマーから削り出すレースカット法がある。この製造方法を採用する場合には、所望の形状のコンタクトレンズを予め削りだしておき、これに後から、着色部を環状に配置すれば、本発明のコンタクトレンズを得ることができる。この場合の着色部の配置は、レンズ前面側または後面側を削りだした後、この面にインクを転写し、インクの重合を行ない、表面研磨後、反対側の面を切削するといった手法を用いて行なえば良い。
本発明の実施例であるコンタクトレンズ10の正面図である。 コンタクトレンズ10と対をなすコンタクトレンズ20の正面図である。 コンタクトレンズ10,20をモールディング法により製造するプラスチック製型30の断面説明図である。 コンタクトレンズの製造工程を示す説明図である。
以上説明した本発明の構成及び作用を一層明らかにするために、以下本発明のコンタクトレンズについて、その実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施例であるコンタクトレンズ10の正面図である。図示するように本実施例のコンタクトレンズ10は、円形の外形をしており、全体的には無色透明であって所望の光学特性を有する一般的なコンタクトレンズである。図中に点線で示す仮想線は、このコンタクトレンズ10の光学効果を有する光学部12とその外周に位置するベベル14との境界線であり、ベベル14には4つの星形の着色部16が等間隔、すなわち90度毎に離散的に配置されている。従って、この着色部16はコンタクトレンズ10の光学特性には全く影響を与えることなく、単に印としてのみ機能する。
この様に構成されるコンタクトレンズ10は、角膜に装着したときには多種多様な印象を対人に与えることができ、変化に富んだ生活に適合した装飾品としての付加価値が発生する。また、意図的にあるいは不用意に角膜から取り外したときには、その離散的な着色部16のために、周辺の自然物と明らかな区別が可能となっている。したがって、簡単にその存在を認識することができ、不測の紛失などを防止することができる。しかも、着色部16は星形という極めて人工的な形状であるため、自然物との峻別はより容易であり、かつ、着色部16が意図的になされたものであって虹彩や角膜などの疾病に起因するものとの誤解を招くこともない。
次に本発明の第2の実施例について説明する。第2実施例のコンタクトレンズは、図1に示したコンタクトレンズ10と、図2に示すコンタクトレンズを20とからなる。図2は、コンタクトレンズ10と同時に使用される一対のコンタクトレンズの他方のコンタクトレンズ20の正面図である。このコンタクトレンズ20の光学効果を有する光学部22の外周に位置するベベル24には、4つの三日月形の着色部26が90度毎に離散的に配置されている。従って、この着色部26もコンタクトレンズ20の光学特性には全く影響を与えることなく、単に印としてのみ機能する。この様なコンタクトレンズ10と一対となるコンタクトレンズ20は、前述したコンタクトレンズ10が奏する効果を発揮することは勿論のこと、その着色部26の形状がコンタクトレンズ10の着色部16と相違するためにコンタクトレンズ10,20を同時に洗浄、殺菌などの保守を行ったり、同一箇所に管理しても左右どの眼球に適合するものであるかを簡単に判別することができる。しかも、一対のコンタクトレンズ10,20の着色部16,26の形状は、星形、三日月形という天体を連想させる相互補完の形状であるため、相乗効果として対人に与える印象が深まり、より一層の人工的、意図的な表現が可能となる。
上記のごときコンタクトレンズ10,20は、モールディング法により簡単に製造することができる。製造に用いるプラスチック製型30によりコンタクトレンズ10,20を成型している断面図を、図3として示した。また、製造工程を図4に示した。製造工程は、図示するように大きくは、準備工程PROVとコンタクトレンズの成形工程MOLD、およびその後の工程SUFに分かれている。まず準備工程PROVでは、モールディング用のプラスチック型30の製造と、図柄転写用の銅板の製作と、インクの調合とが行なわれる。
準備工程PROVにおけるプラスチック製型30の製造(工程S100)は、図3に示した凹型の雌型32と凸型の雄型34とを、型製造器により製造するのである。これは、雌型32,雄型34の形状のキャビティを有する型製造器に、ポリビニール製樹脂を注入することにより行なわれる。この結果、モールディング用の雌型32と雄型34とが得られる。雌型32の表面は、できあがるコンタクトレンズのフロントカーブの元になる形状とされており、他方雄型34の凸部は角膜との接触部となるために均一でなめらかな面(ベースカーブBC)とされている。なお雌型32,雄型34の表面を更に滑らかにするために、プラズマ加工などを行なっても良い。
また、準備工程PROVにおける銅板の製作(工程S110)は、銅板表面に、刻線による図柄を彫り込むことにより行なわれる。実施例の銅板には、図1および図2に示したのと同一の図柄が彫り込まれている。この図柄には、後述するようにインクが塗布されて残存し、転写に供される。これは、版画におけるドライポイントと同様の手法である。なお、銅板への刻線の彫り込みは、手作業によっても良いし、NCなどの自動化された工作機械によっても良い。
準備工程PROVの残りの作業は、インクを調合する工程である(工程S120)。インクは、色素としてReactive Red11を使用し、コンタクトレンズ10,20の主たる材料であるヘマと同一のモノマーと混合する。ここでは、赤色の色素を用いたが、混合する色素を適宜選択すれば、インクは、種々の色に調合することができる。以上の各工程(工程S100ないし120)により、コンタクトレンズ製造の準備が整ったことになる。
次にコンタクトレンズの成形工程MOLDについて声明する。準備工程PROVで準備したインクを銅板に塗布し(工程S200)、その後銅板表面のインクをぬぐい取る(工程S210)。この結果、銅板には、その刻線の凹部にのみインクが残っていることになる。次に、シリコン製のパッドをこの銅板の表面に押しつける(工程S220)。シリコン製のパッドは弾力に富むので、押しつけることにより変形し、刻線内部のインクは、パッドの表面に採取される。そこで次に、このシリコン製のパッドを、図3に示す雄型34の凸部に押し当てる(工程S230)。パッド表面のインクは、この結果、凸部表面に転写される。さらに、この雄型34を、50度〜60度Cの状態に置き、インクを乾燥させる(工程S240)。
他方、コンタクトレンズとなるモノマーを調合し(工程S250)、これにより成形を行なう。本実施例では、最終的にコンタクトレンズ10,20となる素材として、Hydroxyethyl Mathacrylate (通称「ヘマ」)を用いている。このモノマーを、成分の調整後に雌型32の凹部に適量入れ(工程S260)、工程S200ないし240により、表面にインクがプリントされた雄型34を、図3に示すように装着して固定する(工程S270)。そして、固定されたプラスチック製型30をオーブンに入れて、70度〜80度で加熱する(工程280)。加熱することにより、モノマーは、重合しコンタクトレンズ10,20の大まかな形状が成型される。このとき、色素が調合された図柄のインクも重合し、コンタクトレンズに一体となる。成型後に雌型32を取り外すと(工程290)、雄型34には、図1,図2に示した着色部16,26を有するコンタクトレンズ10,20が固定された状態で、得られる。以上でコンタクトレンズの成形工程MOLDは完了する。
コンタクトレンズを成形する重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチルメタクリレート97重量部、エチレングリコールジメタクリレート2重量部、アゾビス(2,4ージメチルバレロニトリル)0.3重量部をよく混合し、この混合物の脱気、窒素置換を行なったものを使用することもできる。この混合物を上記の雌型32,雄型34に充填し、これを熱風循環式の恒温槽内に投入して、40℃で8時間、80℃で5時間程度加熱しても、コンタクトレンズの成形は完了する。
こうして成形を終えたコンタクトレンズ10,20について、雌型32を取り外した後、雄型34を旋盤に取り付け、コンタクトレンズ10,20の光学特性を決定するフロントカーブ(FC)や周縁部のカットなどの切削加工ならびに前面および周縁部のエッジなどの研磨(工程S300)などを行なう。周縁部の研磨などにより、コンタクトレンズには、ベベルが設けられる。こうして外形が整えられたコンタクトレンズ10,20は、純水中で膨潤させ洗浄した後、生理食塩水に浸漬して所定量の吸水をさせる(工程S310)。こうしてコンタクトレンズは完成するが、製品として扱うために、さらに検査を行なった後、プリスター容器やバイアルビンに入れて滅菌処理を行って完成品とする(工程S320)。
以上のような製造方法によれば、通常の片面モールディング・片面切削法と比較してインクの製造と雄型34への転写という僅かな製造工程の追加だけで、上述した優れた効果のコンタクトレンズ10,20を製造することができる。また、コンタクトレンズ10,20に形成される着色部16,26は、コンタクトレンズ10,20と全く同一の部材からなっている。従って、光の透過率は異なるものの、屈折率などのその他の光学的特性は同一となり、屈折異常の矯正用のコンタクトレンズとして利用可能となる。しかも、着色用に用いる色素をモノマーに混合するため、その着色部はコンタクトレンズと完全一体となり、たとえ色素の成分が単独では涙液などによって劣化する性質のものであっても使用することができる。
以上、本発明が実施される形態を説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる様態で実施し得ることは勿論である。例えば、離散的な図柄は、星形や三日月形状などに限定されるものではなく、クローバやハート型など、様々な形状が採用可能である。また、これらの図形は、コンタクトレンズの完成後、後からフロントカーブ面に着色するといった手法で形成しても良い。また、着色するのでなければ、レーザ等で、表面に乱反射面を形成することにより、図柄を設けることも可能である。また、図柄を形成する色素としては、蛍光材料等、特定の波長の光を当てることで別の波長の光を発するようなものを用いることもできる。こうした色素を用いれば、環境や照明装置により、コンタクトレンズの色が変わると言った演出ができる。また、コンタクトレンズを紛失したときに、特定の波長の光を照射するライトなどを使うことで、容易をこれを見い出すことができる。ブラックライトとこれにより蛍光発光する色素とを組み合わせて用いれば、暗い部屋で瞳だけが特定の色に輝いたり、更にそこに特定の図柄を浮かび上がらせるといったことも可能である。
更に、上記実施例では、コンタクトレンズ10,20の製造方法として片面モールディング・片面切削という手法を用いたが、コンタクトレンズ10,20の両面をモールドにより完成するキャスティング法やスピンキャスト法などの製造方法により、離散的な着色部を有するコンタクトレンズを製造することができる。モノマーの重合も、加熱重合以外の重合方法、たとえは光照射による重合なども利用可能である。
10,20…コンタクトレンズ
12,22…光学部
14,24…ベベル
16,26…着色部
30…プラスチック製型
32…雌型
34…雄型

Claims (12)

  1. レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色部を、レンズ面に離散的に配置したコンタクトレンズ。
  2. 前記着色部は、幾何学的な形状であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記複数の着色部の形状は、同一形状であることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記複数の着色部は、形状が異なることを特徴とする請求項1記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記複数の着色部は、対称的に配置された請求項1記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記複数の着色部は、非対称的に配置された請求項1記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記複数の着色部は、該着色部の集合としては対称的に配置され、かつレンズに対しては非同心的に配置された請求項1記載のコンタクトレンズ。
  8. 着色部が離散的に配置されるコンタクトレンズは、眼球および/または瞼との相互作用により眼球との位置関係が所定位置となる特定形状に形成された請求項6または請求項7記載のコンタクトレンズ。
  9. 着色部は特定波長の光に反応する材質である請求項1ないし請求項3何れか記載のコンタクトレンズ。
  10. 着色部は、所定強度以上の光に反応する材質である請求項1ないし請求項3何れか記載のコンタクトレンズ。
  11. 少なくとも複数個のコンタクトレンズを組としたコンタクトレンズセットであって、
    レンズの素材が有する色とは異なる色の複数の着色部を、レンズ面に離散的に配置すると共に、
    該着色部の色彩、形状、離散的な配置状態の少なくとも一つは、前記組としたコンタクトレンズにおいて相違しているコンタクトレンズセット。
  12. コンタクトレンズの製造方法であって、
    コンタクトレンズの素材と同一または異なるモノマーに所定の色素を混合してインクを製造し、
    このインクを、所定の形状の複数かつ離散的に配置された凹部に注入し、
    該凹部のインクをパッドにて採取してコンタクトレンズの成型型に転写し、
    該転写された成型型にてコンタクトレンズの少なくとも一方面の成型を行なうコンタクトレンズの製造方法。
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