JP3803785B2 - 既設,新設のマンホール等と本管および枝管,支管の傾斜角を自在とする接続継手 - Google Patents

既設,新設のマンホール等と本管および枝管,支管の傾斜角を自在とする接続継手 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は既設,新設のマンホール,カルバートや本管等の側面孔に本管,枝管,支管を接続するための接続継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マンホール,カルバートの側面孔に本管を接続する継手、また本管の側面孔に枝管,支管を接続する継手はいずれも合成樹脂製の継手を用いて直角、且つ水平を前提にして接続してきたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、合成樹脂製の継手は大型になるにつれて成形するための型代が嵩んで高価になるという課題があるほか、合成樹脂製の継手は一体成形によって円筒体の取付け形が限定されるために、本管等を現場の状況に合わせて傾斜接続させることができないという課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、マンホール,カルバートあるいは本管の側面孔に円筒形、角筒形、アーチ形、卵形などの枝管,支管を傾斜を許容して嵌入取付けするための接続継手であって、該側面孔部分に当て付けする金属板と、該金属板の中ぐり部に取付けて前記の側面孔に嵌入する金属筒体とおよび該金属筒体と内側の枝管,支管との間に取付けるゴム輪とからなり、該ゴム輪にコの字形のストッパーを設けて金属筒体の外端部に挟み止め、且つ拡開掛止形の金属リングを金属筒体の内面に設けるずれ止め用の段差に押し当て取付けするとともに、該ゴム輪と内側の前記枝管,支管との間をバンド締めにて取付け、該枝管,支管が角筒形、アーチ形、卵形により角部を有すときは該接続管の直線部に補形ゴム帯を装着してゴム輪外周の角部を曲面にするとともにバンドの滑りを良好とする滑り調整具を該バンド下に当て付けしてバンドの締付け応力が全周に均等におよぶようにして、かかる課題を解決するようにしたのである。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3は取付用の金属板をマンホール等の外面に取付ける接続継手1aの例を示すもので、円形または角形のマンホール30の側面孔31(マンホールの形成と一緒に作られたもののほか、既設のマンホールに穿孔増設したり改良したものを含む)に外側から当て囲みすることができる曲面形状または平面形状の大きさで中ぐり孔2を有す金属板3と金属筒体4をともに溶接の可能なステンレス板などの材料にて形成し、図2に示すように直角・水平の基本形から、図3に示すように現場の布設角度に照応した角度(上下左右約50度以内)にて金属板3の中ぐり孔2内に金属筒体4の側面孔31の壁厚相当の長さ部分を入れ中間部にて傾斜溶接して接続継手1aとするのである。なお5は金属板3と金属筒体4の外半部間に溶接する三角形状の補強板で、該補強板5は溶接取付けを容易にするためと金属板3と金属筒体4間の溶接部に新たな溶接の影響を与えないために切欠部5aを設けている。
【0006】
図4乃至図6は金属板をマンホール等の内面に取付ける接続継手1bの例を示すもので、金属板3の中ぐり孔2に金属筒体4を溶接取付けするに際して金属筒体4の端部を溶接付けするようにしたものであり、布設現場に合った上下左右のいずれにも50度の範囲内で傾斜を許容するようにして金属筒体4を溶接取付けするようにしたことは前例に同じである。
【0007】
このようにして形成された外面取付けの接続継手1aまたは内面取付けの接続継手1bは、外面または内面側から側面孔31の部分に当て付けされる。なお金属板3の壁面当て側の全面にはゴムシール材6とアンカー止穴7や金属筒体4の溶接取付部等の適所に水膨張性シール材8を装着している。
【0008】
図7乃至図8はアンカー止穴7を示すもので、図7(a)は周囲を外側に突出した部厚部7aに形成した例、図(b)はアンカー止穴7の周囲を段高部7bに形成した例であって、かくすることによりアンカー止穴7の部分を補強してアンカー9に螺挿するボルト9aの締付力の分散を抑えて取付けを強固にするとともにボルト9a締付けによる金属板3の反り返りを防いで反り返り端部による引掛事故やゴミ附着などを防止するようにしている。またアンカー止穴7は図8(a)に示すような単穴形のほか、(b)に示すような長穴形にするとアンカー位置に選択幅を持たせることができ、(c)に示すように単穴が連なるように形成するときは位置決めに選択幅を持たせつつ締付け後のずれ移動を防止することができる。アンカー止穴7は図1,図4に示すように取付けの状態において横長形となるように設けることにより地震や震動等による継手1a,1bのずれ落ちを防止することができることとなり、また円筒形のマンホールや本管に取付ける場合においてアンカー止穴7を放射状方向に形成する際の斜め曲面に沿った歪みによる穴の大きさや形状の補正等を要しないことによって単一のプレス型にて容易に製造することができる。なお図示してきた金属板3の大きさや形状,アンカー止穴7の数や形成位置などは例示の1つであってそれぞれ異なる形状や数および位置に設けて形成することもある。また金属板3はマンホール30等の壁面を貫通する貫通孔を形成して、該貫通孔に挿通するボルトとナット(図示してない)とにて取付けることもある。その場合、貫通孔やボルトおよびナットにも水膨張性シール材を装着して水封止を強化するようにする。
【0009】
10a乃至10dは水封止用のゴム輪であって、ゴム輪には図9乃至図10に示すように金属筒体4の端部に外嵌めするものと、内嵌めするものとを用意して情況によって使い分けする。
【0010】
図9は外嵌めするゴム輪10aの例で、図11乃至図13に示すように金属筒体4の端部間および本管11との間をゴム輪10aの外側より締付けバンド12にて締付ける。なお金属筒体4の端部には絞り加工により形成したずれ止め用の段差13を設けて締付けバンド12のずれや抜出を防止するようにしている。ずれ止め用の段差13は絞り加工により形成するほか細帯板や丸棒(図示してない)などを点溶接等により取付けて設けることもできる。
【0011】
図10は金属筒体4に内嵌めするゴム輪の例を示すものであって、該ゴム輪は図10(a)に示す一重漏斗形コの字ストッパー付き10b,図10(b)に示す二重n形コの字ストッパー付き10c、図10(c)に示す二重n形鉤形ストッパー付き10dなど形状にて形成している。
【0012】
これらのゴム輪10b,10c,10dの外端部内面には、図14のゴム輪10bの例に示すようにゴム輪を金属筒体4に押し当て取付けするための拡開用として形成する波形をした金属リング14を嵌めてゴム輪を金属筒体4に圧接取付けする。金属リング14の下半には図15に示すような保護カバー15を装着して強化している。図14における12aは金属ワイヤーにて形成した締付けバンドで、滑りのよい合成樹脂で被覆した細い金属ワイヤーにて締付け応力がゴム輪の一線上に集中するようにしたものである。なお16はバックアップ材、17は弾性目地材である。
【0013】
また外面取付け,内面取付けの接続継手のいずれも金属筒体4と側面孔31との間の間隙には粘着性にすぐれたラテックス混攪モルタル等の充填材18を充填して封塞するが、内面付けの接続継手1bの場合は図16に示すように金属板3の中央上部に取外し自在の蓋19a付きの充填孔19を設けて、マンホール30等の内側から充填作業を行なうことができるようにしている。また内面または外面取付けのいずれの場合も螺旋形の離脱防止用部材20を金属筒体4の外側に溶接などして取付けて止めることにより充填した充填材18を安定させ脱落等を防止することができる。また内面取付けの接続継手1bにおいてはボルト9a等を含む金属板1の表面に目地材17を塗布して壁面との間の段差を解消するとともに平滑にしてゴミ等が引掛からないようにしている。
【0014】
図17(a)(b)に示す21は内面取付けの接続継手1bの金属筒体4の端部外周の1または数箇所に設けた掛止ストッパーで、掛止ストッパー21は鉤状に曲折した掛止部21aと金属筒体4の外側に該掛止部21aを起倒自在において取付ける取付部21bとからなり、取付部21bには掛止部21aが起立するように付勢するコイルスプリングなどのばね材21cを設けていて、金属筒体4とともに側面孔31内を通過する際は掛止部21aが障害とならないようにばね圧に抗して倒臥しておくのである。側面孔31内を通過して解放されるとばね材21cの付勢により掛止部21aは自動的に起立して側面孔31の周囲の外壁面に掛止することとなるので、外圧により接続継手1bが内側に抜け外れることを防止することができる。
【0015】
以上円筒形のマンホール30の側面孔31に円筒形の本管11を挿入取付けする例において説明してきたが、平面形の壁面を有すマンホールやボックスカルバートに本管を接続すること、また四角筒形の本管を接続するものやさらにアーチ形管や卵形管であっても同様にして接続取付けすることができる。なお金属筒体4にゴム輪10を締付けバンド12や金属リング13にて取付けることを考慮すると接続する本管,枝管,支管の形状にかかわらず金属筒体4は円筒形にて形成することが締付けや圧接において応力の均等性が保たれて有利であり、また金属筒体の形状種類を多数容易する必要もなくなり経済的であるが、現場状況等によって金属筒体4の形状を管形に合致した形状にて形成することもある。
【0016】
図18(a)(b)(c)は本管,枝管,支管の形状が角筒形,アーチ形,卵形の場合において締付けバンド12の応力がなるべく周囲均等となるようゴム輪10の外形を曲面形とするために、本管11等の直線部などに内側を水膨張性ゴムシール層22aとする補形ゴム帯22を装着した例を示すものである。かくすることによって本管11等の直線部や角部は補形ゴム帯22によって補形され嵌着するゴム輪10は円形に近い曲面形となって締付け応力が全周に及ぶようになる。さらに図19に示すように角の部分には突出形を軽減するとともに締付けバンド12の滑りを良好とする滑り調整当て具23を当てて、この調整当て具23の上からバンド締めするようにすると、締付けバンド12による締め応力は角部等に集中して分断されることなく周囲にほぼ均等に加わることとなって水漏れ個所が生じないようにすることができる。また調整当て具23には図20に示すように平板形の締付けバンド12や金属ワイヤー形の締付けバンド12aの横ずれを防止する案内溝23a,23bを設けることもある。
【0017】
【発明の効果】
以上により本発明によれば、現場の傾斜に合わせて既設,新設の側面孔に対して本管を傾斜取付けすることができ、同様にして本管に対して枝管,支管を傾斜角を以って取付けすることができるという効果を生ずる。
【0018】
接続継手を溶接することが可能な金属板と金属筒体にて形成するようにしたので、大型化しても合成樹脂製のような成形型を不要とするためにコストを低廉にして形成することができるという効果を生ずる。
【0019】
また内面取付けの接続継手の場合はマンホール等の外側を開削するための多額の費用と多くの時間を要せずしてマンホール等の内側から作業を行なうことができ、また地崩れなどによる作業上の危険を伴うことなく安全裡に接続作業を行なうことができるという効果を生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 外面取付けの接続継手を傾斜角なしにて形成した例を示すもので、(a)は正面図、(b)は背面図
【図2】 (a)は金属板を曲面形にて形成した接続継手の他の例を示す平面図、(b)は同、金属板を平面形にて形成した例を示す平面図
【図3】 (a)は金属板を曲面形にて形成した接続継手の例において、水平方向に傾斜角を設けて金属筒体を溶接取付けしたものを示す平面図、(b)は上方向に傾斜角を設けて取付けた側面図
【図4】 内面取付けの接続継手を傾斜角なしにて形成した例を示す正面図
【図5】 同、(a)は金属板を曲面形にて形成した接続継手を示す平面図、(b)は金属板を平面形にて形成した接続継手を示す平面図
【図6】 同、(a)は金属板を曲面形にて形成した接続継手の例において、水平方向に傾斜角度を設けて金属筒体を溶接取付けしたものを示す平面図、(b)は上方向に傾斜角度を設けて取付けた側面図
【図7】 金属板のアンカー止穴の形成例を示すもので、(a)は止穴の周囲を部厚に形成した例、(b)は同、段高に形成した例を示す側断面図
【図8】 同、(a)は単穴、(b)は長穴、(c)は単穴の連なったものを示す部分正面図
【図9】 外嵌め用のゴム輪を金属筒体に取付けた状態にて示す部分断面図
【図10】 内嵌め用のゴム輪の金属筒体に取付けた状態にて示す部分断面図で、(a)は一重漏斗形コの字ストッパー付き、(b)は二重n形コの字ストッパー付き、(c)は二重n形鉤形ストッパー付きの例
【図11】 外面付けの接続継手に外嵌め用のゴム輪を用いて本管を円形マンホールに接続した状態を締めす平面図
【図12】 同、部分拡大横断面図
【図13】 同、金属筒体を傾斜角度を設けて取付けた接続継手による接続状態を示す平面図
【図14】 内面付けの接続継手に内嵌め用のゴム輪を用いて本管を円形マンホールに接続した状態を示す部分拡大横断平面
【図15】 (a)は金属リングの正面図、(b)は(a)のA−A線拡大部分断面図
【図16】 内面付けの接続継手において、内側から充填材を流し込み充填する状態を示す部分断面図
【図17】 掛止ストッパーの説明図で、(a)は掛止ストッパーが倒れた状態で側面孔内を通過している状態、(b)は側面孔を通過し自動起立して外壁面に掛止した状態を示す部分断面図
【図18】 角筒体(a)、アーチ形(b)および卵形(c)の本管または枝管,支管の外周面の直線部等に補形ゴム帯を装着した例を示す正面図
【図19】 (a)は滑り当て調整具の一例を示す斜視図、角筒体に補形ゴム体を装着しゴム輪を嵌合して角部に当て調整具を当ててバンド締めした状態を示す部分拡大正面図
【図20】 (a)は滑り当て調整具に平板バンド用の溝を形成した例、(b)は同、金属ワイヤー用の溝を形成した例を示す拡大断面図
【符号の説明】
1aは外面付け用の接続継手
1bは内面付け用の接続継手
2は中ぐり孔
3は金属板
4は金属筒体
5は補強板
5aは切欠部
6はゴムシール材
7はアンカー止穴
8は水膨張性シール材
9はアンカー
9aはボルト
10aは外嵌め用のゴム輪
10b,10c,10dは内嵌め用のゴム輪
11は本管,枝管,支管
12は平板形の締付けバンド
12aは金属ワイヤー形の締付けバンド
13はずれ止め用の段差
14は押し当て取付用の金属リング
15は保護カバー
16はバックアップ材
17は弾性目地材
18は充填材
19は蓋付き孔
19aは蓋
20は螺旋形の離脱防止用部材
21は掛止ストッパー
21aは掛止部
21bは取付部
21cはばね材
22は補形ゴム帯
22aは水膨張性ゴム層
23は滑り調整当て具
23aは平板形締付けバンド用の案内溝
23bは金属ワイヤー形締付けバンド用の案内溝
30はマンホール
31は側面孔

Claims (1)

  1. マンホール,カルバートあるいは本管の側面孔に円筒形、角筒形、アーチ形、卵形などの枝管,支管を傾斜を許容して嵌入取付けするための接続継手であって、該側面孔部分に当て付けする金属板と、該金属板の中ぐり部に取付けて前記の側面孔に嵌入する金属筒体とおよび該金属筒体と内側の枝管,支管との間に取付けるゴム輪とからなり、該ゴム輪にコの字形のストッパーを設けて金属筒体の外端部に挟み止め、且つ拡開掛止形の金属リングを金属筒体の内面に設けるずれ止め用の段差に押し当て取付けするとともに、該ゴム輪と内側の前記枝管,支管との間をバンド締めにて取付け、該枝管,支管が角筒形、アーチ形、卵形により角部を有すときは該接続管の直線部に補形ゴム帯を装着してゴム輪外周の角部を曲面にするとともにバンドの滑りを良好とする滑り調整具を該バンド下に当て付けしてバンドの締付け応力が全周に均等におよぶようにしたことを特徴とする既設,新設のマンホール等と本管および枝管,支管の傾斜角を自在とする接続継手。
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