JP3802118B2 - テレビ映画用走査装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルムを画像走査部を通して連続的に前進させるキャプスタンローラと、第１のタコディスクを備えたスプロケットとを有するテレビ映画用走査装置であって、キャプスタンローラは、サーボコントロール回路によって制御されるキャプスタンモータによって駆動され、スプロケットはフィルムによって駆動され、サーボコントロール回路は、タイムベースパルス繰り返し信号及びキャプスタンモータの第２のタコディスクから導出される実際値パルス繰り返し信号を受け取り、ならびに、スプロケットの第１のタコディスクのパルス繰り返し信号から導出される位相信号を受け取るテレビ映画用走査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
テレビで映画を走査する時、明らかな水平方向及び垂直方向の画像定常エラーを引き起こすトラッキングエラーが、例えば、供給速度の変動やフィルム素材の伸縮性によるフィルム走行の動的変化、そして特にフィルム上のフレーム位置の不正確さによって発生する。適性な基準点が欠如していても、暗くした映画館でフィルムを映写する際は、画像定常エラーは妨害にならないが、フィルムを、照明のある環境を有し、電子記録とフィルム記録の間での急速変換を有するテレビで放映する際には、妨害効果が非常に強く現れるようになる。フィルム記録とコンピュータグラフィクを結合した、クロマキー技術を使用する方式では、画像定常性のために大変厳しい必要条件が課せられる。なぜなら、静止残留画像にキーイングされたフィルム部分の相対運動が、非常に妨害となる。
【０００３】
従来の定速度走査装置においては、水平方向の画像定常性は、フィルム窓へフィルム帯を機械的な横方向ガイダンスすることによって決定される。垂直方向の画像定常性は、固定された走査ラスタに関するフィルムイメージの位置によって決定される。すなわちキャプスタン駆動位置が、垂直方向の定常エラーに根本的な影響を与える。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、本発明の課題は、垂直方向の定常エラーを最小限に抑えるテレビ映画用走査装置、すなわち、フィルムを画像走査部を通して連続的に前進させるキャプスタンローラと、第１のタコディスクを備えたスプロケットとを有するテレビ映画用走査装置であって、キャプスタンローラは、サーボコントロール回路によって制御されるキャプスタンモータによって駆動され、スプロケットはフィルムによって駆動され、サーボコントロール回路は、タイムベースパルス繰り返し信号及びキャプスタンモータの第２のタコディスクから導出される実際値パルス繰り返し信号を受け取り、ならびに、スプロケットの第１のタコディスクのパルス繰り返し信号から導出される位相信号を受け取るテレビ映画用走査装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、分周器は第１のタコディスクのパルス繰り返し信号を分周するために設けられており、テレビ映画用走査装置がスイッチオンされた後で、サーボコントロール回路のための位相信号がまず第１のタコディスクの分周されたパルス繰り返し信号から発生される２Ｖのパルス信号から導出され、キャプスタンローラが選択された操作モードのために速度を上げた後で、位相信号が、分周器からの信号よりも高い周波数を有する第１のタコディスクのパルス繰り返し信号から導出されることによって解決される。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明によるテレビ映画用走査装置は、通常の映写速度でフィルムを走査している時、最高の垂直方向の定常性を獲得するという利点を持つ。その上、位相安定性は走査速度を上げることによって向上する。
【０００７】
本発明によるテレビ映画用走査装置のさらに有利な改善実施形態は、従属請求項に記載の手段によって可能となる。
【０００８】
本発明の以上の及びその他の局面を、以下に記述された実施形態に関して明確に説明する。
【０００９】
【実施例】
ただ１つの図は、本発明の本質をなす垂直方向の定常エラー補正部を含む、テレビ映画用走査装置のフィルム供給装置の１部分だけを示している。フィルム１は連続的に矢印の方向へと、キャプスタンモータ２によって駆動される、ゴムを被覆したキャプスタンローラ３により前進させられ、速度及び位相制御される。数千のインクリメントを有するパルスタコディスク４は、キャプスタンローラ３用のモータシャフトの後部端部に配置されている。このディスク４の前部に、走査装置５は配置されており、この走査装置５によってキャプスタンローラ３の回転速度及び回転方向に関する情報を含んだパルス繰り返し信号が導出されうる。このパルス繰り返し信号は実際値パルス繰り返し信号として、サーボコントロール回路６の第１の入力側に供給される。このサーボコントロール回路６の第２の入力側にタイムベースパルス繰り返し信号が供給される。キャプスタンモータ２をあらゆる操作モードにおいて速度及び位相制御する制御信号は、このサーボコントロール回路６の出力側から取り出されうる。このサーボコントロール回路６の第３の入力側は位相制御信号を受け取る。
【００１０】
この位相制御信号は、−例えばフィルムの収縮を自動補正するために−タコディスク７から導出されるパルスから得られる。このタコディスク７は、スプロケット８とシャフトを共有するように配置されており、フィルムによって駆動されるこのスプロケット８によって回転している。このタコディスク７は、２つの同心円トラック９及び１０を有し、内側のトラック９は黒地に白の指標ストライプを１本有し、外側のトラック１０は４８０個の黒-白領域を有している。これらのトラックは例えばホトダイオード１１及び１２によってそれぞれ走査される。
【００１１】
ホトダイオード１２によって供給されるパルス信号は分周器１３を介して２Ｖの位相比較回路１４の第１の入力側に供給され、この位相比較回路１４の第２の入力側に２Ｖのスタジオ基準信号が供給される。フィルムのフレームはこの信号によってスタジオＶパルスに同期させられる。ホトダイオード１１によって供給される指標信号は、例えば、分周器１３をリセットするために使用される。低域フィルタリング処理は安定性のために行われる必要があるから、低域要素１５は位相比較回路１４の出力側に接続される。この平均化処理の結果、補正効果は妨害周波数の増加とともに減少する。一方で、生フィルムの公差は比較的多数のフレームにわたって累積する。
【００１２】
テレビ映画用走査装置がランアップ期間中にスイッチオンされた後で、得られた位相制御信号はまず最初に切り替えスイッチ１６を介してサーボコントロール回路６の位相入力側に供給される。この切り替えスイッチ１６が破線で図示されている位置にある時に、この切り替えスイッチ１６の第１の入力側に信号が供給される。さらに、２つの２Ｖのパルス信号は一致回路１７に供給され、適切に検査される。この２つの２Ｖのパルス信号が一致するやいなや、スイッチング信号が切り替えスイッチ１６に供給され、この切り替えスイッチ１６は図示されている位置へ切り替えられる。そして、切り替えスイッチ１６の第２の入力側に入った位相信号が出力側に切り替え出力される。
【００１３】
この位相信号はもう１つの位相比較回路１８によって発生される。この位相比較回路１８の入力側に、ホトダイオード１２によって外側のトラック１０で走査された高周波数３kHzパルス信号と、相応の３kHz基準信号が供給される。
【００１４】
位相比較回路１４から得られた位相信号により、２Ｖの調整に従って制御される位相調整回路１９は、位相比較回路１８へ向かう基準信号供給線の途中に配置されている。分周器回路２０はホトダイオード１２ともう１つの位相比較回路１８の間を結ぶ高周波パルス信号供給線の途中に配置してもよい。この分周器回路２０によって高周波パルス信号の分周も可能である。もちろん、結合される基準信号も、適切に分周されるされるべきである。
【００１５】
もちろん、個々の回路構成要素の上記の機能はマイクロプロセッサ及び相応のソフトウェアによって実行されてもよい。
【００１６】
選択された操作モードに対して通常の映写速度が到達された時には、この位相信号は高速走査によってより良い位相安定性を実現できる。この位相信号は高周波パルス信号源から導出される有効な位相信号である。その結果、垂直方向の画像定常性は非常に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の本質をなす垂直方向の定常エラー補正部を含む、テレビ映画用走査装置のフィルム供給装置の１部分
【符号の説明】
１ フィルム
２ キャプスタンモータ
３ キャプスタンローラ
４ タコディスク
５ 走査装置
６ サーボコントロール回路
７ タコディスク
８ スプロケット
９ トラック
１０ トラック
１１ ホトダイオード
１２ ホトダイオード
１３ 分周器
１４ 位相比較回路
１５ 低域要素
１６ 切り替えスイッチ
１７ 一致回路
１８ 位相比較回路
１９ 位相調整回路
２０ 分周器回路

Claims (4)

1. フィルムを画像走査部を通して連続的に前進させるキャプスタンローラ（３）と、第１のタコディスク（Tachodisc）（７）を備えたスプロケット（８）とを有するテレビ映画用走査装置であって、
   前記キャプスタンローラ（３）は、サーボコントロール回路（６）によって制御されるキャプスタンモータ（２）によって駆動され、
   前記スプロケット（８）はフィルム（１）によって駆動され、
   前記サーボコントロール回路（６）は、タイムベースパルス繰り返し信号及びキャプスタンモータ（２）の第２のタコディスク（４）から導出される実際値パルス繰り返し信号を受け取り、ならびに、スプロケット（８）の第１のタコディスク（７）のパルス繰り返し信号から導出される位相信号を受け取るテレビ映画用走査装置において、
   分周器（１３）は第１のタコディスク（７）のパルス繰り返し信号を分周するために設けられており、
   テレビ映画用走査装置がスイッチオンされた後で、サーボコントロール回路（６）のための位相信号がまず第１のタコディスク（７）の分周されたパルス繰り返し信号から発生される２Ｖのパルス信号から導出され、
   キャプスタンローラ（３）が選択された操作モードのために速度を上げた後で、位相信号が、分周器（１３）からの信号よりも高い周波数を有する第１のタコディスク（７）のパルス繰り返し信号から導出されること、を特徴とするテレビ映画用走査装置。
2. ２Ｖのパルス信号から導出される位相信号と第１のタコディスク（７）のより高い周波数パルス信号から導出される位相信号の両信号を、スプロケット（８）の第１のタコディスク（７）から得られるパルスと、相応の基準信号とを比較することによって発生する、請求項１記載のテレビ映画用走査装置。
3. 位相比較回路（１４）によって供給される２Ｖの位相信号は、平均化のために低域要素（１５）に供給され、この低域要素（１５）の出力側は、切り替えスイッチ（１６）の第１の入力側及び位相調整回路（１９）の制御入力側に接続されており、この位相調整回路（１９）は、高周波位相信号のために、基準信号供給線の途中に配置され、
   もう１つの位相比較回路（１８）によって供給される高周波位相信号は、切り替えスイッチ（１６）の第２の入力側に供給され、
   この切り替えスイッチ（１６）は、スプロケット（８）の第１のタコディスク（７）から得られる２Ｖのパルス信号及び２Ｖの基準信号の両信号を受け取る一致回路（１７）によって制御することができ、
   この切り替えスイッチ（１６）の出力側はサーボコントロール回路（６）の位相入力側に接続されている、請求項２記載のテレビ映画用走査装置。
4. スプロケット（８）の第１のタコディスク（７）から得られる高周波パルス信号は、位相比較回路（１８）の第１の入力側に、任意には分周器回路（２０）を介して、供給され、
   相応の基準信号は、位相調整回路（１９）を介して位相比較回路（１８）の第２の入力側に供給されうる、請求項３記載のテレビ映画用走査装置。

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