JP3801455B2 - トリガ装置、キャリッジロック装置および記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガ装置およびキャリッジロック装置並びにそれらを備えた記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
キャリッジを備えた記録装置では、製品の出荷時やインクカートリッジの交換時においてホームポジションに待機しているキャリッジの意図しない移動を防止するため、通常キャリッジロック装置が設けられている。すなわち、製品の出荷時等には、キャリッジを駆動するキャリッジモータは無励磁状態となりキャリッジの拘束が解かれるため、その停止位置をホームポジションに固定しておくにはキャリッジをロックする機構が必要となるのである。このキャリッジロック装置は、例えば、ホームポシションにあるキャリッジに対して、ロックレバーが係合または待避することによってロックまたは解除を行うものである。
【0003】
ところで、従来のインクジェット式記録装置では、側面視略D型の給紙ローラから紙送りローラへ向けて記録用紙を給紙し、その記録用紙の先端が紙送りローラに引き渡された後に、給紙ローラの駆動を停止すると共に紙送りローラの駆動を継続して、記録ヘッドの存する搬送路に用紙を送り出す機構が採用されている。そして、小型の給紙装置では、装置の小型化と低価格化を図るために、単一の駆動モータによりこの2つのローラの所要の動作を行えるように工夫されている。
【0004】
また、上記のキャリッジロック装置においても、ロックレバーの動作は、装置の小型化と部品点数の削減を図るため、通常給紙ローラおよび紙送りローラの駆動モータの駆動力を利用してロックまたは解除を行うように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来の記録装置におけるキャリッジロック装置は、給紙ローラおよび紙送りローラに共通する駆動モータを利用してロック状態と解除状態の切り換えを行うものであったが、給紙ローラ駆動のオン・オフ機構とは全く独立した部品によりキャリッジロックを行うものであったため、その分部品点数も多くなり、構造も複雑化して小型化を妨げる一因になっていた。
【0006】
本発明の目的は、記録装置の小型化を図ることが可能なトリガ装置およびキャリッジロック装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の給紙装置におけるトリガ装置の発明は、駆動モータの駆動力によって給紙ローラが記録媒体を記録ヘッドへ向けて給送する給紙装置において、前記給紙ローラへの駆動力伝達の切り換えを行うトリガ装置であって、前記給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを備え、給送動作時において前記トリガレバーは(1)前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記1回転クラッチから離れ、前記給紙ローラへ前記駆動モータの駆動力を伝え、(2)前記給紙ローラの駆動モータの正転によって前記1回転クラッチに近づく方向に揺動して、給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにして給紙ローラを停止させるものであり、記録ヘッドを搭載し、主走査方向へ往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジがホームポジションに待機した状態において、前記トリガレバーは前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して該キャリッジと係合し、これをロックすることを特徴とする。
この発明によれば、給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにし、給紙ローラを停止させることができ、かつ、紙送りローラの回動はそのまま続行させることが可能なトリガ装置に、ホームポシションに待機したキャリッジをロックする機能を持たせたので、別途キャリッジロックのための機構を設ける必要がなくなり、部品点数の削減と装置の小型化が可能になる。また、トリガ装置は、トリガレバーと1回転クラッチとの組み合わせから成るため、構造が簡略化され、横幅が小さく動作も安定しており、確実な給紙動作およびキャリッジロック動作が実現できる。
【0008】
請求項2に記載のキャリッジロック装置の発明は、記録装置において、記録ヘッドを搭載し、主走査方向へ往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジを、ホームポシションにロックするキャリッジロック機構であって、駆動モータの駆動力によって駆動する給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを備え、給送動作時において、前記トリガレバーは(1)前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記1回転クラッチから離れ、前記給紙ローラへ前記駆動モータの駆動力を伝え、(2)前記給紙ローラの駆動モータの正転によって前記1回転クラッチに近づく方向に揺動して、給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにして給紙ローラを停止させるものであるとともに、前記キャリッジがホームポジションに待機した状態において、前記トリガレバーは前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記キャリッジと係合し、これをロックすることを特徴とする。
この発明によれば、キャリッジロック装置として1回転クラッチと摩擦クラッチとからなるトリガ装置を利用する構成としたので、別個の機構を設ける必要がなくなり、部品点数の削減と装置の小型化が図られる。
【0009】
請求項3に記載の記録装置の発明は、記録媒体を記録ヘッドに向けて給送するための給紙ローラと、前記記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジと、を備えた記録装置であって、前記給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを設け、給送動作時には、前記給紙ローラの駆動モータの逆転で前記摩擦クラッチのトリガレバーを前記1回転クラッチから離れる方向に揺動(レリース)させ、正転で前記1回転クラッチに近づく方向に揺動させて、前記給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにし、給紙ローラを停止させるとともに、前記キャリッジがホームポジションに待機した状態では、前記給紙ローラの駆動モータの逆転で前記トリガレバーを揺動させて前記キャリッジと係合させ、これをロック可能に構成したことを特徴とする。
この発明によれば、1回転クラッチと摩擦クラッチとを組み合わせた機構によって、給紙ローラへの駆動モータの動力の伝達または解除を切り替える役割と、キャリッジをホームポシションにロックする役割とを行うことができるので、記録装置において部品点数の削減と装置の小型化を図ることが可能になる。
【0010】
請求項4に記載の記録装置の発明によれば、請求項3において、前記トリガレバーは、前記キャリッジと係合したキャリッジロック位置において、前記1回転クラッチとも係合した状態であることを特徴とする。
この特徴によれば、キャリッジロック状態のトリガレバーは、1回転クラッチとも係合した状態に置かれるので、キャリッジロック状態から駆動モータを正転させても、給紙ローラに駆動力が伝わることがない。すなわち、キャリッジロック状態からの解除動作において、給紙ローラの空転を防止できるため、エネルギー消費の節減およびモータ負荷の軽減を図ることができる。
【0011】
請求項5に記載の記録装置の発明によれば、請求項3または4において、動力伝達歯車に同軸的に設けた円筒部に周方向に相対移動可能かつ摩擦力により連行可能にトリガレバーの環状部をはめ込み、給紙ローラ用の1回転クラッチのオン・オフを行えるようしたことを特徴とする。
この特徴によれば、摩擦力によりトリガレバーの連行を可能にしているので、部品点数の少ない記録装置を得ることができる。
【0012】
請求項6に記載の記録装置の発明によれば、請求項3から5のいずれか1項において、トリガレバーの前記1回転クラッチに近づく方向への揺動タイミングを、モータの正転開始時より遅らせる手段を設けたことを特徴とする。
この特徴によれば、1回転クラッチに近づく方向へのトリガレバーの揺動タイミングをモータの正転開始時より遅らせる手段を設けたので、トリガレバーによる1回転クラッチのオン・オフ動作の確実性を向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
図1において、符号10は電気的駆動モータ、符号20は円筒状の紙送りローラ、符号30は側面視略D型のフリクションローラから成る給紙ローラである。電気的駆動モータ10は、紙送りローラ20及び給紙ローラ30に共通の駆動モータであり、紙送りローラ20は歯車体G4、G5を介して駆動される。また、給紙ローラ30は、摩擦クラッチ40、歯車体G2及び1回転クラッチ50を介して駆動される(図2参照)。この摩擦クラッチ40は、詳細は後述するが、動力伝達歯車である歯車体G3とその円筒部41に摺動可能にはめ込まれたトリガレバー42とで構成されている。また、1回転クラッチ50は、歯車体G1、ラチェット51、クラッチ環52、支持円板53及びバネ54から構成されている。
【0014】
上記の歯車体G1は、歯車G11とそれより小径のラチェット51を同軸的に一体に有する。また、歯車体G2は、歯車G21、G22を同軸的に一体に有する。また、歯車体G3は、歯車G31と、その片面側に軸方向に順次同軸的に設けた円筒部41及び歯車G32とを備えて構成されている。また歯車体G4は、歯車G41、G42、G43を同軸的に一体に有する。更に歯車体G5は、歯車G51、G52を同軸的に一体に有する。
【0015】
駆動モータ10の駆動力は、その出力軸に設けた歯車11より、歯車体G4の歯車G41、G42、歯車体G5の歯車G51、G52を経て、紙送りローラ20と一体の歯車G6に伝えられる。
【0016】
また、上記駆動モータ10の駆動力は、歯車体G4の歯車G43より、順次に摩擦クラッチ40を構成する歯車体G3の歯車G31、G32、歯車体G2の歯車G21、G22、1回転クラッチ50を構成する歯車体G1の歯車G11、ラチェット51、クラッチ環52、及び支持円板53を介して、給紙ローラ30へ伝達できるように構成されている。そして、1回転クラッチ50の入り切りは、摩擦クラッチ40のトリガレバー42により行われるようになっている。
【0017】
図2及び図3に摩擦クラッチ40の構成を示す。この摩擦クラッチ40は、歯車G31の片面側に軸方向に順次同軸的に円筒部41及び歯車G32とを設けた歯車体G3と、その円筒部41に摺動可能にはめ込まれたトリガレバー42とで構成されている。
【0018】
トリガレバー42は、歯車体G3の円筒部41に摺動可能にはめ込まれる環状部43と、その直径方向一側に突出させたアームに設けた係止爪47と、環状部43の直径方向他側に突出させた保持部である鞘44と、その内部に設けた弾性体としてのバネ45と、該バネ45により常時円筒部41の表面に圧接される摺接片(可撓子)46とを有している。即ち、トリガレバー42は、それ自体に外力が加えられなければ、バネ45で摺接片46が歯車体G3の円筒部41に当接している摩擦力により、歯車体G3と一体に回動する。しかし、係止爪47が他の部材に触れて阻止された場合、即ち1回転クラッチ50のクラッチ環52の係合突起55に係止した場合には、環状部43が円筒部41の周りに滑って、歯車体G3のみが回動し、クラッチ環52は移動しない状態となる。このように、摩擦クラッチ40のトリガレバー42に、バネ45及び摺接片46を一体的に組み入れて、保持部内に挿入したバネ45により円筒部41に摺接片46を軽く摺接させ、共回りと相対的移動とを可能にしているので、従来の切換レバーにより中間歯車をその軸方向に変位させる構成に較べ、軸方向の小型化を図ることができると共に、部品点数の少ない簡単な構成の摩擦クラッチ40を得ることができる。
【0019】
1回転クラッチ50は、歯車体G1と、その側面に同軸的に一体に設けられたラチェット51と、支持円板53に設けたピン56に差込穴57を揺動自在に挿通して枢支したクラッチ環52と、給紙ローラ30に同軸的に固定された支持円板53と、上記ピン56を中心として揺動するクラッチ環52を周方向の一側に常時付勢するバネ54とから構成されている。クラッチ環52は円環状に構成されており、その円環の内側の一箇所にクラッチ爪58が突設されていると共に、外周面の一箇所に係合突起55が突設されている。
【0020】
1回転クラッチ50単独の場合、クラッチ環52はバネ54の働きにより常時クラッチ爪58がラチェット51に係合する位置にあり、そのラチェット爪の働きにより、一方向にのみ回転できる状態にある。しかし、摩擦クラッチ40のトリガレバー42が歯車体G3に連行されて回動し、その係止爪47がクラッチ環52の係合突起55に係止すると、クラッチ環52がピン56を支点として回動し、そのクラッチ爪58がラチェット51から離れる。このため、1回転クラッチ50が切断され、給紙ローラ30による記録用紙の給紙が停止する。
【0021】
次に、上記機構による給紙動作を図4〜図7を参照しながら説明する。
(1)まず、駆動モータ10を僅かに逆転(時計方向CWに回転)させる。この駆動モータ10の逆転(CW)過程では、摩擦クラッチ40において歯車G3とトリガレバー42が摩擦で繋がれ、トリガレバー42は図4から見ると矢印P1で示すように、左回りに回る。即ち、歯車体G3に連行されて、1回転クラッチ50から離れる方向に揺動(レリース)され、トリガレバー42が図4の点線位置から実線位置に移行し、係止爪47が外れる(図4)。この時クラッチ爪58とラチェット51の頭が当たらなければクラッチ環52は図5の位置へ動く。
【0022】
(2)記録ヘッドのキャリッジ2を案内ロッド1に沿ってトリガレバー42の在る位置まで移動させ、図5に示すように、そのキャリッジ止部3にて、トリガレバー42を戻らないように押さえる。その後、駆動モータ10を正転(反時計方向CCWに回転)させ、歯車体G1を図5に矢印P2で示す方向に回転させて、クラッチ爪58とラチェット51を噛ませる(図5)。このキャリッジ止部3は、トリガレバー42の1回転クラッチ50に近づく方向への揺動タイミングを、駆動モータ10の正転開始時より遅らせる手段として機能する。このようにキャリッジ止部3にてトリガレバー42を非作用位置に係留させ遅らせる理由は、クラッチ爪58とラチェット51の頭が当たる場合に、トリガレバー42を押さえずに駆動モータを正転(CCW)すると、クラッチ爪58がラチェット51と噛み合う前にトリガレバー42が戻ってしまうからである。したがって、トリガレバー42の前記1回転クラッチ50に近づく方向への揺動タイミングを、駆動モータ10の正転開始時より遅らせる手段(ここではキャリッジ止部3)を設けた構成では、1回転クラッチ50のオン・オフ動作の確実性を向上させることができる。
【0023】
図5において、上記クラッチ爪58がラチェット51と噛み合うことで、上記1回転クラッチ50がON状態になる。即ち、給紙ローラ30を一方向に回転させて用紙を送り出しローラ20に向けて送り出すことができると共に、給紙ローラ30を逆方向に回動させることが可能な状態になるため、必要に応じ、用紙を逆方向に引き出すことが可能になる。
【0024】
(3)給紙を行う場合は、キャリッジ2をトリガレバー42から離した後、駆動モータ10を正転(CCW)させる。図6に示すように、駆動モータ10の正転(CCW)により、ON状態の1回転クラッチ50を介して、図6に示す矢印P2方向に、給紙ローラ30が正転(給紙)し、給紙が行われる。このときトリガレバー42の係止爪47はクラッチ環52側へ近づいた状態となり、その係止爪47下をクラッチ環52の環状外周面が滑って行く(図6)。
【0025】
(4)給紙ローラ30がほぼ1回転すると、用紙の先端は紙送りローラ20に達しニップされる。この時点において、クラッチ環52の係合突起55が、トリガレバー42の係止爪47の位置まで移動してきており、両者が係合することにより、図7に示すようにクラッチ環52はピン56を支点として揺動し、そのクラッチ爪58がラチェット51から離れて、1回転クラッチ50がOFFする。このとき、紙送りローラ20は回転を続け、従って歯車体G3も回転を続けるが、トリガレバー42は単にその環状部43が歯車体G3の円筒部41に摺動可能にはめ込まれているだけであり、トリガレバー42と歯車体G3は相対的に滑るため、紙送り動作には何ら支障を来さない。
【0026】
上記のように、駆動モータ10の正転(CCW)で1回転クラッチ50が切られることにより、給紙ローラは1回転した後に止まる(図7)。即ち、給紙ローラは1回転でその役割を終え、その後は紙送りローラ20により紙の送り出しが続行される。このように、給紙ローラ30が1回転した段階で前記1回転クラッチ50をオフにし、給紙ローラ20を停止させることができ、かつ、紙送りローラ20の回動はそのまま続行させることができる。また、トリガレバーと1回転クラッチ50の組み合わせから成るため、従来より構造が簡略化され、横幅が小さく動作も安定した給紙装置にすることが可能である。
【0027】
以上述べたように、本実施形態では、摩擦クラッチ40のトリガレバー42に、バネ45及び摺接片46を一体的に組み入れて、鞘44内に挿入したバネ45により円筒部41に摺接片46を軽く摺接させ、共回りと相対的移動の両方を可能にしているので、従来の切換レバーにより中間歯車をその軸方向に変位させる構成に較べ、軸方向の小型化を図ることができると共に、部品点数の少ない簡単な構成の摩擦クラッチを得ることができる。また、この摩擦クラッチと1回転クラッチとを組み合わすことにより、給紙ローラを1回転させて用紙の送り出しを行わせた後に給紙ローラを停止させ、しかし、送り出しローラの動きは続行させるという動作を、同じ駆動モータの駆動力で行わせることができる。
【0028】
以上を踏まえ、本発明のキャリッジロック装置について詳述する。図8は、キャリッジ2がロックされた状態を示す図面である。図8におけるキャリッジ2は、図4〜図7に比べて主走査方向に基端部側(図4〜図7の紙面上で手前側)のホームポジションに位置しているため、ここでは、トリガレバー42の当接部48がキャリッジ2の係止部5と当接することによりキャリッジ2は主走査方向へ移動しないようにロックされている。
【0029】
係止爪47から当接部48までの長さなどのトリガレバー42の大きさや形状、およびキャリッジ2における係止部5の位置は、キャリッジロック状態において、トリガレバー42が1回転クラッチ50の係合突起55と係合しつつ、キャリッジの係止部5と当接できるような長さとすることが好ましい。このようにすると、図8に示すようにキャリッジロック状態において1回転クラッチ50はOFFの状態に置かれるので、キャリッジロック状態から駆動モータ10を正転(CCW)させても、給紙ローラ30に駆動力が伝わることがない。したがって、キャリッジロック状態からの解除動作中に、給紙ローラ30が空転することがなく、エネルギー消費およびモータ負荷の軽減を図ることが可能になる。
【0030】
次に、図8を参照しながら、キャリッジロック機構の動作を説明する。キャリッジ2がホームポジションに位置した状態で、駆動モータ10を僅かに逆転(時計方向CWに回転)させることによりトリガレバー42を矢印P1方向へ回動させて当接部48をキャリッジ2の係止部5に係止させることによりロックが行われる。本実施形態では、キャリッジロック状態におけるトリガレバー42は、キャリッジ止部3によって係留された位置(図5)と、1回転クラッチ50の係合突起に係止爪47が係合した位置(図7)との間の位置まで回動変位しているが、給送動作の開始時(図4参照)とは異なり、トリガレバー42の当接部48は、キャリッジ2の係止部5に当接しつつ係止爪47(当接部48とは反対側)は依然として1回転クラッチ50の係合突起55と係合したままに置かれる。したがって、キャリッジロック状態においては駆動モータ10を正転(CCW)または逆転(CW)させても、給紙ローラ30へ駆動力は伝達されない。
【0031】
キャリッジロック状態からの解除は、図8の状態から駆動モータ10を正転(CCW)させることにより行われる。駆動モータ10の正転(CCW)によって、係止部5と当接部48との係合は解消され、トリガレバー42は図4の点線位置に戻り、キャリッジ2は主走査方向へ移動可能になる。キャリッジロック状態からの解除動作では、駆動モータ10を正転(CCW)させることが必要になるが、前記したようにトリガレバー42の係止爪47が1回転クラッチ50の係合突起55と係合を維持しているため、給紙ローラ30が空転することはない。
【0032】
図9は、本発明におけるトリガレバー42の別の実施形態を説明する斜視図である。このトリガレバーは環状部43と、その環状部43から突出して伸びるアームの先端に貫通孔49を有する当接部48と、そのやや下方のアームの反対側に位置する係止爪47と、前記アームと所定角度を形成するように環状部43から突出させた鞘44と、その内部に設けたバネ45と、このバネ45により円筒部41に圧接される摺動片46(ここでは図示せず)とを有している。また、環状部43には、重心を保つための円弧部43aが設けられている。トリガレバー42は、例えば合成樹脂等の材質によって一体的に成型されている。
【0033】
本実施形態のトリガレバー42は、図10に示すように、貫通孔49においてキャリッジ止部3と嵌合することにより、トリガレバー42の1回転クラッチ50に近づく方向への揺動タイミングを、駆動モータ10の正転開始時より遅らせることができるように構成されている。またこのトリガーレバー42の当接部48は、図11に示すように、キャリッジ2に設けられた係止部5に当接して、キャリッジ2を確実にロックする。本実施形態における他の構成およびトリガレバー42の動作は、図1〜8と同様であるため説明を省略する。
【0034】
【発明の効果】
本発明では、トリガレバーと1回転クラッチの組み合わせから成る給紙・紙送り機構をそのままキャリッジロック機構に利用できるため、従来より構造が簡略化され、部品点数を削減でき、装置の小型化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給紙装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の給紙装置の歯車の係合関係を示す概略図である。
【図3】摩擦クラッチを示す分解斜視図である。
【図4】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、トリガレバーのレリース時を示した図である。
【図5】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、1回転クラッチがオンした状態を示した図である。
【図6】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、1回転クラッチがオンした状態で、給紙ローラと共に回動して行く状態を示した図である。
【図7】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、給紙ローラがほぼ1回転して1回転クラッチがオフした状態を示した図である。
【図8】 摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、キャリッジがロックされた状態を示した図である。
【図9】トリガレバーの説明に供する斜視図である。
【図10】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、トリガレバーのレリース時にキャリッジ止部に嵌合した状態を示した図である。
【図11】摩擦クラッチの動作の説明に供する図で、トリガレバーがキャリッジをロックした状態を示した図である。
【符号の説明】
2 キャリッジ2
3 キャリッジ止部
5 係止部
10 モータ
11 歯車
20 紙送りローラ
30 給紙ローラ
40 摩擦クラッチ
41 円筒部
42 トリガレバー
43 環状部
43a 円弧部
44 鞘(保持部)
45 バネ
46 摺接片
47 係止爪
48 当接部
49 貫通孔
50 1回転クラッチ
51 ラチェット
52 クラッチ環
53 支持円板
54 バネ
55 係合突起
56 ピン
57 差込穴
58 クラッチ爪
G1、G2、G3、G4、G5 歯車体
Claims (6)
- 駆動モータの駆動力によって給紙ローラが記録媒体を記録ヘッドへ向けて給送する給紙装置において、前記給紙ローラへの駆動力伝達の切り換えを行うトリガ装置であって、
前記給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを備え、
給送動作時において前記トリガレバーは(1)前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記1回転クラッチから離れ、前記給紙ローラへ前記駆動モータの駆動力を伝え、(2)前記給紙ローラの駆動モータの正転によって前記1回転クラッチに近づく方向に揺動して、給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにして給紙ローラを停止させるものであり、
記録ヘッドを搭載し、主走査方向へ往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジがホームポジションに待機した状態において、前記トリガレバーは前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して該キャリッジと係合し、これをロックすることを特徴とする、給紙装置におけるトリガ装置。 - 記録装置において、記録ヘッドを搭載し、主走査方向へ往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジを、ホームポシションにロックするキャリッジロック機構であって、
駆動モータの駆動力によって駆動する給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを備え、
給送動作時において、前記トリガレバーは(1)前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記1回転クラッチから離れ、前記給紙ローラへ前記駆動モータの駆動力を伝え、(2)前記給紙ローラの駆動モータの正転によって前記1回転クラッチに近づく方向に揺動して、給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにして給紙ローラを停止させるものであるとともに、
前記キャリッジがホームポジションに待機した状態において、前記トリガレバーは前記給紙ローラの駆動モータの逆転によって揺動して前記キャリッジと係合し、これをロックすることを特徴とする、キャリッジロック装置。 - 記録媒体を記録ヘッドに向けて給送するための給紙ローラと、
前記記録ヘッドを搭載し、主走査方向に往復移動して記録媒体へ記録を行うキャリッジと、を備えた記録装置であって、
前記給紙ローラに対する駆動力の伝達をオン・オフする1回転クラッチと、該1回転クラッチのオン・オフを決定するトリガレバーを備えた摩擦クラッチとを設け、
給送動作時には、前記給紙ローラの駆動モータの逆転で前記摩擦クラッチのトリガレバーを前記1回転クラッチから離れる方向に揺動(レリース)させ、正転で前記1回転クラッチに近づく方向に揺動させて、前記給紙ローラが1回転した段階で前記1回転クラッチをオフにし、給紙ローラを停止させるとともに、
前記キャリッジがホームポジションに待機した状態では、前記給紙ローラの駆動モータの逆転で前記トリガレバーを揺動させて前記キャリッジと係合させ、これをロック可能に構成したことを特徴とする、記録装置。 - 請求項3において、前記トリガレバーは、前記キャリッジと係合したキャリッジロック位置において、前記1回転クラッチとも係合した状態であることを特徴とする、記録装置。
- 請求項3または4において、動力伝達歯車に同軸的に設けた円筒部に周方向に相対移動可能かつ摩擦力により連行可能にトリガレバーの環状部をはめ込み、給紙ローラ用の1回転クラッチのオン・オフを行えるようしたことを特徴とする、記録装置。
- 請求項3から5のいずれか1項において、トリガレバーの前記1回転クラッチに近づく方向への揺動タイミングを、モータの正転開始時より遅らせる手段を設けたことを特徴とする、記録装置。
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