JP3801266B2 - 内燃機関の2次空気供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの2次空気供給装置に係り、特に消音器内に触媒を設け、該触媒の上流側の排気系とエアクリーナとを逆止弁を有する2次空気供給路で接続し、排気脈動を利用して前記エアクリーナから前記2次空気供給路を介して前記排気系に2次空気を供給する内燃機関の2次空気供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比にして三元触媒にてCO,HC,NOXの三成分を同時に浄化するシステムと、酸素の十分な条件にして酸化触媒(三元触媒でも可)にて、主にCO,HCを浄化するシステムとがある。
このようなシステムにおいて出力や運転性能確保のためエンジンへの供給空燃比をリッチとする場合は、排気ガス中に2次空気を供給し、触媒にて浄化する。この時触媒に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比にする前者の場合は、理論空燃比となるように2次空気を供給し、後者は理論空燃比よりリーンになるよう2次空気を供給する。
【0003】
従来、このような2次空気供給方法としては、排気脈動を利用する方法やエアポンプを利用する方法が一般的である。
排気脈動を利用する方法の一例は2次空気供給通路の途中に逆止弁を設け、脈動により生じる負圧で2次空気を触媒前に供給する構成を取る。
エアポンプを利用する方法は、例えば特開平5−209512に示すように一般的には電動ポンプを用いて、エンジンの運転状態に応じた適切な2次空気量を精度良く排気系に供給する構成を取る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って排気脈動を利用する場合、2次空気供給通路の途中に逆止弁を設け、脈動により生じる負圧で2次空気を触媒前に供給する構成を取る為に、2次空気量は排気脈動に直接支配される。
而もエンジン負荷が小さい場合でも、図2(B)の実線に示すように負圧はさほど小さくならず、従って図2の(A)と(B)の比較から明らかなようにエンジン負荷が小さい場合でも大きい場合でもその負圧位置では2次空気量の差は小さい。従って、2次空気供給比(吸入空気量に対する2次空気量の割合)は、負荷が小さいほど大きくなり、図3(A)の点線で示すように2次空気供給後の空燃比は低負荷になるほどリーンになる。
【0005】
よって理論空燃比近傍にセットして三元触媒で浄化をはかる場合、負荷全域にわたって高い浄化性能を得ることができない。
例えば、理論空燃比によりリーンにする場合は、(B)に示すように高負荷域で十分な2次空気量を確保すると、低負荷域では空気量が多量になりすぎ、排ガス温度が下がりすぎて十分な浄化性能が得られない。
一方、エアポンプを用いて2次空気量を制御する構成の場合は、特開平5−209512に示すように構造が複雑で高価となる。
【0006】
本発明は排気脈動を利用する2次空気供給装置を採用するも低負荷域から高負荷域に至るまで十分なる浄化性能を確保し得るエンジンの2次空気供給装置を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる技術的課題を達成するために、消音器内に触媒を設け、該触媒の上流側の排気系とエアクリーナとを逆止弁を有する2次空気供給路で接続し、排気脈動を利用して前記エアクリーナから前記2次空気供給路を介して前記排気系に2次空気を供給する内燃機関の2次空気供給装置において、
前記触媒を設けた消音器の出口側に排気通路面積を可変する絞り弁を設け、一方消音器の入口側に2次空気供給出口端を接続し、該排気絞り弁をエンジン負荷に応じて負荷が小さいときは絞り弁開度を小さく、負荷が大きくなるに従って絞り弁開度を大きくなるようにさせてエンジンに混合気を供給する経路よりの吸入空気量の変化に比例して消音器に流入する二次空気供給量を変化させてなることを特徴とする。
この場合前記排気絞り弁は、前記消音器のテールパイプ(マフラ出口管)に設けるのがよく、又前記絞り弁を、気化器のスロットル弁の開度に比例して制御するのがよい。
【0008】
【作用】
本発明によれば、排気通路に設けた排気絞り弁をエンジン負荷に応じて負荷が小さいときは絞り弁開度を小さく、負荷が大きくなるに従って絞り弁開度を大きくなるように、言換えれば低負荷域ほど排気通路に設けた絞り弁を絞るように作動制御させた為に、これにより、排気管中の平均的な圧力が高くなり、又、排気脈動が小さくなる。この結果、図2(B)に示すように排気管中に生じる負圧が小さくなり、この負圧によって排気管中に供給される2次空気量が図3(B)に示すように減少し、図3(A)に示すように2次空気供給比は負荷に対しフラットな特性となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1に本発明の実施例に係る2次空気供給装置の概略構成図を示す。
エンジン(図示せず)から排出された排気ガスは排気管1から、マフラ本体2に入り、マフラ出口管3を通って大気に放出される。マフラ出口管3には排気絞り弁4が設けられている。又マフラ本体2には、排気ガスを浄化するための触媒5が設けられている。
触媒5上流側の排気管1には、該排気管1の側壁に連設させて2次空気供給通路6が連通され、その上流端はエアクリーナ7に接続され、その途中には排気管1よりの逆流を防ぐ逆止弁8が設けられている。
一方、エンジンに混合器を供給する気化器9には、燃料と空気の混合気の量を調整し、負荷をコントロールするスロットル弁10が設けられ、排気絞り弁4とリンク11で連結されている。20、21はスロットル弁10作動機構としてのリンク及びばねである。
【0010】
かかる構成の2次空気供給装置において、低負荷の時(図1に示す状態)スロットル弁10の開度は小さく、リンク11で結ばれている排気絞り弁4の開度も小さくなるため、マフラ本体2、排気管1を介して実質的に排気絞り弁4上流側に位置する2次空気供給通路6の逆止弁8出口位置の平均的圧力が高くなり、この結果排気の脈動も小さく、脈動によって生じる負圧は小さくなる。
これにより、逆止弁8から2次空気供給通路6を通って排気管1に供給される2次空気量は小さくなる。
一方、高負荷時はスロットル弁10の開度が大きくこれに比例して排気絞り弁4の開度も大きくなるため大きな脈動を生じ、負圧が大きくなって多量の2次空気量が得られる。
【0011】
図2及び図3に前記排気絞り弁4を設けない従来技術(点線で示す)と前記排気絞り弁4を設けてエンジンの負荷に応じて、低負荷時に絞り弁開度を小さくし、高負荷時には開度を大きく制御した時の排気脈動波形(図2)、2次空気供給比(図3)を示す。
図2を説明するに、高負荷時には(A)に示すように、本発明においても排気絞り弁4の開度を大きく制御して入るために、排気絞り弁4を設けない従来例と同様な排気脈動波形を示し、結果として負圧が大きくなって多量の2次空気量が得られる。
一方低負荷時には(B)に示すように、絞り弁開度を小さくする事により、前記したように排気の脈動幅も小さく且つ負圧も従来技術に比較して小さく、結果として二次空気供給量も少なくなることが理解できる。
図3は(A)に二次空気供給比(二次空気供給量/吸入空気量)、(B)は二次空気供給量、(C)は吸入空気量を夫々示す。
本図より理解されるより、本発明の場合は(C)の吸入空気量の変化に比例して(エンジンの負荷変化に対応して前記負圧も変化するために)二次空気供給量も比例的に変化する。従って二次空気供給比(二次空気供給量/吸入空気量)はほぼ一定に維持できる。
これにより、本発明によれば2次空気を供給して排ガスの空燃比をリーンにする場合、従来技術のように低負荷時、2次空気の入りすぎによる排気ガス温度の低下をまねくことなく、低負荷時も高い浄化性能を得ることができる。
【0012】
尚、2次空気を供給して、理論空燃比近傍にし、三元触媒にて浄化をはかる場合も、理論空燃比にほぼ沿った近傍への制御が容易となる。
又、図1に示した実施例は、気化器9のスロットル弁10と排気絞り弁4を連動させたものであるが、負荷に応じて変化する気化器9とエンジンの間の吸気管負圧を用いて排気絞り弁4を可変することも可能であり、この場合も図2及び図3のような制御が可能となる。
【0013】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、簡単な構造でかつ安価にて、負荷にかかわらず2次空気供給比をほぼ一定とする2次空気供給装置を得る事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る2次空気供給装置の概略構成図である。
【図2】高負荷時(A)と低負荷時(B)の従来技術と本発明の排気脈動波形を示すグラフ図。
【図3】(A)にエンジン負荷と二次空気供給比(二次空気供給量/吸入空気量)、(B)はエンジン負荷と二次空気供給量、(C)はエンジン負荷と吸入空気量の関係を示す従来技術と本発明のグラフ図である。
【符号の説明】
1 排気管
2 マフラ本体
3 マフラ出口管
4 排気絞り弁
5 触媒
6 2次空気供給通路
7 エアクリーナ
8 逆止弁
9 気化器
10 スロットル弁
Claims (2)
- 消音器内に触媒を設け、該触媒の上流側の排気系とエアクリーナとを逆止弁を有する2次空気供給路で接続し、排気脈動を利用して前記エアクリーナから前記2次空気供給路を介して前記排気系に2次空気を供給する内燃機関の2次空気供給装置において、
前記触媒を設けた消音器の出口側に排気通路面積を可変する絞り弁を設け、一方消音器の入口側に2次空気供給出口端を接続し、該排気絞り弁をエンジン負荷に応じて負荷が小さいときは絞り弁開度を小さく、負荷が大きくなるに従って絞り弁開度を大きくなるようにさせてエンジンに混合気を供給する経路よりの吸入空気量の変化に比例して消音器に流入する二次空気供給量を変化させてなることを特徴とする内燃機関の2次空気供給装置。 - 前記絞り弁を、気化器のスロットル弁の開度に比例して制御することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の2次空気供給装置。
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