JP3801248B2 - 部品実装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶の基板などに部品を実装する部品実装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、液晶の基板となる従来のガラス基板(以下、単に基板という)1とこの基板1のパターンに圧着されたTAB−IC(Tape Automated Bonding-Integrated Circuit )3を示す平面図である。
【0003】
図6において、ガラス板から製作された長方形の基板1の各四隅には、実装部品の位置決めの基準となる十字状のマーク(以下、セルマークという)2が形成されている。
【0004】
また、基板1の図6において右側の前端のセルマーク2の左側には、部品実装装置の圧接工程の前の貼付工程で貼り付けられたTAB−IC3が示され、左側前端のセルマーク2の右側には、基板1の前端側のパターン1aの一部が示され、左側後端のセルマーク2の前方にも、パターン1aが示されている。
【0005】
なお、図6においては、パターン1aは、前端左側と左端の後方だけに示したが、実際の製品では、前端及び左端と後端に対して、連続的に形成され、TAB−IC3も連続的に実装される。
【0006】
このようにTAB−IC3を基板1に圧着するアウタリードボンディング(Outer Lead Bonding)装置(以下、OLB装置という。)においては、このOLB装置に組み込まれた電荷結合素子(以下、CCD(Charge Coupled Device )という。)カメラでセルマーク2を撮像し、その位置を画像処理装置で検出している。
【0007】
この部品実装装置のなかには、CCDカメラでセルマーク2の全体の画像を検出するのではなく、カメラのスキャンラインを所定の位置に設定し、この特定の位置の画像の濃淡のデータから、セルマーク2の位置を検出する方法がある。
【0008】
この方法を採用した画像処理装置においては、最初に設定したスキャンラインを走査して得られた画像中に、もし、セルマーク2の画像が含まれていなかった場合には、セルマーク2の画像が得られる位置まで、スキャンラインを移動させている。
【0009】
一方、画像全体データを使用して、セルマーク2を検出する液晶基板製造用の画像処理装置も採用されている。
この画像処理装置では、CCDカメラによって基板1の上方又は下方から撮像したセルマーク2の画像情報を、画像処理装置の内部に設けられたフレームメモリに格納する。
すると、この画像情報は、予め定められたしきい値によって白黒に2値化された2値化画像情報に変換される。
【0010】
次に、この2値化されたセルマーク2の画像情報は、ラべリング処理によって画像上に黒色として示される部分に対して、1,2,3…と番号を付すラベル付を行う。
【0011】
このラベル付されたセルマーク2のすべての2値化画像情報は、図7(a)の部分拡大図に示す縦方向と横方向の最大値を求めるための外接長方形処理が行われる。
【0012】
このようにラベル付され外接長方形処理が行われたすべての各2値化画像情報のうち、CCDカメラの撮像倍率から逆算された図7(a)で示す縦方向の寸法H1と、横方向の寸法W1と一致する2値化画像情報が、そのセルマーク2の画像情報として選択される。
【0013】
次に、この画像情報から画像の重心となる座標を求める。この重心座標と、予め設計段階で定められたセルマーク2の図7(a)で示す重心座標Coの座標とを比較して、セルマーク2の特徴を有する画像かどうかを判定することによって、基板1の各四隅に設けられたセルマーク2を識別する。
【0014】
なお、図7(b)は、図6及び図7(a)で示したセルマーク2と異るセルマーク2Aの場合を示し、外形や用途の異る液晶基板に採用された場合を示す。 この形状のセルマーク2Aにおいても、図7(a)で示したセルマーク2と同様に、縦方向の寸法H2と横方向の寸法W2が2値化画像情報から求められ、この画像情報から求められた重心座標Coの座標と、設計上の座標の位置とが比較され、果たしてセルマーク2Aなのか、或いは、パターンなのか、などかが判別される。
【0015】
図8は、液晶基板製造用の部品実装装置における画像処理の制御ブロック図の一例を示す図である。
図8において、画像処理装置21は、液晶の基板に形成されたセルマークなどを撮像するCCDカメラ26の画像信号A1が入力されるCCDカメラ用インタフェース22と、このCCDカメラ用インタフェース22に対して、画像データ入力許可信号A2を出力し、CCDカメラ用インタフェース22から画像信号A11を受け取るMPU(主処理)ユニット23と、CCDカメラ用インタフェース22からの画像信号A11が入力され、この画像信号A11を前述した2値化画像情報に変換するとともに、MPUユニット23から入力された出力指令A4によって、この2値化画像情報A3をMPUユニット23に出力するDSP(デジタル信号処理)ユニット24と、後述する部品実装装置のコントローラ27から出力された出力指令A5によって、MPUユニット23から2値化画像情報A31が入力される入出力インタフェース25で構成されている。この画像処理装置21には、前述した出力指令A5を入出力インタフェース25に出力し、この入出力インタフェース25から2値化画像情報A3を受け取る部品実装装置のコントローラ27が接続されている。
【0016】
ところで、このような画像処理装置が組み込まれた部品実装装置においては、画像処理の速度の迅速化による部品実装装置の高能率化が要請され、さらにTAB−ICの打ち抜き誤差にも対応できるものが求められている。
【0017】
図9は、図8で示した画像処理装置が組み込まれた液晶の部品実装装置によるTABの圧着工程を示す流れ図である。
図9において、まず、ステップ30AでTAB−ICが搬送装置の先端に吸着されて、圧着部に搬送されるとともに、ステップ 30B で基板が所定の位置に移動され位置決めされる。
【0018】
次に、ステップ 30C でTABの左右端と基板の左右端の画像がCCDカメラで撮像され、図8で示した画像処理装置で2値化画像処理されてセルマークとTABの各位置が確認される。
【0019】
次に、ステップ30DでTABが基板に貼り付けられ、次のステップ30Eでは、このTABが、貼付の対象となるTABのうちの最終品であるか否かが判断され、もし、最終品でない場合には、ステップ30A,30Bに戻って、上記の作業が繰り返され、最終品となった場合には、貼付工程は終了する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように構成された部品実装装置においては、TAB−ICの打ち抜き位置が、以下のような理由で、万一、ばらついた場合には、貼付位置もばらつくおそれがある。
【0021】
例えば、打ち抜き前のTABのテープに形成されたパーフォレーションとスプロケットの歯との隙間や、テープの張力の僅かな相違によって、TABのリードの中心と端部との寸法がばらつくおそれがある。
【0022】
また、前述したスキャンラインを設定してセルマークとTAB−ICの位置を検出する方法では、スキャンライン上に、万一、塵埃があった場合には、検出位置の精度がばらつくだけでなく、セルマークやTAB−ICを検出できなくなるおそれもある。
そこで、本発明の目的は、セルマークやTAB−ICの検出精度を上げるだけでなく、圧着の稼働率も上げることのできる部品実装装置を得ることである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明の部品実装装置は、基板の所定の位置に搬送された実装部品を撮像カメラで撮像し、この撮像画像から前記実装部品の位置を認識して前記実装部品を当該基板に位置決め供給する部品実装装置において、前記撮像された実装部品の撮像画面に横リードと縦リードとを形成し、この横リードの中心線と縦リードの中心線との交点を求めるとともに、縦方向の長さが前記交点からカット長+所定長、横方向の幅が前記縦リードの幅+所定幅の長方形の打ち抜きずれ測定用ウインドウを設定し、このウインドウの範囲内で、交点から端部までのカットライン長を求める測長手段と、前記カットライン長の最大値をカットライン測定量とし、このカットライン測定量が許容値の範囲内に入っているか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とする。
【0027】
また、請求項2に記載の発明の部品実装装置は、基板に対して、実装部品の位置決めの基準となるセルマークを形成したことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の部品実装装置の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の部品実装装置の第1の実施形態を示す部分拡大説明図で、請求項1に対応し、図6に示したTAB−IC3の部分拡大図に対応する図である。また、図2は、図1の部分詳細図である。
【0029】
図1において、TAB−IC3には、帯状の横リード3aが左端に示され、この横リード3aの右側に対して、帯状の縦リード3bが等間隔に縦に形成されている。
【0030】
第1の実施形態の部品実装装置においては、基板に仮圧着(貼付)されるTAB−ICに対して、以下説明するようにTAB−ICの打ち抜きのずれを画像処理装置で検出し、TAB−ICの圧着位置の不良を未然に防ぐ。
【0031】
すなわち図1において、TAB−IC3のリードの一部を撮像した画像から、横リード3aの中心線4と任意の縦リード3bの中心線5との交点6を、まず、見つける。
【0032】
次に、横リード3aの中心線4から端部までのカットライン長7を求めるために、図1においてX方向には縦リード3bの幅Wの1.5倍で、Y方向にはカットライン長7+500μmの長方形の打ち抜きずれ測定用ウインドウ8を、図1及び図2の鎖線で示すように、画像のなかに設定する。
【0033】
このウインドウ8の範囲内で、縦リード3bを検出した画像の2値化レベルにより2値化された図2に示す像9を求め、さらに、ラベリング処理により2値化画像として抽出された部分の図2で示す外接長方形のX,Yの長さを求める。こうして求めたY方向のカットライン長の最大値をカットライン測定量10とする。
【0034】
このカットライン測定量10が所定の値±許容値の範囲内に入っているか否かを判定し、もし外れていた場合には、このTAB−ICは打ち抜きずれと判定し、基板の仮圧着を中止して、不良品として不良品箱に収納するとともに、ブザーなどによってその旨を操作員に通知する。なお、図2の符号9aは、ウインドウ8内に撮像された基板上の塵埃である。
【0035】
次に、図3は、本発明の部品実装装置の第2の実施形態を示すフローチャートで、従来の技術で示した図9に対応するものである。
第2の実施形態では、TAB−ICを基板の隣接部に搬送する前の段階で、TAB−ICの両端の位置を画像処理装置で予め認識することで、基板の隣接部にTAB−ICが搬送されると、TAB−ICとセルマークの両端のうち、片側だけの位置を撮像画像から認識して、実装作業時間の短縮化を図ったものである。
【0036】
すなわち、図3において、従来の技術で示した図9と異るところは、ステップ10AでTAB−ICの左右端の位置を予め認識して、次のステップ10BのTABハンドリング移動とステップ10Cの基板の移動に移る。
【0037】
次のステップ10Dでは、TAB−ICとセルマークとも、左右のうちの片側の位置だけ認識し、次のステップ10EでこのTAB−ICが最終品であるか否かを判断する。
【0038】
もし、最終品の場合には、ステップ10Fに移って最終品のTAB−ICの貼付動作を行うが、最終品でない場合には、ステップ10Gで貼付動作を行うとともに、次に貼り付けされるTAB−ICに対して、左右端の位置の認識を行った後、ステップ10B,10Cに移る。
【0039】
したがって、ステップ10Dでは、TAB−ICとセルマークの位置の認識は、従来の技術の図9で示したステップ30CにおけるTAB−ICとセルマークの左右端を認識する方法と比べて、認識箇所が半減し、認識時間も半減するので、実装時間のサイクルタイムを短縮することができる。
【0040】
次に、図4は、本発明の部品実装装置の第3の実施形態を示すフローチャートで、図3に対応するものである。
第3の実施形態においては、TAB−ICを貼り付ける直前にステップ10Aにおいて認識したTAB−ICの位置からこのTAB−ICの伸び量を求め、この伸び量に対応して、TAB−ICの貼付位置を補正して圧着する。
【0041】
すなわち、図4において、図3に示したフローチャートと異るところは、ステップ10GにおけるTABの貼付動作に対して、ステップ10Aにおいて撮像した画像からTAB−ICの熱による伸び量を求め、この伸び量に対応した補正量を求めるTABの位置補正動作を、ステップ10Fとしてステップ10Gの前に設け、同じくステップ10HのTABの位置補正動作を、ステップ10Jの前に設けたことである。
【0042】
このように構成された部品実装装置においては、基板の端部に隣接した位置まで吸着によって搬送され熱膨張によって伸びたTAB−ICの端面の認識位置をステップ10F,10Hで補正することによって、熱伸びに伴う貼付位置のずれを未然に防ぐことができるので、更に高精度に実装することのできる部品実装装置を得ることができる。
【0043】
次に、図5は、本発明の部品実装装置第4の実施形態を示す部分説明図で、図1に対応するものである。
この実施形態では、図1で示した縦リードの位置を求める方法の代りに、濃淡画像のY方向加算処理とエッジフィルタによる手法を用いたことが異っている。
【0044】
すなわち、図5(a)は、TAB−IC3と、このTAB−IC3の縦リード3bの画像中からウインドウ11として設定した位置を示し、図5(b)は、このウインドウ11の範囲内のリードの画像3b1を示す拡大図である。
【0045】
本実施形態では、図5(b)で示したように得られた縦リードの画像3b1中の黒色の部分の数をY方向に加算して、図5(c)に示す頂部が弧状のリードの画像3b2となる一次元データを、まず、求める。
【0046】
次に、この一次元データのY方向の隣接部のX方向の差を求めて、波形を急峻な波形に変え(フィルタ処理)てリード画像3b3としたのが図5(d)で、+側のピークを第1エッジ、−側のピークを第2エッジとし、各リードの図5(b)における両端の位置を求めることで、不鮮明な画像から各リードの位置を高精度に求める。
なお、図5(a)に示した横リード3aの位置もX方向に加算することで、同様にして求められる。
【0047】
【発明の効果】
以上、請求項1に記載の発明によれば、基板に実装する部品の撮像画像から部品の基準位置と端部までのカットライン長を求め、このカットライン長とこのカットラインの基準値とを比較することで、部品の基板への供給の可否を判定したので、不良品の発生を抑え、生産効率を上げることのできる部品実装装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の部品実装装置の第1の実施形態を示す部分説明図。
【図2】図1の要部を示す説明図。
【図3】本発明の部品実装装置の第2の実施形態を示す流れ図。
【図4】本発明の部品実装装置の第3の実施形態を示す流れ図。
【図5】本発明の部品実装装置の第4の実施形態を示す説明図。
【図6】従来の部品実装装置で実装されるTAB−ICと基板の一例を示す図。
【図7】(a)は、図6の部分拡大図。(b)は、図6で示したセルマークと異るセルマークの一例を示す拡大図。
【図8】従来の部品実装装置の一例を示すブロック図。
【図9】従来の部品実装装置の一例を示す流れ図。
【符号の説明】
1…基板、2,2A…セルマーク、3…TAB−IC、3a…横リード、3b…縦リード、3b1,3b2…リードの画像、4…横リードの中心線、5…縦リードの中心線、6…交点、7…カットライン長、8,11…ウインドウ、9…2値化像、10…カットライン測長量。
Claims (2)
- 基板の所定の位置に搬送された実装部品を撮像カメラで撮像し、この撮像画像から前記実装部品の位置を認識して前記実装部品を当該基板に位置決め供給する部品実装装置において、前記撮像された実装部品の撮像画面に横リードと縦リードとを形成し、この横リードの中心線と縦リードの中心線との交点を求めるとともに、縦方向の長さが前記交点からカット長+所定長、横方向の幅が前記縦リードの幅+所定幅の長方形の打ち抜きずれ測定用ウインドウを設定し、このウインドウの範囲内で、交点から端部までのカットライン長を求める測長手段と、前記カットライン長の最大値をカットライン測定量とし、このカットライン測定量が許容値の範囲内に入っているか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とする部品実装装置。
- 前記基板に対して、前記実装部品の前記位置決めの基準となるセルマークを形成したことを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
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