JP3800983B2 - 精錬方法 - Google Patents

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  • Waste-Gas Treatment And Other Accessory Devices For Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱的に有効なガスを回収しつつ、精錬を行う精錬方法に関する。
【0002】
溶銑脱燐においては、溶銑輸送容器(例えば銑鍋、トーピード等)で行う方法と、転炉で行う方法とが一般的に知られている。どちらの方法においても、酸素(気体酸素または酸化鉄、酸化Mn等)を溶銑に供給する方法が一般的であるので、溶銑面直上ではCOガスが発生している。従って、このガスを回収し、製鉄所内で有効に活用することは経済的あるいは社会環境上極めて有意義である。
【0003】
このようなことを考慮して、新規に精錬設備を設置する場合には、種々の操業条件においてガス回収可能な構成に設計することにより、比較的容易にガス回収を行うことができるが、転炉等の従来の精錬設備を用いてこのようなガス回収を行おうとする場合、その操業条件が本来脱炭操業(高送酸速度、高ガス発生量)を前提としているため、脱燐操業のごとく低送酸速度に起因した低ガス発生量の操業条件ではガス回収が困難である。つまり、転炉等で脱燐操業を行う際には、低送酸速度により排ガス処理設備のIDFのサージングを引き起こさない最低流量を確保することができないため、発生したCOガスは炉口より空気を巻き込ませ排ガス処理設備のフード内で完全にCOまで燃焼させて系外に排出しているのが一般的であり、発生ガスを熱的に有効なガスとしてガス回収することができていないのが現状である。
【0004】
したがって、転炉等の従来設備において上記のような排ガス発生量が低い領域となる場合にも発生ガスを熱的に有効なガスとして回収するためには大幅な設備改造を行わざるを得ない。しかし、設備改造は多額投資が必要となるばかりでなく、転炉のように脱燐炉および脱炭炉を共用する設備の場合、その改造は困難である。
【0005】
従来設備においてもガス発生速度を回収条件以上とすれば発生ガスを熱的に有効なガスとして回収可能であり、ガス発生速度を増加させること自体は、単純に酸素供給速度を増加させれば比較的簡単に達成することができるが、酸素供給速度を増加させた場合には以下のような不利益があるためこのような回収方法は現実的ではない。
【0006】
図3に示すように、酸素原単位を一定にした場合に高送酸速度とすると吹錬時間が短くなる。図4に示す脱燐時間と処理後のP濃度との関係から分かるように、吹錬時間が短くなるに従って脱燐精錬後のP濃度は高くなり、また、バラツキも大きくなる。これはスラグの滓化が悪化し、結果的に脱燐反応を阻害するためと考えられる。一方、図5に示すように高送酸速度でスラグの滓化が悪化しないレベルまで脱燐時間を延ばした場合は、酸素原単位が増加し、結果的に溶銑中のCが脱炭されてしまい、脱炭炉での熱余裕が減少し、脱炭炉で高価な助燃剤を使用することになるか、または、Feを燃焼させることとなって不都合である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、適切な精錬反応を維持するとともに、低ガス発生量の精錬であっても発生ガスを熱的に有効なガスとして回収可能な精錬方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、転炉型精錬炉内の溶湯に酸素を供給して所定の精錬を行うにあたり、精錬反応により生じるガスの量が、該精錬炉において発生するガスを回収するために設けられている排ガス処理設備のIDFのサージングを引き起こす量である場合に、前記精錬炉内にプラスチックを投入し、精錬反応により生じるガスを前記プラスチックから生じるガスと合わせて精錬炉内でのガス発生量をIDFのサージングを引き起こさない量として、これらガスを熱的に有効なガスとして回収することを特徴とする精錬方法を提供する。
【0009】
本発明によれば、精錬炉内にプラスチックを投入し、精錬反応により生じるガスを前記プラスチックから生じるガスとともに熱的に有効なガスとして回収することにより、従来設備で発生ガス量の低い脱燐精錬等を行う場合であっても、プラスチックから生じるガスにより精錬炉からのガス発生速度は増加されるので、精錬反応により生じるガスを熱的に有効なガスとして回収することが可能となる。
【0010】
また、本発明においては、前記プラスチックの投入速度および/または前記プラスチックを燃焼させるための酸素の供給速度を調節し、回収するガスの温度、発生速度および成分のうち1つ以上を制御することができる。
【0011】
さらに、溶湯に酸素供給を開始してから所定時間経過後にプラスチックを投入することが好ましい。酸素供給の開始直後にプラスチックを投入するとプラスチックが反応・燃焼するおそれがある。この場合には、プラスチックを投入する前に炭材を前記精錬炉内に投入することによってプラスチックの反応・燃焼をより確実に防止することができる。
【0012】
本発明は、前記精錬炉として転炉を用い、前記所定の精錬として溶銑の脱燐を行う場合に特に有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る精錬方法は、精錬炉内の溶湯に酸素を供給して所定の精錬を行うにあたり、前記精錬炉内にプラスチックを投入し、精錬反応により生じるガスを前記プラスチックから生じるガスとともに熱的に有効なガスとして回収する。
【0014】
この精錬方法は、転炉等の従来の精錬炉において、精錬と熱的に有効なガスの回収とを行うものであるが、特に、転炉での脱燐のような低送酸速度、低ガス発生量の精錬に適している。
【0015】
本発明に係る精錬方法においては、上記のような精錬処理に際して、プラスチックを精錬炉内に投入することにより、プラスチックをその中の溶湯の有する熱で燃焼させガス化させるので、精錬炉内のガス発生速度を増加させることができ、これによりガス発生量の少ない脱燐等の精錬処理を転炉のような精錬炉で行う場合であっても、既存の排ガス処理設備によりIDFのサージングを引き起こすことなくガス回収することが可能となる。また、従来からガス回収可能だった精錬処理においても、プラスチックを投入することによってガス回収量を大幅に増大させることができる。
【0016】
投入するプラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルアセチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネートなどほとんどのプラスチックを挙げることができ、2種類以上のプラスチックを混合して使用することも可能である。また、このようなプラスチックを含有する物質としては、廃プラスチックを好適に用いることができるが、もちろんバージンであってもかまわない。ただし、硫黄、燐、窒素などを多量に含む場合には溶鋼汚染源となり、珪素、アルミニウムなどを多量に含む場合にもスラグの増大につながるため、これら元素の含有量が少ないものが好ましい。
【0017】
また、プラスチックを投入する方法は、副原料ホッパーからの上置き、送酸ランスあるいは他のランスからのブラスティング、さらに底吹き攪拌ノズルを通してのインジェクションでもよい。いずれの方法においても、プラスチックはプラスチック単体で添加してもよいし、製鉄ダスト、Mn鉱石、Cr鉱石、Ni鉱石等の酸化物、および、コークス、土壌黒鉛等の炭材と混合して添加してもよく、さらに、これらの混合物をブリケット化して添加してもよい。インジェクション、ブラスティングにより投入する場合のキャリアガスは酸素でもよいし、Ar、N等の不活性ガスであってもよく、さらに炭酸ガス、プロパンガス等のガスであってもよい。
【0018】
ただし、プラスチックは主として炭素と水素とからなるので、例えば転炉での脱燐において、上記のようにプラスチックをガス化して脱燐反応により生じたガスとともに回収するためには、以下の点が重要である。
1)吹錬初期における反応・燃焼を防止すること
2)ガス発生速度を回収可能な範囲内とすること
3)すすの原因となる未燃焼Cを発生させないこと
【0019】
上記1)については、吹錬初期はまだ脱珪に使用される酸素が存在するので排ガス発生量は少なく、また、排ガス処理設備のフード内には空気が存在しているため、フード内には酸素が大量に存在することとなる。したがって、吹錬開始時よりプラスチックを投入すると急速に発生した水素ガスあるいは一酸化炭素ガス+水素ガスと、空気中の酸素とが急激に反応・燃焼し(所謂爆発)、極めて危険である。したがって、図1に示すように、プラスチックの投入前に、少量のコークスや土壌黒鉛等の炭材を投入し、水素のない状態でガス回収条件を成立させ、その後プラスチックを投入してガス回収することによりこのようなことを防止する。
【0020】
上記2)、3)については、下記式によりその条件を決定すればよい。
まず、プラスチック投入速度は、下記の式により決定されるQinput:maxとQinput:minとの間に制御することにより、発生ガス量を排ガス処理設備で回収可能な範囲内とすることができる。
Qinput:max=(Qmax−Qal)/QPL ……… ▲1▼
Qinput:min=(Qmin−Qal)/QPL ……… ▲2▼
ただし、
Qinput:maxは、プラスチック投入速度の最大値;kg/min
Qinput:minは、プラスチック投入速度の最小値;kg/min
Qmaxは、排ガス処理設備で回収可能な最大ガス発生速度;Nm/min
Qminは、排ガス処理設備で回収可能な最小ガス発生速度;Nm/min
Qalは、プラスチックを投入しない操業下でのガス発生速度;Nm/min
QPLは、プラスチックによるガス発生量;Nm/kg(後述するように、空気燃焼の場合と、純酸素燃焼の場合とでは異なる値を示す。)
【0021】
上記Qalは、プラスチックを使用しない場合における、所謂ベースの酸素供給速度で吹錬した場合のガス発生速度である。これに対して、本発明のようにプラスチックを使用する場合には、このベースの酸素供給速度に加えてプラスチックを燃焼させるために必要な酸素を供給する必要があり、また、プラスチックを可燃性のキャリアガスでブラスティング、インジェクション等する場合にはこのキャリアガスを燃焼させるために必要な酸素も供給する必要がある。さらに、上述のように炭材を用いる場合には、炭材を燃焼させるために必要な酸素も供給する必要がある。
【0022】
図2は、上述のように、初期炭材投入によりガス回収条件を成立させた後に、プラスチックを投入してガス回収条件を成立させる場合の吹錬時間と排ガス量および酸素供給量との関係を示すグラフである。図2に示すように、ベースである脱燐酸素分の酸素供給量に加えて、ガス回収条件を成立させるために、吹錬初期には初期炭材を燃焼させる分だけ酸素供給量を増やし、その後にはプラスチックを燃焼させる分だけ酸素供給量を増やす必要がある。
【0023】
プラスチックを燃焼させる場合、気体酸素として、純酸素を用いる方法と空気を用いる方法とがある。しかし、空気中には約80%窒素が存在する。このため、プラスチックの燃焼に空気を用いる場合には、精錬炉から回収されるガス中のCO濃度が低下してエネルギーとしての質が低下するばかりでなく、窒素分の顕熱として膨大な熱量が取られプラスチックの燃焼熱が溶湯に着熱する割合が低下する。さらに、窒素分だけ排ガスボリュームが増大するが、IDFの吸引能力に制限があるため、ガス化することのできるプラスチック量が低下し、熱的に有効なガスの回収量が低下する等の問題がある。このため、純酸素で燃焼させることが好ましい。しかし、これらの欠点を容認できる場合には空気で燃焼させてもかまわない。プラスチックを燃焼させる純酸素または空気である気体酸素の供給方法としては、上吹きランス、底吹きノズル、炉壁、炉片からの吹き込みでもよいし、フード内への吹き込みでもよく、炉口からの空気巻き込みを利用してもよい。
【0024】
プラスチックの燃焼に用いる酸素としては、上記の気体酸素のみならず、精錬炉内に投入される酸化鉄等の固体酸素も用いることができるが、その燃焼熱を考慮し、気体酸素と固体酸素とを所定の割合とすることが必要である。すなわち、気体酸素はプラスチックに含まれるCやHが一酸化炭素あるいはH/HOとなり発熱側に寄与するが、例えばミルスケール、鉄鉱石等に含まれる固体酸素は酸素と鉄が分解する分解反応により吸熱となるので冷却側に寄与するからである。したがって、気体酸素と固体酸素との割合を調節することにより、溶湯の温度を制御することが可能である。ここで気体酸素として純酸素を用いる場合について考えると、以下の▲3▼〜▲6▼式が成立する。
【0025】
Qat=Qal+QPL×Qinput ……… ▲3▼
QTO2=QO2+E×Qore ……… ▲4▼
QTO2=QPO2+QPLO2 ……… ▲5▼
Qore=(η×A×Qinput×T−ΔT×B)/C ……… ▲6▼
ただし、
Qatは発生するガスの総量;Nm/min
Qalは、精錬反応によるガス発生量;Nm/min
QPLは、プラスチックからのガス発生量;Nm/min
Qinputは、プラスチック投入速度;kg/min
QTO2は、供給される酸素の総量(気体酸素量換算);Nm/ch
QO2は、気体酸素量;Nm/ch
Eは、固体酸素量を気体酸素量に換算するための係数(鉄鉱石の場合は0.2、ミルスケールの場合は0.15)
Qoreは、固体酸素量;kg/ch
QPO2は、精錬反応に必要な酸素量;Nm/ch
QPLO2は、投入されるプラスチックの燃焼に必要な酸素量(気体酸素量換算);Nm/ch
ηは、プラスチックから溶湯への着熱効率
Aは、単位重量のプラスチックからの発熱量;kcal/kg
Tは、プラスチック投入時間;min
Bは、溶湯を1℃昇温するのに必要な熱量;kcal/ch
Cは、固体酸素の冷却能;kcal/kg
ΔTは、溶湯の昇温量;℃
【0026】
すなわち、上記式▲6▼の右辺における溶湯の昇温量ΔT、プラスチック投入時間T、プラスチック投入速度Qinput以外の数値は熱力学データおよび実験によって求めることができる値であるから、所望のプラスチック投入速度Qinput、プラスチック投入時間T、溶湯の昇温量ΔTの値を選ぶことにより、上記▲6▼式から固体酸素量Qoreを決定することができ、この決定された固体酸素量Qoreから上記式▲4▼および上記式▲5▼に基づいて気体酸素量QO2を求めることができる。このようにして求めた固体酸素量Qoreおよび気体酸素供給量QO2と、前記選択したプラスチック投入時間Tおよびプラスチック投入速度Qinputで操業することにより、溶湯の昇温量ΔTを制御することができる。
【0027】
また、上記▲1▼および▲2▼式により規定される範囲内でプラスチック投入速度を増減するとともに、プラスチックを燃焼させる酸素の供給速度を調節することにより回収するガスの発生速度を制御することができる。さらに、上記▲3▼〜▲6▼式に基づいてプラスチック投入速度および/またはプラスチックを燃焼させる酸素の供給速度を調節することによって、回収されるガスの温度を制御することもできる。さらにまた、プラスチック投入速度および/またはプラスチックを燃焼させる酸素の供給速度を調節することによって、精錬反応により生じるガスとプラスチックから生じるガスとの割合や、プラスチックから生じるガスの成分を変化させ、これにより回収されるガスの組成を制御することも可能である。なお、回収されるガスの組成は、投入するプラスチックの種類を変更することによっても制御することができる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の方法を実機に適用した実施例について説明する。
ここでは、送酸速度250Nm/minで上吹き吹錬により転炉で脱燐精錬を行った場合について示す。図2は、本実施例における脱燐吹錬時間と、排ガス流量との関係を示すグラフである。
【0029】
上記の送酸速度では、精錬反応により約550Nm/minの排ガス(組成;CO90%、CO10%)が火点より発生する。本実施例で使用した排ガス処理設備のIDFのサージング防止には約1100Nm/minのガス発生速度が必要なため、ガス回収を実現するにはガス発生速度をさらに約550Nm/min増加させる必要がある。
【0030】
このため、吹錬開始時に1tのコークス、土壌黒鉛等の炭材を投入し、送酸速度をベースに対して280Nm/min増加させ、炭材を約3分間で燃焼させ、所謂不感帯を作るとともに、トータルガス発生量を1100Nm/min以上としてガス回収可能なガス発生量を達成した後にガス回収を開始し、以降は、トータルガス発生量1100Nm/min以上を維持できるようにプラスチック投入、送酸および鉱石等の固体酸素供給を行うことにより、IDFのサージングを生じることなくガス回収することができた。これにより、従来は放散していた脱燐精錬時に不可避的に脱Cすることにより発生するCOガスを約18Nm/T(2000kcal換算)回収することができ、また、プラスチックより発生するガスを29〜134Nm/T(2000kcal換算)回収することができた。
【0031】
また、プラスチックを投入することにより生じる熱は、鉱石等の転炉内還元にも有効に作用し、歩留まりで0.3%〜1.7%の改善が認められた。さらに、この熱を利用することにより、スクラップ比を2〜10%向上することができた。また、排ガス量が大幅に増大するため、排ガス処理設備のボイラーでの蒸気回収も従来に比較して30〜130%増大させることができた。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、精錬炉内にプラスチックを投入し、精錬反応により生じるガスを前記プラスチックから生じるガスとともに熱的に有効なガスとして回収することにより、従来設備で発生ガス量の低い脱硫精錬等を行う場合であっても、ガス化したプラスチックにより精錬炉からのガス発生速度は増加されるので、精錬反応による生じるガスを熱的に有効なガスとして回収することができる。これにより製鋼工場の所内ガスバランスを改善することができ、発電所において高価な重油等の使用量を削減することが可能となる。さらに、プラスチックの燃焼熱を鉱石還元による歩留まり向上あるいは銑配低減による増産にも活用することができ、操業の自由度向上を図ることができるとともに、プラスチックとして廃プラスチックを利用することにより廃棄物の有効な活用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る精錬方法を脱燐精錬に適用した場合の脱燐時間と排ガス発生量との関係の一例を示すグラフ。
【図2】本発明に係る精錬方法を脱燐精錬に適用した場合の脱燐吹錬時間と、排ガス流量との関係を示すグラフ。
【図3】脱燐精錬における酸素原単位を一定にして、低送酸速度および高送酸速度で吹錬した場合の、脱燐時間と排ガス発生量との関係を示すグラフ。
【図4】脱燐精錬における脱燐時間と処理後のP濃度との関係を示すグラフ。
【図5】脱燐精錬における吹錬時間を一定として、低送酸速度および高送酸速度で吹錬した場合の、脱燐時間と排ガス発生量との関係を示すグラフ。

Claims (5)

  1. 転炉型精錬炉内の溶湯に酸素を供給して所定の精錬を行うにあたり、精錬反応により生じるガスの量が、該精錬炉において発生するガスを回収するために設けられている排ガス処理設備のIDFのサージングを引き起こす量である場合に、前記精錬炉内にプラスチックを投入し、精錬反応により生じるガスを前記プラスチックから生じるガスと合わせて精錬炉内でのガス発生量をIDFのサージングを引き起こさない量として、これらガスを熱的に有効なガスとして回収することを特徴とする精錬方法。
  2. 前記プラスチックの投入速度および/または前記プラスチックを燃焼させるための酸素の供給速度を調節し、回収するガスの温度、発生速度および成分のうち1つ以上を制御することを特徴とする請求項1に記載の精錬方法。
  3. 溶湯に酸素供給を開始してから所定時間経過後にプラスチックを投入することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の精錬方法。
  4. プラスチックを投入する前に炭材を前記精錬炉内に投入することを特徴とする請求項3に記載の精錬方法。
  5. 前記精錬炉として転炉を用い、前記所定の精錬として溶銑の脱燐を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の精錬方法。
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