JP3800143B2 - 排ガスフィルター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルター特性に優れ、ディーゼルエンジン,ボイラー,高温燃焼装置等から排出される微粒子を除去するのに好適な排ガスフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、大都市圏におけるNOxや浮遊粒子状物質(以下、微粒子とする)による大気汚染の悪化が問題となっている。特に、大気中に浮遊する微粒子については、ディーゼルエンジンから排出される黒煙が微粒子全体の30〜40%を閉めると言われており、しかもその中にはベンズピレン等の多環芳香族炭化水素等の変成物や発癌性のある成分が含まれていることからその対策が急がれている。
【0003】
この対策として、排気系中で微粒子を捕集した後自己再生を行う排ガス浄化装置が開発されている。
【0004】
以下に、従来のこの種の排ガスフィルターの主流となっている米国特許第4364761号公報に開示されたセラミックモノリシック壁流型微粒子用フィルター(以下、セラミックモノリシック型フィルターとする)について説明する。図4は従来のセラミックモノリシック型フィルターの側断面図である。50はハニカムセラミックスで構成された円筒状のフィルター本体、51、52はフィルター本体50に形成されている多数のセル、53はセル51、52の排ガス入口側54か排ガス出口側55のいずれか一方を交互に閉塞した閉塞剤、56はフィルター本体50及び各セル間の隔壁を構成する多孔壁である。
【0005】
以上のように構成されたセラミックモノリシック型フィルターについて、以下その捕集再生方法について説明する。微粒子を含む排ガス出口側55が閉塞さているセル51に流入し、多孔壁56を通過し隣接する入口側が閉塞されているセル52に押しやられる。この際、微粒子は多孔壁56を通過する際に濾過され、微粒子は多孔壁56中に捕集される。捕集された微粒子の量が多くなると、多孔壁56が微粒子によって詰まり、ディーゼルエンジン排気装置の背圧が増加する。このため、捕集された微粒子量が一定量を超えた時に微粒子を除去することによって、背圧増加によるエンジンの負荷増加を抑える必要があった。
【0006】
この微粒子は、固定炭素成分と有機溶剤に溶解可能な可溶性有機成分から成り、どちらも可燃性で、エンジンの種類や負荷条件によって若干の温度差はあるが、約650℃以上の温度に加熱すれば燃焼してしまう。そこで、従来は電気ヒータ、バーナ、熱風等の加熱手段を用いてこれらの微粒子を燃焼させることによって、多孔壁56を再生する方法が試みられている。
【0007】
しかしながら、従来の排ガスフィルターは、この再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する耐熱応力に問題点を有していた。代表的な低熱膨張セラミックスであるコージェライトを用いていた。そこで、これらの問題点を解決するために、特開昭62−225249号公報には主成分の化学組成が重量基準でSiO242〜56%、Al23〜45%、MgO12〜16%で結晶相の主成分がコージェライトからなるハニカム構造を有し、気孔率が30%以下で、ハニカム構造の軸方向の40〜800℃の間の熱膨張係数が0.8×10-6/℃以下、層方向の40〜800℃の間の熱膨張係数が、1.0×10-6/℃以下、である特性を有したコージェライトハニカム構造触媒担体が提案されている。また、特開平2−52015号公報には主成分の化学組成がSiO242〜56重量%、Al2330〜45重量%、MgO12〜16重量%で結晶相の主成分がコージェライトから成る多孔質ハニカムフィルターであって、気孔率が40%以上55%以下で、直径2μm以下の細孔容積が.0.015cc/g以下であることを特徴とする多孔質セラミックハニカムフィルターが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、排ガスフィルターの気孔率が30%以下になると排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が増加するためディーゼルエンジン排気装置の背圧が急激に増大し、エンジンに大きな負荷を掛けるという問題点を有していた。また、気孔率が小さいため排ガス中の微粒子の捕集時間が短く再生サイクルが短すぎ実用性に乏しいという問題点を有していた。また、気孔率が40〜55%の排ガスフィルターであっても、細孔の大きさ、形状、分布状態、排ガスフィルターの軸方向に形成されているセルの寸法や単位面積当たりのセル数により排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が増加する場合があり、その結果エンジンの負荷が大きくなったり微粒子の捕集時間が短くなるという問題点を有している。
【0009】
そこで、排ガスフィルターの入口側と出口側との間の圧力損失を小さくするため、造孔剤の添加量を多くして気孔率が70〜80%の排ガスフィルターを作製し種々検討したが、機械的強度が低下する上に熱伝導率が小さくなり、結果として排ガスフィルターの耐熱衝撃性が劣化し、再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられずに破壊するという問題点を有していることがわかった。また、気孔率を極端に高くすると細孔同士が結合し細孔径が40〜50μm程度の大きな細孔が生じるため、排ガス中の微粒子が捕集されずに大気中に放出され、フィルター効果を著しく低下させるという問題点を有していることが分かった。
【0010】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、細孔が均一に分布し、適正な圧力損失と気孔率を有し、また適正なセル数を有し、フィルター特性に優れ、さらに熱膨張係数が小さく、引張り強度等の機械的強度に優れ、熱伝導率が大きく、耐熱衝撃性に優れた排ガスフィルターを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の排ガスフィルターは、内部に排ガスの入口側から出口側に向けて軸方向に多数のセルを有し、セルの排ガスの入口側か出口側のいずれか一方が交互に閉塞剤により閉塞されて形成されたセラミック製の排ガスフィルターであって、再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられるように、軸方向の熱伝導率が0.1kcal/mh℃以上で、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数が4.5×10↑−6/℃以下で、かつ、軸方向と層方向の熱膨張係数の差が|3.0×10−6|/℃以下である構成を有している。
【0014】
【発明の実施の形態】
内部に排ガスの入口側から出口側に向けて軸方向に多数のセルを有し、前記セルの排ガスの入口側か出口側のいずれか一方が交互に閉塞剤により閉塞されて形成されたセラミック製の排ガスフィルターであって、再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられるように、軸方向の熱伝導率が0.1kcal/mh℃以上で、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数が4.5×10↑−6/℃以下で、かつ、軸方向と層方向の熱膨張係数の差が|3.0×10−6|/℃以下である構成を有している。排ガスフィルターの室温から850℃までの軸方向と層方向の熱膨張係数の差が|3.0×10−6|/℃を超えると再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられずに破壊してしまう傾向があるため好ましくない。また、請求項2に記載の排ガスフィルターは、請求項1において、内部に排ガスの入口側から出口側に向けて軸方向に多数のセルを有し、セルの排ガスの入口側か出口側のいずれか一方が交互に閉塞剤により閉塞されて形成されたセラミック製の排ガスフィルターであって、200〜600cm/secの送風速度下で排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が50〜150mmAqである構成を有している。圧力損失が50mmAqよりも小さくなるにつれ、排ガス中の微粒子が捕集されずに大気中に放出される傾向にあり、30mmAq未満ではその傾向が著しく、また150mmAqを超えるにつれ、排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が増加しエンジンの負荷が大きくなる傾向にあり、190mmAqでは更にその傾向が増加するのでいずれも好ましくない。
【0018】
請求項に記載の排ガスフィルターは、請求項1または2において、セラミックの結晶相の主成分がコージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリブタイト,チタン酸カリウム,石英,コランダムのうち少なくとも1つ以上を含有する構成を有している。排ガスフィルターの結晶相の主成分がこれらの化合物で占められることにより熱膨張係数を低くすることができ耐熱衝撃性を増加させることができる。
【0019】
これら排ガスフィルターの製造方法としては、Al23−SiO2系無機質ファイバーとパルプとセラミック粉末と水とを分散混合してスラリーを得るスラリー生成工程と、スラリーにカチオン、アニオン、またはノニオン系の高分子凝集剤と高電解質の無機凝集剤の混合物を添加しスラリーを凝集する凝集工程と、凝集後抄造法によりシートを得るシート生成工程と、シートをコルゲート加工しハニカム状成形体またはシートを矩形加工し矩形状のシートを積層し積層成形体を得る成形体生成工程と、ハニカム状成形体若しくは積層成形体を焼成する焼成工程とを有する構成を有している。ここで、Al23−SiO2系無機質ファイバーはセラミック粉末100重量部に対して50〜150重量部、好ましくは70〜130重量部が用いられる。70重量部よりも少なくなるにつれ、良好なフロックが得られにくく抄造が困難となりその結果シートの強度が弱くなる傾向が認められ、特に50重量部未満ではその傾向が著しく、また130重量部を超えるにつれ無機質ファイバー自体の熱膨張係数が強く作用し熱膨張係数が大きくなる傾向があり、150重量部を超えると更にその傾向が強まるのでいずれも好ましくない。パルプはセラミック粉末100重量部に対して2〜15重量部、好ましくは5〜10重量部が用いられる。5重量部未満では抄造法によるシートに柔軟性が無く固くなり成形体生成が困難になる傾向が認められ、10重量部を超えるにつれて細孔の分布が不均一になる傾向が認められ、特に2重量部未満又は15重量部を超えるとその傾向が著しくなるのでいずれも好ましくない。水はセラミック粉末100重量部に対して5000〜10000重量部、好ましくは7000〜9000重量部が用いられる。7000重量部よりも少なくなるにつれスラリーの濃度が高くなるため抄造が困難になる傾向が認められ、9000重量部を超えるにつれて抄造法によるシートの厚みが薄くなる傾向にあるためいずれも好ましくない。尚、スラリー生成工程では、AlCl3・6H2OやNaOH等の水溶液を添加すると良好なフロックの形成が得られるので好ましい。高分子凝集剤としては、カチオン系としてアミン結合ポリマー、アニオン系としてポリアクリル酸塩、ノニオン系としてポリアクリルアミドが用いられるが、好適にはノニオン系が用いられる。良好なフロックの形成が得られるためである。高電解質の無機凝集剤としては、NaOH,KOH等が用いられる。高分子凝集剤と無機凝集剤の比率は、高分子凝集剤1に対して無機凝集剤が3〜7、好ましくは4〜6が用いられる。無機凝集剤を併用することにより強固なフロックが得られる。
【0020】
また、他の製造方法としては、セラミック粉末と結合剤と潤滑剤と造孔剤と水とを混合した後混練して塊状物を得る塊状物生成工程と、塊状物を押出し法により成形してハニカム状成形体を得る成形体生成工程と、ハニカム状生成形体を乾燥した後焼成する焼成工程とを有する構成を有している。ここで、結合剤としてはセルロース系のものが好適であり、セラミック粉末100重量部に対して5〜25重量部、好ましくは10〜20重量部が用いられる。10重量部未満、特に5重量部未満になるにつれ、ハニカム状成形体の成形性が悪くなる傾向があり、また20重量部以上、特に25重量部を超えると、焼成工程での収縮率が大きくなる傾向があるのでいずれも好ましくない。潤滑剤は高分子エステル系のものが好適であり、セラミック粉末100重量部に対して1〜10重量部、好ましくは2〜7重量部が用いられる。2重量部以下、特に1重量部未満では塊状物が金型に付着する傾向があり、また7重量部以上、特に10重量部を超えるとハニカム状成形体の保形成が悪くなる傾向があるのでいずれも好ましくない。水はセラミック粉末100重量部に対して10〜60重量部、好ましくは20〜40重量部が用いられる。20重量部以下、特に10重量部未満では、塊状物が硬くなり押し出し成形が困難になる傾向があり、また40重量部以上、特に60重量部を超えるとセラミック粉末の種類にもよるが、ハニカム状成形体の保形成が悪くさらに乾燥中に成形体表面に亀裂が入り易くなる傾向があるためいずれも好ましくない。
【0021】
造孔剤はポリエチレン,カーボン,小麦粉等が好適であり、セラミック粉末100重量部に対して20〜70重量部、好ましくは30〜60重量部が用いられる。30重量部より小さくなるにつれ、作製した排ガスフィルターの気孔率が小さくなり排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が大きくなる傾向があり、また60重量部を超えるにつれ気孔率が大きくなり過ぎるため排ガス中の微粒子の捕集効率が低下する傾向があるためいずれも好ましくない。
【0022】
また、セラミック粉末がコージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリブタイト,チタン酸カリウム,シリカ,アルミナ,粘土鉱物を主成分とするもののうち少なくとも1つ以上を含有する構成を有している。これらのセラミック粉末を用いることにより耐熱衝撃性を著しく向上させることができる。
【0023】
粘土鉱物の主成分がK2O,SiO2,Al23であって、かつK2Oの含有率が1.0〜6.0wt%である構成を有している。K2Oの含有率が1.0wt%未満では、焼成温度が高くなる傾向があり、また6.0%以上では熱膨張係数が大きくなる傾向があるためいずれも好ましくない。
【0024】
粘土鉱物の主結晶相がセリサイト,カオリナイト,パイロフィライトである構成を有している。これらの構成を有することにより、成形性を向上させることができるとともに、焼成後、熱膨張係数が大きいクリストバライトが析出し難く、クレイズやクラックの発生率を著しく低減することができ製品得率を上げることができる。
【0025】
これらの構成により、排ガス中の微粒子を効率よく捕集でき、さらに熱応力に耐える事ができる。
【0026】
【実施例】
以下本発明の一実施例における排ガスフィルター及びその製造方法について詳細に説明する。
【0027】
参考例1,2)
図1(a)は第参考例における排ガスフィルターの外観斜視図であり、図1(b)は第参考例における排ガスフィルターの要部斜視図であり、図2は第参考例における排ガスフィルターのX−X線の要部断面図である。1a,1bは第1,第2参考例における排ガスフィルター、2はセル、3は閉塞剤、4は排ガス流入口、5は排ガス流出口、6は排ガス入口側、7は排ガス出口側である。
【0028】
以上の様に構成された本参考例の排ガスフィルターについて、以下その製造方法を説明する。Al↓2O↓3−SiO↓2系無機質ファイバーパルプチタン酸アルミニウム粉末水を(表1)に示した比率になる様に配合し、専用タンクで分散混合し、スラリーを得た。
【0029】
【表1】
Figure 0003800143
【0030】
得られたスラリーを希釈タンクに移送し水を加えて所定の体積とした後、AlCl↓3・6H↓2O水溶液とNaOH水溶液を加えてPHを7.2〜7.8に調整した。次に、カチオンアニオンまたはノニオン系の高分子凝集剤と高電解質の無機凝集剤の混合物を添加してスラリーを凝集させAl↓2O↓3−SiO↓2系無機質ファイバーパルプチタン酸アルミニウム粉末より成るシートを作製した。そして、このシートをコルゲート加工と同時にチタン酸アルミニウムより成る閉塞剤を付与しながら巻き上げてハニカム状成形体(第1参考例)、または矩形加工と同時にチタン酸アルミニウムより成る閉塞剤を付与しながら積層して積層成形体(第2参考例)を作製した。このハニカム状成形体(第1参考例)または積層成形体(第2参考例)を1500〜1550℃の温度範囲内で焼成した後加工して第1,第2実施例の排ガスフィルターを得た。
【0031】
参考例の排ガスフィルター1a,1bは、外観が柱状をなし、内部に排ガス入口側6から出口側7に向けて軸方向に多数のセル2が形成され、このセル2は排ガス入口側6か出口側7のいずれか一方が交互に閉塞剤3により閉塞されている構造を有し、軸方向に垂直な断面の1cm↑2当たりのセル数は36セルであった。
【0032】
次いで、得られた各該排ガスフィルターについて、圧力損失,熱膨張係数,引張り強度,熱伝導率,平均細孔径と気孔率,網孔分布の測定を行った。圧力損失は水柱マノメータ付き送風式圧力損失計を用い、40cm/secの送風速度下において排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失を測定したところ、95mmAqであった。熱膨張係数は縦型熱膨張計を用いて測定した。室温から850℃までの軸方向と層方向の熱膨張係数は0.8×10-6/℃であり、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数の差は|1.3×10-6|/℃であった。引張り強度は強度試験機を用いて測定した。軸方向の引張り強度は135Kg/cm2であった。熱伝導率は熱伝導率計を用い常法に従い測定した。軸方向の熱伝導率は0.27Kcal/mh℃であった。平均細孔径と気孔率は水銀ポロシメ−タを用い常法に従い行った。平均細孔径は12.5μmで均一に分布した細孔であり気孔率は54%であった。次いで、粉末X−ray回析による結晶相の同定の結果、チタン酸アルミニウムが主成分であることがわかった。
【0033】
以上の様に本参考例によれば、熱膨張係数が小さく、引張り強度が大きく、熱伝導率が大きく、耐熱衝撃性に優れ、さらに細孔が均一に分布し、適正な圧力損失と気孔率を有し、また適正なセル数を有し、フィルター特性に優れた排ガスフィルターが得られることがわかった。また、耐熱衝撃性及びフィルター特性を損なわない範囲において、排ガスフィルターの結晶相の主成分がコージェライトムライトチタン酸アルミニウムスポジュメンユークリプタイトチタン酸カリウム石英コランダムのうち少なくとも1つ以上を含有するものであっても同等の効果を有することがわかった。さらに、セラミック粉末がコージェライトムライトチタン酸アルミニウムスポジュメンユークリプタイトチタン酸カリウムシリカアルミナ粘土鉱物を主成分とするもののうち少なくとも1つ以上を含有するものを用いても同等の効果が得られることがわかった。本参考例の排ガスフィルターa,bは、外観が柱状をなし、内部に排ガス入口側6か出口側7のいずれか一方が交互に閉塞剤3により閉塞されている構造を有し、軸方向に垂直な断面の1cm↑2当たりのセル数は36セルであった。
【0034】
(実施例
図3は本発明の第実施例における排ガスフィルターの要部断面図である。11は本発明の第実施例の排ガスフィルター、12はセル、13は閉塞剤、14は排ガス流入口、15は排ガス流出口である。以上の様に構成された第3実施例の排ガスフィルター11について、以下その製造方法を説明する。主結晶相がセリサイトで2.0wt%のK↓2Oを含有する粘土鉱物とメチルセルロ−ス系の結合剤と高分子エステル系の潤滑剤と水とを(表2)に示した比率になる様に配合し、高速ミキサーで3分間混合した後、混練機で30〜120分間混練して押し出し成型用塊状物を得た。
【0035】
【表2】
Figure 0003800143
【0036】
次に、得られた塊状物を真空押出し機を用いて直径170mm、高さ180mmの軸方向に多数のセルを有する柱状成形体を作製した後、この成形体を乾燥機を用いて80〜100℃の温度で二十四時間乾燥した。次いで、乾燥した成形体を電気炉を用いて1470℃〜1520℃の温度範囲内で焼成して焼成体を作製し、この焼成体の両端のセルのいずれか一方を交互に閉塞剤により閉塞した後加工し、第実施例の排ガスフィルター11を作製した。このようにして得られた第1実施例の排ガスフィルター11は、柱状をなし、内部に排ガス入口側16から排ガス出口側17に向けて軸方向に多数のセル12が形成され、このセル12は排ガス入口側16か排ガス出口側17のいずれか一方が交互に閉塞剤13により閉塞されている構造を有し、軸方向に垂直な断面の1cm↑2当たりのセル数は49セルであった。
【0037】
次いで、得られた該排ガスフィルターについて参考例1と同様にして物性の測定を行った。その結果、400cm/secの送風速度下において排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失は124mmAqであった。また、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数は2.8×10−6/℃であり、室温から850℃までの軸方向と層方向の熱膨張係数の差は|0.5×10−6|/℃であった。また、軸方向の引張り強度は175kg/cm↑2であった。また、軸方向の熱伝導率は0.34kcal/mh℃であった。また、平均細孔径は7.8μmで均一に分布した細孔であり気孔率は43%であった。さらに、粉末X−ray回折による結晶相の同定の結果、ムライドが主成分であることがわかった。
【0038】
以上の様に本実施例によれば、熱膨張係数が小さく、引張り強度が大きく、熱伝導率が大きく耐熱衝撃性に優れ、さらに細孔が均一に分布し、適正な圧力損失と気孔率を有し、また適正なセル数を有するフィルター特性に優れた排ガスフィルターが得られることがわかった。また、耐熱衝撃性及びフィルター特性を損なわない範囲において、排ガスフィルターの結晶相の主成分がコージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリプタイト,チタン酸カリウム,石英,コランダムのうち少なくとも1つ以上を含有するものであれば差し支えないこともわかった。セラミック粉末がコージェライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリプタイト,チタン酸カリウム,シリカ,アルミナ,粘土鉱物を主成分とするもののうち少なくとも1つ以上を含有するものを用いても同等の効果が得られることがわかった。セラミック粉末として使用した粘土鉱物の主結晶相は、カオリナイト,バイロフィライトであっても同等の効果を有していることがわかった。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、以下の優れた効果を奏する。すなわち、軸方向の熱伝導率が0.1kcal/mh℃以上で、軸方向の熱膨張係数が4.5×10↑−6/℃以下で、かつ、軸方向と層方向の熱膨張係数の差を|3.0×10−6|/℃以下として形成したので、再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐える耐熱衝撃性に優れた排ガスフィルターを実現することができ、また、Al↓2O↓3−SiO↓2系無機質ファイバー,パルプ,セラミック粉末を用いて抄造法により排ガスフィルターを作製するか、又はセラミック粉末と結合剤と潤滑剤と造孔剤を用いて押出し法により排ガスフィルターを作製し、軸方向に垂直な断面の1cm↑2当たりのセル数を9〜64セルとすることにより200〜600cm/secの送風速度下において排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が30〜190mmAqで、平均細孔径が1〜20μmの細孔が均一に分布し、気孔率が30〜70%のフィルター特性に優れ低原価で量産性に適した排ガスフィルターの製造法を実現することができるものである。
【0042】
セラミック粉末として、コージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリプタイト,チタン酸カリウム,シリカ,アルミナ,粘土鉱物を主成分とするもののうち少なくとも1つ以上を用いることにより排ガスフィルターの結晶相の主成分をコージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリプタイト,チタン酸カリウム,石英,コランダムのうち少なくとも1つ以上を有する排ガスフィルターを得ることができ、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数が4.5×10−6/℃以下で、軸方向と層方向の熱膨張係数の差が|3.0×10−6|/℃以下で、軸方向の引張り強度が40kg/cm↑2以上で、軸方向の熱伝導率が0.100kcal/mh℃以上である耐熱衝撃性に極めて優れた排ガスフィルターを実現することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第1実施例における排ガスフィルターの外観斜視図
(b)本発明の第2実施例における排ガスフィルターの要部斜視図
【図2】本発明の第1実施例における排ガスフィルターのX−X線の要部断面図
【図3】本発明の第3実施例における排ガスフィルターの要部断面図
【図4】従来のセラミックモノリシック型フィルターの側断面図
【符号の説明】
1a,1b 第1,第2実施例の排ガスフィルター
2 セル
3 閉塞剤
4 排ガス流入口
5 排ガス流出口
6 排ガス入口側
7 排ガス出口側
11 第3実施例の排ガスフィルター
12 セル
13 閉塞剤
14 排ガス流入口
15 排ガス流出口
16 排ガス入口側
17 排ガス出口側
50 フィルター本体
51,52 セル
53 閉塞剤
54 排ガス入口側
55 排ガス出口側
56 多孔壁

Claims (3)

  1. 内部に排ガスの入口側から出口側に向けて軸方向に多数のセルを有し、前記セルの排ガスの入口側か出口側のいずれか一方が交互に閉塞剤により閉塞されて形成されたセラミック製の排ガスフィルターであって、再生燃焼時に発生する温度勾配に起因する熱応力に耐えられるように、軸方向の熱伝導率が0.1kcal/mh℃以上で、室温から850℃までの軸方向の熱膨張係数が4.5×10↑−6/℃以下で、かつ、軸方向と層方向の熱膨張係数の差が|3.0×10−6|/℃以下であることを特徴とする排ガスフィルター。
  2. 200〜600cm/secの送風速度下で排ガスの入口側と出口側との間の圧力損失が50〜150mmAqであることを特徴とする請求項1に記載の排ガスフィルター。
  3. 前記セラミックの結晶相の主成分がコージェライト,ムライト,チタン酸アルミニウム,スポジュメン,ユークリブタイト,チタン酸カリウム,石英,コランダムのうち少なくとも1つ以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の排ガスフィルター。
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