JP3799803B2 - 冷却ファンの制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却水を冷却するための冷却ファンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却ファンの制御装置としては、例えば特開昭58−96119号公報に示されているように、水温センサによりエンジンの冷却水温が検出され、その検出結果に基づいて、ラジエータに対向して設けられた冷却ファンを作動・停止するようにしてある。
【0003】
すなわち、検出水温が冷却ファン作動用の設定温度よりも高くなった場合には、冷却水を冷却する必要が生じたものとして、コンピュータが冷却ファンを作動させる一方、検出水温が停止用の設定温度よりも低くなった場合には、冷却水を冷却する必要がなくなったものとして、前記コンピュータが冷却ファンを停止させて、冷却水の水温の異常な上昇又は低下の抑制を制御するようにしてある。
【0004】
ところで、このような冷却系においては、一般的にエンジン本体とラジエータの間にサーモスタットが設けられている。
【0005】
このサーモスタットは、冷却水の水温により自己開閉する弁の一種で、冷却水の水温が所定値未満の時はエンジンおよびラジエータ間の通路を閉塞して、ラジエータからエンジン本体への流入を遮断する一方、冷却水の水温が所定値を越えるとエンジンおよびラジエータ間の通路を開放し、ラジエータからエンジン本体への流入を許容するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構造では、冷却水の水温を検出する水温センサは、エンジン本体の冷却水排出口などエンジン本体内から排出される冷却水の水温を検出するエンジン排出口側、もしくは、ラジエータのロアタンクやラジエータとエンジン本体との配管途中などラジエータにより冷却され、エンジン本体内に供給される冷却水の水温を検出するエンジン供給口側の何れか一方に設けてあるのが一般的であった。
【0007】
このように例えば、エンジン排出側にのみ水温センサを設け、該水温センサによりエンジン排出側の冷却水の水温を検出して、水温が設定値を越えた時にはコンピュータによって冷却ファンを作動させて冷却水の水温の異常な上昇を抑制しようとした場合、エンジン本体とラジエータとの間に設けたサーモスタットが水温が上昇してもすぐには全開にはならず徐々に開いていくので、開弁初期にはラジエータからエンジン本体への流入が少いために効果的に冷却水の水温を下げることができず、従って、冷却ファンの稼働率が増えてしまうという事態が生じる恐れがあった。
【0008】
その結果、冷却ファンの回転に伴う騒音発生時間の増大、冷却ファンの耐久性低下、燃費の悪化といった各種不具合が生じる恐れがあった。
【0009】
一方、エンジン周辺部品の熱対策など、エンジンルームの熱環境上はエンジン排出側の水温を一定温度範囲にしておくことが好ましいが、エンジン供給側にのみ水温センサを設けた場合、エンジン出入口での水温差が常に一定ではないため、このエンジン供給側の水温センサだけでエンジン排出側の水温を一定温度範囲に保つことは困難で、エンジン周辺部品の熱対策など各種対策を施す必要があった。
【0010】
そこで本発明は、冷却ファン稼働率が増えることによる不具合の発生を抑制すると共に、エンジン排出側の水温を一定値範囲に保ち、エンジンルーム内の熱環境の向上を図ることのできる冷却ファンの制御装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、水冷式エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータと、該ラジエータに対向して設けられた冷却ファンと、エンジンからラジエータへ排出される冷却水温度を検出する第1水温検出手段と、ラジエータからエンジンへ供給される冷却水温度を検出する第2水温検出手段と、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、また、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値を越えた場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2にあっては、請求項1に記載の所定値は、車速,エンジン回転数,トルクの何れかに応じて設定されることを特徴としている。
【0013】
請求項3にあっては、請求項1,2に記載の制御手段は、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が前記所定値を越えた場合、現在の冷却水温度と所定時間後の冷却水温度とから平均水温を算出し、該平均水温が前記所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて前記冷却ファンの回転数を制御し、また、前記平均水温が前記所定値よりも高い場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水の水温に応じて前記冷却ファンの回転数を制御するようにしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】
請求項1によれば、水冷式エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータと、該ラジエータに対向して設けられた冷却ファンと、エンジンからラジエータへ排出される冷却水温度を検出する第1水温検出手段と、ラジエータからエンジンへ供給される冷却水温度を検出する第2水温検出手段と、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、また、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値を越えた場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御する制御手段とを備えてあるため、第1水温検出手段で検出されるエンジン排出側の冷却水の水温が基準値以下の場合には、ラジエータを介した水温を検出する第2水温手段により検出した水温に応じてラジエータに対向して設けた冷却ファンの回転数を制御するようにしてあるので、エンジン本体とラジエータとの間に設けたサーモスタットがラジエータからエンジン本体への経路を閉塞しているときには、第2水温検出手段で検出される水温に変化は現れずに冷却ファンの無駄な稼働を防止することができると共に、前記サーモスタットがラジエータからエンジンへの経路を開放したときには、前記第2水温検出手段により冷却水の水温を検出して、制御手段により水温に応じてラジエータに対向して設けた冷却ファンの回転数を制御し、効果的に冷却水を空冷することができる一方、第1水温検出手段で検出される冷却水の水温が基準値を越えた場合には、制御手段が該第1水温検出手段により検出される冷却水の水温が基準値以下になるまでラジエータに対向して設けた冷却ファンを作動させて冷却水を空冷し、エンジン排出側の冷却水の水温を下げるので、エンジンルームの熱環境を適正に保ち、周辺部品への熱による影響を低減することができる。
【0015】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、前記所定値は、車速,エンジン回転数,トルクの何れかに応じて設定されるようにしてあるため、エンジンのアイドリング時や走行時など運転状況に応じて冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0016】
請求項3によれば、請求項1,2の効果に加えて、前記制御手段は車両の急加速、急減速時などエンジン負荷や車速が大きく変化した際に、一時的にエンジン排出側の冷却水の水温が大きく上昇変化して、第1水温検出手段により検出された冷却水温度が前記所定値を越えた場合、現在の冷却水温度と所定時間後の冷却水温度とから平均水温を算出し、該平均水温が前記所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて前記冷却ファンの回転数を制御し、また、前記平均水温が前記所定値よりも高い場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水の水温に応じて前記冷却ファンの回転数を制御するようにしてあるため、冷却水の水温が一時的な変化なのかどうかを判断し、第1水温検出手段と、第2水温検出手段との切り替え頻度を抑制し、適正に冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0018】
図1は、本発明を適用した冷却ファンの制御装置の概略構成を示すもので、1はエンジン本体を示しており、このエンジン本体1が加熱するのを防止するためにその内部に図外のウォータージャケットを設け、該ウォータージャケット内に冷却水を流すことによってエンジン本体1を水冷するようにしてある。
【0019】
エンジン本体1の前方には、アッパタンク2、コア3、ロアタンク4からなるラジエータ5が配置してある。コア3はアッパタンク2及びロアタンク4を連結する図外の多数本のチューブとそれらチューブの周囲に設けられた図外の冷却フィンとを備えている。
【0020】
6はエンジン本体1の冷却水排出口にその一端を接続した冷却水の第1通路を示し、該第1通路6の他方端は前記ラジエータ5のアッパタンク2に接続してある。
【0021】
また、7はエンジン本体1の冷却水供給口にその一端を接続した冷却水の第2通路を示しており、該第2通路7の他方端は前記ラジエータ5のロアタンク4に連通してある。
【0022】
これら第1通路6,第2通路7,エンジン本体1内の図外のウォータージャケット,ラジエータ5,及び後述するバイパス通路8により冷却水通路9を形成している。
【0023】
この冷却水通路9の一部、具体的には第2通路7とウォータージャケットとの接続部分には図外のウォーターポンプが設けてあり、このウォーターポンプを起点として冷却水は前記冷却水通路9内を循環している。
【0024】
この循環中、冷却水は図外のウォータージャケットを通過する際にエンジン本体1の熱を吸収し、基本的にラジエータ5のコア3を通過する際に前述した図外の冷却フィンから熱を放射している。
【0025】
第1通路6及び第2通路7はバイパス通路8によって連通されていて、後述するサーモスタット10の働きにより、冷却水がラジエータ5を迂回する際にはこのバイパス通路8を介して冷却水が循環できるようになっている。
【0026】
前記サーモスタット10は第2通路7に対するバイパス通路8の合流部分に配設されている。このサーモスタット10は冷却水の温度に応じて作動する感熱弁で、本実施形態ではワックスの熱による膨張・収縮を利用して通路を開閉するいわゆるワックス型のものが用いられている。
【0027】
なお、サーモスタット10をこのようなワックス型のものにかえて電子制御のものにしてもよいことはもちろんである。
【0028】
サーモスタット10は冷却水の温度Tが予め定めた所定値以下のとき、第2通路7のラジエータ5側を閉塞してラジエータ5からエンジン本体1への冷却水の流通を遮断すると共に、バイパス通路8側を開放して、該バイパス通路8からエンジン本体1への流通を許容する。
【0029】
一方、サーモスタット10は冷却水の温度Tが所定値を越えた場合、第2通路のラジエータ5側を開放して、ラジエータ5からエンジン本体1への冷却水の流通を許容すると共に、バイパス通路8側を閉塞して、該バイパス通路8からの第2通路7への冷却水の流通を遮断する。
【0030】
本実施形態では、前記ラジエータ5に対向するようにして冷却ファン11が設けてある。
【0031】
この冷却ファン11は強制的にラジエータ5に風を送ることによって、該ラジエータ5の放熱作用を促進するためのファン12と、該ファン12を回転させるためのモータ13とを備えている。
【0032】
また、第1通路6の途中、具体的には第1通路6のエンジン排出側の端部に、エンジン本体1から排出される直後の冷却水の水温T1を検出する第1水温検出手段としての水温センサ14を設けると共に、第2通路7の途中、具体的には第2通路7のラジエータ5のロアタンク4側の端部に、ラジエータ5により冷却されエンジン本体1に供給される直前の冷却水の水温T2を検出する第2水温検出手段としての水温センサ15を設けてある。
【0033】
さらに、エンジン本体1等には、スロットル開度を検出するスロットルポジショニングセンサ,エンジン回転数を検出する回転数センサ,吸入空気量を検出するエアフローメータ,吸気温センサ,車速センサ等の各種運転状況を検出するセンサ類が設けられている。
【0034】
前記水温センサ14,15をはじめとする各種センサからの信号はエンジンコントロールユニット16に入力されている。
【0035】
本実施形態において、エンジンコントロールユニット16は基準値設定手段、及び冷却ファン11を制御する制御手段としての演算・制御を担っている。
【0036】
次にこのような冷却ファン11の制御内容を図2のフローチャートと共に具体的に説明する。
【0037】
この図2に示すフローチャートはエンジンコントロールユニット16によって実行される各処理のうち、モータ13へ供給する電圧を制御して冷却ファン11の回転数制御をするために行われる「冷却ファン制御ルーチン」であり、エンジン始動時からエンジン停止時まで所定時間毎の定時割り込みで実施される。
【0038】
ステップ101で水温センサ14,15をはじめとする各種センサ等の検出結果から冷却水の水温T1,T2等各種運転状態を示す信号を読み込み、各種運転状況に応じて水温の基準値Taを算出する。
【0039】
この実施形態では、この水温の基準値Taを設定する際、図6に示すようなマップに基づいてその時の車速に応じた基準値Taを算出するようにしている。
【0040】
なお、ここではこのように車速に応じて水温の基準値Taを算出するようにしているが、その他、エンジン回転数,トルク等を用いて基準値Taを算出するようにしても良い。
【0041】
次に、ステップ102において、水温センサ14で検出されたエンジン排出側の冷却水の水温T1が、ステップ1において算出された基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0042】
ステップ102でエンジン排出側の水温T1が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ103に進み、水温センサ15で検出されたエンジン本体1に供給される直前の冷却水の水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ104でファン回転数Dを制御する。
【0043】
一方、ステップ102でエンジン排出直後の水温T1が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ105に進み、水温T1でファン回転数Dを制御するマップD=D1(図4)を選択し、ステップ104でファン回転数Dを制御する。
【0044】
以上のように、水温センサ14で検出されるエンジン排出側の冷却水の水温T1が基準値Ta以下の場合には、ラジエータ5を介した水温を検出する水温センサ15により検出した水温T2に応じて冷却ファン11の回転数Dを制御するようにしてあるので、サーモスタット10がラジエータ5からエンジン本体1への経路を閉塞しているときには、水温センサ15で検出される水温T2に変化は現れずに冷却ファン11の無駄な稼働を防止することができると共に、前記サーモスタット10がラジエータ5からエンジン本体1への経路を開放して、バイパス通路8と、第2通路7との経路を閉塞したときには、水温センサ15により冷却水の水温T2を検出して、この水温に応じてラジエータ5に対向して設けた冷却ファン11の回転数Dを制御し、効果的に冷却水を空冷することができる。
【0045】
一方、水温センサ14で検出される冷却水の水温T1が基準値Taを越えた場合には、制御手段は水温センサ14により検出される冷却水の水温T1が基準値Ta以下になるまでラジエータ5に対向して設けた冷却ファン11を作動させて冷却水を空冷し、エンジン排出側の冷却水の水温を下げるので、エンジンルームの熱環境を適正に保ち、周辺部品への熱による影響を最小限に抑えることができる。
【0046】
しかも、運転状況(例えば、エンジン負荷の大きさや車速)に応じてエンジン本体1から排出されるエンジン排出側の冷却水の水温T1の基準値Taを設定するようにしてあるため、走行状況に応じて冷却ファン11の回転数制御を適切に行うことができる。
【0047】
次に本発明の第2実施形態を図3に示すフローチャートと共に説明する。
【0048】
ステップ201で第一実施形態と同様に水温センサ14,15をはじめとする各種センサ等の検出結果から冷却水の水温T1,T2等各種運転状態を示す信号を読み込み、各種運転状況に応じて水温の基準値Taを算出する。
【0049】
次に、ステップ202において、現在の水温センサ14で検出されたエンジン排出側の冷却水の水温T1が、ステップ201において算出された基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0050】
ステップ202でエンジン排出側の水温T1が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ207に進み、水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0051】
一方、ステップ2でエンジン排出側の水温T1が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ203に進み水温T1が基準値Taを越えた時刻を時刻tとして時刻tから単位時間当たりの平均水温T1’を算出し、ステップ204において、この単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0052】
ステップ204で単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ207に進み、水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0053】
一方、ステップ204で単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ205に進み、水温T1でファン回転数Dを制御するマップD=D1(図4)を選択し、ステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0054】
以上のように車両の急加速、急減速時などエンジン負荷や車速が大きく変化してエンジン排出側の冷却水の水温が一時的に大きく上昇変化して、水温センサ14で検出される水温T1が基準値設定手段により設定された基準値Taを越えたとしても、制御手段は、前記第1水温検出手段14により検出された冷却水の水温T1が基準値Taを越えた時間Sからの単位時間当たりの平均水温T1’を算出し、この算出された平均水温T1’が基準値Taよりも低い場合には、水温センサ15により検出された冷却水の水温T2に応じて前記冷却ファン11の回転数Dを制御すると共に、この算出された冷却水の平均水温T1’が前記基準値設定手段により設定された基準値Taを越えた場合には、水温センサ14により検出された冷却水の水温T1に応じて前記冷却ファン11の回転数Dを制御するようにしてあるため、冷却水の水温が一時的な変化なのかどうかを判断し、水温センサ14と、水温センサ15との切り替え頻度を抑制し、ファン騒音の増減の頻度を抑制するため、適正に冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0055】
また、これら第1,第2実施形態において、冷却ファン11の回転数Dの制御量が、水温センサ14によるマップD=D1(図4)と水温センサ15によるマップD=D2(図5)との切り替わりでは、理論上は回転数Dがステップ的に変化するような場合であっても、図7の波線に示すように回転数Dを段階的に制御して回転数の急激な変化による不具合を抑制するようにしていることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷却ファン制御装置の概略構成図。
【図2】同実施形態における制御システムのフローチャート。
【図3】本発明の第2実施形態における制御システムのフローチャート。
【図4】冷却ファン回転数制御マップ(D=D1)。
【図5】冷却ファン回転数制御マップ(D=D2)。
【図6】車速に応じて基準値Taを制御するマップ。
【図7】切り替え時における冷却ファン回転数制御の説明図。
【符号の説明】
1 エンジン本体
5 ラジエータ
6 第1通路
7 第2通路
8 バイパス通路
11 冷却ファン
14 水温センサ(第1水温検出手段)
15 水温センサ(第2水温検出手段)
16 エンジンコントロールユニット(制御手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの冷却水を冷却するための冷却ファンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷却ファンの制御装置としては、例えば特開昭58−96119号公報に示されているように、水温センサによりエンジンの冷却水温が検出され、その検出結果に基づいて、ラジエータに対向して設けられた冷却ファンを作動・停止するようにしてある。
【0003】
すなわち、検出水温が冷却ファン作動用の設定温度よりも高くなった場合には、冷却水を冷却する必要が生じたものとして、コンピュータが冷却ファンを作動させる一方、検出水温が停止用の設定温度よりも低くなった場合には、冷却水を冷却する必要がなくなったものとして、前記コンピュータが冷却ファンを停止させて、冷却水の水温の異常な上昇又は低下の抑制を制御するようにしてある。
【0004】
ところで、このような冷却系においては、一般的にエンジン本体とラジエータの間にサーモスタットが設けられている。
【0005】
このサーモスタットは、冷却水の水温により自己開閉する弁の一種で、冷却水の水温が所定値未満の時はエンジンおよびラジエータ間の通路を閉塞して、ラジエータからエンジン本体への流入を遮断する一方、冷却水の水温が所定値を越えるとエンジンおよびラジエータ間の通路を開放し、ラジエータからエンジン本体への流入を許容するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の構造では、冷却水の水温を検出する水温センサは、エンジン本体の冷却水排出口などエンジン本体内から排出される冷却水の水温を検出するエンジン排出口側、もしくは、ラジエータのロアタンクやラジエータとエンジン本体との配管途中などラジエータにより冷却され、エンジン本体内に供給される冷却水の水温を検出するエンジン供給口側の何れか一方に設けてあるのが一般的であった。
【0007】
このように例えば、エンジン排出側にのみ水温センサを設け、該水温センサによりエンジン排出側の冷却水の水温を検出して、水温が設定値を越えた時にはコンピュータによって冷却ファンを作動させて冷却水の水温の異常な上昇を抑制しようとした場合、エンジン本体とラジエータとの間に設けたサーモスタットが水温が上昇してもすぐには全開にはならず徐々に開いていくので、開弁初期にはラジエータからエンジン本体への流入が少いために効果的に冷却水の水温を下げることができず、従って、冷却ファンの稼働率が増えてしまうという事態が生じる恐れがあった。
【0008】
その結果、冷却ファンの回転に伴う騒音発生時間の増大、冷却ファンの耐久性低下、燃費の悪化といった各種不具合が生じる恐れがあった。
【0009】
一方、エンジン周辺部品の熱対策など、エンジンルームの熱環境上はエンジン排出側の水温を一定温度範囲にしておくことが好ましいが、エンジン供給側にのみ水温センサを設けた場合、エンジン出入口での水温差が常に一定ではないため、このエンジン供給側の水温センサだけでエンジン排出側の水温を一定温度範囲に保つことは困難で、エンジン周辺部品の熱対策など各種対策を施す必要があった。
【0010】
そこで本発明は、冷却ファン稼働率が増えることによる不具合の発生を抑制すると共に、エンジン排出側の水温を一定値範囲に保ち、エンジンルーム内の熱環境の向上を図ることのできる冷却ファンの制御装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1にあっては、水冷式エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータと、該ラジエータに対向して設けられた冷却ファンと、エンジンからラジエータへ排出される冷却水温度を検出する第1水温検出手段と、ラジエータからエンジンへ供給される冷却水温度を検出する第2水温検出手段と、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、また、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値を越えた場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御する制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2にあっては、請求項1に記載の所定値は、車速,エンジン回転数,トルクの何れかに応じて設定されることを特徴としている。
【0013】
請求項3にあっては、請求項1,2に記載の制御手段は、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が前記所定値を越えた場合、現在の冷却水温度と所定時間後の冷却水温度とから平均水温を算出し、該平均水温が前記所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて前記冷却ファンの回転数を制御し、また、前記平均水温が前記所定値よりも高い場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水の水温に応じて前記冷却ファンの回転数を制御するようにしたことを特徴としている。
【0014】
【発明の効果】
請求項1によれば、水冷式エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータと、該ラジエータに対向して設けられた冷却ファンと、エンジンからラジエータへ排出される冷却水温度を検出する第1水温検出手段と、ラジエータからエンジンへ供給される冷却水温度を検出する第2水温検出手段と、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、また、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値を越えた場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御する制御手段とを備えてあるため、第1水温検出手段で検出されるエンジン排出側の冷却水の水温が基準値以下の場合には、ラジエータを介した水温を検出する第2水温手段により検出した水温に応じてラジエータに対向して設けた冷却ファンの回転数を制御するようにしてあるので、エンジン本体とラジエータとの間に設けたサーモスタットがラジエータからエンジン本体への経路を閉塞しているときには、第2水温検出手段で検出される水温に変化は現れずに冷却ファンの無駄な稼働を防止することができると共に、前記サーモスタットがラジエータからエンジンへの経路を開放したときには、前記第2水温検出手段により冷却水の水温を検出して、制御手段により水温に応じてラジエータに対向して設けた冷却ファンの回転数を制御し、効果的に冷却水を空冷することができる一方、第1水温検出手段で検出される冷却水の水温が基準値を越えた場合には、制御手段が該第1水温検出手段により検出される冷却水の水温が基準値以下になるまでラジエータに対向して設けた冷却ファンを作動させて冷却水を空冷し、エンジン排出側の冷却水の水温を下げるので、エンジンルームの熱環境を適正に保ち、周辺部品への熱による影響を低減することができる。
【0015】
請求項2によれば、請求項1の効果に加えて、前記所定値は、車速,エンジン回転数,トルクの何れかに応じて設定されるようにしてあるため、エンジンのアイドリング時や走行時など運転状況に応じて冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0016】
請求項3によれば、請求項1,2の効果に加えて、前記制御手段は車両の急加速、急減速時などエンジン負荷や車速が大きく変化した際に、一時的にエンジン排出側の冷却水の水温が大きく上昇変化して、第1水温検出手段により検出された冷却水温度が前記所定値を越えた場合、現在の冷却水温度と所定時間後の冷却水温度とから平均水温を算出し、該平均水温が前記所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて前記冷却ファンの回転数を制御し、また、前記平均水温が前記所定値よりも高い場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水の水温に応じて前記冷却ファンの回転数を制御するようにしてあるため、冷却水の水温が一時的な変化なのかどうかを判断し、第1水温検出手段と、第2水温検出手段との切り替え頻度を抑制し、適正に冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0018】
図1は、本発明を適用した冷却ファンの制御装置の概略構成を示すもので、1はエンジン本体を示しており、このエンジン本体1が加熱するのを防止するためにその内部に図外のウォータージャケットを設け、該ウォータージャケット内に冷却水を流すことによってエンジン本体1を水冷するようにしてある。
【0019】
エンジン本体1の前方には、アッパタンク2、コア3、ロアタンク4からなるラジエータ5が配置してある。コア3はアッパタンク2及びロアタンク4を連結する図外の多数本のチューブとそれらチューブの周囲に設けられた図外の冷却フィンとを備えている。
【0020】
6はエンジン本体1の冷却水排出口にその一端を接続した冷却水の第1通路を示し、該第1通路6の他方端は前記ラジエータ5のアッパタンク2に接続してある。
【0021】
また、7はエンジン本体1の冷却水供給口にその一端を接続した冷却水の第2通路を示しており、該第2通路7の他方端は前記ラジエータ5のロアタンク4に連通してある。
【0022】
これら第1通路6,第2通路7,エンジン本体1内の図外のウォータージャケット,ラジエータ5,及び後述するバイパス通路8により冷却水通路9を形成している。
【0023】
この冷却水通路9の一部、具体的には第2通路7とウォータージャケットとの接続部分には図外のウォーターポンプが設けてあり、このウォーターポンプを起点として冷却水は前記冷却水通路9内を循環している。
【0024】
この循環中、冷却水は図外のウォータージャケットを通過する際にエンジン本体1の熱を吸収し、基本的にラジエータ5のコア3を通過する際に前述した図外の冷却フィンから熱を放射している。
【0025】
第1通路6及び第2通路7はバイパス通路8によって連通されていて、後述するサーモスタット10の働きにより、冷却水がラジエータ5を迂回する際にはこのバイパス通路8を介して冷却水が循環できるようになっている。
【0026】
前記サーモスタット10は第2通路7に対するバイパス通路8の合流部分に配設されている。このサーモスタット10は冷却水の温度に応じて作動する感熱弁で、本実施形態ではワックスの熱による膨張・収縮を利用して通路を開閉するいわゆるワックス型のものが用いられている。
【0027】
なお、サーモスタット10をこのようなワックス型のものにかえて電子制御のものにしてもよいことはもちろんである。
【0028】
サーモスタット10は冷却水の温度Tが予め定めた所定値以下のとき、第2通路7のラジエータ5側を閉塞してラジエータ5からエンジン本体1への冷却水の流通を遮断すると共に、バイパス通路8側を開放して、該バイパス通路8からエンジン本体1への流通を許容する。
【0029】
一方、サーモスタット10は冷却水の温度Tが所定値を越えた場合、第2通路のラジエータ5側を開放して、ラジエータ5からエンジン本体1への冷却水の流通を許容すると共に、バイパス通路8側を閉塞して、該バイパス通路8からの第2通路7への冷却水の流通を遮断する。
【0030】
本実施形態では、前記ラジエータ5に対向するようにして冷却ファン11が設けてある。
【0031】
この冷却ファン11は強制的にラジエータ5に風を送ることによって、該ラジエータ5の放熱作用を促進するためのファン12と、該ファン12を回転させるためのモータ13とを備えている。
【0032】
また、第1通路6の途中、具体的には第1通路6のエンジン排出側の端部に、エンジン本体1から排出される直後の冷却水の水温T1を検出する第1水温検出手段としての水温センサ14を設けると共に、第2通路7の途中、具体的には第2通路7のラジエータ5のロアタンク4側の端部に、ラジエータ5により冷却されエンジン本体1に供給される直前の冷却水の水温T2を検出する第2水温検出手段としての水温センサ15を設けてある。
【0033】
さらに、エンジン本体1等には、スロットル開度を検出するスロットルポジショニングセンサ,エンジン回転数を検出する回転数センサ,吸入空気量を検出するエアフローメータ,吸気温センサ,車速センサ等の各種運転状況を検出するセンサ類が設けられている。
【0034】
前記水温センサ14,15をはじめとする各種センサからの信号はエンジンコントロールユニット16に入力されている。
【0035】
本実施形態において、エンジンコントロールユニット16は基準値設定手段、及び冷却ファン11を制御する制御手段としての演算・制御を担っている。
【0036】
次にこのような冷却ファン11の制御内容を図2のフローチャートと共に具体的に説明する。
【0037】
この図2に示すフローチャートはエンジンコントロールユニット16によって実行される各処理のうち、モータ13へ供給する電圧を制御して冷却ファン11の回転数制御をするために行われる「冷却ファン制御ルーチン」であり、エンジン始動時からエンジン停止時まで所定時間毎の定時割り込みで実施される。
【0038】
ステップ101で水温センサ14,15をはじめとする各種センサ等の検出結果から冷却水の水温T1,T2等各種運転状態を示す信号を読み込み、各種運転状況に応じて水温の基準値Taを算出する。
【0039】
この実施形態では、この水温の基準値Taを設定する際、図6に示すようなマップに基づいてその時の車速に応じた基準値Taを算出するようにしている。
【0040】
なお、ここではこのように車速に応じて水温の基準値Taを算出するようにしているが、その他、エンジン回転数,トルク等を用いて基準値Taを算出するようにしても良い。
【0041】
次に、ステップ102において、水温センサ14で検出されたエンジン排出側の冷却水の水温T1が、ステップ1において算出された基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0042】
ステップ102でエンジン排出側の水温T1が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ103に進み、水温センサ15で検出されたエンジン本体1に供給される直前の冷却水の水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ104でファン回転数Dを制御する。
【0043】
一方、ステップ102でエンジン排出直後の水温T1が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ105に進み、水温T1でファン回転数Dを制御するマップD=D1(図4)を選択し、ステップ104でファン回転数Dを制御する。
【0044】
以上のように、水温センサ14で検出されるエンジン排出側の冷却水の水温T1が基準値Ta以下の場合には、ラジエータ5を介した水温を検出する水温センサ15により検出した水温T2に応じて冷却ファン11の回転数Dを制御するようにしてあるので、サーモスタット10がラジエータ5からエンジン本体1への経路を閉塞しているときには、水温センサ15で検出される水温T2に変化は現れずに冷却ファン11の無駄な稼働を防止することができると共に、前記サーモスタット10がラジエータ5からエンジン本体1への経路を開放して、バイパス通路8と、第2通路7との経路を閉塞したときには、水温センサ15により冷却水の水温T2を検出して、この水温に応じてラジエータ5に対向して設けた冷却ファン11の回転数Dを制御し、効果的に冷却水を空冷することができる。
【0045】
一方、水温センサ14で検出される冷却水の水温T1が基準値Taを越えた場合には、制御手段は水温センサ14により検出される冷却水の水温T1が基準値Ta以下になるまでラジエータ5に対向して設けた冷却ファン11を作動させて冷却水を空冷し、エンジン排出側の冷却水の水温を下げるので、エンジンルームの熱環境を適正に保ち、周辺部品への熱による影響を最小限に抑えることができる。
【0046】
しかも、運転状況(例えば、エンジン負荷の大きさや車速)に応じてエンジン本体1から排出されるエンジン排出側の冷却水の水温T1の基準値Taを設定するようにしてあるため、走行状況に応じて冷却ファン11の回転数制御を適切に行うことができる。
【0047】
次に本発明の第2実施形態を図3に示すフローチャートと共に説明する。
【0048】
ステップ201で第一実施形態と同様に水温センサ14,15をはじめとする各種センサ等の検出結果から冷却水の水温T1,T2等各種運転状態を示す信号を読み込み、各種運転状況に応じて水温の基準値Taを算出する。
【0049】
次に、ステップ202において、現在の水温センサ14で検出されたエンジン排出側の冷却水の水温T1が、ステップ201において算出された基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0050】
ステップ202でエンジン排出側の水温T1が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ207に進み、水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0051】
一方、ステップ2でエンジン排出側の水温T1が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ203に進み水温T1が基準値Taを越えた時刻を時刻tとして時刻tから単位時間当たりの平均水温T1’を算出し、ステップ204において、この単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Ta以下かどうかを判断する。
【0052】
ステップ204で単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Ta以下であると判断されると、ステップ207に進み、水温T2でファン回転数Dを制御するマップD=D2(図5)を選択しステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0053】
一方、ステップ204で単位時間当たりの平均水温T1’が基準値Taを越えたと判断されると、ステップ205に進み、水温T1でファン回転数Dを制御するマップD=D1(図4)を選択し、ステップ206でファン回転数Dを制御する。
【0054】
以上のように車両の急加速、急減速時などエンジン負荷や車速が大きく変化してエンジン排出側の冷却水の水温が一時的に大きく上昇変化して、水温センサ14で検出される水温T1が基準値設定手段により設定された基準値Taを越えたとしても、制御手段は、前記第1水温検出手段14により検出された冷却水の水温T1が基準値Taを越えた時間Sからの単位時間当たりの平均水温T1’を算出し、この算出された平均水温T1’が基準値Taよりも低い場合には、水温センサ15により検出された冷却水の水温T2に応じて前記冷却ファン11の回転数Dを制御すると共に、この算出された冷却水の平均水温T1’が前記基準値設定手段により設定された基準値Taを越えた場合には、水温センサ14により検出された冷却水の水温T1に応じて前記冷却ファン11の回転数Dを制御するようにしてあるため、冷却水の水温が一時的な変化なのかどうかを判断し、水温センサ14と、水温センサ15との切り替え頻度を抑制し、ファン騒音の増減の頻度を抑制するため、適正に冷却ファンの回転数制御を行うことができる。
【0055】
また、これら第1,第2実施形態において、冷却ファン11の回転数Dの制御量が、水温センサ14によるマップD=D1(図4)と水温センサ15によるマップD=D2(図5)との切り替わりでは、理論上は回転数Dがステップ的に変化するような場合であっても、図7の波線に示すように回転数Dを段階的に制御して回転数の急激な変化による不具合を抑制するようにしていることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における冷却ファン制御装置の概略構成図。
【図2】同実施形態における制御システムのフローチャート。
【図3】本発明の第2実施形態における制御システムのフローチャート。
【図4】冷却ファン回転数制御マップ(D=D1)。
【図5】冷却ファン回転数制御マップ(D=D2)。
【図6】車速に応じて基準値Taを制御するマップ。
【図7】切り替え時における冷却ファン回転数制御の説明図。
【符号の説明】
1 エンジン本体
5 ラジエータ
6 第1通路
7 第2通路
8 バイパス通路
11 冷却ファン
14 水温センサ(第1水温検出手段)
15 水温センサ(第2水温検出手段)
16 エンジンコントロールユニット(制御手段)
Claims (3)
- 水冷式エンジンの冷却水を冷却するためのラジエータと、該ラジエータに対向して設けられた冷却ファンと、エンジンからラジエータへ排出される冷却水温度を検出する第1水温検出手段と、ラジエータからエンジンへ供給される冷却水温度を検出する第2水温検出手段と、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御し、また、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が所定値を越えた場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて冷却ファンの回転数を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする冷却ファンの制御装置。
- 前記所定値は、車速,エンジン回転数,トルクの何れかに応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の冷却ファンの制御装置。
- 前記制御手段は、前記第1水温検出手段により検出された冷却水温度が前記所定値を越えた場合、現在の冷却水温度と所定時間後の冷却水温度とから平均水温を算出し、該平均水温が前記所定値よりも低い場合、前記第2水温検出手段により検出された冷却水温度に応じて前記冷却ファンの回転数を制御し、また、前記平均水温が前記所定値よりも高い場合、前記第1水温検出手段により検出された冷却水の水温に応じて前記冷却ファンの回転数を制御するようにしたことを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の冷却ファンの制御装置。
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