JP2005207393A - 機関冷却系の異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機関冷却系の冷却能力調整についてその異常をより精度良く判定することのできる機関冷却系の異常判定装置を提供する。
【解決手段】この装置は、内燃機関のウォータジャケットから流出する冷却水を冷却して同ウォータジャケットに還流させる機関冷却系についてその異常の有無を判定する。機関冷却系から還流されて前記ウォータジャケットに流入する冷却水(入口温度THWi)の所定期間における温度上昇量ΔTHWiが所定の判定値β以上であることをもって異常有りと判定する。
【選択図】 図5
【解決手段】この装置は、内燃機関のウォータジャケットから流出する冷却水を冷却して同ウォータジャケットに還流させる機関冷却系についてその異常の有無を判定する。機関冷却系から還流されて前記ウォータジャケットに流入する冷却水(入口温度THWi)の所定期間における温度上昇量ΔTHWiが所定の判定値β以上であることをもって異常有りと判定する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、内燃機関を冷却する機関冷却系にあってその異常の有無を判定する異常判定装置に関する。
一般に、機関冷却系は、内燃機関の内部に形成されたウォータジャケットと、熱交換器であるラジエータと、それらウォータジャケット及びラジエータの間に冷却水を循環させるための冷却水路と、同冷却水路の途中に設けられたサーモスタット弁とを備えている。このサーモスタット弁は、冷却水路を流れる冷却水の流量を調節するための流量制御弁であり、その感温部に接触する冷却水の温度に応じて開度が自動的に変化するようになっている。そして、その開度変化によってラジエータを通過する冷却水の流量が自動的に調節され、機関冷却系の冷却能力が調節される。
ここで、こうしたサーモスタット弁が閉弁状態で固着すると、機関温度の過度な上昇を招き、また開弁状態で固着すると、燃費の増大や排気性状の悪化を招くようになる。このようにサーモスタット弁の故障により機関冷却系の冷却能力に異常が生じると内燃機関の運転に種々の悪影響を及ぼすようになる。
このため従来より、こうした機関冷却系の冷却能力についてその異常を検知する装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載には、機関始動直後における冷却水の温度上昇速度が低いときに、サーモスタット弁が開弁状態で固着している旨判定する装置が提案されている。また、特許文献2には、サーモスタット弁が開弁してから所定時間経過後に、その上流側の冷却水温度と下流側の冷却水温度とが一致していないことをもって、サーモスタット弁が閉弁状態で固着している旨判定する装置が記載されている。
特許第3407572号公報
特開平10−266858号公報
ここで、例えば、サーモスタット弁内における冷却水の流れが偏り、これがサーモスタット弁の感温部を迂回するように流れるような場合には、同サーモスタット弁が固着しておらず、その開度が変化可能な状態にあっても、同開度が冷却水温度に対応する適した開度にはならないといった不都合が生じ得る。
この点、上記各文献に記載されるものは、機関始動時においてサーモスタット弁が固着状態となり、開度変化不能な状況にあることを前提としているものであるため、上述したような不都合に対処することはできない。すなわち、上記従来のものにあっては、機関冷却系における冷却能力調整にかかる異常を木目細かく判定するといった点においてなお改善の余地を残すものであるといえる。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関冷却系の冷却能力調整についてその異常をより精度良く判定することのできる機関冷却系の異常判定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
先ず、請求項1に記載の発明は、内燃機関のウォータジャケットから流出する冷却水を冷却して同ウォータジャケットに還流させる機関冷却系についてその異常の有無を判定する異常判定装置において、前記機関冷却系から還流されて前記ウォータジャケットに流入する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定する判定手段を備えることをその要旨とする。
先ず、請求項1に記載の発明は、内燃機関のウォータジャケットから流出する冷却水を冷却して同ウォータジャケットに還流させる機関冷却系についてその異常の有無を判定する異常判定装置において、前記機関冷却系から還流されて前記ウォータジャケットに流入する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定する判定手段を備えることをその要旨とする。
機関冷却系にあっては、その冷却能力がウォータジャケット内の冷却水温度に応じて調節される。このため、仮に機関負荷が大きく変化してウォータジャケットから流出する冷却水の温度が大きく変化した場合であっても、機関冷却系から還流されてウォータジャケットに流入する冷却水の温度は殆ど変化しない。一方、機関冷却系におけるこうした冷却能力の調整に異常が生じている状況下では、機関負荷が大きく変化したことに起因する冷却水の温度変化を適切に抑制することができず、同機関冷却系からウォータジャケットに流入する冷却水の温度が大きく変化することとなる。したがって、この冷却水温度を検出し、その単位時間当たりにおける温度変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定することができる。すなわち、上記構成によれば、機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを精度良く判定することができるようになる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記判定手段は前記ウォータジャケットから流出する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定値以上であることを条件に前記判定を実行することをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関からウォータジャケットに流入する冷却水の温度が殆ど変化しないとき、すなわち機関冷却系についての異常の有無を判定することができないときには同判定が行われない。このため、有意な判定を行うことができ、その判定結果の信頼性を高めることができるようになる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記判定手段は、前記ウォータジャケットから流出する冷却水の単位時間当たりの温度変化量として、所定期間にわたって機関運転状態が定常状態で維持された後における機関運転状態の変化に伴う温度変化量を用いることをその要旨とする。
冷却水温度は機関運転状態の変化に対して応答遅れをもって変化するために、判定開始前の機関運転状態の変化に伴う冷却水温度の変化が上記判定に悪影響を及ぼすおそれがある。この点、上記構成によれば、そうした悪影響を極力排除しつつ判定を実行することができるようになる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記判定手段は前記内燃機関の暖機が完了していることを条件に前記機関冷却系について前記判定を実行することをその要旨とする。
通常、機関始動後、内燃機関の温度が所定温度にまで上昇して収束する前、すなわち暖機前には、その早期完了を図るために機関冷却系の冷却能力は極めて低い状態に調節される。したがって、このとき機関冷却系からウォータジャケットへと流入する冷却水の温度は変化し易い状況にある。この点、上記構成によれば、機関暖機が完了したことを条件に上記判定を行うようにしているため、同判定の精度向上を図ることができるようになる。
ここで、機関冷却系が正常に機能している場合であっても、上記ウォータジャケットに流入する冷却水の温度変化量は機関運転状態によって僅かに異なる。この変化量の差異は、上述した判定値に基づく判定に際してその判定精度を低下させる一因となる。この点、上記判定値を機関運転状態に基づき可変設定する請求項5に記載の構成によれば、上記温度変化量の差異に見合ったかたちで判定値を設定することができ、機関冷却系の異常発生をより的確に検知することができるようになる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記機関冷却系は、ラジエータと、同ラジエータ及び前記ウォータジャケットの間に冷却水を循環させるための循環通路と、前記ラジエータをバイパスするバイパス通路と、冷却水の温度に応じて前記バイパス通路を通過する流量を調節するサーモスタット弁とを有してなることをその要旨とする。
上記構成では、サーモスタット弁の開度に基づいてラジエータを通過する冷却水の量が調節される。すなわち、このサーモスタット弁の開度調節を通じて機関冷却系の冷却能力が調整されることとなる。ここで、サーモスタット弁における冷却水の流れが偏り、これがサーモスタット弁の感温部を迂回するように流れる場合がある。このようにサーモスタット弁の感温部への冷却水の接触状態が変化すると、冷却水温度が仮に同じであってもその開度、すなわち、機関冷却系の冷却能力が異なるものとなる。したがって、所望の冷却能力が確保できず、冷却水の温度が大きく変化してしまうことがある。この点、上記構成によれば、そうした場合であれ、機関冷却系の冷却能力調整にかかる異常を検知することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記機関冷却系は、前記循環通路において前記ラジエータを通過した冷却水と前記バイパス通路を通過した冷却水とが合流する位置よりも下流側に、前記ウォータジャケットに冷却水を強制的に流入させるウォータポンプを有するものであり、前記判定手段は前記ウォータポンプよりも下流側における冷却水の温度を前記ウォータジャケットに流入する冷却水の温度として用いることをその要旨とする。
上記構成によれば、ラジエータを通過して冷却された低温の冷却水とバイパス通路を通過した高温の冷却水とが混合されてその温度が均一になった後の冷却水の温度に基づいて上記判定が行われる。その結果、その判定精度の向上を図ることができるようになる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置において、前記機関冷却系には、前記ウォータジャケットから流出して前記循環通路を流れる冷却水の熱を熱源として用いるヒータ装置を介して冷却水を該ウォータジャケットへと直接流入させるためのヒータ用バイパス通路を有するものであり、前記判定手段は前記ヒータ用バイパス通路から前記循環通路に流入する冷却水の温度に基づいて前記判定値を可変設定することをその要旨とする。
冷却水の有する熱を熱源として用いるヒータ装置が設けられた機関冷却系にあっては、同ヒータ装置の作動に伴って上記ヒータ用バイパス通路を通過する冷却水の熱が奪われるようになるために、その作動状況によってウォータジャケットに流入する冷却水の温度が変化することとなる。この点、上記構成によれば、そうしたヒータ装置の作動に伴う冷却水温度の変化に応じたかたちで上記判定値を設定することができ、その判定精度の向上を図ることができるようになる。
また、請求項9に記載の構成によるように、ウォータジャケットから流出する冷却水の温度及びヒータ装置の作動状況に基づいてヒータバイパス通路から前記循環通路に流入する冷却水の温度を推定し、これを上記判定値の設定に用いることにより、該流入する冷却水の温度を直接検出する必要が無くなり、構成の簡略化を図ることができるようになる。
以下、本発明にかかる機関冷却系の異常判定装置を具体化した一実施の形態について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態にかかる異常判定装置が適用される車載内燃機関の冷却系について説明する。
ここでは先ず、図1を参照して、本実施の形態にかかる異常判定装置が適用される車載内燃機関の冷却系について説明する。
図1に示されるように、内燃機関10の内部にはウォータジャケット12が形成されている。内燃機関10の冷却系は、ラジエータ14や、同ラジエータ14及び上記ウォータジャケット12の間に冷却水を循環させるための循環通路20、同循環通路20の途中に設けられるサーモスタット弁30等により構成されている。サーモスタット弁30は接触する冷却水の温度に応じて開弁量が変化する弁を有し、同弁の開閉によって前記ラジエータ14を通過する冷却水の流量を自動的に調節する。
上記循環通路20は、詳しくは、以下の各通路を備えて構成されている。
・「通路22」:ウォータジャケット12からラジエータ14に冷却水を供給する。
・「通路24」:ラジエータ14にて冷却された後の冷却水をウォータジャケット12に還流する。
・「バイパス通路26」:上記通路22から分岐されて上記ラジエータ14を通過しない冷却水をウォータジャケット12に還流する。
・「通路28」:上記通路24から供給される冷却水、及びバイパス通路26から供給される冷却水の何れか一方を選択して、若しくは両冷却水を混合してウォータジャケット12に還流する。
・「通路22」:ウォータジャケット12からラジエータ14に冷却水を供給する。
・「通路24」:ラジエータ14にて冷却された後の冷却水をウォータジャケット12に還流する。
・「バイパス通路26」:上記通路22から分岐されて上記ラジエータ14を通過しない冷却水をウォータジャケット12に還流する。
・「通路28」:上記通路24から供給される冷却水、及びバイパス通路26から供給される冷却水の何れか一方を選択して、若しくは両冷却水を混合してウォータジャケット12に還流する。
なお、上記サーモスタット弁30は、そうした循環通路20にあって上記通路24とバイパス通路26との合流部に設けられている。また、上記通路28の途中には、同通路28を通じて循環通路20内の冷却水をウォータジャケット12へと強制的に還流するウォータポンプ16が設けられている。
一方、機関冷却系には、上記通路22と通路28とを連通して、ラジエータ14及びサーモスタット弁30をバイパスするヒータ用バイパス通路40が設けられている。このヒータ用バイパス通路40の途中には、上記ウォータジャケット12から流出して同ヒータ用バイパス通路40を流れる冷却水の熱を熱源として用いるヒータ装置42が設けられている。このヒータ装置42は、ヒータ用バイパス通路40を通過する冷却水の流量を調節するためのウォータバルブ43や、熱交換器であるヒータコア44、同ヒータコア44に送風するヒータブロア46、ヒータコア44での熱交換によって暖められた空気を導くためのダクト48等により構成されている。
他方、本実施の形態にかかる異常判定装置には、内燃機関10の運転状態や機関冷却系の作動状態を検出するための各種センサが設けられている。
例えば、内燃機関10には、その出力軸(図示略)の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための回転速度センサや、スロットルバルブ(図示略)の開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサが設けられている。また、内燃機関10には、その吸入空気量GAを検出するための吸入空気量センサが設けられている。また、車両には、その走行速度(車速SPD)を検出するための車速センサや、外気の温度を検出するための温度センサ等が設けられている。更に、上記通路22には、上記ウォータジャケット12から通路22への冷却水の流出口12a近傍に、同通路22内を流れる冷却水の温度(出口温度THWout)を検出するための温度センサ52が設けられている。また、上記通路28には、上記ウォータジャケット12への冷却水の流入口12b近傍に、同通路28内を流れる冷却水の温度(入口温度THWout)を検出するための温度センサ54が設けられている。この温度センサ54は、通路28にあって上記ウォータポンプ16よりも下流側に設けられている。
例えば、内燃機関10には、その出力軸(図示略)の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための回転速度センサや、スロットルバルブ(図示略)の開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサが設けられている。また、内燃機関10には、その吸入空気量GAを検出するための吸入空気量センサが設けられている。また、車両には、その走行速度(車速SPD)を検出するための車速センサや、外気の温度を検出するための温度センサ等が設けられている。更に、上記通路22には、上記ウォータジャケット12から通路22への冷却水の流出口12a近傍に、同通路22内を流れる冷却水の温度(出口温度THWout)を検出するための温度センサ52が設けられている。また、上記通路28には、上記ウォータジャケット12への冷却水の流入口12b近傍に、同通路28内を流れる冷却水の温度(入口温度THWout)を検出するための温度センサ54が設けられている。この温度センサ54は、通路28にあって上記ウォータポンプ16よりも下流側に設けられている。
本実施の形態にかかる異常判定装置は、例えばマイクロコンピュータ等からなる電子制御装置50を備えている。この電子制御装置50は、上記各センサの出力信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいて後述する異常判定処理を実行する。
次に、図2を参照して、上記サーモスタット弁30の構造及び配設態様について詳細に説明する。
サーモスタット弁30は、サーモスタット本体32と感温部34とを備えている。サーモスタット本体32は循環通路20に固定されており、上記感温部34は、接触する冷却水の温度に応じて、サーモスタット本体32に対して相対移動するようになっている。
サーモスタット弁30は、サーモスタット本体32と感温部34とを備えている。サーモスタット本体32は循環通路20に固定されており、上記感温部34は、接触する冷却水の温度に応じて、サーモスタット本体32に対して相対移動するようになっている。
上記感温部34には、弁体36aと弁体38aとがそれぞれ取り付けられている。
上記サーモスタット本体32にあって上記弁体36aに対応する位置には弁座36bが形成されており、この弁座36bと弁体36aとによってメイン弁36が構成される。そして、弁体36aの弁座36bへの着座時(メイン弁36の閉弁時)には上記通路24と通路28との連通が遮断される一方、同弁体36aの弁座36bからの離間時(メイン弁36の開弁時)には、それら通路24,28が連通される。
上記サーモスタット本体32にあって上記弁体36aに対応する位置には弁座36bが形成されており、この弁座36bと弁体36aとによってメイン弁36が構成される。そして、弁体36aの弁座36bへの着座時(メイン弁36の閉弁時)には上記通路24と通路28との連通が遮断される一方、同弁体36aの弁座36bからの離間時(メイン弁36の開弁時)には、それら通路24,28が連通される。
また、上記バイパス通路26にあって弁体38aに対応する位置には弁座38bが形成されており、同弁座38bと弁体38aとによってバイパス弁38が構成される。そして、弁体38aの弁座38bからの離間時(バイパス弁38の開弁時)には上記バイパス通路26と通路28とが連通され、弁体38aの弁座38bへの着座時(バイパス弁38の閉弁時)には、それらバイパス通路26と通路28の連通が遮断される。
更に、サーモスタット弁30の配設部には、上記ヒータ用バイパス通路40が接続されている。このヒータ用バイパス通路40は、上記メイン弁36及びバイパス弁38によらず、上記通路28に常時連通されている。
なお、上記弁体36aと弁座36bとの間隙(メイン弁36の開弁量)及び上記弁体38aと弁座38bとの間隙(バイパス弁38の開弁量)は、上記感温部34の相対移動に伴ってそれぞれ変化する。また、それら間隙は、接触する冷却水の温度に応じて互いに逆方向に変化するようになっている。そして、それらメイン弁36及びバイパス弁38の開閉を通じて、ラジエータ14を通過する冷却水の流量とバイパス通路26を流れる冷却水の流量とがそれぞれ可変にされ、ウォータジャケット12に流入する冷却水の温度が制御される。
次に、図3を併せ参照しつつ、サーモスタット弁30の作動態様について詳細に説明する。
なお、図3は上記機関冷却系における冷却水の流通態様を示す図であり、同図(a)は冷却水温度が低いときにおける流通態様を、同図(b)は冷却水温度が適温であるときにおける流通態様を、同図(c)は冷却水温度が高いときにおける流通態様をそれぞれ示している。
なお、図3は上記機関冷却系における冷却水の流通態様を示す図であり、同図(a)は冷却水温度が低いときにおける流通態様を、同図(b)は冷却水温度が適温であるときにおける流通態様を、同図(c)は冷却水温度が高いときにおける流通態様をそれぞれ示している。
先ず、例えば内燃機関10の冷間始動時等、上記感温部34に接触する冷却水の温度がごく低いときには、メイン弁36(図2)が閉弁された状態で維持され、バイパス弁38が開弁された状態(図2に示される状態)で維持される。したがって、図3(a)に示すように、このとき上記通路28を通じて、ラジエータ14を通過しない冷却水のみがウォータジャケット12に還流されるようになり、ウォータジャケット12内の冷却水温度、ひいては機関温度が速やかに上昇される。
その後、内燃機関10の運転が継続されて上記感温部34に接触する冷却水の温度がある程度上昇すると、メイン弁36が開弁され、更にはその開弁量が徐々に大きくなる。また、これに伴い、バイパス弁38の開弁量が徐々に小さくなる。そして、効率の良い機関運転の可能な機関温度となるように、メイン弁36及びバイパス弁38の開弁量がそれぞれ調節され、ウォータジャケット12に環流される冷却水の温度が自動的に調節される。このときには、図3(b)に示すように、上記ラジエータ14通過後の低温の冷却水と同ラジエータ14を通過しない高温の冷却水とがそれぞれ調量されるとともに混合され、ウォータジャケット12に還流される。
その後、内燃機関10の高負荷状態での運転が継続される等して上記感温部34に接触する冷却水の温度が極めて高くなると、メイン弁36の開弁量が最大になり、バイパス弁38が閉弁される。これにより、図3(c)に示すように、上記ラジエータ14を通過しない冷却水のうち、上記ヒータ用バイパス通路40を通過する冷却水以外の冷却水のウォータジャケット12への流入が停止されるとともに、上記ラジエータ14を通過して冷却された冷却水がウォータジャケット12に還流される。したがって、このとき機関冷却系の冷却効率が最も高く設定される。
このように、機関冷却系にあっては、その冷却能力がサーモスタット弁30の感温部34に接触する冷却水の温度、換言すれば、ウォータジャケット12内の冷却水温度に応じて調節される。このため、仮に機関負荷が大きく変化してウォータジャケット12から流出する冷却水の温度(出口温度THWo)が大きく変化した場合であっても、機関冷却系から還流されてウォータジャケット12に流入する冷却水の温度(入口温度THWi)は殆ど変化しないと云える。
ここで、上記機関冷却系にあっては、サーモスタット弁30の配設部分における冷却水の流れが偏り、上記サーモスタット弁30の感温部34を迂回する冷却水の流れ(図2中に矢印Aで示す流れ)が生じることがある。なお、同図2中の矢印Bには、適切な流れ、すなわちサーモスタット弁30の感温部34に接触する流れを参考までに示している。
そして、上記迂回する流れが生じると、上記バイパス通路26から流れ込む高温の冷却水が感温部34に接触することなくウォータジャケット12に環流されるようになる。これにより、上記メイン弁36の開弁量が不要に小さくなり、またバイパス弁38の開弁量が不要に大きくなるために、冷却水温度が不要に上昇し、ひいては機関温度が不要に上昇することとなる。こうした状況下では、機関負荷が大きく変化したことに起因する冷却水の温度変化を適切に抑制することができず、入口温度THWiが大きく変化することとなる。
本実施の形態では、そうした入口温度THWiの変化に着目し、その変化に基づいて機関冷却系の冷却能力調整についての異常の有無を判定するようにしている。
以下、そうした異常判定にかかる処理について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
以下、そうした異常判定にかかる処理について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
なお、図4は異常判定にかかる処理の処理手順を概念的に示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、実際には、所定周期毎に実行される処理として、電子制御装置50によって実行される。本実施の形態では、この一連の処理が、機関冷却系から還流されてウォータジャケット12に流入する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定する判定手段として機能する。
また、図5は上記異常判定にかかる処理の処理態様の一例を示すタイミングチャートであり、同図(a)には冷却水温度の推移を示し、同図(b)には機関回転速度NEの推移を示し、同図(c)には車速SPDの推移を示している。
図4に示すように、この処理では先ず、内燃機関10の暖機が完了しているか否かが判断され(ステップS100)、これが完了していることを条件に(ステップS100:YES)入口温度THWiに基づく異常判定(ステップS106〜S110)が実行される。なお、暖機が完了していることは、出口温度THWoが所定温度以上であることにより判断される。
機関始動後、内燃機関10の温度が所定温度にまで上昇して収束する前、すなわち暖機前には、その早期完了を図るために機関冷却系の冷却能力は極めて低い状態に調節される。したがって、このときには機関冷却系からウォータジャケット12へと流入する冷却水の温度が変化し易く、冷却水温度に基づく判定において誤判定を招きやすい。本処理では、そうした機関暖機完了前に上記判定を行わないことにより判定精度の向上が図られている。
また本処理では、機関運転状態が、本処理の前回実行時まで所定期間にわたって定常状態で維持されており、且つ今回実行時に過渡状態になったことを条件に(ステップS102)、上記異常判定が実行される。なお、機関運転状態が定常状態であることは、スロットル開度TA、機関回転速度NE、及び車速SPDの変化がそれぞれ小さいことにより判断される。また、機関運転状態が過渡状態になったことは、アクセルペダルが踏み込まれたことや、スロットル開度TAが大きくなったこと、機関負荷KLが増大したこと等により判断される。この機関負荷KLとしては、吸入空気量GA、或いは吸入空気量GAを機関回転速度NEで除した値(=GA/NE)が用いられる。
これにより、図5に一例を示すように、機関回転速度NE(同図(b))及び車速SPD(同図(c))が略一定の状態での車両運転が継続されて出口温度THWo及び入口温度THWi(同図(a))が安定した状態から、機関負荷KLが増大して機関回転速度NE及び車速SPDが上昇した(時刻t1)直後に上記異常判定が実行されるようになる。
ここで、出口温度THWoや入口温度THWiは、機関運転状態の変化の後、若干の応答遅れをもって上昇する(時刻t2以降)。このため、入口温度THWiに基づく異常判定を行う本処理では、判定開始前の機関運転状態の変化に伴う入口温度THWiの変化が上記異常判定に悪影響を及ぼすおそれがある。この点、本実施の形態では、所定期間にわたって機関運転状態が定常状態で維持された後における入口温度THWiの変化に基づいて上記異常判定が実行されるために、上記悪影響が極力排除されるようになる。
更に本処理では、機関運転状態が過渡状態になった後に所定時間経過するまでの期間における上記出口温度THWoの上昇量ΔTHWoが算出され、この上昇量ΔTHWoが所定値α以上であることを条件に(図4のステップS104:YES)、上記異常判定が実行される。本実施の形態では、上記上昇量ΔTHWoが、ウォータジャケット12から流出する冷却水の単位時間当たりの変化量に相当する。
これにより、入口温度THWiが殆ど変化しないとき、すなわち以下に詳述する異常判定では機関冷却系についての異常の有無を判定することができないときに、同異常判定が行われなくなり、有意な判定が行われるようになる。
そして、入口温度THWiに基づく異常判定では、先ず上記所定時間が経過するまでの期間(時刻t1〜t3)における入口温度THWiの上昇量ΔTHWiが算出され、同上昇量ΔTHWiが所定の判定値β以上であるか否かが判断される(ステップS106)。なお、上記判定値βとしては、上記所定値αと比べて小さい値が設定される。本実施の形態では、上記上昇量ΔTHWiが、ウォータジャケット12に流入する冷却水の単位時間当たりの変化量に相当する。
そして、上昇量ΔTHWiが判定値β以上である場合には(ステップS106:YES)、機関冷却系に異常が発生している旨の判定(異常判定)がなされる(ステップS108)。すなわち、図5(a)に実線で示すように、機関冷却系の冷却能力調整について異常が生じた結果、入口温度THWiが適正に調節されなくなって大きく上昇したとして、異常判定がなされる。
一方、上昇量ΔTHWiが判定値β未満である場合には(ステップS106:NO)、機関冷却系が正常である旨の判定(正常判定)がなされる(ステップS110)。すなわち、図5(a)中に一点鎖線で示すように、サーモスタット弁30の自動開閉を通じて入口温度THWiが適正に調節されているために、入口温度THWiはほとんど上昇していないとして正常判定がなされる。
このように、本実施の形態によれば、入口温度THWiが大きく変化したことを検知し、これをもって機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを精度良く判定することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを精度良く判定することができるようになる。
(1)機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを精度良く判定することができるようになる。
(2)出口温度THWoの上昇量ΔTHWoが所定値α以上であることを条件に入口温度THWiに基づく異常判定を実行するようにした。これにより、入口温度THWiが殆ど変化しないとき、すなわち上記異常判定では機関冷却系についての異常の有無を判定することができないときに、同異常判定が行われなくなる。このため、有意な判定を行うことができ、その判定結果の信頼性を高めることができるようになる。
(3)所定期間にわたって機関運転状態が定常状態で維持された後の機関運転状態の変化に伴う入口温度THWiの上昇量ΔTHWiを上記異常判定に用いるようにした。このため、判定開始前の機関運転状態の変化に伴う入口温度THWiの変化が上記異常判定に悪影響を及ぼすことを極力排除しつつ、同異常判定を実行することができるようになる。
(4)内燃機関10の暖機が完了していることを条件に上記異常判定を実行するようにしたために、同異常判定の精度向上を図ることができるようになる。
(5)ウォータポンプ16よりも冷却水流れ方向下流側における冷却水の温度を検出し、これを入口温度THWiとして上記異常判定に用いるようにした。このため、ラジエータ14を通過して冷却された低温の冷却水とバイパス通路26を通過した高温の冷却水とが混合されてその温度が均一になった後の冷却水の温度に基づいて上記異常判定が行われるようになり、その判定精度の向上を図ることができるようになる。
(5)ウォータポンプ16よりも冷却水流れ方向下流側における冷却水の温度を検出し、これを入口温度THWiとして上記異常判定に用いるようにした。このため、ラジエータ14を通過して冷却された低温の冷却水とバイパス通路26を通過した高温の冷却水とが混合されてその温度が均一になった後の冷却水の温度に基づいて上記異常判定が行われるようになり、その判定精度の向上を図ることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態において、前記判定値βを機関運転状態に基づき可変設定するようにしてもよい。ここで、機関冷却系が正常に機能している場合であっても、上記ウォータジャケット12に流入する冷却水の温度変化量は機関運転状態によって僅かに異なる。この変化量の差異は、上記異常判定の精度を低下させる一因となる。この点、上記構成によれば、上記温度変化量の差異に見合ったかたちで判定値βを設定することができ、機関冷却系の異常発生をより的確に検知することができるようになる。
・上記実施の形態において、前記判定値βを機関運転状態に基づき可変設定するようにしてもよい。ここで、機関冷却系が正常に機能している場合であっても、上記ウォータジャケット12に流入する冷却水の温度変化量は機関運転状態によって僅かに異なる。この変化量の差異は、上記異常判定の精度を低下させる一因となる。この点、上記構成によれば、上記温度変化量の差異に見合ったかたちで判定値βを設定することができ、機関冷却系の異常発生をより的確に検知することができるようになる。
なお、そうした判定値βの設定態様としては、以下の設定態様が考えられる。
(設定態様A)機関負荷KLが大きいときほど、判定値βとして大きい値を設定する。
機関負荷が大きいときほど、すなわち出口温度THWoが高いときほど、機関冷却系の冷却性能が飽和状態に近くなるために、冷却水温度の上昇抑制が困難なものとなり、入口温度THWiの上昇量が大きくなる。上記構成によれば、そうした傾向に合わせて判定値βを設定することができ、判定精度の向上を図ることができるようになる。
(設定態様B)機関回転速度NEが高いときほど、判定値βとして小さい値を算出する。
(設定態様A)機関負荷KLが大きいときほど、判定値βとして大きい値を設定する。
機関負荷が大きいときほど、すなわち出口温度THWoが高いときほど、機関冷却系の冷却性能が飽和状態に近くなるために、冷却水温度の上昇抑制が困難なものとなり、入口温度THWiの上昇量が大きくなる。上記構成によれば、そうした傾向に合わせて判定値βを設定することができ、判定精度の向上を図ることができるようになる。
(設定態様B)機関回転速度NEが高いときほど、判定値βとして小さい値を算出する。
機関駆動式のウォータポンプが採用される機関冷却系にあっては、機関回転速度NEが速いときほど、機関冷却系内における冷却水の流通量が多くなるために、入口温度THWiの上昇量は小さくなる。上記構成によれば、そうした傾向に合わせて判定値βを設定することができ、判定精度の向上を図ることができるようになる。
・上記実施の形態において、前記ヒータ用バイパス通路40から循環通路20(詳しくは通路28)に流入する冷却水の温度(ヒータ水温THWh)に基づいて判定値βを可変設定するようにしてもよい。ここで、前記ヒータ装置42が作動すると、その作動に伴ってヒータ用バイパス通路40を通過する冷却水の熱が奪われるようになるために、その作動状況によって上記入口温度THWiが変化することとなる。そして、これが上記判定値βに基づく判定の精度向上を阻む一因となる。この点、上記構成によれば、そうしたヒータ装置42の作動に伴う入口温度THWiの変化に応じたかたちで上記判定値βを設定することができ、その判定精度の向上を図ることができるようになる。
なお、ヒータ水温THWhは、センサによって直接検出することの他、上記出口温度THWo及びヒータ装置42の作動状況に基づいて推定することも可能である。特に、ヒータ水温THWhを推定し、これを上記判定値βの設定に用いることにより、同ヒータ水温THWhを直接検出する必要が無くなり、構成の簡略化を図ることができるようになる。
ヒータ水温THWhの推定に用いる推定パラメータとしては、外気温度や車速SPDを採用することもできる。外気温度に応じてヒータコア44に吹き付けられる空気の温度が、また車速SPDに応じて同吹き付けられる空気の風量がそれぞれ異なったものとなるために、それら外気温度や車速SPDによって、ヒータ用バイパス通路40を通過する冷却水が奪われる熱量も異なったものとなる。この点、上記構成によれば、そうした相違に応じたかたちで精度良くヒータ水温THWhを推定することができるようになる。
・上記実施の形態において、入口温度THWiを検出するための温度センサ54をウォータジャケット12内に設けるようにしてもよい。また、この温度センサは、ラジエータ14通過後の低温の冷却水とバイパス通路26を通過した高温の冷却水との混合が十分になされる部位であれば、上記通路28の上記ウォータポンプ16よりも上流側の部位に設けることも可能である。
・上記実施の形態において、出口温度THWoを検出するための温度センサ52をウォータジャケット12内に設けるようにしてもよい。また、出口温度THWoを機関負荷KLや機関回転速度NE等といった機関運転状態の推移に基づき推定することなども可能である。こうした構成によれば、出口温度THWoを検出するための温度センサを省略することができる。
・判定開始前における機関運転状態の変化による異常判定への影響がごく小さいのであれば、異常判定処理のステップS102の処理を省略してもよい。
・また、異常判定処理のステップS104の処理を省略することなども可能である。こうした構成によっても、少なくとも入口温度THWiが大きく変化したことをもって、機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを判定することができる。
・また、異常判定処理のステップS104の処理を省略することなども可能である。こうした構成によっても、少なくとも入口温度THWiが大きく変化したことをもって、機関冷却系の冷却能力調整について異常が発生したことを判定することができる。
・上記実施の形態では、入口温度THWiの上昇量ΔTHWiが所定の判定値β以上であることをもって異常有りと判定するようにした。これに代えて、若しくはこれに併せて、入口温度THWiの低下量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定するようにしてもよい。要は、入口温度THWiの変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定することにより、機関冷却系に異常が発生したことを的確に検知することができる。
・本発明にかかる異常判定装置は、ヒータ用バイパス通路40及びヒータ装置42が設けられない機関冷却系にも適用可能である。
・また、本発明にかかる異常判定装置は、バイパス通路26を備えていない冷却水路とバイパス弁38を備えていないサーモスタットとを有する機関冷却系にも、適宜適用可能である。
・また、本発明にかかる異常判定装置は、バイパス通路26を備えていない冷却水路とバイパス弁38を備えていないサーモスタットとを有する機関冷却系にも、適宜適用可能である。
10…内燃機関、12…ウォータジャケット、12a…流出口、12b…流入口、14…ラジエータ、16…ウォータポンプ、20…循環通路、22,24,28…通路、26…バイパス通路、30…サーモスタット弁、32…サーモスタット本体、34…感温部、36…メイン弁、36a,38a…弁体、36b,38b…弁座、38…バイパス弁、40…ヒータ用バイパス通路、42…ヒータ装置、43…ウォータバルブ、44…ヒータコア、46…ヒータブロア、48…ダクト、50…電子制御装置、52,54…温度センサ。
Claims (9)
- 内燃機関のウォータジャケットから流出する冷却水を冷却して同ウォータジャケットに還流させる機関冷却系についてその異常の有無を判定する異常判定装置において、
前記機関冷却系から還流されて前記ウォータジャケットに流入する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定の判定値以上であることをもって異常有りと判定する判定手段を備える
ことを特徴とする機関冷却系の異常判定装置。 - 前記判定手段は前記ウォータジャケットから流出する冷却水の単位時間当たりの温度変化量が所定値以上であることを条件に前記判定を実行する
請求項1に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記判定手段は、前記ウォータジャケットから流出する冷却水の単位時間当たりの温度変化量として、所定期間にわたって機関運転状態が定常状態で維持された後における機関運転状態の変化に伴う温度変化量を用いる
請求項2に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記判定手段は前記内燃機関の暖機が完了していることを条件に前記機関冷却系について前記判定を実行する
請求項1〜3の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記判定手段は前記判定値を機関運転状態に基づき可変設定する
請求項1〜4の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記機関冷却系は、ラジエータと、同ラジエータ及び前記ウォータジャケットの間に冷却水を循環させるための循環通路と、前記ラジエータをバイパスするバイパス通路と、冷却水の温度に応じて前記バイパス通路を通過する流量を調節するサーモスタット弁とを有してなる
請求項1〜5の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記機関冷却系は、前記循環通路において前記ラジエータを通過した冷却水と前記バイパス通路を通過した冷却水とが合流する位置よりも下流側に、前記ウォータジャケットに冷却水を強制的に流入させるウォータポンプを有するものであり、前記判定手段は前記ウォータポンプよりも下流側における冷却水の温度を前記ウォータジャケットに流入する冷却水の温度として用いる
請求項1〜6の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記機関冷却系には、前記ウォータジャケットから流出して前記循環通路を流れる冷却水の熱を熱源として用いるヒータ装置を介して冷却水を該ウォータジャケットへと直接流入させるためのヒータ用バイパス通路を有するものであり、前記判定手段は前記ヒータ用バイパス通路から前記循環通路に流入する冷却水の温度に基づいて前記判定値を可変設定する
請求項1〜7の何れか一項に記載の機関冷却系の異常判定装置。 - 前記判定手段は前記ウォータジャケットから流出する冷却水の温度及び前記ヒータ装置の作動状況に基づいて前記ヒータ用バイパス通路から前記循環通路に流入する冷却水の温度を推定し、該推定した温度を前記判定値の設定に用いる
請求項8に記載の機関冷却系の異常判定装置。
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JP2004017560A JP2005207393A (ja) | 2004-01-26 | 2004-01-26 | 機関冷却系の異常判定装置 |
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JP2011111911A (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-09 | Toyota Motor Corp | 冷却装置の異常判定装置および冷却装置の異常判定方法 |
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-
2004
- 2004-01-26 JP JP2004017560A patent/JP2005207393A/ja active Pending
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