JP3799695B2 - アクセル装置用ヒステリシス機構 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ。)のアクセルペダル等のアクセル操作手段(以下、アクセルペダルと呼ぶ。)に対して操作抵抗力を及ぼし、アクセルペダルの操作力が所定のヒステリシス特性を有するようにするアクセル装置用ヒステリシス機構に関するもので、電子制御アクセル装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
アクセル装置用ヒステリシス機構として、例えば特開平4−128519号公報に記載の発明が提案されている。具体的には、アクセルペダルの操作に連動して回転する第1円板と、ハウジングに固定された状態で第1円板に対抗配設された第2円板とを備えるとともに、両円板の各対向面に帯状摩擦部材を配設し、両者の摩擦力によって、所定のヒステリシス特性を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載の発明は、両帯状摩擦部材の摩擦力によって所定のヒステリシス特性を得るものであるので、仮に、少なくとも一方の摩擦部材が偏磨耗してしまうと、偏磨耗した方の帯状摩擦部材が他方側の帯状摩擦部材に噛み込んでしまい、所定のヒステリシス特性を得ることができなくなる。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができるアクセル装置用ヒステリシス機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。
請求項1〜3に記載の発明では、アクセル操作手段(2)の操作に連動して第1プレート(306)に対して相対運動する第2プレート(303)は、第1プレート(306)に対向して配設されている。そして、両プレート(303、306)間には、両プレート(303、306)に接触する転動体(307)が配設されていることをを特徴とする。
【0006】
これにより、転動体(307)と両プレート(303、306)とが接触することにより摩擦力が発生するので、この摩擦力によって後述するように所定のヒステリシス特性を得ることができる。したがって、上記公報のごとく、帯状摩擦部材を接触させて摩擦力を得ているものに比べて、転動体(307)が両プレート(303、306)に噛み込み難いので、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができる。
【0007】
なお、請求項2に記載の発明のごとく、アクセル操作手段(2)の操作量の増加に応じて、転動体(307)をシャフト(302)の径外方側に移動させる案内部(303a、306a)を両プレート(303、306)に形成してもよい。
また、請求項3に記載の発明のごとく、両プレート(303、306)うち一方側のプレート(306)には、放射状の第1案内部(306a)を形成し、他方側のプレート(303)には螺旋状の第2案内部(303a)を形成してもよい。
【0008】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るアクセル装置用ヒステリシス機構が組み込まれた車両用電子式スロットル機構(以下、電子スロットルと呼ぶ。)1の概要を示す断面図である。
【0010】
この電子スロットル1は、運転者(操作員)が操作するアクセルペダル(アクセル操作手段)2の操作量を検出する、ポテンショメータ等からなるアクセルセンサ部3と、内燃機関に吸入される吸入空気が流通するスロットルボディ4と、スロットルボディ4内の空気通路4aを開閉するスロットルバルブ5と、アクセルセンサ部3からの出力に応じてスロットルシャフト5aを回転させてスロットルバルブ5を作動させる、電動モータ6aおよび電磁クラッチ(図示せず)からなる駆動部6とから構成されている。
【0011】
なお、7は、アクセルセンサ部3からの信号、およびスロットルバルブ5の開度を検出するポテンショメータからなる開度センサ部8からの信号が入力されるとともに、これらの信号に基づいて駆動部6へ駆動制御信号を発する制御装置である。
図2は、アクセルセンサ部3の拡大図であり、このアクセルセンサ部3は、樹脂製のハウジング301を介してスロットルボディ4にPネジ(図示せず)にて組付けられている。
【0012】
302はアクセルペダル2の操作に連動して回転するシャフトであり、このシャフト302の一端側には、シャフト302と連動して回転する金属製(本実施形態では軸受鋼)の回転カムプレート(第2プレート)303が結合し、他端側には、アクセルペダル2と連動して作動するアクセルワイヤー2a(図1参照)が固定されたアクセルレバー304がレバープレート305を介して結合している。なお、樹脂製のアクセルレバー304および金属製のレバープレート305は、インサート一体成形により一体化している。
【0013】
また、306は、後述するモールドカバー311を介してハウジング301に固定された金属製(本実施形態では軸受鋼)の非回転カムプレート(第1プレート)であり、この非回転カムプレート306は、回転カムプレート303と対向して配設されている。そして、両カムプレート303、306の間には、両カムプレート303、306に接触しながら回転する球体(転動体)307が配設されており、この球体307および両カムプレート303、306により、本実施形態に係るアクセル装置用ヒステリシス機構が構成されている。なお、本実施形態では、球体307は耐磨耗性に優れた玉軸受用鋼球である。
【0014】
また、回転カムプレート303のうち、非回転カムプレート303との対向面には、図3(回転カムプレート303を図2のA矢から見た図)の(a)に示すように、球体307の移動を案内する非線型カム溝(第2案内部)303aが、回転カムプレート303の回転中心周りに3本形成されており、これらの非線型カム溝303aは、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、回転中心に近づくように螺旋状に形成されている。
【0015】
なお、ここで、回転カムプレート303の回転方向とは、アクセルレバー304(アクセルペダル2)の操作量が増加する向き、すなわちスロットルバルブ5が開く向きをいい、以下、特に断りがないかぎり、回転方向とは、スロットルバルブ5が開く向きをいう。
因みに、非線型カム溝303aは、球体307の座りを良好に保つために、図3の(b)に示すようにV字状に形成されている。また、303bは、シャフト302が挿入される穴であり、この穴303bには、シャフト302の回転力を回転カムプレート303に伝達する二面幅303cが形成されている。
【0016】
一方、非回転カムプレート306のうち、回転カムプレート306との対向面には、図4(非回転カムプレート306を図2のA矢から見た図)の(a)に示すように、球体307の移動を案内する放射状のカム溝(第1案内部)306aが3本形成されている。なお、306bは非回転カムプレート306の回転を抑止する周り止め用凹部である。
【0017】
ところで、図2中、308は円周形状の電気抵抗部(図示せず)が形成された抵抗基板であり、309は抵抗基板308の電気抵抗部に接触するブラシであり、このブラシ309および抵抗基板308によりポテンショメータを構成している。因みに、309aは、ブラシ309と制御装置7とを電気的に接続するハーネス(図示せず)を接続するターミナルである。
【0018】
なお、抵抗基板308は、その外周部に配設された防振用のゴムパッキン310を介して、ハウジング301に熱かしめ固定された樹脂製のモールドカバー311とハウジング301との間に組付けられている。
また、312、313は、アクセルレバー304(アクセルペダル2)に対して、その操作量が小さくなる向きに弾性力を作用させるねじりコイルばね(以下、スプリングリターンと呼ぶ。)であり、両スプリングリターン312、313は、シャフト302周りに同軸上に配設されている。また、314は両スプリングリターン312、313のスプリングガイドであり、このスプリングガイド314は、ハウジング301に一体成形されている。
【0019】
なお、スプリングガイド314は、両スプリングリターン312、313のコイル部全域に渡って形成されており、両スプリングリターン312、313の捩り量が増加していく(アクセルペダル2の操作量が増加していく)と、スプリングガイド314と両スプリングリターン312、313とが接触するようになっている。これにより、アクセルペダル2の操作量に応じた摩擦抵抗がスプリングガイド314と両スプリングリターン312、313との間に発生する。
【0020】
314は非回転カムプレート306に弾性力(予圧)を作用させて、両カムプレート303、306および球体307間の接触圧力を与えるコイルばねであり、315、316はシャフト302を回転可能に支持する軸受である。
また、317は、レバープレート305と軸受315との間に配設されて、軸受315に弾性力(予圧)を与えるばねであり、このばね317の外周端がレバープレート305に接触し、内周端が軸受315の内輪に接触している。これにより、軸受315のがたつきを防止するとともに、シャフト302をレバープレート305側に引っ張るようにして回転カムプレート303を非回転カムプレート306側に押圧することができる。
【0021】
なお、318はシャフト302に接触するオイルシールであり、このオイルシールにより、シャフト302の回転に対して一定の摩擦力が与えられている。
次に、アクセル装置用ヒステリシス機構の作動を述べる。
非線形カム溝303aは、前述のごとく、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、回転中心に近づくように螺旋状に形成されているので、回転カムプレート303が回転方向に回転すると、球体307は、図5に示すように、非線形カム溝303aより径外方に向かう力を受けて、カム溝306aに沿って径外方に向かって移動する(実線の状態から破線の状態への移動)。
【0022】
一方、回転カムプレート303が回転方向と逆向き(スロットルバルブ5が閉じる向き)に回転すると、球体307は、非線形カム溝303aより径内方に向かう力を受けて、カム溝306aに沿って径内方に向かって移動する(破線の状態から実線の状態への移動)。
このとき、両カムプレート303、306および球体307が接触しているので、回転カムプレート303が非回転カムプレート306に対して相対回転運動する際に、回転カムプレート303は、両カムプレート303、306および球体307間に発生する摩擦力(静止摩擦力および動摩擦力)Fによる摩擦トルクを受ける。
【0023】
そして、この摩擦トルクは、回転カムプレート303の回転中心から摩擦力Fが発生している接触部(略球体307の中心)までの距離rと摩擦力Fとの積であるので、回転カムプレート303には、その回転角(スロットルバルブ5の開度)に応じた摩擦トルクが作用する。したがって、回転カムプレート303を回転させるに必要なトルクMは、図6に示すように、回転カムプレート303の回転角(スロットルバルブ5の開度)が大きくなるほど大きくなる。
【0024】
なお、摩擦トルクは、常に、回転カムプレート303の回転する向きと反対向きに作用するので、回転角を大きくする向きに回転させる場合のトルクMは、両スプリングリターン312、313と摩擦トルクとの和となり、回転角を小さくする向きに回転させる場合のトルクMは、両スプリングリターン312、313と摩擦トルクとの差となる。したがって、図6に示すようなヒステリシス特性を得ることができる。
【0025】
因みに、本実施形態では、摩擦力Fが略一定となるように非線形カム溝303aの形状が選定されているので、回転カムプレート303には、回転角に比例した摩擦トルクが作用する。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
本実施形態によれば、前述のごとく、球体307と両カムプレート303、306とを接触させて摩擦力Fを得ているので、上記公報のごとく、帯状摩擦部材を接触させて摩擦力を得ているものに比べて、球体307が両カムプレート303、306に噛み込み難い。したがって、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができる。
【0026】
ところで、上述の実施形態では、回転カムプレート303に非線形カム溝303aを設け、非回転カムプレート306にカム溝306aを設けたが、非回転カムプレート306に非線形カム溝303dを設け、回転カムプレート303にカム溝306aを設けてもよい。但し、この場合の非線形カム溝303dは、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、径外方に近づくような螺旋形状とする必要がある。
【0027】
また、非線形カム溝は、螺旋形状に限定されるものではなく、直線状であってもよい。但し、この場合の摩擦トルクは、回転カムプレート303の回転角との関係は非線形となる。
また、上述の実施形態では、転動体として球体を用いたが、円柱ころ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用電子式スロットル機構の概要を示す断面図である。
【図2】アクセルセンサ部の断面図である。
【図3】回転カムプレートのA矢視図である。
【図4】非回転カムプレートのA矢視図である。
【図5】アクセル装置用ヒステリシス機構の作動を示す模式図である。
【図6】回転カムプレートを回転させるに必要なトルクMと、回転カムプレートの回転角(スロットルバルブの開度)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
301…ハウジング、302…シャフト、
303…回転カムプレート(第2プレート)、
306…非回転カムプレート(第1プレート)、307…球体(転動体)、
303a…非線形カム溝(第2案内部)、306a…カム溝(第1案内部)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ。)のアクセルペダル等のアクセル操作手段(以下、アクセルペダルと呼ぶ。)に対して操作抵抗力を及ぼし、アクセルペダルの操作力が所定のヒステリシス特性を有するようにするアクセル装置用ヒステリシス機構に関するもので、電子制御アクセル装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
アクセル装置用ヒステリシス機構として、例えば特開平4−128519号公報に記載の発明が提案されている。具体的には、アクセルペダルの操作に連動して回転する第1円板と、ハウジングに固定された状態で第1円板に対抗配設された第2円板とを備えるとともに、両円板の各対向面に帯状摩擦部材を配設し、両者の摩擦力によって、所定のヒステリシス特性を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に記載の発明は、両帯状摩擦部材の摩擦力によって所定のヒステリシス特性を得るものであるので、仮に、少なくとも一方の摩擦部材が偏磨耗してしまうと、偏磨耗した方の帯状摩擦部材が他方側の帯状摩擦部材に噛み込んでしまい、所定のヒステリシス特性を得ることができなくなる。
【0004】
本発明は、上記点に鑑み、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができるアクセル装置用ヒステリシス機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。
請求項1〜3に記載の発明では、アクセル操作手段(2)の操作に連動して第1プレート(306)に対して相対運動する第2プレート(303)は、第1プレート(306)に対向して配設されている。そして、両プレート(303、306)間には、両プレート(303、306)に接触する転動体(307)が配設されていることをを特徴とする。
【0006】
これにより、転動体(307)と両プレート(303、306)とが接触することにより摩擦力が発生するので、この摩擦力によって後述するように所定のヒステリシス特性を得ることができる。したがって、上記公報のごとく、帯状摩擦部材を接触させて摩擦力を得ているものに比べて、転動体(307)が両プレート(303、306)に噛み込み難いので、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができる。
【0007】
なお、請求項2に記載の発明のごとく、アクセル操作手段(2)の操作量の増加に応じて、転動体(307)をシャフト(302)の径外方側に移動させる案内部(303a、306a)を両プレート(303、306)に形成してもよい。
また、請求項3に記載の発明のごとく、両プレート(303、306)うち一方側のプレート(306)には、放射状の第1案内部(306a)を形成し、他方側のプレート(303)には螺旋状の第2案内部(303a)を形成してもよい。
【0008】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るアクセル装置用ヒステリシス機構が組み込まれた車両用電子式スロットル機構(以下、電子スロットルと呼ぶ。)1の概要を示す断面図である。
【0010】
この電子スロットル1は、運転者(操作員)が操作するアクセルペダル(アクセル操作手段)2の操作量を検出する、ポテンショメータ等からなるアクセルセンサ部3と、内燃機関に吸入される吸入空気が流通するスロットルボディ4と、スロットルボディ4内の空気通路4aを開閉するスロットルバルブ5と、アクセルセンサ部3からの出力に応じてスロットルシャフト5aを回転させてスロットルバルブ5を作動させる、電動モータ6aおよび電磁クラッチ(図示せず)からなる駆動部6とから構成されている。
【0011】
なお、7は、アクセルセンサ部3からの信号、およびスロットルバルブ5の開度を検出するポテンショメータからなる開度センサ部8からの信号が入力されるとともに、これらの信号に基づいて駆動部6へ駆動制御信号を発する制御装置である。
図2は、アクセルセンサ部3の拡大図であり、このアクセルセンサ部3は、樹脂製のハウジング301を介してスロットルボディ4にPネジ(図示せず)にて組付けられている。
【0012】
302はアクセルペダル2の操作に連動して回転するシャフトであり、このシャフト302の一端側には、シャフト302と連動して回転する金属製(本実施形態では軸受鋼)の回転カムプレート(第2プレート)303が結合し、他端側には、アクセルペダル2と連動して作動するアクセルワイヤー2a(図1参照)が固定されたアクセルレバー304がレバープレート305を介して結合している。なお、樹脂製のアクセルレバー304および金属製のレバープレート305は、インサート一体成形により一体化している。
【0013】
また、306は、後述するモールドカバー311を介してハウジング301に固定された金属製(本実施形態では軸受鋼)の非回転カムプレート(第1プレート)であり、この非回転カムプレート306は、回転カムプレート303と対向して配設されている。そして、両カムプレート303、306の間には、両カムプレート303、306に接触しながら回転する球体(転動体)307が配設されており、この球体307および両カムプレート303、306により、本実施形態に係るアクセル装置用ヒステリシス機構が構成されている。なお、本実施形態では、球体307は耐磨耗性に優れた玉軸受用鋼球である。
【0014】
また、回転カムプレート303のうち、非回転カムプレート303との対向面には、図3(回転カムプレート303を図2のA矢から見た図)の(a)に示すように、球体307の移動を案内する非線型カム溝(第2案内部)303aが、回転カムプレート303の回転中心周りに3本形成されており、これらの非線型カム溝303aは、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、回転中心に近づくように螺旋状に形成されている。
【0015】
なお、ここで、回転カムプレート303の回転方向とは、アクセルレバー304(アクセルペダル2)の操作量が増加する向き、すなわちスロットルバルブ5が開く向きをいい、以下、特に断りがないかぎり、回転方向とは、スロットルバルブ5が開く向きをいう。
因みに、非線型カム溝303aは、球体307の座りを良好に保つために、図3の(b)に示すようにV字状に形成されている。また、303bは、シャフト302が挿入される穴であり、この穴303bには、シャフト302の回転力を回転カムプレート303に伝達する二面幅303cが形成されている。
【0016】
一方、非回転カムプレート306のうち、回転カムプレート306との対向面には、図4(非回転カムプレート306を図2のA矢から見た図)の(a)に示すように、球体307の移動を案内する放射状のカム溝(第1案内部)306aが3本形成されている。なお、306bは非回転カムプレート306の回転を抑止する周り止め用凹部である。
【0017】
ところで、図2中、308は円周形状の電気抵抗部(図示せず)が形成された抵抗基板であり、309は抵抗基板308の電気抵抗部に接触するブラシであり、このブラシ309および抵抗基板308によりポテンショメータを構成している。因みに、309aは、ブラシ309と制御装置7とを電気的に接続するハーネス(図示せず)を接続するターミナルである。
【0018】
なお、抵抗基板308は、その外周部に配設された防振用のゴムパッキン310を介して、ハウジング301に熱かしめ固定された樹脂製のモールドカバー311とハウジング301との間に組付けられている。
また、312、313は、アクセルレバー304(アクセルペダル2)に対して、その操作量が小さくなる向きに弾性力を作用させるねじりコイルばね(以下、スプリングリターンと呼ぶ。)であり、両スプリングリターン312、313は、シャフト302周りに同軸上に配設されている。また、314は両スプリングリターン312、313のスプリングガイドであり、このスプリングガイド314は、ハウジング301に一体成形されている。
【0019】
なお、スプリングガイド314は、両スプリングリターン312、313のコイル部全域に渡って形成されており、両スプリングリターン312、313の捩り量が増加していく(アクセルペダル2の操作量が増加していく)と、スプリングガイド314と両スプリングリターン312、313とが接触するようになっている。これにより、アクセルペダル2の操作量に応じた摩擦抵抗がスプリングガイド314と両スプリングリターン312、313との間に発生する。
【0020】
314は非回転カムプレート306に弾性力(予圧)を作用させて、両カムプレート303、306および球体307間の接触圧力を与えるコイルばねであり、315、316はシャフト302を回転可能に支持する軸受である。
また、317は、レバープレート305と軸受315との間に配設されて、軸受315に弾性力(予圧)を与えるばねであり、このばね317の外周端がレバープレート305に接触し、内周端が軸受315の内輪に接触している。これにより、軸受315のがたつきを防止するとともに、シャフト302をレバープレート305側に引っ張るようにして回転カムプレート303を非回転カムプレート306側に押圧することができる。
【0021】
なお、318はシャフト302に接触するオイルシールであり、このオイルシールにより、シャフト302の回転に対して一定の摩擦力が与えられている。
次に、アクセル装置用ヒステリシス機構の作動を述べる。
非線形カム溝303aは、前述のごとく、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、回転中心に近づくように螺旋状に形成されているので、回転カムプレート303が回転方向に回転すると、球体307は、図5に示すように、非線形カム溝303aより径外方に向かう力を受けて、カム溝306aに沿って径外方に向かって移動する(実線の状態から破線の状態への移動)。
【0022】
一方、回転カムプレート303が回転方向と逆向き(スロットルバルブ5が閉じる向き)に回転すると、球体307は、非線形カム溝303aより径内方に向かう力を受けて、カム溝306aに沿って径内方に向かって移動する(破線の状態から実線の状態への移動)。
このとき、両カムプレート303、306および球体307が接触しているので、回転カムプレート303が非回転カムプレート306に対して相対回転運動する際に、回転カムプレート303は、両カムプレート303、306および球体307間に発生する摩擦力(静止摩擦力および動摩擦力)Fによる摩擦トルクを受ける。
【0023】
そして、この摩擦トルクは、回転カムプレート303の回転中心から摩擦力Fが発生している接触部(略球体307の中心)までの距離rと摩擦力Fとの積であるので、回転カムプレート303には、その回転角(スロットルバルブ5の開度)に応じた摩擦トルクが作用する。したがって、回転カムプレート303を回転させるに必要なトルクMは、図6に示すように、回転カムプレート303の回転角(スロットルバルブ5の開度)が大きくなるほど大きくなる。
【0024】
なお、摩擦トルクは、常に、回転カムプレート303の回転する向きと反対向きに作用するので、回転角を大きくする向きに回転させる場合のトルクMは、両スプリングリターン312、313と摩擦トルクとの和となり、回転角を小さくする向きに回転させる場合のトルクMは、両スプリングリターン312、313と摩擦トルクとの差となる。したがって、図6に示すようなヒステリシス特性を得ることができる。
【0025】
因みに、本実施形態では、摩擦力Fが略一定となるように非線形カム溝303aの形状が選定されているので、回転カムプレート303には、回転角に比例した摩擦トルクが作用する。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
本実施形態によれば、前述のごとく、球体307と両カムプレート303、306とを接触させて摩擦力Fを得ているので、上記公報のごとく、帯状摩擦部材を接触させて摩擦力を得ているものに比べて、球体307が両カムプレート303、306に噛み込み難い。したがって、所定のヒステリシス特性を確実に得ることができる。
【0026】
ところで、上述の実施形態では、回転カムプレート303に非線形カム溝303aを設け、非回転カムプレート306にカム溝306aを設けたが、非回転カムプレート306に非線形カム溝303dを設け、回転カムプレート303にカム溝306aを設けてもよい。但し、この場合の非線形カム溝303dは、回転カムプレート303の回転方向に向かうほど、径外方に近づくような螺旋形状とする必要がある。
【0027】
また、非線形カム溝は、螺旋形状に限定されるものではなく、直線状であってもよい。但し、この場合の摩擦トルクは、回転カムプレート303の回転角との関係は非線形となる。
また、上述の実施形態では、転動体として球体を用いたが、円柱ころ等を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用電子式スロットル機構の概要を示す断面図である。
【図2】アクセルセンサ部の断面図である。
【図3】回転カムプレートのA矢視図である。
【図4】非回転カムプレートのA矢視図である。
【図5】アクセル装置用ヒステリシス機構の作動を示す模式図である。
【図6】回転カムプレートを回転させるに必要なトルクMと、回転カムプレートの回転角(スロットルバルブの開度)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
301…ハウジング、302…シャフト、
303…回転カムプレート(第2プレート)、
306…非回転カムプレート(第1プレート)、307…球体(転動体)、
303a…非線形カム溝(第2案内部)、306a…カム溝(第1案内部)。
Claims (3)
- 操作員が操作するアクセル操作手段(2)の操作量に応じて、内燃機関に吸入される吸入空気の量を電気的に制御する電子制御アクセル装置に適用され、
前記アクセル操作手段(2)に対して、所定の操作抵抗力を及ぼすアクセル装置用ヒステリシス機構であって、
第1プレート(306)と、
前記第1プレート(306)に対向して配設され、前記アクセル操作手段(2)の操作に連動して前記第1プレート(306)に対して相対運動する第2プレート(303)と、
前記両プレート(303、306)間に配設され、前記両プレート(303、306)に接触する転動体(307)とを備えることを特徴とするアクセル装置用ヒステリシス機構。 - 前記第2プレート(303)と連結し、前記アクセル操作手段(2)の操作に連動して回転するシャフト(302)と、
前記両プレート(303、306)に形成され、前記アクセル操作手段(2)の操作量の増加に応じて、前記転動体(307)を前記シャフト(302)の径外方側に移動させる案内部(303a、306a)とを有することを特徴とする請求項1に記載のアクセル装置用ヒステリシス機構。 - 前記案内部は、
前記両プレート(303、306)のうち一方側のプレート(306)に形成された、放射状の第1案内部(306a)と、
他方側のプレート(303)に形成された、螺旋状の第2案内部(303a)とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載のアクセル装置用ヒステリシス機構。
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