JP3799478B2 - チタン合金製トーションバー - Google Patents

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Description

本発明は、チタン合金からなるチタン合金製トーションバーに関するものである。詳しくは、低ヤング率、高弾性変形能、高強度なチタン合金を用いたチタン合金製トーションバーに関するものである。
チタン合金は比強度に優れるため、航空、軍事、宇宙、深海探査等の分野で従来から使用されてきた。自動車分野でも、レーシングエンジンのバルブリテーナやコネクテング・ロッド等にチタン合金が使用されている。また、チタン合金は耐食性にも優れるため、腐食環境下で使用されることも多い。例えば、化学プラントや海洋建築物等の資材に、また、凍結防止剤による腐食防止等を目的として自動車のフロント・バンパ・ロウアーやリア・バンパ・ロウアー等に使用されている。さらに、その軽量性(比強度)と耐アレルギー性(耐食性)に着目して、腕時計等の装身具にチタン合金が使用されている。このように、多種多様な分野でチタン合金が使用されており、代表的なチタン合金として、例えば、Ti−5Al−2.5Sn(α合金)、Ti−6Al−4V(α−β合金)、Ti−13V−11Cr−3Al(β合金)等がある。
ところで、従来のチタン合金は、主にその優れた比強度や耐食性が注目されて使用されることが多かったが、最近では、チタン合金(例えば、β合金)の低ヤング率が注目されて使用されることも多い。例えば、生体適合品(例えば、人工骨等)、装身具(例えば、眼鏡のフレーム等)、スポーツ用品(例えば、ゴルフクラブ等)、スプリングなどに低ヤング率のチタン合金が使用されている。具体例を挙げて説明すると、人工骨に低ヤング率のチタン合金を使用した場合、そのヤング率が人骨のヤング率(約30GPa程度)に近づき、その人工骨は比強度、耐食性に加え生体適合性に優れたものとなる。また、低ヤング率のチタン合金からなる眼鏡フレームは、圧迫感を与えずに身体に柔軟にフィットし、また、衝撃吸収性にも優れる。また、ゴルフクラブのシャフトやヘッドに低ヤング率のチタン合金を使用すると、しなやかなシャフトや固有振動数の低いヘッドが得られ、ゴルフボールの飛距離が伸びると言われている。また、低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度のチタン合金からなるスプリングが得られれば、その巻数等を増加させずに低いバネ定数を達成でき、その軽量コンパクト化が可能となる。
このような事情を下に、本発明者は、各種分野で利用拡大を一層図れる、従来レベルを超越した低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度のチタン合金を開発することを考えた。そして、先ず、低ヤング率のチタン合金に関する従来技術を調査したところ下記のような特許文献1〜9が発見された。
a.特許文献1
この公報には、NbとTaとを合計で20〜60重量%含むチタン合金が開示されている。具体的には、先ず、その組成となるように原料を溶解し、ボタンインゴットを鋳造する。次に、そのボタンインゴットに冷間圧延、溶体化処理、時効処理を行う。これにより、75GPa以下という低ヤング率をもつチタン合金を得ている。
しかし、この公報に開示された実施例から解るように、低ヤング率と共に引張強度も低下しており、低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度のチタン合金は得られていない。また、チタン合金を製品に成形する際に必要となる冷間加工性については、何ら開示されていない。
b.特許文献2
この公報には、「Nb:10〜40重量%、V:1〜10重量%、Al:2〜8重量%、Fe、Cr、Mn:各1重量%以下、Zr:3重量%以下、O:0.05〜0.3重量%、残部がTiからなる冷間加工性に優れたチタン合金」が開示されている。
具体的には、その組成となる原料をプラズマ溶解、真空アーク溶解、熱間鍛造、固溶化処理することにより冷間加工性に優れたチタン合金を得ている。
しかし、そのヤング率や弾性変形能ならびに引張強度については、公報に何ら記載されていない。また、そのチタン合金によれば、圧縮割れの発生しない最大の変形率として、ln(h0/h):1.35〜1.45が得られるとあるが、これを後述の冷間加工率に換算すると、高々50%程度に過ぎない。
c.特許文献3
この公報には、20〜40重量%のNbと4.5〜25重量%のTaと2.5〜13重量%のZrと残部が実質的にTiとからなり、ヤング率が65GPa以下のチタン合金で形成された医療器具が開示されている。
d.特許文献4〜6
これらの公報には、低ヤング率で高強度のチタン合金が開示されているが、ヤング率が75GPa以下で引張強度が700MPa以上のチタン合金は、Ti−13Nb−13Zrが開示されているのみである。しかも、弾性限強度や弾性変形能に関しては一切開示されていない。また、請求の範囲には、Nb:35〜50重量%とあるが、それに相当する具体的な実施例は何ら開示されていない。
e.特許文献7
この公報には、「Tiを40〜60重量%を含有し、残部が実質上Nbよりなる金属装飾品」が開示されている。具体的には、Ti−45Nbの組成原料をアーク溶解後、鋳造、鍛造圧延し、得られたNb合金を冷間深絞加工することにより金属装飾品を得ている。しかし、その公報には、具体的な冷間加工性について何ら記載されていない。
また、そのNb合金のヤング率や引張強度等については何ら記載がない。
f.特許文献8
この公報には、「10重量%から25重量%未満のバナジウムを含み、酸素含有量を0.25重量%以下とし、そしてが残部チタンおよび不可避的不純物からなるゴルフドライバーヘッド用材料」が開示されている。しかし、その使用合金のヤング率は、80〜90GPa程度に過ぎない。
g.特許文献9
この公報には、「超弾性を有するNi−Ti合金のロストワックス精密鋳造法により製作したゴルフクラブのヘッド」が開示されている。この公報には、Nb、V等を若干添加しても良い旨が記載されているが、それらの具体的な組成に関しては何ら記載されておらず、また、ヤング率、弾性変形能ならびに引張強度に関しても何ら開示されていない。
参考までに、従来のチタン合金のヤング率について付言しておくと、α合金で115GPa程度であり、α+β合金(例えば、Ti−6Al−4V合金)で110GPa程度であり、β合金(例えば、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn)の溶体化処理材で80GPa程度、時効処理後では110GPa程度である。また、本発明者らが試験調査したところ、前記特許文献9のニッケル・チタン合金ではヤング率が90GPa程度であった。
特開平10−219375号公報 特開平2−163334号公報 特開平8−299428号公報 特開平6−73475号公報 特開平6−233811号公報 特表平10−501719号公報 特開昭61−157652号公報 特開平6−240390号公報 特開平5−111554号公報
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものである。つまり、前述したように、従来レベルを超越した低ヤング率、高弾性変形能、高強度なチタン合金からなるチタン合金製トーションバーを提供することを目的とする。
また、低ヤング率、高弾性変形能、高強度であると共に、成形が容易な冷間加工性に優れたチタン合金を提供することを目的とする。
本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究し各種系統的実験を重ねた結果、Va族元素とチタンとからなる、低ヤング率かつ高弾性変形能で高強度のチタン合金を開発し、本発明を完成するに至たものである。
(1)すなわち、本発明のチタン合金製トーションバーは、30〜60質量%のVa族(バナジウム族)元素と残部であるチタン(Ti)とを含み、
加える応力が、0から引張試験で真に永久歪みが0.2%に到達したときの応力として定義される引張弾性限強度までの範囲にある弾性変形域内で、
該引張試験により得られた応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を示すことを特徴とするチタン合金からなる。
チタンと適量のVa族元素との組合わせにより、従来になく低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度のチタン合金が得られた。本発明は、そのチタン合金をトーションバーに利用して、その機能性の向上や設計自由度の拡大を図ったものである。
ここで、例えば、Va族元素を30〜60質量%とすると好適である。30質量%未満では十分な平均ヤング率の低下を図れず、一方、60質量%を超えると十分な弾性変形能や引張強度が得られず、チタン合金の密度が上昇して、比強度の低下を招くからである。また、60質量%を越えると、材料偏析が生じ易くなり、材料の均質性が損われて、強度のみならず靱性や延性の低下も招き易くなるからである。
そして、本発明者は、このチタン合金が優れた冷間加工性を備えることも確認している。
その組成のチタン合金が何故、低ヤング率かつ高弾性変形能で高強度となり、また冷間加工性に優れるのか、未だ定かではない。もっとも、これまでに為された本発明者による懸命な調査研究から、それらの特性について、次のように考えることができる。
つまり、本発明者が本発明のチタン合金に係る一試料を調査した結果、このチタン合金に冷間加工を施しても、転位がほとんど導入されず、一部の方向に(110)面が非常に強く配向した組織を呈していることが明らかになった。しかも、TEM(透過電子顕微鏡)で観察した111回折点を用いた暗視野像において、試料の傾斜と共に像のコントラストが移動していくのが観察された。これは観察している(111)面が湾曲していることを示唆しており、これは、高倍率の格子像直接観察によっても確認された。しかも、この(111)面の湾曲の曲率半径は500〜600nm程度と極めて小さなものであった。このことは、本発明のチタン合金は、転位の導入ではなく、結晶面の湾曲によって加工の影響を緩和すると言う、従来の金属材料では全く知られていない性質を有することを意味している。
また、転位は、110回折点を強く励起した状態で、極一部に観察されたが、110回折点の励起をなくすとほとんど観察されなかった。これは、転位周辺の変位成分が著しく<110>方向に偏っていることを示しており、本発明のチタン合金は非常に強い弾性異方性を有することを示唆している。理由は定かではないが、この弾性異方性も、本発明に係るチタン合金の優れた冷間加工性、低ヤング率、高弾性変形能、高強度の発現、等と密接に関係していると考えられる。
なお、Va族元素は、バナジウム、ニオブ、タンタルの一種でも複数種でも良い。これらの元素はいずれもβ相安定化元素であるが、必ずしも、本発明のチタン合金が従来のβ合金であることを意味するものではない。
また、熱処理は必ずしも必要ではないが、熱処理を行なうことにより、一層の高強度化を図ることも可能である。
本発明のチタン合金は、引張弾性限強度が700MPa以上であると好適である。この引張弾性限強度は、順に、750MPa以上、800MPa以上、850MPa以上、900MPa以上となるほど好ましい。
「引張弾性限強度」とは、試験片への荷重の負荷と除荷とを徐々に繰り返して行う引張試験において、永久伸び(歪み)が0.2%に到達したときの負荷していた応力を言う。つまり、引張弾性限強度は、引張試験で真に永久歪みが0.2%に到達したときの応力として定義される。
また、平均ヤング率が75GPa以下であると好適である。この平均ヤング率は、順に、70GPa以下、65GPa以下、60GPa以下および55GPa以下となるほど好ましい。
「平均ヤング率」とは、厳密な意味でのヤング率の「平均」を指すものではなく、本発明のチタン合金を代表するヤング率という意味である。具体的には、前記引張試験により得られた応力(荷重)−歪み(伸び)線図において、引張弾性限強度の1/2に相当する応力位置での曲線の傾き(接線の傾き)を平均ヤング率とした。従って、平均ヤング率は、引張試験により得られた応力−歪み線図上の接線の傾きから求まるヤング率を代表するものであって、前記引張弾性限強度の1/2に相当する応力位置での接線の傾きとして定義される。
そして、高い引張弾性限強度と、低い平均ヤング率と、前述した特異な応力−歪み関係との組合わせによって、本発明のチタン合金は優れた高弾性変形能を発現する。
ちなみに、「引張強度」は、前記引張試験において、試験片の最終的な破断直前の荷重を、その試験片の平行部における試験前の断面積で除して求めた応力である。
なお、本願でいう「高弾性変形能」は、前記引張弾性限強度内における試験片の伸びが大きいことを意味する。また、本願でいう「低ヤング率」とは、前記平均ヤング率が、従来の一般的なヤング率に対して小さいことを意味する。さらに、本願でいう「高強度」とは、前記引張弾性限強度または前記引張強度が大きいことを意味する。
なお、本発明のチタン合金製トーションバーは、種々の形態を含むチタン合金からなる。そのチタン合金の形態は、素材(例えば、鋳塊、スラブ、ビレット、焼結体、圧延品、鍛造品、線材、板材、棒材等)に限らず、それを加工したチタン合金部材(例えば、中間加工品、最終製品、それらの一部等)などでも良い(以下同様)。
(2)また、本発明のチタン合金は、焼結合金であると好適である。
本発明は、チタンと適量のVa族元素とからなる焼結合金(焼結チタン合金)が低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度という機械的性質をもつ、という発見に基づくものである。
そして、本発明者は、このチタン合金が優れた冷間加工性を備えることも確認している。Va族元素が30〜60質量%であると好ましいのは、前述した通りである。
その組成のチタン合金が何故、低ヤング率かつ高弾性変形能で高強度となり、また冷間加工性に優れるのか、未だ定かではないが、現状では、その理由を前述したように考えている。
(3)本発明のチタン合金は、例えば、チタンとVa族元素とを含む少なくとも二種以上の原料粉末を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合粉末を所定形状の成形体に成形する成形工程と、該成形工程で得られた成形体を加熱して焼結させる焼結工程とを経て得られる。
この製造方法(以下、適宜、「焼結法」と称する。)は、前述のチタン合金の製造に適するものである。
前述した特許公報等からも解るように、従来のチタン合金は、チタン原料(例えば、スポンジチタン)と合金原料とを溶解後、鋳造し、その後得られた鋳塊をさらに圧延して製造されることが多かった(以下、この方法を、適宜、「溶解法」と称する。)。
しかし、チタンは融点が高く高温で非常に活性であるため、溶解自体難しく、溶解に特殊な装置を必要とする場合が多い。また、溶解中の組成コントロールが難しく、多重溶解等を行う必要もある。さらに、本発明のチタン合金のように、合金成分(特に、β安定化元素)を多量に含有するチタン合金は、溶解・鋳造時に成分のマクロ的な偏析が避け難く、安定した品質のチタン合金を得ることは難しい。
これに対し、本発明の焼結法によれば、原材料を溶解させる必要がないため、溶解法のような欠点がなく、本発明に係るチタン合金を効率良く製造することができる。
具体的には、混合工程により、原料粉末が均一に混合されるため、マクロ的に均一なチタン合金が容易に得られる。また、成形工程により、当初から所望の形状をもった成形体が成形されるため、その後の加工工数の低減が図られる。なお、成形体は、板材や棒材等の素材形状をしていても、最終製品の形状をしていても、また、それらに至る手前の中間品の形状をしていても良い。そして、焼結工程では、チタン合金の融点よりもかなり低い温度で成形体を焼結させることができ、溶解法のような特殊な装置を必要とせず、また、経済的で効率的な製造が可能となる。
なお、本発明の製造方法は、混合工程を考慮して原料粉末を二種以上としたものであり、いわゆる素粉末(混合)法に基づくものである。
(4)本発明のチタン合金は、チタンと少なくともVa族元素とを含む原料粉末を所定形状の容器に充填する充填工程と、該充填工程後に熱間静水圧法(HIP法)を用いて該容器中の該原料粉末を焼結させる焼結工程とからなる製造方法によっても得られる。
この製造方法によれば、前述の混合工程および/または成形工程を必ずしも必要としない。また、本発明の製造方法によれば、いわゆる合金粉末法を可能にする。このため、使用できる原料粉末の種類も広がり、二種以上の純金属粉末や合金粉末を混合した混合粉末のみならず、前述したまたは後述する、本発明のチタン合金の組成をもつ合金粉末を使用することができる。そして、HIP法を用いることにより、緻密な焼結チタン合金を得ることもでき、製品形状が複雑であってもネットシェイプが可能となる。
なお、前記各元素の組成範囲を「x〜y質量%」という形式で示したが、これは特に断らない限り、下限値(x質量%)および上限値(y質量%)も含む意味である。
(チタン合金)
(1)平均ヤング率と引張弾性限強度
本発明のチタン合金に関する平均ヤング率と引張弾性限強度とについて、以下に図1A、Bを用いて詳述する。図1Aは、本発明に係るチタン合金の応力−伸び(歪み)線図を模式的に示した図であり、図1Bは、従来のチタン合金(Ti−6Al−4V合金)の応力−伸び(歪み)線図を模式的に示した図である。
a.図1Bに示すように、従来の金属材料では、先ず、引張応力の増加に比例して伸びが直線的に増加する(I’−I間)。そして、その直線の傾きによって従来の金属材料のヤング率は求められる。換言すれば、そのヤング率は、引張応力(公称応力)をそれと比例関係にある歪み(公称歪み)で除した値となる。
このように応力と伸び(歪み)とが比例関係にある直線域(I’−I間)では、変形が弾性的であり、例えば、応力を除荷すれば、試験片の変形である伸びは0に戻る。しかし、さらにその直線域を超えて引張応力を加えると、従来の金属材料は塑性変形を始め、応力を除荷しても、試験片の伸びは0に戻らず、永久伸びを生じる。
通常、永久伸びが0.2%となる応力σpを0.2%耐力と称している(JIS Z 2241)。この0.2%耐力は、応力−伸び(歪み)線図上で、弾性変形域の直線(I’−I:立ち上がり部の接線)を0.2%伸び(歪み)分だけ平行移動した直線(II’−II)と応力―伸び(歪み)曲線との交点(位置II)における応力でもある。
従来の金属材料の場合、通常、「伸びが0.2%程度を超えると、永久伸びになる」という経験則に基づき、0.2%耐力≒引張弾性限強度と考えれられている。逆に、この0.2%耐力内であれば、応力と歪みとの関係は概ね直線的または弾性的であると考えられる。
b.ところが、図1Aの応力−伸び(歪み)線図からも解るように、このような従来の概念は、本発明のチタン合金には当てはまらない。理由は定かではないが、本発明のチタン合金の場合、弾性変形域において応力―伸び(歪み)線図が直線とはならず、上に凸な曲線(I’−II)となり、除荷すると同曲線I−I’に沿って伸びが0に戻ったり、II−II’に沿って永久伸びを生じたりする。
このように、本発明のチタン合金では、弾性変形域(I’−I)ですら、応力と伸び(歪み)とが直線的な関係になく、応力が増加すれば、急激に伸び(歪み)が増加する。また、除荷した場合も同様であり、応力と伸び(歪み)とが直線的な関係になく、応力が減少すれば、急激に伸び(歪み)が減少する。このような特徴が本発明のチタン合金の高弾性変形能として発現していると思われる。
ところで、本発明のチタン合金の場合、図1Aからも解るように、応力が増加するほど応力−伸び(歪み)線図上の接線の傾きが減少している。このように、弾性変形域において、応力と伸び(歪み)とが直線的に変化しないため、従来の方法で本発明のチタン合金のヤング率を定義することは適切ではない。
また、本発明のチタン合金の場合、応力と伸び(歪み)とが直線的に変化しないため、従来と同様の方法で0.2%耐力(σp’)≒引張弾性限強度と評価することも適切ではない。つまり、従来の方法により求まる0.2%耐力では、本来の引張弾性限強度よりも著しく小さい値となってしまい、もはや、0.2%耐力≒引張弾性限強度と考えることはできない。
そこで、本来の定義に戻って、本発明のチタン合金の引張弾性限強度(σe)を前述したように求めることとし(図1A中のII位置)、また、本発明のチタン合金のヤング率として、前述の平均ヤング率を導入することとした。
なお、図1Aおよび図1B中、σtは引張強度であり、εeは本発明のチタン合金の引張弾性限強度(σe)における伸び(歪み)であり、εpは従来の金属材料の0.2%耐力(σp)における伸び(歪み)である。
(2)組成
a.本発明のチタン合金は、全体を100質量%とした場合に、ジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素を合計で20質量%以下含むと、好適である。
ジルコニウムとハフニウムとは、チタン合金の低ヤング率化と高強度化に有効である。また、これらの元素は、チタンと同族(IVa族)元素であり、全率固溶型の中性的元素であるため、Va族元素によるチタン合金の低ヤング率化を妨げることもない。
また、スカンジウムは、チタンに固溶した場合、Va族元素と共にチタン原子間の結合エネルギーを特異的に低下させ、ヤング率をさらに低下させる有効な元素である(参考資料:Proc.9th World Conf.on Titanium、(1999)、to be published)。
それらの元素が合計で20質量%を越えると、材料偏析による強度、靱性の低下やコスト上昇を招くため、好ましくない。
ヤング率、強度、靱性等のバランスを図る上で、それらの元素を合計で、1質量%以上、さらには、5〜15質量%とすると、より好ましい。
また、これらの元素は、Va族元素と作用上、共通する部分が多いため、所定の範囲内で、Va族元素と置換することもできる。
つまり、本発明のチタン合金は、合計で20質量%以下のジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素と、該金属元素群中の1種以上の元素との合計が30〜60質量%となるVa族(バナジウム族)元素と、残部が実質的にチタンとからなり、平均ヤング率が75GPa以下で引張弾性限強度が700MPa以上であると、好適である。
また、本発明のチタン合金は、合計で20質量%以下のジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素と、該金属元素群中の1種以上の元素との合計が30〜60質量%となるVa族(バナジウム族)元素と、残部が実質的にチタンとからなる焼結合金であると、好適である。
ジルコニウム等を合計で20質量%以下としたのは、前述したとおりである。また、同様に、それらの元素を合計で1質量%以上、さらには、5〜15質量%とすると、より好ましい。
b.本発明のチタン合金は、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)とマンガン(Mn)と鉄(Fe)とコバルト(Co)とニッケル(Ni)とからなる金属元素群中の1種類以上の元素を含むと、好適である。より具体的には、全体を100質量%とした場合に、前記クロムと前記モリブデンとはそれぞれ20質量%以下であり、前記マンガンと前記鉄と前記コバルトと前記ニッケルとはそれぞれ10質量%以下であると、好適である。
クロムとモリブデンとは、チタン合金の強度と熱間鍛造性とを向上させる上で有効な元素である。熱間鍛造性が向上すると、チタン合金の生産性や歩留まりの向上が図れる。ここで、クロムやモリブデンが、20質量%を越えると、材料偏析が生じ易くなり、均質な材料を得ることが困難となる。それらの元素を1質量%以上とすると、固溶強化による強度等の向上を図る上で好ましく、さらに、3〜15質量%とすると、より好ましい。
マンガン、鉄、コバルト、ニッケルは、モリブデン等と同様、チタン合金の強度と熱間鍛造性を向上させる上で有効な元素である。従って、モリブデン、クロム等の代わりに、またはモリブデン、クロム等と共にそれらの元素を含有させても良い。但し、それらの元素が10質量%を越えると、チタンとの間で金属間化合物を形成し、延性が低下してしまうため、好ましくない。それらの元素を1質量%以上とすると、固溶強化による強度等の向上を図る上で好ましく、さらに、2〜7質量%とすると、より好ましい。
c.発明のチタン合金が焼結チタン合金である場合、前記金属元素群に錫を加えると、好適である。
すなわち、本発明の焼結チタン合金は、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)とマンガン(Mn)と鉄(Fe)とコバルト(Co)とニッケル(Ni)と錫(Sn)とからなる金属元素群中の1種類以上の元素を含むと好適である。具体的には、全体を100質量%とした場合に、前記クロムと前記モリブデンとはそれぞれ20質量%以下であり、前記マンガンと前記鉄と前記コバルトと前記ニッケルと前記錫とはそれぞれ10質量%以下であると、より好適である。
錫はα安定化元素であり、チタン合金の強度を向上させる上で有効な元素である。従って、10質量%以下の錫を、モリブデン等の元素と共に含有させても良い。錫が10質量%を越えると、チタン合金の延性が低下して加工性の低下を招く。錫を1質量%以上、さらには、2〜8質量%とすると、低ヤング率化と共に高強度化を図る上で、より好ましい。なお、モリブデン等の元素については、前述と同様である。
d.本発明のチタン合金は、アルミニウム(Al)を含むと好適である。具体的には、前記アルミニウムが、全体を100質量%とした場合に0.3〜5質量%であると、一層好適である。
アルミニウムは、チタン合金の強度を向上させる上で有効な元素である。従って、0.3〜5質量%のアルミニウムを、モリブデンや鉄等の代りに、またはそれらの元素と共に含有させても良い。アルミニウムが0.3質量%未満では固溶強化作用が不十分で、十分な強度の向上が図れない。また、5質量%を越えると、チタン合金の延性を低下させる。アルミニウムを0.5〜3質量%とすると、安定した強度の向上を図る上で、より好ましい。
なお、アルミニウムを錫と共に添加すると、チタン合金の靱性を低下させることなく、強度を向上させることができるため、より好ましい。
e.本発明のチタン合金は、全体を100質量%とした場合に、0.08〜0.6質量%の酸素(O)を含むと、好適である。
また、全体を100質量%とした場合に、0.05〜1.0質量%の炭素(C)を含むと、好適である。
また、全体を100質量%とした場合に、0.05〜0.8質量%の窒素(N)を含むと、好適である。
まとめると、全体を100質量%とした場合に、0.08〜0.6質量%の酸素(O)と0.05〜1.0質量%の炭素(C)と0.05〜0.8質量%の窒素(N)とからなる元素群中の1種類以上の元素を含むと、好適である。
酸素、炭素および窒素は、いずれも侵入型の固溶強化元素であり、チタン合金のα相を安定にし、強度を向上させる上で有効な元素である。
酸素が0.08質量%未満、炭素または窒素が0.05質量%未満では、チタン合金の強度向上が十分ではない。また、酸素が0.6質量%を超え、炭素が1.0質量%を超え、または窒素が0.8質量%を超えると、チタン合金の脆化を招き好ましくない。酸素を0.1質量%以上、さらには0.15〜0.45質量%とすると、チタン合金の強度と延性とのバランスにおいて、より好ましい。同様に、炭素を0.1〜0.8質量%、窒素を0.1〜0.6質量%とすると、その強度と延性とのバランスにおいて、より好ましい。
f.本発明のチタン合金は、全体を100質量%とした場合に、0.01〜1.0質量%のホウ素(B)を含むと、好適である。
ホウ素は、チタン合金の機械的な材料特性と熱間加工性とを向上させる上で有効な元素である。ホウ素は、チタン合金に殆ど固溶せず、そのほぼ全量がチタン化合物粒子(TiB粒子等)として析出する。この析出粒子が、チタン合金の結晶粒成長を著しく抑制して、チタン合金の組織を微細に維持するからである。
ホウ素が0.01質量%未満では、その効果が十分ではなく、1.0質量%を超えると、高剛性の析出粒子が増えることにより、チタン合金の全体的なヤング率の上昇と冷間加工性の低下を招いてしまうからである。
なお、0.01質量%のホウ素を添加した場合、TiB粒子で換算すると、0.055体積%となり、一方、1質量%のホウ素を添加した場合は、TiB粒子で換算すると、5.5体積%となる。従って、言換えると、本発明のチタン合金は、ホウ化チタン粒子が0.055体積%から5.5体積%の範囲にあると好ましい。
ところで、上述の各組成元素は、所定の範囲内で、任意に組合わせることができる。具体的には、前記Zr、Hf、Sc、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Sn、Al、O、C、N、Bを、前記範囲内で、適宜選択的に組合わせて、本発明のチタン合金とすることもできる。もっとも、このことは、本発明のチタン合金の趣旨を逸脱しない範囲内で、さらに別の元素を配合することを排除するものではない。
(3)冷間加工組織
冷間加工組織とは、チタン合金を冷間加工したときに得られる組織である。本発明者は、上述のチタン合金が冷間加工性に非常に優れる共に、冷間加工が施こされたチタン合金が著しく低ヤング率で高弾性変形能、かつ高強度となることを発見した。
「冷間」とは、チタン合金の再結晶温度(再結晶を起す最低の温度)よりも十分低温であることを意味する。再結晶温度は、組成により変化するが、概ね600℃程度であり、本発明のチタン合金は、通常、常温〜300℃の範囲で冷間加工されると良い。
また、X%以上の冷間加工組織とは、次式により定義される冷間加工率がX%以上の場合にできる冷間加工組織をいう。
冷間加工率 X=(S0−S)/S0 x100(%)
(S0:冷間加工前の断面積、S:冷間加工後の断面積)
このような冷間加工によってチタン合金内に加工歪みが付与される。この加工歪みが、原子レベルでのミクロ的な構造変化を構成組織内にもたらし、本発明のチタン合金のヤング率の低減に寄与すると考えられる。
また、その冷間加工による原子レベルでのミクロ的な構造変化に伴う弾性歪みの蓄積が、チタン合金の強度の向上に寄与していると考えられる。
具体的には、10%以上の冷間加工組織を有し、平均ヤング率が70GPa以下で引張弾性限強度が750MPa以上であると、好適である。
冷間加工を付与することにより、チタン合金の低ヤング率化と高弾性変形能化と高強度化とをより進行させることができる。
さらに、本発明のチタン合金は、50%以上の前記冷間加工組織を有し、平均ヤング率が65GPa以下で引張弾性限強度が800MPa以上であると、好適である。さらに、本発明のチタン合金が、70%以上の前記冷間加工組織を有し、平均ヤング率が60GPa以下で引張弾性限強度が850MPa以上であると、一層好適である。さらに、本発明のチタン合金は、90%以上の前記冷間加工組織を有し、平均ヤング率が55GPa以下で引張弾性限強度が900MPa以上であると、格別に好適である。
本発明のチタン合金は、冷間加工率を99%以上とすることもでき、詳細は定かではないものの、従来のチタン合金とは明らかに異なるものである。従来の冷間加工性に優れるチタン合金(例えば、Ti−22V−4Al:通称DAT51等)と比較しても、本発明に係るチタン合金の冷間加工率は、まさに驚異的な値である。
このように、本発明のチタン合金は、極めて冷間加工性に優れ、しかも冷間加工によりその材料物性や機械的特性が一層改善される傾向にあるため、低ヤング率で高弾性変形能および高強度が求められる、各種の冷間加工成形品に最適な材料である。
(4)焼結合金(焼結チタン合金)
焼結合金は、原料粉末を焼結させて得られる合金である。本発明のチタン合金が焼結チタン合金である場合、低ヤング率、高弾性変形能、高強度および優れた冷間加工性を発揮する。
例えば、その焼結チタン合金は、平均ヤング率が75GPa以下で引張弾性限強度が700MPa以上となり得る。
さらに、本発明の焼結チタン合金は、その組織中の空孔量を調整して、ヤング率、強度、密度等を調整することができる。例えば、その焼結合金が30体積%以下の空孔を含むと、好適である。空孔を30体積%以下とすることにより、同一合金組成であっても、その平均ヤング率を大幅に低下させることが可能となるからである。
一方、その焼結合金は、熱間加工により空孔が5体積%以下に緻密化された組織であると、新たな特長が付与され、好適である。
すなわち、焼結合金を熱間加工により緻密化すると、低ヤング率や、高弾性変形能、高強度に加え、チタン合金に優れた冷間加工性を持たせることができる。そして、空孔を1体積%以下に減少させると、より好適である。
なお、熱間加工とは、再結晶温度以上での塑性加工を意味し、例えば、熱間鍛造、熱間圧延、熱間スエージ、HIP等がある。
また、空孔とは、焼結合金内に残留する空隙を意味し、相対密度で評価される。相対密度とは、真密度ρ0(残留空孔0%の場合)で焼結体の密度ρを割った値の百分率(ρ/ρ0 )x100(%)で表され、空孔の体積%は次式で表される。
空孔の体積% ={1−(ρ/ρ0)}x100 (%)
例えば、金属粉末をCIP成形(冷間静水圧成形)する場合、その静水圧(例えば、2〜4ton/cm2)を調整することで容易に空孔の体積量を調整できる。
空孔の大きさは、特に、限定されるものではないが、例えば、その平均径が50μm以下であると、焼結合金の均一性が保持され、強度低下も抑えられ、チタン合金は適度の延性をもつ。ここで、平均径とは、2次元画像処理で測定された空孔を断面積の等価な円に置換して算出した、その円の平均径を意味する。
(チタン合金の製造方法)
(1)原料粉末
焼結法の場合に必要となる原料粉末は、少なくともチタンとVa族元素とを含んでいる。もっとも、それらは多種多様な形態をとり得る。例えば、原料粉末が、さらに、Zr、Hf、Sc、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Sn、Al、O、C、N、Bを含んでも良い。
具体的には、例えば、原料粉末が、全体を100質量%とした場合に、ジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素を合計で20質量%以下含むと、好適である。
そして、本発明の製造方法は、チタンと、合計で20質量%以下のジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素と、該金属元素群中の1種以上の元素との合計が30〜60質量%となるVa族(バナジウム族)元素とを含む少なくとも二種以上の原料粉末を混合する混合工程と、該混合工程により得られた混合粉末を所定形状の成形体に成形する成形工程と、該成形工程で得られた成形体を加熱して焼結させる焼結工程と、からなると好適である。
また、本発明の製造方法は、チタンと、合計で20質量%以下のジルコニウム(Zr)とハフニウム(Hf)とスカンジウム(Sc)とからなる金属元素群中の1種以上の元素と、該金属元素群中の1種以上の元素との合計が30〜60質量%となるVa族(バナジウム族)元素とを少なくとも含む原料粉末を所定形状の容器に充填する充填工程と、該充填工程後に熱間静水圧法(HIP法)を用いて該容器中の該原料粉末を焼結させる焼結工程とからなると、好適である。
原料粉末が、さらに、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、鉄、錫、アルミニウム、酸素、炭素、窒素およびホウ素の少なくとも一種以上の元素を含むと、好適である。
本発明の製造方法が、混合工程を伴う場合には、原料粉末が、純金属粉末および/または合金粉末の2種以上からなると、好適である。
具体的な使用粉末として、例えばスポンジ粉末、水素化脱水素粉末、水素化粉末、アトマイズ粉末などを使用できる。粉末の粒子形状や粒径(粒径分布)などは、特に限定されるものではなく、市販の粉末をそのまま用いることができる。もっとも、使用粉末は、コストや焼結体の緻密性の観点から、平均粒径が100μm以下であると、好ましい。さらに、粉末の粒径が45μm(#325)以下であれば、より緻密な焼結体を得やすい。
本発明の製造方法が、HIP法を用いる場合には、原料粉末が、チタンと少なくともVa族元素とを含む合金粉末からなると、好適である。この合金粉末は、本発明に係るチタン合金の組成を備えた粉末であり、例えば、ガスアトマイズ法や、REP法(回転電極法)、PREP法(プラズマ回転電極法)、あるいは溶解法により製造されたインゴットを水素化した後粉砕する方法、さらにはMA法(機械的合金化法)等により、製造される。
(2)混合工程
混合工程は、原料粉末を混合する工程である。それらの混合には、V型混合機、ボールミル及び振動ミル、高エネルギーボールミル(例えば、アトライター)等を使用できる。
(3)成形工程
成形工程は、混合工程で得られた混合粉末を所定形状の成形体に成形する工程である。成形体の形状は、製品の最終的な形状でも良いし、焼結工程後にさらに加工を施す場合はビレット形状等でもよい。
成形工程には、例えば、金型成形、CIP成形(冷間静水圧プレス成形)、RIP成形(ゴム静水圧プレス成形)等を用いることができる。
(4)充填工程
充填工程は、チタンと少なくともVa族元素とを含む、前述の原料粉末を所定形状の容器に充填する工程であり、熱間静水圧法(HIP法)を用いるために必要となる。原料粉末を充填する容器の内側形状は、所望の製品形状に対応している。また、容器は、例えば、金属製でも、セラミック製でも、ガラス製でもよい。また、真空脱気して、原料粉末を容器に充填、封入するとよい。
(5)焼結工程
焼結工程は、前記成形工程で得られた成形体を加熱して焼結させ焼結体を得る工程、または、前記充填工程後に熱間静水圧法(HIP)を用いて前記容器中の該粉末を加圧固化させる工程である。
成形体を焼結させる場合は、真空又は不活性ガスの雰囲気でなされることが好ましい。また、焼結温度は、該合金の融点以下で、しかも成分元素が十分に拡散する温度域で行われることが好ましく、例えば、その温度範囲は1200℃〜1400℃である。また、その焼結時間は2〜16時間であることが好ましい。従って、チタン合金の緻密化と生産性の効率化を図る上で、1200℃〜1400℃かつ2〜16時間の条件で焼結工程を行うと良い。
HIP法による場合、拡散が容易で粉末の変形抵抗が小さく、しかも、前記容器と反応しにくい温度領域で行われることが好ましい。例えば、その温度範囲は900℃〜1300℃である。また、成形圧力は、充填粉末が十分にクリープ変形できる圧力であることが好ましく、例えば、その圧力範囲は50〜200MPa(500〜2000気圧)である。HIPの処理時間は、粉末が十分にクリープ変形して緻密化し、かつ、合金成分が粉末間で拡散できる時間が好ましく、例えば、その時間は1時間〜10時間である。
(6)加工工程
a.熱間加工を行うことにより、焼結合金の空孔等を低減して組織を緻密化させることができる。
従って、本発明の製造方法は、さらに、前記焼結工程後に得られた焼結体を熱間加工して該焼結体の組織を緻密化させる熱間加工工程を有すると、好適である。この熱間加工は、概略的な製品の形状を形成するために行っても良い。
b.本発明の製造方法により得られたチタン合金は、冷間加工性に優れるため、得られた焼結体を冷間加工して種々の製品を製造することができる。
従って、本発明の製造方法は、さらに、前記焼結工程後に得られた焼結体を冷間加工して素材または製品に成形する冷間加工工程を有すると、好適である。そして、前記熱間加工により粗加工を行った後、冷間加工により仕上加工を行っても良い。
(チタン合金製トーションバー)
本発明のチタン合金は、低ヤング率、高弾性変形能、高強度であるため、その特性にマッチするトーションバーに幅広く利用できる。また、優れた冷間加工性も備えるため、冷間加工トーションバーに本発明のチタン合金を利用すると、加工割れ等が著しく低減され、歩留りが向上する。また、従来のチタン合金では、形状的に切削加工を必要とする製品でも、本発明のチタン合金によれば、冷間鍛造等により成形可能となり、チタン合金製トーションバーの量産化、低コスト化を図る上でも非常に有効である。
例えば、本発明のチタン合金製トーションバーは、産業機械、自動車、バイク、自転車、家電品、航空宇宙機器、船舶、装身具、スポーツ・レジャ用品、生体関連品、医療器材、玩具等に利用できる。
自動車の(コイル)スプリングを例にとると、本発明のチタン合金は従来のバネ鋼に対してヤング率が1/3から1/5となり、しかも、弾性変形能は5倍以上あるため、巻き数を1/3から1/5に低下させることができる。さらに、本発明のチタン合金は、通常スプリングに用いられる鋼に対して、比重が70%程度しかないために、大幅な軽量化が実現できる。同様のことは、ばねの一種であるトーションバーについても該当する。
そして、本発明に係るチタン合金製トーションバーは、鋳造、鍛造、超塑性成形、熱間加工、冷間加工、焼結等、種々の製造方法により製造され得る。
以下に、本発明のチタン合金製トーションバーを構成するチタン合金の組成や冷間加工率等を変更した種々の具体的な実施例を例示し、そのチタン合金およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。
A.供試材1〜84
先ず、本発明に係るチタン合金の製造方法等を用いて、供試材1〜84を製造した。
(1)供試材1〜13
供試材1〜13は、30〜60質量%のVa族元素とチタンとからなるチタン合金に関するものである。
a.供試材1
原料粉末として、本発明でいうチタン粉末に相当する市販の水素化・脱水素Ti粉末(−#325、−#100)とニオブ(Nb)粉末(−#325)、バナジウム(V)粉末(−#325)、タンタル(Ta)粉末(−#325)とを用意した。なお、以降では、既述の同一粉末については、単に「チタン粉末」、「ニオブ粉末」、「バナジウム粉末」、「タンタル粉末」等と称する。なお、この時の含有酸素量はチタン粉末に含まれる酸素で調整した。また、表1の組成は質量%で表示されており、残部であるチタンの記載は省略した。
これらの各粉末を表1の組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を圧力4ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ40x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とした(焼結工程)。さらに、この焼結体を700〜1150℃の大気中で熱間鍛造して(熱間加工工程)、φ10mmの丸棒とし、これを供試材1とした。
b.供試材2
原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、バナジウムブリケットを準備した。これらの原料を表1の組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。この原料を、インダクションスカルを用いて溶解し(溶解工程)、金型に鋳造後(鋳造工程)、φ60x60mmの溶解材を得た。なお、溶解は、均質化を図るため5回の再溶解処理を行った。この溶解材を700〜1150℃の大気中で熱間鍛造して(熱間加工工程)、φ10mmの丸棒とし、これを供試材2とした。
c.供試材3、4および供試材8〜11
原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とを用いて、表1の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして各供試材を製造した。
d.供試材7
原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、タンタルブリケットを準備した。これらの原料を表1の組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。これ以降は、供試材2と同様にして供試材7を製造した。
e.供試材5、6、12、13
原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、バナジウム粉末とを用いて、表1の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして各供試材を製造した。
(2)供試材14〜24
供試材14〜24は、供試材6〜10、12のVa族元素の一部を、ジルコニウム、ハフニウム、スカンジウムで表2に示すように置換したものである。
a.供試材14
供試材14は、供試材9のタンタルの一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム(Zr)粉末(−#325)とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材14を製造した。
b.供試材15
供試材15は、供試材7のニオブの一部をジルコニウムで置換したものである。原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、タンタルブリケットを準備した。これらの原料を表2の組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。これ以降は、供試材2と同様にして供試材15を製造した。
c.供試材16
供試材16は、供試材8のニオブの一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材16を製造した。
d.供試材17
供試材17は、供試材10のタンタル一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材17を製造した。
e.供試材18
供試材18は、供試材10のタンタルをジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材18を製造した。
f.供試材19
供試材19は、供試材9のニオブとタンタルの一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材19を製造した。
g.供試材20
供試材20は、供試材12のニオブ、バナジウムの一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、バナジウム粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材20を製造した。
h.供試材21
供試材21は、供試材6のバナジウムの一部をジルコニウムとハフニウムとで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、バナジウム粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、ハフニウム(Hf)粉末(−#325)とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材21を製造した。
i.供試材22
供試材22は、供試材10のニオブ、タンタルの一部をハフニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ハフニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材22を製造した。
j.供試材23
供試材23は、供試材12のニオブの一部をジルコニウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、バナジウム粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材23を製造した。
k.供試材24
供試材24は、供試材9のニオブ、タンタルの一部スカンジウムで置換したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、スカンジウム(Sc)粉末(−#325)とを用いて、表2の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材24を製造した。
(3)供試材25〜31
供試材25〜31は、供試材11、14、16、17、18、23に、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、鉄をさらに配合したものである。
a.供試材25
供試材25は、供試材23にクロムを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、バナジウム粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、クロム(Cr)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材25を製造した。
b.供試材26
供試材26は、供試材14にモリブデンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、モリブデン(Mo)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材26を製造した。
c.供試材27
供試材27は、供試材11にモリブデンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、モリブデン粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材27を製造した。
d.供試材28
供試材28は、供試材18にコバルトを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末、コバルト(Co)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材28を製造した。
e.供試材29
供試材29は、供試材16にニッケルを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、ニッケル(Ni)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材29を製造した。
f.供試材30
供試材30は、供試材17にマンガンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、マンガン(Mo)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材30を製造した。
g.供試材31
供試材31は、供試材14に鉄を添加したものである。 原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、鉄(Fe)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材31を製造した。
(4)供試材32〜38
供試材32〜34は、供試材14、16、18に、アルミニウムをさらに配合したものである。供試材35〜38は、供試材8、16、18に、錫(およびアルミニウム)をさらに配合したものである。
a.供試材32
供試材32は、供試材16にアルミニウムを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、アルミニウム(Al)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材32を製造した。
b.供試材33
供試材33は、供試材18にアルミニウムを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末、アルミニウム粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材33を製造した。
c.供試材34
供試材34は、供試材14にアルミニウムを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、アルミニウム粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材34を製造した。
d.供試材35
供試材35は、供試材7に錫を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、錫(Sn)粉末(−#325)とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材35を製造した。
e.供試材36
供試材36は、供試材16に錫を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、錫粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材36を製造した。
f.供試材37
供試材37は、供試材18に錫を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末、錫粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材37を製造した。
g.供試材38
供試材38は、供試材16に錫とアルミニウムを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、錫粉末、アルミニウム粉末とを用いて、表3の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材38を製造した。
(5)供試材39〜46
供試材39〜46は、供試材4、10、14、17、18に含まれる酸素量を積極的に変化させたものである。
a.供試材39、40
供試材39、40は、供試材4の酸素量を増加させたものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とを用いて、表4の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材39、40を製造した。
b.供試材41、42
供試材41、42は、供試材10の酸素量を増加させたものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とを用いて、表4の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材41、42を製造した。
c.供試材43、44
供試材43、44は、供試材14の酸素量を増加させたものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表4の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材43、44を製造した。
d.供試材45
供試材45は、供試材18の酸素量を増加させたものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表4の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材45を製造した。
e.供試材46
供試材46は、供試材17の酸素量を増加させたものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表4の組成割合となるようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材46を製造した。
(6)供試材47〜54
供試材47〜54は、供試材10、16、17、18に炭素、窒素、ホウ素をさらに配合したものである。
a.供試材47、48
供試材47、48は、供試材18に炭素を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末とTiC粉末(−#325)を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材47、48を製造した。
b.供試材49
供試材49は、供試材16に炭素を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とTiC粉末を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材49を製造した。
c.供試材50、51
供試材50、51は、供試材17に窒素を添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とTiN粉末(−#325)を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材50、51を製造した。
d.供試材52
供試材52は、供試材17にボロンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とTiB2粉末(−#325)を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材52を製造した。
e.供試材53
供試材53は、供試材16にボロンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とTiB2粉末を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材53を製造した。
f.供試材54
供試材54は、供試材10にボロンを添加したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とTiB2粉末を用いて、表4の組成割合となうようにした。これ以降は、供試材1と同様にして供試材54を製造した。
(7)供試材55〜76
供試材55〜74は、供試材2、7、14、15、16、17、18、22、26、32、53にさらに冷間加工を施したものである。
a.供試材55
供試材55は、供試材2に冷間加工を施したものである。原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、バナジウムブリケットを準備した。これらの原料を表5Aの組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。この原料を、インダクションスカルを用いて溶解し(溶解工程)、金型に鋳造後(鋳造工程)、φ60x60の溶解材を得た。なお、溶解は、均質化を図るため5回の再溶解処理を行った。この溶解材を700〜1150℃の大気中で熱間鍛造して(熱間加工工程)、φ20mmの丸棒とした。このφ20mmの丸棒を冷間スウエージ機にて冷間加工して、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材55を製造した。
b.供試材56
供試材56は、供試材7に冷間加工を施したものである。原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、タンタルブリケットを準備した。これらの原料を表5Aの組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。これ以降は、供試材55と同様にして、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材56を製造した。
c.供試材57、58
供試材57、58は、供試材15に冷間加工を施したものである。原料として、スポンジチタン、高純度のニオブ、タンタル、、ジルコニウムブリケットを準備した。これらの原料を表5Aの組成割合となるように1kg配合した(配合工程)。これ以降は、供試材55と同様にして、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材57、58を製造した。
d.供試材59〜62
供試材59〜62は、供試材14に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表5Aの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を圧力4ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ40x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とした(焼結工程)。さらに、この焼結体を700〜1150℃の大気中で熱間鍛造して(熱間加工工程)、φ20mmの丸棒とした。このφ20mmの丸棒を冷間スウエージ機にて冷間加工して、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材59〜62を製造した。
e.供試材63〜66
供試材63〜66は、供試材16に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表5Aの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。
これ以降は、供試材59と同様にして、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材を製造した。
f.供試材67〜70
供試材67〜70は、供試材18に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表5Aの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Aに示す冷間加工率をもつ供試材を製造した。
g.供試材71〜73
供試材71は、供試材53に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とTiB2粉末を用いて、表5Bの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Bに示す冷間加工率をもつ供試材を製造した。
h.供試材74
供試材74は、供試材17に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用いて、表5Bの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Bに示す冷間加工率をもつ供試材74を製造した。
i.供試材75
供試材75は、供試材22冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ハフニウム粉末とを用いて、表5Bの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Bに示す冷間加工率をもつ供試材75を製造した。
j.供試材76
供試材76は、供試材26に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、マンガン粉末とを用いて、表5Bの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Bに示す冷間加工率をもつ供試材76を製造した。
k.供試材77
供試材77は、供試材32に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末、アルミニウム粉末とを用いて、表5Bの組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。これ以降は、供試材59と同様にして、表5Bに示す冷間加工率をもつ供試材を製造した。
(8)供試材78〜81
供試材78〜81は、CIP成形の成形圧力を前述の各供試材よりも低減して焼結体中の空孔率を上昇させたものである。
a.供試材78、79
供試材78、79は、供試材8と同組成を有するものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とを用意した。なお、この時の含有酸素量はチタン粉末に含まれる酸素で調整した。 これらの各粉末を表6の組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を供試材78は圧力3.8ton/cm2で、供試材79は圧力3.5ton/cm2CIP成形(冷間静水圧成形)して、φ10x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5 torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とし(焼結工程)、これを供試材78、79とした。なお、この時の空孔率を算出すると、供試材78は2%、供試材79では5%であった。
b.供試材80
供試材80は、供試材18と同組成を有するものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ジルコニウム粉末とを用意した。 これらの各粉末を表6の組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を圧力3.0ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ10x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とし(焼結工程)、これを供試材80とした。なお、この時の空孔率を算出すると10%であった。
c.供試材81
供試材81は、供試材16と同組成を有するものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末とを用意した。なお、この時の含有酸素量はチタン粉末に含まれる酸素で調整した。 これらの各粉末を表6の組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を圧力2.5ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ10x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させて焼結体とし(焼結工程)、これを供試材81とした。なお、この時の空孔率を算出すると25%であった。
(9)供試材82〜84
供試材82〜83は、HIP法を用いてチタン合金を製造したものである。
a.供試材82
原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末と、タンタル粉末とを用いて、表6の組成割合となるように配合した混合粉末を、純チタン製容器に充填し、1.3Pa(1x10-2torr)で脱気後封入した(充填工程)。混合粉末を封入した容器を1000℃x200MPaの条件で2時間保持して、HIP法により焼結させた(焼結工程)。こうして得られたφ20x80mmを供試材82とした。
b.供試材83
供試材82として得られたφ20mmの丸棒を冷間スウエージ機にて冷間加工して、表6に示す冷間加工率をもつ供試材83を製造した。
c.供試材84
供試材84は、供試材78に冷間加工を施したものである。原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、タンタル粉末とを用いて、表6の組成割合となるように配合および混合した(混合工程)。この混合粉末を圧力3.8ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ20x80mmの円柱形状の成形体を得た(成形工程)。成形工程により得られた成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とした(焼結工程)。このφ20mmの焼結体を冷間スウエージ機にて冷間加工して、表6に示す冷間加工率をもつ供試材84を製造した。
B.供試材C1〜C5と供試材D1〜D3
次に、前述の組成範囲に属さない組成を有するか又は前述の製造方法と異なる方法によって得られた、供試材C1〜C5と供試材D1〜D3を製造した。
(1)供試材C1〜C5
a.供試材C1は、Va族元素が30質量%未満であるチタン合金に関するものである。原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末とを用意した。この時の含有酸素量はチタン粉末に含まれる酸素で調整した。 これらの各粉末を表7の組成割合となるように配合および混合した。こうして得られた混合粉末を圧力4ton/cm2でCIP成形(冷間静水圧成形)して、φ40x80mmの円柱形状の成形体を得た。この成形体を1.3x10-3Pa(1x10-5torr)の真空中で1300℃x16時間加熱して焼結させ、焼結体とした。さらに、この焼結体を700〜1150℃の大気中で熱間鍛造してφ10mmの丸棒とし、これを供試材C1とした。
b.供試材C2
供試材C2は、Va族元素が60質量%を超えるチタン合金に関するものである。原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末と、バナジウム粉末と、タンタル粉末とを用いて、表7の組成割合となるように配合した。これ以降は、供試材C1と同様にして供試材C2を製造した。
c.供試材C3
供試材C3は、アルミニウムが5質量%を超えるチタン合金に関するものである。原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末、タンタル粉末、ジルコニウム粉末およびアルミニウム粉末とを用いて、表7の組成割合となるように配合した。これ以降は、供試材C1と同様にして供試材C3を製造した。
d.供試材C4
供試材C4は、酸素が0.6質量%を超えるチタン合金に関するものである。原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末と、タンタル粉末とを用いて、表7の組成割合となるように配合した。なお、含有酸素量はチタン粉末に含まれる酸素量で調整した。これ以降は、供試材C1と同様にして供試材C4を製造した。
e.供試材C5
供試材C5は、ホウ素が1.0質量%を超えるチタン合金に関するものである。原料粉末として、チタン粉末と、ニオブ粉末と、タンタル粉末と、TiB2 粉末とを用いて、表7の組成割合となるように配合した。これ以降は、供試材C1と同様にして供試材C5を製造した。
(2)供試材D1〜D3
供試材D1〜D3は、いわゆる溶解法により製造したものである。
a.供試材D1
原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末、ハフニウム粉末、錫粉末とを用意し、表7に示す成分組成のチタン合金をボタン溶解で溶製した。これにより得られたインゴットを950〜1050℃の大気中で熱間鍛造し、φ10x50mmの丸棒とした。
b.供試材D2
原料粉末として、チタン粉末とバナジウム粉末およびアルミニウム粉末とを用いて、表7の組成割合になるように配合した。これ以降は、供試材D1と同様にして供試材D2を製造した。
c.供試材D3
原料粉末として、チタン粉末とニオブ粉末およびジルコニウム粉末とを用いて、表7の組成割合になるように配合した。これ以降は、供試材D1と同様にして供試材D3を製造した。
(各供試材の特性)
上述した各供試材について、種々の特性値を以下に示す方法で求めた。
a.平均ヤング率、引張弾性限強度、弾性変形能及び引張強度
各供試材について、インストロン試験機を用いて引張試験を行い、荷重と伸びとを測定して、応力−伸び(歪み)線図を求めた。
インストロン試験機とは、インストロン(メーカ名)製の万能引張試験機であり、駆動方式は電気モータ制御式である。伸びは試験片の側面に貼り付けたひずみゲージの出力から測定した。
平均ヤング率と引張弾性限強度と引張強度とは、その応力−伸び(歪み)線図に基づいて、前述した方法により求めた。また、弾性変形能は、引張弾性限強度に対応する伸びを応力−伸び(歪み)線図から求めた。
b.その他
空孔率は前述した空孔の体積%を意味し、冷間加工率は前述の式から求めた冷間加工率を意味する。
これらの結果を表1〜表7に併せて示した。
Figure 0003799478
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(各供試材の評価)
a.平均ヤング率と引張弾性限強度について
供試材1〜13は、全て、30〜60質量%のVa族元素を含有し、平均ヤング率が75GPa以下で引張弾性限強度が700MPa以上である。従って、十分な低ヤング率と高強度(高弾性)とが達成されていることが解る。
一方、Va族元素の含有量が30質量%未満の供試材C1および供試材D1〜D3またはVa族元素の含有量が60%を超える供試材C2では、いずれも、平均ヤング率が75GPaを超え、低ヤング率が達成されていない。
次に、所定量のVa族元素にZr、Hf、またはScを含有させた供試材14〜24は、供試材6〜12と比較すれば明らかなように、いずれの場合もより低ヤング率化と高強度(高弾性)化とが図られている。
さらにCr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Al、Snを含有させた供試材25〜38は、これらの元素を含有しない他の供試材に比べて、低ヤング率を達成しつつ、引張弾性限強度が向上している。従って、これらの元素は、本発明に係るチタン合金の高強度(高弾性)化に有効であることが解る。
ただし、供試材C3等からも解るように、Alの含有量が5質量%超えると、引張弾性限強度が向上するものの、平均ヤング率の上昇も招いている。低ヤング率で高強度(高弾性)であるためには、Alの含有量が5%以下であることが好ましいことが解る。
また、酸素が比較的多く含有される供試材39〜46から、酸素は低ヤング率と高強度(高弾性)を図る上で有効な元素であることが解る。また、供試材47〜51から、炭素、窒素についても同様に、低ヤング率と高強度(高弾性)を図る上で有効な元素であることが解る。
また、供試材52〜54から、ホウ素も、低ヤング率と高強度(高弾性)を図る上で有効な元素であることが解る。しかも、供試材71〜73から、適量のホウ素の添加により、冷間加工性が害されることもない。
b.弾性変形能
供試材1〜84は、いずれも弾性変形能が1.3以上であり、供試材C1〜C5およびD1〜D3(弾性変形能は1.0以下)に対して、優れた高弾性変形能を有することが解る。
c.冷間加工率について
冷間加工を施してた供試材55〜77から、概して、冷間加工率が高くなる程、平均ヤング率が低下し、引張弾性限強度が上昇する傾向にあることが解る。チタン合金の低ヤング率化と高弾性変形能化、かつ高強度(高弾性)化とを両立する上で、冷間加工が有効であることが解る。
d.空孔率について
供試材78〜81から、30質量%以下の空孔が存在しても、低ヤング率と共に高強度(高弾性)が得られていることが解る。そして、空孔率がより大きい供試材80、81では、密度の低下により、比強度の向上が図られる。
e.焼結法と溶解法について
供試材1〜84の中で焼結法により製造した供試材と、溶解法で製造した供試材D1〜D3とを比較すると、焼結法により、低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度(高弾性)のチタン合金を得やすいことが解る。
一方、供試材D1〜D3のように、溶解法により得られたチタン合金では、低ヤング率と高強度(高弾性)とを両立させることは難しい。但し、このことは、供試材2、7等からも解るように、溶解法にて製造されたチタン合金を本発明から除外することを意味するものではない。
以上、述べてきたように、本発明のチタン合金製トーションバーは、低ヤング率で高弾性変形能かつ高強度(高弾性)を必要とするトーションバーに幅広く利用でき、また、冷間加工性にも優れるため、その生産性の向上をも図れる。
Aは本発明に係るチタン合金の応力−伸び(歪み)線図を模式的に示した図である。Bは従来のチタン合金の応力−伸び(歪み)線図を模式的に示した図である。

Claims (12)

  1. 30〜60質量%のVa族(バナジウム族)元素と残部であるチタン(Ti)とを含み、
    加える応力が、0から引張試験で真に永久歪みが0.2%に到達したときの応力として定義される引張弾性限強度までの範囲にある弾性変形域内で、
    該引張試験により得られた応力−歪み線図上の接線の傾きが応力の増加に伴って減少する特性を示すことを特徴とするチタン合金からなるチタン合金製トーションバー。
  2. 前記チタン合金は、さらに、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、スカンジウム(Sc)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、酸素(O)、炭素(C)、窒素(N)またはホウ素(B)の少なくと一種以上の元素を、全体を100質量%とした場合に以下の範囲内で含む請求項1に記載のチタン合金製トーションバー。
    ZrとHfとScはそれらの合計が20質量%以下、
    CrとMoはそれぞれ20質量%以下、
    MnとFeとCoとNiとSnはそれぞれ10質量%以下、
    Alは0.3〜5質量%、
    Oは0.08〜0.6質量%、
    Cは0.05〜1.0質量%、
    Nは0.05〜0.8質量%、
    Bは0.01〜1.0質量%。
  3. 前記チタン合金は、前記引張弾性限強度が700MPa以上である請求項1または2に記載のチタン合金製トーションバー。
  4. 前記チタン合金は、前記応力−歪み線図上の接線の傾きから求まるヤング率の代表値として、前記引張弾性限強度の1/2に相当する応力位置での接線の傾きから求めた平均ヤング率が75GPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載のチタン合金製トーションバー。
  5. 前記チタン合金は、10%以上の冷間加工組織を有し、前記引張弾性限強度が750MPa以上である請求項3に記載のチタン合金製トーションバー。
  6. 前記チタン合金は、50%以上の冷間加工組織を有し、前記引張弾性限強度が800MPa以上である請求項5に記載のチタン合金製トーションバー。
  7. 前記チタン合金は、70%以上の冷間加工組織を有し、前記引張弾性限強度が850MPa以上である請求項6に記載のチタン合金製トーションバー。
  8. 前記チタン合金は、90%以上の冷間加工組織を有し、前記引張弾性限強度が900MPa以上である請求項7に記載のチタン合金製トーションバー。
  9. 前記チタン合金は、10%以上の冷間加工組織を有し、前記平均ヤング率が70GPa以下である請求項4に記載のチタン合金製トーションバー。
  10. 前記チタン合金は、50%以上の冷間加工組織を有し、前記平均ヤング率が65GPa以下である請求項9に記載のチタン合金製トーションバー。
  11. 前記チタン合金は、70%以上の冷間加工組織を有し、前記平均ヤング率が60GPa以下である請求項10に記載のチタン合金製トーションバー。
  12. 前記チタン合金は、90%以上の冷間加工組織を有し、前記平均ヤング率が55GPa以下である請求項11に記載のチタン合金製トーションバー。
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