JP3798814B2 - 改良された高温特性と加工性を有するエチレン−酸共重合体とアイオノマーのブレンド - Google Patents

改良された高温特性と加工性を有するエチレン−酸共重合体とアイオノマーのブレンド Download PDF

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Description

関連出願
本願は、1995年9月29日に出願され、今は放棄されている米国特許出願第08/536,403号の一部継続出願である。
発明の背景
発明の分野
本発明は、標準的なアイオノマー(ionomer)に比較して改良された高温有用性を持つアイオノマー組成物に関する。本組成物は、2種の実質的に異なったエチレン/カルボン酸共重合体又は誘導されたアイオノマーのブレンドである。そのブレンド成分は、非常に異なった重合条件下で製造されたエチレン/カルボン酸共重合体であるか又はそれから誘導されており、そして好ましくは更に異なった酸含量を有する。
関連技術の説明
エチレンとメタ(アクリル)酸のようなカルボン酸との、場合によっては他のコモノマーを含む共重合体、及びそれから誘導されたアイオノマーは周知である。これらの共重合体は、典型的には少なくとも50重量%の、そして約95重量%までのエチレンを含有している。それらは、意外でなことではないが、ポリエチレンにやや類似の結晶性を反映するいくつかの特性を持っている。そのような酸共重合体中の極性酸基のために、ポリエチレンそれ自体との相違をもたらし、ポリエチレンそれ自体に比較して一定の有利な点と多少の不利な点をもたらす。酸共重合体が中和されると、その結果得られるアイオノマーはイオン結合を含んでおり、このイオン結合によって、更に追加の相違点が生じ、酸共重合体それ自体より優れたいくつかの性質がもたらされる。アイオノマーは使用温度においては有効な架橋を含有し、なお溶融温度においては熱可塑性の加工性を示す。こうして、アイオノマーの性質は、架橋性とイオン性を反映した特徴を発揮する。アイオノマーは、相当するメルトインデックス(MI)とコモノマー含量を持つ酸共重合体よりも、高い引張強さ、高い透明性、良好な耐摩耗性及び高い剛性を有している。
酸含量が高ければ高い程、金属カチオンで中和される酸基の量が多いので、可能なイオン的特性の程度が高くなる。中和によって、分子量(特に、鎖長を基礎とする数平均のよりむしろ重量平均)と粘度が増加する。MIは中和により減少する。従って、アイオノマーを製造するために用いられる酸共重合体は、酸共重合体(高いMIが通常である接着剤用以外の)酸共重合体について典型的な分子量よりも非常に低い分子量(より高いMI)になるように重合され、次いで中和されてイオン架橋を介してより高分子量(より低いMI)になる。このように、アイオノマーにおいて良好な機械的性質を達成するために必要な分子量は、部分的には、接着剤用以外の用途の(中和しない)酸共重合体について必要であるような重合度それ自体の増加よりむしろ架橋によって達成される。
典型的には、アイオノマーは20〜80g/10分のMIを有する酸共重合体から製造される。中和されたアイオノマーのMIは、良好な機械的性質のためには、典型的には約3.0g/10分未満であり、しばしば1.0g/10分未満であり、0.1g/分という低さのことさえある。しかしながら、酸共重合体にとってもアイオノマーにとっても、3.0g/分未満というMIは、その粘度では加工性が悪くなり得るような粘度に相当する。
しかしながら、散在した共重合酸基は、ポリエチレンに比較して結晶化度の水準を変化させそして低下させ得るし、そして不都合にも融点と使用温度の上限をポリエチレンそれ自体よりかなり低い温度に低下させる。中和を行うと一般的に更に凝固点を幾分低下させ又結晶化度を低下させ得る。アイオノマー共重合体の使用温度を、それらの本質的なアイオノマー特性を維持しながら、上昇させることは、究極の目標となっている。E.I.du Pont de Nemours and CompanyによってSurlyn(登録商標)という商品名で販売されているアイオノマーのような典型的な市販のアイオノマーは、(メタ)アクリル酸コモノマーを約9〜20重量%有する酸共重合体に由来している。標準的に製造されている場合には、酸共重合体とそれから誘導されるアイオノマーの両方とも約81〜約96℃の領域に示差走査熱量測定(DSC)融点を有している。この融点は、約115℃の融点を持つ、ほぼ相当する条件下で製造された低密度(分岐を有する)ポリエチレンよりかなり低い融点である。多くの用途にとって、100℃を超える融点、そして110℃あるいはそれ以上の融点を有するアイオノマーを入手することが望ましいであろう。
米国特許第4,248,990号(Pieski)は、重合圧力と重合温度の両方が酸共重合体の剛性に大きな影響を持つということを開示した。Pieskiは、「標準的な」温度を用いた低い圧力での重合と「標準的な」圧力を用いた低い温度での重合は彼の発明の重合体を製造することにとっては等しい選択肢であると考えた。低い重合温度だけが用いられた、即ち「標準的な」圧力で行われた場合、重合温度を250℃から160℃に下げた場合に、メタクリル酸を約9〜15重量%有する酸共重合体に関して、ビカット軟化温度、剛性及び引張降伏強さが、著しく上昇した。軟化温度の上昇は融点の上昇に対応する。この温度上昇は、ポリマー鎖に沿った酸基とエチレン基の不規則性の変化に起因するとされた。同一の酸含量においては、酸基の2個連続配列や3個連続配列の数が増加する。この結果、一定の酸含量にに対して重合体中のポリエチレン連続配列を乱す回数が少なくなり、より高い融点即ちポリエチレンにより近い融点が得られる。低い温度の代わりに低い圧力を用いても又酸基の2個連続配列や3個連続配列がより多く生成することをPieskiが開示し、彼のデータが示している。2種の重合条件は、彼の発明の重合体を製造するための選択できる態様であると考えられた。
しかしながら、低い温度と低い圧力は必ずしも等価の選択肢ではあり得ない。ポリエチレン重合との類似に基づけば、低い重合温度では短い分岐生成が減少し、このことによってより高い結晶化度とより高い融点が得られる。対照的に、常温での低い圧力での重合においては、大量の短い分岐が生成し従って結晶化度がより低くなるーこれは高温挙動のために要求されていることとは正反対である。興味あることに、Pieskiのデータは、低い圧力での重合に対しては少し剛性が高くなったということを示しているだけで、軟化温度のデータは全くない。配列分布が全面的に重要であるというPieskiの理論と対照的に、本発明の結果として、少ない分岐が、それと少なくとも同等におそらくはより以上に重要であると考えられる。結果として、低圧重合は本発明において特定的に除外されている。
低温重合を適用する場合には、しかしながら、重合体生産性の顕著な低下がある。重合が、典型的にはそうであるように、主として断熱条件下で実施される場合には、重合速度に比例し得る重合から発生する熱量はある単量体供給温度に対する重合温度を決定するであろう。従って、単量体供給温度と重合温度の温度差は重合速度の尺度となり得る。非常に一般的に言って、40℃での供給で重合温度が250℃から160℃に低下した場合、生産性は120/210の係数で即ち43%低下し得るのである。
酸共重合体の低温重合に関するもう一つの問題点は、単量体と重合体の相分離が起こり得ることである。高圧高温という通常の重合条件では、重合は一つの相で進行できる。相分離は、より高い酸含量では、標準の重合温度でもより激しくなるが、低い重合温度では特に激しくなる。相分離が起こると不均一重合となる。
エチレン/カルボン酸共重合体の融点は、いかなる重合温度でも、重合体中に共重合した酸コモノマーのモル量が減少するにつれてポリエチレンの融点に近くなる。例えば、250℃で重合した酸共重合体の融点は、酸含量が4モル%から2モル%に減少すると94℃から101℃に、重合温度180℃では104℃から111℃に、約7℃上昇する(重量基準では、この酸含量の減少はメタクリル酸で13から6重量%に、アクリル酸で11から5重量%に対応する)。それ故に、酸共重合体において達成し得る最高の融点は、低い重合温度と低い酸含量の組み合わせで得られる。しかしながら、誘導されるアイオノマーとしては、酸含量が低いと、中和される酸の量が少なく含有され得るイオンがより減少するので、中和した場合にアイオノマー特性の発現が少なくなる。
改良された加工性に関しては、最近、MIが約3.0/10分未満の標準のアイオノマーと殆ど同等の性質を持ち相当により良好な流動性を持ったアイオノマーが、親の酸共重合体が、標準の20〜80g/10分よりむしろ、300g/10分と高い場合に、それが比較的高度に中和されるならば、得ることができるということが発見された。このような重合体は、標準のアイオノマーが30%未満中和されるのに対して、少なくとも40%まで中和される。この大きなMIの低下のためには比較的高い酸含量を有する親の酸共重合体即ちメタクリル酸ならば約10重量%、好ましくはそれ以上を含有する酸共重合体が必要である。そのような物質の最終のMIは通常のアイオノマーより相当高いものであり得る(例えば7.0g/10分と高い)。出発のMIが高いので、所定のMIになる前に存在する酸基のより高い割合の中和が可能になる。更に、酸含量が高いので、一定の中和度に対してより高いイオン含有量が可能になる。これらの新しいアイオノマーが、加工性が良好な溶融流動性に影響される程度まで、優れた溶融加工性を有するのは当然である。しかし、溶融加工性は溶融流動性の関数であるだけではなく、結晶化特性の関数でもある。
低い融点の樹脂と高い融点の樹脂とをブレンドするという概念は公知である。しかし、低い融点を有する標準のアイオノマーと非常に高い融点を持つポリエチレンとのブレンドは、幾分相溶性が悪く、結果として低い溶融強度、透明性の喪失などのいくつかの劣った性質を持っている。アイオノマーと主成分のポリエチレン(高密度)とのブレンドである市販の組成物は存在するけれども、それらの性質はここで求めている性質、本質的に純粋なアイオノマーの性質とは実質的に異なったものである。
種々のアイオノマーをブレンドすること又はアイオノマーを酸共重合体とブレンドすることも公知である。そして、酸含量が9%及びそれ以上である典型的な共重合体に対しては非相溶性は問題ではない。イオンは大きな易動性を持っており、酸共重合体をアイオノマーとブレンドすると、イオンがそこに存在する全ての酸基と結合関係を持っている組成物が生成すると考えられている。
そのようなブレンドは、ゴルフボールのようなある種の最終用途において特別な重要性を持ってきた。米国特許第5,397,840号(Sullivanら)は、ゴルフボールのカバー材料用のアイオノマーと酸共重合体のブレンドを開示している。多くの類似の特許がアイオノマーブレンドを開示している。しかしながら、これらの全ての場合において、アイオノマー成分が誘導される酸共重合体が大きく異なった重合条件下で製造され、かつ、少なくとも一種のブレンド成分が高いMIの親酸共重合体を有しているブレンドは開示されていない。
最終使用温度を上昇させるために、特に高温において良好な力学的性質を有し、しかも優れた加工性を保持しあるいは改良された加工性さえも有するアイオノマーが要望されている。
発明の概要
本発明は、ある特定の異なった酸共重合体とアイオノマーをブレンドすると、良好な周囲温度特性、改良された高温特性並びに標準アイオノマーに比較して改良された加工性を有し、しかも、標準のアイオノマー製造に比較して生産性における大きな全体としての犠牲を伴わないアイオノマー組成物を得ることができる、という認識に依存している。
特定的には、本発明は、
a)アクリル酸又はメタクリル酸を3〜13重量%有しており、重合温度が200℃未満、重合圧力が1617kg/cm2(23,000psi)を超える条件で製造され、規定されたDSC融点が100℃を超え、MIが約0.5〜60g/10分である第一のエチレン/カルボン酸共重合体の、ブレンド基準で30〜80重量%と、
b)アクリル酸又はメタクリル酸を9〜25重量%および場合によってアクリル酸アルキルを40重量%まで有しており、重合温度が200℃を超え、重合圧力が1617kg/cm2(23,000psi)を超える条件で製造される第二のエチレン/カルボン酸共重合体であって、MIが80〜300g/10分である第二の酸共重合体から、その酸基の約40〜80%を亜鉛、ナトリウム、リチウム又はマグネシウムイオンで部分的に中和することによって製造されるアイオノマーであって、MIが約3.0〜約7.0g/10分であるアイオノマーの、ブレンド基準で、20〜70重量%とのブレンドを含んで成り、
ブレンド組成物中の全ての酸基の中和の水準が少なくとも25%であり、ブレンドのMIが約7.0〜約1.5/10分であることを特徴とするアイオノマー組成物に関する。
本発明の別の態様においては、酸共重合体a)とb)の酸共重合体は、溶融ブレンド装置中で中和の前もしくは中和と同時のいずれにおいても溶融ブレンドすることができる。
発明の詳細な記述
この開示においては「共重合体」という術語は2種以上の単量体から誘導される重合体を意味する。「ジポリマー」及び「ターポリマー」はそれぞれ2種及び3種の単量体の共重合体である。「直接共重合体」なる術語は、複数の単量体が共に重合反応し主鎖に沿った単量体の準ランダム配列で、但し重合温度での単量体の反応性に従って、重合体を生成する場合の共重合体を意味する。これは、1種以上の「コモノマー」が主鎖重合体にグラフト反応し、コモノマーが単位の長い連鎖を生成する「グラフト」共重合体と対照的である。
酸共重合体及びアイオノマーの製造方法は公知である。酸共重合体は米国特許第4,351,931号(Armitage)に記載されている方法によって製造できる。この特許は、90重量%迄のエチレンを含有し残りがカルボン酸である重合体について記載している。これには本発明の範囲内の全ての酸共重合体の製造のための一般的な手順が示されている。
米国特許第5,028,674号(Hatchら)は、アクリル酸又はメタクリル酸のような極性の単量体を特に10重量%を超える水準で組み込む場合にそのような共重合体を重合する改良された方法を開示している。
米国特許第4,248,990号(Pieski)は、低重合温度と標準圧力並びに低圧力と常温における酸共重合体の製造と性質について記載している。後者の条件は本発明の重合体のためには使用されない。標準圧力下で重合温度が160℃と低い場合と又250℃までの製造も例示されており、これら条件は本発明の重合体の製造のために使用される条件である。上記の3件の特許は全て引用することにより本明細書に組み込まれるものとする。
酸共重合体からのアイオノマーの製造は、米国特許第3,264,272号(Ress)に開示されている。この特許は、出発のMIが1000g/10分と高いMIまでの場合および製造終了時のMIが約0.1と低くてもよい場合の製造について記述している幅広い開示である。それは、本発明の全てのアイオノマーの製造を包含している。この特許は引用することにより本明細書に組み込まれるものとする。
本発明の組成物は、第一成分として、その酸コモノマーとしてアクリル酸又はメタクリル酸を3〜13重量%有しており、200℃未満の温度で重合されたエチレン/不飽和カルボン酸直接共重合体である第一の酸共重合体を有する。重合圧力は1617kg/cm2(23,000psi)を超えなけれはならず、2109kg/cm2(30,000psi)と高い圧力であることができる。これが、この開示において「標準の」重合圧力である。1617kg/cm2(23,000psi)未満の低い圧力、それはPieskiの重合条件の一部であるが、は本発明の重合体の製造においては特定的に除外された条件である。共重合体は示差走査熱量測定(DSC)で測定した場合、100℃を超える融点を持たねばならない。DSC技術には幾分変動があり、融点の値に少しであるが差を生じるので、測定方法は正確に規定されなければならない。「試験方法」の項目で記載されている方法は、使用する方法を規定している。ブレンド中には、この第一の酸共重合体成分が30〜80重量%存在し得る。
もしカルボン酸の量が3重量%未満ならば、重合体は、高い融点を持つけれどもポリエチレンに類似しすぎてブレンドの第二成分との相溶性が不十分になり、所望のアイオノマー型の性質が得ることができない。その量が13%を超えると、融点は依然上昇するけれどもその程度はより小さくなり本発明のブレンドにそれを使用する効果がより小さくなる。最も好ましい高い融点を得るためには、カルボン酸の量は8重量%未満が好ましく、6重量%未満がより好ましい。好ましくは重合温度は190℃未満であり最も好ましくは180℃未満である。170℃未満という非常に低い重合温度に対しては、好ましい含量より少し多い量の酸を含有させると、より少ない酸量の高重合温度の重合体に匹敵する好ましい高い融点を得ることができる。
アクリル酸は、相当するモル量でポリエチレン配列の乱し方が少ない、更に好ましいコモノマー分布が得られるので、メタクリル酸より好ましい。さらに、コストの点からもアクリル酸が好ましい酸である。
許容範囲内においてある酸のある量という特定の組み合わせで、約100℃を超えるという要求される融点が得られるかどうかを決めるのは当業者の技術の範囲に容易に入ることである。酸含量の許容範囲内で、より高い酸含量には、その重合体は、より高い酸含量の酸共重合体をベースとしているのが一般的であるアイオノマーとの相溶性が幾分より良好なので、いくらかの有利であり得る。従ってその重合体ブレンドはより濁りが少なくなり得る。この様に、可能な範囲内で、特定の用途に対してどの特定の性質が最も望まれるかに依存してある程度の選択ができる。
融点が高ければ高いほどそしてブレンド中の第一の成分の含量が高ければ高いほど高温挙動に関するより大きな優位性が明白になるであろう。より高い結晶化温度の成分を使用すると、下記に示すように加工性も有利になる。酸共重合体が30重量%未満では成形性の改良に対する高融点の効果が不十分である。80重量%を超えると、低温重合の経済性が低いため、ブレンドが経済的に魅力のないものになるであろう。更に、第一の酸共重合体中の酸含量が低すぎるとブレンドのアイオノマー特性が不十分になり得る。好ましくは、ブレンド中には第一成分が40〜75重量%存在することができる。
第一の酸共重合体のメルトインデックスは、0.5g/10分と60g/10分の間のどの値でもよい。しかし、酸の重量%が最も好ましい6.0重量%未満である場合は、より高いMIも排除しないけれども、MIは好ましくは約8g/10分未満、最も好ましくは約4g/10分未満であり得る。MIが8〜60g/10分の酸共重合体は、より劣った機械的性質を有し得るけれども、アイオノマーとブレンドした場合は、全体的な中和の水準が25%を、しかし好ましくは30%を、超えるならば、ブレンドは満足できる機械的性質を有するであろう。酸共重合体中の酸含量が容認できる限界未満でありMIが容認できる限界を超えている場合には、中和しても十分に分子量を増加させることができないため、単独でもブレンドにおいても適切な性質を得ることができない。このように、酸含量が3重量%未満でありMIが60より高い酸共重合体は、もし中和が25%未満であるならば、多くの分子鎖が分子量の低いままで残り、ブレンドの機械的性質はこれに悪影響を受け、ごく少ないアイオノマー特性を持つだけであろう。
より低いMIにおいては、第一成分の機械的性質はより良好であり、このことはブレンド組成物に反映される。一方、より高いMIの場合には、どのような第二成分に対しても、それによってより低い粘度のブレンドが得られるので加工性が有利になり得る。しかし一般的には第二成分は溶融流動性を改良する効果を持つ成分である。2成分の溶融流動性は重なるけれども、第二成分アイオノマーのMIが第一成分の酸共重合体のMIより高いことが好ましい。このことは、第一成分の酸共重合体が6重量%未満の酸を含有する場合に特に適合する。
最終のアイオノマーブレンド組成物のMIは、約1.5〜7g/10分であり得る。もしブレンドのMIが7g/10分を超えると性質が悪化する。もしMIが1.5g/10分未満であると流動性が劣るために加工性が悪化し得る。そして加工性が悪くなると、屡々性質は組成物が本来持っている性質より悪くなる。
前に指摘したように、加工性はブレンドのMIとブレンドの結晶化挙動の両方の関数である。ブレンドのMIは、3.0g/10分を超えるのが好ましい。しかしながら、第一成分のより高い融点の効果による利点があるために、MIが3.0/10分と1.5/10分の間のブレンドでも、単に結晶化挙動の結果として、同じMIの標準のアイオノマーと比較して有利な加工性を示すことができる。
成分は任意の溶融ブレンド装置中でブレンドすることができる。好ましくはそれらは溶融押し出し機中で、標準ないし高いせん断をかけて約170〜約265℃の溶融温度でブレンドする。
酸共重合体とアイオノマーを溶融温度でブレンドした場合、アイオノマーのイオンは、非常に易動性であって、重合体ブレンド中の全ての酸基と結合関係を持つようになり、そのため「純粋の」酸共重合体は、そのままではブレンド中に存在しないと考えられている。しかし、イオンは完全にランダムに分布する(即ち存在する全ての酸基との間でランダムに結合関係を持つ)ことはないであろう。これは、ある程度まで、ブレンド操作中のブレンドの強さに依存するであろうし、また共重合体とアイオノマーとの相溶性の精密な水準にも依存し得る。非常に低い酸含量の酸共重合体と非常に高い酸含量の酸共重合体をベースとしたアイオノマーとでは、その2成分がより類似の酸含量を有する場合よりも相溶性が低い。最終組成物は、事実上、アイオノマー(又は2種の異なった酸共重合体をベースとしたアイオノマーのブレンド)であるので第一成分である酸共重合体が全体としてイオンを含まないということは臨界的な条件ではない。実際、それは、部分的に中和されていても良い。しかし、第一の酸共重合体の酸含量は一般的に第二の酸共重合体及びそれから誘導されたアイオノマーの酸含量より低いので、そしてこの第一成分の中和はイオンを導入する手段として効率的でもなく必要でもないので、ブレンド前に第一の成分を中和する利点は殆どない。1つの成分、即ち第二の酸共重合体の中和で十分である。しかし、この第一の成分をアイオノマーとブレンドする前に部分的に中和することは除外されない。
先行技術が開示しているように、アイオノマーは典型的には、酸共重合体を、金属の塩や酸化物のような金属イオン源と溶融ブレンドすることによって製造される。本発明の成分は溶融ブレンドされる。それ故に、第一と第二の酸共重合体を中和を行うのと同時に溶融ブレンドすることによって、即ち、単純にその2種の酸共重合体を金属イオン源と共に溶融ブレンドすることによって、2つの段階を結合し、必要な段階を1つの段階(ブレンドと中和を結合した)だけにすることが可能である。更に、酸共重合体を溶融ブレンドし、続いての溶融工程でブレンドを中和することさえ可能である、がそれは2つの溶融段階を必要とするであろう。ブレンドさるべき好ましい成分は、低温酸共重合体と高流動性のアイオノマーである。このことは、溶融ブレンド段階から分離した中和段階を必要とすることを意味するけれども、2つの成分のMIがブレンド前に分かっているので、最終のMIが予測しやすくなるという利点があり得る。2つの異なった酸共重合体と金属イオン源とを同時に反応/ブレンドする場合には、最終のMIはより変動を受け易いであろう。勿論、第二成分である高流動性のアイオノマーが、本発明以外の目的で用途を持っているために容易に入手できる場合には(事実そうである)、いずれにせよ別の中和が必要なので、経済的理由でブレンドと中和を結合する必要性は相当に減少する。
ブレンドの第二成分であるか又は好ましくは第二成分のためのベースとなる第二の酸共重合体は、重なってはいるが一般的にはより高いアクリル酸又はメタクリル酸含量を有する直接共重合体である。その酸含量は約9〜約25重量%、好ましくは12〜20重量%である。これに比較して第一の酸共重合体の酸含量は3〜13重量%である。第一の酸共重合体の酸含量が第二の酸共重合体の酸含量を超えることは可能ではあるが、第一の酸共重合体の酸含量は、第二の酸共重合体の酸含量より低いことが好ましく、かなり低いことが最も好ましい。第二の酸共重合体は、第一の酸共重合体より少なくとも5重量%多くの酸を含有することが好ましく、7重量%多くの酸を含有することが最も好ましい。このようにして、第一の酸共重合体の製造の容易さ及びその高温特性への貢献の挙動並びにアイオノマーを製造するに際しての第二の酸共重合体の高水準のイオン化を達成する能力が全て最適化される。
既に製造されたアイオノマーが第二成分である場合には、中和の水準は約40〜約80重量%である。40%という低い方の水準は通常アイオノマーに対して必要な水準として開示されている中和の低い方の水準である10%より高い。これは、部分的には、ブレンドを製造する際第一の酸共重合体(これが既に部分中和されていなければ)を中和するためにもイオンが必要であるからである。それ故にブレンドにおける酸基中和の全体の水準はアイオノマーにおける水準よりも低い。最終ブレンド組成物がアイオノマー特性を有することが重要である。好ましくは第二成分中の中和の水準は少なくとも45%である。最も好ましくは少なくとも50%である。最終ブレンドの中和の水準は少なくとも約25%であり、好ましくは少なくとも30%であり、より好ましくは約35%を超える水準であり、最も好ましくは約45%を超える水準である。
既に製造されたアイオノマーが第二成分である場合には、そのようなアイオノマーは高流動アイオノマーである。ブレンド成分として、そのアイオノマーはブレンドにイオンを供給するだけでなく、高流動性をも与える。そのMIは、3,0〜7.0g/10分である。典型的には、必ず、ではないが、アイオノマーのMIは、優れた機械的性質を得るために、比較的高分子量に相当する3.0未満である。前に記したように、出発の酸共重合体のMIが一般的に20〜80g/10分の範囲にある標準のアイオノマーとは対照的に、出発のMIがより高ければー80g/10分を超え300g/10分と高いー、中和の水準が40%を超えそして最終のMIが3.0〜7.0g/10分の範囲にあるという条件が満たされれば、優れた機械的性質を得ることができることが見出された。この場合には、同定できる別の第二成分アイオノマーがないので、最終のブレンド組成物のMIだけが重要性を持っている。
ある最終MIのために必要とする中和の水準(%)は出発の酸共重合体のMIが大になるにつれて増加する。ある中和水準のために含有させるイオンの数は親の酸共重合体中の酸コモノマーの量と共に明らかに増加する。このように、高いイオン含有量のためにはより高いMIを有する高い酸含量共重合体が、親の第二の酸共重合体として好ましい。メタクリル酸では、酸含量は11重量%を超えることが好ましく、13重量%を超えることが最も好ましい。アクリル酸では、匹敵するモル%の酸に対応するより低い重量%の含量が対応する好ましい含量になるであろう。しかしながら、出発材料のMIが大になるにつれ、ついには重合鎖の基本的な長さに対応する基本的な分子量が非常に低くなり、いかなる水準のイオン架橋でも良好な性質を得ることができなくなり得る。イオン架橋は、分子量分布のいくつかのモーメントを増加させるが、基本的な鎖長を十分に増加させることはない。この理由で、第二の酸共重合体のMIの好ましい範囲は約100〜約250g/10分であり、最も好ましくは約125〜225g/10分である。第二成分の酸共重合体は、標準的な重合温度すなわち200℃を超える温度で、引用することにより本明細書に組み込まれるものとした特許に従って製造する。
第二成分として、又は優先的には第二成分を製造するためのベースとして使用される酸共重合体は、軟化用コモノマーを40重量%迄含有することができる。軟化用コモノマーは、アイオノマーの低温タフネスを改良することができる。しかし、又、典型的には使用温度の上限を引き下げ、このことは最終の組成物における好ましい方向とは反対である。しかし、第一の酸共重合体は、その高融点のために使用温度の上限を引き上げるために使用することができ、この点において支配因子であることができるので、幾分改良された高温挙動及び改良された低温物性を有するブレンドを製造することが可能である。しかしながら、一般的には、本発明が本質的に有用なのは、最適な高温物性の達成のためなので、本発明は、好ましくは酸共重合体がいかなる軟化用コモノマー単位をも含有しない組成物を含んで成るものである。
試験方法
DSCによる融点は、以下のように測定する。
材料を先ずその融点を超えるまでそして少なくとも120℃まで加熱する。その後調節された方法で、10℃/分で冷却し、調整された形態を得る。次いで、10℃/分で加熱する。もし2本以上のピークがあれば(アイオノマーは通常2本のピークを示す)、融点は最も高い温度ピークの値である。10℃/分で冷却しながら、冷却発熱温度ピークを、冷却カーブピークの最高点として測定する。
メルトインデックス、MIは、ASTMD−1238、条件Eを用い、2160gのおもりを用いて測定する。
レオロジー関係の測定は、Gottfert2001ピストンレオメーターを用いて指示された温度とせん断速度で行った。
引張り特性の測定は、ASTMD−1708を用い、23℃と95℃で行った。
スネークフロー(Snake flow)試験は、6オンスのVanDorn成型機を用いて行った。5/32インチノズル、一般用スクリュウ及び100ミルの厚さのスネークフロー金型を用いて機械を組み立てた。ラム速度をfastに、スクリュウ回転数(rpm)を60に設定した。サイクル時間を、15秒射出と30秒保持時間になるよう設定した。ホッパーには窒素パージを行い、ホッパー温度は環境温度であった。後方ゾーンは100℃に設定した。中心、前方及びノズルの温度、圧力並びに型温度は、それぞれがフローに及ぼす影響を示すために互いに独立に変更した。これらの温度と圧力の設定値は表5に列挙してある。
せん断クリープは、TA Corporation 983 Dynamic Mechanical Analyser(DMA)を用い、せん断モードで、25℃で及び55℃で、それぞれ1.76及び4.64kg/cm2(25及び66psi)で測定した。所望の温度における応力ーひずみ曲線を、装置が測定できる最小の応力水準即ち約6.33kg/cm2(90psi)で測定した。所望の圧力の1.76kg/cm2(25psi)と4.64kg/cm2(66psi)に関しては、この範囲における応力対ひずみの直線関係を仮定して求める。
長方形の試験用シート、4x1x12mm、をDMAのジョーの間にトルク力10インチ・ポンドで取り付ける。初期変位0.05mmを設定し、その結果初期応力は3.52〜35.2kg/cm2(50〜500psi)の範囲となる。コンプライアンスのマスター曲線を以下の方法で得る。データは、2000分(33 1/3時間)耐久性試験を用いて得る。その各々の試験は25℃又は55℃でスタートし、5℃間隔で80〜100℃まで行う。それぞれの段階で30分間かけて温度を平衡にし、次いで所望の応力で15分間クリープ測定を行いその後60分間の回復期間を置く。異なった温度の個々のコンプライアンス曲線を、log(時間)軸に沿って、それらが重なるまで(時間/温度の重ね合わせ)数学的に移動させる。1,100時間及び10,000時間(及び所望ならば他の時間)におけるクリープ値(ひずみ%)は、マスター曲線から読みとったこれらの時間におけるコンプライアンス(ひずみ/応力)値に応力を乗じることによって得られる。ある試験片に対して試験される2以上の応力レベルの場合は、等時性の応力ーひずみ曲線がプロットされ、そして所望の応力レベルにおける全ひずみ%をそのプロットから読みとる。
実施例
表1は試験に用いられた種々の重合体のリストである。低温重合した酸共重合体並びに低温重合した酸共重合体の1つから製造したアイオノマーが挙げられている。これらは全てブレンドの第一成分となることができる。次いでブレンドの第二成分になり得る高流動アイオノマーが、2種の標準のアイオノマー(即ち、第二成分についての限定によって規定されている高流動アイオノマーではない)と共に、挙げられている。表2は各々に1つの実施例番号が付けてある、試験される種々の組成物のリストである。接頭辞Cは、本発明の範囲外にある、種々の比較目的のために試験される材料を示す。本発明の範囲内のブレンドには実施例番号の前に接頭辞はついていない。
表3は、測定されている範囲で、種々の実施例と比較例の力学的性質を示す。室温と95℃の引張特性並びに25℃及び55℃で、1.76kg/cm2(25psi)と4.64kg/cm2(66psi)圧の両方でのせん断クリープ測定値が示されている。1,100時間後及び10,000時間後の値が示されている。
標準のアイオノマーの引張特性が実施例番号C7によって例示されている。室温では高い(353kg/cm2,5020psi)引張強さを示すが、95℃では非常に低い強さ(1.41kg/cm2,20psi)になることが注目さるべきである。低温重合の酸共重合体C1とC2は、室温では、酸含量がC2でのように11%であっても引張強さはアイオノマーより相当低い。このことは、アイオノマーの、酸共重合体と比較した強みの1つを具体的に示す。しかしながら、95℃では、低い酸含量(5.5%)の酸共重合体は、標準のアイオノマーに比較して優れた引張特性を持っている(57.0kg/cm2対1.41kg/cm2,810psi対20psi)。より高い酸含量(11%)の酸共重合体C2は標準のアイオノマーより良好であり、95℃の引張強さが6.33kg/cm2(90psi)である。しかし、アイオノマー化すると、ブレンド中でもそうであろうと考えられるが、引張強さは19.7kg/cm2(280psi)に飛躍的に上昇する(実施例C3)。実施例2は本発明のブレンドであり、室温では、酸共重合体より高い、標準のアイオノマーのように非常に高いというわけではないが、引張強さを有する。95℃では、そのブレンドは21.4kg/cm2(305psi)という優れた引張強さを有する。
本発明のブレンド組成物(実施例5と6)を標準のアイオノマー(C6)及び高流動アイオノマー(C5)とを比較するクリープ測定が示されている。25℃では、ブレンドに対する値は標準の重合温度で製造されたアイオノマーと同程度である。しかしながら、55℃では、ブレンド中の低温重合した酸共重合体の存在が、1.76kg/cm2(25psi)と4.64kg/cm2(66psi)の両方で、標準のアイオノマー単独及び高流動アイオノマー単独に比較して著しくクリープを減少させた。
表4に種々な材料の粘度データを示す。190℃、220℃及び240℃で、せん断速度20〜1000cm-1での測定が示されている。実施例C4は、高流動アイオノマーの220℃での粘度が、標準のアイオノマーC6に比較して低いことを示している。標準のアイオノマーの粘度データは、190℃及び240℃でも示してある。全ての温度において本発明のブレンドは、当然のことながら100%の高流動アイオノマーほど良好ではないけれども(220℃だけ比較)、400cm-1を超えるせん断速度において、標準のアイオノマーに匹敵する、そして一般的には標準のアイオノマーより良好な流動性を有している。
表5は、種々の温度でのスネークフロー金型挙動を挙げている。これは種々の温度で溶融流動の効果と結晶化速度の効果を結合しているので、意味の大きい加工性試験である。2組のバレル温度分布を使用し、種々の圧力と型温度で測定した。型温度60℃では、標準のアイオノマー及び高流動アイオノマーは、スプルー固着のため成形できなかった。本発明のブレンドは、酸共重合体の酸含量が5.5%の場合(実施例3)は問題がなかった。酸共重合体第一成分の酸含量が高いブレンドでは、1組の成形条件下で(B2条件)60℃で若干問題があった。しかしながら、匹敵するバレルの組条件下で、本発明の両方のブレンドで得られる最も良好なフローは、標準の樹脂であるいは高流動でさえある樹脂に関して得られ得るいかなるフローよりも高かった。B1条件下では、60℃金型での18.75と18.5インチのフローと、対照のアイオノマーに関して得られる最も良好なフローである1つの標準アイオノマーに対する17.75との比較となる。高流動樹脂に対するフロー値はより小さい値でさえあった(15.87を有するC5)し、もう1つの標準アイオノマー対するフロー値も、より小さい値の11.25であった。バレル条件B2では、ブレンド実施例3では、60℃金型温度で26インチのフローであった。このバレル条件下で、標準の樹脂は相当により劣ったフローを示したし、高流動アイオノマーでさえも、成形できる最高の型温度(40℃)で単に23.5のフローを示したのみであった。
このように、本発明のブレンド組成物は、引張及びクリープ挙動を含むより優れた力学的性質並びに少なくとも同等の成形性そして最適の成形条件ではより優れた成形性の両者を示す。
Figure 0003798814
DSC:融/冷 2度加熱DSCによる最高ピーク融点及び冷却発熱温度ピーク
E=エチレン; AA=アクリル酸
LTACは低温重合酸共重合体を表す
LTIは低温重合酸共重合体を中和して生成したアイオノマーを表す
HFIは高流動アイオノマーを表す
STIは標準アイオノマーを表す
中和%ー記載した金属イオンでの中和%
SMIーアイオノマーに対する出発MI
MIー酸共重合体及びアイオノマーに対する最終MI(酸共重合体については出発MIと同じ)
Figure 0003798814
実施例2と3の組成物は同じであるが異なった時期に異なった装置で製造された。
成分重合体の中和%(測定値)又は成分の中和%に基づいて計算した重合体ブレンドの中和%。
Figure 0003798814
Figure 0003798814
Figure 0003798814

Claims (7)

  1. a)アクリル酸又はメタクリル酸を3〜13重量%有しており、重合温度が200℃未満、重合圧力が1617kg/cm 2 (23,000psi)を超える条件で製造される第一のエチレン/カルボン酸共重合体であって、規定されたDSC融点が100℃を超え、MIが0.5〜60g/10分である共重合体の、a)及びb)の合計重量基準で、30〜80重量%と、
    b)アクリル酸又はメタクリル酸を9〜25重量%および場合によりC1〜C8アルキル基を有するアクリル酸アルキルを40重量%まで有しており、重合温度が200℃を超え、重合圧力が1617kg/cm 2 (23,000psi)を超える条件で製造される第二のエチレン/カルボン酸共重合体であって、MIが80〜300g/10分である第二の酸共重合体から製造されるアイオノマーであって、酸基の40〜80%を亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウムイオン又はそのようなイオンの組み合わせで部分的に中和することによって製造され、その結果得られるアイオノマーのMIが3.0〜7.0g/10分であるアイオノマーの、a)及びb)の合計重量基準で、20〜70重量%
    とのブレンドを含んで成り、
    ブレンド組成物中の全ての酸基の中和の水準が少なくとも25%であり、ブレンドのMIが1.5〜7.0g/10分である、ただしMIはASTM D−1238、条件Eに従い、2160gのおもりを用いて測定されるメルトインデックスである、ことを特徴とするアイオノマー組成物。
  2. 第一のエチレン/カルボン酸共重合体が、アクリル酸又はメタクリル酸を8重量%未満の含量で有しており、190℃未満の重合温度で製造され、そして30g/10分未満のMIを有し、そしてブレンド中に少なくとも40重量%の含量で存在する請求の範囲1記載の組成物。
  3. 第二のエチレン/カルボン酸共重合体が、アクリル酸又はメタクリル酸を12〜20重量%有しており、そのMIが100〜250g/10分であり、そしてその中和の水準が45%を超えるジポリマーである請求の範囲1記載の組成物。
  4. 第一のエチレン/カルボン酸共重合体における酸がアクリル酸でありそしてその共重合体のMIが8g/10分未満であり、第二のエチレン/カルボン酸共重合体が、アクリル酸又はメタクリル酸を12〜20重量%有しており、そのMIが100〜250g/10分であり、そしてその中和の水準が少なくとも50%であるジポリマーである請求の範囲2記載の組成物。
  5. 第一のエチレン/カルボン酸共重合体が、第二のエチレン/カルボン酸共重合体から誘導されるアイオノマーとのブレンドの前に部分的に中和される請求の範囲1記載の組成物。
  6. a)アクリル酸又はメタクリル酸を3〜13重量%有しており、重合温度が200℃未満、重合圧力が1617kg/cm 2 (23,000psi)を超える条件で製造される第一のエチレン/カルボン酸共重合体であって、規定されたDSC融点が100℃を超え、MIが0.5〜60g/10分である共重合体の、a)及びb)の合計重量基準で、30〜80重量%と、
    b)アクリル酸又はメタクリル酸を9〜25重量%および場合によりC1〜C8アルキル基を有するアクリル酸アルキルを40重量%まで有しており、重合温度が200℃を超え、重合圧力が1617kg/cm 2 (23,000psi)を超える条件で製造される第二の酸共重合体であって、MIが80〜300g/10分である第二の酸共重合体の、a)及びb)の合計重量基準で、20〜70重量%
    とのブレンドを含んで成り、
    a)とb)とのブレンドが溶融ブレンド中に又は引き続く溶融段階で、亜鉛、ナトリウム、リチウム、マグネシウムイオン又はそのようなイオンの組み合わせで部分的に中和され、その結果得られるアイオノマー組成物において酸共重合体の全酸基の少なくとも25%が中和されており、ブレンドのMIが1.5〜7.0g/10分である、ただしMIはASTM D−1238、条件Eに従い、2160gのおもりを用いて測定されるメルトインデックスである、ことを特徴とするアイオノマー組成物。
  7. 酸共重合体の中和がその溶融ブレンド中に行われる請求項6に記載のアイオノマー組成物。
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