JP3798708B2 - 耳保温フレーム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人の耳に装着してこれを保護するカバーに関する。このカバーは、装着に際して、個人の頭部又は頸部の背面に延在するように構成されている。本発明は、オーディオ用イヤホーンやその類似品を組み込んだ耳保護装置にも関連している。
【0002】
【従来の技術】
本出願は、1995年6月2日に出願された係属中の米国特許出願第08/460,587の一部継続出願である。
個人の耳を保温等のために被覆する多くの装置が知られている。一般に「イヤーマフ(ear muffs) 」として知られているこれらの装置の一部は、Rosenberg 他の米国特許第3,249,949 号及びRubinstein他の米国特許第3,509,580 号に開示されている。これらの先行技術のイヤーマフは、頭上から巻きつけるバンドを具え、その拡大した端部が耳を覆ってこれの保温と保護を行うようになっている。
【0003】
耳保護型構造体を固定する別の手段が、Rosenberg の米国特許第2,070,216 号に開示され、これはヘッドバンドの形状をしている。Edwards の米国特許第5,201,856 号は、個人の側頭部に巻かれ、前端で眼鏡のアームに装着される装置を示している。Brinkleyの米国特許第5,339,467 号は、耳の縁に装着されて固定用ストラップ等なしにその位置を維持する耳保護型装置を示している。
【0004】
Ballard の米国特許第548,738 号は、個人の後頭部に巻かれてカラーの下の位置で首を被覆する耳及び頸部保護用装置を示している。Triplettの米国特許第2,671,221 号は、個人の後頭部に巻かれ、その中心にヒンジを具えた耳保護用装置を示している。
オーディオ用のスピーカをイヤーマフ又はヘッドバンド型装置に組み込むことは以前から行われている。Krawangna の米国特許第3,787,899 号は、オーディオスピーカを具えたイヤーマフを示している。Spatesの米国特許第4,864,619 号はヘッドバンド内のステレオヘッドセットを示している。Byrne, Jr.の米国特許第5,257,420 号には、標準型ヘッドホーン用のカバーが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
種々のイヤーマフやヘッドバンドが存在しているが、本発明は従来耳保護装置を更に改良することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、個人の耳上に装着されるカバー装置に関する。このカバー装置は、好ましくは両耳の間に延在し、個人の頭部又は頸部の背面を覆っている。
本発明よる、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、一つの中心湾曲部分と二つの対向端部とを有するバンド、各々が取付けフランジにより前記バンドの対向端部に取付けられかつ中心開口を有するカップ部を有する二つの耳カップ、ならびに前記バンドおよび前記耳カップの両側を被覆する布手段を含み、前記バンドの中心湾曲部分の曲率および前記カップ部を備えた取付けフランジが前記耳カップを前記バンドの対向端部から相互方向に内方へ向かわせることを特徴とする。
好適形態において、前記カップ部は円錐台状である。
好適形態において、前記取付けフランジは傾斜角で前記カップ部に一体的に形成されている。
好適形態において、前記布手段が前記耳カップのカップ部内にポケットを形成している。
本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、第1湾曲部分及び第2湾曲部分を有しかつ各前記湾曲部分の一端部が相互に重合しかつ摺動自在に取付けられた相対的全長が調節可能なバンド、中心開口を有するカップ部を含む二つの耳カップであって1つの耳カップが前記重合した端部と反対側の前記第1及び第2湾曲部分の端部に取付けられ、前記カップの前記バンドへの取付けがその取付け部を中心とした前記カップ部の回転を可能にする二つの耳カップ、および前記バンドと前記耳カップの両側を被覆する布手段を含む。
好適形態において、前記布手段が前記バンドと前記耳カップを包囲している。
好適形態において、前記カップ部は円錐台状である。
本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、第1湾曲部分及び第2湾曲部分を有し各湾曲部分の一端部が相互に重合しかつ摺動自在に取付けられた相対的全長が調節可能なバンド、前記第1及び第2湾曲部分の自由端部にそれぞれ取付けられた二つの耳カップ、および前記バンドと前記耳カップの両側を被覆する布手段を含み、前記耳カップは二つの支持フランジにより形成された空洞部、および前記支持フランジの対向突起間に延在する半円状フレーム部分を形成し、前記半円状フレーム部分と前記支持フランジは中心開口を形成し、前記半円状フレーム部分と反対方向へ前記支持フランジから取付けフランジが突出し、前記取付けフランジは前記耳カップを第1及び第2湾曲部分の自由端に回転可能に取付けるための手段を含むことを特徴とする。
好適形態において、前記二つの支持フランジはV字形に形成され、かつ前記取付けフランジは前記支持フランジの頂点から突出している。
好適形態において、前記布手段は前記耳カップの空洞部内にポケットを形成している。
好適形態において、前記前記布手段は複数の布片から構成されている。
好適形態において、前記二つの耳カップは前記第一および第二湾曲部分の自由端で所定位置へ回転自在に係合して前記バンドと一直線になる。
好適形態において、前記バンドの第1湾曲部分の端部に隣接する部分が前記バンドの第1湾曲部分の端部よりも幅広くなく、かつ前記バンドの第2湾曲部分の端部に隣接する部分は前記バンドの第2湾曲部分の端部よりも幅広くない。
好適形態において、前記バンドおよび前記二つの支持フランジは本装置の位置を維持するために相互方向に内方へ前記耳カップを向かわせる。
好適形態において、本装置は個人の頭部の上部まわりを支持することなく個人の頭部または頸部の背後まわりの位置を維持する。
【0007】
本発明は更に耳保温フレームを提供し、この耳保温フレームは、第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第一湾曲部分、および第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第二湾曲部分を有するバンドを含み、各前記通路は前記バンドの対向湾曲部分の摺動を可能にする第一スロット部を有し、かつ前記バンドの対向湾曲部分の突出部の摺動を可能にする第二スロット部を有し、それにより各前記第一および第二湾曲部分の一端部が重合して対向湾曲部分へ摺動自在に取付けられて前記バンドの相対的全長を調節することを特徴とする。
好適形態において、前記耳保温フレームは、更に取付けヘッドを有する2つの耳カップを含み、各前記取付けヘッドが前記バンドの1つの湾曲部分の1つの突出部へ取付けられている。
好適形態において、前記バンドの前記第一湾曲部分の通路は前記バンドの第一湾曲部分と一体的に形成され、前記バンドの前記第二湾曲部分の通路は前記バンドの第二湾曲部分と一体的に形成されている。
好適形態において、前記バンドの前記第1湾曲部分はその内面上に一連の隆起部を有し、前記隆起部は前記バンドの第2湾曲部分によって形成される重合部と係合して、前記バンドの全長の調節を行う際に両湾曲部分の相対的摺動運動に対して抵抗するように構成されている。
更に、本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、一つの中心湾曲部分と二つの端部とを有する可撓性バンド、二つの耳カップであって、その1つが前記バンドの各端部に取付けられ、前記耳カップの少なくとも一部が円錐台状でありかつ中心開口を有する耳カップ、および前記耳カップおよび前記可撓性バンドを被覆する布手段を含む。
好適形態において、前記布手段および前記耳カップはポケットを形成し、開口手段が前記ポケットへイヤホーンを挿入するために前記布手段内に形成されている。
好適形態において、前記可撓性バントは内側および外側を有し、各前記耳カップは内側および外側を有し、かつ前記布手段は前記可撓性バンドの内側および外側を被覆し、かつ各前記耳カップの内側および外側を被覆している。
好適形態において、前記耳カップは前記バンドの両端部にヒンジ式に連結されている。
好適形態において、前記端部と前記バンド間の前記ヒンジ式連結は一体ヒンジにより形成されている。
【0008】
更に、本発明は、耳カップとバンド間に特定寸法関係を使用し、カバー装置の製造に特定材料を使用して、耳の保護のためにすべての個人に装着される快適な且つ機能的な耳カバー装置を形成することも意図している。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の説明のために、現在のところ好ましいと思われる形態を図面に示すが、本発明はこの構成や装置そのものに限定されるものではないことを銘記すべきである。
添付図面は本発明に係る耳カバー装置の種々の形態を示し、同じ符号は同じ部品を指している。図1に示すように、この耳カバー装置は全体として符号10で示されている。この耳カバー装置10は、個人12の耳を覆って装着するように構成されている。装着されると、この装置10は装着者の頭部と頸部の背面に沿って延在する。
【0010】
この耳カバー装置10は、一つのバンド部14と二つの耳カバー部16を具えている。この耳カバー装置10の片側が図1に示されている。図1に示すように、バンド部14は耳カバー部16に比較して狭い巾を有している。本発明の要旨から逸脱することなく、この寸法関係を種々に変更することが可能である。
図2は、図1の耳カバー装置10の平面図を示す。図2の位置Aにおいて、耳カバー装置10は耳カバー部16同士が互いに隣接した通常の休止位置で示されている。耳カバー部の休止位置は、バンド部14の湾曲と耳カバー部16のフレームの形状(詳細は他の図に示されている)により創られる。図2に示すように、位置「B」は、主としてバンド14の屈撓によって外側に変位した耳カバー部16を示している。両方の耳カバー部16間の距離の拡大によって、図1に示すように、耳カバー装置10を個人12の頭部に装着することが可能になる。耳カバー装置10の可撓性バンド部14によって生じたばね力によって、耳カバー部16を個人12の側頭部に係合することが可能になる。バンドのばね力は、耳カバー装置10が脱落しないように頭部12に係合するのに十分なものとなっている。しかし、このばね力は、耳カバー装置の装着が不快にならないように制限されることが望ましい。
【0011】
図3〜5は、耳カバー装置10のフレーム構造を示している。このフレームは、一つの可撓性バンド18と二つの耳カップフレーム部材20とを具えている。この耳カップフレーム部材20は、取付け部分即ちフランジ22と円錐台状フレーム部分24を具えている。図3〜5に示す実施例の取付け部分22は、円錐台状部分24と一体化されている。取付け部分22は、円錐台状部分24の面に対して一定の角度をなして形成されている。この角度は、図2に示すように、耳カバー部16を内向きの位置「A」に位置決めするのに役立つ。フランジ22と円錐台状部分24との間の角度は、約90〜160°の範囲、好ましくは約145°となるように構成されている。可撓性バンド18は、耳カップフレーム部材20の取付け部分22に係合した端部26を有する。図3に示すように、前記端部26は取付け部分22のスロット28に係合し、リブ30によってそこに固定されている。前記端部26において、二つのリブ30の間から耳カップフレーム部材20が外れないように、可撓性バンド18の端部26に爪(図示しない)を設けてもよい。
【0012】
図示のように、可撓性バンド18は、一つの湾曲部分32と二つの端部26を具えている。この湾曲部分32は約21/4 インチ(約13.3cm)の曲率半径を有することが好ましい。前記端部は、湾曲部分32の端を曲げることによって形成され、図4に示すように距離Xだけ離れている。この距離Xは、約3.5〜4.5インチ(約8.9〜11.4cm)、特には約3.9インチ(約9.9cm)であることが望ましい。端部26は真っ直ぐであり、湾曲部分32と一体化されている。バンド18はステンレス鋼タイプの材料で作られることが好ましいが、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン等を含むその他の材料も使用可能である。耳カバー装置10を頭部12に装着するに先立って、両端部26間の相対距離Xを拡大したり耳カップフレーム部材20同士を分離できるように(図1参照)、バンド18は充分な可撓性を有することが必要である。
【0013】
耳カップフレーム部材20は、ナイロン等のプラスチック材料で作られることが望ましい。フレームの各端の円錐台状部分24は、中心開口34を有する。円錐台状部分のベースにおける直径は、約2.7〜4インチ(約6.9〜10.2cm)の範囲好ましくは約3インチ(約7.6cm)となるように構成されている。円錐台状部分の高さは、約0.2〜0.5インチ(約0.5〜1.3cm)の範囲が好ましい。この高さが約0.25インチ(約0.6cm)の場合、側壁の角度は約45°であることが好ましい。円錐台状部分24は、耳カバー装置10が装着された場合に耳の周囲に適合するように構成されている。
【0014】
図6は、一対のスピーカ又はイヤホーン36と内部に組み込まれたスピーカワイヤ38とを有する耳カバー装置10を示す。このイヤホーン36とスピーカワイヤ38とは、耳カバー装置10とは別に図7(B)にも示されている。スピーカワイヤ38は、その端に個人用ラジオ、テーププレーヤ等(図示しない)との接続用の標準雄型ジャック39を有する。
【0015】
図6と7(A)において、耳カバー装置10は、図3〜5に示したようなバンド18と耳カップフレーム部材20とを具えている。このバンド18と耳カップフレーム部材20とは、布材料によるカバー40で被覆されている。図示のように、バンド部14と耳カバー部16とは、それぞれ布製カバー40で被覆されている。この布製カバー40は、スピーカワイヤ38に係合してこれを耳カバー装置10内に保持する一組のバンド42を具えている。更に、耳カップフレーム部材20の中にはイヤホーン36を保持するためのポケットが形成されている。イヤホーン36は、布製カバー40のスロット44を通じて該ポケットに挿入可能である。図示のように、このスロット44は、それぞれの耳カバー部16に隣接して位置している。
【0016】
図8(A)〜(F)に示すように、布製カバー40は複数の層からなっている。図8(A)には、展開位置にある耳カバー装置10の平面図が示されている。布製カバー40は、バンドと耳カップフレーム部材20の外側表面を完全に被覆している。図8(B)に示すように、布製カバー40はバンド18と耳カップ20フレーム部材の内側表面も被覆している。
【0017】
耳カバー装置10用の布製カバー40を形成するのに、複数層の布が使用される。これらの層は図8(C)〜(F)に全体として示されている。図8(C)には、中心テーパー部分48を具えた外側シェル46が示されている。図8(D)には、組み立てられた際にバンド42同士の間に図6に示すように露出する内側布カバー52が示されている。この内側布カバー52は、バンド18の内側表面をほぼ被覆している。内側布カバー52は、図8(E)に示されている中心部分56と重なっている。この中心部分56は、その中心部に一組のバンド42と開口60とを有し、各端部に円形部分58を有する。該円形部分58の内部には中心開口62が設けられている。前記中心部分56は、耳カバー装置10の内側に位置し、内側布カバー52を少なくとも部分的に被覆するように構成されている。内側耳部材64がバンド用布帛56の円形部分58を被覆している。図8(F)に示すように、この内側耳部材64は、ほぼ円形の形状を有する。内側耳部材64は、前記円形部分58とこれに対応する中心部分56の中心開口62の上方に位置する。湾曲した境界部66が内側耳部材64の一端に隣接して設けられ、図6と7に示すように、最終的な構造体においてイヤホーン36を挿入するためのスロット44を形成する。
【0018】
布製カバー40のこれらの層は縫製等によって結合される。この布製カバーは、外側パイプ68を具えることができる。このパイプ68は、布製カバー40の層の一つの一部として形成され、又は別個のエレメントとしてこれに付加されてもよい。
布製カバー40を構成するのに任意の数の材料が使用可能である。図8(A)と(B)に示すように、パイプ68は耐摩耗性の綿混紡品でもよく、又は全部が合成材料であってもよい。露出した外側シェル46はナイロンで被覆された密閉セル型のネオプレンその他の耐湿性布である。内側中心テーパー布カバー52と内側耳部材64は、暖かさと快適性を提供するように合成フリース性のライニング材料で作られることが望ましい。この内側耳部材64は、個人12に直接に接触する。露出外側シェル46をフリース材料で作ることも可能である。このフリース材料は各部品を充分に保護すると共に、音を通過させることが判明した。
【0019】
図9〜23には、耳カップフレーム部材20の取付け部分22と円錐台状部分24との間の接続部を構成するのに使用されるヒンジの例が示されている。各例について以下にそれぞれ説明する。これらの例は、一体ヒンジ型構造を有する。本発明に使用される一体ヒンジは、ベースフランジと取付けフランジとの間に断面の小さい部分を有し、両フランジ間での屈撓を可能にする連続的なプラスチック構造を具えている。各ヒンジの形状について、更に詳述する。
【0020】
図9には、耳カップフレーム部材20’用の取付け部分22’の一例が示されている。図9に示されている円錐台状部分24は、前述したものとほぼ同じように構成されている。しかし、円錐台状部分24と取付け部分との間の連結は剛性を持つようには構成されていない。取付けフランジ72とベースフランジ74との間に一体ヒンジ70が設けられている。この一体ヒンジ70は、耳カップフレーム部材20の回動を可能にし、不使用時には耳カバー部16がバンド部14内に折り畳まれて、耳カバー装置10のサイズを縮小することができる。取付けフランジ72にはリベット孔76が設けられている。取付け部分22’と可撓性バンド18(図9には示されていない)との間の係合は、リベット(図示しない)によって行ってもよい。リベット孔又は開口76を中心とする耳カップフレーム部材20’の回転によって、耳カバー部16をバンド14部分内に折り畳むことができるように構成されている。
【0021】
図10には、円錐台状フレーム部分24と改良型一体ヒンジ70’を具えた耳カップフレーム部材20”の別の例が示されている。取付け部分22”は、逆T字型取付けフランジ72’とL字型ベースフランジ74’を具えている。この逆T字型取付けフランジ72’とL字型ベースフランジ74’との間の連結部は一体ヒンジ70’を形成し、取付け部分22”に対する円錐台状部分24の外側回転の量を制限している。このヒンジ70’は、耳カバー装置10を折り畳む際に、円錐台状部分24が取付け部分22”の方に内側へ回転することを可能にする。取付け部分22”を可撓性バンド18(上述)の端部へ固定するために、この例でも取付けフランジ72’にはリベット孔76が設けられている。
【0022】
図11には、耳カップフレーム部材20"'の更に別の例が示されている。この例では、取付けフランジ72”はベースフランジ74”とほぼ同一平面となり、両者の間にヒンジ70”が設けられている。この一体ヒンジ70”の一部としてスロット又は溝が設けられ、円錐台状部分24が取付けフランジ72”に対して限られた量だけ内側に回転することができるようにしている。この例でも取付けフランジ72”はリベット孔76又はリベット(図示しない)によってバンド18(上述)に固定される。
【0023】
図12には、取付け部分22""の一部として形成されたヒンジ70"'を具えた耳カップフレーム部材20""の更に他の例が示されている。この例のベースフランジ74"'は、Lの一方の脚が取付けフランジ72"'とほぼ同一平面となっているL字型部材を具えている。このL字型フランジ74"'と取付けフランジ72"'との間には一体ヒンジ70"'が設けられ、L字型フランジ74"'の突起は取付けフランジ72"'に対して円錐台状部分24が完全に回転するのを防止する働らきをする。
【0024】
図13〜15には、耳カップフレーム部材用のヒンジの別の例が示されている。これらのヒンジは、隣接エレメント同士を固定する圧入関係で構成されるか、かつ/またはピンを含む。
図13においては、円錐台状部分24は突出したタブ78を具えている。このタブ78は円形断面の端部を有し、ヒンジ82の軸を形成している。タブ78は円錐台状部分24と一体的に形成されている。ヒンジ82の固定部分80は平坦なベース81と湾曲した突起84とを具えている。湾曲突起84は、ヒンジを形成すべく突出タブ78の端部を包み込んでいる。固定部分80の平坦なベース81が、円錐台状部分24の外側回転を限定する。
【0025】
図14において、円錐台状部分は中心スロットを有する突出タブ78’を具えている。固定部分88上のタブ86が、タブ78のスロット内に係合している。ピン90がヒンジ用の軸を形成し、タブ78と86の端部を貫通している。
図15には、耳カップフレーム用のヒンジ構造の他の例が示されている。円錐台状部分24は、内面に形成された二つの突起92を具えている。突起92は、固定部分88の一部として形成された突出タブ86’の両側と係合している。ピン(図示しない)がヒンジ用の軸を形成し、突起92と固定部分88のタブ86’を貫通している。
【0026】
図16には、図11の例に類似した形状の一体ヒンジが示されている。ヒンジ94は、平坦部分96に形成されたV字型切欠部95を有する。平坦部分96の左側エレメントから取付けヘッド98が突出し、バンド18の端部26の開口(図示しない)内に挿入される。端部26の開口内への取付けヘッド98の圧入によって、図9〜15の例で使用されているリベット式取付け構造と類似した回動点が形成される。この一体ヒンジ94の変位が点線で示されている。
【0027】
図17には、更に別の一体ヒンジの例が示されている。このヒンジ100は第1ベース部材102と第2ベース部材104との間に形成されている。第2ベース部材104は、図16の構成と類似の取付けヘッド98を具えている。しかし、この例では、第1ベース部材は第2ベース部材と同一平面にはない。ヒンジ100の変位が点線で示されている。
【0028】
図18には、上述の図10の例と類似した形状の一体ヒンジが示されている。第1ベース部材106は逆T字型部材を形成し、L字型ベース部材108と共に設けられている。このヒンジ110は第1、第2ベース部材106、108の間に形成されている。第1ベース部材106の右側の突出部分(図18に示されている)によって、第2ベース部材108の下方回転が制限される。第2ベース部材108の動きが点線で示されている。
【0029】
図19には、耳カップ部材用の一体ヒンジ型取付け構造の更に別の例が示されている。このヒンジ112は、第1ベース部材114と第2ベース部材116との間に形成されている。第1及び第2ベース部材114,116はそれぞれの端部に湾曲部を有し、ヒンジ112の形成を可能にしている。この湾曲端部は相互に係合し合って、(図示のように)第2ベース部材116が下方に回動するのを制限する。この部材116の上方への回動が点線で示されている。
【0030】
図20には、一体ヒンジ型構造の更に他の例が示されている。この例においては、ヒンジ118は二つのL字型部材120と122との間に形成されている。これらのL字型部材は、長手方向の突出部同士が一平面をなさないように相互に対向位置にある。この構成においても、右側のL字型部材122の下方への回動が制限される。この部材122の上方への回動が図20に点線で示されている。
【0031】
図21には、上述の図13の例と類似のヒンジ構成が図示されている。このヒンジ124は円形端部128を有するタブ126によって形成され、該端部は平坦部材132上に形成された湾曲突起130内に係合している。前記タブ126は平坦部材132の上面と係合し、ヒンジ124を中心とする該タブの下方への回動を制限する。更に、ヒンジ124を中心とするタブ126の上方への回動は、点線で示されるように制限される。タブ126の上面は湾曲部分130の端部に係合している。ヒンジ124は、タブの円形端部128を湾曲突起130の内面に圧入することによって形成されている。
【0032】
図22には、図14の例と類似したヒンジの更に別の例が示されている。ヒンジ134は第1部材136と第2部材138との間に形成されている。これら第1及び第2部材は、中心ピン140を中心として形成された係合突起を具えている。ヒンジ134を中心とする第2部材138の上方への回動が点線で示されている。
【0033】
図23には、ヒンジ構造の別の例が示されている。このヒンジ142は、第1平坦部材144とL字型第2部材146との間に形成されている。このL字型第2部材146は、ヒンジ142が折り畳まれると、第2部材146の上面を第1平坦部材144の下面に係合させる。ヒンジ142の開いた状態は点線で示されている。
【0034】
図24には、他のヒンジの例が示されている。このヒンジ148は、第1平坦部材150とT字型第2部材152との間に形成されている。ヒンジはT字の中心部分に、図22の例のヒンジ134及び図23の例のヒンジ142の構造と類似した方法で形成されている。逆転位置において、T字型部材152の上面は平坦部材150の下面と係合して、ヒンジ148を中心とする回動を制限する。ヒンジ150の回動は点線で示されている。
【0035】
図25、26及び27には、展開位置(図26)と折り畳み位置(図25と27)にある折り畳み可能な耳カバー装置10’が示されている。説明の目的で、図25と26にはこの耳カバー装置10’のフレーム部分のみが示されている。しかし、図27に示されているように、前述の各図に示した例に類似の布製カバーを具えるように構成されている。
【0036】
この装置10’のバンド18’は、半円状第1部材154と半円状第2部材156を具え、両者は互いに係合して連続する円弧を形成している。この係合は、各部材156と154の一部で他方部材の周囲を被包することによって行われる。第1半円状部材154の被包部分は符号158で示されている。一方、第2半円状部材156の被包部分は符号160で示されている。この両部材の相互被包の代わりに、別のリング又はバンドで(例えば)第1部材154の一端の周囲を被包し、これに取付けてもよい。これらのリングは第2部材156の中心部分の周囲にも巻かれる。図26に示すように、最終的な組立体において、バンド18’の端部160は単一層のみで構成され、一方、バンド18’の中心部分162は重なり合った二層で構成されている。この二層部分は、被包部分158と159が相互に接近するように二つの部材154と156を互いにスライドさせることによって伸縮させることができる。バンド18’の全長を短縮するには、両被包部分158と159を互いに遠ざけるように移動させる(両部分の重なり162は長くなるが、バンド18’の全長は短くなる)。
【0037】
図25と26においては、円錐台状部分24’が耳カップ164の全体を形成している。バンド18’の端部160間の接続部は、図16の例(取付けヘッド98、図19−22に同様に示されている)と類似の取付けヘッド166とバンド18’の端部のソケット又は開口とで形成することが望ましい。図示のように、この取付けヘッドは開口内へ圧入によって挿入される。選択的に、端部160に上部に丸い開口を有する逆V字型切欠き部を設けてもよい。この例における取付けヘッドのシャフトは、切欠き部内へ滑り込ませて圧入することによって丸い開口内に保持される。更に他の手段は、一方側が他方側より大きい図8に示した型の開口を用いることである。この例では、ヘッド部分の拡大直径部分を大きい方の開口に挿入し、次いでシャフト部分が開口の小さい方の部分に(圧入によって)滑り込ませる。その他の取り外し可能な及び取り外し不可能な固定(リベット等による)も可能である。このタイプの取付け構造により、円錐台状部分24’を取付けヘッド166とバンド18’の端部を中心に回動させることができる。
【0038】
図27に示されているように、耳カバー部16’の内部に形成された一つの円錐台状部分24’は反対側の耳カバー部16’(これも回動する)に対して偏平になるように回動し、中心部分14(バンド18’を被覆している)は平行な耳カバー部分の間の円形(又は少なくとも半円形)の側壁を形成する。このように、折り畳まれた耳カバー装置10’はスピーカワイヤ38と雄型ジャック39(それぞれ点線で示されている)を保持することができる。スピーカ36(これも点線で示されている)は耳カバー装置内の、中心の布製部分(図8E)、各外側シェル46(図8C)及び内側耳部材64(図8F)の中心開口62で形成されたポケットに保持される。
【0039】
図28〜38には、耳保護装置用のフレームの実施例が示されている。この例のフレームは符号210で示されている。図28と29には、耳カップフレーム部材212が示されている。この耳カップフレーム部材212は、一端に半円状フレーム部材214と、中心V字形部分として形成された二つの支持フランジ216,218と、取付け部分又はフランジ220と、二つのカップ延長部222,224とを有する改良された耳空洞部を具えている。この改良された耳空洞部は図28に示されている。半円状フレーム部分214は、支持フランジ216,218と共に中心開口226を形成している。取付けフランジ220は支持フランジ216,218のV字の頂点から外側に延在している。
【0040】
図29と30に詳細に示されているように、耳カップフレーム部材212の空洞の外側ラインは、半円状フレーム部分214と共にカップ延長部222,224によって形成されている。これらの支持フランジ216,218は耳カップの上方に突出して、耳を受け入れる空洞を形成している。こうして、耳カップフレーム部材212は、半円状フレーム部分214とカップ延長部222,224の高さと、その上方の支持フランジ216,218の突起とによって形成された開放領域を形成している。
【0041】
図30に示すように、フレーム210は、第1湾曲部分232と第2湾曲部分234からなるバンド230を具えている。これら二つのバンド部分232と234は、通路236と238を介して相互に重なり合い且つ係合している。通路236は、バンドの端部228の反対側のバンド部分234の一端に位置している。バンド部分232の一部を形成する通路238は、取付け端226と反対側のバンドの端部に位置している。バンド部分232はその内面に刻み目即ちラチェット歯を具え、バンド230の全長を延ばしたい場合にバンド部分234の通路236のスライド運動に対する抵抗となるように構成されている。これらの通路236と238は対向するバンドがスライドする下方部分を有する。図から判るように、バンド端部226と228の厚さは開口246の領域で増加している。前記通路の上部は、バンド部分232のバンド端部226の通路236への通過を可能とすると共に、バンド部分234のバンド端部228の通路238への通過を可能にする。各バンド端部226と228は、それぞれ、開口246と248から越えて延在する突出タブ242と244を具え、該開口は両方の耳カップフレーム部材212の取付けヘッド250を受け入れている。
【0042】
取付けヘッド250とバンド部分232,234の開口246,248は、取付けヘッド250の軸を中心とする耳カップの回転を可能にする。バンド端部226,228が取付けフランジ220と一線上に整列すると、タブ242と244はバンド230の湾曲によって生じたばね力を耳カップフレーム部材に伝達するモーメントアームを形成する。これによって、耳カップフレーム部材を屈撓させて装着者の耳の周囲に係合させることができる。半円状部分214は、耳カップフレーム212の両側のリリーフ領域252によって生じる「ねじれ」に起因して、支持フランジ216,218の更に頑丈な構造に対して変形する。更に、取付けフランジ220はその外面に隆起した複数の隆起部254を具えている。その隆起部間にはスロットが形成され、これにバンド部分232のバンド端部のタブ242内面の隆起部256又はバンド部分234の端部228の隆起部258が係合する。取付けフランジ220の隆起部254によって形成されたスロット内への隆起部256,258の係合によって、耳カップフレーム部材212をバンド230と一線上に固定することができる。耳カップフレーム部材212をバンド230に対して僅かに回動させれば、この係合を外すことができる。
【0043】
図31には、バンド部分234の端部の通路236とバンド部分232との係合関係が断面で示されている。前述のように、通路236は第1スロット部分260を有し、そこにバンド部分232の主体が係合している。通路236には第2スロット部分262も設けられ、そこをバンド部分232の端部のタブ242の厚くなった部分が通過するようになっている。
【0044】
バンド部分232の端部のタブ242が図33〜35に更に詳しく示されている。突出タブ242がバンド部分232の端部226から外側に延在している。タブ242を延設することによって、開口246内での取付けヘッド250(図20と30)の係合を中心とする付加的なモーメントが発生する。図33に示すように、タブ242はバンド部分232の主体よりも狭い巾を有している。図34と35に示すように、タブ242はバンド端部226と一体的に形成され、その下面又は内面から突出している。従って、開口246に隣接するバンド部分232の厚みは、残りのバンド部分よりも大きい。しかし、タブ242によるバンド部分232の端部226の厚みの増加は限定された巾の中で行われる。この巾の限定は、組立の際にバンド部分232の端部226が相手方のバンド部分234の通路236を通って挿入可能なように行われる。タブ242は第2スロット部分262を通過し、一方、バンド部分232の主体は第1スロット部分(図31)を通過してバンド部分234と重なる。巾の差によって、通路236内でのバンド部分232を過剰に動かさなくてもこの重なりが確実なものとなる。その上、通路236内での第1スロット部分260の縁が、バンド部分232の内面とリブ240との係合を補助する。
【0045】
図32には、バンド部分232の通路238とバンド部分234との係合が断面で示されている。通路238は、バンド部分234の一端の通路236と同様に形成されている。バンド234の主体は第1スロット部分266内に位置している。第2スロット部分268が前記第1スロット部分266に隣接して形成され、端部244の厚くなった部分(詳しくは後述する)を通過させる。
【0046】
図36〜38には、耳カップフレーム部材212に取付けられるバンド部分234の端部244の構造が示されている。バンド部分234の端部244には、取付けヘッド250(図28〜30)を受け入れる開口248に隣接して隆起領域が設けられている。図37と38に際に詳細に示されているように、この隆起領域は開口248を取り囲み、バンド部分234の主体の巾よりも狭い巾を有している。バンド部分の厚さのこの段差によって、組立の際にバンド部分234の端部244が通路238(図32)を通過することができる。特に、バンド端部244の隆起領域はこの通路238の第2スロット部分268を通過する。
【0047】
各バンドの端部242と244の開口246と248は、そこから半径方向に外向きに延在する三つの突出スロット268を有する円形中心孔によって形成されている。図34と35及び37と38に断面で示されているように、各開口246と248は、上部チャンバ270と下部チャンバ272とを具えている。上部チャンバ270は下部チャンバ272より大きい直径を有する。半径方向に延在するスロット268は下部チャンバ272から外向きに形成されている。更に、下部チャンバ272を形成する開口の周囲を取り囲んで、リブ274が形成されている。このリブ274は開口246と248の上部チャンバ272内に突出している。このリブ274は不連続であり、スロット268はリブ274を貫通して下部チャンバ274の側壁まで延在している。
【0048】
図30に示されているように、取付けヘッド250は、一端で耳カップフレーム部材212の取付けフランジ部分220に接続されシャフトを具えている。このシャフトは、取り付けヘッド250の突出端において拡大している。別体の耳カップフレーム部材212の取付けヘッド250が、二つのヘッド部分232,234の端部242,244の開口246,248内にそれぞれ挿入される。下部チャンバ272の開口は、取付けヘッド250のシャフトの直径より僅かに大きい直径を有し、耳カップフレーム部材212を前記シャフトの軸を中心として回転可能にする。取付けヘッド250の拡大端は下部チャンバ272によって形成された開口よりも大きい直径を有する。この拡大端は下部チャンバ272の開口を通過して上部チャンバ270内に圧入される。半径方向のスロット268は、取付けヘッド250が開口246,248に挿入される際に下部チャンバ272の側壁を変形させる。取付けヘッド250と開口246,248との間の圧入関係によって、耳カップフレーム部材212はバンド230の端部に固定される。スロット268は開口246の下部チャンバ272の側壁に可撓性を与え、圧入を容易にする。リブ274は取付けヘッド250の拡大端の下方部分に係合する。このリブ274は、開口246,248内の取付けヘッド250の軸方向の運動を制限する。両スロット266,268の間に延びるリブ274の180°円弧部分は、突出した端部242,244と反対側の開口246,248側に位置している。この配置によって、開口246,248と取付けヘッド250との係合が安定化し、バンド230と耳カップフレーム部材212との間の遊びが少なくなる。
【0049】
図28〜38に示された実施例の全体構造は、それ以前の実施例における構造よりも一般的に大きい。更に、耳カップフレーム部材212の空洞部は、支持フランジ216,218を具備していることと取付けフランジ220との関係とによって、より半円状に近い内部形状となるように構成されている。
図28〜38に示されたフレーム210の例は、以前に述べたのと同様な布製カバーを具えている。その上、図6,7b,27に示されているようなスピーカを耳カバー装置210の内部に具えることも可能である。
【0050】
上記実施例又はその他の実施例のフレームは、デュポン社で製造されたCrastin (登録商標)材料で作ることができる。このCrastin (登録商標)材料は典型的なナイロン材料に比して湿気の変化の影響を受けにくいものと信じられており、温度の変化にも余り影響されない。この材料のこれらの特性とその高い弾性率とによって、ナイロン材料を使用した場合よりもフレームを薄くすることができると共に、本発明の好ましい特性を得ることができる。
【0051】
本発明の精神又は要旨から逸脱することなく、その他の種々の例を具体化することが可能であり、従って、本発明は本明細書の記載に限定されるものではなく、本発明の範囲を示すものとしての特許請求の範囲を参照する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】個人に装着されるように意図された前記カバー装置の一実施例を示す。
【図2】本発明に係る耳カバー装置の平面図である。
【図3】本発明のカバー装置のフレームの側面図である。
【図4】本発明のカバー装置のフレームの正面図である。
【図5】本発明のカバー装置のフレームの底面図である。
【図6】ヘッドホーンスピーカを組み込んだカバー装置を示す。
【図7】(A)と(B)は、図6に示すカバー装置の構成部品とヘッドホーンスピーカを示す。
【図8】(A)〜(F)は、本発明の布製カバーを形成する一組のカバーパネルを示す。
【図9】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の実施例を示す。
【図10】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図11】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図12】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図13】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図14】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図15】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図16】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の実施例の側面図を示す。
【図17】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図18】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図19】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図20】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図21】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図22】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図23】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図24】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図25】耳カバー装置用の折り畳み可能なフレームを示す。
【図26】展開位置にある図25の折り可能なフレームを示す。
【図27】折り畳み位置にある本発明の耳カバー装置を示す。
【図28】本発明の耳カバー装置の別の実施例の一部の平面図である。
【図29】図28に示す耳カバー装置の実施例の側面図である。
【図30】図28と29に示すフレームの実施例の側面図を示す。
【図31】図30に示すフレームの31−31線に沿った断面図である。
【図32】図30に示すフレームの32−32線に沿った断面図である。
【図33】図30に示すフレームの部分詳細図である。
【図34】図33の34−34線に沿った断面図である。
【図35】図33の35−35線に沿った断面図である。
【図36】図30に示すフレームの部分詳細図である。
【図37】図36の37−37線に沿った断面図である。
【図38】図36の38−38線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10…耳カバー装置
14,18,230…可撓性バンド
16…耳カバー
20,212…耳カップフレーム部材
22…取付け部分(フランジ)
24…フレーム部分(円錐台状部分)
32,34,232,234…湾曲部分
40…布製カバー
44…スロット
70,82,94,100,110,112,118,124,142…ヒンジ
74…ベースフランジ
256,258…隆起部
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人の耳に装着してこれを保護するカバーに関する。このカバーは、装着に際して、個人の頭部又は頸部の背面に延在するように構成されている。本発明は、オーディオ用イヤホーンやその類似品を組み込んだ耳保護装置にも関連している。
【0002】
【従来の技術】
本出願は、1995年6月2日に出願された係属中の米国特許出願第08/460,587の一部継続出願である。
個人の耳を保温等のために被覆する多くの装置が知られている。一般に「イヤーマフ(ear muffs) 」として知られているこれらの装置の一部は、Rosenberg 他の米国特許第3,249,949 号及びRubinstein他の米国特許第3,509,580 号に開示されている。これらの先行技術のイヤーマフは、頭上から巻きつけるバンドを具え、その拡大した端部が耳を覆ってこれの保温と保護を行うようになっている。
【0003】
耳保護型構造体を固定する別の手段が、Rosenberg の米国特許第2,070,216 号に開示され、これはヘッドバンドの形状をしている。Edwards の米国特許第5,201,856 号は、個人の側頭部に巻かれ、前端で眼鏡のアームに装着される装置を示している。Brinkleyの米国特許第5,339,467 号は、耳の縁に装着されて固定用ストラップ等なしにその位置を維持する耳保護型装置を示している。
【0004】
Ballard の米国特許第548,738 号は、個人の後頭部に巻かれてカラーの下の位置で首を被覆する耳及び頸部保護用装置を示している。Triplettの米国特許第2,671,221 号は、個人の後頭部に巻かれ、その中心にヒンジを具えた耳保護用装置を示している。
オーディオ用のスピーカをイヤーマフ又はヘッドバンド型装置に組み込むことは以前から行われている。Krawangna の米国特許第3,787,899 号は、オーディオスピーカを具えたイヤーマフを示している。Spatesの米国特許第4,864,619 号はヘッドバンド内のステレオヘッドセットを示している。Byrne, Jr.の米国特許第5,257,420 号には、標準型ヘッドホーン用のカバーが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
種々のイヤーマフやヘッドバンドが存在しているが、本発明は従来耳保護装置を更に改良することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、個人の耳上に装着されるカバー装置に関する。このカバー装置は、好ましくは両耳の間に延在し、個人の頭部又は頸部の背面を覆っている。
本発明よる、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、一つの中心湾曲部分と二つの対向端部とを有するバンド、各々が取付けフランジにより前記バンドの対向端部に取付けられかつ中心開口を有するカップ部を有する二つの耳カップ、ならびに前記バンドおよび前記耳カップの両側を被覆する布手段を含み、前記バンドの中心湾曲部分の曲率および前記カップ部を備えた取付けフランジが前記耳カップを前記バンドの対向端部から相互方向に内方へ向かわせることを特徴とする。
好適形態において、前記カップ部は円錐台状である。
好適形態において、前記取付けフランジは傾斜角で前記カップ部に一体的に形成されている。
好適形態において、前記布手段が前記耳カップのカップ部内にポケットを形成している。
本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、第1湾曲部分及び第2湾曲部分を有しかつ各前記湾曲部分の一端部が相互に重合しかつ摺動自在に取付けられた相対的全長が調節可能なバンド、中心開口を有するカップ部を含む二つの耳カップであって1つの耳カップが前記重合した端部と反対側の前記第1及び第2湾曲部分の端部に取付けられ、前記カップの前記バンドへの取付けがその取付け部を中心とした前記カップ部の回転を可能にする二つの耳カップ、および前記バンドと前記耳カップの両側を被覆する布手段を含む。
好適形態において、前記布手段が前記バンドと前記耳カップを包囲している。
好適形態において、前記カップ部は円錐台状である。
本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部または頸部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、第1湾曲部分及び第2湾曲部分を有し各湾曲部分の一端部が相互に重合しかつ摺動自在に取付けられた相対的全長が調節可能なバンド、前記第1及び第2湾曲部分の自由端部にそれぞれ取付けられた二つの耳カップ、および前記バンドと前記耳カップの両側を被覆する布手段を含み、前記耳カップは二つの支持フランジにより形成された空洞部、および前記支持フランジの対向突起間に延在する半円状フレーム部分を形成し、前記半円状フレーム部分と前記支持フランジは中心開口を形成し、前記半円状フレーム部分と反対方向へ前記支持フランジから取付けフランジが突出し、前記取付けフランジは前記耳カップを第1及び第2湾曲部分の自由端に回転可能に取付けるための手段を含むことを特徴とする。
好適形態において、前記二つの支持フランジはV字形に形成され、かつ前記取付けフランジは前記支持フランジの頂点から突出している。
好適形態において、前記布手段は前記耳カップの空洞部内にポケットを形成している。
好適形態において、前記前記布手段は複数の布片から構成されている。
好適形態において、前記二つの耳カップは前記第一および第二湾曲部分の自由端で所定位置へ回転自在に係合して前記バンドと一直線になる。
好適形態において、前記バンドの第1湾曲部分の端部に隣接する部分が前記バンドの第1湾曲部分の端部よりも幅広くなく、かつ前記バンドの第2湾曲部分の端部に隣接する部分は前記バンドの第2湾曲部分の端部よりも幅広くない。
好適形態において、前記バンドおよび前記二つの支持フランジは本装置の位置を維持するために相互方向に内方へ前記耳カップを向かわせる。
好適形態において、本装置は個人の頭部の上部まわりを支持することなく個人の頭部または頸部の背後まわりの位置を維持する。
【0007】
本発明は更に耳保温フレームを提供し、この耳保温フレームは、第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第一湾曲部分、および第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第二湾曲部分を有するバンドを含み、各前記通路は前記バンドの対向湾曲部分の摺動を可能にする第一スロット部を有し、かつ前記バンドの対向湾曲部分の突出部の摺動を可能にする第二スロット部を有し、それにより各前記第一および第二湾曲部分の一端部が重合して対向湾曲部分へ摺動自在に取付けられて前記バンドの相対的全長を調節することを特徴とする。
好適形態において、前記耳保温フレームは、更に取付けヘッドを有する2つの耳カップを含み、各前記取付けヘッドが前記バンドの1つの湾曲部分の1つの突出部へ取付けられている。
好適形態において、前記バンドの前記第一湾曲部分の通路は前記バンドの第一湾曲部分と一体的に形成され、前記バンドの前記第二湾曲部分の通路は前記バンドの第二湾曲部分と一体的に形成されている。
好適形態において、前記バンドの前記第1湾曲部分はその内面上に一連の隆起部を有し、前記隆起部は前記バンドの第2湾曲部分によって形成される重合部と係合して、前記バンドの全長の調節を行う際に両湾曲部分の相対的摺動運動に対して抵抗するように構成されている。
更に、本発明による他の形態の、個人の耳を被覆して頭部の背後にまわって延在するように構成されたカバー装置は、一つの中心湾曲部分と二つの端部とを有する可撓性バンド、二つの耳カップであって、その1つが前記バンドの各端部に取付けられ、前記耳カップの少なくとも一部が円錐台状でありかつ中心開口を有する耳カップ、および前記耳カップおよび前記可撓性バンドを被覆する布手段を含む。
好適形態において、前記布手段および前記耳カップはポケットを形成し、開口手段が前記ポケットへイヤホーンを挿入するために前記布手段内に形成されている。
好適形態において、前記可撓性バントは内側および外側を有し、各前記耳カップは内側および外側を有し、かつ前記布手段は前記可撓性バンドの内側および外側を被覆し、かつ各前記耳カップの内側および外側を被覆している。
好適形態において、前記耳カップは前記バンドの両端部にヒンジ式に連結されている。
好適形態において、前記端部と前記バンド間の前記ヒンジ式連結は一体ヒンジにより形成されている。
【0008】
更に、本発明は、耳カップとバンド間に特定寸法関係を使用し、カバー装置の製造に特定材料を使用して、耳の保護のためにすべての個人に装着される快適な且つ機能的な耳カバー装置を形成することも意図している。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の説明のために、現在のところ好ましいと思われる形態を図面に示すが、本発明はこの構成や装置そのものに限定されるものではないことを銘記すべきである。
添付図面は本発明に係る耳カバー装置の種々の形態を示し、同じ符号は同じ部品を指している。図1に示すように、この耳カバー装置は全体として符号10で示されている。この耳カバー装置10は、個人12の耳を覆って装着するように構成されている。装着されると、この装置10は装着者の頭部と頸部の背面に沿って延在する。
【0010】
この耳カバー装置10は、一つのバンド部14と二つの耳カバー部16を具えている。この耳カバー装置10の片側が図1に示されている。図1に示すように、バンド部14は耳カバー部16に比較して狭い巾を有している。本発明の要旨から逸脱することなく、この寸法関係を種々に変更することが可能である。
図2は、図1の耳カバー装置10の平面図を示す。図2の位置Aにおいて、耳カバー装置10は耳カバー部16同士が互いに隣接した通常の休止位置で示されている。耳カバー部の休止位置は、バンド部14の湾曲と耳カバー部16のフレームの形状(詳細は他の図に示されている)により創られる。図2に示すように、位置「B」は、主としてバンド14の屈撓によって外側に変位した耳カバー部16を示している。両方の耳カバー部16間の距離の拡大によって、図1に示すように、耳カバー装置10を個人12の頭部に装着することが可能になる。耳カバー装置10の可撓性バンド部14によって生じたばね力によって、耳カバー部16を個人12の側頭部に係合することが可能になる。バンドのばね力は、耳カバー装置10が脱落しないように頭部12に係合するのに十分なものとなっている。しかし、このばね力は、耳カバー装置の装着が不快にならないように制限されることが望ましい。
【0011】
図3〜5は、耳カバー装置10のフレーム構造を示している。このフレームは、一つの可撓性バンド18と二つの耳カップフレーム部材20とを具えている。この耳カップフレーム部材20は、取付け部分即ちフランジ22と円錐台状フレーム部分24を具えている。図3〜5に示す実施例の取付け部分22は、円錐台状部分24と一体化されている。取付け部分22は、円錐台状部分24の面に対して一定の角度をなして形成されている。この角度は、図2に示すように、耳カバー部16を内向きの位置「A」に位置決めするのに役立つ。フランジ22と円錐台状部分24との間の角度は、約90〜160°の範囲、好ましくは約145°となるように構成されている。可撓性バンド18は、耳カップフレーム部材20の取付け部分22に係合した端部26を有する。図3に示すように、前記端部26は取付け部分22のスロット28に係合し、リブ30によってそこに固定されている。前記端部26において、二つのリブ30の間から耳カップフレーム部材20が外れないように、可撓性バンド18の端部26に爪(図示しない)を設けてもよい。
【0012】
図示のように、可撓性バンド18は、一つの湾曲部分32と二つの端部26を具えている。この湾曲部分32は約21/4 インチ(約13.3cm)の曲率半径を有することが好ましい。前記端部は、湾曲部分32の端を曲げることによって形成され、図4に示すように距離Xだけ離れている。この距離Xは、約3.5〜4.5インチ(約8.9〜11.4cm)、特には約3.9インチ(約9.9cm)であることが望ましい。端部26は真っ直ぐであり、湾曲部分32と一体化されている。バンド18はステンレス鋼タイプの材料で作られることが好ましいが、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン等を含むその他の材料も使用可能である。耳カバー装置10を頭部12に装着するに先立って、両端部26間の相対距離Xを拡大したり耳カップフレーム部材20同士を分離できるように(図1参照)、バンド18は充分な可撓性を有することが必要である。
【0013】
耳カップフレーム部材20は、ナイロン等のプラスチック材料で作られることが望ましい。フレームの各端の円錐台状部分24は、中心開口34を有する。円錐台状部分のベースにおける直径は、約2.7〜4インチ(約6.9〜10.2cm)の範囲好ましくは約3インチ(約7.6cm)となるように構成されている。円錐台状部分の高さは、約0.2〜0.5インチ(約0.5〜1.3cm)の範囲が好ましい。この高さが約0.25インチ(約0.6cm)の場合、側壁の角度は約45°であることが好ましい。円錐台状部分24は、耳カバー装置10が装着された場合に耳の周囲に適合するように構成されている。
【0014】
図6は、一対のスピーカ又はイヤホーン36と内部に組み込まれたスピーカワイヤ38とを有する耳カバー装置10を示す。このイヤホーン36とスピーカワイヤ38とは、耳カバー装置10とは別に図7(B)にも示されている。スピーカワイヤ38は、その端に個人用ラジオ、テーププレーヤ等(図示しない)との接続用の標準雄型ジャック39を有する。
【0015】
図6と7(A)において、耳カバー装置10は、図3〜5に示したようなバンド18と耳カップフレーム部材20とを具えている。このバンド18と耳カップフレーム部材20とは、布材料によるカバー40で被覆されている。図示のように、バンド部14と耳カバー部16とは、それぞれ布製カバー40で被覆されている。この布製カバー40は、スピーカワイヤ38に係合してこれを耳カバー装置10内に保持する一組のバンド42を具えている。更に、耳カップフレーム部材20の中にはイヤホーン36を保持するためのポケットが形成されている。イヤホーン36は、布製カバー40のスロット44を通じて該ポケットに挿入可能である。図示のように、このスロット44は、それぞれの耳カバー部16に隣接して位置している。
【0016】
図8(A)〜(F)に示すように、布製カバー40は複数の層からなっている。図8(A)には、展開位置にある耳カバー装置10の平面図が示されている。布製カバー40は、バンドと耳カップフレーム部材20の外側表面を完全に被覆している。図8(B)に示すように、布製カバー40はバンド18と耳カップ20フレーム部材の内側表面も被覆している。
【0017】
耳カバー装置10用の布製カバー40を形成するのに、複数層の布が使用される。これらの層は図8(C)〜(F)に全体として示されている。図8(C)には、中心テーパー部分48を具えた外側シェル46が示されている。図8(D)には、組み立てられた際にバンド42同士の間に図6に示すように露出する内側布カバー52が示されている。この内側布カバー52は、バンド18の内側表面をほぼ被覆している。内側布カバー52は、図8(E)に示されている中心部分56と重なっている。この中心部分56は、その中心部に一組のバンド42と開口60とを有し、各端部に円形部分58を有する。該円形部分58の内部には中心開口62が設けられている。前記中心部分56は、耳カバー装置10の内側に位置し、内側布カバー52を少なくとも部分的に被覆するように構成されている。内側耳部材64がバンド用布帛56の円形部分58を被覆している。図8(F)に示すように、この内側耳部材64は、ほぼ円形の形状を有する。内側耳部材64は、前記円形部分58とこれに対応する中心部分56の中心開口62の上方に位置する。湾曲した境界部66が内側耳部材64の一端に隣接して設けられ、図6と7に示すように、最終的な構造体においてイヤホーン36を挿入するためのスロット44を形成する。
【0018】
布製カバー40のこれらの層は縫製等によって結合される。この布製カバーは、外側パイプ68を具えることができる。このパイプ68は、布製カバー40の層の一つの一部として形成され、又は別個のエレメントとしてこれに付加されてもよい。
布製カバー40を構成するのに任意の数の材料が使用可能である。図8(A)と(B)に示すように、パイプ68は耐摩耗性の綿混紡品でもよく、又は全部が合成材料であってもよい。露出した外側シェル46はナイロンで被覆された密閉セル型のネオプレンその他の耐湿性布である。内側中心テーパー布カバー52と内側耳部材64は、暖かさと快適性を提供するように合成フリース性のライニング材料で作られることが望ましい。この内側耳部材64は、個人12に直接に接触する。露出外側シェル46をフリース材料で作ることも可能である。このフリース材料は各部品を充分に保護すると共に、音を通過させることが判明した。
【0019】
図9〜23には、耳カップフレーム部材20の取付け部分22と円錐台状部分24との間の接続部を構成するのに使用されるヒンジの例が示されている。各例について以下にそれぞれ説明する。これらの例は、一体ヒンジ型構造を有する。本発明に使用される一体ヒンジは、ベースフランジと取付けフランジとの間に断面の小さい部分を有し、両フランジ間での屈撓を可能にする連続的なプラスチック構造を具えている。各ヒンジの形状について、更に詳述する。
【0020】
図9には、耳カップフレーム部材20’用の取付け部分22’の一例が示されている。図9に示されている円錐台状部分24は、前述したものとほぼ同じように構成されている。しかし、円錐台状部分24と取付け部分との間の連結は剛性を持つようには構成されていない。取付けフランジ72とベースフランジ74との間に一体ヒンジ70が設けられている。この一体ヒンジ70は、耳カップフレーム部材20の回動を可能にし、不使用時には耳カバー部16がバンド部14内に折り畳まれて、耳カバー装置10のサイズを縮小することができる。取付けフランジ72にはリベット孔76が設けられている。取付け部分22’と可撓性バンド18(図9には示されていない)との間の係合は、リベット(図示しない)によって行ってもよい。リベット孔又は開口76を中心とする耳カップフレーム部材20’の回転によって、耳カバー部16をバンド14部分内に折り畳むことができるように構成されている。
【0021】
図10には、円錐台状フレーム部分24と改良型一体ヒンジ70’を具えた耳カップフレーム部材20”の別の例が示されている。取付け部分22”は、逆T字型取付けフランジ72’とL字型ベースフランジ74’を具えている。この逆T字型取付けフランジ72’とL字型ベースフランジ74’との間の連結部は一体ヒンジ70’を形成し、取付け部分22”に対する円錐台状部分24の外側回転の量を制限している。このヒンジ70’は、耳カバー装置10を折り畳む際に、円錐台状部分24が取付け部分22”の方に内側へ回転することを可能にする。取付け部分22”を可撓性バンド18(上述)の端部へ固定するために、この例でも取付けフランジ72’にはリベット孔76が設けられている。
【0022】
図11には、耳カップフレーム部材20"'の更に別の例が示されている。この例では、取付けフランジ72”はベースフランジ74”とほぼ同一平面となり、両者の間にヒンジ70”が設けられている。この一体ヒンジ70”の一部としてスロット又は溝が設けられ、円錐台状部分24が取付けフランジ72”に対して限られた量だけ内側に回転することができるようにしている。この例でも取付けフランジ72”はリベット孔76又はリベット(図示しない)によってバンド18(上述)に固定される。
【0023】
図12には、取付け部分22""の一部として形成されたヒンジ70"'を具えた耳カップフレーム部材20""の更に他の例が示されている。この例のベースフランジ74"'は、Lの一方の脚が取付けフランジ72"'とほぼ同一平面となっているL字型部材を具えている。このL字型フランジ74"'と取付けフランジ72"'との間には一体ヒンジ70"'が設けられ、L字型フランジ74"'の突起は取付けフランジ72"'に対して円錐台状部分24が完全に回転するのを防止する働らきをする。
【0024】
図13〜15には、耳カップフレーム部材用のヒンジの別の例が示されている。これらのヒンジは、隣接エレメント同士を固定する圧入関係で構成されるか、かつ/またはピンを含む。
図13においては、円錐台状部分24は突出したタブ78を具えている。このタブ78は円形断面の端部を有し、ヒンジ82の軸を形成している。タブ78は円錐台状部分24と一体的に形成されている。ヒンジ82の固定部分80は平坦なベース81と湾曲した突起84とを具えている。湾曲突起84は、ヒンジを形成すべく突出タブ78の端部を包み込んでいる。固定部分80の平坦なベース81が、円錐台状部分24の外側回転を限定する。
【0025】
図14において、円錐台状部分は中心スロットを有する突出タブ78’を具えている。固定部分88上のタブ86が、タブ78のスロット内に係合している。ピン90がヒンジ用の軸を形成し、タブ78と86の端部を貫通している。
図15には、耳カップフレーム用のヒンジ構造の他の例が示されている。円錐台状部分24は、内面に形成された二つの突起92を具えている。突起92は、固定部分88の一部として形成された突出タブ86’の両側と係合している。ピン(図示しない)がヒンジ用の軸を形成し、突起92と固定部分88のタブ86’を貫通している。
【0026】
図16には、図11の例に類似した形状の一体ヒンジが示されている。ヒンジ94は、平坦部分96に形成されたV字型切欠部95を有する。平坦部分96の左側エレメントから取付けヘッド98が突出し、バンド18の端部26の開口(図示しない)内に挿入される。端部26の開口内への取付けヘッド98の圧入によって、図9〜15の例で使用されているリベット式取付け構造と類似した回動点が形成される。この一体ヒンジ94の変位が点線で示されている。
【0027】
図17には、更に別の一体ヒンジの例が示されている。このヒンジ100は第1ベース部材102と第2ベース部材104との間に形成されている。第2ベース部材104は、図16の構成と類似の取付けヘッド98を具えている。しかし、この例では、第1ベース部材は第2ベース部材と同一平面にはない。ヒンジ100の変位が点線で示されている。
【0028】
図18には、上述の図10の例と類似した形状の一体ヒンジが示されている。第1ベース部材106は逆T字型部材を形成し、L字型ベース部材108と共に設けられている。このヒンジ110は第1、第2ベース部材106、108の間に形成されている。第1ベース部材106の右側の突出部分(図18に示されている)によって、第2ベース部材108の下方回転が制限される。第2ベース部材108の動きが点線で示されている。
【0029】
図19には、耳カップ部材用の一体ヒンジ型取付け構造の更に別の例が示されている。このヒンジ112は、第1ベース部材114と第2ベース部材116との間に形成されている。第1及び第2ベース部材114,116はそれぞれの端部に湾曲部を有し、ヒンジ112の形成を可能にしている。この湾曲端部は相互に係合し合って、(図示のように)第2ベース部材116が下方に回動するのを制限する。この部材116の上方への回動が点線で示されている。
【0030】
図20には、一体ヒンジ型構造の更に他の例が示されている。この例においては、ヒンジ118は二つのL字型部材120と122との間に形成されている。これらのL字型部材は、長手方向の突出部同士が一平面をなさないように相互に対向位置にある。この構成においても、右側のL字型部材122の下方への回動が制限される。この部材122の上方への回動が図20に点線で示されている。
【0031】
図21には、上述の図13の例と類似のヒンジ構成が図示されている。このヒンジ124は円形端部128を有するタブ126によって形成され、該端部は平坦部材132上に形成された湾曲突起130内に係合している。前記タブ126は平坦部材132の上面と係合し、ヒンジ124を中心とする該タブの下方への回動を制限する。更に、ヒンジ124を中心とするタブ126の上方への回動は、点線で示されるように制限される。タブ126の上面は湾曲部分130の端部に係合している。ヒンジ124は、タブの円形端部128を湾曲突起130の内面に圧入することによって形成されている。
【0032】
図22には、図14の例と類似したヒンジの更に別の例が示されている。ヒンジ134は第1部材136と第2部材138との間に形成されている。これら第1及び第2部材は、中心ピン140を中心として形成された係合突起を具えている。ヒンジ134を中心とする第2部材138の上方への回動が点線で示されている。
【0033】
図23には、ヒンジ構造の別の例が示されている。このヒンジ142は、第1平坦部材144とL字型第2部材146との間に形成されている。このL字型第2部材146は、ヒンジ142が折り畳まれると、第2部材146の上面を第1平坦部材144の下面に係合させる。ヒンジ142の開いた状態は点線で示されている。
【0034】
図24には、他のヒンジの例が示されている。このヒンジ148は、第1平坦部材150とT字型第2部材152との間に形成されている。ヒンジはT字の中心部分に、図22の例のヒンジ134及び図23の例のヒンジ142の構造と類似した方法で形成されている。逆転位置において、T字型部材152の上面は平坦部材150の下面と係合して、ヒンジ148を中心とする回動を制限する。ヒンジ150の回動は点線で示されている。
【0035】
図25、26及び27には、展開位置(図26)と折り畳み位置(図25と27)にある折り畳み可能な耳カバー装置10’が示されている。説明の目的で、図25と26にはこの耳カバー装置10’のフレーム部分のみが示されている。しかし、図27に示されているように、前述の各図に示した例に類似の布製カバーを具えるように構成されている。
【0036】
この装置10’のバンド18’は、半円状第1部材154と半円状第2部材156を具え、両者は互いに係合して連続する円弧を形成している。この係合は、各部材156と154の一部で他方部材の周囲を被包することによって行われる。第1半円状部材154の被包部分は符号158で示されている。一方、第2半円状部材156の被包部分は符号160で示されている。この両部材の相互被包の代わりに、別のリング又はバンドで(例えば)第1部材154の一端の周囲を被包し、これに取付けてもよい。これらのリングは第2部材156の中心部分の周囲にも巻かれる。図26に示すように、最終的な組立体において、バンド18’の端部160は単一層のみで構成され、一方、バンド18’の中心部分162は重なり合った二層で構成されている。この二層部分は、被包部分158と159が相互に接近するように二つの部材154と156を互いにスライドさせることによって伸縮させることができる。バンド18’の全長を短縮するには、両被包部分158と159を互いに遠ざけるように移動させる(両部分の重なり162は長くなるが、バンド18’の全長は短くなる)。
【0037】
図25と26においては、円錐台状部分24’が耳カップ164の全体を形成している。バンド18’の端部160間の接続部は、図16の例(取付けヘッド98、図19−22に同様に示されている)と類似の取付けヘッド166とバンド18’の端部のソケット又は開口とで形成することが望ましい。図示のように、この取付けヘッドは開口内へ圧入によって挿入される。選択的に、端部160に上部に丸い開口を有する逆V字型切欠き部を設けてもよい。この例における取付けヘッドのシャフトは、切欠き部内へ滑り込ませて圧入することによって丸い開口内に保持される。更に他の手段は、一方側が他方側より大きい図8に示した型の開口を用いることである。この例では、ヘッド部分の拡大直径部分を大きい方の開口に挿入し、次いでシャフト部分が開口の小さい方の部分に(圧入によって)滑り込ませる。その他の取り外し可能な及び取り外し不可能な固定(リベット等による)も可能である。このタイプの取付け構造により、円錐台状部分24’を取付けヘッド166とバンド18’の端部を中心に回動させることができる。
【0038】
図27に示されているように、耳カバー部16’の内部に形成された一つの円錐台状部分24’は反対側の耳カバー部16’(これも回動する)に対して偏平になるように回動し、中心部分14(バンド18’を被覆している)は平行な耳カバー部分の間の円形(又は少なくとも半円形)の側壁を形成する。このように、折り畳まれた耳カバー装置10’はスピーカワイヤ38と雄型ジャック39(それぞれ点線で示されている)を保持することができる。スピーカ36(これも点線で示されている)は耳カバー装置内の、中心の布製部分(図8E)、各外側シェル46(図8C)及び内側耳部材64(図8F)の中心開口62で形成されたポケットに保持される。
【0039】
図28〜38には、耳保護装置用のフレームの実施例が示されている。この例のフレームは符号210で示されている。図28と29には、耳カップフレーム部材212が示されている。この耳カップフレーム部材212は、一端に半円状フレーム部材214と、中心V字形部分として形成された二つの支持フランジ216,218と、取付け部分又はフランジ220と、二つのカップ延長部222,224とを有する改良された耳空洞部を具えている。この改良された耳空洞部は図28に示されている。半円状フレーム部分214は、支持フランジ216,218と共に中心開口226を形成している。取付けフランジ220は支持フランジ216,218のV字の頂点から外側に延在している。
【0040】
図29と30に詳細に示されているように、耳カップフレーム部材212の空洞の外側ラインは、半円状フレーム部分214と共にカップ延長部222,224によって形成されている。これらの支持フランジ216,218は耳カップの上方に突出して、耳を受け入れる空洞を形成している。こうして、耳カップフレーム部材212は、半円状フレーム部分214とカップ延長部222,224の高さと、その上方の支持フランジ216,218の突起とによって形成された開放領域を形成している。
【0041】
図30に示すように、フレーム210は、第1湾曲部分232と第2湾曲部分234からなるバンド230を具えている。これら二つのバンド部分232と234は、通路236と238を介して相互に重なり合い且つ係合している。通路236は、バンドの端部228の反対側のバンド部分234の一端に位置している。バンド部分232の一部を形成する通路238は、取付け端226と反対側のバンドの端部に位置している。バンド部分232はその内面に刻み目即ちラチェット歯を具え、バンド230の全長を延ばしたい場合にバンド部分234の通路236のスライド運動に対する抵抗となるように構成されている。これらの通路236と238は対向するバンドがスライドする下方部分を有する。図から判るように、バンド端部226と228の厚さは開口246の領域で増加している。前記通路の上部は、バンド部分232のバンド端部226の通路236への通過を可能とすると共に、バンド部分234のバンド端部228の通路238への通過を可能にする。各バンド端部226と228は、それぞれ、開口246と248から越えて延在する突出タブ242と244を具え、該開口は両方の耳カップフレーム部材212の取付けヘッド250を受け入れている。
【0042】
取付けヘッド250とバンド部分232,234の開口246,248は、取付けヘッド250の軸を中心とする耳カップの回転を可能にする。バンド端部226,228が取付けフランジ220と一線上に整列すると、タブ242と244はバンド230の湾曲によって生じたばね力を耳カップフレーム部材に伝達するモーメントアームを形成する。これによって、耳カップフレーム部材を屈撓させて装着者の耳の周囲に係合させることができる。半円状部分214は、耳カップフレーム212の両側のリリーフ領域252によって生じる「ねじれ」に起因して、支持フランジ216,218の更に頑丈な構造に対して変形する。更に、取付けフランジ220はその外面に隆起した複数の隆起部254を具えている。その隆起部間にはスロットが形成され、これにバンド部分232のバンド端部のタブ242内面の隆起部256又はバンド部分234の端部228の隆起部258が係合する。取付けフランジ220の隆起部254によって形成されたスロット内への隆起部256,258の係合によって、耳カップフレーム部材212をバンド230と一線上に固定することができる。耳カップフレーム部材212をバンド230に対して僅かに回動させれば、この係合を外すことができる。
【0043】
図31には、バンド部分234の端部の通路236とバンド部分232との係合関係が断面で示されている。前述のように、通路236は第1スロット部分260を有し、そこにバンド部分232の主体が係合している。通路236には第2スロット部分262も設けられ、そこをバンド部分232の端部のタブ242の厚くなった部分が通過するようになっている。
【0044】
バンド部分232の端部のタブ242が図33〜35に更に詳しく示されている。突出タブ242がバンド部分232の端部226から外側に延在している。タブ242を延設することによって、開口246内での取付けヘッド250(図20と30)の係合を中心とする付加的なモーメントが発生する。図33に示すように、タブ242はバンド部分232の主体よりも狭い巾を有している。図34と35に示すように、タブ242はバンド端部226と一体的に形成され、その下面又は内面から突出している。従って、開口246に隣接するバンド部分232の厚みは、残りのバンド部分よりも大きい。しかし、タブ242によるバンド部分232の端部226の厚みの増加は限定された巾の中で行われる。この巾の限定は、組立の際にバンド部分232の端部226が相手方のバンド部分234の通路236を通って挿入可能なように行われる。タブ242は第2スロット部分262を通過し、一方、バンド部分232の主体は第1スロット部分(図31)を通過してバンド部分234と重なる。巾の差によって、通路236内でのバンド部分232を過剰に動かさなくてもこの重なりが確実なものとなる。その上、通路236内での第1スロット部分260の縁が、バンド部分232の内面とリブ240との係合を補助する。
【0045】
図32には、バンド部分232の通路238とバンド部分234との係合が断面で示されている。通路238は、バンド部分234の一端の通路236と同様に形成されている。バンド234の主体は第1スロット部分266内に位置している。第2スロット部分268が前記第1スロット部分266に隣接して形成され、端部244の厚くなった部分(詳しくは後述する)を通過させる。
【0046】
図36〜38には、耳カップフレーム部材212に取付けられるバンド部分234の端部244の構造が示されている。バンド部分234の端部244には、取付けヘッド250(図28〜30)を受け入れる開口248に隣接して隆起領域が設けられている。図37と38に際に詳細に示されているように、この隆起領域は開口248を取り囲み、バンド部分234の主体の巾よりも狭い巾を有している。バンド部分の厚さのこの段差によって、組立の際にバンド部分234の端部244が通路238(図32)を通過することができる。特に、バンド端部244の隆起領域はこの通路238の第2スロット部分268を通過する。
【0047】
各バンドの端部242と244の開口246と248は、そこから半径方向に外向きに延在する三つの突出スロット268を有する円形中心孔によって形成されている。図34と35及び37と38に断面で示されているように、各開口246と248は、上部チャンバ270と下部チャンバ272とを具えている。上部チャンバ270は下部チャンバ272より大きい直径を有する。半径方向に延在するスロット268は下部チャンバ272から外向きに形成されている。更に、下部チャンバ272を形成する開口の周囲を取り囲んで、リブ274が形成されている。このリブ274は開口246と248の上部チャンバ272内に突出している。このリブ274は不連続であり、スロット268はリブ274を貫通して下部チャンバ274の側壁まで延在している。
【0048】
図30に示されているように、取付けヘッド250は、一端で耳カップフレーム部材212の取付けフランジ部分220に接続されシャフトを具えている。このシャフトは、取り付けヘッド250の突出端において拡大している。別体の耳カップフレーム部材212の取付けヘッド250が、二つのヘッド部分232,234の端部242,244の開口246,248内にそれぞれ挿入される。下部チャンバ272の開口は、取付けヘッド250のシャフトの直径より僅かに大きい直径を有し、耳カップフレーム部材212を前記シャフトの軸を中心として回転可能にする。取付けヘッド250の拡大端は下部チャンバ272によって形成された開口よりも大きい直径を有する。この拡大端は下部チャンバ272の開口を通過して上部チャンバ270内に圧入される。半径方向のスロット268は、取付けヘッド250が開口246,248に挿入される際に下部チャンバ272の側壁を変形させる。取付けヘッド250と開口246,248との間の圧入関係によって、耳カップフレーム部材212はバンド230の端部に固定される。スロット268は開口246の下部チャンバ272の側壁に可撓性を与え、圧入を容易にする。リブ274は取付けヘッド250の拡大端の下方部分に係合する。このリブ274は、開口246,248内の取付けヘッド250の軸方向の運動を制限する。両スロット266,268の間に延びるリブ274の180°円弧部分は、突出した端部242,244と反対側の開口246,248側に位置している。この配置によって、開口246,248と取付けヘッド250との係合が安定化し、バンド230と耳カップフレーム部材212との間の遊びが少なくなる。
【0049】
図28〜38に示された実施例の全体構造は、それ以前の実施例における構造よりも一般的に大きい。更に、耳カップフレーム部材212の空洞部は、支持フランジ216,218を具備していることと取付けフランジ220との関係とによって、より半円状に近い内部形状となるように構成されている。
図28〜38に示されたフレーム210の例は、以前に述べたのと同様な布製カバーを具えている。その上、図6,7b,27に示されているようなスピーカを耳カバー装置210の内部に具えることも可能である。
【0050】
上記実施例又はその他の実施例のフレームは、デュポン社で製造されたCrastin (登録商標)材料で作ることができる。このCrastin (登録商標)材料は典型的なナイロン材料に比して湿気の変化の影響を受けにくいものと信じられており、温度の変化にも余り影響されない。この材料のこれらの特性とその高い弾性率とによって、ナイロン材料を使用した場合よりもフレームを薄くすることができると共に、本発明の好ましい特性を得ることができる。
【0051】
本発明の精神又は要旨から逸脱することなく、その他の種々の例を具体化することが可能であり、従って、本発明は本明細書の記載に限定されるものではなく、本発明の範囲を示すものとしての特許請求の範囲を参照する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】個人に装着されるように意図された前記カバー装置の一実施例を示す。
【図2】本発明に係る耳カバー装置の平面図である。
【図3】本発明のカバー装置のフレームの側面図である。
【図4】本発明のカバー装置のフレームの正面図である。
【図5】本発明のカバー装置のフレームの底面図である。
【図6】ヘッドホーンスピーカを組み込んだカバー装置を示す。
【図7】(A)と(B)は、図6に示すカバー装置の構成部品とヘッドホーンスピーカを示す。
【図8】(A)〜(F)は、本発明の布製カバーを形成する一組のカバーパネルを示す。
【図9】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の実施例を示す。
【図10】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図11】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図12】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図13】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図14】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図15】本発明の耳カバー装置をヒンジ接続するための手段の他の実施例を示す。
【図16】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の実施例の側面図を示す。
【図17】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図18】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図19】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図20】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図21】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図22】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図23】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図24】本発明のカバー装置内に使用される「一体ヒンジ」の他の実施例の側面図を示す。
【図25】耳カバー装置用の折り畳み可能なフレームを示す。
【図26】展開位置にある図25の折り可能なフレームを示す。
【図27】折り畳み位置にある本発明の耳カバー装置を示す。
【図28】本発明の耳カバー装置の別の実施例の一部の平面図である。
【図29】図28に示す耳カバー装置の実施例の側面図である。
【図30】図28と29に示すフレームの実施例の側面図を示す。
【図31】図30に示すフレームの31−31線に沿った断面図である。
【図32】図30に示すフレームの32−32線に沿った断面図である。
【図33】図30に示すフレームの部分詳細図である。
【図34】図33の34−34線に沿った断面図である。
【図35】図33の35−35線に沿った断面図である。
【図36】図30に示すフレームの部分詳細図である。
【図37】図36の37−37線に沿った断面図である。
【図38】図36の38−38線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10…耳カバー装置
14,18,230…可撓性バンド
16…耳カバー
20,212…耳カップフレーム部材
22…取付け部分(フランジ)
24…フレーム部分(円錐台状部分)
32,34,232,234…湾曲部分
40…布製カバー
44…スロット
70,82,94,100,110,112,118,124,142…ヒンジ
74…ベースフランジ
256,258…隆起部
Claims (4)
- 第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第一湾曲部分、および
第一端部に突出部を有しかつ第二端部に通路を有する第二湾曲部分を有するバンドを含み、
各前記通路は前記バンドの対向湾曲部分の摺動を可能にする第一スロット部を有し、かつ前記バンドの対向湾曲部分の突出部の摺動を可能にする第二スロット部を有し、それにより各前記第一および第二湾曲部分の一端部が重合して対向湾曲部分へ摺動自在に取付けられて前記バンドの相対的全長を調節する、耳保温フレーム。 - 更に取付けヘッドを有する2つの耳カップを含み、各前記取付けヘッドが前記バンドの1つの湾曲部分の1つの突出部へ取付けられている、請求項1に記載の耳保温フレーム。
- 前記バンドの前記第一湾曲部分の通路は前記バンドの第一湾曲部分と一体的に形成され、前記バンドの前記第二湾曲部分の通路は前記バンドの第二湾曲部分と一体的に形成されている、請求項1に記載の耳保温フレーム。
- 前記バンドの前記第1湾曲部分はその内面上に一連の隆起部を有し、前記隆起部は前記バンドの第2湾曲部分によって形成される重合部と係合して、前記バンドの全長の調節を行う際に両湾曲部分の相対的摺動運動に対して抵抗するように構成されている、請求項1に記載の耳保温フレーム。
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