JP3798684B2 - 回転電機及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機及びその製造方法に係り、特に、整流子に給電するブラシを含んで構成される回転電機及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転電機(直流モータ等)においては、整流子の周面に摺接されるブラシによって電機子(コアの巻線)に給電している。このブラシは、ブラシホルダに一体に設けられたブラシケース内に収容されて保持されている。
【0003】
ところで、このような回転電機においては、整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ、等が、回転電機(整流子とブラシ)の整流機能を適正に行ない(整流の乱れを生じない)しかもモータ効率の低下や電機子の振動や騒音発生を防止するための要因であると考えられていた。このため、整流子等の加工精度を向上させて当該整流子の真円度等を高め、整流子におけるブラシとの摺接面を良好な状態にする(均一な摺接面とする)ことで、前述の如き整流の乱れあるいは振動や騒音の発生を低減させるように対策が嵩じられていた。
【0004】
ところが、整流子等の加工精度を向上させることで整流子におけるブラシとの摺接面を良好な状態にすると、整流機能を適正に行ない振動や騒音を低減することはできるものの、回転電機の作動時のブラシのスリップ音(所謂、ブラシ音)が発生したり、ブラシの異常摩耗が生じる等の新たな別の問題が発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる回転電機及びその製造方法を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の回転電機は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が形成された、ことを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の回転電機では、ブラシが整流子の周面に摺接されてこの整流子に給電する。
【0008】
ここで、整流子におけるブラシとの摺接面には、その周方向溝幅(周方向における凹部のピッチ)が10〜400マイクロメートルの範囲で、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が施されている。このため、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、このブラシが整流子の凸部と点接触または小さな面接触するように構成されている。なお、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸形状としては、例えば、凹凸の溝の横幅(周方向の幅)100μm、縦幅20μm程度、深さ0.8μm程度の微小寸法に設定する。
【0009】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0010】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
また、切削加工時に、切削バイトに超音波振動発生によって超音波振動を付与し、この切削バイトを介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すので、切削バイトに付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び切削加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0016】
請求項2に係る発明の回転電機は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時に10点平均表面粗さ(RZ)が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で、かつその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が形成された、ことを特徴としている。
【0017】
請求項3記載の回転電機では、ブラシが整流子の周面に摺接されてこの整流子に給電する。
【0018】
ここで、整流子におけるブラシとの摺接面には、10点平均表面粗さ(RZ)が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で、かつその周方向(周方向における凹部のピッチ)が10〜400マイクロメートルの範囲で、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を有している。このため、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、このブラシが整流子の凸部と点接触または小さな面接触するように構成されている。
【0019】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0020】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
また、切削加工時に、切削バイトに超音波振動発生によって超音波振動を付与し、この切削バイトを介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すので、切削バイトに付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び切削加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0021】
請求項3に係る発明の回転電機は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が施され、前記カーボン製ブラシの表面が、前記モータ回転軸の回転時に前記凹凸形状の凸部によって削られ、そのブラシ粉が前記凹部内に堆積することにより、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接になじみを持たせるよう構成した、ことを特徴としている。
【0022】
請求項3記載の回転電機では、ブラシが整流子の周面に摺接されてこの整流子に給電する。
【0023】
ここで、整流子におけるブラシとの摺接面には、その周方向(周方向における凹部のピッチ)が10〜400マイクロメートルの範囲で、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が施されており、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、ブラシの表面が前記凹凸形状の凸部によって削られ、そのブラシ粉が凹部内に堆積することによって整流子におけるブラシとの摺接になじみが持たされる(両者がなじむ)。
【0024】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0025】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す、整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
また、切削加工時に、切削バイトに超音波振動発生によって超音波振動を付与し、この切削バイトを介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すので、切削バイトに付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び切削加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0026】
請求項4に係る発明の回転電機は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向に広がった凹凸面が形成された、ことを特徴としている。
【0027】
請求項4記載の回転電機では、ブラシが整流子の周面に摺接されてこの整流子に給電する。
【0028】
ここで、整流子におけるブラシとの摺接面には、整流子の周方向に広がった凹凸面が施されている。このため、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、このブラシが整流子の凸部と点接触または小さな面接触するように構成されている。なお、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸形状としては、例えば、凹凸の溝の横幅(周方向の幅)100μm、縦幅20μm程度、深さ0.8μm程度の微小寸法に設定する。
【0029】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0030】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
また、切削加工時に、切削バイトに超音波振動発生によって超音波振動を付与し、この切削バイトを介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すので、切削バイトに付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び切削加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0031】
請求項6に係る発明の回転電機は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、その周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向に広がった凹凸面を有する、ことを特徴としている。
【0036】
請求項5に係る発明の回転電機は、回転軸の周りに固定された整流子と、前記整流子に摺接する複数のカーボン製ブラシと、を含み、前記整流子における前記複数のカーボン製ブラシと摺接する摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向ピッチが10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の軸線方向および周方向にほぼ規則正しく交互に配置された複数の山および谷が形成された、ことを特徴としている。
【0037】
請求項5記載の回転電機では、ブラシが整流子の周面に摺接されてこの整流子に給電する。
【0038】
ここで、整流子におけるブラシとの摺接面には、その周方向ピッチが10〜400マイクロメートルの範囲で、整流子の軸線方向および周方向にほぼ規則正しく交互に配置された複数の山および谷が形成されている。このため、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、このブラシが整流子の摺接面の山と点接触または小さな面接触するように構成されている。なお、整流子におけるブラシとの摺接面に施す山および谷の形状としては、例えば、周方向における谷のピッチ100μm、軸線方向における谷のピッチ20μm程度、深さ0.8μm程度の微小寸法に設定する。
【0039】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、整流子の軸線方向および周方向にほぼ規則正しく交互に配置された複数の山および谷は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0040】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す山および谷を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
また、切削加工時に、切削バイトに超音波振動発生によって超音波振動を付与し、この切削バイトを介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すので、切削バイトに付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び切削加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0041】
請求項6に係る発明の回転電機は、請求項5記載の回転電機において、前記整流子の摺接面に摺接すべく配置された前記カーボン製ブラシの摺接面を前記整流子の摺接面の複数の山によって削り、前記各カーボン製ブラシの摺接面から削られたブラシ粉を前記整流子の整流子面の複数の谷に蓄え、前記ブラシ粉が前記整流子の摺接面および前記カーボン製ブラシの摺接面の間の摩擦を減らす潤滑剤粉として機能するように、前記整流子の摺接面の複数の山および谷が形成されている、ことを特徴としている。
【0042】
請求項6記載の回転電機では、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時には、ブラシの摺接面が整流子の摺接面の複数の山によって削られ、各ブラシの摺接面から削られたブラシ粉が整流子の整流子面の複数の谷に蓄えられ(堆積され)、整流子におけるブラシとの摺接になじみが持たされる(両者がなじむ)。すなわち、複数の谷に蓄えられたブラシ粉が整流子の摺接面およびブラシの摺接面の間の摩擦を減らす潤滑剤粉として機能する。
【0043】
これにより、ブラシと整流子の摺接面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記山および谷は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0044】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す、整流子の軸線方向および周方向にほぼ規則正しく交互に配置された複数の山および谷を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
【0045】
請求項7に係る発明の回転電機の製造方法は、モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を備え、切削装置により前記整流子の摺接面に表面仕上げが施される回転電機の製造方法において、前記整流子の摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施した、ことを特徴としている。
【0046】
請求項7記載の回転電機の製造方法では、整流子の摺接面に、その周方向溝幅(周方向における凹部のピッチ)が10〜400マイクロメートルの範囲で、周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施す。なお、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸面としては、例えば、凹凸の溝の横幅(周方向の幅)100μm、縦幅20μm程度、深さ0.8μm程度の微小寸法に設定する。
【0047】
以上の方法により、整流子におけるブラシとの摺接面に施された凹凸面によって、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時にはこのブラシが整流子の凸部と点接触または小さな面接触するように構成される。
【0048】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0049】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
【0050】
なお、切削装置と振動発振装置によって整流子の摺接面に凹凸面を施すに際しては、例えば、切削加工における旋盤バイト刃に振動発振装置によって超音波振動を付与し、この旋盤バイト刃を介して整流子の摺接面に所定の凹凸形状を施すことができる。この場合には、旋盤バイト刃に付与する超音波振動の周波数及び振幅、及び旋盤加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
【0051】
また、凹凸面を、切削加工時に形成するので、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0052】
請求項8に係る発明の回転電機の製造方法は、請求項7記載の回転電機の製造方法において、前記凹凸面を、前記切削装置による前記整流子の表面仕上げ時に施す、ことを特徴としている。
【0053】
したがって、整流子の加工工程が増えることが無く、効率的である。
【0061】
請求項9に係る発明の回転電機の製造方法は、請求項7又は請求項8に記載の回転電機の製造方法において、前記網目状の凹凸面の粗さを、10点平均表面粗さ(RZ)が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で形成した、ことを特徴としている。
【0062】
請求項9記載の回転電機の製造方法では、整流子におけるブラシとの摺接面に、10点平均表面粗さ(RZ)が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で、凹凸面を施す。
【0063】
以上の方法により、整流子におけるブラシとの摺接面に施された凹凸面によって、ブラシが整流子に摺接しその初期摩耗時にはこのブラシが整流子の凸部と点接触または小さな面接触するように構成される。
【0064】
これにより、ブラシと整流子の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗が低減する。また、前記凹凸面は、例えば整流子の外形(外径)の真円度、整流子セグメントの段差、ブラシ位置と電機子(整流子)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子とブラシの整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0065】
したがって、整流子におけるブラシとの摺接面に施す凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシのスリップ音やブラシの異常摩耗をも低減することができる。
【0072】
請求項10に係る発明の回転電機の製造方法は、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法において、前記切削装置は旋盤であることと、前記整流子は前記旋盤によって保持され、かつ、前記旋盤によって所定回転速度で回転されることと、前記旋盤の切削バイトを前記整流子のほぼ放射方向に所定の周波数および所定の振幅で振動させるべく、前記超音波振動発生装置が前記切削バイトに接続されていることと、前記超音波振動発生装置によって前記切削バイトを振動させ、かつ、前記旋盤によって前記整流子を回転させながら、前記切削バイトを前記整流子の前記軸線方向に前記整流子の摺接面に沿って所定速度で移動させることと、を含むことを特徴としている。
【0073】
請求項10記載の回転電機の製造方法では、超音波振動発生装置によって切削バイトが振動され、しかも旋盤によって整流子が回転されながら、切削バイトが整流子の軸線方向に整流子の摺接面に沿って所定速度で移動されて、整流子の摺接面に、螺旋軌跡に沿って配置された網目状の凹凸面が施される。
【0074】
したがって、切削バイトに付与する振動の周波数及び振幅、及び旋盤加工機における整流子の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
図5には本発明の実施の形態に係る回転電機としてのモータ10の全体構成が断面図にて示されている。
【0076】
モータ10のヨークハウジング12は軸線方向一端部が絞り加工された有底の円筒形に形成されており、この底壁14には軸受16が配置されている。一方、ヨークハウジング12の他端部には、エンドハウジング18が固定されている。
【0077】
また、エンドハウジング18の中央部分には軸受20が配置されている。この軸受20及びヨークハウジング12の軸受16とによって電機子22の軸24が支持され電機子22がヨークハウジング12内に収容されている。電機子22に対向するヨークハウジング12の内周壁にはマグネット26が固着されている。
【0078】
電機子22と軸受20との間にはホルダプレート28が配置されている。このホルダプレート28は薄肉の合成樹脂から形成され、軸受20の側方に位置してエンドハウジング18に固定されている。
【0079】
図6に示す如く、ホルダプレート28には、一対のケース収容部30が設けられている。これらのケース収容部30は、電機子22の整流子23の軸線に対して直交する方向を長手方向として前後が開口する箱状でホルダプレート28に一体に設けられており、後述するブラシ・サブアッセンブリ32が収容されている。
【0080】
一方、ケース収容部30に収容されたブラシ・サブアッセンブリ32は、図7に示す如く、ブラシケース34を備えている。ブラシケース34は金属製とされており、ケース収容部30に対応する箱状に形成されている。また、このブラシケース34の外周面には、前後一対の弾性材36(本実施の形態においては、軟質樹脂材またはゴム材)がアウトサート成形によって一体に設けられている。
【0081】
各ブラシケース34内には、当該ブラシケース34の長手方向(即ち、整流子23の周面に対して接近及び離間する方向であると共に整流子23の半径方向でもある)に沿って摺動可能にカーボン製ブラシ38がスプリング40と共にそれぞれ収容されている。ブラシ38は角柱状に形成されており、その側面とブラシケース34の内壁面との間には僅かなクリアランスが設定されている。また、ブラシ38の前端面は、整流子23の周面に密着するように円弧面状に形成されている。
【0082】
スプリング40はブラシ38を常にブラシケース34から突出する方向へ付勢しており、これによって、ブラシ38は電機子22の整流子23に圧接されている。また、ブラシ38からは連結用ピッグテール42が引き出されており、ピッグテール42の先端部は、給電用の接続線に接続されている。
【0083】
以上の如く、ブラシ・サブアッセンブリ32は、ブラシケース34の弾性材36を介してケース収容部30に収容されてホルダプレート28上で保持されている。すなわち、各ブラシケース34(ブラシ38)はそれぞれ個別にフローティング支持された構成となっている。
【0084】
ここで、前述の如く構成されるモータ10の整流子23には、図2に示す如く、ブラシ38との摺接面に整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を有しており、ブラシ38の初期摩耗時に、このブラシ38が整流子23の凸部と点接触または小さな面接触するように構成されている。
【0085】
なお、整流子23におけるブラシ38との摺接面に施す、整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面としては、例えば、凹凸の溝の横幅(周方向の幅)100μm、縦幅20μm程度、深さ0.8μm程度の微小寸法に設定されている。また、この凹凸の溝は、10点平均表面粗さ(RZ)が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲とすると良い。
【0086】
さらにここで、前述の如き整流子23の摺接面に、整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施すに際しては、図1に示す如く、旋盤加工機50におけるバイト刃52に超音波発振ユニット54を接続し、これによりバイト刃52に超音波振動を付与し、このバイト刃52を介して整流子23の摺接面に所定の凹凸面を施すことができる。
【0087】
次に本実施の形態の作用を、整流子23の摺接面に、整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施す方法(手順)と併せて説明する。
【0088】
上記構成のモータ10の整流子23を製作するに際しては、整流子23の摺接面に凹凸面を施す。この場合、図1に示す如く、電機子22の軸24の一端部を旋盤加工機50のチャック56に保持すると共に、軸24の他端部をジグ58によって保持する。次いで、電機子22を所定の周速度で回転方向Aに向けて回転ると共に、バイト刃52を超音波発振ユニット54によって振動方向Bに振動させる。この状態で、バイト刃52を整流子23の摺接面に接触させ、送り方向Cに沿って移動させながら、整流子23の摺接面に加工を施す。
【0089】
これにより、整流子23におけるブラシ38との摺接面には、図2に示す如き所定形状・寸法の凹凸面が施される。この場合、バイト刃52に付与する超音波振動の周波数及び振幅、バイト刃52の送り速度、及び旋盤加工機50における整流子23(電機子22)の回転周速度を制御することにより、任意(所望)の形状・寸法の凹凸を整流子の摺接面に施すことができる。
【0090】
特にこの場合、超音波発振ユニット54によって振動方向Bに振動させられるバイト刃52の振幅によって凹凸の溝の深さが決定される。すなわち、前述した如く、例えば凹凸の溝の深さを0.8μm程度に形成する場合には、バイト刃52の振動方向Bにおける振幅を0.8μmに設定することで、当該溝深さの凹凸を形成できる。
【0091】
上記の如く整流子23におけるブラシ38との摺接面に、整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が施されたモータ10では、左右一対(陽極及び陰極)のブラシ38が整流子23の周面に摺接されてこの整流子23に給電する。
【0092】
ここで、このモータ10では、ブラシ38はブラシケース34に収容されており、さらにブラシケース34の外周面には弾性材36が設けられている。このブラシケース34が弾性材36を介してホルダプレート28上のケース収容部30に保持される。すなわち、各ブラシ38を収容するそれぞれのブラシケース34は、その外周面に設けられた弾性材36によって、それぞれ個別にフローティング支持されている。
【0093】
したがって、各ブラシ38を個別に整流子23に対して精度良く組付けることができ、組付位置ズレが生じ難い。また、モータ10の作動時においても、各ブラシ38が個別に整流子23の外形(整流子セグメントの段差)に追従移動することになり、整流子23に対して左右対称位置に精度良く位置させることができ、何れかのブラシ38が回転軸芯(マグネット極中心)に対してズレて(偏倚して)位置することが防止できる。このため、整流の乱れが生じることがなく、モータ効率の低下や電機子22の振動発生を防止することができる。
【0094】
さらに、このモータ10では、整流子23におけるブラシ38との摺接面に施された凹凸面によって、ブラシ38が整流子23に摺接しその初期摩耗時にはこのブラシ38が整流子23の凸部と点接触または小さな面接触するように構成される。
【0095】
これにより、ブラシ38と整流子23の周面との摺動摩擦の状態が安定し、結果的にブラシ38のスリップ音やブラシ38の異常摩耗が低減する。ここで、図3には、モータ10の作動時間に対するブラシ38の摩耗度合いを、前述の如く整流子23の摺接面に、整流子23の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施した場合とこのような凹凸を施さない場合とで比較した実験データが示されている。この図3において明らかなように、整流子23の摺接面に凹凸面を施した場合にはブラシ38の摩耗度合いが大幅に低減していることが解る。
【0096】
またここで、図4(A)には、前述の如く構成されたモータ10の「騒音と整流子23に施した凹凸面の溝の横幅(周方向の幅)との関係」が実験データとして示されている。この図4(A)にて解るように、整流子23に施した凹凸面の溝の横幅(周方向の幅)は騒音に密接に関係している。反面、当該凹凸面の溝の横幅(周方向の幅)が広くなり過ぎると、整流子23とブラシ38との接触面積が狭くなり、給電(通電)の面で不安定となり、整流の乱れやモータ効率の面で問題が生じることになる。そこで、「騒音」と「安定した整流及びやモータ効率」という両方の面で効果的な範囲として、凹凸面の溝の横幅(周方向の幅)を10〜400μmの範囲に設定する構成としている。これにより、整流の乱れが生じたりモータ効率が低下することなく、騒音をも大幅に低減することができる。
【0097】
またさらに、図4(B)には、前述の如く構成されたモータ10の「騒音と整流子23に施した凹凸面の溝の表面粗さとの関係」が実験データとして示されている。この図4(B)にて解るように、整流子23に施した網目状の凹凸面の溝の表面粗さ(RZ)は騒音に密接に関係している。反面、当該網目状の凹凸面の溝の表面粗さ(RZ)を、ある範囲を越えて粗くすることは、実際の(現実的な)加工やコスト上の観点から考慮するとあまり好ましくはなくなる。そこで、「騒音」と「安定した整流及びやモータ効率」という両方の面で効果的な範囲として、凹凸面の溝の表面粗さ(RZ)を、10点平均表面粗さ(RZ)として0.5〜10.0μmの範囲に設定する構成としている。これにより、ブラシ38と整流子23の周面との摺動摩擦の状態が一層安定し、整流の乱れが生じたりモータ効率が低下することなく、騒音をも大幅に低減することができる。
【0098】
また、前記凹凸面は、例えば整流子23の外形(外径)の真円度、整流子23の各セグメントの段差、ブラシ38の位置と電機子22(整流子23)の回転位置とのズレ等に影響を及ぼす各部の寸法に比べて相対的に極めて微小寸法であるため、整流子23とブラシ38の整流機能が損なわれることは無く、またモータ効率が低下したり電機子22の振動や騒音が発生する要因となることはない。
【0099】
またさらに、整流子23の各セグメントよりも黒鉛を含んで構成されるブラシ38の方が硬度低いため、モータ10の作動(電機子22の回転)に伴ってブラシ38の方が主に摩耗していく。そして、ブラシ38の摩耗粉が整流子23の凹部に埋まり、ブラシ38と整流子23との「なじみ」が一層増し、さらに振動低減の効果が発揮される。
【0100】
したがって、整流子23におけるブラシ38との摺接面に施す前述の如き凹凸面を好適に設定すれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子22の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシ38のスリップ音やブラシ38の異常摩耗をも低減することができる。
【0101】
このように、本実施の形態に係るモータ10及びその製造方法によれば、整流の乱れ、モータ効率の低下、電機子22の振動や騒音の発生等を防止することができるのみならず、ブラシ38のスリップ音やブラシ38の異常摩耗をも低減することができる。
【0102】
なお、前述した実施の形態においては、旋盤加工機50のバイト刃52に超音波発振ユニット54によって超音波振動を付与し、このバイト刃52を介して整流子23の摺接面に所定の凹凸面を施す構成としたが、整流子23の摺接面に凹凸面を施す他の方法(装置)としては、放電加工機を用いて凹凸面を施すことも可能であり、また、転造加工機を用いて整流子の摺接面に所定の凹凸形状を転写(転造)することで凹凸面を施すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るモータの整流子の摺接面に所定の凹凸面を施す加工方法及びその装置を示す概略的な構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るモータの整流子の摺接面に施された凹凸面を概念的に示す概略的な斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るモータの作動時間に対するブラシの摩耗度合いを、整流子の摺接面に凹凸面を施した場合とこのような凹凸を施さない場合とで比較した実験データを示す線図である。
【図4】(A)は、本発明の実施の形態に係るモータの騒音と整流子に施した凹凸面の溝の横幅(周方向の幅)との関係を示す実験データに基づいたグラフであり、(B)は、本発明の実施の形態に係るモータの騒音と整流子に施した凹凸面の溝の表面粗さとの関係を示す実験データに基づいたグラフである。
【図5】本発明の実施の形態に係るモータの全体構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るモータのホルダプレートに設けられたケース収容部及びブラシ・サブアッセンブリの構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るモータのブラシ・サブアッセンブリの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 モータ(回転電機)
22 電機子
23 整流子
32 ブラシ・サブアッセンブリ
34 ブラシケース
36 弾性材
38 ブラシ
50 旋盤加工機
52 バイト刃
54 超音波発振ユニット(振動発振装置)
Claims (10)
- モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、
前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が形成された、
ことを特徴とする回転電機。 - モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、
前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時に10点平均表面粗さ(R Z )が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で、かつその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が形成された、
ことを特徴とする回転電機。 - モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、
前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面が形成され、前記カーボン製ブラシの表面が、前記モータ回転軸の回転時に前記凹凸形状の凸部によって削られ、そのブラシ粉が前記凹部内に堆積することにより、前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接になじみを持たせるよう構成した、
ことを特徴とする回転電機。 - モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を含んで構成される回転電機において、
前記整流子における前記カーボン製ブラシとの摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向に広がった凹凸面が形成された、
ことを特徴とする回転電機。 - 回転軸の周りに固定された整流子と、前記整流子に摺接する複数のカーボン製ブラシと、を含み、前記整流子における前記複数のカーボン製ブラシと摺接する摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向ピッチが10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の軸線方向および周方向にほぼ規則正しく交互に配置された複数の山および谷が形成された、
ことを特徴とする回転電機。 - 前記整流子の摺接面に摺接すべく配置された前記カーボン製ブラシの摺接面を前記整流子の摺接面の複数の山によって削り、前記各カーボン製ブラシの摺接面から削られたブラシ粉を前記整流子の整流子面の複数の谷に蓄え、前記ブラシ粉が前記整流子の摺接面および前記カーボン製ブラシの摺接面の間の摩擦を減らす潤滑剤粉として機能するように、前記整流子の摺接面の複数の山および谷が形成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の回転電機。 - モータ回転軸に固定された整流子と、前記整流子の周面に摺接されて前記整流子に給電するカーボン製ブラシと、を備え、切削装置により前記整流子の摺接面に表面仕上げが施される回転電機の製造方法において、
前記整流子の摺接面に、切削バイトに超音波振動発生装置による振動を付与し、切削加工時にその周方向溝幅が10〜400マイクロメートルの範囲で、前記整流子の周方向及び軸方向に広がった網目状の凹凸面を施した、
ことを特徴とする回転電機の製造方法。 - 前記凹凸面を、前記切削装置による前記整流子の表面仕上げ時に施す、
ことを特徴とする請求項7記載の回転電機の製造方法。 - 前記網目状の凹凸面の粗さを、10点平均表面粗さ(R Z )が0.5〜10.0マイクロメートルの範囲で形成した、
ことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の回転電機の製造方法。 - 前記切削装置は旋盤であることと、
前記整流子は前記旋盤によって保持され、かつ、前記旋盤によって所定回転速度で回転されることと、
前記旋盤の切削バイトを前記整流子のほぼ放射方向に所定の周波数および所定の振幅で振動させるべく、前記超音波振動発生装置が前記切削バイトに接続されていることと、
前記超音波振動発生装置によって前記切削バイトを振動させ、かつ、前記旋盤によって前記整流子を回転させながら、前記切削バイトを前記整流子の前記軸線方向に前記整流子の摺接面に沿って所定速度で移動させることと、
を含むことを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法。
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