JP3798422B2 - 高周波回路素子 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、複数の共振器を備える高周波回路素子に関している。このような高周波回路素子は、通信システムに用いられる高周波信号処理装置のフィルタや分波器として好適に利用される。
【背景技術】
【0002】
共振器を基本構成要素として備える高周波回路素子は、高周波通信システムに不可欠の要素である。例えば、移動体通信システムは、周波数帯域を有効に利用するため、狭帯域フィルタとして機能する高周波回路素子を必要とする。また、移動体通信の基地局や通信衛星では、狭帯域・低損失で、かつ小型で大電力に耐えることのできるフィルタの開発が強く要望されている。
【0003】
また、近年開発が進んでいるミリ波あるいは準ミリ波帯の無線通信システムにおいては、従来、導波管によるフィルタが用いられてきたが、ここでも小型で低損失なフィルタが強く要求されている。
【0004】
現在用いられている共振器フィルタなどの高周波回路素子には、伝送線路構造が使用されたものがある。伝送線路構造を用いた高周波回路素子は、小型で、マイクロ波、ミリ波領域の高周波まで適用することができる。また、このような高周波回路素子は、基板上に形成された2次元的な構造を有し、他の回路や素子との組み合わせが容易であるため、広く利用されている。
【0005】
平面的な伝送線路構造の代表例として、円板型共振器の外周の一部に突起部を設けてダイポールモードを結合させることにより、フィルタ特性を発揮させる高周波回路素子が報告されている(米国特許5,172,084号明細書)。
【0006】
本発明者らは、図7に示す多段共振器フィルタを発明し、特開2000−77905号公報に開示している。このフィルタは、直線状に配置した3つの楕円型導体2a、2b、2cと、楕円型導体2aに結合した2つの結合端子6a、6bとを備えている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のフィルタによれば、フィルタ特性を示す曲線に減衰極を作ることができるが、所望の周波数において、所望の減衰量で減衰極を作るのが難しい。これは、楕円型導体2a、2b、2c間の結合度、フィルタ特性、および、フィルタ損失量の組み合わせにより、減衰極の周波数や減衰量を調節する必要があるからである。
【0008】
なお、特開平8−46413号公報や特開平10−308611号公報は、円板型導体または楕円型導体の共振器を備えた高周波回路素子を開示している。これらの高周波回路素子は、透過特性を精密に制御することが難しいという課題を有している。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、容易な構成で、所望の周波数・減衰量を実現する高周波回路素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の高周波回路素子は、主面を有する基板と、前記基板の主面上において直列的に結合するように配置された第1共振器、第2共振器、および第3共振器を含む複数の共振器を備えた高周波回路素子であって、前記第1、第2、および第3共振器の各々は、前記基板に支持された導体から形成されており、前記第1、第2、および第3共振器の各々の共振モードは、前記基板の主面に平行な面内において直交する方向に振動する2つの基本共振モードを含み、前記第2共振器は、前記第1共振器と前記第3共振器との間に配置されており、前記第2共振器の基本共振モードの振動方向は、前記第1共振器および/または前記第3共振器の基本共振モードの振動方向に対して0゜よりも大きく90゜よりも小さい角度を形成している。
【0011】
好ましい実施形態において、前記第2共振器は、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、前記第2共振器の2つの基本共振モードの振動方向は、それぞれ、楕円形状の長軸および短軸に平行である。
【0012】
好ましい実施形態において、前記第1および第3共振器の各々は、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、前記第1および第3共振器の各々の2つの基本共振モードの振動方向は、それぞれ、楕円の長軸および短軸に平行である。
【0013】
好ましい実施形態において、前記複数の共振器のいずれか1つに高周波信号を入力するための入力結合端子と、前記複数の共振器の他のいずれか1つから前記高周波信号を出力するため出力結合端子とを備えている。
【0014】
好ましい実施形態において、前記入力結合端子に結合された共振器および前記出力結合端子に結合された共振器は、それぞれ、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、前記楕円の長軸または短軸と前記楕円との交点から外れた位置で前記入力結合端子は前記共振器と結合し、かつ、前記楕円の長軸または短軸と前記楕円との交点から外れた位置で前記出力結合端子は前記共振器と結合している。
【0015】
好ましい実施形態において、前記第1共振器と前記入力結合端子とが直接接続されており、前記第3共振器と前記出力結合端子とが直接接続されている。
【0016】
好ましい実施形態において、前記基板を囲むように配置された金属筐体を更に備え、前記金属筐体を貫通するネジが配置されている。
【0017】
好ましい実施形態において、前記導体は超伝導体材料から形成されている。
【発明の効果】
本発明によれば、高い制度で減衰極を形成し、それによって急峻なフィルタ特性を示す高周波回路素子を、平面型の共振器を用いて簡便に提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
図1(a)〜(d)を参照しながら、本発明による高周波回路素子の第1の実施形態を説明する。
【0019】
本実施形態の高周波回路素子は、図1(a)および(b)に示されるように、主面を有する基板1と、基板1の主面上において直列的に結合するように配置された第1共振器21、第2共振器22、第3共振器23、および第4共振器24を備えている。
【0020】
各共振器21、22、23、24は、基板1の主面上に形成された楕円形の導体パターンから形成されており、各共振器21、22、23、24の共振モードは、基板1の主面に平行な面内において直交する方向に振動する2つの基本共振モード(ダイポールモード)を含んでいる。本明細書では、円形または楕円形の平面型共振器における基本共振モードのうち、共振周波数が最も低い基本共振モードを「ダイポールモード」と称することとする。円形の平面型共振器における共振モードは、円筒導波管の伝搬モードにおける電界分布と対応付けて特定される場合がある(参考文献:J. Watkins: "Circular resonant structures in microstrip," Electron. Lett., 5, 21, pp.524 (1969))。このような対応付けに従うと、本明細書における「ダイポールモード」は「TM11モード」と称される。
【0021】
図1に示す共振器21、22、23、24におけるダイポールモードの方向は、各々楕円の長軸および短軸の方向に等しい。すなわち、図1(a)において、双方向を指す矢印51、52の向きが第2共振器22における2つの独立したダイポールモードの方向を示している。また、矢印50は、第1共振器21におけるダイポールモードの1つを示している。
【0022】
真円形状を有する円板型共振器では、2つの独立したダイポールモードが縮退した状態にあり、2つのダイポールモードは同一の共振周波数を有している。これに対して、楕円型共振器では、2つのダイポールモードの縮退が解けるため、その共振周波数は、それぞれ、楕円の長軸および短軸によって規定される異なる値を有することになる。このため、楕円型共振器によれば、2つのモードを別々に利用することにより、1つの共振器でありながら、共振器周波数の異なる2つの共振器として機能させることが可能になる。
【0023】
本実施形態では、第1共振器21の基本共振モードの振動方向(矢印50)と第4共振器24の基本共振モードの振動方向とは平行であるが、第2共振器22の基本共振モードの振動方向(矢印51)は、第1共振器21の基本共振モードの振動方向(矢印50)に対して0゜よりも大きく90゜よりも小さい角度を形成している。また、第3共振器23の基本共振モードの振動方向は、第2共振器22の基本共振モードの振動方向(矢印51)と平行であり、第4共振器24の基本共振モードの振動方向に対して0゜より大きく90゜より小さい角度を形成している。
【0024】
本実施形態における共振器21〜24の構造は、図1(b)に示すように、基板1の主面上に金属膜(厚さ:例えば0.1〜10μm)からなる導体のパターンを形成することによって規定されている。基板1の裏面には、金属膜からなるグランドプレーン(厚さ:例えば0.1〜10μm)7が形成されている。
【0025】
基板1は、セラミックスなどの誘電体材料から形成されており、そのサイズは、例えば15mm×4mm×1.5mmである。好ましい実施形態において、上記の金属膜は、真空蒸着などの薄膜堆積技術によって基板1の主面に堆積される。導体パターンの形状および位置は、マスクを用いたエッチングやリフトオフ法によって任意に規定される。
【0026】
各共振器21、22、23、24を構成する楕円の導体パターンは、間隙部61、62、63を介して直列に並んでおり、平面的なマイクロ波伝送路が形成されている。
【0027】
直列的に配列された複数の共振器21、22、23、24のうち、一方の端に配置されている第1共振器21には入力結合点41で入力結合端子31が接続されている。直列的に配列された複数の共振器21、22、23、24のうち、他方の端に配置されている第4共振器24には出力結合点42で出力結合端子32が接続されている。本実施形態では、入力結合端子31を介して高周波信号(周波数:例えば15GHz〜20GHz)が入力され、出力結合端子32を介してフィルタされた高周波信号成分が出力される。
【0028】
入力結合端子31は、図1(c)に示すように、第1共振器21の楕円長軸(矢印50に平行な軸)から角度aだけ傾いた位置、すなわち楕円の第2象限(図1(c)の楕円の左上部分)の円周上に接続されている。これに対し、出力結合端子32は、共振器24の楕円の長軸から角度aだけ傾いた楕円の第4象限(図1(c)の楕円の右下部分)の円周上に接続されている。すなわち、入力結合端子31と出力結合端子32ともに共振器21、24の外周と共振器21、24の軸(長軸または短軸)との交点から外れた位置に結合している。
【0029】
入力結合端子31および出力結合端子32と接続された共振器21、24の結合度は、角度aが0のとき最も高い。この角度aが90°のときは、結合度が0となる。このため、角度aを0°以上90°未満(0°≦a<90°)の範囲で調整することにより、所望の結合度を得ることができる。このように角度aを調節することによって広い範囲で結合度を調節できるため、回路設計の自由度が上昇する。
【0030】
上記の入力結合端子31から第1共振器21に入力された高周波信号は第1共振器21で共振状態を形成する。この共振状態は、上記の角度aが0°のときは、楕円の長軸方向に振動(分極)するダイポールモードで規定されるが、角度aが0°<a<90°のときは、独立したモードの重畳によって規定される。具体的には、長軸方向に分極するダイポールモードと短軸方向に分極するダイポールモードとの重ね合わせによって共振状態を表現することができる。図1(c)に示す例では、角度aが0°に近くなるほど、長軸方向に分極するダイポールモードの成分が支配的となり、角度aが90°に近くなるほど、短軸方向に分極するダイポールモードの成分が支配的となる。
【0031】
図1(a)のレイアウトでは、同一形状を有する各共振器21、22、23、24の各々の楕円長軸方向が共振器配列方向(L方向)に略平行である。このため、第1共振器21において長軸方向に分極するダイポールモードが後段の共振器22、23、24に順次結合し、伝播してゆくことになる。
【0032】
図1(c)に示すように、第1共振器21の楕円は長軸方向の直径d1、短軸方向の直径d2を有している。また、図1(d)に示すように、第2共振器22の楕円は長軸方向の直径d3、短軸方向の直径d4を有している。
【0033】
第1共振器21において長軸方向に分極するダイポールモードは長軸方向の直径d1に依存する共振周波数を有する。同様に、短軸方向に分極するダイポールモードに関しては短軸方向の直径d2に依存する共振周波数を有する。本実施形態では、直径d1によって規定される中心周波数の高周波信号を透過するフィルタが実現される。このため、他の共振器22、23、24における楕円長軸方向の直径は、直径d1に一致するように設計されている。
【0034】
このようにして本実施形態では、長軸方向のダイポールモードのみを利用するため、各共振器21、22、23、24の導体パターンの真円ではなく、楕円に設定している。以下、本明細書では、「1−(短軸長/長軸長)」を「楕円率」と称することとする。この「楕円率」が0に等しいとき、その形状は円となる。したがって、本実施形態における各共振器の楕円導体は、いずれも、0より大きな楕円率を有している。本発明では、楕円率は0.01%以上であることが必要であり、1%以上であることが更に好ましい。また、楕円率を10%以上に設定しても良い。
【0035】
このように楕円率を0よりも大きな値に設定する理由は、短軸方向のダイポールモードの共振周波数を、回路が利用する周波数帯域(本実施形態では「透過帯域」)からは外れるようにするためである。すなわち、長軸方向のダイポールモードについて、所望の周波数で共振するようにd1を設定し、短軸方向のダイポールモードは回路に影響のない周波数で共振するようにd2を設定する。したがって、楕円率の大きさは、長軸方向のダイポールモードの周波数と、ダイポールモードは回路に影響のない周波数で共振するようにd2を設定する。したがって、「楕円率」は、共振周波数(透過帯域の中心周波数)と、後に説明する減衰極の周波数との差異をどの程度の大きさに設定するかに依存して適宜決定される。
【0036】
なお、共振器間の結合に関しては、間隙部61、62、63の間隔を適当に定めることにより、隣接する共振器中のダイポールモード同士の結合度も調整することができ、両端の共振器21、24の長軸方向のダイポールモードとの結合度は角度aにより調整することができる。したがって、本構造の高周波回路素子は、角度a、長軸直径d1および間隙部61、62、63の間隔を適当に設定することによって、4段の共振器結合フィルタとして動作する。
【0037】
本実施形態では、前述のように、4つの共振器21、22、23、24がL方向に沿って直線的に配置されているが、第2共振器22および第3共振器23の長軸方向は、第1共振器21および第4共振器24の長軸方向、すなわち、L方向に対して角度bだけ傾いて配置されている。このような配置により、第1共振器21の長軸方向のダイポールモードは、第2共振器22の短軸方向のダイポールモード52とも傾き角度bの調整によって結合できる。同様に、第3共振器23の短軸方向のダイポールモードも共振器21、22、24の長軸方向のダイポールモードとわずかに結合できる。
【0038】
この角度bは、結合する2つの共振器の間で透過すべき高周波成分の基本共振モードの分極方向(振動方向)が形成する角度である。この角度bは、0゜より大きく、45゜以下に設定される。
【0039】
共振器による上記モード結合により、短軸方向のダイポールモードの共振周波数に相当する周波数成分の信号が、短軸方向のダイポールモードによって吸収され、短軸方向のダイポールモードの共振周波数に相当する周波数で減衰極を作り出すことができる。
【0040】
以下、本実施形態の具体的構成をより詳しく説明する。
【0041】
本実施形態では、基板1として、Al2O3−MgO−Gd2O3−SiO2系セラミックフィラーとSiO2−Al2O3−B2O3−MgO−ZnO系ガラスからなるガラスセラミックス材(比誘電率:5.6、fQ値:33000)の薄板(厚さ0.5mm)を用いることができる。
【0042】
共振器の楕円パターンは、具体的には、長軸直径を3mm前後、短軸直径は長軸直径の0.5〜0.9倍の範囲で適切な比率に設定し、入出力線路3の線路幅を0.8mmとした。導電体は、厚さ10μmの銀薄膜から形成する。共振器の数および配置は、図1(a)に示すとおりであり。角度aおよびbは、それぞれ、20°および5°に設定する。
【0043】
図2は、上記構成の高周波回路素子が示す周波数特性(周波数に対する反射損・挿入損の関係)の一例を示している。ここで、「反射損」とは、入力結合端子31から入力した信号が反射する損出量であり、「挿入損」とは、入力結合端子31から入った信号が出力結合端子32から出るまでの損失量である。
【0044】
図2からわかるように、中心周波数近傍では、反射損が大きく、挿入損が小さい。中心周波数からずれると、反射損が小さくなり、挿入損が大きくなる。すなわち、中心周波数近傍での高いフィルタ効果が得られていることがわかる。
【0045】
また、図2に示されているように、第2共振器22および第3共振器23における短軸方向のダイポールモードの共振周波数に相当する周波数に2つの減衰極が形成されている。減衰極が2つ存在する理由は、第2共振器22の楕円短軸長と第3共振器23の楕円短軸長とが異なる大きさを有しているからである。第2共振器22および第3共振器23の短軸長は、例えば長軸長が3mmの場合において、それぞれ、2.9mmおよび2.8mmに設定され得る。共振器の数および楕円の短軸長を調節することにより、減衰極の数および位置(発生周波数)を任意に設定できる。
【0046】
このような減衰極を形成してフィルタ特性を急峻に変化させるためには、第2共振器22および/または第3共振器23の楕円長軸方向を第1共振器22および/または第4共振器24の楕円長軸方向から回転させる必要がある。このような楕円長軸の回転により、楕円短軸方向に振動する共振モードが引き起こされるからである。
【0047】
本実施形態によれば、このような減衰極の存在により、同じ段数の共振器を用いても、より急峻なフィルタ特性が得られる。
【0048】
従来、このような減衰極を形成するためには、共振器の飛び越し結合を利用するのが一般的であった。このような飛び越し結合を、仮に本発明で用いる共振器によって実現しようとすると、第1共振器21および第4共振器24の長軸方向のダイポールモード同士をわずかに直接結合させることになる。このような結合は、実現が非常に難しく、かつ、減衰極の周波数の精度が悪い。しかしながら、本発明によれば、簡単な構造で減衰極を形成できる。また、減衰極の周波数は、第2共振器22および第3共振器23の短軸方向の直径d4によって決定されるので、減衰極の周波数を高い精度で設定できる。
【0049】
比較例として、図3に示す構成の高周波回路素子を作製し、その反射損・挿入損特性を評価した。図4は、その結果を示すグラフである。図2のグラフを図4のグラフと比較すると、本実施形態では、より通過帯域の狭いフィルタ特性が実現していることがわかる。このように、通過帯域が狭くなる理由は、減衰極の存在によって挿入損の周波数依存性を示す曲線がシャープになるからである。
【0050】
なお、図1(a)は、4つの共振器21、22、23、24を備えた4段構成のフィルタを示しているが、本発明の共振器の段数は、4段に限定されるわけではなく、2段であっても、5段以上であってもよい。共振器21、22、23、24の導体パターンは、楕円形状を有している必要はなく、第2共振器22および第3共振器の少なくともひとつの導体パターンが楕円形状を有していればよい。また、2つの分極方向が異なる2以上の共振モードが実現する形態の導体パターンを有していれば、各共振器の導体パターンは楕円である必要もない。例えば、円板状の導体パターンの一部に切り欠き(ノッチ)が設けられたものであってもよい。重要な点は、周波数の異なる2以上の基本共振モードのうち、ひとつの基本共振モードで各共振器を結合し、他の基本共振モードに対応する振動数に減衰極を形成することにある。ただし、ノッチを形成した円板状導体を用いる場合よりも、楕円の導体を用いる場合の方が、減衰極の周波数を高い精度で制御しやすいという利点がある。
【0051】
なお、本実施形態では、第1共振器21および第4共振器24について、d1>d2の関係を満足する楕円形状を与えたが、逆にd1<d2になるようにしてもよい。その場合は、楕円の短軸方向のダイポールモードを所望の周波数で共振するようにd1を設定し、それに対して十分離れた周波数で長軸方向のダイポールモードが共振するようにd2を設定する。また、ある共振器における短軸方向のダイポールモードと、それに隣接する共振器における長軸方向のダイポールモードが結合するように、各軸の長さを整合させてもよい。
【0052】
また、第2共振器22および第3共振器23における短軸方向のダイポールモードを利用しているため、図2に示すように、通過帯域(共振周波数の近傍)よりも高い周波数帯域に減衰極を形成している。減衰極を通過帯域よりも低い周波数に設定したい場合は、逆にd3<d4の関係を満足するようにして、短軸方向のダイポールモードを通過帯域に合うようにd3を設定し、長軸方向のダイポールモードを減衰極の周波数に合わせてd4を設定することになる。同様に、減衰極を通過帯域の両側に作りたいときは、それらを組み合わせれば容易に実現できる。
【0053】
図5(a)〜(c)は、本実施形態における共振器の他の配置例を示す平面図である。図5(a)に示される例では、第1〜第3共振器21、22、23を備える3段共振器構成が形成されている。第1共振器22の楕円長軸方向は、第3共振器23の楕円長軸方向と平行であるが、第2共振器22の楕円長軸方向が他の共振器の楕円長軸方向との間に0°を超える角度を形成している。
【0054】
図5(b)に示される例では、第1〜第5共振器21、22、23、24、25を備える5段共振器構成が形成されている。この例では、第1共振器21、第3共振器23、および第5共振器25は、同一方向に向いた長軸を持つ楕円の導体パターンを有しており、第2共振器22および第4共振器24は、相互に反対側に回転した長軸を持つ楕円の導体パターンを有している。
【0055】
図5(c)に示される例では、第1〜4共振器21、22、23、24が少しずつ長軸方向の回転した楕円の導体パターンを有している。
【0056】
このように、本実施形態では、各共振器の配列を組み合わせることにより、多様なレイアウトで求めるフィルタ特性を実現することが可能なり、設計の自由度が大きく向上する。
【0057】
図1に示す高周波回路素子では、全ての共振器が楕円の導体パターンを有しているが、複数の共振器のうちの一部の共振器が円板型の導体パターンまたは他の形状を有する導体パターンから形成されていも良い。なお、全ての共振器を円板型の導体パターンから形成する場合は、少なくとも一部の共振器における導体パターンにノッチを形成するなどして、垂直な2方向に分極する2つの共振モードを誘起することが必要になる。
【0058】
各共振器の導体パターンは、滑らかな外形を有していることが好ましいが、直線的な外形を有していも良い。
【0059】
(実施形態2)
以下、図6を参照しながら、本発明による高周波回路素子の第2の実施形態を説明する。図6は、本実施形態に係る高周波回路素子の横方向断面図である。
【0060】
本実施形態では、基板1や共振器21、22、23、24の構造自体は、第1の実施形態における構造と同一であるが、基板1を取り囲む金属筐体8を更に備えている点で第1の実施形態と異なっている。
【0061】
本実施形態における金属筐体8のうち、基板1の上面側(共振器2が面している側)に位置する部分には、金属筐体8を貫通するように金属製のネジ9が設置されている。
【0062】
共振器21、22、23、24の中で共振している2つのダイポールモードの電磁界の一部は、共振器21、22、23、24の上方にも漏れだしている。本実施形態では、その漏れ磁界を利用してダイポールモードの共振周波数を微調整する。具体的には、漏れ磁界が存在する領域にネジ9を配置し、このネジ9の先端位置を制御することにより、ダイポールモードの共振周波数を微調整することが可能になる。
【0063】
このような構成を採用することにより、回路パターンの加工精度を緩めることができ、また、製造段階での歩留まりを向上させる効果がある。
【0064】
また、基板1の全体を金属筐体8で囲むことによって、共振器21、22、23、24から放射される電磁波を防ぐことができるので、回路の損失も低減させ、他の回路との干渉を防ぐことができるという利点もある。
【0065】
本実施形態では、金属からなるネジ9を用いることを例に挙げたが、必ずしも金属ねじである必要はなく、誘電体材料からなるネジや、また、金属棒、誘電体棒を、共振器の上方に設置することによっても、共振周波数を調整することが可能で、同等に有効である。また、2つ共振器の間の間隙部61、62上にネジ9を配置することで共振器間の結合度を調整することも可能になる。
【0066】
(その他の実施形態)
本発明の共振器を構成する導体パターンの材料として超伝導体を用いれば、さらに効果的である。一般に、共振器の導体材料として超伝導体を用いれば、導体損失が非常に小さくなり、共振器のQ値を飛躍的に向上させることができる。しかし、超伝導体を用いると、導体中の最大の電流密度がその超伝導材料の有する高周波電流に対する臨界電流密度の値を超えた場合に、超伝導性が破壊されてしまい、共振器としての動作が不可能になる。前記したように、本発明の共振器では、最大電流密度を低く抑えることができるため、導体を超伝導体によって構成することにより、従来の構造の共振器よりも大きな電力の高周波信号を扱うことが可能となり、その結果、大電力の高周波信号に対しても高いQ値を有する共振器を実現することができるので、有効性が非常に高い。
【0067】
前述の各実施形態では、基板には、Al2O3−MgO−Gd2O3−SiO2系セラミックフィラーとSiO2−Al2O3−B2O3−MgO−ZnO系ガラスからなるガラスセラミックス材(比誘電率:5.6、fQ値:33000)を用いたが、本発明で好適に使用できる基板の材料は、上記材料に限定されず、単結晶誘電体材料や樹脂材料などを含めた一般的な誘電体材料が利用可能である。但し、低損失で、急峻なフィルタ特性を発揮させるには、誘電損失が小さな材料を用いる必要がある。また、形状を小型にするには比誘電率の大きな材料が有効である。
【0068】
実施形態で用いたAl2O3−MgO−Gd2O3−SiO2系セラミックフィラーとSiO2−Al2O3−B2O3−MgO−ZnO系ガラスからなるガラスセラミックス材は比較的低誘電率で誘電損が非常に小さな材料で、ミリ波帯や準ミリ波帯など形状の小型化よりも低損失性が強く要求される場合に有効である。
【0069】
このように、比誘電率が10以下の材料は、とりわけ10GHz以上の高周波数域では特に有効である。また、小型化の要求が大きい10GHz以下の周波数帯では、逆に例えばBa(Mg、Ta)O3系セラミックス材(比誘電率24)などの比誘電率が10以上の材料がより望ましい。また、導体材料も必ずしも実施形態で用いた銀や超伝導体である必要はなく、金や銅アルミニウムなどの金属材料であれば、多少の損失の差はあるが同様に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、高い制度で減衰極を形成し、それによって急峻なフィルタ特性を示す高周波回路素子を、平面型の共振器を用いて簡便に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】(a)は、本発明による高周波回路素子の第1の実施形態を示す平面図、(b)は、そのI−I’線断面図、(c)は、第1共振器21の導体パターンおよび入力結合端子31を詳しく示す平面図、(d)は、第2共振器22を詳しく示す平面図である。
【図2】上記の実施形態にかかる高周波回路素子の周波数特性を示すグラフである。
【図3】比較例に係る高周波回路素子の平面図。
【図4】図3に示す高周波回路素子の周波数特性を示すグラフである。
【図5】(a)〜(c)は、本発明による高周波回路素子における共振器の種々の配置例を示す平面図である。
【図6】本発明による高周波回路素子の第2の実施形態の断面図である。
【図7】従来技術の高周波回路素子を示す平面図である。
Claims (8)
- 主面を有する基板と、
前記基板の主面上において直列的に結合するように配置された第1共振器、第2共振器、および第3共振器を含む複数の共振器を備えた高周波回路素子であって、
前記第1、第2、および第3共振器の各々は、前記基板に支持された導体から形成されており、
前記第1、第2、および第3共振器の各々の共振モードは、前記基板の主面に平行な面内において直交する方向に振動し、共振周波数の異なる2つの基本共振モードを含み、
前記第2共振器は、前記第1共振器と前記第3共振器との間に配置されており、前記第2共振器の基本共振モードの振動方向は、前記第1共振器および/または前記第3共振器の基本共振モードの振動方向に対して0゜より大きく45゜以下となる角度を形成し、
前記第1、第2、および第3共振器は、互いの振動方向が45°以下となる角度を形成する基本共振モードで結合する、高周波回路素子。 - 前記第2共振器は、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、
前記第2共振器の2つの基本共振モードの振動方向は、それぞれ、楕円形状の長軸および短軸に平行である、請求項1に記載の高周波回路素子。 - 前記第1および第3共振器の各々は、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、
前記第1および第3共振器の各々の2つの基本共振モードの振動方向は、それぞれ、楕円の長軸および短軸に平行である、請求項1に記載の高周波回路素子 - 前記複数の共振器のいずれか1つに高周波信号を入力するための入力結合端子と、前記複数の共振器の他のいずれか1つから前記高周波信号を出力するため出力結合端子とを備えている、請求項1に記載の高周波回路素子。
- 前記入力結合端子に結合された共振器および前記出力結合端子に結合された共振器は、それぞれ、前記主面に平行な断面が楕円の形状を有する導体から形成されており、
前記楕円の長軸または短軸と前記楕円との交点から外れた位置で前記入力結合端子は前記共振器と結合し、かつ、前記楕円の長軸または短軸と前記楕円との交点から外れた位置で前記出力結合端子は前記共振器と結合している、請求項1に記載の高周波回路素子。 - 前記第1共振器と前記入力結合端子とが直接接続されており、前記第3共振器と前記出力結合端子とが直接接続されている、請求項1に記載の高周波回路素子。
- 前記基板を囲むように配置された金属筐体を更に備え、
前記金属筐体を貫通するネジが配置されている、請求項1に記載の高周波回路素子。 - 前記導体は超伝導体材料から形成されている請求項1に記載の高周波回路素子。
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