JP3798006B2 - 保護帽子 - Google Patents

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本発明は、例えば、幼稚園児など子供の転倒事故や衝突事故時に頭部を保護すると共に、つぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にできるようにして収納や持ち運びがし易いようにした保護帽子に関する。
幼稚園児などの子供は、転倒したり遊具等にぶつかったりして頭部を怪我し易い。また、小さい子供を自転車の前籠や後籠に載せて買い物等に行く際に転倒し、籠から投げ出された子供が頭部を強打して怪我をするという事故も多く報告されている。
このような事故から怪我を防止するものとして、例えば特許文献1に示すような保護帽子が従来から提案されている。この帽子は、表布と裏布との間に、木綿や化学繊維製の繊維体を有するキルティング地を設けて耐衝撃性を備えるよう構成されている。
実開昭57−162325号公報
しかし、上記した従来の保護帽子には、次のような課題があった。
まず、幼児用の帽子は、耐衝撃性を高めるためにキルティング地が厚目に入れられている。そのため帽子は柔軟性が十分でなく、つぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にし難く収納効率が悪かった。また、帽子を無理につぶしたり折り畳んだりすると型くずれをおこすこともあった。
本発明の目的は、被冠部をつぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にできるようにして収納や持ち運びがし易いようにした保護帽子を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
緩衝体を内蔵し、外部の衝撃から頭部を保護する保護帽子であって、
柔軟性を有するれんげを互いに縫い合わせて形成された変形性または柔軟性を有する被冠部を備え、当該被冠部の内側には、変形性または柔軟性を有しチューブ体の内部に固形の緩衝材を充填してなるクッション性を備え緩衝体が、上記被冠部をつぶす或いは折り畳めるような隙間をあけて螺旋状、渦巻き状または同心円状に設けてあことを特徴とする、保護帽子である。
(作 用)
本発明に係る保護帽子は、被冠部を頭部に被って着用する。本発明に係る保護帽子は、被冠部の内側に緩衝体を備えているので、例えば、遊具等に頭部をぶつけたような場合でも、緩衝体によって衝撃が和らげられ、頭部の怪我が防止できる。
本発明に係る保護帽子は、緩衝体が被冠部内に、被冠部をつぶす或いは折り畳めるようにする隙間をあけて螺旋状、渦巻き状または同心円状に設けてある。従って、例えば、上方から力を加えれば、隙間と対応する部分の被冠部が変形して被冠部をつぶす或いは折り畳むことができる。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る保護帽子は、被冠部の内側に緩衝体を備えているので、例えば、遊具等に頭部をぶつけたような場合でも、緩衝体によって衝撃が和らげられ、頭部の怪我が防止できる。
(b)本発明に係る保護帽子は、緩衝体が被冠部内に、被冠部をつぶす或いは折り畳めるようにする隙間をあけて螺旋状、渦巻き状または同心円状に設けてある。従って、例えば、上方から力を加えれば、隙間と対応する部分の被冠部が変形して被冠部をつぶす或いは折り畳むことができる。このように保護帽子は、コンパクトな形状にできるので収納効率が良い。また、持ち運び易く、携帯にも便利である。
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る保護帽子の第1の実施の形態を示す斜視説明図、
図2は図1に示す保護帽子を下側から見た状態の斜視説明図、
図3は図1に示す保護帽子の底面図である。
符号H1は幼児用の保護帽子を示している。保護帽子H1は帽子本体1を備えている。
帽子本体1は、柔軟性を有する略三角形状の六枚のれんげ100を互いに縫い合わせて半球形状の被冠部(「クラウン」とも言う)10を形成しており、その被冠部10の外縁部の全周につば部11を設けて構成してある。
本実施の形態で帽子本体1を構成する被冠部10及びつば部11は綿製の布を用いて形成した。しかし、帽子本体1を形成する材料はこれに限定するものではなく、例えば、絹や麻等の天然繊維製のもの、合成繊維製のものを使用することもできる。
れんげ100を縫い合わせた内側の箇所には、所要幅を有する帯布101が、れんげ100の縫い目を隠すよう当該縫い目の全長にわたり縫い付けてある。帯布101は、被冠部10の中心部(「クラウントップ」とも言う)で交差するよう三本設けてあり、いわば中心部から放射形状を形成するようしてある。
また、被冠部10内とつば部11とが接する部分には、所要幅を有する連結帯102が全周にわたって環状になるよう縫い付けてある。連結帯102は帯布101とも縫い付けてある。
更に被冠部10内には、外部から受けた衝撃を和らげるための緩衝体である緩衝部材2が設けてある。緩衝部材2は、変形性または柔軟性を有しており、細いチューブ体の内部に固形の緩衝材を充填して所要長さを有するよう形成してある。
本実施の形態でチューブ体内に充填する緩衝材は、小径のパイプ形状を有する合成樹脂材を使用したが、これは限定するものではなく、例えば、繊維状や粒状のものを使用することもできる。また、材料も綿等の天然のものや、ポリエチレン、ポリプロピレン、発泡スチレンや発泡ウレタン等の他の合成樹脂製のものを使用することもできる。
緩衝部材2は、一端を被冠部10の中心部に固定し、そこから外縁に向かって間に隙間が形成されるよう螺旋状(渦巻き状)に設けて、れんげ100、帯布101や連結帯102に縫い付けてある。上記した隙間は、被冠部10をつぶす或いは折り畳むのを助けるような間隔であれば良い。本実施の形態では10〜15mm程度に設定したが、この隙間の幅は、被冠部10をつぶす或いは折り畳むのを助けることができれば、特に限定するものではない。
緩衝部材2のつば部11側において対向する二箇所には、着用時に耳を囲むよう外側に配置される耳保護部3,3が設けてある。耳保護部3,3は、緩衝部材2と同じ材料を使用して形成してあり、両端を間隔をあけて所要箇所に縫い付けて略「U」字状に設けてある。
耳保護部3,3の下部間には、伸縮可能なゴム紐製のあご紐4が緩やかに架け渡して設けてある。
(作 用)
図4は図1に示す保護帽子を上方から力を加えてつぶした状態を示す斜視説明図である。
図1ないし図4を参照して、本実施の形態で示す保護帽子H1の作用を説明する。
保護帽子H1は、被冠部10を頭部に被り、耳保護部3,3を両方の耳に掛け、あご紐4もあごに掛けて着用する。保護帽子H1によれば、例えば、遊具等に頭部をぶつけたような場合でも、緩衝部材2によって衝撃が和らげられるので頭部の怪我が防止できる。また、耳保護部3,3も緩衝部材と同じ材料で形成してあり緩衝効果を有するので、例えば、ボールが頭部の側部に当たったような場合も衝撃を和らげることができる。
保護帽子H1は、被冠部10内に緩衝部材2が隙間を設けた状態で螺旋状に設けてあるので、図4に示すように上方から力を加えれば、この隙間と対応する部分のれんげ100が変形して、緩衝部材2が隙間があった方向に動くようになる。従って、簡単につぶすことができる。こうして保護帽子H1は、コンパクトな形状にできるので収納効率が良い。
また、持ち運び易く、携帯にも便利である。
このように保護帽子H1は、薄く柔軟性を有するれんげ100が変形するので、つぶして収納していたような場合でも、使用時には元の形状にも戻り易く型くずれし難い。
保護帽子H1は、所要長さを有するチューブ体からなる緩衝部材2を帽子本体1の内面に螺旋状に巻いて設けるだけで良いので製造が簡単である。
また、保護帽子H1は緩衝部材が隙間を形成するよう設けてあるので、着用した状態でも被冠部10内に緩衝部材2の厚みの分の空気の層を形成することができる。これにより、例えば、夏は蒸れにくく冬は保温効果に優れるという効果を有する。
本実施の形態において保護帽子H1は、幼児用のものを一例として示したが、これは限定するものではなく大人用の帽子として構成することもできる。また、帽子本体の形状も図示したものに限定するものではなく、例えば、キャップ状やハット状等の種々の形状のものが採用できる。
本実施の形態において緩衝部材2は、細いチューブ体の内部に固形の緩衝材を充填して形成したものを使用したが、これは限定するものではなく、緩衝性と共に変形性や柔軟性等を有していれば、例えば、チューブに気体や液体(ジェル状を含む)を充填したものを使用することもできるし、予め緩衝部材が中実状に形成してあるものものを使用することもできる。例えば、液体を充填したものの場合は、この液体を温めたり冷やしたりすることで、頭部を温めたり冷やしたりできる効果も持たせることができる。
図5は本発明に係る保護帽子の第2の実施の形態を示す底面図である。
なお、図5において、上記図1ないし図4で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
保護帽子H2は、直径の異なる環形状の緩衝体である緩衝部材20、21、22、23を複数備えており同心円状に設けてある。保護帽子H2の作用は、上記した保護帽子H1と同じであるので説明は省略する。
図6は本発明に係る保護帽子の第3の実施の形態を示す分解斜視説明図である。
なお、図6において、上記図1ないし図4で示したものと同一または同等箇所には同一の符号を付して示している。また、以下の説明において構造について上記で示した箇所と重複する説明は、必要な事項を除き省略する。
保護帽子H3は、帽子本体1aと、帽子本体1a内に着脱自在に取り付けられる緩衝体5を備えている。
帽子本体1aは、れんげ100を縫い合わせて形成してある被冠部10と、被冠部10の外縁部の全周に設けてあるつば部11を備えており、れんげ100の縫い合わせ箇所には、表面(下面)に着脱手段を構成する面ファスナーの構成部材を設けた帯布101aが縫い付けてある。
緩衝体5は、上記した被冠部10の帯布101aと対応するよう放射状に設けてある帯布50を備えている。帯布50の表面(上面)には、上記した面ファスナーと着脱可能な構成部材が設けてある。帯布50の端部には、所要幅を有する帯状の連結帯51が全周にわたって環状になるよう設けてある。帯布50及び連結帯51で構成したものの内側には、所要長さを有する緩衝体である緩衝部材52が螺旋状(渦巻き状)に縫い付けてある。
緩衝部材52は上記した緩衝体2と同等の構造を有する。
(作 用)
図6を参照して、本実施の形態で示す保護帽子H3の作用を説明する。
なお、上記した保護帽子H1と共通する構成により生じる同様の作用、効果については説明を省略し、相違する点についてのみ説明する。
保護帽子H3は、緩衝体5を帽子本体1aの内部に入れ、緩衝体5を構成する帯布50を、帽子本体1aを構成する帯布101aに面ファスナーによって着けて一体化した状態で使用される。保護帽子H3は、このように面ファスナーによって緩衝体5と帽子本体1aを一体化するので、簡単に分離させることができる。これにより例えば、緩衝体5だけを洗濯したり交換したりできる。また、緩衝体5を別の帽子本体に設けることもでき、この場合では例えば自分の好みの帽子を緩衝体付きのものに変えるようなこともできる。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
本発明に係る保護帽子の第1の実施の形態を示す斜視説明図。 図1に示す保護帽子を下側から見た状態の斜視説明図。 図1に示す保護帽子の底面図。 図1に示す保護帽子を上方から力を加えてつぶした状態を示す斜視説明図。 本発明に係る保護帽子の第2の実施の形態を示す底面図。 本発明に係る保護帽子の第3の実施の形態を示す分解斜視説明図。
符号の説明
H1,H2,H3 保護帽子
1、1a 帽子本体
10 被冠部
100 れんげ
101、101a 帯布
102 連結帯
11 つば部
2 緩衝部材
20 緩衝部材
3 耳保護部
4 あご紐
5 緩衝体
50 帯布
51 連結帯
52 緩衝部材

Claims (1)

  1. 緩衝体を内蔵し、外部の衝撃から頭部を保護する保護帽子であって、
    柔軟性を有するれんげ(100)を互いに縫い合わせて形成された変形性または柔軟性を有する被冠部(10)を備え、当該被冠部(10)の内側には、変形性または柔軟性を有しチューブ体の内部に固形の緩衝材を充填してなるクッション性を備え緩衝体(2)が、上記被冠部をつぶす或いは折り畳めるような隙間をあけて螺旋状、渦巻き状または同心円状に設けてあことを特徴とする、
    保護帽子。
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