JP3843120B2 - 保護帽子 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、幼稚園児など子供の転倒事故や衝突事故時に頭部を保護したり、ゴルフのラウンド時においてプレイヤーやギャラリーの頭部をゴルフボールの飛来事故から保護すると共に、つぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にできるようにして収納や持ち運びがし易いようにした保護帽子に関する。
幼稚園児などの子供は、転倒したり遊具等にぶつかったりして頭部を怪我し易い。また、小さい子供を自転車の前籠や後籠に載せて買い物等に行く際に転倒し、籠から投げ出された子供が頭部を強打して怪我をするという事故も多く報告されている。
このような事故から怪我を防止するものとして、例えば特許文献1に示す保護帽子が従来から提案されている。この帽子は、表布と裏布との間に、木綿や化学繊維製の繊維体を有するキルティング地を設けて耐衝撃性を備えるよう構成されている。
また、ゴルフのラウンド時において、打ったボールが他のプレイヤーやギャラリーの頭部を直撃するという事故も発生している。ゴルフボールの飛来事故は、死亡事故となる場合もあり大変危険である。
この場合も、例えば特許文献2に示す保護帽子が提案されている。この帽子は、頭部を覆うよう形成された部分の外側全体が硬質の合成樹脂で形成されており、その内側に発泡させた合成樹脂を設けて構成されている。
実開昭57−162325号公報 実開平3−63370号公報
しかし、上記した従来の保護帽子には、次のような課題があった。
まず、幼児用の帽子は、耐衝撃性を高めるためにキルティング地が厚目に入れられている。そのため帽子は柔軟性が十分でなく、つぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にし難く収納効率が悪かった。また、帽子を無理につぶしたり折り畳んだりすると型くずれをおこすこともあった。
同様にゴルフ用の帽子も、全体が硬質の合成樹脂で形成されているので、つぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にすることができなかった。そのため収納や持ち運びに不便であった。
本発明の目的は、被冠部をつぶして或いは折り畳んでコンパクトな状態にできるようにして収納や持ち運びがし易いようにした保護帽子を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、緩衝体を内蔵し、外部の衝撃から頭部を保護する保護帽子であって、柔軟性を有するれんげを互いに縫い合わせて形成された変形性または柔軟性を有する被冠部を備え、当該被冠部を構成する各れんげと対応する箇所には、外側が硬く内側がクッション性を有し且つ帽子本体のつば部側から中心部側に分割された四つの小片を備えてなる緩衝体が設けてあり、当該緩衝体の小片は、上記被冠部をつぶす或いは折り畳めるような隙間をあけて設けてあることを特徴とする、保護帽子である。
(作 用)
本発明に係る保護帽子は、被冠部を頭部に被って着用する。本発明に係る保護帽子は、被冠部の内側に緩衝体を備えているので、例えば、遊具等に頭部をぶつけた場合でも、緩衝体によって衝撃が和らげられ、頭部の怪我が防止できる。
また、被冠部全体に、外側が硬く内側がクッション性を有する緩衝体の小片が設けてあるものも、例えば、ゴルフボール用のボールが被冠部に当たった場合に、硬い側でボールを跳ね返し、クッション性を有する側によって当たったときの衝撃を和らげることができるので、怪我し難い。
本発明に係る保護帽子は、緩衝体の小片が、被冠部をつぶす或いは折り畳めるようにする隙間をあけた状態で複数設けてある。従って、例えば、上方から力を加えれば、隙間と対応する部分の被冠部が変形して被冠部をつぶす或いは折り畳むことができる。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明に係る保護帽子は、被冠部の内側に緩衝体を備えているので、例えば、遊具等に頭部をぶつけた場合でも、緩衝体によって衝撃が和らげられ、頭部の怪我が防止できる。
また、被冠部全体に、外側が硬く内側がクッション性を有する緩衝体の小片が設けてあるものも、例えば、ゴルフボール用のボールが被冠部に当たった場合に、硬い側でボールを跳ね返し、クッション性を有する側によって当たったときの衝撃を和らげることができるので、怪我をし難い。
(b)本発明に係る保護帽子は、緩衝体の小片が、被冠部をつぶす或いは折り畳めるようにする隙間をあけた状態で複数設けてある。従って、例えば、上方から力を加えれば、隙間と対応する部分の被冠部が変形して被冠部をつぶす或いは折り畳むことができる。このように保護帽子は、コンパクトな形状にできるので収納効率が良い。また、持ち運び易く、携帯にも便利である。
(c)本発明に係る保護帽子は、緩衝体が隙間をあけて設けてあるので、着用した状態で被冠部内に緩衝体の厚みの分の空気の層を形成することができる。これにより、例えば、夏は蒸れにくく冬は保温効果に優れるという効果を有する。
本発明の実施の形態を図面に基づき更に詳細に説明する。
は本発明に係る保護帽子の実施の形態を示す斜視説明図、
は図に示す保護帽子に内蔵してある緩衝体のひとつを拡大して示す一部切り欠き説明図、
は図に示す緩衝体から袋体を取り除いて内部構造を示す説明図、
は保護帽子の一部を横方向に断面した状態を示す断面説明図である。
符号H4はキャップ状の保護帽子を示している。保護帽子H4は帽子本体6を備えている。帽子本体6は、柔軟性を有する略三角形状の六枚のれんげ600を互いに縫い合わせて半球形状の被冠部60を形成しており、その被冠部60の一部につば部61を設けて構成してある。被冠部60の内面には、網状(メッシュ状)の裏布601(図参照)が設けてある。
本実施の形態で帽子本体6を構成する被冠部60及びつば部61は綿製の布を用いて形成した。しかし、帽子本体6を形成する材料はこれに限定するものではなく、例えば、絹や麻等の天然繊維製のもの、合成繊維製のものを使用しても良い。
れんげ600と裏布601との間には、外部から受けた衝撃を和らげるための緩衝体7が挟まれて内蔵してある。緩衝体7は、被冠部60を構成する各れんげ600と略同じ大きさ及び形状を有しており、各れんげ600と対応するよう六箇所に設けてある。
各緩衝体7は、柔軟性を有する略三角形状の二枚の合成樹脂製の織布700を重ね合わせ、外縁部の全周を互いに縫い合わせて綴じた袋体70を有している(図参照)。袋体70の内部には衝撃吸収部材71が設けてある。衝撃吸収部材71は、もともと袋体70の形状と同じ略三角形状を有し、被冠部60の球形状に沿うよう湾曲していたものを、長さ方向に分割して四つの小片からなるよう形成してある。
衝撃吸収部材71は、外側に硬い合成樹脂製の硬質部710を備え、その内側に発泡合成樹脂製の軟質部711を重ねることで構成してある。また、硬質部710の外面は、山部と谷部が幅方向に連なって凸凹形状を有するよう形成してある(図,図,図参照)。各小片は、帽子本体6のつば部61側に配置されるものの方が、中心部側に配置されるものより大きく、また、山部と谷部の幅方向の間隔も広くなるよう形成してある。硬質部710の内部には中空部712が設けてある(図参照)。なお、硬質部710の外面に形成した凸凹形状は、緩衝体に衝撃力を分散する手段を構成する。
本実施の形態で衝撃吸収部材71は、硬質部710を硬い合成樹脂で形成し、軟質部711を発泡合成樹脂で形成した。しかし、これは限定するものではなく、硬質部は衝突したボール等を跳ね返すことができれば、例えば、金属、竹材、木材等が使用でき、また、軟質部は衝撃を和らげることができれば、例えば、綿等の天然のものや、他の合成樹脂製のもの(発泡していないものも含む)が使用できる。
各衝撃吸収部材71は、小片と小片との間にそれぞれ所要の隙間を設けた状態で袋体70内に内蔵される。各衝撃吸収部材71を内蔵した袋体70には、上記した隙間と対応する位置にミシン目701が設けてあり、小片が袋体70内でずれて重ならず、間に常に隙間が形成される(図参照)。
(作 用)
は図に示す保護帽子を上方から力を加えてつぶした状態を示す斜視説明図である。
ないし図を参照して、本実施の形態で示す保護帽子H4の作用を説明する。
保護帽子H4は被冠部60を頭部に被って着用する。保護帽子H4によれば、例えば、ゴルフボール用のボールが被冠部60に当たった場合でも、衝撃吸収部材71の硬質部710によってボールを跳ね返し、柔軟部711によって当たったときの衝撃を和らげることができる。また、衝撃吸収部材71の硬質部710は、中空部712を備えており、ボールが当たることによりやや変形可能であるので、このことによっても衝撃が緩和される。従って、ボールが被冠部60に当たった場合でも怪我をし難い。
更に、保護帽子H4は、ボールを跳ね返す衝撃吸収部材71の硬質部710が凸凹形状を有するよう形成してあるので、ボールが谷部を跨いで山部に当たる。この場合では、ボールの衝突力を分散させて広い面積で受けるので、衝撃が部分的に集中してかからず、衝撃を受けた際の装着者が受ける負担が軽減される。また、これにより衝撃吸収部材71も破損し難くなる。なお、衝撃吸収部材71は小片と小片との間に所要の隙間を設けているが、この隙間はゴルフボールが入り込まない程度に設定してあるので、ボールによる衝撃は確実に衝撃吸収部材71に当たる。
保護帽子H4は、衝撃吸収部材71の小片が袋体内で隙間を設けて形成してあり、しかもミシン目701によって各小片が動かないようにしてあるので、図11に示すように上方から力を与えれば、隙間と対応する部分のれんげ600を変形させて簡単につぶせる。
こうして保護帽子H4は、コンパクトな形状となり収納効率が良い。また、持ち運び易く、携帯にも便利である。
保護帽子H4は、薄く柔軟性を有するれんげ600が変形するので、つぶして収納していた場合でも、使用時には元の形状にも戻り易く型くずれし難い。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
本発明に係る保護帽子の実施の形態を示す斜視説明図。 に示す保護帽子に内蔵してある緩衝体のひとつを拡大して示す一部切り欠き説明図。 に示す緩衝体から袋体を取り除いて内部構造を示す説明図。 保護帽子の一部を横方向に断面した状態を示す断面説明図。 に示す保護帽子を上方から力を加えてつぶした状態を示す斜視説明図。
符号の説明
H4 保護帽子
6 帽子本体
60 被冠部
600 れんげ
601 裏布
61 つば部
7 緩衝体
70 袋体
700 織布
701 ミシン目
71 衝撃吸収部材
710 硬質部
711 柔軟部
711 軟質部
712 中空部

Claims (1)

  1. 緩衝体を内蔵し、外部の衝撃から頭部を保護する保護帽子であって、
    柔軟性を有するれんげ(600)を互いに縫い合わせて形成された変形性または柔軟性を有する被冠部(60)を備え、当該被冠部(60)を構成する各れんげ(600)と対応する箇所には、外側が硬く内側がクッション性を有し且つ帽子本体のつば部側から中心部側に分割された四つの小片を備えてなる緩衝体(7)が設けてあり、当該緩衝体(7)の小片は、上記被冠部(60)をつぶす或いは折り畳めるような隙間をあけて設けてあることを特徴とする、
    保護帽子。
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