JP3797836B2 - リモートメンテナンスシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サービスを必要とする対象システムとサービスの提供主体とをネットワークによって接続して遠隔地からサービスを提供するリモートメンテナンスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、調整・監視・保守などのメンテナンスサービスを必要とする機器装置類やシステムがそのサービス提供主体(サービスセンター)の存在する場所から遠隔の地(遠隔サイト)にある場合に、両端サイト間で様々な時系列データをネットワークを介してやりとりしてサービスすることがリモートメンテナンスシステムとして提案されている。
【0003】
図20は、上記した従来のリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【0004】
図20において、リモートメンテナンスシステムは、対象システム1と監視制御ユニット2とリモート監視制御センター10とがネットワーク通信網9によって接続され、監視制御ユニット2は、運転履歴データベース3とデータロギングモジュール4と運転状態パラメータ生成モジュール5と制御指令設定モジュール6と監視モニタ7とゲートウェイモジュール8とから構成されている。
【0005】
まず、対象システム1の計測データ101は、通常データ群毎に一定時間間隔でサンプリング計測が行われている。そして、監視制御ユニット2内のデータロギングモジュール4により、有限語長化されたデジタルデータとして運転履歴データベース3に運転履歴データ102として記憶される。また、データロギングモジュール4から適当なデータ群毎に監視モニタ7に所定の時間区間の計測データがそのまま表示され対象システム1の挙動を示す監視情報としてオンサイトで利用される。
【0006】
次に、計測データ101の一部は、運転履歴データベース3から運転状態パラメータ生成用計測データ104として取り出され、運転状態パラメータ生成モジュール5によって対象システム1の運転状態を情報集約的に説明するための各種の運転状態パラメータ106が生成される。また、運転状態パラメータ生成モジュール5によって監視用運転状態パラメータ105が生成され監視モニタ7におけるオンサイトの監視情報として提供される。
【0007】
次に、運転状態パラメータ106は、ゲートウェイモジュール8により公衆回線やISDN、あるいは、専用線などのネットワーク通信網9を介して遠隔地にあるリモート監視制御センター10に伝送データ110として送信される。リモート監視制御センター10では、受信した伝送データ110に含まれる運転状態パラメータに基づき遠隔地にある対象システム1の運転状態を判断し、必要であれば適当な制御情報や制御指令を再び伝送データ110としてサイト側に送信する。
【0008】
この伝送データ110が監視制御ユニット2のゲートウェイモジュール8を介してリモート制御情報107として制御指令設定モジュール6へ取り込まれる。制御指令設定モジュール6では、優先実行されるオペレータの介入指令108がない場合には対象システム1の制御条件(制御リミット値など)や制御目標設定値などで構成される制御設定指令109が対象システム1へ出力される。
【0009】
一般的なプロセス制御の場合、図20に示す監視制御ユニット2は、いわゆる制御盤と関連操作端末を意味している。オペレータは監視モニタ7に時々刻々表示されるプラントの主要プロセス変数の挙動やその平均値・分散といった簡単な統計量をはじめとする運転状態パラメータの推移を監視する。
【0010】
これにより、運転状態に正常や異常、あるいは、そのパフォーマンスなどを評価し、必要に応じてオペレータの介入指令108によって適当なプロセス変数に対する制約条件の変更や目標値設定のオーバーライドなどを実施し実動作への直接的な関与が行われる。多くの場合にリモート監視制御センター10は実質的には生産現場とあまり遠くない位置にあり、そこから発信される指令は生産計画の変更などが中心的なものとなる。
【0011】
図21は、リモートメンテナンスシステムの別の例を示す機能図である。
【0012】
図21は、現場が無人監視を原則とするエレベータ等の遠隔監視に適用するものである。図において、図20と異なり、運転履歴データベース3は運転状態パラメータデータベース11としてリモート監視制御センター10の側に配置され、監視モニタ7の機能やオペレータの介入指令108も除かれている。
【0013】
図21に示す監視制御ユニット2Aは、エレベータ機械制御室などに1〜数枚のボードコンピュータとして実装される。この場合にもリモート監視制御センター10側に伝送されるデータとしては、一般に、稼働回数やドア開閉不良動作回数等のリモート監視に有用な情報集約型の積算値が伝送される。
【0014】
リモート監視において対象システムの時系列データを情報加工・圧縮して伝送する方式としては、特開平3-226023号公報、特開平3-166601号公報、特開平8-65768号公報、特開平11-122604号公報に記載の技術が公知となっている。
【0015】
特開平3-226023号公報は時系列データをプラントより送信する場合、変化のあったデータのみを送信するという方法でデータを圧縮しており、特開平3-166601号公報では時系列データの特徴を記号化してプラントデータベース内に格納し運転状態の変化の検出機能として利用している。
【0016】
また、特開平8-65768号公報は、時系列データの疑似2階微分値のピーク位置を用いて折れ線近似する形でデータを圧縮しその折れ線データの特徴からイベント検索が行われる方式を提案している。さらに、特開平11-122604号公報ではメカニカルシステムの計測時系列データ(時系列データ)をFFT処理し、そのピーク周波数と振幅・位相情報のみを送信することによりリモート側において振動の様子を視覚的に理解しやすい形に復元するという方式が提案されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来のリモートメンテナンスシステムでは、通信負荷の制約やデータ取り扱い上の問題から、監視制御対象となるシステムの状態を判断するために計測時系列データをそのままリモート監視制御に用いることはなく、代わりに計測時系列データからの情報集約的な運転状態パラメータを生成してリモート伝送することで当該システムの状態を判断することが一般的であった。
【0018】
ところが、このような情報集約的な情報は非常に重要であるが、ダイナミクス的な変化の情報ソースとしては不十分でありデータの再加工といったデータハンドリングにおける柔軟性にも欠けるため、リモート監視制御センターが生産現場に貢献する有用な情報を抽出・提供することができなかった。
【0019】
従来例で示した公知技術においてもこのような問題に対して限定的な試みが提案されているが、圧縮データを復元した時の原データの復元度という観点ではいずれの技術もその十分な精度を保証していない。
【0020】
例えば、特開平3-166601号公報が提案するデータの記号化によるリモート伝送では、データの上昇下降などの概略的な傾向は把握できてもより高度の解析に堪える原データの復元はほぼ不可能である。
【0021】
また、特開平3-226023号公報、特開平8-65768号公報が提案するデータの圧縮方法では、前者は圧縮データの復元後の特性が"データの変化"を規定する変化幅の設定に大きく依存する。また、後者は折れ線近似のために必要となる疑似2階微分情報によるピーク決定精度が対象データ挙動の複雑さやノイズの混入によって大きく損なわれる可能性がある。さらに、どちらの方法でも振動的な応答特性を有するデータの場合、"振動的"というデータの本質を損なった圧縮処理になる可能性が高いこと等から実用的な通信負荷で対象システムに対して高度の判断によるサービスを提供することは困難である。
【0022】
そこで、本発明は、リモート監視制御センター側において対象システムの運転状態に関するより高度の判断を下すための解析・判定処理が行われることを可能にし、様々なリモートサービスの提供が可能なリモートメンテナンスシステムを提供することを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、メンテナンスを必要とする対象システムと該対象システムをリモートで監視制御するリモート監視制御センターとをネットワークによって接続すると共に、対象システムの圧縮側は、必要とする各種の原時系列データを圧縮処理して圧縮コードを生成し、当該生成した圧縮コードをリモート監視制御センターへネットワークを介して伝送し、リモート監視制御センターの展開側は、圧縮コードを復元し得られたデータに基づいて必要なメンテナンス情報を作成して対象システムへ提供するリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側は、原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形について当該各レベル成分波形の局所ピーク値の内で所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出すると共に、圧縮側に設けられ圧縮側と展開側で共有する共有ウェーブレットコード変換テーブルを参照し、ウェーブレット変換に用いたマザーウェーブレット関数に対応する変換コードを取得し、ピーク値情報、ウェーブレット変換による分解レベル数、最終レベルの低周波成分波形及び変換コードに基づいて原時系列データのコード化を行い、圧縮コードを生成し、展開側は、ネットワークを介して圧縮側から伝送された圧縮コード内の変換コードに基づき展開側に設けられ圧縮側と展開側で共有する共有ウェーブレットコード変換テーブルを参照することにより変換コードに対応するマザーウェーブレット関数を取得し、この取得したマザーウェーブレット関数によって圧縮コードを復元するものである。
【0024】
請求項2の発明は、メンテナンスを必要とする対象システムと該対象システムをリモートで監視制御するリモート監視制御センターとをネットワークによって接続すると共に、対象システムの圧縮側は、必要とする各種の原時系列データを圧縮処理して圧縮コードを生成し、当該生成した圧縮コードをリモート監視制御センターへネットワークを介して伝送し、リモート監視制御センターの展開側は、圧縮コードを復元し得られたデータに基づいて必要なメンテナンス情報を作成して対象システムへ提供するリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側は、原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形について当該各レベル成分波形の局所ピーク値の内で所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出すると共に、ウェーブレット変換に用いたマザーウェーブレット関数に基づいてウェーブレットコード変換テーブルを一元管理するコードサーバへ問い合わせることによりマザーウェーブレット関数に対応する変換コードを取得し、ピーク値情報、ウェーブレット変換による分解レベル数、最終レベルの低周波成分波形及び変換コードに基づいて原時系列データのコード化を行い、圧縮コードを生成し、展開側は、ネットワークを介して圧縮側から伝送された圧縮コードの変換コードに基づいてコードサーバへ問い合わせることにより変換コードに対応するマザーウェーブレット関数を取得し、この取得したマザーウェーブレット関数に基づいて圧縮コードを復元するものである。
【0025】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、ピーク値情報は、各ピークの時間と大きさであり、最終レベルの低周波成分波形は、原時系列データの平滑化信号値あるいは平均値であるようにしたものである。この手段によれば、ウェーブレット変換によって抽出される最終レベルの低周波成分波形を平滑化信号値、あるいは、平均値とすることができ、圧縮率を向上させることができる。
【0026】
請求項4発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側では、原時系列データを圧縮する対象の第1時系列データと第2時系列データとの間に制御モデルとして入出力の相関関係がある場合に、第1時系列データである入力相当時系列データについて複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルのレベル成分波形中の局所ピーク値の内で、所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出し、この抽出されたピーク値情報と分解に用いた各種情報とに基づいて入力相当データの圧縮コードを生成し、第2時系列データである出力相当データについて、入出力相関関係を同定した時系列モデルによってモデルパラメータを生成し、入力相当データの圧縮コードとモデルパラメータとに基づいて拡張圧縮コードを生成してネットワークを介してリモート監視制御センターへ送信し、展開側では、拡張圧縮コードを受信して圧縮コードとモデルパラメータとに分離し、この分離された一方の圧縮コードについて、ウェーブレットの逆変換により第1時系列データに対応する復元入力相当データを生成し、分離された他方のモデルパラメータと復元入力相当データとに基づいて、時系列予測モデルによって第2時系列データに対応する復元出力相当データを生成して第1時系列データ及び第2時系列データの復元を行うようにしたものである。この手段によれば、圧縮側で原時系列データの内で第1時系列データがウェーブレット変換に基づいて圧縮コードが生成され、第2時系列データに基づき同定された時系列モデリングによってモデルパラメータが求められて拡張圧縮コードとして送信され、展開側で拡張圧縮コードが第1時系列データと第2時系列データに対応するデータに復元される。この場合に、モデルパラメータ数は時系列データに比べ極めて少ないので、高い圧縮率が得られる。また、同定された時系列モデリングを制御系設計や評価に利用できる。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、展開側では、原時系列データに基づく復元時系列データの監視結果により圧縮側の切り出し毎の圧縮条件を圧縮側へネットワークを介して提示し、圧縮側では提示された圧縮条件に従って原時系列データを圧縮した圧縮コードを生成してネットワークを介して展開側へ送信して圧縮条件に応じて圧縮コードを展開側で逐次展開して表示するようにしたものである。この手段によれば、展開側の復元された時系列データの監視結果によって圧縮側へ圧縮条件が提示され、圧縮条件に応じた原時系列データの圧縮コードが生成されて、展開側で逐次復元された時系列データが生成されるので、展開側で必要に応じ解像度を任意に変更できる。
【0030】
請求項6の発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側では、原時系列データの切り出し毎に、切り出した原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形の内で最も低周波に相当するレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して展開側へ送信し、順次低周波から高周波の成分方向のレベルにおけるレベル成分波形の圧縮コードを生成して送信する一方、展開側では圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードを復元して表示するようにしたものである。この手段によれば、圧縮側でウェーブレット変換による各分解レベルの最も低周波のレベル成分から順次高い周波数の方向へ周波数のレベル成分毎に局所ピーク値をまとめて順次圧縮コードを生成するので、展開側では、原時系列データの概要が速やかに再現され、順次原時系列データの詳細が再現される。
【0031】
請求項7の発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側では、原時系列データの切り出し毎に、切り出した原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形に対して、複数設定されたしきい値レベルの内で最大しきい値より大きい絶対値をもつ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめた圧縮コードとして生成して展開側へ送信し、順次しきい値レベルを下げて当該しきい値より大きい絶対値を持つ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして、各しきい値に応じた圧縮コードを生成して送信する一方、展開側では各圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードを復元して表示するようにしたものである。この手段によれば、圧縮側でウェーブレット変換による各分解レベルのレベル成分波形について複数のしきい値の内の最も大きいしきい値から低いしきい値の方向へ各しきい値毎に順次局所ピーク値の絶対値をまとめて圧縮コード化するので、展開側では、原時系列データの概要が速やかに再現され、順次原時系列データの詳細が再現される。
【0032】
請求項8の発明は、請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側では、原時系列データの切り出し毎に、切り出した原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形の内で最も低周波に相当するレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して展開側へ送信し、順次低周波から高周波の成分方向のレベルにおけるレベル成分波形の圧縮コードを生成して送信する第1手段と、圧縮側では原時系列データの切り出し毎に、切り出した原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形に対して複数設定されたしきい値レベルの内で最大しきい値より大きい絶対値をもつ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して展開側へ送信し、順次しきい値レベルを下げて当該しきい値より大きい絶対値を持つ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして各しきい値に応じた圧縮コードを生成して送信する第2手段とを有して、必要に応じて第1手段と第2手段とを組み合わせ、展開側では各圧縮コードを受信して順次各レベル毎の圧縮コードを復元して表示するようにしたものである。この手段によれば、ウェーブレット変換による各分解レベル内で最も低周波のレベル成分波形から高い周波数成分の方向へ順次周波数成分毎にレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コード化して送信する第1手段と、ウェーブレット変換による各分解レベルについて複数のしきい値の内で最大しきい値から最小しきい値方向へ順次しきい値毎にレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コード化して送信する第2手段を必要に応じて組み合わせるので、各手段の長所が十分に活用できる。
【0033】
請求項9の発明は、請求項8記載のリモートメンテナンスシステムにおいて、圧縮側では、原時系列データについて予め定める信号の変化を検出した場合に、第1手段若しくは第2手段あるいは必要に応じて第1手段と第2手段とを組み合わせて圧縮コードを生成して送信する一方、展開側では各圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードに復元して表示し、さらに、復元された時系列データに基づいて制御モデルの妥当性を評価し、必要により制御モデルの再構築を行って得られたモデルパラメータを展開側へ返信し、展開側の制御モデルを更新するようにしたものである。この手段によれば、原時系列データが予め定める信号変化を検出された場合に、そのときの原時系列データが圧縮され、原時系列データが復元され、復元された時系列によって制御モデルの妥当性が評価され、また、制御モデルの再構築がされ、さらに、対象システムの制御モデルの更新がされるので、制御モデルを人手を介することなく、最適な状態とすることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、本発明の第1実施の形態を示すリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【0036】
図1において、従来例を示す図20と同一符号は、同一部分又は相当部分を示し、第1実施の形態は、図20の監視制御ユニット2の制御指令設定モジュール6の代わりに拡張制御指令設定モジュール22を設ける一方、監視制御ユニット2に圧縮コードエンコーダ20と圧縮コードデコーダ21とを追設したものである。
【0037】
ここで、拡張制御指令設定モジュール22は、制御パラメータ107と時系列制御情報124とを入力し、拡張制御設定指令125を対象システム1へ出力するものてある。圧縮コードエンコーダ20は、圧縮伝送用計測データ120を入力して信号変化の特徴量を活かした圧縮処理を行い得られた圧縮コード121を出力するものである。圧縮コードデコーダ21は、時系列制御情報圧縮コード123を入力して展開によつて復元して時系列制御情報124を出力するものである。
【0038】
第1実施の形態は、対象システム1の監視制御ユニット2Bの圧縮側において原時系列データの信号波形の内でステップ状の信号変化や局所的信号平均値を含む突変信号の波形情報の特徴を損なうことなく圧縮処理を行って、圧縮コード化された時系列データをネットワーク通信網9を介してリモート監視制御センター10へ送信し、リモート監視制御センター10の展開側で圧縮コードを原時系列データの特徴を再現するように復元するものである。
【0039】
まず、対象システム1により得られた計測データ101の内、リモート監視・解析などに用いられる時系列データが監視制御ユニット2Bのデータロギングモジュール4によつて取り込まれ運転履歴データベース3を介して圧縮伝送用計測データ120として圧縮コードエンコーダ20に送られる。圧縮コードエンコーダ20では、信号変化の特徴量を活かした圧縮処理が行われた後に、圧縮コード121としてゲートウェイモジュール8へ出力される。
【0040】
一方、運転履歴データベース3から運転状態パラメータ生成用計測データ104が運転状態パラメータ生成モジュール5へ入力され運転状態パラメータ106が生成されゲートウェイモジュール8へ出力される。そして、ゲートウェイモジュール8から圧縮伝送用計測データ120と運転状態パラメータ106とが拡張伝送データ122としてネットワーク通信網9を介してリモート監視制御センター10へ伝送される。
【0041】
次に、リモート監視制御センター10では、受信された拡張伝送データ122の内で圧縮コードの部分に関しては後述する監視制御ユニット2B内の圧縮コードデコーダ21とほぼ同様に展開処理が行われる。その結果、得られた時系列情報に基づいてリモート監視制御センター10によって解析・評価、あるいは、それに基づく制御方策の決定などを行って、時系列制御情報圧縮コード123と制御パラメータ107を組み合わせた拡張伝送データ122として再びネットワーク通信網9を介して監視制御ユニット2Bへ送信する。
【0042】
監視制御ユニット2Bでは、受信した拡張伝送データ122を従来の制御パラメータ107と時系列制御情報圧縮コード123とに分離し、後者に関してはさらに圧縮コードデコーダ21により展開処理が行われ、時系列制御情報124が取り出される。
【0043】
時系列制御情報124は制御パラメータ107と一緒に拡張制御指令設定モジュール22に送られ最終的に対象システム1への拡張制御設定指令125がオペレータの介入指令108を考慮の上決定される。
【0044】
以上のように第1実施の形態によれば図20により説明した従来システムに対して圧縮コードのエンコーダとデコーダを付加することで従来の情報集約型の伝送データに加え時系列情報の送受機能を実現することができる。
【0045】
なお、本発明の第1実施の形態の変形例として図2に示すように実施できる。
【0046】
図2は、従来例を示す図21と対応するもので図21と同一符号は、同一部分又は相当部分を示し、図2は、図21の監視制御ユニット2の制御指令設定モジュール6の代わりに拡張制御指令設定モジュール22を設ける一方、監視制御ユニット2に圧縮コードエンコーダ20と圧縮コードデコーダ21とを追設したものである。また、図2では、リモート監視制御センター10側に拡張リモートデータベース12を設け拡張リモート保存データ127を保存している。さらに、監視制御ユニット2Cの圧縮対象計測データ126はデータロギングモジュール4から直接に受け取っている。
【0047】
図3は本発明のリモートメンテナンスシステムを適用可能とする各種リモートサービスの例を示している。
【0048】
図3に示す一例では、ネットワーク通信網9には、顧客Aプラント上位制御装置30Aを介してプラント制御装置31Aと顧客Bプラント上位制御装置30Bを介してプラント制御装置31Bが接続されている。さらに、ネットワーク通信網9には、リモート監視制御センター10が接続され、リモート監視制御センター10は、Remote Simulator10AとRemote Optimiser10BとRemote Service Center10Cを設けそれぞれネットワーク通信網9に接続している。
【0049】
また、リモート監視制御センター10のRemote Service Center10Cは、顧客Cプラント上位制御装置30Cを介してプラント制御装置31Cに電話回線やISDNによって接続する一方、Remote Service Center10Cは、電話回線やISDNによって海外プラント32の保守・点検のためのサイト保守員モバイル端末33に接続している。
【0050】
図4は、本発明の第1実施の形態によるオリジナル時系列データS1を圧縮した圧縮後の時系列データS2を示している。
【0051】
第1実施の形態は、従来パラメータ型の制御監視情報しか流していなかったWANや公衆電話回線、あるいはISDNなどのネットワーク通信網に対して、ダイナミクス情報を含む時系列データを図4に示すようにその信号変化の特徴を十分保持しながら高い圧縮率を維持してコード化して送受信する。これによって、生産現場から離れた地点において、詳細シミュレーションとオンサイトデータとの準リアルタイム比較や制御性能評価、運転最適化と予測性能評価、高度監視制御、海外プラントにおけるダイナミック保守支援、といったこれまでネットワークを介して提供することがデータ精度的に難しかった各種のサービスをリモートで提供することが可能となる。
【0052】
図5乃至図11は、本発明の第2実施の形態または第3実施の形態の説明図である。
【0053】
本発明の第2実施の形態は、ステップ状の信号変化や局所的信号平均値の突変に関わる波形情報がウェーブレット変換では、その変換係数の各分解レベルにおける局所的極大値に集約されることに着目して、その極大ピーク位置情報やピーク値等を抽出することによりデータの圧縮・コード化を図るものである。
【0054】
ここで、ウェーブレット変換について説明する。
【0055】
ウェーブレット変換については、各種書籍や文献に詳述されている。例えば、榊原進”数理科学セミナーウェーブレットビギナーズガイド”東京電機大学出版局,1995に詳細に述べられているので、詳細は省略して本発明に関連するウェーブレット変換についてのみ述べる。
【0056】
まず、ウェーブレット変換の一般式は、次の式(1)のように定義される。
【0057】
【数1】
【0058】
また、上記式(1)は、次の式(2)に逆変換できる。
【0059】
【数2】
【0060】
一方、信号の効率的な時間周波数解析のために本発明で用いる離散ウェーブレット変換においては、前述した式(1)を次の式(4)のように定義する。また、式(2)の逆変換は次の式(5)のようになる。
【0061】
【数3】
【0062】
図5は、離散化したウェーブレット変換の時間周波分布波形の一例を示すものである。
【0063】
図において、時間周波分布波形S3の(1)→(6)方向の上から下へ前述した式(4)におけるj=0,−1,−2,−3,−4,−5とjを一つづつ減少した場合の各レベルの信号成分を表しており上から下へ行くに従って低周波方向となっている。
【0064】
すなわち、前述した式(4)のj,kによって得られた次の各時系列信号成分波形を示している。
(1)はj=0として時間情報kとした場合の時系列信号成分波形、
(2)はj=−0として時間情報kとした場合の信号成分波形、
(3)はj=−2として時間情報kとした場合の信号成分波形、
(4)はj=−3として時間情報kとした場合の信号成分波形、
(5)はj=−4として時間情報kとした場合の信号成分波形、
(6)はj=−5として時間情報kとした場合の信号成分波形、
【0065】
図6は、本発明の第2実施の形態によるオリジナルデータを高周波から低周波の各レベル信号成分にウェーブレット変換した例を示すものである。
【0066】
図6の時系列信号成分波形S4において、
(1)はj=0オリジナルデータ、
(2)はj=−1のレベル1の係数値の時系列信号成分波形、
(3)はj=−2のレベル2の係数値の時系列信号成分波形、
(4)はj=−3のレベル3の係数値の時系列信号成分波形、
(5)はj=−4の平滑化信号にそれぞれ対応している。
ここで、整数j及びkは、前述した式(4)及び式(5)に対応している。
【0067】
また、図6における(1)から(5)の時系列信号成分波形S4は、図7に示す関係があり、次の式(6)のようになる。
【0068】
【数4】
【0069】
このように、図6に示す(1)のように圧縮コード化のために切り出されたオリジナルデータが適当なマザーウェーブレット関数によるウェーブレット変換がされ、(2)のように時間に対応するレベル1の係数値(k=−1)の時系列信号成分、(3)のようにレベル2の係数値(k=−2)の時系列信号成分、(4)のようにレベル3の係数値(k=−3)の時系列信号成分、(5)のように平滑化信号に分解される。
【0070】
図6の最下段の(5)は高周波成分を除き最終的に得られる平滑化された信号を表し、図6の横軸(時間)方向のデータ数が減少しているのは、内部的な信号処理の結果である。
【0071】
次に、図6に示す各時系列信号成分波形S4の内で所定しきい値(例えば、ここでは5)を用いてピークを選択する。この処理によって図8に示す時系列信号成分波形S5のように有効な情報(0以外の値をもつ係数)を大幅に減少させる。
【0072】
図8の最上段の(1)はオリジナルデータを示し、(2)は図6の(2)のレベル1係数の場合に対応し、(3)は図6の(3)のレベル2係数の場合に対応し、(4)は図6の(4)のレベル3係数にそれぞれ対応している。
【0073】
図9は、上記のように圧縮処理によりコード化される圧縮コードフォーマットの一例を示したものである。この圧縮コードフォーマットF1は、圧縮に必要な情報として通常のウェーブレット変換をベースにした場合、変換に用いるマザーウェーブレット関数コードに関する情報と分解レベル(m)数、平滑化信号値ベクトル、および各レベルで選択されたピーク情報である。
【0074】
すなわち、図9において、各レベルのピーク情報は、level-mからlevel-kまでの分解スペクトルの各局所最大係数インデックス(整数値ベクトル)と分解スペクトル係数値からなっている。
【0075】
図10は、図8で選択された局所極大ピーク情報と図6の(5)の(データ数の少ない)平滑化信号に基づいて生成された圧縮コードの復元を図ったものである。この図より明らかなように、オリジナル時系列データS6(上段)が有する信号変化の特徴を適切に圧縮後の時系列データS7(下段)として復元している。
【0076】
このように圧縮対象データの特徴に依存するが、上記する圧縮処理により数十分の一の圧縮率を実現することが可能であり、オリジナルデータが有するダイナミクス情報を損なうことなく、かつ、ネットワーク伝送が十分実用的な通信負荷で可能となる程度まで圧縮が行われることができる。
【0077】
次に、第3実施の形態について説明する。
【0078】
第3実施の形態は、第2実施の形態で説明したウェーブレット変換を用いた圧縮において、信号のサブバンド分解では分解に用いるウェーブレット関数をうまく選ぶことで所定レベルの分解を行った後の最低周波数成分(平滑化関数)は原信号の平均値に収束するようにできる点に着目して、ウェーブレット変換を用いることでデータの圧縮率を向上させるものである。
【0079】
図11は、第3実施の形態によって得られる圧縮コードフォーマットを示している。
【0080】
この圧縮コードフォーマットF2は、図9に示す圧縮コードフォーマットの変形例であって、平滑化信号値は、変換に用いるウェーブレット関数を適切に選ぶと所定の分解レベル数以上ではもとの信号の平均値に収束させることができる。従って、このような場合は図11に示すように図9に示す平滑化信号値ベクトルは単純に信号平均値というスカラー量に代替できる。
【0081】
なお、上述のようにして生成された圧縮コードは、展開側で、圧縮コードを分解してウェーブレットの逆変換が行われ復元された時系列データが生成される。
【0082】
次に、本発明の第4実施の形態について図12及び図13を参照して説明する。
【0083】
第4実施の形態は、圧縮側の制御モデルで特定の変数の挙動を説明する他の変数が明らかになって入力側の第1データと出力側の第2データとの入出力関係が明確な場合には、この入出力関係にある第1データと第2データとの二つのデータを圧縮する場合に入力変数の時系列データのみを第2実施の形態あるいは第3実施の形態で説明した手段により圧縮し、その結果得られた圧縮コードと入出力間の伝達特性を時系列モデル化して得られるモデルパラメータを組み合わせたコードを送受信するものである。
【0084】
図12は、リモート利用する時系列データが適当なダイナミクスの入出力関係になっているものと仮定している。
【0085】
すなわち、本実施の形態では、図13に示すように制御モデル36Aでは、入力相当データ(第1データ)と出力相当データ(第2データ)とが入出力間で伝達函数によって特定されると仮定し、この第1データと第2データの双方を圧縮して送信し、さらに、展開するものである。
【0086】
まず、圧縮側130では、第1データである入力相当データ131が既に説明したウェーブレット圧縮エンコーダ34によりコード化して圧縮コード132が拡張圧縮コード生成器35へ出力される。一方、第2データである出力相当データ133が時系列モデリング36へ入力され、時系列モデリング36で、入出力間の時系列のモデルを同定することによりモデルパラメータ134が求められ拡張圧縮コード生成器35へ出力される。そして、先に生成した第1データである入力相当データ131の圧縮コード132とモデルパラメータ134とに基づいて送信データ135が生成され、拡張圧縮コードとしてネットワークへ送信される。
【0087】
一方、展開側136では、受信データ137が拡張圧縮コード分離器37へ入力される。拡張圧縮コード分離器37では、拡張圧縮コードとして圧縮コード132Aとモデルパラメータ134Aとに分離される。分離された圧縮コード132Aは、ウェーブレット圧縮デコーダ38へ入力され、既に説明した手段により展開されて時系列データが第1データに対応する復元入力相当データ138として出力される一方、時系列モデルベース予測器39へ出力される。
【0088】
時系列モデルベース予測器39では、モデルパラメータ134Aを入力して、モデルパラメータ134Aによって規定されるフィルタによって第1データに対応する復元入力相当データ138が処理され間接的に第2データに対応する復元出力相当データ139が生成される。
【0089】
このように時系列モデルのパラメータ数は時系列データそのもののデータ数に比べて極めて少ないので、複数のデータ間に予め時系列モデルとして関連が明確な場合で、複数のデータを圧縮して送信し、復元する場合に、この手段により高い圧縮率を実現することができ、かつ、制御系設計や評価に必要となるモデルの同定ができるという効果が得られる。
【0090】
次に、本発明の第5実施の形態について図14を参照して説明する。
【0091】
第5実施の形態は、第2実施の形態または第3実施の形態により説明した時系列の圧縮コード化におけるウェーブレット変換において、実際に用いるマザーウェーブレット関数の情報をテーブルコード化して圧縮コード内に変換コード(インデックス番号)として埋め込むことによって、仮に、圧縮コードを違法に傍受されても圧縮コードを容易に展開・解読できないようにしたものである。
【0092】
まず、図14に示すように圧縮側130の圧縮側計算機40において、実際のマザーウェーブレット関数によって変換用ウェーブレットとしてのランダム選択141がウェーブレットコード変換テーブル42へ行われる。このウェーブレットコード変換テーブル42は、展開側136に設けられるウェーブレットコード変換テーブル42と共有する構成となっている。圧縮側130のウェーブレットコード変換テーブル42から任意の変換コード(インデックス番号)が取り出され、圧縮側計算機40によって図9または図11に示す本来のマザーウェーブレット関数コードに代えて変換コードによる圧縮コードフォーマットの圧縮コードが生成される。圧縮側130で生成された圧縮コードフォーマットにより圧縮コードの伝送143として展開側136へ伝送される。
【0093】
展開側136では、まず、展開側計算機41において、受信した圧縮コードの圧縮コードフォーマットの内から変換コードが読み出され、この変換コード144による照会がウェーブレットコード変換テーブル42へ行われる。そして、ウェーブレットコード変換テーブル42から図9または図11に示す本来のマザーウェーブレット関数コードを抽出し復元処理が行われる。
【0094】
この構成によって、圧縮コードが傍受されても圧縮コードを展開することが困難で、データのセキュリティを確保できる。
【0095】
次に、本発明の第6実施の形態について図15を参照して説明する。
【0096】
第6実施の形態は、第5実施の形態におけるウェーブレットコード変換テーブル42に相当する情報をコードサーバー42Aで管理し、送受信時の圧縮・展開において必要なウェーブレット関数情報の提供をコード発行・コード照会という処理によって行いデータセキュリティをさらに高めるものである。
【0097】
まず、図15に示す圧縮側130の圧縮側計算機40において、通常管理されるコードサーバ42Aへ変換用ウェーブレットの発行依頼146が行われる。そして、コードサーバー42Aから圧縮側計算機40によって変換コード147が取り込まれ、圧縮コードが生成される。圧縮側で生成されると圧縮コードが圧縮コードの伝送143として展開側136へ送られる。
【0098】
展開側136では、展開側計算機41において、受信した圧縮コードの内から変換コードが読み出され、この変換コード147による照会がコードサーバー42Aへ行われる。これによって、コードサーバー42Aから本来のマザーウェーブレット関数が抽出され、復元処理が行われる。
【0099】
この構成によって、一元管理化することでセキュリティが向上するだけでなく、ウェーブレットコード変換テーブルの更新や変更等の処理を簡易に行うことができる。
【0100】
次に、本発明の第7実施の形態について図16を参照して説明する。
【0101】
第7実施の形態は、所定時間幅のデータ群切り出しと圧縮コード化・伝送を組み合わせることで監視遅れの少ない実用的なリモートモニタリングシステムを構築するものである。
【0102】
図16において、プラント43から監視データ151が監視制御ユニット2Bへ取り込まれる一方、リモート監視制御センター10Aから圧縮条件(優先レベル順位、しきい値セット)152が監視制御ユニット2Bへ伝送される。これによって、監視制御ユニット2Bでは、監視対象データの逐次切り出し154を含む圧縮条件に圧縮コードの生成処理153が実行される。
【0103】
次に、監視制御ユニット2Bで生成された監視対象データの圧縮コード155がリモート監視制御センター10Aへ伝送される。リモート監視制御センター10Aでは、圧縮コードの逐次展開・表示や圧縮条件の指定156が行われている。これにより、圧縮条件に応じた時系列のプラント43の監視データを表示装置へ表示例157のように表示する。
【0104】
この表示例157では、上段から下段(図示矢印)のように解像度の低いデータから解像度の高い時系列データへ逐次展開表示している。
【0105】
このように、現場の監視制御ユニットでは監視対象となるデータを定期的に切り出し、リモート側から指定される圧縮条件(優先レベル順位、しきい値セットなど)に基づきそのデータを逐次圧縮コード化・伝送を行い、リモートの監視側では受信した圧縮コードをこれまた逐次展開・表示することで監視データの解像度を柔軟性に制御できるモニタリングシステムを構成することができる。
【0106】
次に、本発明の第8実施の形態について図17を参照して説明する。
【0107】
第8実施の形態は、ウェーブレット変換によりサブバンド分解した際に低周波成分にあたるレベルの局所ピーク極大値から優先的に圧縮コード化・伝送することによって信号変化の速さを基準に監視情報を逐次更新していくようにシステムを構築するものである。
【0108】
まず、遠隔サイトでオンサイト監視されている多数のプロセスデータ群を適当な時間幅毎に逐次切り出して所定レベルまで分解する。そして、最初にプロセスデータ群の最も低周波に相当するレベル成分波形の局所ピーク極大値をひとまとまりの圧縮コードとして発信する。
【0109】
さらに、順次、高周波成分方向のレベルにおける成分波形の局所ピーク極大値のデータを圧縮コードとして発信する。この処理手順をデータ切り出し毎に行う一方、これらの圧縮コードを受信したりリモート監視制御センター10Aでは各レベル毎の圧縮コードを逐次復元し監視モニタ上にプロセスデータ群として表示する。これによって、監視対象であるプロセスデータ群の応答の概略が速やかに把握でき、かつ、時間の経過とともに細部の応答状況が更新される。
【0110】
図17は、監視制御ユニット2Bによって低周波情報を保持するレベルから順次圧縮コード化して伝送した場合にリモート監視制御センター10A側で観測される監視信号S8の変化を示す図である。
(1)は最も低い低周波に相当する低位解像度の時系列データ、
(2)は(1)より高周波方向の中位解像度の時系列データ、
(3)は(2)より高周波方向の最も高い高周波に相当する最高解像度の時系列データである。
【0111】
次に、本発明の第9実施の形態について図18を参照して説明する。
【0112】
第9実施の形態は、圧縮コード化する局所ピーク極大値を選択する際に複数のしきい値を用意し、最大しきい値からはじまって順に緩やかなしきい値条件をクリアするピークを優先的に選択・コード化・伝送することで信号変化の大きさを基準に監視情報が更新されていくシステムを構築するものである。
【0113】
まず、監視制御ユニット2Bでオンサイト監視されている多数のプロセスデータ群が適当な時間幅毎に逐次切り出されて所定レベルまで分解される。次に、複数設定されたしきい値レベルの内の最大しきい値より大きい絶対値をもつ各レベル成分波形の局所ピーク極大値をひとまとまりの圧縮コードとして発信する。
【0114】
続いて、順次、しきい値レベルを下げると、それまでのしきい値レベルではコード化されなかった各レベルの局所ピーク極大値が追加され、コード化されて送信される。この処理手順がデータ切り出し毎に行れる一方、これらの圧縮コードを受信したリモート監視制御センター10Aでは、各レベル毎の圧縮コードを逐次復元し監視モニタ上にプロセスデータ群として表示する。これによって、監視対象であるプロセスデータ群の応答の概略が速やかに把握でき、かつ、時間の経過とともに細部の応答状況が更新される。
【0115】
図18は、しきい値を大きな値から順次小さくすることにより圧縮効率を制御した場合に、リモート監視制御センター10Aで観測される監視信号S9の変化を示す図である。図18の上段(1)の「しきい値大」、中段(2)の「しきい値中」、下段(3)の「しきい値小」としきい値の大きさが小さくなっている。従って、細部の状況が順次再現されている。
【0116】
なお、第10実施の形態として、第8実施の形態と第9実施の形態とを組み合わせて実施することができる。
【0117】
具体的には、圧縮コードとしてコード化する局所ピーク極大値の選択手段として、第8実施の形態に示した周波数に応じたレベル選択と第9実施の形態に示したピーク極大値の絶対値に対して複数しきい値との比較選択という2つの手段を適宜混在した手段を採用する。この手段によって対象システムのリモート監視において重視すべき変化の大きさや速さの適切な組み合わせ優先順位を考慮したリモートモニタリングシステムを構成することが可能となる。
【0118】
次に、本発明の第11実施の形態について図19を参照して説明する。
【0119】
第11実施の形態は、リモート監視制御で制御系構築の基本となるモデルの妥当性を継続的に検証する際に、ステップ状の変化が発生した場合のデータを利用することが最善であることに着目するもので、ステップ状の変化を監視することによってモデル妥当性の評価のタイミングを検出して、モデルの自動更新が行うものである。
【0120】
まず、プラント43から監視データ151が取り込まれ、ステップ状の変化としての信号変化検出159がされると監視制御ユニット2Bによって信号の変化前後の時系列データが圧縮されて変化前後の時系列データ160としてリモートモデルマネジメントユニット44へ送信される。
【0121】
リモートモデルマネジメントユニット44側では、受信した時系列データ160としての圧縮コードが展開され得られた時系列データに基づいて制御モデルの妥当性や必要により制御モデルの再構築161が行われる。
【0122】
このリモートモデルマネジメントユニット44の処理結果がモデル評価結果更新モデルパラメータ162として監視制御ユニット2Bへ伝送される。監視制御ユニット2Bでは、モデル評価結果更新モデルパラメータ162に基づいて制御モデルに基づく制御指令設定163が実行され、監視制御ユニット2B側の制御モデルの再構築が行われる。
【0123】
このように対象データの有用な信号変化が検出されると、現場の監視制御ユニットでは変化前後の時系列データを圧縮コード化しリモート側に伝送する。リモート側では受信した圧縮コードを展開することによって得られる時系列データに基づき制御モデルの妥当性を評価し、必要であれば制御モデルの再構築を行い、現場側にモデルパラメータを返信することで現場の制御モデルの更新を実施する。以上の機能は有用な信号変化が自動検出できることによって容易に自動運用することが可能である。
【0124】
以上、本発明の代表的な実施の形態を説明したが、具体的に実施の形態で説明した内容はシステム構成や手順の一部変更などで多様な実施形態をとることが可能であり、本発明は時系列データ利用によるリモートサービス拡充の際に必要となる基本技術内容をカバーするものである。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、時系列データの圧縮伝送技術を利用し、これまでネットワークを介した利用が困難であったオンサイトの計測データを実用的な通信負荷でリモート利用することを可能とすると共に、ネットワークを介して伝送する圧縮コードが傍受されても圧縮コードを展開することが困難で、データのセキュリティを確保できる。また、ウェーブレットコード変換テーブルを一元管理することで、ウェーブレットコード変換テーブルの更新や変更等の処理を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示すリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【図2】本発明の第1実施の形態の変形例を示すリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【図3】本発明のリモートメンテナンスシステムを適用するリモートサービスの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施の形態を示す時系列データの圧縮例である。
【図5】時系列データを各レベルに分解した説明図である。
【図6】本発明の第2実施の形態または第3実施の形態による時系列データの圧縮処理において、対象時系列データをウェーブレット変換した結果を示す説明図である。
【図7】時系列データを各レベルで分解した場合の各信号波形の関係を示す説明図である。
【図8】本発明の第2実施の形態または第3実施の形態による時系列データの圧縮処理において、ウェーブレット変換係数の局所極大ピーク値をしきい値処理により選択した結果を示す説明図である。
【図9】本発明の第2実施の形態による圧縮コードフォーマットの一例を示す説明図である。
【図10】図8で選択されたピーク情報から対象時系列データを復元した結果を示す図である。
【図11】本発明の第3実施の形態による圧縮コードフォーマットの一例を示す説明図である。
【図12】本発明の第4実施の形態によるあるダイナミクスの入出力の関係にあるデータ群を入力相当データと出力相当データに分けて効率的に圧縮する手段の説明図である。
【図13】図12の入力相当データと出力相当データの関係を示す説明図である。
【図14】本発明の第5実施の形態による伝送される圧縮コードのデータセキュリティを保持する手段の説明図である。
【図15】本発明の第6実施の形態による伝送される圧縮コードのデータセキュリティを保持する手段の説明図である。
【図16】本発明の第7実施の形態によるリモートモニタリングシステムの構成の説明図である。
【図17】本発明の第8実施の形態による低周波情報を保持するレベルから順次圧縮コード化して伝送した場合に、リモート側で観測される監視信号の変化を示した図である。
【図18】本発明の第9実施の形態によるしきい値を大きな値から順次小さくすることで圧縮効率を制御した場合のリモート側で観測される監視信号の変化を示した図である。
【図19】本発明の第11実施の形態によるリモートモデルメンテナンスを説明する図である。
【図20】従来のリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【図21】従来の別のリモートメンテナンスシステムの機能図である。
【符号の説明】
1 対象システム
2 監視制御ユニット
3 運転履歴データベース
4 データロギングモジュール
5 運転状態パラメータ生成モジュール
6 制御指令設定モジュール
7 監視モニタ
8 ゲートウェイモジュール
9 ネットワーク通信網
10 リモート監視制御センター
11 運転状態パラメータデータベース
12 拡張リモートデータベース
20 圧縮コードエンコーダ
21 圧縮コードデコーダ
22 拡張制御指令設定モジュール
30A 顧客Aプラント上位制御装置
30B 顧客Bプラント上位制御装置
30C 顧客Cプラント上位制御装置
31A,31B,31D プラント制御装置102
32 海外プラント
33 サイト保守員モバイル端末
34 ウェーブレット圧縮エンコーダ
35 拡張圧縮コード生成器
36 時系列モデリング
37 拡張圧縮コード分離器
38 ウェーブレット圧縮デコーダ
39 時系列モデルベース予測器
40 圧縮側計算機
41 展開側計算機
42 ウェーブレットコード変換テーブル
42A コードサーバー
43 プラント
44 リモートモデルマネジメントユニット
101 計測データ
102 運転履歴データ
103 監視用計測データ
104 運転状態パラメータ生成用計測データ
105 監視用運転状態パラメータ
106 運転状態パラメータ
107 リモート制御情報
108 オペレータの介入指令
109 制御設定指令
110 伝送データ
120 圧縮伝送用計測データ
121 圧縮コード
122 拡張伝送データ
123 時系列制御情報圧縮コード
124 時系列制御情報
125 拡張制御設定指令
126 圧縮対象計測データ
127 拡張リモート保存データ
Claims (9)
- メンテナンスを必要とする対象システムと該対象システムをリモートで監視制御するリモート監視制御センターとをネットワークによって接続すると共に、前記対象システムの圧縮側は、必要とする各種の原時系列データを圧縮処理して圧縮コードを生成し、当該生成した圧縮コードを前記リモート監視制御センターへ前記ネットワークを介して伝送し、前記リモート監視制御センターの展開側は、前記圧縮コードを復元し得られたデータに基づいて必要なメンテナンス情報を作成して前記対象システムへ提供するリモートメンテナンスシステムにおいて、
前記圧縮側は、前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形について当該各レベル成分波形の局所ピーク値の内で所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出すると共に、前記圧縮側に設けられ前記圧縮側と前記展開側で共有する共有ウェーブレットコード変換テーブルを参照し、前記ウェーブレット変換に用いたマザーウェーブレット関数に対応する変換コードを取得し、前記ピーク値情報、前記ウェーブレット変換による分解レベル数、最終レベルの低周波成分波形及び前記変換コードに基づいて前記原時系列データのコード化を行い、圧縮コードを生成し、
前記展開側は、前記ネットワークを介して前記圧縮側から伝送された前記圧縮コード内の前記変換コードに基づき前記展開側に設けられ前記圧縮側と前記展開側で共有する共有ウェーブレットコード変換テーブルを参照することにより前記変換コードに対応するマザーウェーブレット関数を取得し、この取得したマザーウェーブレット関数によって前記圧縮コードを復元することを特徴とするリモートメンテナンスシステム。 - メンテナンスを必要とする対象システムと該対象システムをリモートで監視制御するリモート監視制御センターとをネットワークによって接続すると共に、前記対象システムの圧縮側は、必要とする各種の原時系列データを圧縮処理して圧縮コードを生成し、当該生成した圧縮コードを前記リモート監視制御センターへ前記ネットワークを介して伝送し、前記リモート監視制御センターの展開側は、前記圧縮コードを復元し得られたデータに基づいて必要なメンテナンス情報を作成して前記対象システムへ提供するリモートメンテナンスシステムにおいて、
前記圧縮側は、前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形について当該各レベル成分波形の局所ピーク値の内で所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出すると共に、前記ウェーブレット変換に用いたマザーウェーブレット関数に基づいてウェーブレットコード変換テーブルを一元管理するコードサーバへ問い合わせることにより前記マザーウェーブレット関数に対応する変換コードを取得し、前記ピーク値情報、前記ウェーブレット変換による分解レベル数、最終レベルの低周波成分波形及び前記変換コードに基づいて前記原時系列データのコード化を行い、圧縮コードを生成し、
前記展開側は、前記ネットワークを介して前記圧縮側から伝送された前記圧縮コードの前記変換コードに基づいて前記コードサーバへ問い合わせることにより前記変換コードに対応するマザーウェーブレット関数を取得し、この取得したマザーウェーブレット関数に基づいて前記圧縮コードを復元することを特徴とするリモートメンテナンスシステム。 - 前記ピーク値情報は、各ピークの時間と大きさであり、前記最終レベルの低周波成分波形は、原時系列データの平滑化信号値あるいは平均値であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記圧縮側では、前記原時系列データを圧縮する対象の第1時系列データと第2時系列データとの間に制御モデルとして入出力の相関関係がある場合に、第1時系列データである入力相当時系列データについて複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルのレベル成分波形中の局所ピーク値の内で、所定しきい値以上の絶対値を持つピーク値情報を抽出し、この抽出されたピーク値情報に基づいて入力相当データの圧縮コードを生成し、第2時系列データである出力相当データについて、入出力相関関係を同定した時系列モデルによってモデルパラメータを生成し、前記入力相当データの圧縮コードとモデルパラメータとに基づいて拡張圧縮コードを生成して前記ネットワークを介して前記リモート監視制御センターへ送信し、前記展開側では、前記拡張圧縮コードを受信して圧縮コードとモデルパラメータとに分離し、この分離された一方の圧縮コードについて、ウェーブレットの逆変換により前記第1時系列データに対応する前記復元入力相当データを生成し、前記分離された他方のモデルパラメータと前記復元入力相当データとに基づいて、時系列予測モデルによって前記第2時系列データに対応する復元出力相当データを生成して前記第1時系列データ及び前記第2時系列データの復元を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記展開側では、前記原時系列データに基づく復元時系列データの監視結果により前記圧縮側の切り出し毎の圧縮条件を前記圧縮側へネットワークを介して提示し、前記圧縮側では提示された前記圧縮条件に従って前記原時系列データを圧縮した圧縮コードを生成して前記ネットワークを介して前記展開側へ送信して圧縮条件に応じて前記圧縮コードを前記展開側で逐次展開して表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記圧縮側では、前記原時系列データの切り出し毎に、切り出した前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形の内で最も低周波に相当するレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して前記展開側へ送信し、順次低周波から高周波の成分方向のレベルにおけるレベル成分波形の前記圧縮コードを生成して送信する一方、前記展開側では前記圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードを復元して表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記圧縮側では、前記原時系列データの切り出し毎に、切り出した前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形に対して、複数設定されたしきい値レベルの内で最大しきい値より大きい絶対値をもつ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめた圧縮コードとして生成して前記展開側へ送信し、順次前記しきい値レベルを下げて当該しきい値より大きい絶対値を持つ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして、前記各しきい値に応じた圧縮コードを生成して送信する一方、前記展開側では前記各圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードを復元して表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記圧縮側では、前記原時系列データの切り出し毎に、切り出した前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形の内で最も低周波に相当するレベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して前記展開側へ送信し、順次低周波から高周波の成分方向のレベルにおけるレベル成分波形の前記圧縮コードを生成して送信する第1手段と、前記圧縮側では前記原時系列データの切り出し毎に、切り出した前記原時系列データを複数の変換係数によってウェーブレット変換して得られる各変換係数に応じた各分解レベルの各レベル成分波形に対して複数設定されたしきい値レベルの内で最大しきい値より大きい絶対値をもつ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして生成して前記展開側へ送信し、順次前記しきい値レベルを下げて当該しきい値より大きい絶対値を持つ各レベル成分波形の局所ピーク値をまとめて圧縮コードとして前記各しきい値に応じた圧縮コードを生成して送信する第2手段とを有して、必要に応じて前記第1手段と前記第2手段とを組み合わせ、前記展開側では前記各圧縮コードを受信して順次各レベル毎の圧縮コードを復元して表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載のリモートメンテナンスシステム。
- 前記圧縮側では、前記原時系列データについて予め定める信号の変化を検出した場合に、前記第1手段若しくは前記第2手段あるいは必要に応じて前記第1手段と前記第2手段とを組み合わせて圧縮コードを生成して送信する一方、前記展開側では前記各圧縮コードを受信して順次各分解レベル毎の圧縮コードに復元して表示し、さらに、復元された時系列データに基づいて制御モデルの妥当性を評価し、必要により制御モデルの再構築を行って得られたモデルパラメータを前記展開側へ返信し、前記展開側の制御モデルを更新することを特徴とする請求項8記載のリモートメンテナンスシステム。
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