JP3797455B2 - 磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容された磁気テープカートリッジに関し、特に、磁気テープの先端部分に取り付けられるリーダーピンに対する磁気テープの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、磁気テープを巻装した単一のリールが、上ハーフと下ハーフとからなる、ほぼ正方形の平面形を有する偏平なカートリッジケース内に回転可能に収容したものがある。これらの磁気テープカートリッジは主としてコンピュータメモリのバックアップとして用いられている。
【0003】
従来のこの種の磁気テープカートリッジには例えば2種類の形式があって、その1つは、不使用時に磁気テープが完全にリールに巻き込まれた状態で、カートリッジケースの一隅に形成されたテープ引出し用開口部を覆うように収容されるリーダーブロックに磁気テープの先端部分が係止されるように構成されている。
【0004】
また、他の形式のものは、カートリッジケースの一側壁に形成されたテープ引出し用開口部に、カートリッジ平面方向に回動開閉可能なリッドが閉位置に向かってばね付勢された態様で取り付けられていて、このテープ引出し用開口部内に組み込まれるフックに上記磁気テープの先端部分が係止されるように構成されている。
【0005】
このような構成を有する磁気テープカートリッジが、対応する外部記憶装置の記録再生装置にセットされると、下ハーフの中央部に露呈しているリールの係合歯に装置側の回転駆動手段が係合するとともに、前者の場合には、装置側のテープ引出し機構により上記リーダーブロックがそのまま磁気テープとともに引き出されることによって、また後者の場合には、装置側のテープ引出し機構により先にリッドが開かれてから、上記フックが磁気テープとともに引き出されることによって、磁気テープがテープ走行路の所定位置に引き込まれ、磁気テープへのデータの書込み/読出しが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近、装置をより小形化することが望まれている。このような観点から、装置側に引き込まれるリーダー部材を小形化することが検討されており、そのためには細いリーダーピンを用いることが提案され、さらにこのリーダーピンと磁気テープの先端部との連結構造をシンプルにすることが望まれている。
【0007】
しかして、このようなリーダーピンにおいては、磁気テープカートリッジが記録再生装置にセットされたときに装置側のテープ引出し機構と係合する係合部を両端に備えるとともに、磁気テープ連結後の上記係合部間の磁気テープ連結部についても、所定の外径を備えた円柱状に形成されていることが要求されるので、一般には、例えばC字状の断面形状と磁気テープの幅にほぼ等しい長さを有する弾性クランプ部材をリーダーピン本体の外周に側方から嵌着することにより、磁気テープのクランプと、磁気テープ連結部に必要な外径を確保することが考えられる。
【0008】
しかしながら、リーダーピン自体が極めて小型なため、所望のテープクランプ性能を備えた弾性クランプ部材を作成することが困難であった。
【0009】
このような事情に鑑み、本発明は、磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、上記磁気テープの先端部にリーダーピンが取り付けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、上記問題点を効果的に解決することが可能なリーダーピンのテープ連結構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記リーダーピンは、テープ巻回用軸部と、このテープ巻回用軸部の両端に形成されたフランジと、磁気テープカートリッジが記録再生装置にセットされたときに装置側のテープ引出し機構と係合するべく両端に形成された係合部とを備えた本体を有し、上記テープ巻回用軸部に磁気テープが上記フランジの外径近くに達する太さになるまで巻回された態様で、磁気テープの巻き終わり部分が接着剤によりテープ巻回体に接着されていることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、クランプ部材等を用いることなしに、磁気テープをシンプルにかつ確実にリーダーピンに連結することができ、しかも磁気テープ連結部を容易に所要の外径に形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1および図2は、本発明による磁気テープカートリッジの斜視図を示し、図1はそのスライドドアの閉状態を、図2はスライドドアの開状態をそれぞれ示す。
【0014】
磁気テープカートリッジは、上ハーフ1aと下ハーフ1bとからなるカートリッジケース1内に、磁気テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容している。カートリッジケース1の一側壁には、磁気テープの一端を引き出すためのテープ引出用開口部2が上ハーフ1aと下ハーフ1bとに跨がって、かつコーナー部に近接して形成されているとともに、このテープ引出用開口部2を開閉するスライドドア3がこの磁気テープカートリッジの外部装置に対する挿入方向(図2に矢Aで示す)と平行な方向に摺動可能に設けられている。スライドドア3は、カートリッジケース1内部においてカートリッジケース1とスライドドア3の後端面との間に介装されたばねによって閉位置に向かって付勢され、かつ閉位置に保持されるようになっている。
【0015】
テープ引出用開口部2の内側には凹部6が上下内壁面に設けられ、図2から明らかなように、磁気テープの先端部分をクランプしたリーダーピン4が上記凹部6に収容されており、この磁気テープカートリッジが対応する外部記憶装置等の記録再生装置に挿入されると、下ハーフ1bの中央部の開口に露呈している図示しないリールの係合歯に装置側の回転駆動手段が係合するとともに、装置側の部材がスライドドア3の前端面3aに当接してスライドドア3が開かれ、かつ上記テープ引出し機構によりリーダーピン4がクランプされて磁気テープとともに装置側に引き込まれることによって、磁気テープが装置側にセットされ、磁気テープに対するデータの書込み/読出しが可能になる。
【0016】
また、カートリッジケース1の一側には、磁気テープの消去および二重書込みを防止するための回動式の操作つまみ5が露出している。
【0017】
リーダーピン4は、図3の斜視図に示すような形状の金属製または硬質プラスチック製の本体11を有する。この本体11は、磁気テープ10が巻回される軸部12と、このテープ巻回用軸部12の両端を画成する内側フランジ13,13と、これら内側フランジ13,13の外側に形成された細径部14,14と、内側フランジ13,13とほぼ同径になるように細径部14,14の外側に形成された外側フランジ15,15とから構成されている。
【0018】
上記細径部14,14は、磁気テープカートリッジが記録再生装置にセットされたときに、装置側のテープ引出し機構と係合する係合部を構成し、外側フランジ15,15は、カートリッジケース1のテープ引出用開口部2の内側におけるリーダーピン収容凹部6(図2)に対する係合部となっている。テープ巻回用軸部12は、幅1/2インチ(12.7mm)の磁気テープ10に対応する長さを有する。
【0019】
このような構成を有する本体11のテープ巻回用軸部12の外周面に対し、磁気テープ10の先端が接着剤、水あるいはアルコールによって仮止めされた後、磁気テープ10がテープ巻回用軸部12の外周に巻回され、図4の斜視図に示すように、このテープ巻回体16の外径が内側フランジ13,13の外径近くに達する所定の太さになったときに、接着剤を用いて磁気テープ10の巻終わり部分をテープ巻回体16に接着する。この磁気テープ10の巻回作業は磁気テープ10に軽い引っ張りテンションをかけながら行なうことが好ましい。
【0020】
図5は、磁気テープ10がテープ巻回用軸部12の外周に巻回された状態を概略的に示す拡大断面図である。図中、17は磁気テープ10の巻き始めを軸部12の外周面に仮止めするための接着剤(アルコール等でもよい)、18は磁気テープ10の巻終わり部分をテープ巻回体16の外周面に接着するための接着剤である。
【0021】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、クランプ部材を用いることなしに、磁気テープ10をシンプルにかつ確実にリーダーピン4に連結することができ、しかもリーダーピン4の磁気テープ連結部を容易に所要の外径に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気テープカートリッジを、そのスライドドアの閉状態で示す斜視図
【図2】図1の磁気テープカートリッジを、そのスライドドアの開状態で示す斜視図
【図3】リーダーピンの本体と、この本体に対する磁気テープの巻始め状態を示す斜視図
【図4】磁気テープの巻終り状態を示す斜視図
【図5】図4の概略的拡大断面図
【符号の説明】
1 カートリッジケース
1a 上ハーフ
1b 下ハーフ
2 テープ引出用開口部
3 スライドドア
4 リーダーピン
10 磁気テープ
11 リーダーピン本体
12 テープ巻回用軸部
13 内側フランジ
14 細径部
15 外側フランジ
16 テープ巻回体
17,18 接着剤
Claims (1)
- 磁気テープを巻装した単一のリールがカートリッジケース内に回転可能に収容され、前記磁気テープの先端部にリーダーピンが取り付けられてなる磁気テープカートリッジにおいて、
前記リーダーピンは、テープ巻回用軸部と、該テープ巻回用軸部の両端に形成されたフランジと、前記磁気テープカートリッジが記録再生装置にセットされたときに装置側のテープ引出し機構と係合するべく両端に形成された係合部とを備えた本体を有し、前記テープ巻回用軸部に前記磁気テープが前記フランジの外径近くに達する太さになるまで巻回された態様で、前記磁気テープの巻き終わり部分が接着剤によりテープ巻回体に接着されてなることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
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1998
- 1998-03-11 JP JP05917098A patent/JP3797455B2/ja not_active Expired - Fee Related
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