JP3796720B2 - し尿浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、下水や家畜汚水などを無害な状態で廃棄するためのし尿浄化装置に関する発明である。
従来において、浄化装置等の設備がない場所では、河川などに流し込んだり、空地などに穴を掘って埋めたり、山林などに捨てたりしていたため、環境的又は衛生的に問題があり、無害な状態で廃棄する方法が求められていた。
浄化装置に関しては、特許文献1記載の発明のように、排水処理槽を用いて汚水の水分を地表より拡散蒸発させる発明も公開されている。また、特許文献2記載の発明のように、複数の処理装置間を循環させながら汚水を浄化していく発明も公開されている。
特告昭50−137号公報 特開2003−191000号公報
図18は、従来の排水処理槽の斜視図である。排水処理槽11は、処理槽11a、空間保有体11b及び通気筒11dからなる。処理槽11aは、合成樹脂等を上部を空けた箱形に成形したもので、正面側に排水流入口11cが設けられる。
空間保有体11bは、合成樹脂等で断面が略半円形となるように成形したもので、処理槽11aの内部に設置される。汚水は排水流入口11cを通じて空間保有体11bの中にに入れられる。
通気筒11dは、空気を流通させるための円筒状のもので、空間保有体11bの上部に高さを変えて2本取り付けられる。上端部には蓋11fが被せられており、上部側面に通気孔11eが複数設けられる。
空間保有体11bの外側には、外形に沿ってリブ11gが複数本形成されており、通気筒11dから入る気を空間保有体11bへ流通させる。尚、高い方の通気筒11dは、掃除管兼用である。
排水処理槽11は土中に埋められ、排水流入口11cに繋がれたパイプより内部に入ってきた汚水は、空間保有体11bの側面下部の滲出孔から水分のみが濾過され、地表より拡散蒸発することで浄化される。
しかしながら、排水処理槽だけであると、どんな汚水も完全に浄化できるとは限らず、汚水の状態によって適した装置を組み合わせて利用していく方が効率良く汚水を浄化することができる。
また、大規模な施設であれば、様々な汚水などに対応できるが、設置に掛かる手間や費用なども大きくなってしまうため、目的に応じて最適な処理装置を組み合わせることが、低コストで高い効果を得るには重要である。
そこで、本発明は、手間や費用を抑えつつ効率的にし尿等を浄化できる装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するために、し尿の汚水が流入する流入管9を接続し、し尿の汚水を傾斜式スクリーン3へ送り出す原水ポンプ2b及びし尿の汚水を第1浄化槽4へ送り出す移送ポンプ2cを設けた原水ポンプ槽2と、
略三角柱状のウェッジワイヤー3hを水分3mが除去されるように各ウェッジワイヤー3h同士の間にスリット3を設け、前記スリット3iの幅を調整可能に並べ、前記ウェッジワイヤー3hの内側には目詰まりを防止するためにブラシ3jを設け、
上側には入ってくるし尿の量より出ていくし尿等の汚水の量が少ない場合は溢れないように制御する計量槽3gを設置するとともに固形物置場3eを設け、前記原水ポンプ槽2から送り出されたし尿を汚水を糞などの固形物と水分とに分離し、固形物を取り除き水分を原水ポンプ槽2に送り返す傾斜式スクリーン3と、
蓄えたし尿が一定量を超え容量を超えるおそれがある場合には原水ポンプ槽2へ返送4nする計量ボックス4lを設置し、発生した汚泥を原水ポンプ槽2に汚泥返送10pするための第1汚泥引抜ポンプ4d及びスカムが発生しないように曝気ブロワー4iより空気4jを送ることでし尿の汚水を攪拌するスカム破砕装置4gを備えた最初沈殿槽4a、酸素のないところで働く微生物の力を利用してし尿の汚水を分解し、その分解で発生した浮遊物を濾すことによって分離する濾材4pを設け、発生した汚泥を前記原水ポンプ槽2に汚泥返送10qするための第2汚泥引抜ポンプ4eを設けた嫌気濾床槽4b及び前記曝気ブロワー4iより空気4jを送ることで酸素を供給し、底付近に散気装置4fを設けて送られた前記空気4jによって水中に分散させ、希釈水4kを添加することによって濃度を薄める予備曝気槽4cからなり、前記傾斜式スクリーン3から戻された汚水を浄化する第1浄化槽4と、
し尿の汚水に添加し浮遊する汚物同士を集めて塊とし濾過や沈降によって分離除去するのを容易にするために凝集剤12fを添加し、曝気ブロワー4iから空気4jを送り込みスカムが発生しないように攪拌する散気装置12eを設けた凝集槽12a、
スカムバッフル12g、越流堰12h、センターウェル12i、エアーリフト12j及び曝気ブロワー4iにより空気4jが送り込まれる汚泥破砕装置12kからなり、し尿の汚水に薬剤を添加し沈殿させ有害物質等を取り除く沈殿槽12b、
前記沈殿槽12bで処理された後の上澄液を放流10eする前に消毒を行うために消毒薬を入れた薬剤筒12lを備える消毒槽12c及び
前記消毒槽12cにおいて消毒されたし尿の汚水を放流10eする放流槽12dからなり、前記傾斜式スクリーン3から戻された汚水を浄化を促す第2浄化槽12と、
前記第1浄化槽4から流れ込むし尿の汚水中にバクテリアを入れし尿の汚水の分解を促すために内部に逆洗装置5d、散気装置5e及び接触材5iが置かれている第1接触曝気槽5a、第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cからなるタンク5と、
上から砂6a層、パーライト6b層及び砕石6層cの三層からなり、前記第2浄化槽12からの放流管9eから分岐させた第1パイプ9f、第2パイプ9g、第3パイプ9h及び第4パイプ9iを前記パーライト6b層に配設し、し尿の汚水の処理を行い地下へ浸透させるための地下浸透槽6と、
前記地下浸透槽6を通過し処理されたし尿の汚水を貯めておく貯水槽7と、
前記7貯水槽のし尿の汚水を蒸発させる複数の蒸発散槽群8とからなり、
前記貯水槽7に残った水を前記原水ポンプ槽2へ環流させて再処理することを特徴とする
し尿浄化装置の構成とした。



本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、浄化に適した装置を組み合わせて、原水ポンプ槽からし尿等の汚水を送り出し、各装置で順次処理していくことで、非常に高い浄化効果を得ることができる。
第2に、傾斜式スクリーンを利用することで、糞などの固形物と水分とに分離することができ、し尿等の汚水からあらかじめ固形物を除去しておくことができる。また、固形物は集めて肥料などとして利用できる。
第3に、浄化槽及びタンクを組み合わせて利用することで、し尿等の汚水に対し、濾過、細菌や微生物による分解及び沈殿物生成による分離など様々な処理を施して、無害な状態にまですることができる。
第4に、地下浸透槽において、地層を3つに分けて別々のバクテリアを生じさせることで、し尿等の汚水をバクテリアによって分解しながら、無害な状態でし尿等の汚水を処分することができる。
第5に、蒸発散槽が硝子繊維強化ポリエステル製であるため、強度が大きく腐蝕することがなく、半永久的に使用することができる。蒸発散槽を利用すると汚濁物質量を約3分の1から6分の1に減らすことができる。
第6に、蒸発散槽は軽量であるため、大量に使用する場合であっても簡単に設置することができる。また、蒸発散槽を別の場所へ移動させたい場合には、掘り起こして再使用することが容易にできる。
第7に、蒸発散槽では、表土や砂層の毛細管現象及び表示の蒸発作用を組み合わせて、汚水を無害な状態で蒸発させるが、水分を蒸発させるのに動力は必要とせず、また、水分は蒸発するので、排水溝などを設ける必要もない。
第8に、貯水槽に蓄えられたし尿等の汚水のうち、蒸発散槽で処理しないで、残っているものについては、原水ポンプ槽に環流させることで、水分を補充するとともに再処理することができる。
本発明であるし尿浄化装置を構成する各装置については、し尿等の汚水の状態に応じて、組み合わせる装置を追加したり除外したりすることで、より高い浄化効果が得られるように調整する。
以下に、添付図面に基づいて、本発明であるし尿浄化装置について詳細に説明する。図1は、本発明であるし尿浄化装置の全体図である。し尿等の汚水は流入管9を通ってし尿浄化装置1に投入される。
し尿浄化装置1は、投入されたし尿等をパイプへと送り出す原水ポンプ槽2と、前記原水ポンプ槽2から送り出されたし尿等を固形物と汚水に分離する傾斜式スクリーン3と、前記傾斜式スクリーン3から戻された汚水を浄化する浄化槽4、12及びタンク5と、前記浄化槽4、12及びタンク5からの汚水を地下へ浸透させる地下浸透槽6と、前記地下浸透槽6を通過した汚水を貯める貯水槽7と、前記貯水槽7の汚水を蒸発させる複数の蒸発散槽群8とからなり、貯水槽7に残った水を原水ポンプ槽2へ環流させて再利用することを特徴とする。
原水ポンプ槽2は、流入管9より槽内に流入10したし尿等の汚水を次の装置に移すための装置である。汚水はポンプによりパイプ9aへ送り出され、流れ10aのように傾斜式スクリーン3に送られる。
傾斜式スクリーン3は、糞などの固形物と水分を分離させる装置である。処理後の汚水は返送10bのように原水ポンプ槽2へと戻され、ポンプにより流れ10cのようにパイプ9cを介して浄化槽4へ送られる。
第1浄化槽4は、し尿等の汚水を汚泥として沈殿させるなどして浄化する装置である。一般的には、嫌気濾床接触曝気方式のものが使用される。処理後の汚水はパイプ9dを通じて、流れ10dのようにタンク5へ送られる。また、発生した汚泥はパイプ9p、9qを通って、原水ポンプ槽2へ汚泥返送10p、10qされる。
タンク5は、第1接触曝気槽5a、第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cからなり、別々の容器の場合もあれば、1つの容器を仕切る場合もある。中にバクテリアを入れることによって分解を促す。処理後の汚水はパイプ9nを通じて、流れ10nのように第2浄化槽12へ送られる。
第2浄化槽12は、第1浄化槽4と同じくし尿等の汚水を浄化する装置である。処理後の汚水は放流管9eを通じて、地下浸透槽6へ放流10eされる。また、発生した汚泥はパイプ9oを通って、第1浄化槽4へ汚泥返送10oされる。
地下浸透槽6は、し尿等の汚水を地下に浸透させる装置である。放流管9eから第1パイプ9f、第2パイプ9g、第3パイプ9h、第4パイプ9iに分岐し、地下浸透槽6通過中は分流10f、10g、10h、10iする。それぞれ通過した後は、パイプ9jの1つにまとまり、合流10jして貯水槽7へ送られる。
貯水槽7は、処理された汚水が貯められる装置である。汚水は第1パイプ9k及び第2パイプ9lから蒸発散槽群8に送られるが、第1パイプ9kは途中で第2パイプ9lへ分岐し、分流10kと分流10lとに分かれる。残った水はパイプ9mより原水ポンプ槽2へ環流10mさせる。
蒸発散槽群8は、水分を地表から蒸発させる装置である。各蒸発散槽8a、8bは地中8tに埋め込んで使用するが、複数準備した場合は第1パイプ9k及び第2パイプ9lの先を分岐させてそれぞれ繋ぐ。各蒸発散槽8a、8b内に送り込まれた汚水は濾過され、水分のみが地中8tに滲出し、地表から蒸発する。
符号9から9rまでのパイプ等は、塩化ビニール等の管で、各装置間を繋ぎ、し尿等の汚水を通す。傾斜式スクリーン3から原水ポンプ槽2への返送10bしたり、貯水槽7から原水ポンプ槽2へ環流10mさせることで、水が循環する。
符号10から10rまでの流れ等は、し尿等の汚水の通り道を示しており、装置を経由する度に徐々に浄化される。また、返送10bや環流10mなどのように、水分等を循環させて再利用する。
図2は、本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽の平面図である。原水ポンプ槽2は、投入され貯められたし尿等の汚水を次の装置に送り出す装置で、容器2a、原水ポンプ2b、移送ポンプ2c及び複数のパイプからなる。
容器2aは、略円柱状で内部が中空であり、上面にある正方形状の孔には蓋2eがされる。内底には原水ポンプ2bと移送ポンプ2cがあり、上面には複数のパイプが取り付けられる。
原水ポンプ槽2には、中へ投入するためのパイプと、外へ排出するためのパイプが存在する。中へ投入するためのパイプとして、流入管9、パイプ9b、パイプ9p、パイプ9q及びパイプ9mがあり、外へ排出するためのパイプとして、パイプ9a及びパイプ9cがある。
流入管9は、新たにし尿等の汚水が流入10される箇所である。し尿等の汚水は一旦、原水ポンプ槽2に貯められ、原水ポンプ2bにより傾斜式スクリーン3へ送り出され、移送ポンプ2cにより第1浄化槽4へ送り出される。
原水ポンプ2bは、パイプ9aを通じてし尿等の汚水を傾斜式スクリーン3へ送るためのポンプである。傾斜式スクリーン3へ送られたし尿等の汚水は、処理された後、パイプ9bを通じて再び原水ポンプ槽2に返送10bされる。また、原水ポンプ2bの周りには送気管2dがあり、空気が送られる。
移送ポンプ2cは、パイプ9cを通じてし尿等の汚水を第1浄化槽4へ送るためのポンプである。第1浄化槽4へ送られたし尿等の汚水は、浄化処理が行われ、発生した汚泥等がパイプ9p又はパイプ9qを通じて汚泥返送10p、10qされる。
また、し尿浄化装置1の各装置を巡って貯水槽7に貯められた水分は、パイプ9mを通じて原水ポンプ槽2に戻される。水分を環流10mさせることで、水分を補充できるとともに、再処理により更に浄化することができる。
図3は、本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽のA−A’線に沿った断面図である。原水ポンプ槽2は、上部を細くした上面に孔が空いており、蓋2eで栓がされる。図2で示したもの以外では攪拌ブロワー2fが設けられる。
原水ポンプ槽2の容器2aの側面上部には流入管9が設けられ、し尿等の汚水が流入10する。また、容器2aの上面にはパイプ9b、9m、9p、9qが取り付けられ、それぞれ符号10b、10m、10p、10qのように流れ込む。
原水ポンプ槽2の容器2a内には、底に原水ポンプ2b及び移送ポンプ2cが設けられ、それぞれパイプ9a及びパイプ9cが上方に延びている。ポンプが下にあることで、底に溜まりやすいものでも送り出すことができる。
攪拌ブロワー2fは、原水ポンプ槽2内のし尿等の汚水を静置しておくと固形物等が底に沈んでしまうので、原水ポンプ槽2内に空気を送ることで攪拌し、固形物等も浮遊した状態でポンプから送り出すことができるようにする装置である。
攪拌ブロワー2fから送り込まれた空気は送気管2dを通って原水ポンプ槽2の中に出され、空気の出る勢いによりし尿等の汚水を攪拌する。固形物等があっても均等に散らばるので、パイプ等に詰まったりすることもなくなる。
図4は、本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの斜視図、図5は、本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの正面図、図6は、本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの平面図である。
傾斜式スクリーン3は、本体3aがステンレス等の材質で出来ており、箱型の形状をしている。送られてきたし尿等の汚水を糞などの固形物と水分とに分け、水分は原水ポンプ槽2に送り返す。
傾斜式スクリーン3では、原水ポンプ槽2から送られてきたし尿等の汚水が、上部の投入口3cからスクリーン3bへ流され、水分を除去しながら残ったものが排出板3dから固形物置場3eへ落とされる。
スクリーン3bの上を流れながら除去された水分は、排水溝3fへ流れ込み、パイプ9bを通じて原水ポンプ槽2に返送10bされる。傾斜式スクリーン3は固形物を取り除くだけで、汚水の処理は浄化槽4等で行う。
処理する量が多い場合には、傾斜式スクリーン3は2台以上並べて設置しても良い。また、いきなり許容量以上のし尿等の汚水が来ても問題ないように、傾斜式スクリーン3の上側に計量槽3gを設置して、し尿等の汚水を一旦蓄えておき、徐々に各傾斜式スクリーン3へ流していく。
図7は、本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンのB−B’線に沿った断面図である。傾斜式スクリーン3の上側には計量槽3gを設けて、原水ポンプ槽2から出たパイプ9aを繋ぐ。
流れ10aにより、原水ポンプ槽2からのし尿等の汚水は計量槽3gに入る。計量槽3gからはパイプ9rが出ており、流れ10rが傾斜式スクリーン3の許容量を超えないように調節しながらし尿等の汚水を送り出す。
計量槽3gに入ってくるし尿等の量より出ていくし尿等の量が少ない場合は、計量槽3gの容量を超える可能性もあるので、貯留量が多くなった際は、原水ポンプ槽2へ送り返し、溢れないように制御する。
パイプ9rから傾斜式スクリーン3に流されたし尿等の汚水は、傾斜したスクリーン3b上を滑り落ちていく。スクリーン3bの上を移動中、し尿等から水分が分離され、脱水された汚物のみが排出板3dから出て、固形物置場3eに貯められる。
分離された汚水は排水溝3fに貯まり、パイプ9bによって原水ポンプ槽2に戻され、別の装置に送られ浄化される。固形物置場3eに蓄えられた汚物は肥料として利用するなど別の方法で処分される。
図8は、本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンのスクリーン断面の拡大図である。傾斜式スクリーン3のスクリーン3bは1枚の板ではなく、水分3mを除去するため多くの隙間が存在する。
スクリーン3bは、略三角柱状のウェッジワイヤー3hを並べることで斜面が構成される。各ウェッジワイヤー3h同士の間にはスリット3iがあり、水分3mが除去される。スリット3iの幅は約0.3から2.0ミリメートルで調整が可能である。
ウェッジワイヤー3hの面が一直線上に並ぶようにすれば、スリット3iは狭くなり、ウェッジワイヤー3hを傾けていけば、スリット3iは広くなる。スリット3iが広くなると、微少な固形物3lも一緒に除去されるようになる。
ウェッジワイヤー3hの内側には、目詰まりを防止するためにブラシ3jが設けられる。ブラシ3jが回転等することで、スリット3iに詰まったゴミを取り除き、水分3mが除去されづらくなるのを防ぐ。
し尿等3kが上方からスクリーン3bのウェッジワイヤー3h上を流れてくると、大きな固形物3lはスリット3iを通過できず、水分3mのみがスリット3iを通過して分離される。
一度に水分3mを分離できなかったとしても、スクリーン3b上を移動しながら徐々に分離することができる。スリット3iを通過できない大きな固形物3lのみが、そのままスクリーン3b上を流れ落ちる。
浄化槽4等では、主に液体に対する処理となるので、予め固形物3lを分離しておくことは、効率良く浄化を行うには好ましい。浄化槽等からは汚泥なども返送されてくるので、傾斜式スクリーン3によって分けることも可能である。
図9は、本発明であるし尿浄化装置の第1浄化槽を示す図である。第1浄化槽4は、原水ポンプ槽2から送られて来たし尿等の汚水を無害な状態で捨てられるように処理する装置である。
第1浄化槽4は、最初沈殿槽4a、嫌気濾床槽4b及び予備曝気槽4cからなり、1つの水槽を各槽ごとに仕切って順に処理していくが、各槽は別々の水槽に分けてしまっても構わない。
原水ポンプ槽2から流れ10cのように送られてきたし尿等の汚水は、第1浄化槽4に入る前に一旦計量BOX4lに蓄えられる。原水ポンプ槽2から直接第1浄化槽4に送ってしまうと、第1浄化槽4の許容量を超えてしまう可能性もある。
計量BOX4lは、第1浄化槽4の水面4oの高さから投入できる量を判断し、し尿等の汚水を流入4mさせる。計量BOX4lに蓄えたし尿等が一定量を超え、容量を超えるおそれがある場合には、原水ポンプ槽2へ返送4nする。
パイプ9cから第1浄化槽4に入ってきたし尿等の汚水はまず最初沈殿槽4aで処理される。最初沈殿槽4aには第1汚泥引抜ポンプ4d及びスカム破砕装置4gがあり、し尿等の汚水に薬剤を添加するなどして沈殿させ、有害物質等を取り除く。
第1汚泥引抜ポンプ4dは、発生した汚泥を原水ポンプ槽2に汚泥返送10pするための装置である。第1浄化槽4内の汚泥の量が多くなると、処理効率が悪くなるため取り除き、原水ポンプ槽2へ戻す。
スカム破砕装置4gは、最初沈殿槽4a内にスカムが発生しないように、曝気ブロワー4iより空気4jを送ることでし尿等の汚水を攪拌する。スカムが発生すると汚泥が水中に浮遊することになるので、沈殿させた意味がなくなる。
尚、スカムとは、し尿等の汚水が分解することにより発生したガスが、汚泥と混合することによって比重が小さくなり、水面4o付近に浮遊するスポンジ質の物体のことをいう。スカムは放っておくと腐敗するので、取り除く必要がある。
最初沈殿槽4aには、第2浄化槽12の沈殿槽12bで発生した沈殿物を汚泥返送10oし、し尿等の汚水に添加する。汚泥を返送して循環利用することで、第1浄化槽4内の汚泥濃度を調整することができ、処理が活性化する。
嫌気濾床槽4bでは、酸素のないところで働く微生物の力を利用して、し尿等の汚水を分解する。また、嫌気濾床槽4b内に濾材4pを設けて、分解などで発生した浮遊物を濾すことによって分離する。
第2汚泥引抜ポンプ4eは、第1汚泥引抜ポンプ4d同様に、発生した汚泥を原水ポンプ槽2に汚泥返送10qするための装置である。濾材4pにより分離された汚泥を収集して、原水ポンプ槽2へ戻す。
スカム破砕装置4hも、嫌気濾床槽4b内にスカムが発生しないように、曝気ブロワー4iより空気4jを送ることでし尿等の汚水を攪拌する。分離した汚泥が水中に浮遊してしまうと収集しづらくなる。
予備曝気槽4cでは、曝気ブロワー4iより空気4jを送ることで酸素を供給する。予備曝気槽4cの底付近には散気装置4fがあり、送られた空気4jが散気装置4fによって水中に分散される。
予備曝気槽4cには、希釈水4kを添加することによって濃度を薄める。第1浄化槽4で一通り処理されたし尿等の汚水は、パイプ9dから流れ10dのように排出され、次の装置へ移送される。
図10は、本発明であるし尿浄化装置のタンクを示す図である。タンク5は、第1接触曝気槽5a、第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cからなり、各接触曝気槽5a、5b、5cには曝気ブロワー4iにより空気4jが供給される。
流れ10dのように第1接触曝気槽5aに送られてきたし尿等の汚水は、第1接触曝気槽5aで処理された後、第2接触曝気槽5bに移送5gされ、第2接触曝気槽5bで処理された後、第3接触曝気槽5cに移送され、第3接触曝気槽5cで処理された後は、流れ10nのように送り出される。
第1接触曝気槽5aは、水面5hまでし尿等の汚水が入っており、水槽内には逆洗装置5d、散気装置5e及び接触材5iが存在する。第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cについても同様である。
各接触曝気槽5a、5b、5cでは、水槽内に酸素を供給することで、バクテリア等の好気性細菌やプランクトン等の好気性微生物などの働きを活発化させ、し尿等の汚水の分解を行う。
接触材5iは、好気性細菌や好気性微生物を繁殖させるための板である。好気性細菌又は好気性微生物が増えてくると、接触材5iの隙間が狭くなり目詰まりにより浄化能力が落ちてくる。
逆洗装置5dは、好気性細菌又は好気性微生物が増え過ぎたり、し尿等の分解により汚泥が増え過ぎたりして接触材5iが目詰まりを起こした場合に、逆の流れを発生させることによって、汚泥等を分離させて洗浄する。
散気装置5eは、曝気ブロワー4iにより供給された空気4jを水槽内に分散させる。空気に含まれる酸素を供給し続けることで、好気性細菌や好気性微生物などによるし尿等の分解が促進される。
第1接触曝気槽5aにおいて、し尿等の分解により泡が発生した場合には、消泡剤5fを添加する。尚、第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cについても泡が発生した場合には消泡剤5fを添加する。
図11は、本発明であるし尿浄化装置の第2浄化槽を示す図である。第2浄化槽12は、凝集槽12a、沈殿槽12b、消毒槽12c及び放流槽12dからなり、第1浄化槽4同様、し尿等の汚水を浄化する。
第2浄化槽12では、流れ10nにより送られてきたし尿等の汚水は、まず凝集槽12aで処理された後、移送12qにより沈殿槽12bに送られ処理された後、移送12qにより消毒槽12c及び放流槽12dに送られ、消毒槽12cで処理された後、放流槽12dから放流10eされる。
凝集槽12a、沈殿槽12b、消毒槽12c及び放流槽12dには、それぞれ水面12m、水面12n、水面12o及び水面12pまでし尿等の汚水が入っており、凝集槽12a及び沈殿槽12bに関しては、曝気ブロワー4iにより空気4jが送り込まれる。
凝集槽12aは、し尿等の汚水に凝集剤12fを加えて、浄化に利用した好気性細菌や好気性微生物などを集める。沈殿槽12bで沈殿物を発生させる前処理的な役割をする。また、スカムが発生しないように散気装置12eにより攪拌する。
凝集剤12fは、し尿等の汚水から濁りを除去するために添加する薬剤で、水中に浮遊する汚物同士を集めて塊とし、濾過や沈降によって分離除去するのを容易にするために添加する。
沈殿槽12bでは、第1浄化槽4の最初沈殿槽4aと同様、し尿等の汚水に薬剤を添加するなどして沈殿させ、有害物質等を取り除く。沈殿槽12bは、スカムバッフル12g、越流堰12h、センターウェル12i、エアーリフト12j及び汚泥破砕装置12kからなる。
沈殿槽12bでし尿等の汚水を沈殿させると沈殿汚泥は底に沈むが、水槽内で発生したガスと混合し、スカムとなって浮上する。水面12n付近に越流堰12h及びスカムバッフル12gを設けることで、スカムの越流を防止することができる。
越流堰12hの前にスカムバッフル12gを設置するが、越流堰12hとスカムバッフル12gの間に入ったスカムはシャワーを当てたりして沈殿させる。スカムは放置しておくと腐敗するので取り除く。
センターウェル12iは、中空の円筒状をしており、沈殿槽12bの中央に設けられる。内部には、エアーリフト12jが通っており、沈殿槽12b内の上澄液が溢れ出さないように制御する。
エアーリフト12jは、沈殿槽12bの底に沈殿した汚泥を移送するためのポンプで、曝気ブロワー4iからの空気4jを利用して、第1浄化槽4の最初沈殿槽4aへ汚泥返送10oする。
汚泥破砕装置12kは、沈殿した汚泥を曝気ブロワー4iから空気4jを送ることで攪拌し、汚泥の塊が大きくなるのを防ぐ。汚泥の塊が大きくなると、汚泥返送10oする際にパイプ9oを通らなくなるので砕いておく。
消毒槽12cは、沈殿槽12bで処理された後の上澄液を放流10eする前に消毒を行う。薬剤筒12lに塩素剤などの消毒薬が入っており、消毒槽12c内に添加することでし尿等の汚水を消毒する。
消毒槽12cにおいて消毒が済んだら、放流槽12dの放流管9eから、浄化処理済みのし尿等の汚水を放流10eする。浄化が済むと、し尿等に多く含まれていた大腸菌もほとんど無くなる。
図12は、本発明であるし尿浄化装置の地下浸透槽の断面図である。地下浸透槽6では、地面6dを掘って、上から砂6a、パーライト6b及び砕石6cの三層によってし尿等の汚水の処理を行う。
図1で示したように、放流管9eは、第1パイプ9f、第2パイプ9g、第3パイプ9h及び第4パイプ9iに分岐し、各パイプ9f、9g、9h、9iは、地下浸透槽6のパーライト6bの層を通っている。
各パイプ9f、9g、9h、9iから土中にしみ出したし尿等の汚水は、まず砂6a及びパーライト6bの層に存在するバクテリアによって処理される。バクテリアの働きによりし尿等に含まれるヘドロ状の油分を分解することができる。
尚、パーライトは、真珠岩又は黒曜石などを粉砕し、1000度前後の高温で焼成発泡させた無機質かつ超軽量の土壌改良材である。高い透水性及び通気性を有し、バクテリアも寄りやすい。
更に、砕石6cの層まで達したし尿等の汚水は、砂6a及びパーライト6bの層のバクテリアとは別のバクテリアによって分解される。出来るだけ有害物質を分解し、無害な状態にまで処理する。
地下浸透槽6で処理されたし尿等の汚水は、1本のパイプ9jに合流10jされ、貯水槽7に送られる。貯水槽7は一時的に汚水を貯めておく場所で、汚水を処分するための別の装置へと送り出す。
貯水槽7に蓄えられた汚水の一部は、蒸発散槽群8に送られ、水分を蒸発させることで処分される。残った汚水は原水ポンプ槽2へ水分を補充するためにパイプ9mを通じて環流10mする。
図13は、本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽の斜視図、図14は、本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を正面図、図15は、本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を平面図、図16は、本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を側面図である。
蒸発散槽群8は、図1に示すように、上側の蒸発散槽8aの集まりと、下側の蒸発散槽8bの集まりをまとめたものである。貯水槽7からは、蒸発散槽8aに対して第1パイプ9k、蒸発散槽8bに対して第2パイプ9lが伸びている。尚、各蒸発散槽8aと各蒸発散槽8bは同じものである。
蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bは、外槽8c、内槽8d、掃除管8eからなり、耐酸性の硝子繊維強化ポリエステル製であるため、強度が大きく腐蝕するようなことはなく、半永久的に使用することができる。また、軽量であるため設置工事は簡単に行うことができ、廃棄水量と土壌の性質に応じて個数を調整する。
外槽8cは、図13に示すように、略直方体状の上部の空いた箱形であり、前面に連結孔8fが空いている。縦が1.8から2.7メートル、横が約1.2メートルの大きさで、深さが約40センチメートルである。
連結孔8fは、第1パイプ9k又は第2パイプ9lの先を繋ぐための孔で、し尿などの汚水を内槽8dの内部へ送り込む。貯水槽7から出た第1パイプ9k及び第2パイプ9lは、先端が枝分かれし、それぞれの連結孔8fに繋げられる。
内槽8dは、図14に示すように、断面が略半円形のカマボコ型であり、外槽8cの中に取り付けられている。外側上部には、外形に沿って数本のリブ8gが設けられ、側面下部には水分を濾過するための滲出孔8hがある。
リブ8gは、図13に示すように、空気を流通させるためのアーチ状の管で、内槽8dの外周に沿って取り付けられている。内槽8d内の空気の流通を良くすることで、好気性菌類などの活動が活発になり、し尿などの汚水の分解を促進する。
滲出孔8hは、図14に示すように、し尿などの汚水を濾過し、水分のみを外部に出すための孔である。滲出した水分は表土から蒸発されるが、滲出孔8hを通過できない汚泥は内槽8d内に蓄積される。
掃除管8eは、直径が13センチメートル、高さが65センチメートルの筒型で、接続部8iにおいて内槽8dの上部に取り付けられる。掃除管8eの上側は口蓋8jで押さえられ、側面にはオーバーブロー8kが設けられる。
口蓋8jは、掃除管8eの上端に被せられている蓋である。通常は閉めておくが、内槽8d内に溜まった汚泥をバキュームなどを用いて汲み上げる際には、口蓋8jを開けて作業を行う。
オーバーブロー8kは、掃除管8eにある排水ピットに接続されており、し尿等の汚水が逆流しないように制御する。汚水が許容量を超えても、掃除管8eを昇っていかないようにオーバーブロー8kから排出する。
設置する際は、まず地面8sに対して、図15に示すように、穴を縦が3.8から4.7メートル、横が約3.2メートルの広さで、地表から10から30センチメートルの深さに掘る。穴の側面及び底面は、コンクリートブロック8lをモルタル塗又はビニールシートで覆ったもので、枠を形成する。
図16に示すように、穴の中心付近は蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bの形に空けておき、更に約40センチメートルの深さの地中8tまで掘り下げ、穴の底面を平らにならしておく。蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bの外槽8cの縁をコンクリートブロック8lに掛けるような形で嵌め込み、蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bを置く。
各蒸発散槽8a又は各蒸発散槽8bの連結孔8fには、貯水槽7から延びた第1パイプ9k又は第2パイプ9lを、コンクリートブロック8lの下の地中8tを通してそれぞれ接続する。
図14に示すように、蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bの外槽8cの内部で内槽8dの両側に砕石や瓦片等である礫8mを約20センチメートルの高さまで敷き詰める。上にサラン網8qを被せ、更に上側に砂8nを約20センチメートルの高さで外槽8cの縁付近まで入れる。砂8nの上にもサラン網8rを被せておく。
コンクリートブロック8lの内側の深さ10から30センチメートルを表土に近い盛土8oで盛る。更に、蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bの周囲約1メートルの範囲内の地面8sを約10から20センチメートルの深さに渡り掘り返して軟らかくし、盛土8pとする。蒸発散槽8a又は蒸発散槽8bを埋めた後は掃除管8eの先端のみが地表に出る。
土壌が粘土質の場合は、籾殻、大鋸屑又は完熟堆肥を混合し、砂質の場合は、籾殻を混ぜた畑土と入れ替える。軽く土を握って、掌を開いたときに容易に崩れるような状態であることが望ましい。
連結孔8fを通じて内槽8dに入ってきたし尿などの汚水は、滲出孔8hにおいて水分のみが濾過され、礫8mに滲出する。水分は礫8m、砂8n及び盛土8o、8pにより更に濾され、無害な状態で蒸発させることができる。
図17は、本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽の汚水を分離するための羽を設けた場合の断面図である。原水ポンプ槽2から傾斜式スクリーン3にし尿等に汚水を送る前にあらかじめ固形物と水分を分離しておく。
傾斜式スクリーン3でし尿等の汚水を糞などの固形物と水分とに分ける際、糞などの繊維分は軟らかいので水分を含んでしまい、水分が分離されることなくそのまま糞などと一緒に流れ落ちてしまうことがある。
傾斜式スクリーン3に流す前に浮遊する固形物を集めた状態にしておけば、水分は傾斜式スクリーン3のスリット3iから除去されやすくなり、固形物と水分とを分離する効果が大きくなる。
原水ポンプ槽2の内部には、原水ポンプ2b及び移送ポンプ2cの邪魔とならないように、上から下まで支持棒2gを通す。支持棒2gには、上寄りの上羽2iと下寄りの下羽2jを有する回転羽を取り付け、下端又は上端にモーター2hを設け、前記回転羽を回転させる。
原水ポンプ槽2にし尿等の汚水がある状態で、モーター2hを起動し、上下羽2i、2jを回転させると、汚水が攪拌される。汚水中に漂っている繊維等の固形物は集められ、分離しやすい状態にすることができる。
約10〜15分間、上下羽2i、2jからなる回転羽を回転させることで、繊維等の固形物を含む層と含まない層に分離されるので、傾斜式スクリーン3に送った際に固形物と水分とに効率良く分けることができる。
以上のように、本発明であるし尿浄化装置1は、浄化に適した装置を組み合わせて、原水ポンプ槽2からし尿等の汚水を送り出し、各装置で順次処理していくことで、非常に高い浄化効果を得ることができる。
傾斜式スクリーン3を利用することで、糞などの固形物3lと水分3mとに分離することができ、し尿等3k等の汚水からあらかじめ固形物3lを除去しておくことができる。また、固形物3lは集めて肥料などとして利用できる。
浄化槽4、12及びタンク5を組み合わせて利用することで、し尿等の汚水に対し、濾過、細菌や微生物による分解及び沈殿物生成による分離など様々な処理を施して、無害な状態にまですることができる。
地下浸透槽6において、地層を3つに分けて別々のバクテリアを生じさせることで、し尿等の汚水をバクテリアによって分解しながら、無害な状態でし尿等の汚水を処分することができる。
各蒸発散槽8a、8bが硝子繊維強化ポリエステル製であるため、強度が大きく腐蝕することがなく、半永久的に使用することができる。蒸発散槽8a、8bを利用すると汚濁物質量を約3分の1から6分の1に減らすことができる。
蒸発散槽8a、8bは軽量であるため、大量に使用する場合であっても簡単に設置することができる。また、蒸発散槽8a、8bを別の場所へ移動させたい場合には、掘り起こして再使用することが容易にできる。
蒸発散槽8a、8bでは、表土や砂層の毛細管現象及び表示の蒸発作用を組み合わせて、汚水を無害な状態で蒸発させるが、水分を蒸発させるのに動力は必要とせず、また、水分は蒸発するので、排水溝などを設ける必要もない。
貯水槽7に蓄えられたし尿等の汚水のうち、蒸発散槽8a、8bで処理しないで、残っているものについては、原水ポンプ槽2に環流10mさせることで、水分を補充するとともに再処理することができる。
家畜のし尿以外にも、家庭や工場等から排出される汚水などを浄化する場合にも応用可能である。し尿浄化装置内の1つの装置を単独で利用したり、また別の装置と組み合わせたりして効果の高い浄化設備を構築することもできる。
本発明であるし尿浄化装置の全体図である。 本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽の平面図である。 本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽のA−A’線に沿った断面図である。 本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの斜視図である。 本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの正面図である。 本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンの平面図である。 本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンのB−B’線に沿った断面図である。 本発明であるし尿浄化装置の傾斜式スクリーンのスクリーン断面の拡大図である。 本発明であるし尿浄化装置の第1浄化槽を示す図である。 本発明であるし尿浄化装置のタンクを示す図である。 本発明であるし尿浄化装置の第2浄化槽を示す図である。 本発明であるし尿浄化装置の地下浸透槽の断面図である。 本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽の斜視図である。 本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を正面図である。 本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を平面図である。 本発明であるし尿浄化装置の蒸発散槽を側面図である。 本発明であるし尿浄化装置の原水ポンプ槽の汚水を分離するための羽を設けた場合の断面図である。 従来の排水処理槽の斜視図である。
符号の説明
1 し尿浄化装置
2 原水ポンプ槽
2a 容器
2b 原水ポンプ
2c 移送ポンプ
2d 送気管
2e 蓋
2f 攪拌ブロワー
2g 支持棒
2h モーター
2i 上羽
2j 下羽
3 傾斜式スクリーン
3a 本体
3b スクリーン
3c 投入口
3d 排出板
3e 固形物置場
3f 排水溝
3g 計量槽
3h ウェッジワイヤー
3i スリット
3j ブラシ
3k し尿等
3l 固形物
3m 水分
4 第1浄化槽
4a 最初沈殿槽
4b 嫌気濾床槽
4c 予備曝気槽
4d 第1汚泥引抜ポンプ
4e 第2汚泥引抜ポンプ
4f 散気装置
4g スカム破砕装置
4h スカム破砕装置
4i 曝気ブロワー
4j 空気
4k 希釈水
4l 計量BOX
4m 流入
4n 返送
4o 水面
4p 濾材
5 タンク
5a 第1接触曝気槽
5b 第2接触曝気槽
5c 第3接触曝気槽
5d 逆洗装置
5e 散気装置
5f 消泡剤
5g 移送
5h 水面
5i 接触材
6 地下浸透槽
6a 砂
6b パーライト
6c 砕石
6d 地面
7 貯水槽
8 蒸発散槽群
8a 蒸発散槽
8b 蒸発散槽
8c 外槽
8d 内槽
8e 掃除管
8f 連結孔
8g リブ
8h 滲出孔
8i 接続部
8j 口蓋
8k オーバーブロー
8l コンクリートブロック
8m 礫
8n 砂
8o 盛土
8p 盛土
8q サラン網
8r サラン網
8s 地面
8t 地中
9 流入管
9a パイプ
9b パイプ
9c パイプ
9d パイプ
9e 放流管
9f 第1パイプ
9g 第2パイプ
9h 第3パイプ
9i 第4パイプ
9j パイプ
9k 第1パイプ
9l 第2パイプ
9m パイプ
9n パイプ
9o パイプ
9p パイプ
9q パイプ
9r パイプ
10 流入
10a 流れ
10b 返送
10c 流れ
10d 流れ
10e 放流
10f 分流
10g 分流
10h 分流
10i 分流
10j 合流
10k 分流
10l 分流
10m 環流
10n 流れ
10o 汚泥返送
10p 汚泥返送
10q 汚泥返送
10r 流れ
11 排水処理槽
11a 処理槽
11b 空間保有体
11c 排水流入口
11d 通気筒
11e 通気孔
11f 蓋
11g リブ
12 第2浄化槽
12a 凝集槽
12b 沈殿槽
12c 消毒槽
12d 放流槽
12e 散気装置
12f 凝集剤
12g スカムバッフル
12h 越流堰
12i センターウェル
12j エアーリフト
12k 汚泥破砕装置
12l 薬剤筒
12m 水面
12n 水面
12o 水面
12p 水面
12q 移送

Claims (2)

  1. し尿の汚水が流入する流入管9を接続し、し尿の汚水を傾斜式スクリーン3へ送り出す原水ポンプ2b及びし尿の汚水を第1浄化槽4へ送り出す移送ポンプ2cを設けた原水ポンプ槽2と、
    略三角柱状のウェッジワイヤー3hを水分3mが除去されるように各ウェッジワイヤー3h同士の間にスリット3を設け、前記スリット3iの幅を調整可能に並べ、前記ウェッジワイヤー3hの内側には目詰まりを防止するためにブラシ3jを設け、
    上側には入ってくるし尿の量より出ていくし尿の汚水の量が少ない場合は溢れないように制御する計量槽3gを設置するとともに固形物置場3eを設け、前記原水ポンプ槽2から送り出されたし尿を汚水を糞などの固形物と水分とに分離し、固形物を取り除き水分を原水ポンプ槽2に送り返す傾斜式スクリーン3と、
    蓄えたし尿が一定量を超え容量を超えるおそれがある場合には原水ポンプ槽2へ返送4nする計量ボックス4lを設置し、発生した汚泥を原水ポンプ槽2に汚泥返送10pするための第1汚泥引抜ポンプ4d及びスカムが発生しないように曝気ブロワー4iより空気4jを送ることでし尿の汚水を攪拌するスカム破砕装置4gを備えた最初沈殿槽4a、酸素のないところで働く微生物の力を利用してし尿の汚水を分解し、その分解で発生した浮遊物を濾すことによって分離する濾材4pを設け、発生した汚泥を前記原水ポンプ槽2に汚泥返送10qするための第2汚泥引抜ポンプ4eを設けた嫌気濾床槽4b及び前記曝気ブロワー4iより空気4jを送ることで酸素を供給し、底付近に散気装置4fを設けて送られた前記空気4jによって水中に分散させ、希釈水4kを添加することによって濃度を薄める予備曝気槽4cからなり、前記傾斜式スクリーン3から戻された汚水を浄化する第1浄化槽4と、
    し尿の汚水に添加し浮遊する汚物同士を集めて塊とし濾過や沈降によって分離除去するのを容易にするために凝集剤12fを添加し、曝気ブロワー4iから空気4jを送り込みスカムが発生しないように攪拌する散気装置12eを設けた凝集槽12a、
    スカムバッフル12g、越流堰12h、センターウェル12i、エアーリフト12j及び曝気ブロワー4iにより空気4jが送り込まれる汚泥破砕装置12kからなり、し尿の汚水に薬剤を添加し沈殿させ有害物質等を取り除く沈殿槽12b、
    前記沈殿槽12bで処理された後の上澄液を放流10eする前に消毒を行うために消毒薬を入れた薬剤筒12lを備える消毒槽12c及び
    前記消毒槽12cにおいて消毒されたし尿の汚水を放流10eする放流槽12dからなり、前記傾斜式スクリーン3から戻された汚水を浄化を促す第2浄化槽12と、
    前記第1浄化槽4から流れ込むし尿の汚水中にバクテリアを入れし尿等の汚水の分解を促すために内部に逆洗装置5d、散気装置5e及び接触材5iが置かれている第1接触曝気槽5a、第2接触曝気槽5b及び第3接触曝気槽5cからなるタンク5と、
    上から砂6a層、パーライト6b層及び砕石6層cの三層からなり、前記第2浄化槽12からの放流管9eから分岐させた第1パイプ9f、第2パイプ9g、第3パイプ9h及び第4パイプ9iを前記パーライト6b層に配設し、し尿の汚水の処理を行い地下へ浸透させるための地下浸透槽6と、
    前記地下浸透槽6を通過し処理されたし尿の汚水を貯めておく貯水槽7と、
    前記7貯水槽のし尿の汚水を蒸発させる複数の蒸発散槽群8とからなり、
    前記貯水槽7に残った水を前記原水ポンプ槽2へ環流させて再処理することを特徴とする
    し尿浄化装置。
  2. 原水ポンプ槽の内部に汚水を分離させるための上下羽及び前記上下羽を回すモーターを設けたことを特徴とする請求項1に記載のし尿浄化装置。
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